JP3762263B2 - シート材検出装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート材検出装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機、ファクシミリ、プリンタ等のシート材を扱う画像形成装置においては、装置本体からの給送信号に同期してシート材を所定の位置に給送(搬送)するシート材搬送装置を備える構成が一般的である。
【0003】
この種のシート材搬送装置では、トレイ上やカセット内に積載されたシート束からシート材を1枚づつ分離・給送し、画像形成と同期した所定のタイミングで所定の位置に高精度にシート材を搬送する必要がある。そのため、シート材搬送装置上にシート材検出装置を設け、シート材の先端や後端位置を検出している。
【0004】
シート材検出装置を大きく分けると、接触式のセンサと非接触式のセンサとがある。
【0005】
接触式のセンサは従来からよく用いられてきた検出装置である。たとえば、シート材搬送経路中に可倒式のレバーを突設し、搬送中のシート材がこのレバーの一端に当接したときに、他端に設けた光透過型センサでレバーの倒れを検出する方式のものが知られている。
【0006】
しかし、近年のプリンタの高速化に伴いシート材の搬送速度が上がり、従来の接触式のセンサではシート材先端にダメージを与えるなどの問題が生じていた。そこで、高速機においては非接触で紙有無を光学的に直接読み取る光学式のセンサが用いられることが多くなってきている。
【0007】
また、光学式のセンサは、シート材の種類を判別する目的にも用いられる。たとえば、複数色のトナーを多重転写し、カラー画像を形成するカラープリンタにおいては、OHPに供する光透過性用紙のプリントに際して、トナーが十分溶融して光透過性を増すように定着速度を低速に切り替える制御を行う必要があるので、シート材がOHP用紙などの光透過性シート材か否かを光学式センサにより検知するよう構成されている。
【0008】
以下に、画像形成装置に用いられる従来の光学式のシート材検出装置について図8を用いて説明する。
【0009】
同図のシート材搬送装置は、制御部(不図示)からの指示に従い所定速度で以下に述べる給紙負荷を駆動するステッピングモータ(不図示)と、ソレノイド(不図示)によりラッチを解除しメカニカルに1回転制御させることによりカセット214内のシート束から1枚のシート材を分離・給送する半月形ローラ201と、その下流に配設した搬送ローラ202と、電磁クラッチにより停止と回転を切替え可能なレジストローラ204と、レジストローラ204の直前に配置されたレジ前センサとしての接触式紙有無検知センサ203と、レジストローラの下流に配設した光学式紙有無検知手段である先端センサ205と、を備えて構成されている。
【0010】
また、画像形成装置の画像形成手段たる本体部は、像担持体たる感光ドラム211と、感光ドラム211上に静電潜像を形成するスキャナ210と、この静電潜像をCMYK各色のトナーで現像する現像器209と、上記シート材搬送装置により搬送されたシート材を巻きつけて回転し、感光ドラム211上の各色のトナー像をシート材に転写させる転写ドラム207と、トナー像を転写されたシート材を転写ドラム207から剥がす分離爪212と、シート材上の転写済みトナー像を熱定着する定着器213と、を備えて構成される。また、転写ドラム207上には、シート材先端を挟むグリッパ208が設けられ、転写ドラム207近傍には、グリッパ208が前記先端センサ205の給紙位置と等価な位置に到来したことを検知するグリッパ位置センサ206が設けられている。
【0011】
このようなハード構成を制御する制御部の構成を説明する。プリント信号が発せられると制御部は半月形ローラ201を1回転させ、1枚のシート材を所定速度で給紙するとともに転写ドラム207を回転させる。
【0012】
搬送ローラ202で搬送されるシート材は、停止状態にあるレジストローラ204のニップに突き当てられ一定量のループを形成し斜行取りが行われる。レジ前センサ203でシート材先端を検出して一定時間後にレジストローラ204を回転させて、斜行取りされたシート材を導入する。そして、先端センサ205でシート材先端を検知すると再びレジストローラ204を停止状態にして待機する。
【0013】
