JP3764215B2 - テフロン管用継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はテフロン管用継手に係るものであり、特に、大口径のテフロン管用継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、直流整流機などの純水冷却用の配管には、電気絶縁性のあるテフロン管が使用され、その接続には、図5に示すような汎用のダブルリング式の圧縮継手が用いられている。この圧縮継手は、継手本体21とナット22とその間に設けられる圧縮リング23とから構成され、それらの内部に管24が挿入されて接続されるようになっている。なお、圧縮リング23はフロントリング23aとバックリング23bのダブルリングとから構成されている。
【0003】
テフロン管用継手は使用上、高温から急冷される場合が多いが、上記従来の圧縮継手は、膨張、収縮に対する柔軟性に劣り、熱サイクルに弱いので、使用上問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために、先に本出願人は登録実用新案公報第3018028号によって、図6に示すようなテフロン管用継手を提案した。この管用継手は、軸方向に流体通路を有する継手本体11と、テフロン管13の外周壁に挿入され両面にリテーナー16,17を有する皿バネ15と、継手本体11と螺合し皿バネ15を介してテフロン管13の管端に形成されたフレア部13aを継手本体11の端面に押圧するナット12とから構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で述べた後者のテフロン管用継手は、前者のダブルリング式の圧縮継手に比べ、継手本体とテフロン管のフレア部が皿バネなどの弾性部材を介して締め付けられているので、熱サイクルに対して優れたシール性能を有している。
【0006】
しかしながら、このテフロン管用継手の場合、テフロン管に過大な引張荷重が作用した場合、テフロン管が抜けるという現象が生ずることがあり、また、ナットを締め付けるとテフロン管が共回りするという現象が生ずることがある。
【0007】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点を解決するためになされたものであって、上述したテフロン管用継手において、引張荷重が作用してもテフロン管が抜けず、ナットを回してもテフロン管が共回りしないテフロン管用継手を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を次の様にして解決した。すなわち、軸方向に流体通路を有する継手本体と、継手本体と螺合してテフロン管のフレア部を継手本体の端面に押圧するナットを有するテフロン管用継手において、フレア部はテフロン管の長手方向に対して直角に形成されており、継手本体の端面に、テフロン管のフレア部が挿入される環状溝が形成されており、フレア部側の外周壁の、フレア部に面する部分のみに溝部を有する溝付きスリーブと、溝付きスリーブとナットとの間に設けられている摩擦係数の小さいスラストワッシャと、溝付きスリーブとスラストワッシャとの間に設けられている皿バネとを有し、ナットの鍔が、少なくともスラストワッシャと皿バネと溝付きスリーブを介して、テフロン管のフレア部を押圧する。
これにより、テフロン管のフレア部が溝付きスリーブによって継手本体の端面に押圧されるので、テフロン管に過大な引張荷重が作用しても管用継手から抜けるということはない。また、スラストワッシャを設けたことによりナットを回してもテフロン管が共回りしない。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明によるテフロン管用継手は、軸方向に流体通路を有する継手本体と、継手本体と螺合してテフロン管のフレア部を継手本体の端面に押圧するナットを有するテフロン管用継手において、フレア部はテフロン管の長手方向に対して直角に形成されており、継手本体の端面に、テフロン管のフレア部が挿入される環状溝が形成されており、フレア部側の外周壁の、フレア部に面する部分のみに溝部を有する溝付きスリーブと、溝付きスリーブとナットとの間に設けられている摩擦係数の小さいスラストワッシャと、溝付きスリーブとスラストワッシャとの間に設けられている皿バネとを有し、ナットの鍔が、少なくともスラストワッシャと皿バネと溝付きスリーブを介して、テフロン管のフレア部を押圧することを特徴とする。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
【0014】
図1はテフロン管用継手の全体構成を示す軸方向要部断面図である。
【0015】
同図において、符号1で示されるものは継手本体であり、その軸方向に流体通路が形成されている。継手本体1の両側外周壁には、それぞれ雄ねじが設けられ、一端は機器(図示せず)などに螺合され、他端にはナット2が螺合される。
【0016】
前記継手本体1のナット側の端面には環状溝1aが同心状に形成され、その底面は、接続されるテフロン管3のフレア部3aの角度(実質的に90゜)に応じた形状とされている。また、継手本体1の環状溝1aの内壁部1bは、その外壁部1cより軸方向に長く延びている。この延長された内壁部1bによってテフロン管3のフレア部3aの内周壁が支持される。
【0017】
テフロン管3の外周壁には、前記継手本体1の雄ねじと螺合されるナット2が挿入され、このナット2の端部には内方に向けて鍔2aが形成されている。
【0018】
テフロン管3のフレア部側の外周壁には、フレア部側より順に、溝付きスリーブ4、弾性部材としての皿バネ5、リテーナー6およびスラストワッシャ7が設けられ、前記ナット2の鍔2aによって締め付けられるようになっている。
