JP3762499B2 - 積層鉄心の製造用金型装置 - Google Patents

積層鉄心の製造用金型装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3762499B2
JP3762499B2 JP31494996A JP31494996A JP3762499B2 JP 3762499 B2 JP3762499 B2 JP 3762499B2 JP 31494996 A JP31494996 A JP 31494996A JP 31494996 A JP31494996 A JP 31494996A JP 3762499 B2 JP3762499 B2 JP 3762499B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
punching
slot
die
punch
punched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31494996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10164782A (ja
Inventor
隆彦 小林
佐仲 大澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuroda Precision Industries Ltd
Original Assignee
Kuroda Precision Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuroda Precision Industries Ltd filed Critical Kuroda Precision Industries Ltd
Priority to JP31494996A priority Critical patent/JP3762499B2/ja
Publication of JPH10164782A publication Critical patent/JPH10164782A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3762499B2 publication Critical patent/JP3762499B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばモータの回転子や固定子などの回転電機に使用される積層鉄心に係り、特に積層鉄心に巻装される界磁巻線の絶縁被覆部を損傷して短絡事故の要因となるスロット穴開口縁部のバリの影響を排除するようにした積層鉄心とその製造方法及び製造用金型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の積層鉄心の製造技術では、順送り金型装置に沿って間欠移送される帯状の薄板金属材料(フープ材)に対し、上型側のパンチと下型側のダイを用いて所定の鉄心形状に必要なスロット穴及び内径穴などの打抜き加工を行った後に、最終工程で外形打抜きした鉄心板を順次ダイ内へ抜き落として積層すると共に、重合状態で上下に隣接するダイ内の各鉄心板をカシメ結合などの連結手段で所定枚数毎に一体に固着連結し、所定の積み厚の積層鉄心を得るようにしている。
【0003】
上記積層鉄心は、金型装置から取り出した後に界磁巻線を施してモータの回転子などの鉄心製品にするが、スロット及び内径などの打抜き加工を行った際に、各鉄心板の開口縁部には打抜き方向に沿って突出する態様でバリが発生し、特に積層鉄心の上下端部側に位置する鉄心板からバリが突出している場合には、このバリが界磁巻線の絶縁被覆部を損傷させて絶縁不良による短絡事故を生じさせる恐れがあり、この問題を解消する手段として、例えば特公昭63−26619号公報や特許第2527498号公報に開示された提案がなされている。
【0004】
従来技術の前者では、積層鉄心を上下から加圧する専用の成形装置を用い、上下端部側に位置する鉄心板の開口縁部に対して同時に加圧成形することにより、当該開口縁部を面取りする態様で丸みを付けて発生したバリを除去しているが、この場合には順送り金型装置などを用いて積層鉄心を製作した後に格別なバリ除去用の成形装置を用いて加工をするために、作業性の向上が損なわれたり全体装置として高価になる恐れがある。
【0005】
従来技術の後者では、積層鉄心を製作する順送り金型装置の打抜き工程の後にバリ除去用のステーションを設け、このステーションには既に打ち抜かれた加工形状に対応した形状の突起を装備させ、打抜き工程で各鉄心板の開口縁部に発生したバリを当該突起の加圧成形によって圧潰するようにしているが、この場合にはスロットや内外径などの打抜き加工孔に対して上記突起の形状と位置を正確に整合させる必要があり、少しでも位置ずれがあるとバリが除去されずに新たなバリが発生して性能を低下させたり歩留まりを悪くし、場合によっては使用不能にする恐れもあってその実施が容易ではなく、高精度に加工するためには高価な装置を必要としたり作業能率を低下させる恐れもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では上記したような従来技術の課題を解決するために、鉄心板を打抜き加工する際にバリが発生することを許容し、このバリによって界磁巻線の絶縁被覆部を損傷させることがないように積層した積層鉄心と、この積層鉄心を順送り金型装置内において容易に製作することができる積層鉄心の製造方法及び製造用の順送り金型装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明による積層鉄心では、スロット穴が打抜き加工された鉄心板を積層固着した積層鉄心において、最下層側に積層した鉄心板には上抜きのスロット穴が打抜き加工されていると共に、最上層側に積層した鉄心板には下抜きのスロット穴が打抜き加工されており、特に上記スロット穴は、最下層に積層した1〜数枚の鉄心板に上抜きのスロット穴が打抜き加工され、その他の鉄心板には下抜きのスロット穴が打抜き加工されていると共に、当該上抜きのスロット穴は下抜きのスロット穴より僅かに大径に打抜き加工されていることが望ましい。
