JP3761913B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、特に第1の画像担持体上に形成されたトナー像を、一旦中間転写体上に転写させた後に第2の画像担持体上に更に転写させ画像形成物を得る電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
中間転写体を使用した画像形成装置は、カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順次積層転写してカラー画像や多色画像を合成再現した画像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像形成装置、またはカラー画像形成機能や多色画像形成機能を具備させた画像形成装置として有効であり、各成分色画像の重ね合わせズレ(色ズレ)のない画像を得ることが可能である。
【0003】
ローラ形状を有する中間転写体を用いた転写装置である画像形成装置の一例の略図を図1に示す。
【0004】
図1は電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンター)である。中間転写体として中低抗の弾性ローラ20を使用している。
【0005】
図1において、符号1は第1の画像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」と記す)であり、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0006】
感光ドラム1は、その回転過程で、1次帯電器(コロナ放電器)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の画像露光手段(カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナによる走査露光系等)による画像露光3を受けることにより、目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0007】
次いで、その静電潜像が、第1現像器41(マゼンタ現像器)により第1色であるマゼンタトナーMにより現像される。この時、第2〜第4の現像器42,43,44(シアン、イエロー、ブラック)の各現像器は作動−オフになっていて感光ドラム1には作用せず、上記第1色のマゼンタトナー画像は上記第2〜第4の現像器42〜44により影響を受けない。
【0008】
中間転写体20は矢印の反時計方向に感光ドラム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0009】
この装置の中間転写体20は、パイプ状の芯金21と、その外周面に形成された弾性体層22からなる。
【0010】
感光ドラム1上に形成担持された上記第1色のマゼンタトナー画像が、感光ドラム1と中間転写体20とのニップ部を通過する過程で、中間転写体20に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体20の外周面に順次中間転写されていく。中間転写体20に第1色のマゼンタトナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、クリーニング装置14により清掃される。
【0011】
以下、同様に第2色のシアントナー画像、第3色のイエロートナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写体20上に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
【0012】
25は転写ローラで、中間転写体20に対して平行に軸受され、下面部に接触した状態で回転するように配設されている。
【0013】
感光ドラム1から中間転写体20への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電源61から印加される。その印加電圧は例えば+2kV〜+5kVの範囲である。
【0014】
感光ドラム1から中間転写体20への第1〜第4色のトナー画像の順次転写実行工程において、転写ローラ25及び中間転写体クリーナ35は中間転写体20から離間させることも可能である。
