JP3766286B2 - 複合部材の製造方法、感光性組成物、絶縁体、および複合部材 - Google Patents

複合部材の製造方法、感光性組成物、絶縁体、および複合部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気、電子、通信などの分野で配線基板等に用いられる、絶縁体に配線などの導電部が形成されてなる複合部材の製造方法、前記複合部材の製造方法に好適に用いることができる感光性組成物及び複合部材製造用の絶縁体、および複合部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体をはじめ各種電気電子部品の高集積化や小型化が進んでいる。今後もその傾向はなお一層強まることは確実である。これに伴なって、プリント配線基板においても高密度実装を施すために金属配線のファインバターン化、ファインピッチ化、および立体配線化等が試みられている。
【0003】
なかでも立体配線は高密度実装に欠かせないものであり、立体配線を有する配線基板を製造するために、種々の方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、従来の配線基板の製造方法によると三次元的に自由な形状の微細な立体配線を容易に形成することは困難であった。
【0005】
配線基板に立体配線を形成するにあたっては、例えばビルドアップ配線基板などに代表されるように、二次元の配線基板を積層させて多層配線基板構造を構成する。このような多層配線基板構造では、隣接する配線層の間をビアと呼ばれる導電性カラムで結合されている。
【0006】
こうしたビアは、従来は、次のような手法により形成されていた。まず、感光性ポリイミドやレジストなどを用いたフォトリソグラフィー工程などによって、絶縁体に貫通孔(ビアホール)を設ける。次いで、その穴に選択的にめっきを施したり導電性ペーストを充填することによってビアが形成される。このような方法でビアを形成するには、レジストの塗布と露光、エッチングという工程が必要とされる。このため、手間がかかるうえ、歩留まりを向上させることが難しかった。
【0007】
ビアの形成方法の他の例としては、絶縁体にドリルやCO2レーザーなどを用いて所定の大きさのビアホールを設け、その穴にめっきを施したり導電性ペーストを充填する方法が挙げられる。
【0008】
しかしながら、このように絶縁体に穿孔する方法では、数十ミクロン以下の微細なビアを所望の位置に自由に形成することが難しい。
【0009】
特開平7−207450号公報に記載されている方法では、PTFEなどの3次元多孔質フィルムの孔内に親水性基を有する化合物を侵入させ、この状態で低圧水銀ランプ(波長185nm及び254nm)でパターン露光を行なう。それによって、親水性基を三次元多孔質フィルム上に形成する。さらに、この3次元多孔質フィルムに対して、金属めっきを行なうというものである。
【0010】
しかしながら、上述の方法では、短波長の光で露光を行なうため3次元多孔質フィルムを構成する材料の劣化が生じる。また、露光光が3次元多孔質フィルムに吸収されて多孔質体内部にまで露光光が侵入せず、微細なビアが形成できないという問題点があった。
【0011】
またビアを形成する別の方法も提案されている。この方法においては、まず、多孔質体からなる絶縁体全面に感光性還元剤および金属塩などを含む感光性組成物を含浸させる。次いで、後パターン露光を施すことによって、露光部の金属塩のカチオンを金属核に還元させる。その後、未露光部の感光性組成物を洗浄除去し、さらに、残留した金属核に対し無電解めっきやはんだを施すことによって、所望パターンのビアが形成される。
【0012】
しかしながら、この方法においては、多孔質体からなる絶縁体全面に金属塩を含む感光性組成物を含浸させるため、未露光部に相当する部分に吸着した金属塩を、露光後に完全に除去することが困難である。したがって、その後の還元工程において、望まない部分へ金属核が析出するという現象が生じる。このような金属核の異常析出は、パターンが微細化するにしたがって隣接するビアや配線層間の絶縁特性に問題を生じさせる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、導電回路設計の自由度が高く、また露光により絶縁体の劣化を生じず、かつ絶縁体への金属の異常析出がなく微細なパターンを有する導電部を容易に形成することのできる複合部材の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
また本発明は、上述したような複合部材の製造に用いるための感光性組成物および絶縁体を提供することを目的とする。
【0015】
さらに本発明は、上述した方法により製造された複合部材を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、絶縁体に導電部が選択的に形成されてなる複合部材の製造方法であって、
(1)前記絶縁体の吸光が大きい波長以外の波長に感光する光酸発生剤と、酸の存在下でイオン交換性基を生成する高分子化合物とを含有する感光性組成物層を前記絶縁体に形成する工程と、
(2)前記感光性組成物層を、前記絶縁体の吸光度が低い波長を用いてパターン露光して、露光部に酸を発生させる工程と、
(3)前記パターン露光により感光性組成物層の露光部に発生した酸によりイオン交換性基を生成させる工程と、
(4)前記パターン露光により形成されたイオン交換性基のパターンに金属イオン又は金属を結合せしめて前記導電部を形成する工程とを具備し、
前記高分子化合物は、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位と、酸により分解されずアルカリ不可溶性の基を有する第二の繰り返し単位とを含む共重合体であり、前記イオン交換性基の一部もしくは全部が保護基により保護されていることを特徴とする複合部材の製造方法を提供する。
【0017】
また本発明は、光酸発生剤と、酸の存在下でイオン交換性基を生成する高分子化合物と、光増感剤とを含有し、450nm以上の波長の光に感光し、前述の複合部材の製造方法に用いられる感光性組成物であって、
前記高分子化合物は、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位と、酸に分解されずアルカリ不可溶性の基を有する第二の繰り返し単位とを含む共重合体であり、前記イオン交換性基の一部もしくは全部が保護基により保護されていることを特徴とする複合部材製造用の感光性組成物を提供する。
【0018】
さらに本発明は、前述の複合部材の製造方法に用いられる多孔質の絶縁体であって、前記絶縁体は内部空孔表面が、光酸発生剤と、酸の存在下でイオン交換性基を生成する高分子化合物と、光増感剤とを含有し、450nm以上の波長の光に感光し、前記高分子化合物は、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位と、酸に分解されずアルカリ不可溶性の基を有する第二の繰り返し単位とを含む共重合体であり、前記イオン交換性基の一部もしくは全部が保護基により保護されている感光性組成物が塗布されてなることを特徴とする複合部材製造用の絶縁体を提供する。
【0019】
またさらに本発明は、前述の方法により製造された複合部材を提供する。
【0020】
本発明者らは、微細な導電パターンを有する複合部材の製造方法について鋭意検討した結果、次のような知見を見出した。すなわち、感光性組成物において、光による露光反応とイオン交換性基を発生する反応との2つの反応を分離することにより、基材やイオン交換性基を発生する化合物が吸収する波長と異なる、光透過性に優れた露光波長で露光することができることがわかった。また、イオン交換性基を有する繰り返し単位と、酸により分解されずアルカリ不可溶性の基を有する繰り返し単位との2種類の基を高分子化合物内に混在させ、イオン交換と基材への密着との役割を分担することによって、解像性能を高めることができることがわかった。これにより、絶縁体に微細な導電部が選択的に形成されている複合部材を、容易かつ安価に製造する本発明を成すにいたったものである。
【0021】
まず、本発明のコンセプトを述べる。一例として、多孔質の絶縁体の表面および内部に金属の立体配線を作製する方法を例に挙げて説明するが、これは理解を助けるため簡略化しており、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
本発明においては、ナノメートルオーダーからミクロンオーダーの多孔質体からなる基材の表層および内部に、導電パターンを形成する。ここで用いられる基材は耐熱性や誘電率がある程度低いことが求められる。こうした条件を満たす材料は、紫外光に対して吸収が多いため、紫外光で露光するのが困難である。したがって、本発明者らは基材の吸収波長とは異なる波長で光反応を起こす系を設計した。
【0023】
