JP3763685B2 - エピタキシャルウェーハ及びその評価方法 - Google Patents

エピタキシャルウェーハ及びその評価方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エピタキシャルウェーハ及びその評価方法に関する。より詳細には、本発明は、基板との格子定数を所定の範囲に整合させつつ、エピタキシャル層のX線ロッキングカーブを基板のロッキングカーブと分離して測定することができるエピタキシャルウェーハ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイス用のエピタキシャルウェーハの評価方法の一つとして、X線ロッキングカーブの測定がある。X線ロッキングカーブは、結晶の品質に関する情報を与える。すなわち、カーブのピーク位置からは平均的な格子定数を、またカーブの半値幅からはエピタキシャル層の結晶性を調べることが出来る。これらを併せて評価することで、エピタキシャルウェーハの評価を行うことが出来る。さらに、エピタキシャル成長装置の材料供給系や成長炉などの状態を把握し、次回の結晶成長へのフィードバックを効率的に行うことが可能となる。
【0003】
一般的に、一枚のエピタキシャルウェーハは、面内の諸特性のばらつきが少ないほど好ましい。特性のばらつきが少ないということは、即ちウェーハ内のあらゆる点で、組成、結晶性、あるいはキャリア濃度等が一定なエピタキシャル層が形成されているということである。このようなウェーハからデバイスを作製すれば、諸特性が均一な多数のデバイスを得ることができる。このため、結晶の組成、成長速度、結晶性、キャリア濃度等が基板上のあらゆる点で同一になるように工夫された結晶成長装置により、エピタキシャルは行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、X線ロッキングカーブの評価についてみると、ウェーハの面内各箇所で全て同じ結果が得られることは必ずしも好ましくない。なぜならば、ウェーハのあらゆる点において、エピタキシャル層の格子定数と基板の格子定数とが同じになった場合、両者のロッキングカーブが重なり、エピタキシャル層の正確な格子定数や半値幅が測定できなくなるためである。
【0005】
図7は、従来の均一なエピタキシャルウェーハから得られたX線ロッキングカーブの一例を表す説明図である。すなわち、同図(a)〜(c)はそれぞれウェーハの異なる点において得られたロッキングカーブを表すグラフ図であり、同図(d)はそれぞれの測定点の位置を表す模式図である。図7から分かるように、従来の均一なウェーハにおいては、面内の各点で同一のカーブが得られる。従って、このウェーハから得られるデバイスの特性も均一であると考えられる。
【0006】
しかしながら、このような均一性の良いエピタキシャルウェーハの場合には、エピタキシャル層と基板の格子定数が近ずいた場合にエピタキシャル層の評価が困難になるという問題があった。
【0007】
図8は、基板とエピタキシャル層の格子定数が近い従来のエピタキシャルウェーハから得られたX線ロッキングカーブの一例を表す説明図である。すなわち、同図(a)〜(c)はそれぞれウェーハの異なる点において得られたロッキングカーブを表すグラフ図であり、同図(d)はそれぞれの測定点の位置を表す模式図である。図8から分かるように、基板の格子定数とエピタキシャル層の格子定数が近づくと、両者のX線ロッキングカーブが重なり、エピタキシャル層のみのX線ロッキングカーブを分離して評価することが困難となる。その結果として、エピタキシャル層の格子定数やロッキングカーブ半値幅が得られないという問題が生ずる。
【0008】
本発明は、上記課題の認識に基づいてなされたものである。すなわち、その目的は、ウェーハ面内の均一性を実用上十分な範囲に確保しつつエピタキシャル層の正確な評価を可能としたエピタキシャルウェーハ及びその評価方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、基板と、前記基板の上に設けられるエピタキシャル層と、を備え、前記エピタキシャル層は、前記基板と格子整合が可能な材料で形成され、前記基板の格子定数との差が最大の位置におけるX線ロッキングカーブのピークが、該位置での前記基板から得られるX線ロッキングカーブのピークと重なり合わないように形成される領域と、前記基板の格子定数との差が最小の位置におけるX線ロッキングカーブのピークが、該位置での前記基板から得られるX線ロッキングカーブのピークと重なり合うように形成される領域と、を有することを特徴とするエピタキシャルウェハが提供される。