グリッパセンサ206により転写ドラム207上のグリッパ到来を検知するとステッピングモータを再起動させ、転写ドラム207より相対的に速い給紙速度で一定時間搬送後、転写ドラム207と同じ速度に戻すようレジストローラ204を制御する。
【0014】
これにより、転写ドラム207表面に対して約30度に開放されたグリッパ208にシート材を所定量突き当てたままグリッパ208を閉じ、常に転写時の先端位置であるグリッパ位置に安定してシート材を給紙するように同期制御を行うことができる。
【0015】
次に、前記給紙制御および光学式のシート材検出装置によりOHP用紙を給紙した場合の制御動作を説明する。
【0016】
OHP用紙を給紙し、前記給紙制御により先端センサ205まで給紙すると予め先端より下流に5mmの幅で印刷された遮光部を先端センサ205で検出すると、ステッピングモータを停止し待機させる。グリッパセンサ206によりグリッパを検知し、OHP用紙を再給紙した後に、先端センサ205でOHP用紙先端より下流に20mm以降の透過部を検知(光の透過を検知)するとOHP用紙として判別し、トナー画像の転写後、シート材の分離排出時に於いて定着器213の駆動速度を通常の1/3に落とす制御を行う。
【0017】
以下に先端センサ205の構成について図9を用いて説明する。
【0018】
図9において先端センサ205は、シート材搬送経路121の一方に反射部材126を配置し、他方に発光素子122と受光素子123とを含む発光受光ユニット120を配置した透過型フォトセンサである。
【0019】
図9(a)に示すようにシート材Sがない場合は、発光素子122から発せられた光Lは遮光カバーに設けられたスリット124を通って反射部材126により反射され、再び遮光カバーに設けられたスリット125を通って受光素子123に到達する。一方、図9(b)に示すようにシート材Sがある場合は、発光素子122から発せられた光Lがシート材Sで遮光され受光素子123には戻ってこない構成である。
【0020】
すなわち、紙などのシート材の場合は、受光素子123で光を感知したらシート材無し、光を感知しなければシート材有りと判断している。また、OHP用紙のように透光性を有するシート材の場合は、上述のように、シート材上に印刷された遮光部で一旦光が遮られ、所定量搬送後に受光素子123で光を感知することにより、透光性シート材であるか否かを判断している。
【0021】
このような非接触式の透過型フォトセンサにあっては、反射部材で反射される反射光(シグナル)とシート面で反射される反射光(ノイズ)との間のS/N比を高め、シート材の検出精度を向上させることが要求される。スリット124,125は、照射光および反射光の幅を絞り、シート面で反射された光が受光素子123に入射することを抑制し、ノイズの低減を図るために設けられたものである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0023】
シート材搬送経路121を挟んで反射部材126と発光受光ユニット120とを配置するという構成上、取り付け時などに両部材の間に相対的な位置ズレが発生しやすい。位置ズレが生じた場合、反射部材126からの反射光量は大きく影響を受ける。
【0024】
たとえば、図10(a)に示すように、反射部材126と発光受光ユニット120とが平行に位置ズレを起こしている場合には、発光素子122からの照射光と反射部材126からの反射光の光路間隔が広がり(同図と逆にズレた場合には狭くなる)、反射光の光路と受光素子123のスリット125の位置にズレが生じ、受光素子123で検知する反射光量が著しく低下してしまう。また、図10(b)に示すように、反射部材126と発光受光ユニット120とが回転方向にずれて取り付けられた場合にも光路間隔が変化するため、上記と同様の問題が生ずる。
【0025】
その一方で、このような場合にもシート面からの反射光量はほとんど変化しないため、結果、S/N比が悪化し、シート材の誤検知を招くおそれが高くなってしまう。
【0026】
かかる問題を解決すべく、多少の位置ズレを見越してスリット幅に余裕を持たせることも考えられる。しかしながら、図11に示すようにスリット124′,125′の幅を大きく設けると、今度はシート面からの反射光量が増大してしまい、やはりS/N比が低下する結果となる。また、スリット幅を大きくすると、シート材Sがスリットを覆うまでに相当時間を要するため、シート材の存在を検知するタイミングにバラツキが生まれ、シート材Sの位置検出精度が甘くなってしまうという問題も生ずる。