本発明において用いられる感光性組成物は、光酸発生剤と、酸の存在下でイオン交換性基を発生する高分子化合物とを含有する。光酸発生剤は、種類によって様々な波長に反応するものを選ぶことができる。このため、基材の吸光が大きい波長以外の波長に感光する光酸発生剤を適宜選択して用いることができる。さらに、ポリイミドなど450nm以下の波長全てにおいて大きな吸収を有する基材の場合には、光増感剤を添加することによって500nm以上の光で感光させることも可能となる。
【0024】
光によって発生した酸は、化学的に保護されたイオン交換性基を発生する化合物に作用し脱保護反応を起こし、イオン交換性基を発生させる。このため、パターン露光した露光部に選択的にイオン交換性基が存在することになる。絶縁体の吸光度が低い波長を用いてパターン露光されるため、絶縁体が多孔質体であると絶縁体の内部も露光される。
【0025】
次に、パターン露光により露光部に生成したイオン交換性基に、金属イオン又は金属を結合させる。さらに、露光部のイオン交換性基に結合した金属イオンを還元処理して金属イオンを金属化することにより、導電部を形成する。
【0026】
続いて、露光部に形成された導電部に対し導電性を向上させるために、無電解メッキを施す。この結果、表面および内部に金属の立体配線がなされた多孔質の絶縁体を得ることができる。
【0027】
また、本発明において用いられる酸の存在下でイオン交換性基を発生する高分子化合物は、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位と、酸により分解されずアルカリ不溶性の第二の繰り返し単位とを含む。第二の繰り返し単位の存在によって、後工程の金属または金属イオンを結合させる工程等において、感光性組成物層が溶出されるのが防止され、微細なパターンを有する複合部材を製造することができる。
【0028】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0029】
まず、複合部材の製造方法について説明する。
【0030】
シート状の絶縁体の平面方向及び厚み方向にわたった導電部を形成する場合を例にとり、本発明の複合部材の製造方法を説明する。
【0031】
絶縁体に微細なパターンを有する導電部を形成する。ここでは、光酸発生剤と酸の存在下でイオン交換性基を生成する高分子化合物を含有した感光性組成物を用い、多孔質の絶縁体にシート状の絶縁体の平面方向及び厚み方向に微細な導電パターンを有する複合部材を形成する場合を説明する。
【0032】
本発明においては、光酸発生剤と、酸の存在下でイオン交換性基を生成する高分子化合物とを含有した感光性組成物が用いられる。すなわち、上述したように可視光もしくは紫外光により、この感光性組成物層をパターン露光して露光部に酸を発生させ、発生した酸によりイオン交換性基を生成させる。こうした組成物を用いるので、基材と感光性組成物の吸光波長と露光波長を大きく異ならせることができる。
【0033】
ここで、光酸発生剤とは、化学放射線の照射により酸を発生する化合物のことである。
【0034】
本発明に用いられる光酸発生剤としては、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムへキサフルオロアンチモネート、(ヒドロキシフェニル)ベンゼンメチルスルホニウムトルエンスルホネート、1−(ナフチルアセトメチル)チオラニウムトリフレート、シクロへキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフレート、ジシクロへキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフレート、ジメチル(2−オキソシクロへキシル)スルホニウムトリフレート、 S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホン酸、Se−(トリフルオロメチルジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホン酸、I−ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホン酸等のヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等のオニウム塩;1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、2,3,4,4−テトラヒドロベンゾフェノンの1、2一ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,1−トリス(4一ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル等の1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等のジアゾケトン化合物;1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、ナフチル−ビス−(トリクロロメチル)−S−トリアジン等のハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有へテロ環状化合物等のハロゲン含有化合物;4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等のβ一ケトスルホン、βスルホニルスルホン等のスルホン化合物;2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノエチル)アミノ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン・ジメチル硫酸塩、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ジメトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、等のトリアジン系化合物などを挙げることができる。
【0035】
また、これらの化合物のうち芳香環が、共役した多環芳香族化合物の場合、吸光波長が長波長側にシフトするので、より好ましいものとなる。
【0036】
なお、共役した複合芳香環とは、複数の芳香環が、共役した状態にある定まった分子構造を有することを示す。ここで共役とは、2重結合がひとつおきに平面に近い状態に整列した状態を言う。
【0037】
こうした共役複合芳香環の例としては、例えばナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、ナフタセン環、クリセン環、3、4ベンゾフェナントレン環、ペリレン環、ペンタセン環、およびピセン環などが挙げられる。また、ピロール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インダゾール環、クロメン環、キノリンジンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、ジベンゾフラン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、チアントレン環、インドリジン環、ナフチリジン環、プリン環、プテリジン環、およびフルオレン環などが挙げられる。なかでも、特に該芳香環がナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環のうちから選択されたものである場合、透明性およびドライエッチング耐性が高いので望ましい。こうした共役複合芳香環は、光酸発生剤の主鎖骨格や側鎖骨格に導入することができる。あるいは、後述する光増感剤の主鎖骨格や側鎖骨格に、共役複合芳香環を導入してもよい。
【0038】
具体的には、光酸発生剤としては、ナフタレン骨格やジベンゾチオフェン骨格を有するオニウム塩やスルフォネート、スルフォニル、スルファミド化合物などを挙げることができる。より具体的な例としては、NAT−105、NDS−105などのナフタレン環を有するスルフォニウム塩、NDI−106などのナフタレン含有塩素化トリアジン、ナフタリジルトリフレートなどのスルフオン酸イミド(以上みどり化学)ジベンゾチオフェン誘導体のオニウム塩(ダイキン化学)、およびナフタレンバイスルフォンなどの化合物が挙げられる。
【0039】
光酸発生剤のイオン交換性高分子化合物への添加量は、少なくとも0.1%以上20%未満が望ましい。光酸発生剤の添加量が0.1%未満であると感度低下を引き起こすおそれがあり、逆に20%以上であると塗膜性能が著しく低下し、メッキ時にアルカリ溶液であるメッキ液に溶出するおそれがあるためである。
【0040】
光酸発生剤のみでは十分な感度が得られないときや、より長波長光で露光したいときは、光増感剤を添加すればよい。光増感剤は、上述したような露光によりイオン交換性基を生成する化合物の光増感が可能なものであれば特に限定されず、使用する化合物の種類や光源などに応じて適宜選択される。
