JP3764062B2 - 浸透性防水用組成物および防水性構造物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浸透性防水用組成物および該組成物を無機質基材に塗布した防水性構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
上水道用、下水道用、農業用水用、工業用水用には、一般に鋳鉄管や鋼管などが多用されているが、こうした管内面には、防食用のセメント・モルタル(以下、単にモルタルと呼ぶ)を施工することによって通水中の金属腐食に耐性を与えるような方法が、一般的に採用されている。
しかしながら、かかるモルタルを施工した管は、モルタル中のアルカリ成分が通水中に溶出して水質を劣化させるとともに、モルタル自体の耐久性も低下するという現象が避けられないという課題があげられる。
このようなモルタルからのアルカリ成分の溶出防止のために、モルタル層の表面に高分子材料からなる、いわゆるシールコート材を塗布して、通水との接触を断つ方法が考え出され、種々の材質が提案されている。
これらの従来技術のうちでも、材質自体が低分子量であるため、浸透性が良好であり、しかも、反応性をそなえた形の、いわゆるアルコキシシランと、下記のような特定のビニル系重合体とからなる組成物の提案が注目されている。
【0003】
例えば、特開昭63−297488号公報には、酸基含有アクリル樹脂と高級脂肪酸金属塩とシランカップリング剤とからなる組成物を溶剤中に溶解させた形の、いわゆるシーリング剤が開示されている。
また、特開平3−285935号公報には、実測のガラス転移点(Tg)が50℃以上で、かつ、重量平均分子量が10,000〜150,000の重合体と、アルキル基および加水分解性基を併有する有機ケイ素化合物とからなるメタクリレート系浸透性防水用組成物が開示されている。
さらに、特開平11−92753には、実測のガラス転移点(Tg)が50℃以上であるビニル系重合体と加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体とアルコキシシランとからなる浸透性組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来技術における組成物構成では、塗膜の硬度の観点からは比較的硬質な塗膜を与える構成となっており、下地モルタルの硬化収縮や、鋳鉄管または鋼管の取り扱いによる衝撃等で経時的に発生するクラックへ追従できず、シールコート本来の性質、いわゆる基材との経時密着性、低温特性および凍結融解性などが満足できる水準を下回る恐れがあった。
本発明の課題は、下地モルタルの硬化収縮や、鋳鉄管または鋼管の取り扱いによる衝撃等によってもクラックが発生することのない、経時的安定性に優れた浸透性防水用組成物および該組成物を無機質基材に塗布してなる防水性構造物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記のごとき従来技術の欠点ないしは不備を克服するために鋭意検討を重ねた結果、柔軟かつ撥水性のあるポリオレフィン樹脂粒子を、浸透性のあるアルコキシシランおよびビニル系重合体と組み合わせることによって、前記の耐クラック性を改良することが出来るという、極めて実用性の高い浸透性防水用組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
ビニル系重合体(A)と、アルコキシシラン(B)と、ポリオレフィン樹脂粒子(C)とを含有することを特徴とする浸透性防水用組成物、および該浸透性防水用組成物を、無機質基材に塗布してなる防水性構造物、を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の浸透性防水用組成物の構成成分の一つであるビニル系重合体(A)としては、示差熱走査熱量計(DSC)により測定されるガラス転移点が50℃以上であるものが硬質の塗膜を得る点から好ましく、80℃以上であるものがより好ましい。ガラス転移点の上限は塗膜表面にクラックが発生しにくい点から110℃であることが好ましく、105℃であることがより好ましく、100℃であることが特に好ましい。
ビニル系重合体(A)の数平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、11,000以上であることがより好ましい。前記数平均分子量が10,000以上の場合には、かなり高分子量であるために、耐候性、耐アルカリ性、耐水性などが良好であるという特徴が生じる。なお、前記数平均分子量の上限としては、スプレー塗装の作業性の点から60,000であることが好ましく、45,000であることがよりが好ましい。
