JP3762376B2 - 掃除用粘着ロール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、掃除用粘着ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の掃除用粘着ロールは、合成樹脂や紙製のシートの一方の面に粘着剤を塗布し、他方の面に離型剤を塗布して、ロール状に巻かれたものが知られている。そして、切り目が部分的に形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−192070号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の粘着ロールは、掃除後に粘着シートをめくり取るために、ゴミを粘着した部分をつまむ必要があるので、手が汚れてしまう。また、最外方に巻かれている粘着シートの端をつまんで切り目から裂きつつ、枚葉片として、テープロールから剥がすのに手間が掛かり、切り目に沿って切断することができないことも多く、シートのゴミを粘着した部分だけを上手く剥がし取るのが困難である。
【0005】
そこで、本発明は、掃除後に、容易に、かつ手を汚さずに衛生的に粘着テープを剥がすことのできる掃除用粘着ロールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る掃除用粘着ロールは、巻き付けた状態で 360°超えとなる長方形状の粘着テープ枚葉片を複数枚順次積層してロール状とし、かつ、積層された隣合う2枚の該粘着テープ枚葉片の各々の先端につまみ用剥離片を左右交互に付設し、さらに、各該粘着テープ枚葉片の先端には、上記剥離片の円周方向の幅寸法と略等しい円周幅寸法を有すると共に上記剥離片の厚さ寸法と略等しい厚さ寸法を有する増厚粘着層部を、該剥離片が付設されない部位に有する。
【0007】
また、巻き付けた状態で 360 °超えとなる長方形状の粘着テープ枚葉片を複数枚順次積層してロール状とし、かつ、積層された隣合う2枚の該粘着テープ枚葉片の各々の先端に つまみ用剥離片を左右交互に付設し、さらに、積層された隣合う2枚の該粘着テープ枚葉片を、夫々の剥離片が重ならないように順次円周方向へ位置をずらせている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
【0009】
図1は本発明の第1の実施の形態を示す斜視図で、図2は平面図を示し、図3は図2のX−X矢視断面図を示し、図4は図2のY−Y矢視断面図を示す。図1〜図4のように、本発明の掃除用粘着ロール4は、掃除用ロール器1に着脱自在に取付けて使用されるものであり、カーペット,床,絨毯,畳等の上を回転して塵,糸屑,紙屑,埃等のゴミを粘着する。そして、このロール器1は、粘着ロール4と、粘着ロール4の軸心に固設されて粘着ロール4とともに回転するロール芯固着具7と、ロール芯固着具7の軸心に回転可能に枢支されるアーム部材2と、アーム部材2の先端側に配設されて使用者に握られる握り部3と、を備えている。粘着ロール4は、巻き付けた状態で 360°超えとなる粘着テープ枚葉片P1 ,P2 ,P3 …を筒状ロール芯6廻りに積層してロール状に構成する。この粘着テープ枚葉片P1 ,P2 ,P3 …の各々の先端A1 ,A2 ,A3 …の表て面11につまみ用剥離片5が部分的に重ね状に付設される。有底短円筒状の一対のロール芯固着具7,7は、ロール芯6の左右両端に嵌着して固着される。
【0010】
粘着ロール4には、粘着テープ枚葉片P1 ,P2 ,P3 …が外側から内側へ順に巻き付けて貼着される。具体例として、粘着テープ枚葉片P1 ,P2 について説明する。粘着テープ枚葉片P1 の先端A1 の表て面11には、左右どちらかに(図では、アーム部材2が差込まれる側に)つまみ用剥離片5が付設される。また、粘着テープ枚葉片P1 は、巻き付けた状態で 360°超えとなるので、先端A1 側の裏面12と他端B1 側の表て面11の(後述する)重複部10とが貼着されるようにして、巻き付けられる。展開した粘着テープ枚葉片P1 が、図5(イ)に示されており、重複部10の円周方向の幅寸法Kは、 0.5cm乃至 1.5cmである。同様に、展開した粘着テープ枚葉片P2 が、図5(ロ)に示される。
【0011】
