JP3762400B2 - フラットパネルスピーカー - Google Patents

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Description

本発明は、平面のパネルを振動させて2チャンネルのステレオ音響を放射するフラットパネルフラットパネルスピーカーに関する。
従来から、フラットパネル平面パネルを振動板として、振動板に励振器(エキサイター)を装着して振動させ、音を放射するスピーカーがあった。
図16は、フラットパネルスピーカーの基本的な例で、(a)は表面を表し、(b)は裏面のエキサイター装着状況を示している。(c)は断面図である。
1枚のパネルを1つの振動系とするフラットパネルスピーカー10は、振動板11とエキサイター12で構成される振動系を持っている。
フレーム13が振動板11とエキサイター12を支持している。振動板は柔軟な材料14を介してフレーム13に固定されている。
[パネルの分割共振振動]
基本的には、振動板パネルを一体として単純なピストン運動(一括振動)による音の放射を期待したものであるが、振動板11に使用されるパネルは、固有の曲げ剛性と質量分布を有しているので、ある周波数で共振する。
パネルは周波数によって全体的に曲げ振動したり、局部的に振動したりして異なる振動形態を示すので、共振は複数の周波数において発生し、その強弱も異なる。
曲げ剛性が低くて密度が高いパネル、および、縦横比(Aspect Ratio)が大きくて曲げ剛性が低いパネルほど共振は強くなる。
パネルが共振すると、その周波数の放射が強くなり、その前後の周波数では弱くなる性質を示すので、周波数特性上にピークとディップ(山と谷)となって現れる。これらのピークとディップを作る共振の音は「板鳴り」と称され、音質を劣化させる最大の原因とされている。
十数年程前、フラットパネルスピーカーが盛んに研究されたが、この「板鳴り」による音質劣化が解決できず普及していない。
[振動形態の制御]
例えば、下記の特許文献1に開示される英国NXT社のDMパネルスピーカー(Distributed Mode panel Loudspeaker)と称する発明は、フラットパネルスピーカーのエキサイター装着位置を選定して、パネルの振動分布の形態(Distributed Mode)を制御して、ピークとディップを低減しようとするものである。
本来、この発明は、天井や壁面が、比較的低い(有限の)曲げ剛性を持っていることを利用して、パネルの密度、縦横比、曲げ剛性値、それらの分布具合、周辺の固定状態などから、エキサイターの装着位置を選定することによって、天井や壁面などの大きなパネルを局部的に振動させて音質の良い音を放射するものであるので、この発明は、共振を抑制するよりも、むしろ、共振を利用する方法である。
この技術は、通常のフラットスピーカーにも適用されているが、この技術を適用したフラットパネルスピーカーの周波数特性を図18に示すが、特性図に見られる通り、低音域特性は他のフラットパネルスピーカーに比べて優れているものの、大きなピークとディップを解消していない。
また、曲げ剛性値の高いパネルに適用した場合、所要の音響特性(特にステレオ特性)を得ることが難しい。
音響出力を強化する要求から、あるいは、パネルの振動形態を改善するために、1枚の振動板に2個のエキサイターが装着されている例もあるが、これらのエキサイターは、同じ電気駆動源で、同位相で励振されるので、1枚のパネルから2チャンネルのステレオ音響を放射することはできなかった。
[フラットパネルスピーカーの取り付け]
従来のフラットパネルスピーカーでは、振動形態の如何を問わず、振動板の全面が振動するので、図16に示す通り、振動板11を柔軟な材料14を介してフレーム13に装着し、フレーム13を機器や物体に取り付け、固定する必要があった。
柔軟な材料14による振動伝達遮断が充分に効果を発揮しないと、精密な機器に振動が伝わって悪影響を及ぼす一方、振動板が自由に振動できないので、取り付け方法は簡単ではなかった。
[ステレオ音響の放射]
従来、フラットパネルスピーカーの振動板の表面が平面であることを利用して、表面を映像スクリーンとした大型スクリーンスピーカーの例がある。