【0007】
ビニル系重合体(A)を構成する単量体としては、下記単量体(a)から(h)に例示されるようなものが挙げられる。
単量体(a):スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンまたはジビニルベンゼンなどの各種のスチレン系芳香族モノマー類(芳香族ビニル系モノマー類)。
単量体(b):メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ノルマル(n−)プロピル(メタ)アクリレート、イソ(iso−)プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリー(tert−)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜13のアルキル基を有する(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル基または芳香族基を有する(メタ)アクリレートのごとき各種の(メタ)アクリレート類。
【0008】
単量体(c):ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジエチルフマレート、ジブチルフマレート、ジブチルイタコネートなどのマレイン酸、フマル酸、イタコン酸などによって代表されるような各種のジカルボン酸類と炭素数1〜4の1価アルコール類とのジエステル類。
単量体(d):2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート類;ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマレートなどの各種ジカルボン酸類の水酸基含有エステル類、さらには、プラクセルFA、プラクセルFM(以上、ダイセル化学工業(株)製のカプロラクトン付加モノマー類の商品名)などで代表される、いわゆるε−カプロラクトン系のモノマー類などの各種のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸ヒドロアルキルエステル類。
【0009】
単量体(e):酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ベオバ(シェル社製の分岐状脂肪族モノカルボン酸類のビニルエステルの商品名)などの各種のビニルエステル類。
単量体(f):グリシジル(メタ)アクリレート、(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテルなどの各種のグリシジル基含有ビニルモノマー類。
単量体(g):(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸類などの各種の不飽和カルボン酸類;および、前記不飽和ジカルボン酸類と、1価アルコールとのモノエステル類(ハーフ・エステル類)などの種々のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸類。
単量体(h):ビニルトリエトキシシラン、メチルビニルジエトキシシランなどのビニル基含有アルコキシシラン;γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどのメタクリロイルオキシ基含有アルコキシシランなどの加水分解性シリル基含有重合性不飽和単量体;および、KR−215、X−22−5002(以上、信越化学工業(株)製品)などの各種のシリコン系モノマー類などの加水分解性シリル基を有する単量体。
単量体(a)〜(h)のそれぞれは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】
前記単量体のうちでは、スチレン、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレートが塗膜硬質化、耐水性(重合性が良好なため、耐水性を悪くするオリゴマーが少ない)の点から好ましく、また、n−ブチルメタクリレートが塗膜の可塑化、耐水性(重合性が良好なため耐水性を悪くするオリゴマーが少ない)の点から好ましく、加水分解性シリル基を含有する単量体のうちでは、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが同時に使用するビニル系モノマーとの共重合性が優れる点から好ましい。