【0010】
このエピタキシャルウェーハは、基板との格子整合を所定の範囲内に維持しつつエピタキシャル層からのロッキングカーブを基板からのロッキングカーブと分離して測定評価することができる。
【0011】
ここで、前記エピタキシャル層の格子定数と前記基板の格子定数との差が最大の部分において、前記基板から得られる前記X線ロッキングカーブの端と、前記エピタキシャル層から得られる前記X線ロッキングカーブのピークとが略一致するものとすれば、基板とエピタキシャル層との格子定数のずれを最小とすることができる。
【0012】
また、本発明の望ましい実施の形態として、前記エピタキシャル層の前記格子定数は、前記基板の中央付近から外周部に向かって徐々に増大または減少しているものとすると容易に実施することができる。
【0013】
一方、本発明のエピタキシャルウェーハの評価方法は、基板と前記基板上に設けられたエピタキシャル層とを有するエピタキシャルウェーハの評価方法であって、前記エピタキシャル層の格子定数を前記基板の面内方向において一定でないものとし、前記エピタキシャル層の格子定数と前記基板の格子定数との差が最大の部分において前記基板から得られるX線ロッキングカーブが前記エピタキシャル層から得られるX線ロッキングカーブのピークと重なり合わないようにしつつ前記エピタキシャル層の前記X線ロッキングカーブのピークの高さを測定することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、基板とエピタキシャル層との格子整合を維持しつつ両者のロッキングカーブを分離して測定評価することができる。
【0015】
ここで、前記エピタキシャル層の格子定数と前記基板の格子定数との差が最大の部分において、前記基板から得られる前記X線ロッキングカーブの端と前記エピタキシャル層から得られる前記X線ロッキングカーブのピークとが略一致するようして前記エピタキシャル層の前記X線ロッキングカーブのピークの高さを測定すれば、基板とエピタキシャル層との格子不整を最小に抑えることができる。
【0016】
また、前記エピタキシャル層から得られる前記X線ロッキングカーブのうちの前記基板から得られる前記X線ロッキングカーブと重なり合わない部分において、半値半幅をさらに測定することにより、エピタキシャル層の結晶性を容易且つ確実に評価することができる。
【0017】
また、前記X線ロッキングカーブは、銅(Cu)のKα線により得ることが容易且つ確実である。
【0018】
さらに、前記エピタキシャル層の成長に際して、前記基板の温度に分布を設けることにより、前記エピタキシャル層の格子定数を前記基板の面内方向において一定でないものとすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、成長条件に基板面内方向の分布を与えることで、特性に影響の出ない程度の組成のばらつきを発生させ、ウェーハ内の最低一箇所においては、基板とエピタキシャル層のX線ロッキングカーブを必要十分な程度に分離させ、エピタキシャル層の正確な評価を可能とするものである。
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明によるエピタキシャルウェーハのエピタキシャル層の格子定数の面内分布の一例を例示する概念図である。すなわち、同図の横軸はウェーハ上での位置、縦軸は格子定数をそれぞれ表す。また、同図には、基板の格子定数も併せて表した。
【0021】
本発明のエピタキシャルウェーハは、例えば、同図に表したように基板の両端B、Cにおいてエピタキシャル層の格子定数が大きく、基板の中央Aにおいて格子定数が小さくなるような分布を有する。つまり、面内方向にみたとき、エピタキシャル層は、基板と比較して最大でΔだけ異なる格子定数を有する。本発明においては、この格子定数の変化の幅Δを所定の範囲内とすることにより、実用的な均一性を維持しつつ、エピタキシャル層のX線ロッキングカーブの測定を可能とする。