【0008】
上記積層鉄心では、特に最下層側の鉄心板に上抜きのスロット穴を設けたことにより、スロット穴の開口縁部に発生するバリが上面側へ突出すると共に、当該開口縁部の下面側は円弧状に面取りされた状態に形成されるので、従来技術の積層鉄心のようにバリが下面側に突出して界磁巻線の絶縁被覆を損傷する事故は改善されると共に、絶縁被覆を薄くして界磁巻線を高密度にした経済的で且つ高品質の巻線が可能になり、また上抜きのスロット穴の径を下抜きのスロット穴より大きくすると寸法精度の誤差や打抜き時の位置ずれをある程度許容することができるので、歩留まりが改善されて生産性の向上にも寄与する。
【0009】
また、本発明による積層鉄心の製造方法では、フープ材から打抜き加工した鉄心板を積層固着して積層鉄心を製造する順送り金型装置の工程中に、下型側から上型側へ抜き上げて鉄心板に上抜きのスロット穴を打抜き加工する工程と、上型側から下型側へ抜き落として鉄心板に下抜きのスロット穴を打抜き加工する工程とを備え、上記下抜きスロット穴の打抜き工程の前に配設した上記上抜きスロット穴の打抜き工程で積層鉄心の最下層側に積層される1枚又は数枚の鉄心板に対する打抜き加工を行うようにし、特に上記上抜きスロット穴の打抜きを、上記下抜きスロット穴の打抜きパンチより、僅かに大径の打抜きパンチによって打抜き加工することが望ましい。
【0010】
上記積層鉄心の製造方法では、スロット穴の開口縁部に発生したバリを金型で圧潰成形する従来技術に対して、順送り金型装置の工程中で一部の鉄心板のスロット穴の打抜き方向を制御してバリの突出方向を変えたものであり、界磁巻線の絶縁被覆を損傷しないようにした積層鉄心を、従来の一般的な積層鉄心の場合と同様に順送り金型装置を用いて作業能率良く製造することができると共に、一度発生したバリを圧潰状態に再成形する従来技術の場合に比べてパンチの位置ずれによる悪影響が少ないので歩留まり良く製造することができ、特に上抜きスロット穴の打抜きを下抜きスロット穴より僅かに大径の打抜きパンチで打抜き加工すると、上記位置ずれによる悪影響を一段と軽減した積層鉄心が得られる。
【0011】
さらに本発明による積層鉄心の製造用金型装置では、フープ材から打抜き加工した鉄心板を積層固着して積層鉄心を製造する順送り金型装置において、鉄心板に下抜きのスロット穴を打抜き加工する工程と、この前工程に配備した鉄心板に上抜きのスロット穴を打抜き加工する工程に対し、上記上抜きスロット穴の打抜き工程には下型側に打抜きパンチを上型側に打抜きダイを設け、上記下抜きスロット穴の打抜き工程には上型側に打抜きパンチを下型側に打抜きダイを設け、上記各パンチは打抜き可能な稼働位置と打抜き不能な待機位置の間を移動させる昇降手段を介して下型側と上型側へそれぞれ装着されると共に、積層鉄心の最下層側に積層される1枚又は数枚の鉄心板に対しては上記下型側の打抜きパンチを、それ以降の鉄心板に対しては上記上型側の打抜きパンチをそれぞれ稼働位置へ移動すべく、上記昇降手段の切り換え制御手段を設けた構成とし、特に上記上抜きスロット穴の打抜き加工を行うスロット用上抜きパンチは、上記下抜きスロット穴の打抜き加工を行うスロット用下抜きパンチより、僅かに大径とすることが望ましく、この場合には該下抜きパンチと先に打ち抜かれた上抜きスロット穴とが干渉することがないので、前述の昇降手段を有さずに打抜き位置に下抜きパンチを固定しておいてもよい。
【0012】
上記積層鉄心の製造用金型装置では、従来技術のように製造後の積層鉄心に対してバリを除去するために格別な圧潰成型用の装置を必要とせず、また一旦発生したバリを除去するために順送り金型装置内に格別な圧潰成形用のステーションを別個に設けたりする必要が無いので、比較的安価な装置で作業能率を低下させることなく製造することができると共に、パンチに多少の位置ずれを生じても、圧潰成形の場合のように製品に重大な欠陥を与えることもなく、特に上抜きスロット穴を僅かに大径の打抜きパンチで打抜き加工すれば、この位置ずれを一層許容することができるようになる。
【0013】
【実施の形態】
以下に、本発明による積層鉄心とその製造方法及び製造用金型装置に付いて、図1〜4で図示したモータの回転子に適用した実施の形態に基づいて詳細に説明するが、図1は積層鉄心の製造方法と装置であって製造用の順送り金型装置の要部断面図を示し、図2はフープに対する工程毎の打抜き加工状態を示し、図3は従来技術による積層鉄心の積層状態を示し、図3は本発明による積層鉄心の積層状態を示す。
【0014】
順送り金型装置10は、上型10Aと下型10Bで構成された金型の間に帯状の薄板金属材料11即ちフープ材が供給され、この薄板金属材料11に対して最初の工程(1)ではパイロット用のパンチ12とダイ13によってパイロット穴14,14の打抜き加工が行われ、その後はパイロット穴14をガイドにしてフープ材は矢印方向へ所定の時間間隔で間欠的に順次移送され スロット穴15と内径穴16の打抜き加工を行った後に、最終工程では外形の打抜きをした所定枚数の各鉄心板17を積層状態で固着連結する。
【0015】