前記単量体から製造されるビニル系重合体(A)の具体例としては、例えば、製造例1で示されるようなスチレン/メチルメタクリレート/エチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート/γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合体で、DSCによる実測Tgが90℃、数平均分子量が11,000のもの、ビニルトルエン/メチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合体で、DSCによる実測Tgが80℃、数平均分子量が15,000のもの、メチルメタクリレート/ターシャリーブチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体で、DSCによる実測Tgが70℃、数平均分子量が15,000のもの、スチレン/メチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/ジブチルフマレート/グリシジルメタクリレート/γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン共重合体で、DSCによる実測Tgが60℃、数平均分子量が30,000のものなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせてもよい。これらの中では製造例1で示される重合体が、塗膜硬度、塗装作業性の点からとくに好ましい。
【0011】
ビニル系重合体(A)の製造は、懸濁重合法や塊状重合法などによって製造してもよいが、溶液重合法、就中、溶液ラジカル重合法によって製造するのが簡便であり、また、懸濁重合法で多用される界面活性剤のような通常の有機溶剤に溶解しがたい不純物の混入する余地がなくなる点からも好ましい。
前記溶液重合法によりビニル系重合体(A)を調製する際に使用される有機溶剤としては、例えば、
(イ)トルエン、キシレンや、ソルベッソ100、ソルベッソ150(以上、エクソン社製)などの各種の芳香族炭化水素系溶剤類;
(ロ)スワゾール310(丸善石油(株)製)、LAWS(シェル社製)などの各種脂肪族−芳香族炭化水素混合溶剤類;
(ハ)酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどの各種のエステル系溶剤類;
(ニ)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種のケトン系溶剤類;
(ホ)EEP(イーストマン・コダック社製)、ブチルセロソルブなどの各種のエーテル系溶剤類;
(ヘ)メタノール、エタノール、プロパノール、n−、iso−およびsec−ブタノールなどの各種のアルコール系溶剤類
などがあげられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
前記溶液ラジカル重合法に用いられるラジカル重合開始剤類としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイルパーオキシド(BPO)、tert−ブチルパーベンゾエート(TBPB)、tert−ブチルハイドロパーオキシド(TBPO)、ジ−tert−ブチルパーオキシド(DTBPO)、クメンハイドロパーオキシド(CHP)などがあげられる。
前記溶液重合法で得られたビニル系重合体(A)の溶液は、固形分濃度が20〜70%であることが好ましく、30〜60%であることがより好ましい。また、そのガードナー粘度はA4〜Z8であることが好ましく、A〜Z6であることがより好ましい。
【0013】
本発明の浸透性防水用組成物の構成成分の一つであるアルコキシシラン(B)は、基材中に浸透して撥水層を形成させるために使用される成分である。
アルコキシシラン(B)は、ケイ素原子に結合するアルコキシ基の数が1〜3個で、残りの3〜1個の結合手にはアルキル基やエポキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基などを含有したアルキル基などが結合した化合物であり、低粘度、高浸透性、加水分による縮合反応性のごとき特性を有するものである。
アルコキシシラン(B)の具体例としては、下記(B−1)および(B−2)に記載のごときものがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B−1):例えば一般式:
【化1】
Figure 0003764062
(式中、R1は炭素数5〜18のアルキル基またはフェニル基、R2は炭素数1〜18のアルキル基、R3は炭素数1〜18のアルキル基、nは0または1を表わす)で表わされる化合物などがあげられる。
