JP3764424B2 - 多芯光コネクタ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガイドピンを有する多芯光コネクタに係わり、特に清掃容易化構造を有する多芯光コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI間を光接続する光配線装置においては、多数の光ファイバや光導波路を効果的に接続する多芯光コネクタが重要になる。代表的な多芯光コネクタとしては、日本工業規格(JIS)C5982に制定されているF13形光コネクタ、所謂MPO(Multifiber Push On)コネクタがあり、この光コネクタは同C5981に制定されているF12形光コネクタ、所謂MT(Mechanically Transferable)コネクタをフェルールとして用いた光コネクタである。
【0003】
MPOコネクタには、ガイドピン付のプラグ(M形プラグ)とそうでないプラグ(F形プラグ)があり、この2つをペアで用いる。MPOコネクタのM形プラグにおいて、ガイドピンはMTフェルールから先端を2mm程度突き出した状態でクランパにより保持されており、MPOプラグとして組み立てられた後は、フェルールに取り付けられたまま用いられる。MTフェルールを用いた多芯光コネクタは他にもあり、一方のプラグにガイドピンを保持する形式は同様である。
【0004】
この種の光コネクタは、機械的な突き当てと押圧により光接続を行うため、幾度か着脱を繰り返すうちに塵埃や部材の磨耗くずが付着して光結合損失を生じるようになる。このような場合、光コネクタ端面の清掃を行って光結合機能の回復を図ることが必要になる。光コネクタの端面清掃は、綿棒にアルコールを含侵させて拭取る方法や、高圧ガス等をノズル噴射して清掃する方法などがある。
【0005】
しかしながら、前記したMPOコネクタのM形プラグのようにガイドピンを有する光コネクタにおいては、ガイドピンの根元付近に塵埃等が蓄積され易く、しかもその清掃が難しい問題を持っている。これは、清掃に用いるアルコール等の洗浄液がガイドピンの根元に表面張力で集まって蒸発するために起こる現象である。即ち、洗浄液が表面張力でガイドピンの根元に集まる際、洗浄液中に残留浮遊している塵埃が一緒に集められ、洗浄液の蒸発と共に濃縮されて集積残留するものである。また、集積された塵埃はガイドピンとフェルールの成す直角部にあり、機械的な拭取りや高圧ガス噴射で除去しきれないものとなりやすい。しかも、塵埃の集積された面がコネクタ接合面上であり、コネクタの着脱を繰り返すうちに再飛散して光ファイバ端面へ付着したり、対面するフェルール間のスペーサとなったりして、光結合機能を劣化させてしまう問題があった。
【0006】
このような問題を回避するため、ガイドピン根元の洗浄液等集積部を光コネクタの光結合面より離す方法が考えられる。従来の技術において、このような構成を達し得る例として、フェルールのガイド孔の開口端部にテーパを設けた例がある(例えば、特許文献1参照)。また、ガイドピンの根本に凹部を設けたり、ガイド孔を含めて両端端部を削除した例がある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかしながら、この種のコネクタにあっては次のような問題があった。特許文献1の例では、MTフェルールをモールド成型する場合、光ファイバを装着した後の端面研磨において、研磨面における部材密度の面内分布により、研磨量の面内むらが生じやすい。このため、光コネクタの性能指標の一つである結合損失の増大を招く。これは、MTフェルール研磨面における部材の密度がテーパガイド孔部で大きく低下し、研磨速度がテーパガイド孔周辺で速まった効果のほか、ガイド孔研磨断面が垂直でないことによりガイド孔部に蓄積した研磨剤が過剰に研磨促進する影響と考えられる。また、ガイド孔がテーパであるがため、研磨量の大小によって面内分布の程度が変化していくことも予想される。
【0008】
一方、標準MTフェルールに光ファイバを装着して端面研磨を行った後、テーパガイド孔をドリルで追加工した場合、ドリルの突き当て角度のばらつきによりテーパ加工端の位置がばらつき易く、MTフェルール端部まで切削されたり、光ファイバが破損されたりする問題が生じやすい。また、根本的問題として、1回の加工で1つのガイド孔しか加工できないため、製造効率が低いという問題もある。更に、ガイド孔テーパの個別加工により、MTフェルール左右の突合せ面積がばらつき易く、機械的な外力による光結合特性の変動が起き易いことも分かった。このため、光コネクタの繰り返し着脱試験や温度サイクル試験において光結合損失のばらつきが大きくなり、光コネクタの品質低下を招く。
【0009】