従来の製造方法は、パイロット穴抜き工程(1)の次工程では工程(3)で示すように、上型10A側に装着したスロット用下抜きパンチ18と下型10B側に装着したスロット用下抜きダイ19によってスロット穴15の打抜き加工が行われ、更にその次工程では工程(5)で示すように、上型10A側に装着した内径用下抜きパンチ20と下型10B側に装着した内径用下抜きダイ21によって内径穴16の打抜き加工が行われ、最終工程では工程(6)で示すように上型10A側に装着した外形用パンチ22と下型10B側に装着した外形用ダイ23によって外形24の打抜き加工を行って、順次抜き落とされた各鉄心板17に対する積層固着が外形用ダイ23内で行われていた。
【0016】
この従来技術による製造方法の場合は、図3に示すように各鉄心板17には、スロット穴15及び内径穴16の開口縁部に抜き方向Fに沿って突出するバリ15b,16bが発生すると共に、外形24の縁部には逆抜き方向Rに沿って突出するバリ24bが発生し、これらの鉄心板17(17−1〜n)を外形用ダイ23内で積層してカシメ固着すると、特に最初に打抜きされて最下層に積層された鉄心板17−1のバリ15b,16bが界磁巻線の絶縁被覆部を損傷させる。
【0017】
そこで本発明では、スロット穴15の打抜き工程の前に工程(2)として上型10A側に装着したスロット用上抜きダイ25と、下型10B側に装着したスロット用上抜きパンチ26によって、工程(3)で打ち抜かれるスロット穴15(下抜きスロット穴15F)とは打抜き方向を逆にした状態で、即ち下型10B側から上型10A側へスロット穴15(上抜きスロット穴15R)の打抜き加工を行うスロット逆抜き工程を設け、最初の1枚目の鉄心板17−1又は数枚の鉄心板17−1〜3に対して上抜きスロット穴15Rを打抜き加工し、その後の鉄心板17−2〜n又は17−4〜nに対しては従来と同様に工程(3)において下抜きスロット穴15Fを打抜き加工するようにした。
【0018】
上記パンチ26とダイ25によってスロット穴15(15R)が打抜き加工されると、図4で示すように従来と同様に上型A側から下型B側へ工程(3)で打抜きされるスロット穴15Fの場合とは反対側へ、即ち鉄心板17の上面側へ突出する態様でスロット穴15Rの開口縁部にバリ15bが発生すると共に、当該スロット穴15Rの開口縁部は円弧状に面取りされた状態に形成されるので、このスロット穴15Rを備えた鉄心板17Rを積層鉄心の最下層側へ1〜数枚配設させておけば、バリ15bによって界磁巻線の絶縁被覆部が損傷されることを回避することができる。
【0019】
また工程(2)で逆抜きする上抜きスロット穴15Rは、工程(3)で打抜きする下抜きスロット穴15Fに比べて、僅かに(例えば、片側で0.02〜0.03mm)径を大きくすることが望ましく、そのためにパンチ18とダイ19に対するパンチ26とダイ25の径を0.05mm程度大径にし、仮に双方のパンチ又はダイに多少の位置ずれがあっても、パンチ26で打抜いたスロット穴15Rとパンチ18が干渉しない構成にしているので、積層した際におけるスロット穴15Rとスロット穴15Fとの位置合わせに支障を来さないものである。
【0020】
工程(2)のスロット用上抜きパンチ26と工程(3)のスロット用下抜きパンチ18は、打抜き可能な稼働位置と打抜き不能な待機位置との間を例えば油圧や空気圧を用いて流体圧シリンダなどによる昇降手段27,28で移動できるようにすると共に、これらの昇降手段27,28はプレスのストロークに連動させて作動する流体圧回路(図示を省略)などによる切り換え制御手段によって、所望のスロット穴打抜きパンチが稼働位置へ移動されるように構成し、また上抜きパンチ26の打抜きによって上抜きダイ25内に生じたスクラップは真空ポンプなどを用いた吸引排出手段29を介して型外へ排出される。
【0021】
上記切り換え制御手段による昇降手段27,28の制御は、スロット用パンチ26が稼働位置で積層鉄心の最下層側へ配設する1〜数枚の鉄心板17Rに対して上抜きスロット穴15Rの打抜きを行っている間は、スロット用下抜きパンチ18が待機位置に移動され、上抜きスロット穴15Rの打抜きを終えたスロット用上抜きパンチ26は次の積層鉄心の上抜きスロット穴15Rの打抜きまで待機位置へ移動させ、それまで待機位置にあったスロット用下抜きパンチ18を代わって稼働位置へ移動させ、その間に1〜数枚以降の鉄心板17Fに対して下抜きスロット穴15Fの打抜きを行うようにする。
【0022】
以上に説明した切り換え制御手段による昇降手段27,28の制御は、スロット穴15R及びスロット穴15Fが同一寸法で打ち抜く際を示しているが、前述した最下層側の1〜数枚のスロット穴15Rを僅かに大径に形成する場合には、図1に示されている昇降手段28は必要なく、打抜き位置にパンチ18が固定されていても良い。即ち、前工程で大径に打ち抜かれた後にパンチ18が降下するので、パンチ18と打抜きスロット穴15Rが干渉することがなく、わざわざパンチ18を昇降手段28で後退させなくても良いからである。
【0023】
次に、工程(4)と工程(5)では内径穴16の打抜き加工を行うが、この内径穴16には例えばモータの回転子用積層鉄心の場合にはモータ回転軸が、モータの固定子用積層鉄心の場合には回転子が挿着されるので、それに必要な穴径を確保するための手段として、従来と同様に上型10A側に装着した内径用基準パンチ20と下型10B側に装着した内径用基準ダイ21によって内径穴16(基準内径穴16N)の打抜き加工を行う内径打抜き工程(5)の前に、積層鉄心の最下層側及び最上層側に位置する若干枚数の鉄心板17に対して、基準内径穴16Nより僅かに径の大きい拡大内径穴16Lの打抜き加工を行う内径打抜き工程(4)を設けている。
【0024】