前記R1の具体例としては、例えばペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などがあげられる。これらのうちでは、炭素数6〜10のアルキル基が浸透性と乾燥性の点から好ましい。
前記R2の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−ブチル基などがあげられる。これらのうちでは、メチル基およびエチル基が反応性、価格の点から好ましい。
前記R3の具体例としては、例えばメチル基、エチル基などがあげられる。
前記nは0であるものが、塗膜性能の点から好ましい。
前記一般式で表わされる化合物の具体例としては、例えばn−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどがあげられる。
【0014】
(B−2):例えばγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどで代表されるような種々のアミノ基含有アルコキシシラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどで代表されるような種々のグリシジル基含有アルコキシシラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどで代表されるような種々のメルカプト基含有アルコキシシラン類;γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどで代表されるような種々のクロル基含有アルコキシシラン類、γ−メタクリロキシ基含有アルコキシシラン類などがあげられる。
これらの中ではn−ヘキシルトリメトキシシランが撥水性や反応性の点から好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが撥水性とビニル系重合体表層に対する付着性の点から好ましい。
本発明の浸透性防水用組成物におけるビニル系重合体(A)とアルコキシシラン(B)との使用割合は、ビニル系重合体(A)100部に対してアルコキシシラン(B)10〜1000部であり、好ましくは50〜500部であり、50〜200部であることがより好ましい。アルコキシシラン(B)の量が10部未満の場合、基材に対する浸透性が不足し、ひいてはクロスカットや経時密着などの面で特有の作用が得られない懸念が高くなり、1000部をこえる場合、表面の乾燥性不良、光沢不良やフクレの原因となる。
【0015】
本発明の浸透性防水用組成物には、アルコキシシラン(B)の架橋反応を促進させるために、縮合触媒を配合してもよい。
前記縮合触媒の例としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、オクチル酸スズなどで代表される種々の有機スズ化合物;リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェートなどで代表される種々のリン酸あるいはリン酸エステル類などがあげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記縮合触媒の配合量としては、アルコキシシラン(B)100部に対して、通常は、約5部以下であるのが望ましい。使用することによる効果を得るためには、0.01部以上が好ましい。
【0016】
本発明の浸透性防水用組成物の構成成分の一つであるポリオレフィン樹脂粒子(C)は、基材の表層で形成される硬質の樹脂層において応力を緩和し、かつ撥水性を高めることにより耐クラック性向上に効果的に働く。
ポリオレフィン樹脂粒子(C)に使用されるポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等があげられる。
ポリオレフィン樹脂粒子(C)の粒径は1〜30μm程度であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂粒子(C)は一般的にトルエン、キシレン等の有機溶剤中に分散している分散液として供される。
ポリオレフィン樹脂粒子(C)の具体例としては、ハイフラットT−10P−3、T−10P−4等のポリエチレン樹脂分散液、ハイディスパー7020、8575等のポリプロピレン樹脂分散液(いずれも岐阜セラック社製)等があげられる。
【0017】