【0041】
増感剤の具体例としては、例えば、芳香族炭化水素およびその誘導体、ベンゾフェノンおよびその誘導体、o−ベンゾイル安息香酸エステルおよびその誘導体、アセトフェノンおよびその誘導体、ベンゾイン並びにベンゾインエーテルおよびその誘導体、キサントンおよびその誘導体、チオキサントンおよびその誘導体ジスルフィド化合物、キノン系化合物、ハロゲン化炭化水素含有化合物並びにアミン類、3−エチル−5−[(3−エチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン]−2−チオキソ−4−オキアゾリジノン、5−[(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)エチリデン]−3−エチル−2−チオキソ−4−オキサゾリジノンなどのメロシアニン系色素、3−ブチル−1,1−ジメチル−2−[2[2−ジフェニルアミノ−3−[(3−ブチル−1,3−ジヒドロ−1,1−ジメチル−2H−ベンズ[エ]インドール−2−イリデン)エチリデン]−1−シクロペンテン−1−イル]エチエニル]−1H−ベンズ[エ]インドリウム パーコレート、2−[2−[2−クロロ−3−[(3−エチル−1,3−ジヒドロ−1,1−ジメチル−2H−ベンズ[エ]インドール−2−イリデン)エチリデン]−1−シクロヘキセン−1−イル]エテニル]−1,1−ジメチル−3−エチル−1H−ベンズ[e]インドリウム テトラフルオロボレート、2−[2−[2−クロロ−3−[(3−エチル−1,3−ジヒドロ−1,1−ジメチル−2H−ベンズ[e]インドール−2−イリデン)エチリデン]−1−シクロペンテン−1−イル]エテニル]−1,1−ジメチル−3−エチル−1H−ベンズ[e]インドリウム アイオダイドなどのシアニン系色素、スクアリウム系シアニン色素、2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]ベンゾチアゾール、2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]ナフト[1,2−d]チアゾール、2−[(m−ヒドロキシ−p−メトキシ)スチリル]ベンゾチアゾールなどのスチリル系色素、エオシンB(C.I.No.45400)、エオシンJ(C.I.No.45380)、シアノシン(C.I.No.45410)、ベンガルローズ、エリスロシン(C.I.No.45430)、2,3,7−トリヒドロキシ−9−フェニルキサンテン−6−オン、ローダミン6Gなどのキサンテン色素、チオニン(C.I.No.52000)、アズレA(C.I.No.52005)、アズレC(C.I.No.52002)などのチアジン色素、ピロニンB(C.I.No.45005)、ピロニンGY(C.I.No.45005)などのピロニン色素、3−アセチルクマリン、3−アセチル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジブチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンズイミダゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、10−(2−ベンゾチアゾリル)−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジオクチルアミノ)クマリン、3−カルベトキシ−7−(ジエチルアミノ)クマリン、10−[3−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1−オキソ−2−プロペニル]−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オンなどのクマリン系色素、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3,3’−カルボニル−7−ジエチルアミノクマリン−7’−ビス(ブトキシエチル)アミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジブチルアミノクマリン)などのケトクマリン系色素、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジブチルアミノスチリル)−4H−ピランなどのDCM系色素が挙げられる。
【0042】
このような光増感剤の配合割合は、前述の光酸発生剤のモル濃度に対して、通常0.001〜10mol、好ましくは0.1〜1molであることが望ましい。
【0043】
本発明における酸の存在下で酸触媒反応によりイオン交換性基を生成する高分子化合物は、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位と、酸に分解されずアルカリに不可溶な基を有する第二の繰り返し単位からなる共重合体を用いる。
【0044】
イオン交換性を有する第一の繰り返し単位としては、具体的には、フェノールノボラック、ナフトールノボラックなどのノボラック樹脂、ポリイソボルネン、ポリノルボルネン、ポリシクロヘキセン、ポリシクロペンテン、ポリシクロヘプテン、ポリシクロオクテンなどの主鎖脂環ポリマーの側鎖の一部がカルボキシル基、スルホニル基で置換されたもの、ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシビニルナフタレンなどのフェノール樹脂、ポリα−クロロアクリレート、ポリシアノアクリレートなどの高分子化合物の繰り返し単位が挙げられる。また、ノボラック樹脂やフェノール樹脂の水酸基がスルフォニル基に置換されたものを用いることもできる。
【0045】
第一の繰り返し単位は、イオン交換性基の一部もしくは全部が、後述する酸で脱離する保護基で保護されていることが必要とされる。露光によって光酸発生剤から発生した酸が、イオン交換性基を保護している保護基を脱離させることによって、イオン交換性基を発生し、露光部に金属イオンを吸着させることができる。この結果、光のパターンに従った金属パターンを転写することができる。
【0046】
また、酸により分解されずアルカリ不溶性基を有する第二の繰り返し単位としては、例えば、ポリイソボルネン、ポリノルボルネン、ポリシクロヘキセン、ポリシクロペンテン、ポリシクロヘプテン、ポリシクロオクテンなどの主鎖脂環ポリマーおよびそれらの側鎖の一部がアルキル基で置換されたもの、α−メチルスチレン、ポリスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、イソボルニルメタ(ア)クリレート、メンチルメタ(ア)クリレート、ノルボルニルメタ(ア)クリレート、アダマンチルメタ(ア)クリレート、アリルメタ(ア)クリレート、ナフトールメタ(ア)クリレートなどのポリメタクリル酸エステルおよびポリアクリル酸エステル類でエステルが酸により分解しないもの、ポリシラン、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイミド類など極性を持つ基が側鎖に出ていないものの高分子化合物の繰り返し単位が挙げられる。
【0047】
上述したような第一および第二の繰り返し単位を共重合させてなる共重合体が、本発明において高分子化合物として用いられる。通常、電子デバイス加工用のレジストに用いられる感光性組成物は、パターンを解像するために現像液に溶解することが要求される。これに対して本発明においては、後に必要なメッキ工程で用いるメッキ液のアルカリ溶液に浸漬した後も、感光性組成物の主成分である高分子化合物は多孔質体表面に残留している必要がある。したがって、メッキ液のアルカリ溶液に溶出してしまうような高分子化合物では、本発明の目的を達成することができない。
【0048】
本発明にかかる高分子化合物において、第一の繰り返し単位に含まれるイオン交換性基は極性基であるため、酸で保護基を分解する工程を経た後は、アルカリ可溶性を呈する。この部分にメッキの核となる金属イオン酸が吸着する。メッキは金属イオンを核にして触媒的に成長するためイオンが吸着する極性基は、高分子化合物の全ての繰り返し単位に存在している必要はない。一方、酸に分解されず疎水性の繰り返し単位と共重合体であることによって、酸によって保護基を分解する工程の後でも、メッキ時に高分子化合物が溶出するのを防止することができる。
【0049】
イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位と、酸に分解されずアルカリに不可溶な基を有する第二の繰り返し単位の比率は、10:90〜75:25(mol比)の間であることが好ましい。極性基を有する第一の繰り返し単位が前述の範囲より少ない場合には、メッキ核の生成が進まずメッキを充分に進行させるのが困難になる。一方、極性基を有しない第二の繰り返し単位が前述の範囲より少ない場合には、メッキ液に溶出してメッキが進行しなくなるおそれがある。より微細なメッキパターンを転写するためには、第一の繰り返し単位と第二の繰り返し単位との比率は、20:80〜50:50の間であることがより好ましい。