即ち、内径穴16の開口縁部にバリ16aが突出したり、各穴の打抜き精度によって内径穴16の軸心がずれた状態で積層されると、例えば回転子用積層鉄心の場合にはモータ回転軸の挿着が困難になるので、打抜きした各鉄心板17を積層した際に十分な内径穴16を確保する必要があり、そこで工程(4)には、基準内径穴16Nを打抜く工程(5)のパンチ20より僅かに径の大きい内径用拡大パンチ30を上型10A側に装着すると共に、これに適合する内径用拡大ダイ31を下型10B側に装着し、このパンチ30とダイ31によって積層鉄心の最下層側及び最上層側に位置する若干枚数の鉄心板17に拡大内径穴16Lを設けることによって、基準内径穴16Nが確保されるようにした。
【0025】
工程(4)に設けた内径用拡大パンチ30は、打抜き可能な稼働位置と打抜き不能な待機位置との間を昇降手段32によって移動可能な構成とし、積層鉄心の最下層側及び最上層側に位置する若干枚数の鉄心板17に対して拡大内径穴16Lを打抜き加工する際に稼働位置へ移動されるように昇降手段32が制御され、工程(5)に設けた内径用基準パンチ20は、上記以外の鉄心板17に対して基準内径穴16Nを打抜くと共に、既に内径穴16Lが打抜かれた上記若干枚数の鉄心板17に対しては、当該内径穴16Lに遊嵌した状態で空抜きする。
【0026】
以上の工程(2)〜(5)によって、薄板金属材料11に積層鉄心の鉄心板17として必要な加工が施された後に、直接加工を行わないアイドルステージを経て最終工程である工程(6)へ順次移送され、上型10A側に装着した外形用パンチ22と下型10B側に装着した外形用ダイ23によって外形24の打抜き加工が行われると共に、順次抜き落とされた各鉄心板17は工程中に予め連結手段として加工されたカシメ用突起(図示を省略)を介して外形用ダイ23内において所定枚数毎に積層固着が行われ、図4で示すように一体の積層鉄心33が得られる。
【0027】
この積層鉄心33は、少なくとも最初に打ち抜かれて最下層に位置して一般に計量用として使用される鉄心板17R又は、当該計量用の鉄心板を含む数枚の鉄心板17に対して、上記スロット逆抜き工程(2)において下型10B側から上型10A側へ上抜きスロット穴15Rを打抜き加工したので、当該スロット穴15Rの開口縁部にはバリ15bが上向きに発生して積層鉄心33の下端面から突出せず、また最後に打ち抜かれて最上層に位置する鉄心板を含むその他の鉄心板17Fには、従来技術の場合と同様にスロット抜き工程(3)においてバリ15bが積層鉄心33の上端面から突出しない方向へ下向きスロット穴15Fの打抜き加工がされるので、界磁巻線の絶縁被覆を損傷する事故を図3で示す従来技術のものに比べて著しく軽減させることができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の積層鉄心では、特に最下層側の鉄心板に上抜きのスロット穴を設けたことにより、スロット穴の開口縁部に発生するバリが上面側へ突出すると共に、当該開口縁部の下面側は円弧状に面取りされた状態に形成されるので、従来技術の積層鉄心のようにバリが下面側に突出して界磁巻線の絶縁被覆を損傷する事故は改善されると共に、絶縁被覆を薄くして界磁巻線を高密度にした経済的で且つ高品質の巻線が可能になり、また上抜きのスロット穴の径を下抜きのスロット穴より大きくすると寸法精度の誤差や打抜き時の位置ずれをある程度許容することができるので、歩留まりが改善されて生産性の向上にも寄与する。
【0029】
本発明の積層鉄心の製造方法では、スロット穴の開口縁部に発生したバリを金型で圧潰成形する従来技術に対して、順送り金型装置の工程中で一部の鉄心板のスロット穴の打抜き方向を制御してバリの突出方向を変えたものであり、界磁巻線の絶縁被覆を損傷しないようにした積層鉄心を、従来の一般的な積層鉄心の場合と同様に順送り金型装置を用いて作業能率良く製造することができると共に、一度発生したバリを圧潰状態に再成形する従来技術の場合に比べてパンチの位置ずれによる悪影響が少ないので歩留まり良く製造することができ、特に上抜きスロット穴の打抜きを下抜きスロット穴より僅かに大径の打抜きパンチで打抜き加工すると、上記位置ずれによる悪影響を一段と軽減した積層鉄心が得られる。
【0030】
本発明の積層鉄心の製造用金型装置では、従来技術のように製造後の積層鉄心に対してバリを除去するために格別な圧潰成型用の装置を必要とせず、また一旦発生したバリを除去するために順送り金型装置内に格別な圧潰成形用のステーションを別個に設けたりする必要が無いので、比較的安価な装置で作業能率を低下させることなく製造することができると共に、パンチに多少の位置ずれを生じても、圧潰成形の場合のように製品に重大な欠陥を与えることもなく、特に上抜きスロット穴を僅かに大径の打抜きパンチで打抜き加工すれば、この位置ずれを一層許容することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をモータ回転子用積層鉄心の製造方法と装置に適用した製造用の順送り金型装置の要部断面図
【図2】図1の順送り金型装置を用いて打抜き加工されるフープ材のレイアウト図。
【図3】従来技術による積層鉄心の積層状態を示す簡略説明図。
【図4】本発明による積層鉄心の積層状態を示す簡略説明図。
【符号の説明】
10 順送り金型装置
10A 上型
10B 下型
11 薄板金属材料
12 パイロット用パンチ
13 パイロット用ダイ
14 パイロット穴
15 スロット穴
15F 下抜きスロット穴
15R 上抜きスロット穴
16 内径穴
16L 拡大内径穴
16N 基準内径穴
17 積層鉄心
18 スロット用下抜きパンチ
19 スロット用下抜きダイ
20 内径用基準パンチ
21 内径用基準ダイ
22 外形用パンチ
23 外形用ダイ
24 外形
25 スロット用上抜きダイ
26 スロット用上抜きパンチ
27 昇降手段(スロット用上抜きパンチの)
28 昇降手段(スロット用下抜きパンチの)
29 吸引排出手段
30 内径用拡大パンチ
31 内径用拡大ダイ
32 昇降手段(内径用拡大パンチの)
33 積層鉄心