【0027】
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、反射部材と発光受光ユニットとが相対的に位置ズレしても良好なS/N比を保ち安定した検出を行うこと、および、シート材の搬送方向の位置検出精度を向上させること、を可能とするシート材検出装置およびこのシート材検出装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のシート材検出装置にあっては、検出光を照射する発光素子および検出光を受光する受光素子を有する発光受光ユニットと、該発光素子から照射された検出光を反射して該受光素子へ入射させる反射部材と、をシート材搬送経路を挟んで配置し、シート材搬送経路を搬送されるシート材によって検出光が遮られることでシート材を検出するシート材検出装置において、前記発光素子から照射された検出光を絞るスリットであって、シート材搬送方向に長手となるように設けられた発光スリットと、前記受光素子に入射する検出光を絞るスリットであって、シート材搬送方向に直交する方向に長手となるように設けられた受光スリットと、を備え、前記発光素子と前記受光素子は、シート材搬送方向に交わる方向に並んで配置され、前記発光素子から前記受光素子に向かう方向に交わる方向の前記発光スリットの幅は、前記発光素子から前記受光素子に向かう方向の前記発光スリットの幅より長手であり、前記発光素子から前記受光素子に向かう方向の前記受光スリットの幅は、前記発光素子から前記受光素子に向かう方向に交わる方向の前記受光スリットの幅より長手であることを特徴とする。
【0029】
前記発光素子と前記受光素子は、互いの光路の中心軸が略平行になるように配置され、且つ、前記反射部材は、前記発光素子から略垂直に入射された検出光を略平行に反射して、前記受光素子に略垂直に入射させることが好適である。
【0030】
このとき、前記反射部材は光学プリズムで構成されていることが好ましい。
【0031】
また、前記受光スリットの長手方向の幅は、前記発光スリットの短手方向の幅の略2倍以上に設けられていることが好適である。
【0032】
前記発光スリットの面積は、前記受光スリットの面積よりも大きく設けられていることが好適である。
【0033】
また、本発明の画像形成装置は、上記シート材検出装置と、該シート材検出装置を用いてシート材を制御して該シート材に画像を形成する画像形成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。このシート材検出装置は、プリンタ・複写機・ファクシミリなどの画像形成装置において、シート材を搬送(給送)するシート材搬送装置に用いられて好適なものである。
【0035】
なお、以下の実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0036】
図1および図2は、本発明の実施の形態に係るシート材検出装置の構成を示す概略断面図である。図1は、シート材搬送方向からみた概略断面図であり、図2は、シート材搬送方向に直交する方向(図1の右側)からみた概略断面図である。
【0037】
シート材搬送経路1は、紙ガイド2と紙ガイド3との間にシート材Sを搬送するために設けられた空間で、不図示の搬送ローラにてシート材Sが搬送される。搬送されてきた被検出物であるシート材Sは、シート材搬送経路1の途中に設けられたシート材検出装置によって検出される。この検出結果に基づき、シート材Sの搬送タイミングなどの搬送制御が行われる。
【0038】
シート材検出装置は、概略、発光素子11および受光素子21を有する発光受光ユニット30と、この発光素子11から照射された検出光を反射して受光素子21へ入射させる反射部材40とを備えて構成される。発光受光ユニット30と反射部材40は、シート材搬送経路1を挟み対向する位置に配置されている。
【0039】
発光受光ユニット30は、検出光を照射する発光素子11と、検出光を受光する受光素子21と、発光素子11および受光素子21を実装するプリント基板32と、これらの素子を覆うカバー37と、を備えて構成される。
【0040】
発光素子11は、たとえば赤外発光ダイオードなどで構成することができる。その照射光は完全な平行光とはならず、ある程度の広がりをもつ。図3(a)は一般的な発光素子の指向特性を示したもので、扇型の実線部分が素子中心軸からの角度に対する相対発光強度を示している。この図からわかるように、発光素子11からは約20度〜30度の広がりを持った検出光が照射される。