【0022】
図2は、図1に例示したエピタキシャルウェーハのX線ロッキングカーブの測定例を表す説明図である。すなわち、同図(a)〜(c)はそれぞれ図1のB、A、及びCにおいて得られたロッキングカーブを表すグラフ図である。同図に表した具体例の場合は、図2(a)において、基板のロッキングカーブSとエピタキシャル層のロッキングカーブEとが重なっている。つまり、エピタキシャル層のロッキングカーブが分離されず、ピークの位置や半値幅の正確な測定が困難となっている。
【0023】
これに対して、図2(b)と(c)においては、基板とエピタキシャル層のロッキングカーブが分離し、エピタキシャル層のロッキングカーブのピーク位置や半値幅を正確に評価することができる。つまり、エピタキシャル層の結晶性の評価を実施することができる。このように、ウェーハ内に両者が分離している部分があれば、結晶性の評価は容易に実施できる。しかし、基板とエピタキシャル層のロッキングカーブが大きく離れていると、両者の格子定数のずれが大きく、そのようなウェーハから得られるデバイスの特性がばらついて製造歩留まりが低下するいう問題が生ずる。
【0024】
この問題を解消するためには、基板とエピタキシャル層との格子定数のズレの最大幅Δをある範囲内に抑えることが望ましい。すなわち、基板のロッキングカーブとエピタキシャル層のロッキングカーブとを分離するために必要十分なズレ量に抑えることが望ましい。具体的には、基板のロッキングカーブの「すその端」が、エピタキシャル層のロッキングカーブのピーク位置と重ならないようにすることが望ましい。例えば、図2(b)に表した例においては、基板のロッキングカーブSの左側の「すそ」は、エピタキシャル層のロッキングカーブEのピーク位置とほぼ一致している。両者がこのような位置関係にある場合が、必要且つ十分な最低限のズレ量に対応する。
【0025】
エピタキシャル層の格子定数の具体的な分布量は、エピタキシャル層の格子定数と用いるX線の波長やその他の回折条件に応じて適宜決定することができる。但し、半導体エピタキシャル層のX線ロッキングカーブによる評価に際しては、殆どすべての半導体材料の場合にCu(銅)のKα線(波長1.54オングストローム)が用いられる。従って、CuのKα線の波長を用いた場合に、基板のロッキングカーブの「すそ」と、エピタキシャル層のロッキングカーブのピーク位置とが重なり合わない位置関係にあれば良い。
【0026】
両者が図2(b)に表したような位置関係にある場合には、エピタキシャル層のロッキングカーブEのピークの高さは、基板のロッキングカーブSの影響を受けることはない。また、エピタキシャル層のロッキングカーブEのうちでピークの左側の部分は基板の基板のロッキングカーブSの影響を受けていない。従って、エピタキシャル層のロッキングカーブの半値半幅(Half Width at Half Maximum:HWHM)を正確に測定することができ、エピタキシャル層の結晶性を的確に評価することができる。
【0027】
つまり、エピタキシャルウェーハにおいて、基板とエピタキシャル層の格子定数が最も大きくずれている部分において、エピタキシャル層のロッキングカーブのピークが基板のロッキングカーブに重ならないように格子定数を調節すれば、エピタキシャル層の評価を確実に実施することができる。
【0028】
さらに、図2(b)に例示したように、エピタキシャル層のロッキングカーブのピークと基板のロッキングカーブの「すその端」がほぼ一致する程度まで、両者の格子定数を近づけた場合には、格子定数のずれによる歩留まりの低下を解消することもできる。
【0029】
すなわち、本発明によれば、必要且つ十分な範囲でエピタキシャル層の格子定数の分布を設けることにより、エピタキシャル層の均一性を確保しつつロッキングカーブを分離して評価できるようになる。その結果として、デバイス化の歩留まりを低下させずに、エピタキシャル成長条件に的確且つ迅速なフィードバックをかけて高性能の半導体素子を低コストで供給することができるようになる。
【0030】