【0015】
中間転写体20上に重畳転写された合成カラートナー画像の第2の画像担持体である転写材24への転写工程では、転写ローラ25が中間転写体20に当接されると共に、給紙カセット9から中間転写体20と転写ローラ25との当接ニップに所定のタイミングで転写材24が給送され、同時に2次転写バイアスがバイアス電源29から転写ローラ25に印加される。この2次転写バイアスにより、中間転写体20から第2の画像担持体である転写材24への合成カラートナー画像が転写される。トナー画像転写を受けた転写材24は定着器15へ導入され加熱定着される。
【0016】
転写材24への画像転写終了後、中間転写体20上の転写残トナーは、中間転写体クリーナ35が当接されることによりクリーニングされる。
【0017】
前述の中間転写体を用いた画像形成装置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である、転写ドラム上に第2の画像担持体を張り付け又は吸着せしめ、そこへ第1の画像担持体上から画像を転写する画像形成装置を有したカラー電子写真装置、例えば特開昭63−301960号公報中で述べられているような転写方法に比べて以下の点で優れている。
(1)各色のトナー画像の重ね合わせ時の色ズレが少ない。
(2)図1で示されるごとく、第2の画像担持体になんら加工、制御(例えばグリッパーに把持する、吸着する、曲率をもたせる等)を必要とせずに中間転写体から画像を転写することができるため、第2の画像担持体を多種多様に選択することができる。例えば封筒、ハガキ、ラベル紙等、薄い紙(40g/m2紙)から厚い紙(200g/m2紙)まで、第2の画像担持体の幅の広狭、長さの長短、あるいは厚さの厚薄によらず転写可能である。
(3)中間転写体の剛性が優れているため、繰り返しの使用によってへこみ、ひずみ、変形等の寸法精度の狂いが生じにくく、当該中間転写体の交換頻度を少なくすることができる。
【0018】
このように、中間転写体を用いることによる利点のため、すでに市場においてはこの画像形成装置を用いたカラー複写機、カラープリンター等が稼働し始めている。
【0019】
中間転写体を上記のような電子写真画像形成装置に用いるためには、該中間転写体の電気抵抗が重要な因子となる。すなわち、中間転写体の抵抗値が高すぎると、第1の画像担持体から中間転写体へのトナーの転写効率(以後1次転写効率と称す)が低下し、抵抗値が低すぎると、中間転写体から第2の画像担持体へのトナーの転写効率(以後2次転写効率と称す)が低下してしまう。これら1次転写効率、2次転写効率の低下は、画像品位及び画像濃度の低下、廃トナーの増大、耐久性の悪化につながるために好ましくない。従って、総合転写効率(1次転写効率×2次転写効率)を最大にし、高品位な画像、十分な画像濃度、良好な耐久性を得、廃トナー量を最小に抑えるためには、該中間転写体の抵抗値の最適化が必要となる。
【0020】
もちろん、中間転写体の抵抗値について例えば、特開昭63−311263、特開平5−216351、特開平4−303871、特開昭56−164368等に、該中間転写体の体積抵抗あるいは表面抵抗を規定した画像形成装置が、既に提案されている。
【0021】
しかしこれらには、以下のような問題点がある。
(1)該中間転写体がベルト形状に限定されたものが多く、それらについては、中間転写体の剛性を生かした前記(3)の特徴を発現させることが困難である。(2)あるいは帯電防止を目的として該部材の表面抵抗を低下させたものも提案されているが、抵抗を下げ過ぎると感光体にピンホール等が存在した場合に、ピンホール部に転写電流が集中して流れ、その他の部分に転写電界がかからず転写できない、さらには中間転写体が絶縁破壊を起こす、いわゆるピンホールリークを起こす恐れがある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち従来の中間転写体を用いた画像形成装置を実際に繰り返し使用する場合、以下に示す問題点が残されている。
(1)第1の画像担持体(例えば感光ドラム)から、中間転写体への転写効率、及び中間転写体から第2の画像担持体(例えば紙やOHPシート)への転写効率が十分に高いものとなっていない。そのため、感光ドラムや中間転写体に具備すべきクリーニング装置が不可欠となりかつ、多量の転写残トナーをクリーニングするために装置への負荷が大きくなり、当該クリーニング装置が構成上かなり複雑となり、かつ高価なものとなってしまう。