【0041】
また、受光素子21は、たとえば受光した光を光電流に光電変換するフォトトランジスターなどで構成することができる。受光素子21も平行に入射する光のみに反応するわけではなく、ある程度横方向からの光にも反応する。図3(b)は一般的な受光素子の指向感度特性を示したもので、水滴型の実線部分が素子中心軸からの角度に対する相対感度を示している。これから、受光素子21は約20度の幅で感度を有していることがわかる。
【0042】
反射部材40は、発光素子11から略垂直に入射された入射光を略平行に反射して、受光素子21に略垂直に入射させる部材であり、たとえば反射面が90度の角度をなすガラス製またはアクリル製の光学プリズムなどで構成することができる。なお、反射部材40はプリズムに限定されるものではなく、2枚のミラーを90度に組み合わせた構成のものでも好適に用いることができる。
【0043】
発光素子11および受光素子21は、互いの素子中心軸(光路の中心軸)が略平行になるようにプリント基板32に取り付けられ、また、カバー37には、各々の素子の素子中心軸を中心として形成された発光スリット13と受光スリット23が設けられている。
【0044】
これにより、発光素子11から照射された光は発光スリット13によって絞られ、素子中心軸に沿った指向性を有する光となる。この検出光は、シート材搬送経路1を略垂直に横切り反射部材40に達する。
【0045】
反射部材40に入射した光は、面41を透過し、面42および面43では臨界角による内面反射を受け、再び面41を透過することで、入射光と略平行かつ反対方向の光となって反射される。
【0046】
この反射光は、再びシート材搬送経路1を略垂直に横切り、受光スリット23を通過して受光素子21へと入射される。このときも受光スリット23によって入射光が絞られ、受光素子21の素子中心軸に沿った反射光のみが入射されるので、受光素子21の指向感度特性の高い光のみが選択的に検知されることになる。
【0047】
この構成において、シート材Sが検出位置にない場合は、発光素子11から発せられた光Lは発光スリット13を通って反射部材40により反射され受光スリット23を通って受光素子21に到達する。一方、シート材Sが検出位置にある場合は、発光素子11から発せられた光Lがシート材Sで遮光され受光素子21には到達しない。すなわち、受光素子21で光を感知したらシート材無し、光を感知しなければシート材有りと判断する。
【0048】
このように発光素子11からの照射光と受光素子21への入射光の光路の中心軸を略平行に構成すれば、発光受光ユニット30と反射部材40との間隔を自由に設定することができるとともに、発光素子11と受光素子21の間隔を狭く設けることができる。すなわち、シート材検出装置の構成の自由度の向上と小型化を図ることができるので、装置の汎用性が高まり、ひいては低コストで作製することが可能となる。
【0049】
また、発光スリット13と受光スリット23により検出光を絞る一方で、それ以外の部分についてはカバー37で素子を覆ったことで、検出に必要な光のみを確保するとともに、反射部材40を介さずに直接発光素子11から受光素子21へ到達する光や外光などを遮光して、検出精度を高めることができる。
【0050】
次に、本実施の形態のシート材検出装置が備えるスリットの構成について、さらに詳しく説明する。
【0051】
なお、以下の説明では、シート材搬送方向をY方向、シート材搬送方向に直交する方向をX方向、搬送されるシート材Sのシート面と垂直な方向をZ方向という。また、Z軸を中心とするXY平面での回転をα方向の回転、Y軸を中心とするZX平面での回転をβ方向の回転、X軸を中心とするYZ平面での回転方向をγ方向の回転という。
【0052】
本実施の形態のシート材検出装置の発光素子11と受光素子21は、図1,図2に示すように、X方向(シート材搬送方向に直交する方向)に並べて配置されている。
【0053】
発光スリット13および受光スリット23は、ともにカバー37に形成された矩形状の貫通孔であり、図4に示すように、発光スリット13はY方向に長手となるように設けられ、受光スリット23はX方向に長手となるように設けられている。
【0054】