【0050】
高分子化合物のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、感光性組成物の所望の特性に応じて変更することができるが、2,000〜150,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜80,000であることがより好ましい。Mwが.2,000未満の場合には、製膜性や多孔質体への密着性が悪化するおそれがある。一方、Mwが150,000を超えると解像度、メッキ特性等が悪化する傾向がある。また、高分子化合物の分子量の分散度Mw/Mnは、好ましくは1〜5であり、さらに好ましくは1〜3である。
【0051】
また、酸で脱離する保護基としては、例えば、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、アセチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−ペントキシエチル基、テトラヒドロピラニル基、メチルテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メチルテトラヒドロフラニル基、カルボブトキシメチル基、カルボブトキシエチル基、カルボブトキシプロピル基、トリアルキルシリル基等を挙げることができる。これらのうち、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、テトラヒドロピラニル基、メチルテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基およびメチルテトラヒドロフラニル基が好ましい。
【0052】
さらに、酸で脱離する置換基としては、例えば、t−ブチルエステル、イソプロピルエステル、エチルエステル、メチルエステル、ベンジルエステルなどのエステル類;テトラヒドロピラニルエーテルなどのエーテル類;t−ブトキシカルボネート、メトキシカルボネート、エトキシカルボネートなどのアルコシキカルボネート類;トリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、トリフェニルシリルエーテルなどのシリルエーテル類など、イソプロピルエステル、テトラヒドロピラニルエステル、テトラヒドロフラニルエステル、メトキシエトキシメチルエステル、2−トリメチルシリルエトキシメチルエステル、3−オキソシクロヘキシルエステル、イソボルニルエステル、トリメチルシリルエステル、トリエチルシリルエステル、イソプロピルジメチルシリルエステル、ジ−t−ブチルメチルシリルエステル、オキサゾール、2−アルキル1,3−オキサゾリン、4−アルキル−5−オキソ−1,3−オキサゾリン、5−アルキル−4−オキソ−1,3−ジオキソランなどのエステル類、t−ブトキシカルボニルエーテル、t−ブトキシメチルエーテル、4−ペンテニロキシメチルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、テトラヒドロチオピラニルエーテル、3−ブロモテトラヒドロピラニルエーテル、1−メトキシシクロヘキシルエーテル、4−メトキシテトラヒドロピラニルエーテル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルエーテル、1,4−ジオキサン−2−イルエーテル、テトラヒドロフラニルエーテル、テトラヒドロチオフラニルエーテル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イルエーテル、t−ブチルエーテル、トリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、トリイソプロピルシリルエーテル、ジメチルイソプロピルシリルエーテル、ジエチルイソプロピルシリルエーテル、ジメチルセキシルシリルエーテル、t−ブチルジメチルシリルエーテルなどのエーテル類、メチレンアセタール、エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタールなどのアセタール類、1−t−ブチルエチリデンケタール、イソプロピリデンケタール(アセトナイド)、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタールなどのケタール類、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルソエステル、1−メトキシエチリデンオルソエステル、1−エトキシエチリデンオルソエステル、1,2−ジメトキシエチリデンオルソエステル、1−N,N−ジメチルアミノエチリデンオルソエステル、2−オキサシクロペンチリデンオルソエステルなどのサイクリックオルソエステル類、トリメチルシリルシリルケテンアセタール、トリエチルシリルケテンアセタール、t−ブチルジメチルシリルケテンアセタールなどのシリルケテンアセタール類、ジ−t−ブチルシリルエーテル、1,3−1’,1’,3’,3’−テトライソプロピルジシロキサニリデンエーテル、テトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデンエーテルなどのシリルエーテル類、ジメチルアセタール、ジメチルケタール、ビス−2,2,2−トリクロロエチルアセタール、ビス−2,2,2−トリクロロエチルケタール、ダイアセチルアセタール、ダイアセチルケタールなどの非環状アセタール類やケタール類、1,3−ジオキサン、5−メチレン−1,3−ジオキサン、5,5−ジブロモ−1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−ブロモメチル−1,3−ジオキソラン、4−3’−ブテニル−1,3−ダイオキソラン、4,5−ジメトキシメチル−1,3−ダイオキソランなどのサイクリックアセタール類やケタール類、O−トリメチルシリルシアノヒドリン、O−1−エトキシエチルシアノヒドリン、O−テトラヒドロピラニルシアノヒドリンなどのシアノヒドリン類を挙げることができる。
【0053】
酸の作用により容易に脱離する保護基の高分子化合物中への導入率(酸の作用により保護基を脱離してイオン交換性基となる高分子化合物中の酸性官能基と保護された酸性官能基との合計数に対する保護された酸性官能基の数の割合)は、保護基やイオン交換性高分子化合物の種類により一概には規定できないが、通常15〜100モル%、さらに好ましくは20〜100モル%である。
【0054】
本発明にかかる高分子化合物は、アクリル骨格および/またはスチレン骨格を主鎖に有する高分子化合物は、基材への密着度が高く、メッキ時にアルカリ溶液に溶出しないため、より好ましい。例えば、ポリメチルメタリレートとテトラヒドロピラニルメタクリレートとの共重合体や、ポリスチレンとポリt−ブトキシカルボニルメトキシスチレンとの共重合体は基材への密着性が高く感度も優れている。また、t−ブチルメタクリレートの分解温度が150℃程度と高く、ポリメチルメタクリレートとt−ブチルメタクリレートとの共重合体は耐熱性に優れている。したがって、こうした共重合体は、ポリイミドなど高ガラス転移温度の基材を用いる際に好ましい。メタクリレートの代わりにアクリレートを用いても、同様の性能を付与することができる。
【0055】
また、上述したように、テトラヒドロピラニルメタクリレート、ポリt−ブトキシカルボニルメトキシスチレン、t−ブチルメタクリレートは、少量の酸で分解し高感度であるため、イオン交換性基の保護基として優れている。すなわち、本発明においては、テトラヒドロピラル基,t−ブチル基,およびt−ブトキシカルボニルメチル基を保護基として有することが好ましい。
【0056】
これらの感光性組成物において、イオン交換性基としてのスルフォニウム基、カルボキシル基、あるいはフェノール性の水酸基が、上述した保護基で保護されている場合には、メッキ工程でメッキ核が生じやすいため好ましい。すなわち、本発明の感光性組成物における高分子化合物は、スルホニウムエステル基、カルボン酸エステル基、およびフェノール誘導体基からなる群から選択される少なくとも1つを、イオン交換性基を生成する繰り返し単位に有することが好ましい。
【0057】
本発明の感光性組成物は、単独で用いても酸分解を生じてパターンが形成される。しかしながら、アルカリ溶液に対する溶解抑止能を有する酸分解性基が導入された化合物を溶解抑止剤として配合することによって、さらに高感度化を図ることができる。本発明において用いられる溶解抑止剤としては、アルカリ溶液に対する充分な溶解抑止能を有するとともに、酸による分解後の生成物がアルカリ溶液中で−(C=O)OH、−S(=O)−OH、または−OHを生じ得る酸分解性基を有する化合物が例示される。
