JP3765134B2 - 瞬時停電検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の制御装置に使われるサーボ機構を駆動するサーボドライバとその付属機器の瞬時停電検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の制御装置に使われるサーボ機構を駆動するサーボドライバのフィードバック信号用のセンサ(以下センサと称す)は、サーボドライバ本体とは離れた場所に設置されていることが多い。従ってセンサの電源はサーボドライバ本体の電源とは別回路で供給されるのが通例である。
また、サーボドライバ本体の電源は大電流のサーボモータを駆動できるように大容量電源である場合が多い。一方、センサは一般に小型である必要があり、その電源の時定数も比較的小さなものが多く用いられている。
このような機器構成でサーボ機構が待機状態にあり、電流消費量が小さな状態のときに交流電源の瞬時停電が起こったとき、サーボ機構本体の電源電圧は定常値を保っているが、センサの電源電圧が低下し、たとえば位置制御を行っている場合は位置センサが誤動作し、位置ずれを起こす等の問題を起こすことがある。
【0003】
この問題を回避するため、図4に示す瞬時停電検出回路1が使われている。図4において、符号11、12、16〜18は抵抗、13、14は発光ダイオード、15はフォトトランジスタ、19はキャパシタを表す。
この回路の動作は、S1に与えられた交流入力電圧信号が極性に拘わらず抵抗11を介して発光ダイオード13または14に流れて、交流電圧のゼロクロスポイントの前後を除く所定の期間中13または14を発光させ、フォトトランジスタ15を励振してコレクタ−エミッタ間を低インピーダンスにし、LOW(以下、Lと称する)レベル信号を発生させる。
前記ゼロクロスポイントの前後の所定期間では、フォトトランジスタ15は高インピーダンスとなり、プルアップ抵抗16を介して+電圧が印加されてHIGH(以下、Hと称する)レベル信号を発生し、図5(c)のS2信号を作り出す。図5(a)のS6に示す2つのサンプリングタイミングの間、S2信号がH信号を継続していることを検出することにより瞬時停電検出を行っていた。
たとえば図5の場合、t1〜t2間およびt3〜t4間でS2がHレベルを継続していることにより瞬時停電を検出し、この検出信号に基づいてセンサの出力信号取り込みを一時保留する等の措置がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上述の方法では、たとえば図5の時刻t5でサーボドライバの交流入力電源をメインテナンス等のため人為的にOFFしたときも、図5(c)のS2信号は時刻t5から、サーボドライバの電源電圧が低下する時刻t6までの期間がHレベルとなり、瞬時停電と同様の検出動作をする不具合が発生する問題があった。
本発明はこのような背景の下になされたもので、瞬時停電が起こったとき、これを正確に検出して上位コントローラまたはユーザに報知して対策を施すことができ、人為的な電源OFFの場合は誤検出をしない瞬時停電検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
センサを有するサーボドライバにおいて、交流入力電源電圧波形のゼロクロスポイントの前後の所定の期間はHレベル信号を出力し、ゼロクロスポイントの前後の期間以外の期間はLレベル信号を出力する瞬時停電検出回路を設け、間隔計数カウンタにより前記出力のうちLレベルの期間は所定のクロック周波数でカウントアップし、前記出力のうちHレベルの期間は前記カウント値を保持する動作を行う。
前記交流入力電源電圧波形のゼロクロスポイントをサンプリングタイミングとして前記間隔計数カウンタ出力の増分を検知し、増分無しを検知したときに増分無しフラグを立て、このフラグと前記間隔計数カウンタの増分の有無による判別により瞬時停電検出を行うことを特徴とするサーボドライバの瞬時停電検出装置を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態による瞬時停電検出装置の構成を示すブロック図である。図1において、符号1は交流入力電源電圧波形のゼロクロスポイントの前後の所定の期間H信号を送出する瞬時停電検出回路で、具体的構成は図4の従来例と共通となっている。符号2は前記瞬時停電検出回路の出力がL信号である期間中は所定のクロック周波数でカウントアップを続け、前記瞬時停電検出回路の出力がH信号である期間中は前記カウント値を保持する間隔計数カウンタ、3は前記間隔計数カウンタ出力の増分検知回路、4は前記増分検知回路が増分無しを検知したときにフラグをたてる増分無しフラグ記憶部、5は前記交流入力のゼロクロスポイントでタイミング信号を発生するサンプリングタイミング回路、6は前記各信号により瞬時停電の判別を行う判別部である。
図2は図1による実施形態の各部の動作波形の一例を示す図であり、図3は図1による実施形態の動作フロー図である。
【0007】