(2)中間転写体に転写された画像、及び第2の画像担持体に転写された画像の一部が図7のごとく転写されず、抜けたような画像(以後中抜け画像と称す)となる場合がある。これは、(1)で述べた如く転写効率が100%達成してないことにより生ずるものである。この原因としては、中間転写体に使用する材質、表面性、抵抗、または転写時の印加バイアスの大きさ、そのタイミングまたは画像形成装置の機械構成等が複合的に作用するものと思われるが、主たる原因は判明していない。しかし、中間転写体の耐久が進むにつれ、または低温低湿環境になるほど悪化することは分かっている。
(3)第1の画像担持体である感光体にピンホールや微小なキズが存在した場合に、過剰な転写電流が流れ、中間転写体がピンホールリークを起こす恐れがある。本発明は、上記の課題を解決した中間転写体を用いた画像形成装置を提案するものである。
【0023】
本発明の目的は、第1の画像担持体から中間転写体への転写効率、及び中間転写から第2の画像担持体への転写効率が非常に高い画像形成装置を提供することである。
【0024】
別の目的は、第2の画像担持体である紙やOHPシートの種類に依存せず画像の微小部分の転写不良の発生しない、いわゆる中抜け画像のない、均一、均質の画像品質が得られる画像形成装置を提供することである。
【0025】
また別の目的は、ピンホールリークを発生することのない画像形成装置を提供するものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、第1の画像担持体上に形成された画像を中間転写体に転写した後、第2の画像担持体上に更に転写する画像形成装置において、
前記中間転写体が少なくとも弾性層及び被覆層を有しており、
前記弾性層の厚さが0.5mm〜10mm、かつ、前記被覆層の厚さが1〜500μmであり、
前記弾性層の抵抗値が前記被覆層の抵抗値よりも大きく、
前記被覆層未形成時の前記中間転写体の抵抗値が、前記被覆層形成後の中間転写体の抵抗値よりも高く、かつ、前記被覆層形成後の中間転写体の抵抗値が3×106Ω以上3×107Ω以下ある
ことを特徴とする画像形成装置である。
(前記中間転写体の抵抗値は以下の測定法によって測定された抵抗値である。
(1)前記中間転写体と金属ロール(φ30)を両者の軸が平行になるように線圧40g/cmで当接させ、前記金属ロールの上流側に直流電源をつなぎ、前記中間転写体の下流側に抵抗器及び前記抵抗器の両端の電位差Vrを読むための電位差計をつなぐ(前記中間転写体がベルト形状のものである場合は、前記中間転写体にアルミニウム製円筒状ローラを圧入してシリンダー形状とし、前記抵抗器は前記アルミニウム製円筒状ローラにつなぐ。)。
(2)前記金属ロールを駆動回転し、これに従動する前記中間転写体の回転数が2〜20rpmでありかつ画像出力時の回転数と同じになるように調節する。
(3)前記直流電源から+1000Vを回路に印加し、前記抵抗器の両端の電位差Vrを前記電位差計にて読む。
(4)得られた電位差Vrから回路に流れる電流値Iを求め、電流値Iを印加電圧(+1000V)で除した値を前記中間転写体の抵抗値とする。)
以下、本発明を詳細に説明する。
【0027】
前述のように、中間転写体の総合転写効率を最大にするためには、該中間転写体の抵抗値に最適範囲が存在する。該最適範囲は下記に示す測定法にて、3×106Ω以上3×107Ω以下である。
【0028】
一方、ピンホールリークのメカニズムについてははっきりと分かっていないが、中間転写体の抵抗値が大きいほど、その確率が減少することが実験的に確かめられている。すなわち、ピンホールリークを防止するためには、中間転写体の抵抗値を高くすればするほどよい。しかし、同時に高い総合転写効率を保つためには、前記の抵抗値の最適範囲を越えることはできず、耐ピンホールリーク性と高い総合転写効率を両立させることは困難である。
【0029】
そこで、本発明においては、該中間転写体を複数の層にて構成し、各層の機能分離を行なった。すなわち本発明の中間転写体は、少なくとも弾性層及び被覆層を有しており、該弾性層の抵抗値を高くすることにより耐ピンホールリーク性を持たせ、該弾性層上に抵抗の低い被覆層を形成し、該中間転写体全体の抵抗値を前記最適範囲に保つこととした。