以下に、実施例を参照しつつさらに具体的に説明する。
図3は、本発明の一実施例にかかるエピタキシャルウェーハの断面構造を表す概念図である。本実施例では、基板1としてn型GaAsウェーハを用い、GaAs基板1に格子整合が可能な赤色LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)構造の結晶成長を行った。すなわち、エピタキシャル成長層としては、基板1側から順に、n型InAlPクラッド層2、ノンドープInGaP活性層3、p型InAlPクラッド層4が1μmずつ成長し、さらに、p型コンタクト層としてp型GaAs層5を成長した。また、成長方法としては、有機金属気相成長法(MOCVD)を用いた。
【0031】
図4は、本実施例において用いたMOCVD装置の構成を表す概念図である。すなわち、MOCVD成長装置は、材料供給系50と成長炉60と除害系70とから成る。材料供給系50には、TMI(トリメチルインジウム)、TMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、TBAs(ターシャルブチル砒素)、TBP(ターシャルブチル燐)、DMZ(ジメチル亜鉛)SiH4(シラン)などの原料源が設けられ供給ラインを介して成長炉に供給される。なお、供給ラインは、これらの材料に対して耐腐蝕性が高いステンレスにより形成した。
【0032】
成長炉60は、高気密チャンバ61、材料拡散板62、ウェーハ支持台63、及び基板加熱ヒータ64などにより構成されている。供給ラインを介してチャンバ61内に導入された各材料は、拡散板62により拡げられ、ウェーハ支持台63の上に載置された基板上に供給される。一方、基板は、加熱ヒータ64により所定の温度に加熱されており、その表面付近に供給された材料ガスは熱分解して、所定の半導体材料がエピタキシャル成長する。
【0033】
本実施例においては、GaAs基板1の中心から外周方向に向かって緩やかな温度傾斜が生じるように基板加熱ヒータ64を調節した。この結果、基板を加熱すると、基板1の中央部に比べて、そこから20mm離れた位置での温度は約10℃高くなった。このように緩やかな分布を設けるのは、分布が急峻であると、評価に最適な位置を探すのが容易でなかったり、ウェーハ全体の格子定数の分布を推測することが容易でないことがあるからである。
【0034】
図5は、本実施例によるエピタキシャルウェーハのX線ロッキングカーブの評価結果を表す説明図である。すなわち、同図(a)〜(c)はそれぞれウェーハの異なる点において得られたロッキングカーブを表すグラフ図であり、同図(d)はそれぞれの測定点の位置を表す模式図である。なお、本具体例においては、基板は直径2インチ(50mm)であり、図1(a)はウェーハ中央部分、図1(b)及び(c)は中央から20mm離れた点でのロッキングカーブをそれぞれ表す。ここで、X線としてはCu(銅)のKα1線(波長1.5405オングストローム)を用いた。また、評価ウェーハの手前に、分光結晶としてGaAs(400)を設けた。
【0035】
図5(a)〜(c)には、基板1とInGaP活性層3とInAlPクラッド層4、5のロッキングカーブがそれぞれ表されている。図5(a)から分かるように、ウェーハの中央ではInGaP活性層3のX線ロッキングカーブがGaAs基板1のロッキングカーブと殆ど重なっており、通常の評価方法では格子定数の評価が不可能である。これに対して、図5(b)または(c)から分かるように、ウェーハの中央から20mm離れた位置ではInGaP活性層3とGaAs基板1のX線ロッキングカーブは分離している。すなわち、InGaP活性層3のピークは、基板1のロッキングカーブの「すそ」と重なっていない。この結果として、InGaP活性層3のロッキングカーブのピークの高さ及び半値半幅(HWHM)を正確且つ容易に測定することができる。
【0036】
さらに、本実施例においては、基板1の温度を、基板の中央から外周に向かって特異点のない緩やで単調な増加としたため、温度勾配により発生する格子定数の「ずれ」を容易に予想することができる。つまり、図5(a)に表したような基板とロッキングカーブの重なった中央部分の成長層の格子定数や、ウェーハ外周部に渡る格子定数の分布も容易に推定することができる。