最近の映画の音響は、少なくとも2チャンネルステレオ音響が求められるので、独立して振動する2個のスピーカーが必要となる。通常の場合、2個1組のスピーカーがスクリーンの両側に設置されるが、スペースの関係から、スクリーンスピーカーが求められている。
図17(a)は、従来製品の2チャンネルステレオ音響を放射するスクリーンスピーカー投影システムの1例について、概要を示す説明図である。
全体を符号20で示すスクリーン投影システムは、プロジェクター30とスクリーンスピーカー40を有し、プロジェクター30からの映像はスクリーンスピーカー40の表面に投影される。
図17(b)は、スクリーンスピーカー40の裏面を示した概要説明図で、スクリーンスピーカー40は、映像が投影される1枚のスクリーンフィルム42を有し、スクリーンフィルム42の裏面に、1組のフラットパネルスピーカー51、52がフレーム61に対して別々に装着されている。
左右のスピーカー51、52は、スクリーンフィルム42の裏面に接着される振動板51a、52aと、振動板51a、52aに取付けられるエキサイター51b、52bを有する。
スクリーンフィルム42は、スプリング62を介して周囲を基台60に展張されて投影面を形成するため、頑丈な基台構造が必要で、重量が重くコストが高かった。
NXT社の発明による、パネルの振動分布を制御する技術の応用例に、1枚の大きなパネルに2個のエキサイターを装着して、局部的に振動させてステレオ音響を放射する例もある。この方法は、基本的に、パネルの曲げ剛性が低いことを利用して、所要の振動形態を期待しているが、振動板の曲げ剛性が低いと、歯切れの良い音を再生することができない、音響効率が悪い、耳障りな「板鳴り」現象が現れて音質を阻害する、などの欠点が現れる。
曲げ剛性を高くすると、パネルは分割振動しづらくし難くなって必要な振動分布の形態が得られないので、このNXT社の方法では、ステレオ音響の放射を期待しても、充分なチャンネル間のセパレーション(分離性)が得られないため、満足できるステレオ音響とならないので普及していない。
国際公開公報WO97/09853号
本発明の課題は、フラットパネルスピーカーのパネルの振動を改善して、分割共振が少ない良質な音を放射すること、精密な機器にも簡単に取り付け得ること、さらには、1枚のパネルからセパレーションの良い2チャンネルのステレオ音響を放射することである。
これらは、単体のフラットパネルスピーカーに適用するだけでなく、大型のスクリーンスピーカーとして、あるいは、薄型を特徴とする液晶テレビやプラズマディスプレー用のスピーカーとして適用することである。
本発明では、課題を解決するための基本的な手段として、剛性値の高い1枚のパネルを振動板とした場合について、加振位置とそれに伴って生ずる節(ノード)NDの位置を研究して、パネルにエキサイターを装着し、図2に示すFan Modeと称する単純な扇状の振動形態でパネルを振動させる方法を採った。扇状の振動形態では、ノードラインが一直線上にできるので、出力要求に応じて、複数個のエキサイターをノードライン上に装着できる。
この方法によって、振動板パネルとして、軽量で高い曲げ剛性値を持つハニカムパネルなどの材料が使用でき、振動形態は単純化されて、共振による悪影響を低減できる。
先ず、振動板の一端に扇状振動のノードラインを一致させると、端部の振幅がゼロになるので、精密な機器にヒンジなどで簡単に取り付けても、相互に悪影響を及ぼすことはない。
さらに、ステレオ音響を放射するため、加振位置とノードが左右対称となる位置を探し出し、その位置に左右のエキサイターを装着して、別々の信号で加振して、振動板を、図6に示す単純な扇状に振動させる方法を採った。
装着位置に関する理論と計算は、後に詳述するが、左側のエキサイターがパネルを扇状に振動させても、右側のエキサイターは静止している。
右側のエキサイターがパネルに扇状の振動を与えても、左側のエキサイターは影響を受けず静止している。
左右のエキサイターが別々に振動を与えると、振動板は左右から、それぞれの音響を放射するので、充分なチャンネル間のセパレーション(分離性)を持ったステレオ音響が放射できる。