【0030】
特に弾性層の抵抗値が大きいほど、耐ピンホールリーク性も大きく改善される。すなわち、弾性層の抵抗値を極力大きくし、該層上に抵抗の低い被覆層を設けることによって、該中間転写体全体の抵抗値を最適範囲に調することが、本発明の骨子である。
【0031】
なお、各層の機能分離においては、弾性層の抵抗値を低くしておき、該弾性層上に高抵抗の被覆層を設けることにより耐ピンホールリーク性を発現させることも考えられる。本発案では、より膜厚の厚い弾性層にて耐ピンホールリーク性を持たせることとした。
【0032】
以下に本発明における中間転写体の抵抗値の測定法を示す。
(1)中間転写体と金属ロール(φ30)を両者の軸が平行になるように線圧40g/cmで当接させ、上記金属ロールの上流側に直流電源をつなぎ、上記中間転写体の下流側に抵抗器及び上記抵抗器の両端の電位差Vrを読むための電位差計をつなぐ(図2)。
(2)上記金属ロールを駆動回転し、これに従動する上記中間転写体の回転数が2〜20rpmでありかつ画像出力時の回転数と同じになるように調節する。
(3)上記直流電源から+1000Vを回路に印加し、上記抵抗器の両端の電位差Vrを上記電位差計にて読む。
(4)得られた電位差Vrから回路に流れる電流値Iを求め、電流値Iを印加電圧(1000V)で除した値を上記中間転写体の抵抗値とする。
【0033】
本発明に用いる中間転写体は、例えば円筒状の導電性支持体上に少なくともゴム、エラストマー、樹脂よりなる弾性層及び1層以上の被覆層を有するローラ形状、または、図6に示されるごとくのベルト形状と、種々の態様を目的、必要に応じて選択することができる。その例を図3〜図6に示す。
【0034】
画像の重ね合わせの色ズレ、繰り返しの使用による耐久性を考慮すると、より好ましい本発明の態様としてはローラ形状である。各図において、100は剛体である円筒状導電性支持体、101は弾性層、102及び103は被覆層、そして104は中間転写ベルトを示す。
【0035】
円筒状導電性支持体としては、アルミニウム、鉄、銅及びステンレス等の金属や合金、カーボンや金属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることができ、その形状としては、上述したような円筒状や、円筒の中心に軸を貫通したもの、円筒の内部に補強を施したもの等が挙げられる。
【0036】
本発明の中間転写体の弾性層の膜厚は0.5mm〜10mm、さらには1mm〜5mmにすることが好ましい。また、被覆層の膜厚は、下層の弾性層の柔軟性を、さらにその上の上層あるいは感光体表面に伝えるために、薄層にすることが好ましい。具体的には1〜500μm、さらには5〜200μmが好ましい。
【0037】
また、第1の画像担持体としては、導電性を有する剛体ローラの表面に感光層を被覆した感光ドラム、さらには該感光ドラムの少なくとも最外層に、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)の微粉末を含有する感光ドラムを用いることが好ましい。特に、少なくとも最外層にPTFEの微粉末を含有する感光ドラムを用いた場合には、より高い1次転写効率が得られる。これは、PTFEの微粉末を含有することにより、該感光ドラム最外層の表面エネルギーが低下し、トナーの離型性が向上するためではないかと考えられる。
【0038】
本発明に用いる中間転写体の弾性層、及び被覆層に使用されるゴム、エラストマー、樹脂として、例えば、エラストマーやゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、クロロプレンゴム、チルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム及びポリノルボルネンゴム等が挙げられる。また、樹脂類としてはポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等が挙げられる。
【0039】