【0058】
こうした化合物は、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF,トリ(ヒドロキシフェニル)メタン、フェノールフタレイン、クレゾールフタレイン、チモールフタレイン、カテコール、ピロガロール、ナフトール、ビスナフトールA、ビスナフトールF、安息香酸誘導体などの低分子芳香族系化合物やコレート、ステロイド頻、テルペノイド斎導体、糖類などの低分子脂肪族アルコール類に酸分解性基を導入することで得ることができる。
【0059】
溶解抑止剤としては、例えば米国特許第4,491,628、米国特許第4,603,101号、および特開昭63−27829号公報等に記された化合物を使用することができる。また、カルボン酸やフェノール性水酸基を有する化合物のヒドロキシ末端の一部または全部を酸で分解可能な保護基で置換した化合物も、溶解抑止剤として使用することができる。例えばその保護基としては、tert−ブチルエステルやtert−ブチルカーボネート、テトラヒドロピラニル基、およびアセタール基等が挙げられる。かかる化合物としては、より具体的には、フェノールやナフトールやアントラセンの、ポリヒドロキシ化合物のtert−ブチルカーボネート、フェノールフタレインやナフトールフタレインのtert−ブチルカーボネート、キナザリンやキニザリン、フェノールノボラックやナフトールノボラック樹脂のtert−ブチルカーボネート、などが例示される。
【0060】
これらの溶解抑止剤化合物の高分子化合物への添加量は、少なくとも3wt%以上40wt%未満が望ましい。この理由は前記感光性組成物の添加量が3wt%未満の場合には、解像性低下を引き起こすおそれがある。一方、逆に40wt%を越えると、塗膜性能あるいは溶解速度が著しく低下するおそれがあるためである。溶解抑止剤の配合量は、通常10〜30wt%の間がより望ましい。
【0061】
本発明の感光性組成物は、酸の作用によりイオン交換性基を生成する高分子化合物、および、化学放射線の照射によって酸を発生する化合物を溶媒に溶解させ、この溶液をろ過して調整することより調製される。ここで用いる溶媒として、例えば、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、γ−ブチルラクトン、および3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶媒などを挙げることができる。さらに、感光性組成物によっては、溶解性を向上させるため、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアルデヒド、N−メチルピロリジノン等を用いてもよい。
【0062】
さらに、近年低毒性溶媒への代替溶媒として着目されている、メチルプロピオン酸メチルなどのプロピオン酸誘導体、乳酸エチルなどの乳酸エステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの溶媒を用いることもできる。
【0063】
前述の溶媒は、単独で使用しても、または混合物の形で使用してもよい。また、これらの溶媒はキシレン、トルエン、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコールを適量含んでもよい。
【0064】
なお、本発明の感光性組成物には、前述した成分に加えて、必要に応じて、塗膜改質剤としての界面活性剤;密着促進剤、塩基性物質、エポキシ樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、プロピレンオキシド−エチレンオキシド共重合体、およびポリスチレン等のポリマー;または反射防止剤としての染料を配合してもよい。
【0065】
本発明においては、光酸発生剤と酸の存在下でイオン交換性基を生成する化合物とを含有した感光性組成物を用いるため、酸によるイオン交換性基の脱保護反応が必須である。このためには、光反応により発生した酸を触媒として用いて、熱反応を利用し保護基を分解することがある。このときの熱反応の温度は、絶縁体の耐熱温度より低くなくてはならず、寸法安定性を保つためガラス転移温度より低いことが望ましい。例えば、PTFEのガラス転移温度は100℃〜130℃程度の間にあるため、PTFEフィルムなどを用いる場合には熱反応の温度はこれ以下にする必要がある。低い温度で脱保護反応が生じる保護基としては、例えば、ポリヒドロキシスチレン、ノボラック樹脂などフェノール樹脂をt−ブチル基やt−ブトキシカルボニルメチル基など3価の炭素で保護したものや、ポリメタクリル酸やポリアクリル酸などアクリル樹脂をテトラヒドロピラニルなどピラニルやラクトンで保護したのものが挙げられる。これらは、酸の存在下では100℃程度で分解するため、ガラス転移温度が低いPTFE、ポリスチレン、アクリル樹脂、およびこれらの誘導体などを基材として用いる場合に有効である。
【0066】
これに対して、ポリイミド、ベンゾシクロブテン樹脂、架橋させた1,2ポリブタジエンなどを基材に用いる時は、耐熱温度が250℃以上であり、物によっては400℃程度まである。したがって、保護基としては分解温度が高いものを使うことができる。これによって、t−ブチルメタクリレートなどアクリル樹脂をt−ブチル基で保護したものなどを共重合組成に組み入れたものなど、酸の存在下でも140℃以上でないと脱保護反応が起こらないものも使用することができる。このとき、光酸発生剤としては、光反応によって発生するアニオンはカンファースルホネートなど嵩高いものの方が、拡散長が抑えられて解像性能が上がるため望ましい。
【0067】
以下、図面を参照して各工程について説明する。
【0068】
工程(1):まず、図1(a)に示すように、露光によりイオン交換性基を生成する化合物を含有する感光性組成物層2を多孔質体からなる絶縁体1の多孔質表面に形成する。
【0069】
工程(2):次に、図1(b)に示すように絶縁体1に形成された前記感光性組成物2で被覆された多孔質絶縁体に対してマスク3を介してパターン露光する。これによって、感光性組成物2の露光部4においては、光酸発生剤から露光部に酸が発生する。
【0070】
工程(3):露光後、熱処理を施して、光反応により発生した酸を触媒として作用させて、露光部のイオン交換性基を保護している保護基を分解しイオン交換性基を生成させる。
【0071】
工程(4):その後、工程(3)におけるパターン露光により露光部4に生成したイオン交換性基に、図1(c)に示すように金属イオン又は金属を結合させる。
【0072】
工程(5):必要に応じて、図1(d)に示すように露光部4のイオン交換性基に結合した金属イオンを還元処理して金属イオンを金属化することにより、導電性を向上させる。
【0073】
工程(6):さらに必要に応じて、図1(e)に示すように露光部4に形成された導電部に対し、導電性を向上させるために無電解メッキを施す。
【0074】
なお、露光により光酸発生剤から発生した酸を用いて熱反応により保護基を分解する際には、イオン交換性基を保護している保護基を分解してイオン交換性基の含有量を多くすると、アルカリ性であるメッキ液などに溶出してしまい、金属が析出しなくなる。特に、イオン交換性基が酸であるときこの現象は顕著である。この後、保護基が熱により自己分解する温度で加熱すると、未露光部がイオン交換性基を発生して金属が析出する。この結果、ネガ型(未露光部に金属が析出する)の金属パターンが形成される。この際、2度の熱反応を1工程で済ますこともできる。
【0075】
このような本発明の複合部材の製造方法に係る工程(1)乃至(4)(必要に応じて(5)、(6))においては、レジストの塗布、エッチングおよびレジストの剥離などの煩雑な工程が必要ない。したがって、フォトリソグラフィーや機械的手法を用いて貫通孔を形成する従来の配線基板の製造方法に比べて、工程が簡略化される。また、絶縁体として多孔質体を用いれば、選択的にメッキや導電ペーストを充填して導電部を形成する工程がなく、作業が容易になる。
【0076】
また、本発明の感光性組成物は未露光時の安定性が高いため、基材に感光性組成物を浸漬塗布した段階で長期間保存することができる。このため、感光性物質を扱う製造現場と、露光、メッキを扱う製造現場が異なっていても何等問題は生じない。すなわち、基材に感光性組成物を浸漬塗布した段階で製品の形で出荷し、メッキを扱う工場で簡単にパターンメッキを行なうことが可能である。
【0077】
しかも、導電部のパターン形状の精度も向上させることができ、数十μm以下に制御した微細なパターンを容易に形成することが可能となる。そのため、絶縁体に形成する導電部の設計の自由度も向上する。
【0078】
本発明では、望まない部分に金属核が析出するという現象が生じない。その結果、所望の部分にのみ精度良く微細なパターン形状を有する導電部を形成することができる。