本発明の浸透性防水用組成物におけるビニル系重合体(A)とアルコキシシラン(B)とポリオレフィン樹脂粒子(C)との配合割合は、(C)/[(A)+(B)]=0.01〜1であることが好ましく、0.05〜0.5であることがより好ましい。(C)/[(A)+(B)]が0.01未満の場合、硬質樹脂層の応力緩和性や撥水性が損なわれ、ひいては経時クラックの発生を抑制する作用が得られない懸念が高くなり、(C)/[(A)+(B)]が1を超える場合、基材に対する密着性が不足し、取り扱い時の衝撃によるクラックへ追従できなくなる懸念が高くなる。
また、ポリオレフィン樹脂粒子の代わりに沈降性硫酸バリウムや炭酸カルシウム等の硬質の体質顔料を用いた場合では、硬質樹脂層の応力緩和性や撥水性が損なわれ、ひいては経時クラックの発生を抑制する作用が得られない懸念が高くなる。
【0018】
本発明の浸透性防水用組成物には、必要に応じて、貯蔵安定剤、ハジキ防止剤、レベリング剤、消泡剤、タレ防止剤、顔料、染料などの公知慣用の種々の添加剤を加えてもよい。
前記貯蔵安定剤の代表例としては、例えばオルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチルなどのオルトギ酸トリアルキル類;メチルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、セロソルブなどのアルキルアルコール類などがあげられる。
前記ハジキ防止剤やレベリング剤としては、シリコーンオイルが最も一般的であり、また前記消泡剤としては、シリコーン化合物や特殊アクリル系重合物などが一般的である。
【0019】
本発明の浸透性防水用組成物は、そのまま、直接、モルタル層などの基材表面に塗布してもよいが、有機溶剤で、例えば、固形分濃度が10〜30%程度となるように希釈した形で使用するのが塗装作業性の点から望ましい。
前記希釈溶剤の例としては、ビニル系重合体(A)を溶液重合法により製造する際の溶剤としてあげた(イ)〜(ヘ)の溶剤がそのままあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
本発明の浸透性防水用組成物は、上水道用、下水道用、農業用水用、工業用水用などに使用するモルタル・ライニングを施した鋳鉄管または鋼管のモルタル・ライニング用シール・コート材などに用いることが好適である。そのほか、モルタルまたはコンクリートあるいは発泡コンクリートなどのセメント系硬化物や、石材、れんが、陶磁器、ガラス、スレート板または珪カル板などで代表されるような種々の無機質基材の補強用や、アルカリ・シールなどに使用することができる。そして、使用した場合には、はじき、クラック、まだら模様などのない優れた外観を有する防水性構造物が得られる。
本発明の防水性構造物は上記の本発明の防水用組成物を、無機質基材に塗布してなるものであり、無機質基材としては、上記のものを例示できる。
本発明の浸透性防水用組成物を各種無機質基材に塗布する方法には、特に限定はなく、エアスプレー、エアレススプレー、ローラー塗装、刷毛塗装などの方法で塗布される。塗装効率、塗膜の均一性の点からエアレススプレーで塗布するのが好ましい。
本発明の浸透性防水用組成物は、前述のように、適宜、塗装性などを考慮して調整したのち使用に供される。
前記のようにして得られる本発明の浸透性防水用組成物を塗布された前記無機質基材の塗膜硬度としては通常鉛筆硬度でHB〜6Hであることが好ましく、2H〜6H程度であることがより好ましい。
【0021】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例および比較例に基づいて、より一層具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に使用されるビニル系重合体(A)の製造方法は、チッ素で器内の空気を置換した反応容器に、トルエン1,000部を仕込んで90℃まで昇温してから、表1に示すスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、加水分解性シリル基を有するモノマー等の混合物を3時間にわたって滴下せしめ、滴下終了後も同温度に5時間保持することによってビニル系重合体の溶液とする。
【0022】
【表1】
Figure 0003764062
【0023】
また、実施例および比較例で使用する主要成分を表2に示す。
【表2】
Figure 0003764062
【0024】
また、実施例および比較例で行なった評価方法を以下にまとめて示す。
・ビニル系重合体のガラス転移点(Tg):
十分乾燥単離したビニル系重合体クリヤー塗膜を、(株)リガク製DSC8230を使用して、20℃〜150℃の範囲で10℃/minで昇温して吸熱ピークを観察することによりTgを測定した。
・ビニル系重合体の数平均分子量:
日本分光(株)製液体クロマトグラフLC−08を用い、THF(テトラヒドロフラン)留出液系で分子量を測定した。分子量の算出にあたって、数平均分子量が1000以下のオリゴマー成分は除外した。
・不揮発分:
試料約1gを精秤し、トルエン/メタノール=70/30の混合溶剤を5cc添加し混合後、107.5℃の乾燥器に1時間保持した後の重量から求めた。
・酸価:
樹脂溶液約2gを精秤し、トルエン/メタノール=70/30の混合溶剤で希釈後、指示薬であるフェノールフタレインを添加し、メタノールに溶解した水酸化カリウムで滴定することにより酸価、すなわち試料1g中に含まれる酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を測定した。
【0025】
・クラック:
得られた試料を6ヶ月間屋外暴露しその後の外観を目視判定し、以下の基準で評価した。
○:ヘアクラックなし
×:ヘアクラックあり
・人工的なクラック:
組成物を塗布した鋳鉄管を任意の位置で、呼び径に対して3.0%撓ませて極微小な目立たないクラックを作った後、6ヶ月間屋外暴露しその後の外観を目視判定し、以下の基準で評価した。
○:クラックが目立たない
×:クラックが目立つ
・鉛筆硬度:
JIS K5400 8.4鉛筆引っかき試験に準じ塗膜の傷ついた鉛筆硬度で評価した。
・pH:
日本水道協会 水道用ダクタイル鋳鉄管モルタルライニング(JWWA A 113)のpH値の試験方法に準じて、pH計(東亜電波工業(株)製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。
○:8.6未満
△:8.6以上9.0未満
×:9.0以上
【0026】
・残留塩素の減量:
日本水道協会 水道用ダクタイル鋳鉄管モルタルライニング(JWWA A 113)の浸出性試験方法に準じて測定し、以下の基準で評価した。
○:0.7mg/L未満
△:0.7以上1.0mg/L未満
×:1.0mg/L以上
・過マンガン酸カリウムの消費量:
日本水道協会 水道用ダクタイル鋳鉄管モルタルライニング(JWWA A 113)の浸出性試験方法に準じて測定し、以下の基準で評価した。
○:1.0mg/L未満
△:1.0以上1.5mg/L未満
×:1.5mg/L以上
【0027】
・塗膜のフクレ:
通水試験後の試料について目視判定し、フクレの占める面積割合(%)を求め以下の基準で評価した。
◎:異常なし
○:フクレの占める面積が全体の5%未満
△:フクレの占める面積が全体の5%以上20%未満
×:フクレの占める面積が全体の20%以上
・塗膜の白化:
通水試験後の試料について目視判定し、白化した部分の面積割合(%)を求め以下の基準で評価した。
◎:異常なし
○:白化した部分の面積が全体の5%未満
△:白化した部分の面積が全体の5%以上20%未満
×:白化した部分の面積が全体の20%以上
・下地クラック部の傷つき:
得られた試料についてJIS K5400 8.4鉛筆引っかき試験に準じ、モルタル表面のクラック発生部での傷つきを以下の基準で評価した。
○:Hで傷なし
△:HBで傷なし
×:HBで傷つく
【0028】
・初期密着性:
得られた試料の表面にJIS Z1522に規定するセロハン粘着テープを貼り、剥がした後の付着状況を目視判定し、剥離した部分の面積割合(%)を求め、以下の基準で評価した。
◎:剥離の割合が全体の0.5%未満
○:剥離の割合が全体の0.5%以上5%未満
△:剥離の割合が全体の5%以上20%未満
×:剥離の割合が全体の20%以上
・クロスカット部2ヶ月後の密着性:
得られた試料の表面にJIS K5400 8.5.3に準じてクロスカットを入れ、屋外暴露2ヶ月後にセロハン粘着テープにて密着性を調べ、以下の基準で評価した。
◎:剥離の割合が全体の0.5%未満
○:剥離の割合が全体の0.5%以上5%未満
△:剥離の割合が全体の5%以上20%未満
×:剥離の割合が全体の20%以上
・5℃、2ヶ月後の密着性:
得られた試料を5℃で2ヶ月間保持した後、試料の表面にJIS Z1522に規定するセロハン粘着テープを貼り、剥がした後の付着状況を目視判定し、剥離した部分の面積割合(%)を求め、以下の基準で評価した。
◎:剥離の割合が全体の0.5%未満
○:剥離の割合が全体の0.5%以上5%未満
△:剥離の割合が全体の5%以上20%未満
×:剥離の割合が全体の20%以上
【0029】
・促進耐候性:
JIS K5400 9.8促進耐候性試験に準じて、サンシャイン・ウェザオメータによる促進耐候性試験を700時間行った結果を、以下の基準で評価した。
◎:異常なし
○:白化面積の割合が全体の5%未満
△:白化面積の割合が全体の5%以上20%未満
×:白化面積の割合が全体の20%以上
・凍結融解試験:
−20℃で8時間保持後、2時間かけて+20℃に昇温し、+20℃で12時間保持後、2時間かけて−20℃に降温するサイクルを100回行った後、以下の基準で評価した。
◎:異常なし
○:白化面積の割合が全体の5%未満
△:白化面積の割合が全体の5%以上20%未満
×:白化面積の割合が全体の20%以上
【0030】
(実施例1)
ビニル系重合体(A−1)(不揮発分50%)200部と、n−ヘキシルトリメトキシシラン50部と、表2記載のポリエチレン樹脂粒子(10%トルエン分散液)100部と、さらに、表2記載のアクリル系消泡剤5部と、表2記載のシリコーン系ハジキ防止剤5部と、トルエン340部と、アセトン300部とを混合して、固形分濃度が16%のシール・コート材を得た。
モルタル・ライニング鋳鉄管(呼び径が100mmであって、長さが約100mmのモルタル・ライニング鋳鉄管の養生直後に約80℃の温水中に浸漬せしめてから引き上げて、モルタル表面に浮き水がなく乾燥している状態のもの)を徐々に回転させつつ、この上に、上記で得たシール・コート材を、刷毛で軸方向に約100g/m2の割合で塗布せしめ、加温用の試験材を作製した。
このシール・コート材を塗装したモルタル・ライニング管を、室温で4日間乾燥したのち、外観、塗膜強度を評価した。また、ポリ塩化ビニリデンフィルムで覆った良質のゴム栓でモルタルライニング管の一端に蓋をし、塩素が約1.2mg/Lになるように調製した精製水を管中に充填し、蓋を被せてから常温で24時間静置し、日本水道協会 水道ダクタイル鋳鉄管モルタルライニングのシールコートの浸出性試験方法に準拠して、水質(pH、残留塩素の減量、過マンガン酸カリウム消費量)に関する評価を行なった。
また、それと同時に、1,500ppmの遊離炭酸を含む、pHが約4.7の水による通水試験を14日間にわたって行ない、塗膜のフクレ、白化および下地クラック部の傷つきの異常の有無、クロスカット部2カ月後密着性を調べた。さらに、別に経時密着性試験、促進耐候性試験、凍結融解試験を行なった。それらの結果を表4に示す。
【0031】
(実施例2)
ビニル系重合体(A−2)200部と、n−ヘキシルトリメトキシシラン100部と、表2記載のポリエチレン樹脂粒子(10%トルエン分散液)100部と、さらに、表2記載のアクリル系消泡剤5部と、表2記載のシリコーン系ハジキ防止剤5部と、トルエン290部と、アセトン300部とを混合して、有効成分が21%のシール・コート材を得た。
得られたシール・コート材を、実施例1と同様にして、鋳鉄管のモルタル表面に塗布して試験材を作製し、評価した。結果を表4に示す。
(実施例3)
ビニル系重合体(A−2)200部と、n−ヘキシルトリメトキシシラン100部と、表2記載のポリエチレン樹脂粒子(10%トルエン分散液)200部と、さらに、表2記載のアクリル系消泡剤5部と、表2記載のシリコーン系ハジキ防止剤5部と、トルエン190部と、アセトン300部とを混合して、固形分濃度22%のシール・コート材を得た。
得られたシール・コート材を、実施例1と同様にして、鋳鉄管のモルタル表面に塗布して試験材を作製し、評価した。結果を表4に示す。
【0032】
(実施例4)
ビニル系重合体(A−3)200部と、n−ヘキシルトリメトキシシラン50部と、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン25部と、表2記載のポリエチレン樹脂粒子(10%トルエン分散液)100部と、さらに、表2記載のアクリル系消泡剤5部と、表2記載のシリコーン系ハジキ防止剤5部と、トルエン315部と、アセトン300部とを混合して、固形分濃度18.5%のシール・コート材を得た。
得られたシール・コート材を、実施例1と同様にして、鋳鉄管のモルタル表面に塗布して試験材を作製し、評価した。結果を表4に示す。
(実施例5)
ビニル系重合体(A−2)200部と、n−ヘキシルトリメトキシシラン100部と、表2記載のポリプロピレン樹脂粒子(10%トルエン分散液)100部とのほかに、さらに、表2記載のアクリル系消泡剤5部と、表2記載のシリコーン系ハジキ防止剤5部と、トルエン290部と、アセトン300部とを混合して、固形分濃度21%のシール・コート材を得た。
得られたシール・コート材を、実施例1と同様にして、鋳鉄管のモルタル表面に塗布して試験材を作製し、評価した。結果を表4に示す。
【0033】
(比較例1)
ビニル系重合体(A−1)200部と、n−ヘキシルトリメトキシシラン50部と、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン25部と、表2記載のポリエチレン樹脂粒子(10%トルエン分散液)10部とのほかに、さらに、表2記載のアクリル系消泡剤5部と、表2記載のシリコーン系ハジキ防止剤5部と、トルエン405部と、アセトン300部とを混合して、有効成分が17.6%のシール・コート材を得た。