特許文献2の例のように、ガイドピンの根本に凹部を設ける構成では、フェルール自体に加工を施す必要があり、既存のフェルールをそのまま利用できない。このため、新たに金型を作製するなどのコストが掛かる。また、ガイド孔を含めて両端部を削除した場合、光接続端面の接触面積が狭くなり、特にガイド孔間を結ぶ線に沿った接触距離が短くなり、機械的結合が不安定となる問題もある。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−162539号公報
【0011】
【特許文献2】
特開平9−15453号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、特許文献1,2のMTフェルールは、ガイドピンつきプラグの清掃容易化構造として有効になると考えられるが、光コネクタとしての機能や品質、更には製造効率に問題があった。
【0013】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、光コネクタとしての機能や品質を標準MTフェルールと同等に維持しながら、ガイドピンつき光コネクタプラグの清掃容易化構造として有効となる多芯光コネクタを提供することにある
【0014】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0015】
即ち本発明は、光ファイバを所定配列する位置決め孔又は光導波路フィルムを配置する位置決め溝と1対のガイドピン挿入用ガイド孔を有するフェルールと、このフェルールのガイド孔の一方に挿入され、該フェルールの光接続端面から先端部を所定量突き出して固定されたガイドピンとを備えてなる多芯光コネクタであって、前記ガイド孔の一方に挿入されたガイドピンの基端部が挿入固定されるガイドピンクランプ孔と前記ガイド孔の他方に挿入固定されるフェルール挿入突起を有するクランパが前記フェルールの光接続端面と反対側の面に取り付けられ、前記ガイドピンは、前記先端部よりも前記フェルール側において、前記光接続端面近傍で前記ガイド孔の内外にわたり同軸状に括れて形成されていることを特徴とする。
【0016】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては、次のものが挙げられる。
【0017】
(1) ガイド孔内におけるガイドピンの括れ部の端部位置が、フェルールの光接続端面から0.2mm以上の深さであること。
【0018】
(2) ガイドピンの括れ部の外周面とガイド孔の内周面との距離が0.1mm以上であること。即ち、ガイドピンの括れ部の直径が他の部分の直径よりも0.2mm以上短いこと。
【0019】
(3) ガイドピンは、1対のガイド孔の一方のみに挿入固定されていること。
【0020】
また本発明は、光ファイバを所定配列する位置決め孔又は光導波路フィルムを配置する位置決め溝と1対のガイドピン挿入用ガイド孔を有するフェルールと、このフェルールのガイド孔の一方に挿入され、該フェルールの光接続端面から先端部を所定量突き出して固定されたガイドピンとを備えてなる多芯光コネクタであって、前記ガイド孔の一方に挿入されたガイドピンの基端部が挿入固定されるガイドピンクランプ孔と前記ガイド孔の他方に挿入固定されるフェルール挿入突起を有するクランパが前記フェルールの光接続端面と反対側の面に取り付けられ、前記フェルールの光接続端面の前記ガイド孔間を結ぶ線と直交する方向に、前記ガイド孔領域を横断する溝がそれぞれ設けられ、且つ該溝は前記ガイド孔間を結ぶ線の方向に対する前記フェルールの両端部を除く領域に形成されていることを特徴とする。
【0023】
(作用)
本発明によれば、ガイドピンに括れ部を設けることにより、光接続端面近傍において、ガイドピンとガイド孔との間に隙間(円筒状間隙)を形成することができる。この円筒状間隙は、コネクタ清掃に用いる洗浄液や残留塵埃を引き込むことになり、光接続端面から残留塵埃を引き離すことになる。また、フェルールの光接続端面にガイド孔領域を横断する溝を設けることにより、ガイドピンの根本に窪みを形成することができ、ガイドピンに括れを設けた場合と同様の効果が得られる。
【0024】