本発明に用いる中間転写体の抵抗値は3×106Ω以上3×107Ω以下に調整する必要があるが、該領域に抵抗を制御するためには、場合によっては導電剤を添加する必要がある。導電剤としては特に限定されるものではないが、例えば、カーボン、アルミニウム粉末、ニッケル粉末等を用いることができる。また、樹脂に導電剤を分散させるのではなく、導電性樹脂を用いることも考えられる。具体的には、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン及びポリエチレンイミン等が挙げられる。これらの中でも導電性のコントロールの点からは、導電性粒子分散樹脂が好ましい。
【0040】
勿論、本発明に用いる中間転写体を製造するにあたって、上記の材料群の中から材料選択を行なう必要はなく、得られた中間転写体の抵抗値が、被覆層形成後3×106Ω以上3×107Ω以下である範囲になればよい。
【0041】
以上の様に本発明に用いる中間転写体は、抵抗の高い弾性層と該弾性層よりも抵抗の低い被覆層から成っており、なおかつ該中間転写体全体の抵抗値が、高い総合転率を示す範囲(3×106Ω以上3×107Ω以下)に調整されている。従って、本発明の中間転写体を用いた画像形成装置は以下のような特徴を持つ。
(1)中抜け画像等のない高品位な画像を得ることができる。
(2)転写残トナーが少ない。従って、該中間転写体のクリーニング装置の小型化を計れる。
(3)感光体ドラム上に万が一、ピンホール等の欠陥が存在しても、ピンホールリークを発生することがない。
【0042】
本発明の中間転写体は、例えば以下のようにして製造される。
【0043】
まず、円筒状導電性支持体としての金属ロールを用意する。ゴム、エラストマー、樹脂等を金属ロール上に溶融成形、注入成形、浸漬塗工あるいはスプレー塗工等により成形することによって弾性層を設ける。次に、被覆層の材料を弾性層の上に溶融成形、注入成形、浸漬塗工あるいはスプレー塗工等により成形することによって被覆層を設ける。
【0044】
【実施例】
以下に実施例をもって本発明を詳細に説明する。
【0045】
(実施例1)
直径182mm、長さ320mm、厚み5mmのアルミニウム製円筒状ローラ表面に下記配合のゴムコンパウンドを金型を用いてトランスファー成形することにより、厚さ3mmの弾性層を有するローラを得た。
【0046】
ゴム配合
SBRゴム 100部(重量部、以下同様)
加硫剤(沈降硫黄) 0.5部
加硫助剤(亜鉛華) 2部
加硫促進剤(TBT) 1.5部
加硫促進剤(DM) 1.2部
導電剤(カーボンブラック) 25部
分散助剤(ステアリン酸) 1部
可塑剤(ナフテン系プロセスオイル) 40部
上記ローラの抵抗値を測定したところ、1×108Ωであった。
【0047】
次に、該ローラ上に被覆層を得るための被覆層用塗料を下記処方にて作成した。
【0048】
塗料配合
ポリウレタンプレポリマー 50部(重量部、以下同様)
導電剤(カーボンブラック) 12部
硬化剤(イソシアネート) 3部
トルエン 45部
メチルエチルケトン 45部
上記塗料を前記ローラにスプレー塗布し、その後85℃で1時間加熱することにより残存溶剤を除去し、かつ被覆層に架橋を施し、厚さ50μmの強靱な被覆層を有する中間転写体を得た。得られた中間転写体の抵抗値は4×106Ωであった。
【0049】
この中間転写体を図1に示されるフルカラー電子写真装置に装着し、感光体としてOPC感光ドラムを用いて、80g/cm2紙にフルカラー画像をプリントし、以下のように転写効率を定義して、転写効率の測定を行なった。
【0050】
1次転写効率(感光ドラムから中間転写体への転写効率);
中間転写体上の画像濃度/(感光ドラム上の転写残画像濃度+中間転写体上の画像濃度)。
【0051】
2次転写効率(中間転写体から紙への転写効率);
紙上の画像濃度/(紙上の画像濃度+中間転写体上の転写残画像濃度)。
【0052】
転写効率を測定した結果、1次転写効率、2次転写効率共に93%であった。また、そのフルカラープリント画像は中抜けのない文字、細線が得られ、ベタ画像も均質な画質が得られた。
【0053】
以下に本実施例の作像条件を示す。
【0054】
感光体:OPC感光ドラム
表面電位:−700V
カラー現像剤(4色共に):非磁性1成分トナー
1次転写電圧:+900V
2次転写電圧:+3400V
プロセススピード:120mm/sec
現像バイアス:−500V
【0055】