【0079】
本発明においては、脱保護基反応と光反応との2つの反応を分離しているため、露光光として長波長の光を用いることができる。それにより、露光による絶縁体に生じる損傷が低減して、絶縁体の劣化が少なくなる。また、絶縁体の吸光が大きい波長を避けることができ、露光光の吸収が少なくなる。このため、特に多孔質体を用いて膜厚方向に貫通した導電部を形成する際に有利となる。特に配線基板に用いるには、絶縁体がポリマーの場合、耐熱性ポリマーを用いる必要がある。耐熱性ポリマーの多くは、主鎖あるいは側鎖中にベンゼン環などの芳香族・複素環系の構造を有することが多く、こうした芳香族・複素環系の構造は紫外領域の光を吸収する。例えばベンゼン環は、254nm付近に吸収ピークを有する。そのため280nm以下の短波長の光はほとんど吸収されてしまい、膜厚方向に貫通して露光することが難しい。また、ポリイミドなどは500nm以下の光を吸収してしまうため、紫外光による露光での貫通パターンの形成は不可能である。
【0080】
本発明においては、芳香族・複素環系の構造の吸収が少ない長波長の光を露光光とすることによって、より精度高く微細なパターンを有する導電部を形成することができる。
【0081】
また、本発明においては、イオン交換性基を生成する高分子化合物として、スルホニウムエステル基、カルボン酸エステル基、フェノール誘導体基のうち少なくとも1つを有する高分子化合物を使用することが望ましい。ここで列挙した化合物群は、汎用性に富み、光照射により容易にイオン交換性基を生成する。このため、精度良く微細なパターンを有する導電部を形成することができる。さらに、これらはセラミックや有機絶縁材料等のいかなる絶縁体にも塗布することができる。したがって、低コストな成形加工性に富む絶縁体の使用を可能にする。
【0082】
特開平7−207450号公報に記載されたPTFEを用いた方法では、親水性基を有する化合物として通常、水やアルコールなどの液体が用い、これらの液体が多孔質フィルムに湿潤した状態で露光を行なう必要がある。このため、プロセスや露光装置が煩雑になるなどの問題点があった。しかしながら、本発明によれば、このような問題点は生じず、容易に導電部が形成できる。
【0083】
図2には、本発明の方法により製造された複合基板を用いた多層配線基板の一例を表わす概略図を示す。図2に示すように、多層配線基板31は、ビア32や配線33などの導電部を備えた絶縁体34からなる多孔質フィルムを、複数積層することによって構成される。ビア32および配線33は、多孔質フィルムの微細孔の表面あるいは内部に金属を充填することによって形成されている。こうした導電部の端面には、金属などの導電性物質のみで構成された導電部35が形成されている。
【0084】
すなわち、図2に示す多層配線基板31においては、個々の多孔質フィルムにおける導電部32、33の最表面には絶縁体成分を含まない導電体からなる層35が存在する。このため、導電部を低抵抗化することができる。特に周波数の高い領域では、これら構造の表皮効果によりインピーダンス特性を向上することが可能となる。
【0085】
本発明の方法により製造される複合部材は、積層せずに単層で配線基板として用いることができる。このような配線基板、または上述したような多層配線基板上に電子部品を電気的に接続して、電子パッケージを得ることができる。
【0086】
【発明の実施の形態】
以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されることは意図されない。
【0087】
複合部材の製造に先立って、本発明の感光性組成物に配合される高分子化合物を、AIBNを開始剤に用いたラジカル重合法で合成した。これらのポリマーはランダムコポリマーであり、その組成比をmolで下記表1ないし6に示す。
【0088】
【表1】
Figure 0003766286
【0089】
これらにおいては、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位はt−ブチルメタクリレートであり、酸に分解されずにアルカリ不可溶性の基を有する第二の繰り返し単位はスチレンである。また、イオン交換性基はカルボキシル基であり、保護基としてt−ブチル基が導入されている。
【0090】
【表2】
Figure 0003766286
【0091】
これらにおいては、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位はt−ブチルメタクリレートであり、酸に分解されずにアルカリ不可溶性の基を有する第二の繰り返し単位はメチルメタクリレートである。また、イオン交換性基はカルボキシル基であり、保護基としてt−ブチル基が導入されている。
【0092】
【表3】
Figure 0003766286
【0093】
これらにおいては、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位はテトラヒドロピラニルメタクリレートであり、酸に分解されずにアルカリ不可溶性の基を有する第二の繰り返し単位はスチレンである。また、イオン交換性基はカルボキシル基であり、保護基としてテトラヒドロピラニル基が導入されている。
【0094】
【表4】
Figure 0003766286
【0095】
これらにおいては、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位はテトラヒドロメタクリレートであり、酸に分解されずにアルカリ不可溶性の基を有する第二の繰り返し単位はメチルメタクリレートである。また、イオン交換性基はカルボキシル基であり、保護基としてテトラヒドロピラニル基が導入されている。
【0096】
以上の高分子化合物のGCP測定による分子量(Mw)は約4万であった。
【0097】
【表5】
Figure 0003766286
【0098】
これらにおいては、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位はt−ブトキシカルボニルメトキシスチレンである。ヒドロキシスチレンは、酸によって分解はされないが、アルカリ溶液には溶解する。また、イオン交換性基はカルボキシメトキシ基であり、保護基としてt−ブチル基またはt−ブトキシカルボニルメチル基が導入されている。
【0099】
以上の高分子化合物のGCP測定による分子量(Mw)は1万であった。
【0100】
【表6】
Figure 0003766286
【0101】
これらにおいては、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位はt−ブトキシカルボニルメトキシスチレンであり、酸に分解されずにアルカリ不可溶性の基を有する第二の繰り返し単位はスチレンである。また、イオン交換性基はカルボニルメトキシ基のカルボニル基であり、保護基としてt−ブチル基が導入されている。
【0102】
上述のようにして得られたランダムコポリマーを用いて、本発明の方法により絶縁体にパターンを形成した。
【0103】
(実施例1)多孔質の絶縁体への配線パターンの形成
光酸発生剤としてのナフタルイミド・トリフルオロメタンスルホネートを、各高分子化合物に対して、それぞれ1重量部添加した。高分子化合物と光酸発生剤の固形分の合計が1重量部になるようにアセトン溶液にして、感光性組成物を調製した。
【0104】
絶縁体として、PTFE多孔質フィルム(空孔径500nm,膜厚20μm)を用い、それぞれの感光性組成物をディップ法にてフィルム全表面にコーティングした。この操作により多孔質の穴の中も含め内部空孔表面が感光性組成物で被覆された。
【0105】
このシートに対して、CANON PLA501を用い、ライン幅3μm〜100μm、ドット径3μm〜100μmの様々なパターンを有するマスクを介して波長436nmで露光して、潜像を形成させた。その後、ホットプレート上で90℃で5分間加熱することにより脱保護反応を促進させて、露光部に選択的にイオン交換性基を生成させた。
【0106】
パターン潜像が形成されたシートを、0.5Mに調整した硫酸銅水溶液に5分間浸漬後、蒸留水による洗浄を3回繰り返した。続いて、水素化ホウ素ナトリウム0.01M水溶液に30分間浸漬後、蒸留水で洗浄して複合部材を作製した。得られた複合部材には、Cuからなる導電部が形成されていた。
【0107】
このようにして得た導電パターン形成シートを、さらに無電解銅メッキ液PS−503に30分間浸漬して導電部に銅メッキを施すことにより、配線パターンを形成した。
【0108】
使用した各高分子化合物と、これによって形成された貫通ドットパターン(ビア)とラインパターン(配線)の最小寸法を、下記表7および8に示す。
【0109】
【表7】
Figure 0003766286
【0110】
【表8】
Figure 0003766286
【0111】