[単純な扇状振動の特徴]
前記の通り、パネルの部分的な共振はピークやディップを作って音質を劣化させるので、振動板には充分に高い曲げ剛生値を持ったパネルを使うことが求められる。
本発明の手段では、パネルの部分的な振動すなわち分割振動を期待するものではなく、パネルを単純な扇状に振動させるので、振動板には無限に高い曲げ剛性値を持つパネルが使用できる。
また、振動ノードは上下一直線となるので、音響出力に応じて、複数個のエキサイターを一直線上に並べて装着し、同位相で加振することができる。
装着個数を増すことによって、パネルの扇状振動は改善されて、パネルの共振によって生ずる耳障りなピークを抑制することが出来る。
また、パネルからの音の放射分布が異なるので、音の放射位置はパネル中央からではなく、エキサイター装着側にずれるので、この特性は、後の実施の形態に述べるとおり、利用価値がある。
このように、本発明は、パネルを分割振動させるのではなく、単純な扇状に振動させることによって、パネルの部分的な共振を抑えている点が、NXT社の分割振動技術と基本的に異なる技術であり、理論も異なる。
[パネルを構成する材料]
振動板の曲げ剛性が低いと、中低音域においても分割振動して音質を劣化させるので、振動板は軽量で、曲げ剛性が充分に高いパネルで構成する必要がある。
パネルの密度は単位面積当たりの質量で論じられるべきであるが、便宜上、面積当たりの重量で論じられている。下記のハニカムパネルの密度は1.3Kg/平方メートルで、バイオリンやチェロの胴板の密度に相当している値なので、充分に高い音域まで再生可能の要素を持っている。
パネルの曲げ剛性値は、材料の持つヤング率:Eと、断面2次モーメントに比例するが、ハニカムパネルの場合は、コア部分を除いた計算となる。
本発明では、振動板の材料として、引っ張り/圧縮弾性率の高いガラス繊維をエポキシ樹脂で固めた複合材を表層材とし、コア材には、剪断弾性率が高いアラミッド繊維製のハニカムコアを用いたサンドイッチパネルを使うこととした。表層材としてさらに高い弾性率を持つ炭素繊維複合材の使用を試みたが、応力/歪みの直線性が良いので共振を吸収する機能に欠け、高音域の共振が目立った。
振動ノードの位置に関する理論的な説明を以下に述べるとともに、裏付け計算を添付する。
[扇状振動形態の理論]
パネルに扇状の振動を与えて音響を放射する方法についての説明に当たって、先ず、図1を用いて棒状の物体(以下、物体)の運動について説明する。
図1(a)に示すとおり、中央部を糸Sで吊した細長い物体Bの重心位置C、Gに力Fが働くと、その物体には、力が加わった方向に直進加速度αが発生して運動を開始する。
直進加速度αの大きさは、力Fの大きさに比例し、物体の質量に反比例するが、物体の各部分においては均一である。
直進加速度αの大きさを数式で示すと F=W/g×α となる。
図1(b)に示すとおり、空中に浮かぶ細長い物体Bの重心位置C、Gに回転モーメントMを加えると、物体には回転角加速度γが生じる。
物体に生じる回転角加速度γは、モーメントMの大きさに比例し、物体の質量慣性モーメント(モーメントオブイナーシヤ)Iに反比例する。回転角加速度γを数式で示すと
γ=M/I となる。 この回転角加速度γによって、物体の各位置には回転に伴う加速度αが発生する。回転に伴う加速度αの大きさは重心位置からの距離dに比例して大きくなる。
回転に伴う加速度αを数式で示すとα=γ×dとなる。
図1(c)に示すとおり、物体の重心位置C、Gから距離P離れた位置に力Fが働くと、重心位置には力Fの方向に直進加速度αが発生すると同時に、加わる回転モーメント(M=p×F)によって角加速度γが生じる。
図1(c)において、重心位置C、Gの右側(力が加わった側)では、力Fによる直進加速度αと角加速度γに伴う回転加速度α(=γ×d)が加算(α=α+α)され、重心位置C、Gの左側では、直進加速度αと回転加速度αが減算(α=α−α)される。
物体の長さ、力が加わる位置、質量分布などの条件が整うと、物体の左側の、ある位置Qでは、加速度αと回転加速度αが同じ値となって、加速度αが差引ゼロとなる。
加速度αがゼロとなる位置Qは、力Fの大きさ、あるいは正負には無関係なので、力を加える点Pに前後の振動を与えても、加速度がゼロとなる位置Qは振動ノードとなって振動しない。