図1の動作について図2を参照しながら説明する。図2の時刻t1において、(b)に示す交流入力信号S1が瞬時停電検出回路1に印加されると、(c)に示す信号S2が得られ、間隔計数カウンタ2においてS2のLレベル区間で所定のクロック周波数によるカウントアップを行い、S2のHレベル区間ではカウント値を保持する動作をし、図3(d)に示すカウントアップ信号S3を作り出す。
このカウントアップ信号S3は、サンプリングタイミング回路5が生成するタイミング信号S6のタイミングによって、増分検知回路3において増分の有無が検知され、検知結果が信号S4として出力される。
時刻t2において交流入力S1が「断」になると、その間、瞬時停電検出出力S2はHレベルを継続し、時刻t3とt4の間の間隔計数カウンタS3の増分がないので、時刻t4において、増分無しフラグ記憶部5が図3(e)のフラグS5をたてる。このフラグS5が立った後の増分検知回路3の増分有りの信号S4と、前記フラグS5との論理積を時刻t6のサンプリングタイミングで瞬時停電信号S7として図3(f)に示す如く出力する。この瞬時停電信号S7は上位コントローラのコンピュータポートまたはユーザに報知され、システムの誤動作回避が行われる。
【0008】
また、システムのメインテナンスなどでサーボドライバの電源を1台だけOFFとした場合は、同様に増分無しフラグS5が立つが、その後のサンプリングタイミングでの間隔計数カウンタS3の増分がないためS4がHレベルとならず、従ってS7がHレベルとならないので瞬時停電の誤検出をすることはない。
因みに、上述の動作をフローチャートで表すと図3のようになり、各プロセスを順にたどると以下のようになる。
p1 … 電源ONのチェック
p2 … 間隔計数カウンタの増分無し検知フラグのリセット
p3 … 間隔計数カウンタの増分の有無チェック
p4 … 間隔計数カウンタが増分無しを検知したときフラグを立てる
p5 … フラグのチェック
p6 … フラグが立ち、カウンタ増分有りの場合、アラーム出力
以上、本発明の一実施形態の動作を図面を参照して詳述してきたが、本発明はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0009】
【発明の効果】
これまでに説明したように、この発明によれば、サーボ機構を駆動するサーボドライバの交流入力電源に瞬時停電が起きた場合と、メインテナンス等で人為的に交流入力電源をOFFした場合の区別を明確にできるようにし、瞬時停電の場合にのみアラーム信号を送出できるようにしたので、システムの誤動作を回避でき、信頼性を向上できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による瞬時停電検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の一実施形態による瞬時停電検出装置の動作フロー図である。
【図3】 本発明の一実施形態による瞬時停電検出装置の各部の動作波形図である。
【図4】 瞬時停電検出の内部回路を示す回路図である。
【図5】 従来の瞬時停電検出装置の各部の動作波形図である。
【符号の説明】
1 瞬時停電検出回路
2 間隔計数カウンタ
3 増分検出回路
4 増分無しフラグ記憶部
5 サンプリングタイミング回路
6 判別部
11、12、16、17、18 抵抗
13、14 発光ダイオード
15 フォトトランジスタ
19 キャパシタ
Claims (2)
- フィードバック信号用のセンサを有するサーボドライバにおいて、
交流入力電源電圧波形のゼロクロスポイントの前後の所定期間はHIGHレベル信号を出力し、前記交流入力電源波形のゼロクロスポイントの前後の所定期間以外の期間はLOWレベル信号を出力する瞬時停電検出回路と、
前記出力のうちLOWレベル信号の期間は所定のクロック周波数でカウントアップし、前記出力のうちHIGHレベル信号の期間は前記カウント値を保持する間隔計数カウンタと、
前記交流入力電源電圧波形のゼロクロスポイントでサンプリングタイミング信号を出力するサンプリングタイミング回路と、
前記サンプリングタイミングで前記間隔計数カウンタ出力の増分を検知する増分検知回路と、
前記増分検知回路が増分無しを検知したときに増分無しフラグを立て記憶する記憶部と、
前記フラグの有無と増分検知の有無とにより瞬時停電の有無を判別する判別部とを具備してなるサーボドライバの瞬時停電検出装置。 - 前記判別部は、前記増分無しフラグが立ち、かつ前記増分検知回路により増分有りが検知されたことを条件として瞬時停電と判別し、瞬時停電信号を出力することを特徴とする請求項1記載のサーボドライバの瞬時停電検出装置。
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JP27385496A Expired - Fee Related JP3765134B2 (ja) | 1996-10-16 | 1996-10-16 | 瞬時停電検出装置 |
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