A30,A50,A70,B30,B50,およびB70を用いた場合には、露光、PEBの間はパターンの潜像が目視により確認されたものの、メッキの吸着は起こらなかった。感光性組成物のアルカリメッキ液への溶出は起こらなかった。これは、保護基が十分に分解しなかったためと考えられる。
【0112】
C30,C50,C70のうち、C30のみがメッキパターンが解像した。C50,およびC70では、露光、PEBの間はパターンの潜像が目視により確認されたが、メッキの吸着が起こらなかった。これは、感光性組成物がアルカリに溶解してしまった結果と考えられる。
【0113】
Dシリーズは、いずれも良好なメッキパターンが解像した。これらの中では、D10はメッキの付着が少なくパターンができたとはいえなかった。またD70は感光性組成物が完全に溶出して、パターンを形成することができなかった。パターンが形成されたもののなかでは、D30およびD35が、非常に良い導電性能を示した。
【0114】
Eシリーズは感光性組成物が完全に溶出して、パターンを形成することができなかった。パターンが得られたE20の場合でも導電試験では、電流が流れなかった。これに対して、Fシリーズでは感光性組成物の溶出が起こらず、良好なメッキパターンを得ることができた。
【0115】
(実施例2)
光酸発生剤をナフタルイミド・トリフルオロメタンスルホネートからトリフェニルスルホニウム・トリフルオロメタンスルホネートに変更し、Dシリーズの高分子化合物を用いた以外は、前述の実施例1と同様の手法により感光性組成物を調製した。
【0116】
得られた感光性組成物を前述と同様の絶縁体に塗布し、露光光源として低圧水銀燈を用いて、120mJ/cm2での露光量で露光を行なった。その後、ホットプレート上で90℃で5分間加熱することにより脱保護反応を促進させて、露光部に選択的にイオン交換性基を生成させた。
【0117】
引き続き、実施例1と同様の処理を施すことにより、絶縁体に配線パターンを形成した。
【0118】
絶縁体であるPTFE多孔質フィルムの表面に形成されたドットパターン(ビア)およびラインパターン(配線)の最小寸法を測定した。また、形成された直径50μmのドットパターンの深さ方向における厚みを測定し、得られた結果を、使用した高分子化合物とともに下記表9に示す。
【0119】
【表9】
Figure 0003766286
【0120】
本実施例において光酸発生剤として配合したトリフェニルスルホニウム・トリフルオロメタンスルホネートは、主に300nm以下の波長に感光するため、低圧水銀燈の波長252nmの光に感光したと考えられる。この波長に対しては、PTFEは透明性が悪く、厚さ20μmで吸光率が2程度である。このため、露光した面のみにメッキパターンが析出した。
【0121】
さらに、光酸発生剤としてジフェニルヨードニウム・トリフルオロメタンスルホネートを用いた以外は、前述と同様にして感光性組成物を調製した。得られた感光性組成物を前述と同様の絶縁体に塗布し、露光光源に低圧水銀燈を用いて、120mJ/cm2の露光量で露光を行なった。その後、ホットプレート上で90℃で5分間加熱することにより脱保護反応を促進させて、露光部に選択的にイオン交換性基を生成させた。
【0122】
引き続き、実施例1と同様の処理を施すことにより、絶縁体に配線パターンを形成した。
【0123】
絶縁体であるPTFE多孔質フィルムの表面に形成されたドットパターン(ビア)およびラインパターン(配線)の最小寸法を測定した。また、形成された直径50μmのドットパターンの深さ方向における厚みを測定し、得られた結果を、使用した高分子化合物とともに下記10に示す。
【0124】
【表10】
Figure 0003766286
【0125】
ここで光酸発生剤として配合されたジフェニルヨードニウム・トリフルオロメタンスルホネートは、主に300nm以下の波長に感光するため、低圧水銀燈の波長252nmの光に感光したと考えられる。このため、露光した面のみにメッキパターンが析出した。
【0126】
上述した手法は、片面のみに配線パターンを形成する必要があるときに採用することができる。
【0127】
(実施例3)反転パターンの形成
光酸発生剤としてのナフタルイミド・トリフルオロメタンスルホネートを、各高分子化合物に対して、それぞれ1重量部添加した。高分子化合物と光酸発生剤の固形分の合計が1重量部になるようにアセトン溶液にして、感光性組成物を調製した。
【0128】
絶縁体として、PTFE多孔質フィルム(空孔径500nm,膜厚20μm)を用い、それぞれの感光性組成物をディップ法にてフィルム全表面にコーティングした。この操作により多孔質の穴の中も含め内部空孔表面が感光性組成物で被覆された。
【0129】
このシートに対して、CANON PLA501を用い、ライン幅3μm〜100μm、ドット径3μm〜100μmの様々なパターンを有するマスクを介して波長436nmで露光して、潜像を形成させた。その後、ホットプレート上で120℃で5分間加熱することにより脱保護反応を促進させて、露光部に選択的にイオン交換性基を生成させた。
【0130】
パターン潜像が形成されたシートを、0.5Mに調整した硫酸銅水溶液に5分間浸漬後、蒸留水による洗浄を3回繰り返した。続いて、水素化ホウ素ナトリウム0.01M水溶液に30分間浸漬後、蒸留水で洗浄して複合部材を作製した。得られた複合部材には、Cuからなる導電部が形成されていた。
【0131】
このようにして得た導電パターン形成シートを、さらに無電解銅メッキ液PS−503に30分間浸漬して導電部に銅メッキを施すことにより、配線パターンを形成した。
【0132】
このようにして作製させた配線パターンにおいては、露光されているところには金属パターンが析出せず、光が当たっていないところに金属パターンが形成されていた。パターニング結果を下記表11に示す。
【0133】
【表11】
Figure 0003766286
【0134】
本実施例においては、露光後のベーク温度を制御することによって保護基の分解率を制御している。これにより、ポジネガ反転したメッキパターンを形成できることがわかる。
【0135】
(実施例4)ポリイミドフィルムへの配線パターンの形成(1)
光酸発生剤としてナフタルイミド・トリフルオロメタンスルホネートを、各高分子化合物に対して、それぞれ1重量部添加した。高分子化合物、光酸発生剤、および可視光増感剤の固形分の合計が1重量部になるようにアセトン溶液にして、感光性組成物を調製した。
【0136】
絶縁体として、ポリイミド多孔質フィルム(ユーピレックス:宇部興産製、空孔径500nm,膜厚20μm)を用いた。ポリイミドフィルムは、アミンの残存がないように窒素雰囲気中で十分加熱したものを用いた。この後、酸素プラズマ処理を施して親水性を高めた。
【0137】
こうして準備された絶縁体に、それぞれの感光性組成物をディップ法にてフィルム全表面にコーティングした。この操作により多孔質の穴の中も含め内部空孔表面が感光性組成物で被覆された。
【0138】
このシートに対して、CANON PLA501を用い、ライン幅3μm〜100μm、ドット径3μm〜100μmの様々なパターンを有するマスクを介して露光して、潜像を形成させた。露光波長は550nm以下の光をフィルターで遮光し、可視光のみを用いた。潜像を形成した後、ホットプレート上で90℃で5分間加熱することにより脱保護反応を促進させて、露光部に選択的にイオン交換性基を生成させた。
【0139】
パターン潜像が形成されたシートを、0.5Mに調整した硫酸銅水溶液に5分間浸漬後、蒸留水による洗浄を3回繰り返した。続いて、水素化ホウ素ナトリウム0.01M水溶液に30分間浸漬後、蒸留水で洗浄して複合部材を作製した。得られた複合部材には、Cuからなる導電部が形成されていた。
【0140】
このようにして得た導電パターン形成シートを、さらに無電解銅メッキ液PS−503に30分間浸漬して、導電部に銅メッキを施すことにより、配線パターンを形成した。パターニング結果を、下記表12に示す。
【0141】
【表12】
Figure 0003766286
【0142】
本発明の方法においては、光酸発生剤から生成する酸が触媒として用いられる。このため、塩基性物質であるアミンを含むポリイミドを絶縁体として用いる場合には、そのアミンの含有量を極力低減して、酸の失活を防止することが必要である。
【0143】
(実施例5)ポリイミドへの配線パターンの形成(2)
光酸発生剤としてのナフタルイミド・カンファースルホネートを、各高分子化合物に対してそれぞれ1重量部添加した。高分子化合物、光酸発生剤、および可視光増感剤の固形分の合計が1重量部になるようにアセトン溶液にして、感光性組成物を調製した。
【0144】
絶縁体としては、前述の実施例4と同様のポリイミド多孔質フィルム(ユーピレックス:宇部興産製、空孔径500nm,膜厚20μm)を用いた。ポリイミドフィルムは、アミンの残存がないように窒素雰囲気中で十分加熱したものを用いた。この後、酸素プラズマ処理を施して親水性を高めた。
【0145】