粘着テープ枚葉片P2 の先端A2 (の表て面11)には、つまみ用剥離片5が、粘着テープ枚葉片P1 の剥離片5と左右が逆になるように(図では、アーム部材2が差込まれていない側に)、付設される。そして、先端A2 側の裏面12と他端B2 側の表て面11の重複部10とが貼着されるようにして、巻き付けられる。剥離片5は、軸方向に所定幅寸法Dを有しかつ円周方向に所定幅寸法L5 を有する長方形状又は正方形状であり、材質は、一面を剥離処理したプラスチックや板紙とするのが好ましく、厚さ寸法T5 は0.01mm乃至 0.3mmとする。また、上記幅寸法Dはロール4の軸心方向寸法の5%〜50%とする。
【0012】
粘着テープ枚葉片P1 ,P2 の表て面11,11は、先端A1 ,A2 から(剥離片5の円周方向の幅寸法L5 と略等しい)円周幅寸法L8 の範囲内のうち剥離片5が付設されない面に於て、(図1〜図7に於て、点々で示す)増厚粘着層部8を有する。この増厚粘着層部8は、粘着テープ枚葉片P1 ,P2 の表て面11,11上に粘着剤が増積されたもので、剥離片5の厚さ寸法T5 と略等しい厚さ寸法T8 を有している。即ち、粘着テープ枚葉片P1 ,P2 は、先端A1 ,A2 から円周方向の所定幅寸法L5 (=L8 )までの全ての範囲内に於て、所定厚さ寸法T5 (=T8 )を有する。
【0013】
円周幅寸法L5 は、 1.0cm乃至 2.5cmが好ましく、重複幅寸法Kと略同一とする。あるいは重複幅寸法Kを円周幅寸法L5 よりも小さく設定して、粘着テープ枚葉片Pの無駄になる(ゴミを粘着しない)範囲を少なくするのもよい。
【0014】
図5に於て、Cは、粘着テープ枚葉片P1 を巻き付けた場合の( 360°の)1周の周囲長さである。なお、巻き付けられた粘着テープ枚葉片P1 ,P2 ,P3 …の(側面視に於ける)直径は、外周側から内周側へ順に小さくなるので、周囲長さCも、同順に短くすると、粘着テープ枚葉片Pの無駄になる(ゴミを粘着しない)範囲が少なくなる。粘着テープ枚葉片P2 ,P3 …も、上述した粘着テープ枚葉片P1 ,P2 の積層パターンと同様に積層されていく。
【0015】
図6は比較例を示す平面図であり、第1の実施の形態との相違点は、全ての粘着テープ枚葉片P1 ,P2 …の先端A1 ,A2 …の表て面11には、左右いずれか一方に(図では、アーム部材2が差込まれる側に)つまみ用剥離片5が付設される点で、それ以外は、同じ構造である。
【0016】
また、図7は他の比較例を示す平面図であり、第1の実施の形態との相違点は、剥離片5の軸方向の幅寸法Dが、粘着テープ枚葉片Pの軸方向の幅寸法の半分の値となる点である。また、粘着テープ枚葉片Pは、(図示例では)先端Aから円周方向の所定幅寸法Lまでの範囲内のうち剥離片5が付設されない面に於て、剥離片5の厚さ寸法T5 と略等しい厚さ寸法T8 の増厚粘着層部8を有する。なお、図示省略するが、この範囲内に剥離片5だけが付設され増厚粘着層部8が備えられないのもよい。
【0017】
本発明の第1の実施の形態の粘着ロール4、又は、図6,図7に示した粘着ロール4を有するロール器1をカーペット,床,絨毯,畳等の上で回転して、塵,糸屑,紙屑,埃等のゴミが粘着テープ枚葉片P1 に粘着して掃除され、粘着能力が低下したら、剥離片5を手でめくり、粘着テープ枚葉片P1 が粘着ロール4からめくり取られる。粘着テープ枚葉片P1 ,P2 …は互いに重なり合うことなく独立しており、剥離片5を手で持って粘着ロール4から引張ると、ロール4が回転して、粘着テープ枚葉片P1 のみがめくり取られ、次の粘着テープ枚葉片P2 は連られてめくり取られることがない。次には、粘着テープ枚葉片P2 が粘着ロール4の最外面になり、同様にゴミ掃除が行われる。
【0018】
上述のように、本発明の粘着ロール4を有するロール器1によって、カーペット,床,絨毯,畳等の塵,糸屑,紙屑,埃等のゴミを掃除をしても、剥離片5はゴミを粘着しないので、剥離片5をつまめば手を汚すことなく粘着テープ枚葉片Pをめくり取ることができる。粘着テープ枚葉片P1 ,P2 …は互いに独立しており重なり合っていないので、剥離片5を手でつまんで粘着ロール4から引っ張れば、隣の粘着テープ枚葉片Pが引き続いて不意にめくり取られることがないので、粘着テープ枚葉片Pをロール4から容易にめくり取ることができる。よって、掃除後の手間が省け、衛生的である。
【0019】