Claims (1)

  1. フープ材から打抜き加工した鉄心板を積層固着して積層鉄心を製造する順送り金型装置において、鉄心板に下抜きのスロット穴を打抜き加工する工程と、この前工程に配備して鉄心板に上抜きのスロット穴を打抜き加工する工程を設け、上記上抜きスロット穴の打抜き工程には下型側に打抜きパンチを上型側に打抜きダイを設け、上記下抜きスロット穴の打抜き工程には上型側に打抜きパンチを下型側に打抜きダイを設け、上記上型側の打抜きパンチは打抜き可能な稼働位置に常時固定して装着され、上記下型側の打抜きパンチは打抜き可能な稼働位置と打抜き不能な待機位置の間を移動させる昇降手段を介して下型側へ装着されると共に、積層鉄心の最下層側に積層される1枚又は数枚の鉄心板に対しては上記下型側の打抜きパンチを稼働位置へ移動すべく、上記昇降手段の切り換え制御手段を設け、前工程で上抜きスロット穴の打抜き加工を行うスロット用上抜きパンチ及びダイは、打ち抜きした上抜きのスロット穴がスロット用下抜きパンチの干渉を受けないように、後工程で下抜きのスロット穴の打抜き加工を行うスロット用下抜きパンチ及びダイより僅かに大径とし、下抜きのスロット穴より僅かに大径な上抜きのスロット穴を打抜き加工することを特徴とした積層鉄心の製造用金型装置。
JP31494996A 1996-11-26 1996-11-26 積層鉄心の製造用金型装置 Expired - Lifetime JP3762499B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31494996A JP3762499B2 (ja) 1996-11-26 1996-11-26 積層鉄心の製造用金型装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31494996A JP3762499B2 (ja) 1996-11-26 1996-11-26 積層鉄心の製造用金型装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10164782A JPH10164782A (ja) 1998-06-19
JP3762499B2 true JP3762499B2 (ja) 2006-04-05