すなわち、発光スリット13は、Y方向のスリット幅YhよりX方向のスリット幅Xhのほうが狭い矩形形状を呈しており、受光スリット23は、Y方向のスリット幅YjよりX方向のスリット幅Xjのほうが広い矩形形状を呈している。
【0055】
これにより、発光スリット13において照射光のX方向の幅が絞られ、且つ、受光スリット23において反射光のY方向の幅が絞られるので、検出光は十分に小さなスポット光になる。さらに、受光スリット23のY方向のスリット幅を狭くしたことにより、受光側におけるシート材検出位置のバラツキを抑えることができ、良好な位置検出精度を実現することが可能となる。
【0056】
ここで、発光受光ユニット30と反射部材40の相対的な位置ズレが生じた場合の影響について考察する。両部材の相対的な位置ズレとしては、X方向,Y方向,Z方向それぞれの平行ズレと、α方向,β方向,γ方向の回転ズレの計6通りがある。
【0057】
X方向へ相対的な位置ズレが生じた場合には、発光素子11からの照射光と反射部材40からの反射光の光路間隔が広がるか、または狭くなる。つまり、受光素子21への入射光のX方向の位置がずれることになる。この点、本実施の形態では、受光スリット23のX方向のスリット幅Xjを広く設けているので、入射光のX方向位置がずれた場合であっても、入射光の光量を損失することなく受光素子21に導くことができる。
【0058】
ここで、図5を参照して、X方向へ相対的な位置ズレが生じた場合の光路の影響についてさらに詳しく考察する。反射部材40のみが2点鎖線の位置から実線の位置へ、X方向へ距離aずれると、X方向で同じ位置に入射された光は、反射部材40で折り返され、光LからX方向へ距離2aずれた光L′の光路をとる。つまり、発光受光ユニット30と反射部材40とのX方向の相対的な位置ずれ量に対して光路は2倍ずれることになる。したがって、受光スリット23のX方向(長手方向)のスリット幅Xjを、発光スリット13のX方向(短手方向)のスリット幅Xhの略2倍もしくは2倍以上に設けることが好ましい。
【0059】
Y方向へ相対的な位置ズレが生じた場合には、特に問題とならない。Y方向のスリット幅に比べて、反射部材40のY方向の幅が十分大きいからである。
【0060】
Z方向へ相対的な位置ズレが生じた場合にも、特に問題とならない。上述したように、発光素子11からの照射光と受光素子21への入射光の光路の中心軸を略平行に構成しているので、発光受光ユニット30と反射部材40の間隔は検出精度にほとんど影響を与えないからである。
【0061】
α方向へ相対的な回転ズレが生じた場合には、反射部材40からの反射光の光路と受光スリット23の位置とが発光素子11の光路を中心として相対的にα方向にずれる。つまり、反射部材40からの反射光のY方向の位置がずれることになる。この点、本実施の形態では、発光スリット13のY方向のスリット幅Yhを広く設けているので、反射部材40からの反射光もY方向に略Yhの幅を有することになり、反射光のY方向位置がずれた場合であっても、光量を損失することなく受光素子21に入射光を導くことができる。なお、入射光のX方向の位置も多少ずれるが、上述したように本実施の形態ではX方向の位置ズレは問題とならない。
【0062】
β方向へ相対的な回転ズレが生じた場合には、X方向へ相対的な位置ズレが生じた場合と同様、入射光のX方向位置がずれることとなる。この点、上述したように本実施の形態ではX方向の位置ズレは問題とならない。
【0063】
γ方向へ相対的な回転ズレが生じた場合には、発光素子11からの照射光と反射部材40からの反射光の光路間隔がY方向に連続的に変化することになる。つまり、受光素子21への入射光のX方向の位置がずれることになる。この点、上述したように本実施の形態ではX方向の位置ズレは問題とならない。
【0064】
このように、発光受光ユニット30と反射部材40の相対位置がいずれの方向にずれた場合であっても、本実施の形態のスリット構成によれば、入射光の光量を損失することなく受光素子21に導くことができ、S/N比を低減させることなく、安定した検出を行うことが可能となる。
【0065】
なお、本実施の形態では、発光スリット13の面積を、受光スリット23の面積よりも大きく設けている。これは、発光受光ユニット30と反射部材40の相対的な位置ズレが生じたときに、受光スリット23の一部に光が届かない状況が発生することを防止すべく、発光面積を大きく確保したものである。ただし、いたずらにスリット面積を大きくするとシート面からの反射光量が増大しS/N比の低下を招いてしまうおそれがあるので、シート面からの反射光量が許容できる範囲内で発光スリット13の面積を決定する必要がある。