そして、ガイドピンに括れ部を設ける構造では、フェルール自体を加工する必要が全くないため、既存のフェルールをそのまま用いることができ、コストの増大を極力抑えることができる。また、フェルールの光接続端面に溝を設ける構造では、溝の方向を光接続端面のガイドピン挿入用ガイド孔間を結ぶ線と直交する方向に規定することにより、複数のフェルールに対して一括して溝を形成できるため、製造コストが安くなる。更に、溝の外側に光接続端面を残すため、機械的保持力の低下は殆どない。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0026】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる多芯光コネクタに用いられるMTフェルールの概略構成を説明するためのもので、(a)は上面図、(b)は接続端面の側面図、(c)は(a)の矢視A−A’断面図である。図中の11はMTフェルール、12はガイドピン、13は光ファイバ、14はゴムブーツ、15はクランパである。ガイドピン12は、フェルール11に設けられたガイドピン挿入用ガイド孔に挿入され、フェルール先端から一部付き出した状態でクランパ15により保持されている。光ファイバ13は、フェルール11に設けられた位置決め孔に挿入固定され、予め決められた位置関係に配列されている。
【0027】
ここまでの基本構成は標準的なMPOコネクタと同じであるが、本実施形態はガイドピン12の構成が異なっている。即ち、ガイドピン12は光接続端面近傍で同軸状に括れるように形成されており、結果的にMTフェルール11の光接続端面近傍に円筒状の間隙が形成される。ガイドピン12の括れ部18は、例えばJIS規格C5982(F13)の場合、ガイドピン12の先端から1.5mmの部分から2.5mmの部分に設け、ガイドピン12の突き出し長さを2mmとなるように構成すればよい。また、ガイドピン12に括れ部18を設ける方法としては、例えばガイドピン12をその軸心を中心に回転させながら、先端部を除く一定の範囲でガイドピン12の周面を一定量だけ削るようにすればよい。
【0028】
図2は、図1のMTフェルール11の先端部分を拡大した図であり、一部切込みにより内部を露出した図である。ガイドピン12に括れ部18を設けたことにより、MTフェルール11の光接続端面近傍に円筒状の間隙16が生じる。ここで、ガイドピン12の直径を0.7mmとすれば、ガイドピン12の括れ量として片側0.15mm(括れ部直径0.4mm)とすることにより、ガイドピン12の括れ部18の外周面とガイド孔の内周面との距離が0.15mmとなる。
【0029】
このように構成するMTフェルール11は、光ファイバ13を装着し、光接続端面を研磨により形成したものを用いる。このとき、MTフェルール11の研磨は標準のMTフェルール研磨工程と同じでよく、標準MTフェルールの研磨特性と変わるところはない。この後、前述したガイドピン12の取り付け及びMPOハウジングの組み立て工程等を経ることにより、清掃容易化された多芯光コネクタが完成する。
【0030】
図2に示したように、本実施形態の清掃容易化された多芯光コネクタでは、コネクタ清掃に用いる洗浄液17が光接続端面に停留せず、表面張力により円筒状間隙16の中に入り込み、同時に残留塵埃を円筒状間隙16の中に引き込むことで光接続端面から残留塵埃を引き離す。従って、基本的コネクタ清掃は、通常の作業環境の中でアルコールなどの洗浄液と綿棒等を用いた拭取り清掃でよい。残留或いは洗浄液蒸発過程で付着した塵埃は、円筒状間隙16の中に引き込まれて保持される。
【0031】
なお、円筒状間隙16に蓄積された塵埃が多くなった場合、アルコール等の洗浄液を充填して高圧ガス噴射することで、蓄積した塵埃の大部分を洗浄液ごと吹き飛ばすことができる。その際残留した塵埃は、再びアルコール等の洗浄液と綿棒等を用いた拭取り清掃を行えば円筒状間隙16に引き込まれるため問題ない。
【0032】
ここで、ガイドピン12の片側の括れ量で決まる円筒状間隙16の幅は0.1mm以上に設定しておくことが望ましい。即ち、MTフェルール11は、エポキシ樹脂、PPS(Polyphenylene sulfied)樹脂等の合成樹脂に、20〜80μm程度のシリカ粒子を70〜90%充填したものを材料としており、洗浄液の表面張力により集積される塵埃として、最大100μm程度の粒子を想定する必要がある。従って、円筒状間隙16の幅は0.1mm以上に設定することが望ましいものである。また、ガイド孔内におけるガイドピン12の括れ部18の端部位置は、MTフェルール11の光接続端面から0.2mm以上あれば十分であり、極端に深くする必要はない。
【0033】
なお、上述の実施形態ではガイドピン12の括れ部18を一端にのみ設けているが、これは両端、即ちクランパ15により保持されている側にも設けておいて構わないものである。このように構成することで、ガイドピンの挿入方向間違いによる不良発生を防止でき、クランパ15に対する引っ掛かりを設ける構成となることから、ガイドピン12の脱落防止効果を高める利点も得られる。
【0034】
図3は、本実施形態を適用した多芯光コネクタの勘合形式を示した図である。図3(a)は、図1のMTフェルール11をM形プラグ(ピンあり)に用い、標準のMTフェルール11’をF形プラグ(ピンなし)に用いた場合の勘合形式であり、F形プラグに従来技術を用いても本実施形態の効果が得られることを示している。