またOPC感光ドラムに、導電性基体が露出する程度の深さにφ100μmの穴を5〜6ケ所あけ、該感光ドラム及び本発明実施例1による中間転写体を、図1に示されるフルカラー電子写真装置に装着し、該中間転写体を外部直流電源と接続した。次にブラック単色のベタ画像パターンにて、外部直流電源の出力をプリント毎に100Vずつ増加させながら、画像の出力を行なった。得られた画像の横方向に、少なくとも1本以上の白スジ(トナーが転写されていない部分)が現われた時の直流電源の出力電圧をピンホールリーク発生電圧とした。結果を表1に示す。
【0056】
(実施例2)
直径182mm、長さ320mm、厚み5mmのアルミニウム製円筒状ローラ表面に下記配合のゴムコンパウンドを金型を用いてトランスファー成形することにより、厚さ3mmの弾性層を有するローラを得た。
【0057】
ゴム配合
NBRゴム 100部(重量部、以下同様)
加硫剤(沈降硫黄) 1.5部
加硫助剤(亜鉛華) 5部
加硫促進剤(TBT) 1.5部
加硫促進剤(DM) 1.2部
導電剤(グラファイト) 30部
分散助剤(ステアリン酸) 1部
可塑剤(ナフテン系プロセスオイル) 45部
上記ローラの抵抗値を測定したところ、2×108Ωであった。
【0058】
次に、該ローラ上に被覆層を得るための被覆層用塗料を下記処方にて作成した。
【0059】
塗料配合
ポリウレタンプレポリマー 50部(重量部、以下同様)
硬化剤(イソシアネート) 3部
導電剤(導電性酸化チタン) 55部
トルエン 40部
メチルエチルケトン 40部
上記塗料を前記ローラに浸漬塗工し、その後85℃で1時間加熱することにより残存溶剤を除去し、かつ被覆層に架橋を施し、厚さ30μmの強靱な被覆層を有する中間転写体を得た。得られた中間転写体の抵抗値は3×107Ωであった。
【0060】
転写効率及びピンホールリーク発生電圧の測定を行なった。初期より良好な画像を得ることができ、耐ピンホールリーク性も良好であった。結果を表1に示す。
【0061】
(実施例3)
実施例1のゴム配合にて、厚さ1mmの無端状ゴムベルト作成した。該ゴムベルトの抵抗値を測定したところ、3×107Ωであった。
【0062】
次に、実施例1の塗料配合にて被覆層用塗料を作成し、該塗料を前記ゴムベルトにスプレー塗装し、その後85℃で1時間加熱することにより残存溶剤を除去し、かつ被覆層に架橋を施し、厚さ40μmの強靱な被覆層を有するベルト状の中間転写体を得た。
【0063】
得られた中間転写体の抵抗値は3×106Ωであった。
【0064】
転写効率の測定及びピンホールリーク発生電圧の測定を行った。結果を表1に示す。
【0065】
なお、本発明による実施例3の中間転写体の抵抗値の測定に際しては、前記ベルトに直径182mm、長さ320mm、厚み5mmのアルミニウム製円筒状ローラを圧入してシリンダー形状とし、先に述べたのと同様の装置、手順にて測定を行なった。
【0066】
(実施例4)
最外層にPTFEの微粉末を含有した感光ドラム及び本発明実施例1の中間転写体を図1で示されるフルカラー電子写真装置に装着し、転写効率の測定を行った。実施例1と比較して、1次転写効率が更に向上した。結果を表1に示す。
【0067】
(比較例1)
本発明実施例1の中間転写体において弾性層のみ成形を行ない、被覆層を設けていないものを、本発明比較例1の中間転写体とした。
【0068】
該ローラの抵抗値、転写効率、及びピンホールリーク発生電圧の測定を行なった。初期より2次転写効率が悪く、中抜け画像の発生も見られた。
【0069】
(比較例2)
実施例1のゴム配合において、導電剤の配合量を45部にした以外は実施例1と同様にして中間転写体を作成し、抵抗値、転写効率、及びピンホールリーク発生電圧の測定を行なった。初期より2次転写効率が悪く、中抜け画像も発生した。また、1次転写電圧の実使用領域である+0.8(kV)にてピンホールリークが発生した。結果を表1に示す。
【0070】
(比較例3)
実施例1のゴム配合における導電剤を18部に、塗料配合における導電剤を7部に変更した以外は、実施例1と同様にして中間転写体を作成し、本発明比較例3の中間転写体を得た。
【0071】
該ローラの抵抗値、転写効率、ピンホールリーク発生電圧の測定を行なった。弾性層の抵抗が高いため、耐ピンホールリーク性は良好であったが、被覆層形成後も中間転写体の抵抗値が4×1010Ωと高いため、初期より1次転写効率が悪く、中抜け画像も発生した。結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
Figure 0003761913