【0066】
次に、本実施の形態に係るスリット構成の優位性について、図6に示す比較例との対比により説明する。
【0067】
図6(a)は、受光スリット52をY方向に長手となるように設けたスリット構成を示す。この場合、受光素子21への入射光がY方向に幅をもってしまうため、シート材のY方向の位置検出精度が低下してしまう。また、X方向,β方向,γ方向のいずれかの位置ズレが生じた場合には、反射部材40からの反射光の光路が受光スリット52から外れてしまい、受光素子21の受光光量が減少するので、安定した検出を行うことが困難になる。
【0068】
図6(b)は、発光スリット51をX方向に長手となるように設け、受光スリット52をY方向に長手となるように設けたスリット構成を示す。この場合、2つのスリットを通過することにより、検出光はX方向・Y方向に絞られスポット光となるものの、受光スリット52がY方向に幅をもっているのでシート材検出位置にバラツキが生じ、位置検出精度が低下してしまう。また、発光スリット51のY方向の幅Yhを狭くしてしまうと、受光スリット52のY方向の幅Yjを広くしたとしても、発光スリット51のY方向の幅Yhが支配的であるため、Y方向への位置ズレやγ方向へのずれが生じた場合に、光量が減少し易い傾向にある。
【0069】
図6(c)は、発光スリット51をX方向に長手となるように設けたスリット構成を示す。この場合、発光スリット51と受光スリット23の間隔が狭くなってしまうので、シート材からの反射光が受光素子21に入射しやすくなり、S/N比の低下を招いてしまう。なお、発光受光ユニット30とシート材SのZ方向の間隔が広いほどS/N比が低下する傾向は強くなる。また、α方向への回転ズレが生じた場合には、反射部材40からの反射光の光路受光スリット52から外れてしまい、受光素子21の受光光量が減少するので、安定した検出を行うことが困難になる。
【0070】
なお、発光素子11の最適な光量については、次のような電気回路によって制御している。図7は、シート材検出装置の制御を司る電気回路の構成を示すブロック図である。
【0071】
演算処理装置(以下CPU)91のアナログ入力部AN0には受光素子92で受光し、電気信号に変換されたアナログ信号が入力される。入力されたアナログ信号はCPU91内部でA/D変換され、256段階のディジタル値になる。
【0072】
信号増幅部93およびアナログ入力部はシート材搬送経路1内のシート材検出装置(センサ)各々に対してそれぞれ設けられている。
【0073】
CPU91の出力部out0〜out2はD/A変換器94につながっている。このD/A変換器94は、クロック(CLK),ロード信号(LD)およびシリアルコードのディジタルデータ(DATA)が入力されると、数チャネルのアナログ出力(A0,A1,・・・)を順次出力する。
【0074】
このアナログ信号に基づいた電流をシート材搬送経路1内に設けられたシート材検出装置の発光素子に流すことにより、発光素子の光量を変えることができる。
【0075】
CPU91はアナログ入力部から入力される信号レベルがあるしきい値を越えていたら反射光が返ってきているものと判断する。従ってCPU91はアナログ入力部から入力される信号レベルがあるしきい値を越えるまでD/A変換器94の出力を徐々に上げるよう制御し、しきい値を越えたら出力データを固定する。このような方法で受光素子92が感知できる最小光量の発光光量を設定している。
【0076】
以上述べたように、本実施の形態のシート材検出装置によれば、反射部材40と発光受光ユニット30とが相対的に位置ズレしても良好なS/N比を保ち安定した検出を行うことができる。また、シート材の搬送方向の位置検出精度を向上させることができる。
【0077】
このようなシート材検出装置は、プリンタ・複写機・ファクシミリなどの種々の画像形成装置(または画像形成装置が具備するシート材搬送装置)に好適に適用することができる。これにより、搬送されるシート材の先端位置や後端位置を高い精度で検出することが可能となり、その検出タイミングに基づき正確なシート材搬送制御・画像形成制御を行うことができる。
【0078】