図2、図3はパネルPLにエキサイターEXを取り付ける際に、取付位置に応じて振動ノードが変化することを説明する説明図である。
前記の通り、パネルPLの中央、すなわち、重心位置にエキサイターEXを取り付けて力Fを加えると、パネルPLは平行移動するのみで、加速度αがゼロとなる位置Qは、無限大の彼方にあることとなる。
力Fを加える位置Pを重心位置C、Gから移動させると、移動に伴って、加速度αがゼロとなる位置Qは物体に近づき、やがて、物体の端部に一致する。ここで、力Fを加えた位置Pにエキサイターを装着して加振すると、パネルPLは端部を振動ノードNDとした単純な扇状振動をする。
図3に示すように、さらに、力Fを加える位置Pが、重心位置C、Gから離れて行くと、力を加える位置Pと、加速度がゼロとなる位置Qが左右対称の位置となる。
P点を加振してもQ点は振動しないし、Q点を加振してもP点は振動しない。
パネルPLに適用すると2チャンネルの音を放射する振動板となる。
[理論計算]
先ず、特異点である振動ノードの位置を求めるために理論計算を行った。
理論計算では、質量が均一で、空中に浮かぶ細長い棒状の物体について前記の計算を行い、力Fによる直進加速度αと回転加速度αが減算(α=α−α)されて、加速度が差し引きゼロとなる位置を求めた。そして、加速度がゼロとなる位置が棒状物体の端部に一致するという条件を与えて、全長に対する比率から点Pの位置を求めた。
次いで、ステレオ音響の放射について、力Fを加える位置と加速度がゼロとなる位置が左右対称となるという条件を与えて、全長に対する比率から点P、Qの位置を求めた。
ここで、
物体の長さ:L
物体の重量:W
物体の質量:W/g
重心と力点Pまでの距離:p
重心と加速度ゼロの点Qの距離:q
物体の質量慣性モーメント:I 質量が均一の物体では、I=W/g×L/12
物体に加わる力:F
物体に加わるモーメント:M=F×p
物体に生じる直進加速度:α=F÷W /g
物体に生じる角加速度:γ=M÷I
重心位置から各点までの距離:d
角加速度によって各点に生じる回転加速度:α=γ×d
物体の各点に生じる合成加速度:α=α+α
物体のQ点に生じる合成加速度:α=α+α=0となる。
物体の重心位置C、Gに力Fが加わると、物体は力の方向に直進加速度を生じ、平行移動を始める。
その場合の加速度αは、α=F×g/W となる。
物体の重心位置C、Gからp離れた点に力Fが加わると、物体の重心位置には力Fの方向に直進加速度が生じ、全体が平行移動を始めるとともに、回転角加速度γが与えられて重心位置廻りに回転を始める。
その場合の直進加速度αは、α=F×g/W であり、
回転角加速度γは、γ=M÷I=F×p÷I=(F×p)×(12×g)÷(W×L)となる。
回転角加速度γにより各点に生じる回転加速度は、回転角加速度と重心位置からの距離の積で表される。すなわち、α=γ×d
ここで、q=L/2 の点において、加速度が差し引きゼロの条件から、
α=α=γ×d を前記計算式に代入すると、
(F×p×12×g)÷(W×L×p)=F×g/W M=F×q
6p=L
p=0.1666L
を得る。すなわち、質量が均一の細長い物体では、重心位置から物体の長さの0.1666倍離れた位置に力を加えると、反対側の物体端部おける合成加速度がゼロとなることが分かる。質量が均一の細長いパネルに適用しても、上記の理論は成立するので、中央からパネルの長さの0.1666倍の距離の位置に、エキサイターを装着することによって、端部をノードラインとして振動させることができる。
次ぎに、ステレオ音響の放射について、左右対称の条件から、p=q
Qにおいて加速度が差し引きゼロの条件から、α=α=γ×d
を前記計算式に代入すると、
(F×p×12×g)÷(W×L×p)=F×g/W M=F×q
1/12=q/ L
q/L=√1/12=0.2887
を得る。質量が均一のパネルに適用すると、重心位置からパネルの長さの0.2887倍の距離の位置を加振すると、対称の点において合成加速度がゼロとなり、ノードラインができることが分かる。
従って、エキサイターの装着位置の間隔は、パネル幅の0.2887×2=0.5774倍となる。