Family

ID=18059607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31494996A Expired - Lifetime JP3762499B2 (ja) 1996-11-26 1996-11-26 積層鉄心の製造用金型装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3762499B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4886390B2 (ja) * 2006-06-30 2012-02-29 黒田精工株式会社 積層鉄心製造方法および積層鉄心製造装置
US7667367B2 (en) 2006-10-13 2010-02-23 Mitsui High-Tec, Inc. Laminated core and method for manufacturing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10164782A (ja) 1998-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11752537B2 (en) Metal parts blanking process for rotor and stator of an electric motor
US5255425A (en) Method of manufacturing laminated core for dynamo-electric machine
JP4886390B2 (ja) 積層鉄心製造方法および積層鉄心製造装置
JP4659441B2 (ja) 積層鉄心及びその製造方法
JP3762499B2 (ja) 積層鉄心の製造用金型装置
JP2566150B2 (ja) 鉄心の打抜き方法
JP4366103B2 (ja) 積層鉄心の製造方法
JP2007135314A (ja) 回転子積層鉄心の製造方法
JP2919434B2 (ja) 円筒コイル用鉄芯の製造方法
JP4785270B2 (ja) 積層鉄心の製造方法及び装置
JP2552965B2 (ja) 積層鉄心製造用金型装置
JPH0549218A (ja) 回転電機用積層鉄心の製造方法
JPH04117153A (ja) 積層鉄心の製造方法
JP3842146B2 (ja) 積層鉄心の製造方法
JP5160944B2 (ja) 積層鉄心の製造方法及び製造装置
JPH04331444A (ja) 金型装置およびこれを用いた積層鉄心の製造方法
JP7292348B2 (ja) 回転電機の積層鉄心製造方法及び積層鉄心製造装置
JP4414149B2 (ja) 積層鉄心の製造方法
US20240149324A1 (en) Method for producing plate piece and punching machine
JP4071048B2 (ja) 積層鉄心の製造方法
JPS63228945A (ja) 回転電機の固定子鉄心製造方法
CN113996693B (zh) 一种电机铁芯制备的方法
JPS6137011B2 (ja)
JP3434342B2 (ja) モータ用コア積層体の製造方法
KR20200046574A (ko) 모터코어 라미네이션의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051018

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060113

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100120

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110120

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120120

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130120

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130120

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140120

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term