【0035】
図3(b)は、JIS規格C5982(F13)に沿うものではないが、M形、F形の区別無くプラグを作製でき、正規の勘合方向以外には勘合できないように構成した例である。即ち、ガイドピン片持ち形式で勘合させ、多芯光コネクタの組み立てを1種類で行えるようにした例である。この場合の利点は、全てのプラグを1つの形式で作製でき、M形、F形のような2種のプラグを作製する必要が無いことと、フェルールだけで誤挿入防止機構を備えることができることである。
【0036】
図4は、図3(b)で用いたガイドピン片持ち用のクランパ15’の例を示す図である。図4(a)はMTフェルール11の装着面、図4(b)は(a)の矢視B−B’断面である。図4において15aはガイドピンクランプ孔、15bはMTフェルール挿入突起、15cは空気抜き孔であり、MTフェルール11に装着した際、回転や脱落が無いように構成したものである。このようにクランパ15’を特殊仕様とする必要があるが、MTフェルール金型や光接続端面研磨等の変更に比べれば極めて容易に実現できるものである。
【0037】
このように本実施形態によれば、ガイドピン12に括れ部18を設けることにより、光接続端面近傍において、ガイドピン12とガイド孔との間に隙間(円筒状間隙)16を形成することができる。そして、この円筒状間隙16によって、コネクタ清掃に用いる洗浄液や残留塵埃を引き込むことができ、結果として光接続端面から残留塵埃を引き離すことができる。そして、ガイドピン12に括れ部18を設ける構造では、フェルール自体を加工する必要が全くないため、既存のフェルールをそのまま用いることができ、コストの増大を極力抑えることができる。即ち、ガイドピン12を特殊仕様とする以外は標準のMPO部材を用いることができ、MTフェルール金型や光接続端面研磨等、技術的に難しい部分を従来技術から全く変更しないで所望の効果が得られる。
【0038】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係わる多芯光コネクタに用いられるMTフェルールの概略構成を説明するためのもので、(a)は上面図、(b)接続端面の側面図、(c)は(a)の矢視C−C’断面図である。なお、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0039】
図中の21は標準MTフェルールに追加工による端面溝29を設けたもの、22は標準のガイドピン、13は光ファイバ、14はゴムブーツ、15はクランパであり、基本的に標準的なMPOコネクタ用部材を用いている。この実施形態は製造方法に特徴を持っており、これを図6により説明する。
【0040】
図6は本実施形態の製造過程を示した工程図であり、(a)は標準MTフェルールへの光ファイバ挿入及び接着剤固定を行った状態、(b)は光接続端面を研磨した状態を示しており、この段階までは一般のMTコネクタと同等の製造過程である。この後、MTフェルール21の端面に溝29の形成を行った状態が図6(c)であり、その状態は図5に示したMTフェルール21と同じである。このとき、追加工の溝29はMTフェルール21のガイドピン配列方向に直交する方向に形成する。さらに溝29は、図5(b)の左右端、即ちガイド孔間を結ぶ線の方向に対するMTフェルール21の両端部を除く領域、つまり両端部よりも内側に形成する。その理由は、MTフェルール突き当て角度精度を確保するためのフェルール端部を保存することと、加工位置ずれによる光ファイバ破損を防止することのためである。
【0041】
追加工の溝29を形成するためには、例えば溝底部の幅0.8mmで深さ0.5mm、側壁角度80°の溝加工をダイシング等の手法で行う。その結果、開口幅約1mmの溝29が形成され、ガイドピン22の根元への洗浄液引き込みを第1の実施形態と同様に行わせることができる。また、追加工の溝29は、例えば深さ0.5mm、側壁角度45°のV溝としても良く、この場合も開口幅は約1mmとなる。
【0042】
本実施形態の特徴としては、まず、光接続端面の形成が従来技術そのものであり、その性能及び品質は実績ある方法で形成できるため十分である。これに加えて、追加工形成する溝29はMTフェルール21のガイドピン孔近傍に直線的に形成するため溝加工端位置の制御が行い易く、MTフェルール端部を損なうことなく加工できる。そして、溝加工であるため複数のMTフェルール21を整列させて一度に多数の加工が行え、更に複数のブレードを用いて左右同時の溝形成や複数列のMTフェルール加工が可能である。
【0043】