【0019】
前記溝付きスリーブ4のフレア部側の面は、図2に示すような溝切り加工がされている。溝切り加工は、真円加工によるものが望ましいが、螺旋加工でもよい。なお、図2(b)に示すハッチング部は山形形状の溝部4aを示している。
【0020】
また、前記スラストワッシャ7には、摩擦係数が0.15〜0.22と非常に小さいもの、例えばノートン社製(商品名メタロプラストT)が使用されている。スラストワッシャ7は、図3に示すように1ヶ所カットされ、摩耗した場合に取り外しが容易となっている。
【0021】
次に、上述したテフロン管用継手とテフロン管の接続について説明する。
【0022】
まず、テフロン管3の外周壁に、ナット2、スラストワッシャ7、リテーナー6、皿バネ5、溝付きスリーブ4を順次はめ込む。次いで、専用のフレア加工機により管端を加熱、加圧して実質的に90゜の角度でフレア加工する。
【0023】
次に、テフロン管3のフレア部3aを、継手本体1の端面に設けられている環状溝1aに挿入してナット2を締付ける。これにより、前記ナット2の鍔2aは、皿バネ5などを介してテフロン管3のフレア3a部を、継手本体1の環状溝1aの底部に押圧する。このようにして、継手本体1とテフロン管3の接続がなされて内部流体を封止することができる。すなわち、継手本体1にナット2を、所定回転数または所定トルクで締付けると、皿バネ5が圧縮され適正な封止面圧が得られ、熱サイクルによる膨張、収縮を吸収することができる。その際、テフロン管3のフレア部3aの内周壁は、前記継手本体1の延長された内壁部1bによって支持されているので、テフロン管3と継手本体1との芯がずれることはない。
【0024】
上述した実施例では、継手本体1とテフロン管3のフレア部3aが皿バネ5などの弾性部材を介して締め付けられているので、高温、低温の熱サイクルに対して優れたシール性能を有している。ただし、使用上、熱サイクルがシール性能にそれほど影響しない場合には、図4に示す参考例のように、上述したテフロン管用継手から皿バネ5とリテーナ6を除いて、溝付きスリーブ4とスラストワッシャ7のみとし、安価なテフロン管用継手とすることもできる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、次のような効果を得ることができる。すなわち、テフロン管のフレア部は、溝付きスリーブによって継手本体の環状溝に押圧されているので、テフロン管に過大な引張荷重が作用しても管用継手から抜けるということはない。また、溝付きスリーブのナット側に摩擦係数の小さいスラストワッシャ設けたことにより、ナットを回してもテフロン管が共回りしない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のテフロン管用継手を示す軸方向要部断面図である。
【図2】 溝付きスリーブを示す図であり、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図である。
【図3】 スラストワッシャを示す図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は側面図である。
【図4】 本発明の参考例のテフロン管用継手を示す軸方向要部断面図である。
【図5】従来例のダブルリング式の圧縮継手を示す軸方向断面図である。
【図6】従来例のテフロン管用継手を示す軸方向要部断面図である。
【符号の説明】
1 継手本体
1a 環状溝
1b 内壁部
1c 外壁部
2 ナット
2a 鍔
3 テフロン管
3a フレア部
4 溝付スリーブ
4a 溝部
5 皿バネ(弾性部材)
6 リテーナー
7 スラストワッシャ
Claims (1)
- 軸方向に流体通路を有する継手本体(1)と、継手本体(1)と螺合してテフロン管(3)のフレア部(3a)を継手本体(1)の端面に押圧するナット(2)を有するテフロン管用継手において、
フレア部(3a)はテフロン管(3)の長手方向に対して直角に形成されており、
継手本体(1)の端面に、テフロン管(3)のフレア部(3a)が挿入される環状溝(1a)が形成されており、
フレア部側の外周壁の、フレア部(3a)に面する部分のみに溝部(4a)を有する溝付きスリーブ(4)と、溝付きスリーブ(4)とナット(2)との間に設けられている摩擦係数の小さいスラストワッシャ(7)と、溝付きスリーブ(4)とスラストワッシャ(7)との間に設けられている皿バネ(5)とを有し、
ナット(2)の鍔(2a)が、少なくともスラストワッシャ(7)と皿バネ(5)と溝付きスリーブ(4)を介して、テフロン管(3)のフレア部(3a)を押圧する
ことを特徴とするテフロン管用継手。
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JP22475696A JP3764215B2 (ja) | 1996-08-27 | 1996-08-27 | テフロン管用継手 |
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JPH1068480A JPH1068480A (ja) | 1998-03-10 |
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1996
- 1996-08-27 JP JP22475696A patent/JP3764215B2/ja not_active Expired - Fee Related
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