加振点とノードラインの関係を図4に示す。
[裏付け計算]
裏付け計算は、先ず初めに細長い物体の先端に力を加えた場合、物体の各位置に生じる直進加速度、回転角加速度、回転角加速度に基づく回転加速度およびそれらの合成値を計算して、加速度がゼロとなる位置を計算した。そして、力を加える位置を物体の先端から少しずつ内側に移動させて計算し、力を加える位置と加速度ゼロの位置が左右等しくなるまで続けた結果、理論計算通り、中央から物体の長さの0.2887倍の距離の位置であることが裏付けられた。
さらに加速度ゼロの位置が物体の他端に一致するまで計算を続けた結果、力を加える位置は、中央から物体の長さの0.1666倍の距離の位置であることが裏付けられた。
計算結果を図4に示す。
本発明により、パネルを扇状に振動させることによって、従来のフラットパネルスピーカーの欠点であった共振による「板鳴り」現象を低減でき、さらに、一枚のフラットパネルスピーカーから、2チャンネルのステレオ音響を放射するスピーカーシステムを簡単な構造で構成することができた。
本発明によるステレオスピーカーをスクリーンスピーカーに適用することによって、構造が簡単なスクリーンスピーカーが提供できた。
また、フラットパネルスピーカーを直接、精密機器に簡単に取り付けることができるようになった。
以下、本発明の実施例を説明する
図5は、本発明の代表的な実施の形態で、パネル100を単純な扇状に振動させることによって、1枚のパネルでステレオ音響を放射する基本的なスピーカーの構造を示す説明図である。
振動板を構成するハニカムパネルの大きさは高さHを340mm、全幅Lを600mmである。
図6(a)は断面図を示している。全体を符号100で示すステレオスピーカーは、振動板となるハニカムパネル150の表面に装飾フィルム110が接着され、ハニカムパネル150の裏面にエキサイター131a、131bが取り付けられた構造を有する。
左右のエキサイターはベースパネル160に取り付けられている。
ベースパネルは通気性を持っていて、振動板の振動を阻害しないように配慮してある。
振動板パネル150とベースパネルは、パネルの周辺を柔軟な縁材154を介して保持されていて、空中に浮かんでいるという理論計算での条件に近づけている。
図6(b)は、左チャンネルのエキサイターのみが振動を与えたときの振動形態を示し、図6(c) は、右チャンネルの振動形態を示している。最大振幅は ± 3mm程度である。
図7は、スピーカーの振動板を構成するハニカムパネル150の構造を示す。
ハニカムパネル150は、軽量で高い曲げ剛性を確保することによって、パネルの分割振動を抑制し、理論通りの振動形態を得るため、アラミッド繊維製のハニカムコア材151にガラス繊維織布をエポキシ樹脂で固めた表層材152、153を接着した構造を有している。
パネルの質量分布は、軽量な縁材の影響は少なく、均一と見なし得るので、基本的には、エキサイターの装着間隔をパネル全幅の0.5774倍、すなわち、左右のエキサイターの間隔を346mmとしている。
図8は、本発明のフラットパネルスピーカーを、映像スクリーンに応用したスクリーンスピーカーの構造を示す説明図である。
全体を符号200で示すスクリーンスピーカーは、1枚のハニカムパネルで構成されているため軽量で、設置、取り扱いも簡易で、装着は吊り紐260でも良い。
振動板となるハニカムパネル250の一方の面にスクリーンフィルム210が接着され、ハニカムパネル250の他方の面にエキサイター231a、b、c、および232a、b、c、が取り付けられた構造を有する。
スクリーンパネルの大きさは82インチサイズ(縦1100mm、横1800mm)で、図8(a)は表面を、図8(b)は裏面を示している。
1枚の曲げ剛性が高いハニカムパネルで構成されたスクリーンパネルは、扇状に振動し、振動ノードは、縦一直線に発生する。そこで、振動ノードラインNL上に複数個のエキサイター231a、b、c および、232a、b、c、を装着している。
パネルの質量分布は、ほぼ均一と見なしうるのでエキサイターの装着位置(幅)は、理論通り、スクリーン全幅の0.5774倍、すなわち、1060mmとしている。