なお、本実施の形態ではスリットを矩形形状に形成したが、その形状は矩形に限られることなく、例えば長円形や楕円形のような形状でもよい。すなわち、長手方向と短手方向を有するようなスリット形状とし、発光スリットをシート材搬送方向に長手となるように設け、受光スリットをシート材搬送方向に直交する方向に長手となるように設ければ、上記と同様の効果を得ることができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、反射部材と発光受光ユニットとが相対的に位置ズレしても良好なS/N比を保ち安定した検出を行うことができるとともに、シート材の搬送方向の位置検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るシート材検出装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るシート材検出装置の構成を示す概略断面図である。
【図3】発光素子の指向特性と受光素子の指向感度特性を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るシート材検出装置のスリット構成を示す模式図である。
【図5】発光受光ユニットと反射部材の相対的な位置ずれの光路への影響を説明する図である。
【図6】スリット構成の比較例を示す模式図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るシート材検出装置の制御用電気回路の構成を示すブロック図である。
【図8】画像形成装置の構成を示す概略断面図である。
【図9】従来のシート材検出装置の構成を示す概略断面図である。
【図10】発光受光ユニットと反射部材の相対的な位置ずれの光路への影響を説明する図である。
【図11】シート面からの反射光の影響を説明する図である。
【符号の説明】
1 シート材搬送経路
2,3 紙ガイド
11 発光素子
13 発光スリット
21 受光素子
23 受光スリット
30 発光受光ユニット
32 プリント基板
37 カバー
40 反射部材
S シート材
Claims (6)
- 検出光を照射する発光素子および検出光を受光する受光素子を有する発光受光ユニットと、
該発光素子から照射された検出光を反射して該受光素子へ入射させる反射部材と、有し、
上記発光受光ユニットと上記反射部材とをシート材搬送経路を挟んで配置し、シート材搬送経路を搬送されるシート材によって検出光が遮られることでシート材を検出するシート材検出装置において、
前記発光素子から照射された検出光を絞るスリットであって、シート材搬送方向に長手となるように設けられた発光スリットと、
前記受光素子に入射する検出光を絞るスリットであって、シート材搬送方向に交わる方向に長手となるように設けられた受光スリットと、を備え、
前記発光素子と前記受光素子は、シート材搬送方向に交わる方向に並んで配置され、
前記発光素子から前記受光素子に向かう方向に交わる方向の前記発光スリットの幅は、前記発光素子から前記受光素子に向かう方向の前記発光スリットの幅より長手であり、
前記発光素子から前記受光素子に向かう方向の前記受光スリットの幅は、前記発光素子から前記受光素子に向かう方向に交わる方向の前記受光スリットの幅より長手であることを特徴とするシート材検出装置。 - 前記発光素子と前記受光素子は、互いの光路の中心軸が略平行になるように配置され、且つ、前記反射部材は、前記発光素子から略垂直に入射された検出光を略平行に反射して、前記受光素子に略垂直に入射させることを特徴とする請求項1に記載のシート材検出装置。
- 前記反射部材は光学プリズムで構成されていることを特徴とする請求項2に記載のシート材検出装置。
- 前記受光スリットの長手方向の幅は、前記発光スリットの短手方向の幅の略2倍以上に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のシート材検出装置。
- 前記発光スリットの面積は、前記受光スリットの面積よりも大きく設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート材検出装置。
- 請求項1〜5のうちいずれか1項に記載のシート材検出装置と、該シート材検出装置を用いてシート材を制御して該シート材に画像を形成する画像形成手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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