【0037】
本発明者は、本実施例とともに、比較例として従来の方法によるエピタキシャルウェーハも試作評価した。具体的には、図3に表したものと同様の層構造を有するエピタキシャルウェーハを図4に表したMOCVDにより成長した。但し、本比較例においては、基板加熱ヒータ64を別途調節して基板面内での温度むらが±2℃以内となるようにした。
【0038】
図6は、従来のエピタキシャルウェーハのX線ロッキングカーブの評価結果を表す説明図である。すなわち、同図(a)〜(c)はそれぞれウェーハの異なる点において得られたロッキングカーブを表すグラフ図であり、同図(d)はそれぞれの測定点の位置を表す模式図である。なお、本比較例においても、基板は直径2インチ(50mm)であり、図6(a)はウェーハ中央部分、図6(b)及び(c)は中央から20mm離れた点でのロッキングカーブをそれぞれ表す。
【0039】
なお、InAlPとInGaPは、本来なら、ロッキングカーブが分離されているはずであるが、ばらつきの中で、図6の様に重なる場合も多い。
【0040】
図6(a)〜(c)のいずれをみても、InGaP活性層3およびInAlPクラッド層2,4のロッキングカーブはGaAs基板1のロッキングカーブと重なっている。従って、活性層3の格子定数や半値幅の測定が困難である。特に、半値幅の測定ができないと、活性層3の結晶性が不明となる。一般に、LEDや半導体レーザなどの発光素子においては、活性層の結晶性が素子の発光特性を決定する極めて重要な要素である。従って、活性層の結晶性を評価することができないと、エピタキシャル成長工程に的確なフィードバックをすることが困難で、発光素子の特性が低下し、また製造歩留まりが低下するなどの問題が生ずる。
【0041】
これに対して、本発明によれば、図5に表したように、エピタキシャル層の結晶性の評価が可能となり、結晶成長工程に確実なフィードバックを施すとともに、不良なウェーハをデバイス化することなく選別して除去することができる。
【0042】
さらに、本発明によれば、このようにエピタキシャル層の格子定数の分布を必要且つ十分な範囲に抑えることにより、エピタキシャルウェーハから得られるデバイスの数は、従来の均一なウェーハと比較して同等であった。すなわち、歩留まりの低下を防ぎつつ、エピタキシャル層の結晶性を的確に評価して、高性能の半導体素子を低コストで供給することができるようになる。
【0043】
以上具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、図1に表した例においては、エピタキシャル層の格子定数は、ウェーハの中央付近で小さく、両端に近づくに従って大きくなる場合を表した。しかし、これ以外にも、例えば、エピタキシャル層の格子定数は、ウェーハの中央付近で大きく、両端で小さくなるようにしても良く、または、ウェーハの一端から他端に向かって徐々に変化するようにしても良い。
【0044】
また、そのような格子定数の分布を形成する方法としては、前述したように基板の温度に分布を設ける方法の他にも、例えば、エピタキシャル成長時の原料ガスの供給速度に面内分布を設けても良く、或いは、雰囲気圧力に面内分布を設けても良い。
【0045】
また、本発明は、LEDや半導体レーザなどの半導体発光素子以外にも、フォトダイオードや光変調素子などの各種の光素子、トランジスタやダイオードあるいは集積回路などの各種の電子素子についても同様に適用して同様の効果を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、必要且つ十分な範囲でエピタキシャル層の格子定数の分布を設けることにより、エピタキシャル層の均一性を確保しつつロッキングカーブを分離して評価できるようになる。その結果として、デバイス化の歩留まりを低下させずに、エピタキシャル成長条件に的確且つ迅速なフィードバックをかけて高性能の半導体素子を低コストで供給することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエピタキシャルウェーハのエピタキシャル層の格子定数の面内分布の一例を例示する概念図である。
【図2】図1に例示したエピタキシャルウェーハのX線ロッキングカーブの測定例を表す説明図である。