得られたシール・コート材を、実施例1と同様にして、鋳鉄管のモルタル表面に塗布して試験材を作製し、評価した。結果を表4に示す。
(比較例2)
ビニル系重合体(A−1)40部と、n−ヘキシルトリメトキシシラン20部と、表2記載のポリエチレン樹脂粒子(10%トルエン分散液)600部と、さらに、表2記載のアクリル系消泡剤5部と、表2記載のシリコーン系ハジキ防止剤5部と、トルエン30部と、アセトン300部とを混合して、有効成分が10%のシール・コート材を得た。
得られたシール・コート材を、実施例1と同様にして、鋳鉄管のモルタル表面に塗布して試験材を作製し、評価した。結果を表4に示す。
【0034】
(比較例3)
ビニル系重合体(A−3)200部と、n−ヘキシルトリメトキシシラン50部と、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン25部と、表2記載の沈降性硫酸バリウム10部と、さらに、表2記載のアクリル系消泡剤5部と、表2記載のシリコーン系ハジキ防止剤5部と、トルエン405部と、アセトン300部とを混合して、有効成分が18.5%のシール・コート材を得た。
得られたシール・コート材を、実施例1と同様にして、鋳鉄管のモルタル表面に塗布して試験材を作製し、評価した。結果を表4に示す。
【0035】
【表3】
Figure 0003764062
【0036】
【表4】
Figure 0003764062
【0037】
【表5】
Figure 0003764062
【0038】
【表6】
Figure 0003764062
【0039】
(実施例6〜10および比較例4〜6)
実施例1〜5および比較例1〜3で得られた9種のシール・コート材をそれぞれモルタル・ライニング鋳鉄管(呼び径が100mmであって、長さが約100mmのモルタル・ライニング鋳鉄管の養生直後のもの)上に、徐々に該鋳鉄管を回転させつつ刷毛で軸方向に約100g/m2の割合で塗布し、常温用の試験材を作製した。
これらのシール・コート材を塗装したモルタル・ライニング管を、室温で4日間乾燥させたのち、外観、塗膜強度を評価した。また、モルタルライニング管の一端を、ポリ塩化ビニリデンフィルムで覆った良質のゴム栓で蓋をし、管中に残留塩素が約1.2mg/Lになるようにした精製水を充填させ、蓋を被せてから常温で24時間静置し、日本水道協会 水道ダクタイル鋳鉄管モルタルライニングのシールコートの浸出性試験方法に準拠して、水質(pH、残留塩素の減量、過マンガン酸カリウム消費量)に関する評価を行なった。
また、それと同時に、1,500ppmの遊離炭酸を含む、pHが約4.7の水による通水試験を14日間にわたって行ない、塗膜のフクレ、白化および下地クラック部の傷つきの異常の有無、クロスカット部2カ月後密着性を調べた。さらに、別に経時密着性試験、促進耐候性試験、凍結融解試験を行なった。結果を表5に示す。
【0040】
【表7】
Figure 0003764062
【0041】
【発明の効果】
本発明の浸透性防水用組成物は、モルタルなどで代表される種々のセメント系硬化物基材上に塗布されることによって、アルコキシシランが基材に浸透して該基材を強化すると同時に、撥水層を形成し、ビニル系重合体が該基材の上層に成膜して、この撥水層を保護する樹脂層を形成する。さらに、樹脂層に分散した柔軟なポリオレフィン樹脂粒子が硬質の樹脂層の応力を緩和すると共に自身の撥水性のために経時のモルタルの硬化収縮や塗布された構造物の取り扱い時の衝撃により発生するクラックの発生を抑制することができるという著しく優れた効果を有する。

Claims (4)

  1. ビニル系重合体(A)と、アルコキシシラン(B)と、ポリオレフィン樹脂粒子(C)とを含有することを特徴とする浸透性防水用組成物。
  2. ビニル系重合体(A)と、アルコキシシラン(B)と、ポリオレフィン樹脂粒子(C)との配合割合が、(A)/(B)=0.1〜10であり、かつ、(C)/[(A)+(B)]=0.01〜1であることを特徴とする請求項1に記載の浸透性防水用組成物。
  3. ポリオレフィン樹脂粒子(C)が有機溶剤中に分散しているものであることを特徴とする請求項1または2記載の浸透性防水用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の浸透性防水用組成物を、無機質基材に塗布してなる防水性構造物。
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