図9は、振動板を扇状に振動させる単体のフラットパネルスピーカーを示していて、大型フラットディスプレー310の両側にヒンジ312、314を介してスピーカー用のパネル320、330を装着した例である。
両側のパネル320、330は、ヒンジ312、314で装着されていて、ヒンジラインを振動ノードとして扇状に振動させることによって、ディスプレー側に振動による悪影響を与えないように配慮した例である。
パネルは、装着による影響を受けずに自由に振動するので、低音の再生も有利である。
図10は、単体のフラットパネルスピーカー420、430を大型フラットディスプレー410の両側にヒンジ412、415を介して装着した例である。
図11に示すように、この例では、細長い振動板パネル420aを2分割し、それぞれの音響特性を補完して、ピーク、ディップをなくして平坦な周波数特性を得ている。スピーカーの周波数特性を図12に示す。
それぞれの音響特性を補完し合う方法として、それぞれのパネル先端を物理的に結合していることが特徴である。各パネルから別々に放射される音響は、音圧が合成されて耳に達するが、この例では、細長い振動板パネルを不等分に2分割して、それぞれの音響特性を意図的に変えるとともに、パネル端部を物理的に結合することによって、各パネルの勝手な振動をお互いに抑制する。各パネルを扇状に振動させることによって、この方法が採れる。
大画面のフラットディスプレーでは、スピーカーの設置位置によっては、人物映像の口から音が出ていない違和感があるが、この例では、扇状に振動する最大振幅位置、すなわち各パネルの接合部を人物映像の口の位置に合わせてあるので、しゃべる映像では発音が一致するという効果がある。
本発明によるフラットパネルスピーカーは、薄型であり、かつ、1枚のパネルから2チャンネルのステレオ音響を放射できるので、液晶テレビなどと組み合わせて使用することができる。この場合、液晶テレビなどの裏面に装着あるいは設置することとなるので、視聴者は、直接音ではなく壁からの反射音を聴くこととなる。パネルに曲面を持たせて、反射音の広がりを拡大した例も試みたが、ハニカム構造の曲面パネルは、高い曲げ剛性を持っているので、平面パネルと同じ理論が適用できる。実験では、フラットなパネルスピーカーでも、充分なステレオ感を得ることができた。
図13は、液晶テレビ500の背面に、本発明によるフラットパネルスピーカーを設置した例で、図13(a)は液晶テレビに装着した場合の表面を、図13(b)は裏面を示している。
液晶テレビ500は、液晶表示パネル510とその背面にとりつけられるフラットパネルスピーカー520を有する。フラットパネルスピーカー520は、湾曲したパネルを有し、液晶表示パネル510との間に空間530が形成される。ステレオ音響Soは、この空間を通って放射される。
また、空間530を通る空気流は液晶表示パネルの冷却に利用される。
フラットパネルスピーカーから後方に向けて放射された音が壁面に反射して、前面に拡散する。
パネルスピーカーは、液晶テレビ本体に装着固定しても良いが、間隙を設けて自立設置しても良い。
液晶テレビに変えて、プラズマディスプレーにも同様の形態で装着あるいは設置することができる。
図14は、本発明のフラットパネルスピーカーを、ラジオ/CDコンポーネントステレオ装置600に応用した例である。図14(a)は表面を、図14(b)は裏面を示している。
コンポーネントステレオ装置600は、CDプレーヤー610とアンプ612、アンテナ614を有し、左右の音響放射部630、640を有する。
装置の背面には、フラットパネルスピーカー620が装備される。
背面から放射されるステレオ音響は部屋の壁面に反射して広がりのあるステレオ音響を提供する。
図15は、扇状に振動する単体のフラットパネルスピーカーを2個組み合わせてステレオスピーカーとした例である。
実施例1に示した例でも、満足できるステレオ音響が得られるが、さらに横長のパネルを使って、2チャンネルの間隔を拡げてステレオ感を改善しようとすると、パネルの共振を抑制しきれない場合がある。
全体を符号700で示すフラットスピーカーは、ノードラインNLを境に左スピーカー部710と右スピーカー部720を有する。そして、ノードラインNLを形成する位置に励振器712、722をとりつけてある。