【0073】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明は、第1の画像担持体上に形成された画像を中間転写体に転写した後、第2の画像担持体上に更に転写する画像形成装置において、前記中間転写体が少なくとも弾性層及び被覆層を有しており、かつ、前記被覆層形成後の中間転写体の抵抗値が3×106Ω以上3×107Ω以下であることを第一の特徴としている、したがって、以下のような効果が得られる。
(1)中抜け画像の発生がなく、十分な濃度の高品位な画像を得ることができる。
(2)転写残トナーが少なく、クリーニング装置の小型化を計ることができる。
【0074】
さらに本発明では、前記中間転写体の被覆層未形成時の抵抗値が、被覆層形成後の抵抗値よりも高いことを第2の特徴としている。したがって、以下のような効果が得られる。
(3)実使用印加電圧にて、ピンホールリークを発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ローラ形状の中間転写体を用いたカラー画像出力装置の概略断面図である。
【図2】 本発明の中間転写体の抵抗値または静電容量の測定回路図である。
【図3】 弾性層を有する本発明のローラ形状の中間転写体の断面図である。
【図4】 弾性層の上に被覆層を有する本発明のローラ形状の中間転写体の断面図である。
【図5】 弾性層の上に複数の被覆層を有する本発明のローラ形状の中間転写体の断面図である。
【図6】 中間転写体ベルトを用いたカラー画像出力装置の概略断面図である。
【図7】 中抜け画像を例示する説明図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 1次帯電器
3 像露光手段
9 給紙カセット
14 感光ドラムのクリーニング装置
15 定着器
20 中間転写体
21 芯金
22 弾性体層
24 転写材
25 転写ローラ
35 中間転写体クリーナ
41 マゼンタ色現像装置
42 シアン色現像装置
43 イエロー色現像装置
44 ブラック色現像装置
61 バイアス電源
100 芯金
101 弾性層
102 被覆層
103 被覆層
104 ベルト状中間転写体
200 金属ロール
201 抵抗器
202 電源
203 電位差計

Claims (3)

  1. 第1の画像担持体上に形成された画像を中間転写体に転写した後、第2の画像担持体上に更に転写する画像形成装置において、
    前記中間転写体が少なくとも弾性層及び被覆層を有しており、
    前記弾性層の厚さが0.5mm〜10mm、かつ、前記被覆層の厚さが1〜500μmであり、
    前記弾性層の抵抗値が前記被覆層の抵抗値よりも大きく、
    前記被覆層未形成時の前記中間転写体の抵抗値が、前記被覆層形成後の中間転写体の抵抗値よりも高く、かつ、前記被覆層形成後の中間転写体の抵抗値が3×106Ω以上3×107Ω以下ある
    ことを特徴とする画像形成装置。
    (前記中間転写体の抵抗値は以下の測定法によって測定された抵抗値である。
    (1)前記中間転写体と金属ロール(φ30)を両者の軸が平行になるように線圧40g/cmで当接させ、前記金属ロールの上流側に直流電源をつなぎ、前記中間転写体の下流側に抵抗器及び前記抵抗器の両端の電位差Vrを読むための電位差計をつなぐ(前記中間転写体がベルト形状のものである場合は、前記中間転写体にアルミニウム製円筒状ローラを圧入してシリンダー形状とし、前記抵抗器は前記アルミニウム製円筒状ローラにつなぐ。)。
    (2)前記金属ロールを駆動回転し、これに従動する前記中間転写体の回転数が2〜20rpmでありかつ画像出力時の回転数と同じになるように調節する。
    (3)前記直流電源から+1000Vを回路に印加し、前記抵抗器の両端の電位差Vrを前記電位差計にて読む。
    (4)得られた電位差Vrから回路に流れる電流値Iを求め、電流値Iを印加電圧(+1000V)で除した値を前記中間転写体の抵抗値とする。)
  2. 前記中間転写体が導電性剛体ローラ上に前記弾性層及び前記被覆層を設けてなるものである請求項1に記載画像形成装置。
  3. 前記中間転写体がベルト形状のものである請求項1に記載画像形成装置。
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