こうして準備された絶縁体に、それぞれの感光性組成物をディップ法にてフィルム全表面にコーティングした。この操作により多孔質の穴の中も含め内部空孔表面が感光性組成物で被覆された。
【0146】
このシートに対して、CANON PLA501を用い、ライン幅3μm〜100μm、ドット径3μm〜100μmの様々なパターンを有するマスクを介して露光して、潜像を形成させた。露光波長は550nm以下の光をフィルターで遮光して、可視光のみを用いた。潜像を形成した後、ホットプレート上で150℃で5分間加熱することにより脱保護反応を促進させて、露光部に選択的にイオン交換性基を生成させた。
【0147】
パターン潜像が形成されたシートを、0.5Mに調整した硫酸銅水溶液に5分間浸漬後、蒸留水による洗浄を3回繰り返した。続いて、水素化ホウ素ナトリウム0.01M水溶液に30分間浸漬後、蒸留水で洗浄して複合部材を作製した。得られた複合部材には、Cuからなる導電部が形成されていた。
【0148】
このようにして得た導電パターン形成シートを、さらに無電解銅メッキ液PS−503に30分間浸漬して、導電部に銅メッキを施し配線パターンを形成した。パターニング結果を下記表12にまとめる。
【0149】
【表13】
Figure 0003766286
【0150】
ポリイミドは耐熱性が高いため、分解温度が140℃以上と高いt−ブチルメタクリレートを保護基として用いることができる。150℃と高い温度で露光後ベークを施すためには、光酸発生剤から生成する酸の拡散長が短いものを使う必要がある。したがって、本実施例においては、アニオンの嵩が高いナフタルイミド・カンファースルホネートを用いた。この結果、微細なメッキパターンをポリイミド多孔質膜に加工することができた。
【0151】
(実施例6)可視光増感剤
光増感剤(BC:ミドリ化学)を光酸発生剤の重量に対して0.3の割合で加えた以外は、前述の実施例1と同様にして感光性組成物を調製した。
【0152】
絶縁体として、PTFE多孔質フィルム(空孔径500nm,膜厚20μm)を用い、それぞれの感光性組成物をディップ法にてフィルム全表面にコーティングした。この操作により多孔質の穴の中も含め内部空孔表面が感光性組成物で被覆された。
【0153】
このシートに対して、CANON PLA501を用い、ライン幅3μm〜100μm、ドット径3μm〜100μmの様々なパターンを有するマスクを介して露光して、潜像を形成させた。露光波長は550nm以下の光をフィルターで遮光し、可視光のみを用いた。潜像を形成した後、ホットプレート上で90℃で5分間に加熱することにより脱保護反応を促進させて、露光部に選択的にイオン交換性基を生成させた。
【0154】
絶縁体であるPTFE多孔質フィルムの表面に形成されたドットパターン(ビア)およびラインパターン(配線)の最小寸法を測定した。また、形成された直径50μmのドットパターンの深さ方向における厚みを測定し、得られた結果を、使用した高分子化合物とともに下記表14に示す。
【0155】
【表14】
Figure 0003766286
【0156】
ナフタルイミド・トリフルオロメタンスルホネートは主に500nmよりの長波長では感光しないが、光増感剤の作用により可視光に感光したと考えられる。このように光増感剤を添加することによって、可視光でもパターンを形成できることがわかった。
【0157】
(実施例7)分子量依存性
実施例1の結果から、パターンメッキ性能が最も優れているのがD35の組成であるため、テトラヒドロメタクリレートとメチルメタクリレートとの比が同じで、分子量の異なる5種類のポリマーを重合した。これを用いて、実施例1と全く同様の手法により感光性組成物を調製し、前述と同様の方法でパターンメッキを行なった。各高分子化合物の重量平均分子量Mwとパターニング性能とを、下記表15に示す。
【0158】
【表15】
Figure 0003766286
【0159】
表15に示されるように、分子量50000程度の高分子化合物を用いた組成物が、最も解像性能が優れていた。これは、組成が全く同一の場合には、分子量が低くなるとメッキ液への溶解性が高くなり溶出が起こり、分子量が高すぎると基材表面への濡れの均一性が保つことが困難になるためと考えられる。
【0160】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、導電回路設計の自由度が高く、また露光により絶縁体の劣化を生じず、かつ絶縁体への金属の異常析出がなく微細なパターンを有する導電部を容易に形成することのできる複合部材の製造方法が提供される。また本発明によれば、上述したような複合部材の製造に用いるための感光性組成物および絶縁体が提供される。さらに本発明によれば、上述した方法により製造された複合部材が提供される。
【0161】
本発明は、各種光機能性装置や多層配線基板等、多くの用途に好適に用いることができ、その工業的価値は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合部材の製造方法を示す断面概略図。
【図2】本発明の方法により製造された複合部材を含む多層配線基板を示す概略図。
【符号の説明】
1…絶縁体
2…感光性組成物層
3…マスク
4…感光部
5…無電解めっき
31…多層配線基板
32…ビア
33…配線
34…絶縁体
35…導電部

Claims (8)

  1. 絶縁体に導電部が選択的に形成されてなる複合部材の製造方法であって、
    (1)前記絶縁体の吸光が大きい波長以外の波長に感光する光酸発生剤と、酸の存在下でイオン交換性基を生成する高分子化合物とを含有する感光性組成物層を前記絶縁体に形成する工程と、
    (2)前記感光性組成物層を、前記絶縁体の吸光度が低い波長を用いてパターン露光して、露光部に酸を発生させる工程と、
    (3)前記パターン露光により感光性組成物層の露光部に発生した酸によりイオン交換性基を生成させる工程と、
    (4)前記パターン露光により形成されたイオン交換性基のパターンに金属イオン又は金属を結合せしめて前記導電部を形成する工程とを具備し、
    前記高分子化合物は、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位と、酸により分解されずアルカリ不可溶性の基を有する第二の繰り返し単位とを含む共重合体であり、前記イオン交換性基の一部もしくは全部が保護基により保護されていることを特徴とする複合部材の製造方法。
  2. (5)前記導電部に無電解メッキを施す工程をさらに行なうことを特徴とする請求項1に記載の複合部材の製造方法。
  3. 前記高分子化合物は、アクリル骨格および/またはスチレン骨格を主鎖に有することを特徴とする請求項1または2に記載の複合部材の製造方法。
  4. 前記高分子化合物は、スルホニウムエステル基、カルボン酸エステル基、およびフェノール誘導体基からなる群から選択される少なくとも1種の基を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。
  5. 前記高分子化合物の前記イオン交換性基を保護する保護基としてテトラヒドロピラル基、t−ブチル基またはt−ブトキシカルボニルメチル基を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法。
  6. 光酸発生剤と、酸の存在下でイオン交換性基を生成する高分子化合物と、光増感剤とを含有し、450nm以上の波長の光に感光し、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法に用いられる感光性組成物であって、
    前記高分子化合物は、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位と、酸に分解されずアルカリ不可溶性の基を有する第二の繰り返し単位とを含む共重合体であり、前記イオン交換性基の一部もしくは全部が保護基により保護されていることを特徴とする複合部材製造用の感光性組成物。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の複合部材の製造方法に用いられる多孔質の絶縁体であって、前記絶縁体は内部空孔表面が、光酸発生剤と、酸の存在下でイオン交換性基を生成する高分子化合物と、光増感剤とを含有し、450nm以上の波長の光に感光し、前記高分子化合物は、イオン交換性基を有する第一の繰り返し単位と、酸に分解されずアルカリ不可溶性の基を有する第二の繰り返し単位とを含む共重合体であり、前記イオン交換性基の一部もしくは全部が保護基により保護されている感光性組成物が塗布されてなることを特徴とする複合部材製造用の絶縁体。
  8. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法により製造された複合部材。
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