図15(c)は、2分割された従示のスピーカーを示す。左右のスピーカーパネル750、760の音響Soの中心は、パネルの中心となり、左右の音響のチャンネル幅Wは本発明のフラットスピーカーの音響Soの中心のチャンネル幅Wに比べて狭い。
この実施例では、パネルの振動系を2分割しているので、共振抑制の点で有利である。チャンネル間隔も大きく取れる。
本発明の原理を説明する図であって、糸で吊した細長い棒状の物体に力が加わった時の運動を示す図。 加振点とノードラインの関係を示す図。 加振点とノードラインの関係を示す図。 加振点とノードラインの関係を示す図。 本発明による小型ステレオスピーカーの例を示す図。 本発明による小型ステレオスピーカーの断面図。 振動板を構成するハニカムパネルの構造を示す図。 本発明をスクリーンスピーカーに適用した例を示す図。 本発明のパネルスピーカー単体を大型フラットディスプレーの両側に装着した例を示す図。 本発明のパネルスピーカー単体を大型フラットディスプレーの両側に装着した例を示す図。 細長いパネルを構造的に2分割して、共振を低減したスピーカーを大型フラットディスプレーの両側に装着した例を示す図。 本発明のフラットパネルスピーカーの特性図。 本発明のパネルスピーカーを液晶テレビやプラズマディスプレーの背面に設置した例を示す図。 本発明のフラットパネルスピーカーを、ラジオ/CDコンポーネントステレオ装着に適用した例を示す図。 本発明によるステレオスピーカーで、2個の横長のフラットパネルスピーカーを組み合わせてステレオ効果を改善した例を示す図。 従来のフラットパネルスピーカーの基本的な例。 従来の2チャンネルステレオスクリーンスピーカー投影システムの例。 従来のスピーカーの特性図。
符号の説明
10 フラットパネルスピーカー
11 振動板
12 エキサイター
13 フレーム
14 柔軟な材料
20 スクリーン投影システム
30 プロジェクター
40 スクリーンスピーカー
42 スクリーンフィルム
51、52 フラットパネルスピーカー
51a、52a 振動板
51b、52b エキサイター
60 基台
62 スプリング
100 ステレオスピーカー
110 装飾フィルム
131a、131b エキサイター
150 ハニカムパネル
151 ハニカムコア材
152、153 表層材
154 柔軟な縁材
160 ベースパネル
200 スクリーンスピーカー
210 スクリーンフィルム
231a、b、c エキサイター
232a、b、c エキサイター
250 ハニカムパネル
260 吊り紐
310 大型フラットディスプレー
312、314 ヒンジ
320、330 スピーカー用パネル
410 大型フラットディスプレー
412、414 ヒンジ
420、430 フラットパネルスピーカー
420 振動板パネル
500 液晶テレビ
510 液晶表示パネル
520 フラットパネルスピーカー
530 空間
600 ラジオ/CDコンポーネントステレオ装置
610 CDプレーヤー
612 アンプ
614 アンテナ
620 フラットパネルスピーカー
630、640 音響放射部
700 符号
710 左スピーカー部
712、722 励振器
720 右スピーカー部
750、760 スピーカーパネル

Claims (2)

  1. 1枚のパネルで構成した振動板パネルを扇状に振動させるフラットパネルスピーカーであって、均一な質量分布を有する振動板パネルの幅寸法をLとしたときに、振動板パネルに装着される励振器の装着位置を振動板パネルの中心位置から0.1666Lだけ離れた位置に設定するフラットパネルスピーカー。
  2. 枚のパネルで構成した振動板パネルを扇状に振動させるフラットパネルスピーカーであって、均一な質量分布を有する振動板パネルの幅寸法をLとしたときに、振動板パネルに装着される励振器の装着位置を振動板パネルの中心位置から左右それぞれ0.2887Lだけ離れた位置に設定する2チャンネルのステレオ音響を放射するフラットパネルスピーカー。
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