従って本実施形態では、標準MTフェルール加工工程に追加溝加工を行うだけで清掃容易化構造が得られ、しかも大量生産が可能であるため、性能や品質を殆ど損なうことなく大幅なコスト変動も伴わずに清掃容易化構造にすることが可能となる。
【0044】
なお、図5に示した第2の実施形態においては、図3(a)の実施形態と同様の接続形態、即ち、MTフェルールをM形(ピンあり)、F形(ピンなし)の2種類として用いる形態で示しているが、これは図3(b)の実施形態と同様の接続形態、即ちガイドピン片持ち形式として1種類のMTフェルールとしても良いことは述べるまでもないことである。
【0045】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態の多芯光コネクタはMPOコネクタであるが、本発明は特にこれには限定されず、MTコネクタや他のMTフェルール適用多芯光コネクタなどに適用することも可能である。また、フェルールに位置決め固定する光配線部材は、光ファイバに限らず光導波路フィルムであっても良い。光導波路フィルムを配置する場合は、光ファイバ用の位置決め孔の代わりにフィルム用の位置決め溝をフェルールに形成すればよい。さらに、ガイドピンに設ける括れ部の括れ量や位置などは、仕様に応じて適宜変更可能である。
【0046】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ガイドピンを有するプラグの清掃が容易化され、残留塵埃などに対する特殊な清掃冶具が不要となり、また特段大きなコスト上昇もないため、運用コストも含めて極めて経済的な多芯光コネクタが得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる多芯光コネクタに用いられるMTフェルールの概略構成を示す図。
【図2】第1の実施形態の多芯光コネクタにおけるMTフェルールの先端部分を拡大して示す図。
【図3】第1の実施形態を適用した多芯光コネクタの勘合形式を示す図。
【図4】第1の実施形態の多芯光コネクタに用いるクランパの構成を示す図。
【図5】第2の実施形態に係わる多芯光コネクタに用いられるMTフェルールの概略構成を示す図。
【図6】第2の実施形態に係わる多芯光コネクタの製造工程を示す図。
【符号の説明】
11,21…MTフェルール
12,22…ガイドピン
13…光ファイバ
14…ゴムブーツ
15,15’…クランパ
16…円筒状間隙
17…洗浄液
18…ガイドピン括れ部
29…追加工の溝

Claims (4)

  1. 光ファイバを所定配列する位置決め孔又は光導波路フィルムを配置する位置決め溝の一方と1対のガイドピン挿入用ガイド孔とを有するフェルールと、このフェルールのガイド孔の一方に挿入され、該フェルールの光接続端面から先端部を所定量突き出して固定されたガイドピンと、を備えてなる多芯光コネクタであって、
    前記ガイド孔の一方に挿入されたガイドピンの基端部が挿入固定されるガイドピンクランプ孔と前記ガイド孔の他方に挿入固定されるフェルール挿入突起を有するクランパが前記フェルールの光接続端面と反対側の面に取り付けられ、
    前記ガイドピンは、前記先端部よりも前記フェルール側において、前記光接続端面近傍で前記ガイド孔の内外にわたり同軸状に括れて形成されていることを特徴とする多芯光コネクタ。
  2. 前記ガイド孔内における前記ガイドピンの括れ部の端部位置が、前記フェルールの光接続端面から0.2mm以上の深さであることを特徴とする請求項1記載の多芯光コネクタ。
  3. 前記ガイドピンの括れ部の外周面と前記ガイド孔の内周面との距離が0.1mm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の多芯光コネクタ。
  4. 光ファイバを所定配列する位置決め孔又は光導波路フィルムを配置する位置決め溝の一方と1対のガイドピン挿入用ガイド孔とを有するフェルールと、このフェルールのガイド孔の一方に挿入され、該フェルールの光接続端面から先端部を所定量突き出して固定されたガイドピンと、を備えてなる多芯光コネクタであって、
    前記ガイド孔の一方に挿入されたガイドピンの基端部が挿入固定されるガイドピンクランプ孔と前記ガイド孔の他方に挿入固定されるフェルール挿入突起を有するクランパが前記フェルールの光接続端面と反対側の面に取り付けられ、
    前記フェルールの光接続端面の前記ガイド孔間を結ぶ線と直交する方向に前記ガイド孔領域を横断する溝がそれぞれ設けられ、且つ該溝は前記ガイド孔間を結ぶ線の方向に対する前記フェルールの両端部を除く領域に形成されていることを特徴とする多芯光コネクタ。
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