また、ゴミを粘着しない剥離片5は、手でつまむために最低限の面積だけを有し、粘着テープ枚葉片Pの先端Aの左右いずれか一方に付設されるので、粘着テープ枚葉片Pの表て面11は、粘着可能な面積を十分に備える。粘着テープ枚葉片Pの表て面11は、先端Aから(剥離片5の円周方向の幅寸法L5 と略等しい)円周幅寸法L8 の範囲内のうち剥離片5が付設されない面に於ても、剥離片5の厚さ寸法T5 と略等しい厚さ寸法T8 の増厚粘着層部8を有しているので、剥離片5の付設された粘着テープ枚葉片Pの軸方向の表て面11に段差ができることはないので、本発明の粘着ロール器1は、平坦面を滑らかに回転してゴミを掃除することができる。さらに、隣り合う粘着テープ枚葉片P,Pは、夫々の2片の剥離片5,5が重ならないように積層されるので、粘着ロール4に複数枚の粘着テープ枚葉片P,P…が積層されても、粘着テープ枚葉片Pの円周方向に段差ができることはないので、本発明の粘着ロール器1は、略真円形表面であって凹凸が生じないで、平坦面を滑らかに回転してゴミを掃除することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成により次のような著大な効果を奏する。
【0021】
(請求項1又は2によれば、)粘着ロールは、(長尺ではなく)長方形状の粘着テープ枚葉片P…をロール状に重ねて巻いたので、確実に、かつ正確に順次一枚ずつ分離して(使用後)捨てることができる。また、カーペット,床,絨毯,畳等の塵,糸屑,紙屑,埃等のゴミを掃除した後、剥離片5をつまめば手を汚すことなく粘着テープ枚葉片Pをめくり取ることができる。また、この剥離片5は、粘着テープ枚葉片Pを粘着ロールからめくり易く、また、粘着テープ枚葉片P…は互いに独立しており重なり合っていないので、剥離片5を手でつまんで粘着ロールから引っ張れば、ロールが回転して粘着テープ枚葉片Pを容易にめくり取ることができる。よって、掃除後の手間が省け、効率よく掃除ができ、衛生的である。
【0022】
(請求項1又は2によれば、)ゴミを粘着しない剥離片5は、手でつまむために最低限の面積だけを有し、粘着テープ枚葉片Pの先端Aの左右いずれか一方に付設されるので、粘着テープ枚葉片Pの表て面は、粘着可能な面積を十分に備える。
【0023】
(請求項1によれば、)剥離片5の付設された粘着テープ枚葉片Pの軸方向の表て面に段差ができることはないので、粘着ロール全体の外周面に凹凸がほとんど発生せず、平坦面を滑らかに回転してムラなくゴミを掃除することができる。
【0024】
(請求項2によれば、)粘着ロールに複数枚の粘着テープ枚葉片P…が積層されても、粘着テープ枚葉片Pの円周方向に凹凸がほとんど発生しないので、平坦面全体からムラなくゴミを掃除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】 要部拡大平面図である。
【図3】 図2のX−X矢視断面図である。
【図4】 図2のY−Y矢視断面図である。
【図5】 粘着テープの展開図である。
【図6】 本発明の比較例を示す要部拡大平面図である。
【図7】 本発明の他の比較例を示す要部拡大平面図である。
【符号の説明】
5 剥離片
8 増厚粘着層部
A (粘着テープの)先端
L 5 ,L 8 (円周方向)幅寸法
P 粘着テープ枚葉片
T 5 ,T 8 厚さ寸法
Claims (2)
- 巻き付けた状態で 360°超えとなる長方形状の粘着テープ枚葉片(P)を複数枚順次積層してロール状とし、かつ、積層された隣合う2枚の該粘着テープ枚葉片(P)(P)の各々の先端(A)(A)につまみ用剥離片(5)(5)を左右交互に付設し、
さらに、各該粘着テープ枚葉片(P)の先端(A)には、上記剥離片(5)の円周方向の幅寸法(L 5 )と略等しい円周幅寸法(L 8 )を有すると共に上記剥離片(5)の厚さ寸法(T 5 )と略等しい厚さ寸法(T 8 )を有する増厚粘着層部(8)を、該剥離片(5)が付設されない部位に有することを特徴とする掃除用粘着ロール。 - 巻き付けた状態で 360 °超えとなる長方形状の粘着テープ枚葉片(P)を複数枚順次積層してロール状とし、かつ、積層された隣合う2枚の該粘着テープ枚葉片(P)(P)の各々の先端(A)(A)につまみ用剥離片(5)(5)を左右交互に付設し、さらに、積層された隣合う2枚の該粘着テープ枚葉片(P)(P)を、夫々の剥離片(5)(5)が重ならないように順次円周方向へ位置をずらせたことを特徴とする掃除用粘着ロール。
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