【図3】本発明のエピタキシャルウェーハの断面構造を表す概念図である。
【図4】本実施例において用いたMOCVD装置の構成を表す概念図である。
【図5】本実施例によるエピタキシャルウェーハのX線ロッキングカーブの評価結果を表す説明図である。
【図6】従来のエピタキシャルウェーハのX線ロッキングカーブの評価結果を表す説明図である。
【図7】従来の均一なエピタキシャルウェーハから得られたX線ロッキングカーブの一例を表す説明図である。
【図8】基板とエピタキシャル層の格子定数が近い従来のエピタキシャルウェーハから得られたX線ロッキングカーブの一例を表す説明図である。
【符号の説明】
1 GaAs基板
2 InAlPクラッド層
3 InGaP活性層
4 InAlPクラッド層
5 GaAsコンタクト層
50 材料供給系
60 成長炉
61 高気密チャンバ
62 材料拡散板
63 ウェーハ支持台
64 基板加熱ヒータ
70 除害系

Claims (8)

  1. 基板と、
    前記基板の上に設けられるエピタキシャル層と、を備え、
    前記エピタキシャル層は、
    前記基板と格子整合が可能な材料で形成され、前記基板の格子定数との差が最大の位置におけるX線ロッキングカーブのピークが、該位置での前記基板から得られるX線ロッキングカーブのピークと重なり合わないように形成される領域と、
    前記基板の格子定数との差が最小の位置におけるX線ロッキングカーブのピークが、該位置での前記基板から得られるX線ロッキングカーブのピークと重なり合うように形成される領域と、を有することを特徴とするエピタキシャルウェハ。
  2. 前記エピタキシャル層の格子定数と前記基板の格子定数との差が最大の部分において、前記基板から得られる前記X線ロッキングカーブの端と、前記エピタキシャル層から得られる前記X線ロッキングカーブのピークとが略一致することを特徴とする請求項1記載のエピタキシャルウェーハ。
  3. 前記エピタキシャル層の前記格子定数は、前記基板の中央付近から外周部に向かって徐々に増大または減少していることを特徴とする請求項1または2に記載のエピタキシャルウェーハ。
  4. 基板と前記基板上に設けられたエピタキシャル層とを有するエピタキシャルウェーハの評価方法であって、
    前記エピタキシャル層の格子定数を前記基板の面内方向において一定でないものとし、前記エピタキシャル層の格子定数と前記基板の格子定数との差が最大の部分において前記基板から得られるX線ロッキングカーブが前記エピタキシャル層から得られるX線ロッキングカーブのピークと重なり合わないようにしつつ前記エピタキシャル層の前記X線ロッキングカーブのピークの高さを測定することを特徴とするエピタキシャルウェーハの評価方法。
  5. 前記エピタキシャル層の格子定数と前記基板の格子定数との差が最大の部分において、前記基板から得られる前記X線ロッキングカーブの端と前記エピタキシャル層から得られる前記X線ロッキングカーブのピークとが略一致するようして前記エピタキシャル層の前記X線ロッキングカーブのピークの高さを測定することを特徴とする請求項4記載のエピタキシャルウェーハの評価方法。
  6. 前記エピタキシャル層から得られる前記X線ロッキングカーブのうちの前記基板から得られる前記X線ロッキングカーブと重なり合わない部分において、半値半幅をさらに測定することを特徴とする請求項4または5に記載のエピタキシャルウェーハの評価方法。
  7. 前記X線ロッキングカーブを、銅(Cu)のKα線により得ることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載のエピタキシャルウェーハの評価方法。
  8. 前記エピタキシャル層の成長に際して、前記基板の温度に分布を設けることにより、前記エピタキシャル層の格子定数を前記基板の面内方向において一定でないものとすることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1つに記載のエピタキシャルウェーハの評価方法。
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