JP3761366B2 - 配線ダクト付き天板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テーブルなどの天板において、その天板上で使用するパソコン等のOA機器の電源用配線や通信用配線を収容するための配線ダクト付き天板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、デスク上で使用するパソコン等のOA機器の電源用配線や通信用配線を幕板の裏面側に設けた配線ダクトに収容することは行われているが、テーブルやカウンターにおいてはデスクにおけるような配線ダクトを具備したものは少ない。
【0003】
一般にテーブルは、オフィス用デスクのような幕板を具備したものはないため、天板上に引出される配線の収容機能を、幕板の裏面側に持たせる構造を採ることができないほか、その天板上で使用するOA機器用の配線を、例えば床から立上げそのコンセントを天板の上に配置する場合、立上った配線がむき出しになってテーブルの周囲から見えてしまい、見映えが良くないという問題がある。
【0004】
このような点に鑑み、従来、テーブルで使用するOA機器の電源用コンセントや通信用コンセントを、支柱状やポール状などの独立した柱状部材に持たせた、コンセント付きポールとしてこれをテーブル脇などに立てて使用する形態が提案されている。
【0005】
しかし、コンセント付きポールを用いるにしてもテーブルの天板上の任意の位置で使用されるOA機器を、天板の周囲の一箇所に立設したポールのコンセントに接続すると、その接続までの配線が天板の上を這うこととなって見映えが良くないのみならず、その配線が天板上での作業の邪魔になるという難点が残る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のようなオフィス用テーブルにおける配線機能の現状に鑑み、その天板の上で使用するOA機器用の電源用配線、或は、通信用配線を容易になし得ることは勿論、見映えも優れた構造を付与した配線ダクト付き天板を提供することを、課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決することを目的としてなされたもので、その構成は、天板に形成した配線取出しのための開口部に対応した天板裏面に、略ボックス状をなす上面開放形の配線ダクトを設け、この配線ダクトの前後面立壁をその上部を中心に旋回可能に垂下支持させた開閉自在の蓋体に形成すると共に、該蓋体下辺と当該ダクト底壁の間にスリットを形成したことを特徴とするものである。
【0008】
本発明は、上記構成において、配線ダクトの蓋体を、ダクト本体に着脱自在に取付けることもある。また、前記蓋体は、その上位辺とダクト本体の間にスリットを形成してダクト本体に装着し、該スリットに、床から立上げて配線ダクトに引込まれた配線を隠蔽するための配線カバーを、その上部を係止することにより、当該カバーを前記ダクト本体に吊下支持させる。この場合において、配線カバーは、二つ割りタイプの筒体、或は、フレキシブルな筒体であることが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の天板の実施の形態例について、図に拠り説明する。図1は本発明配線ダクトと配線カバーを設けたテーブルの一例の正面図、図2は図1のテーブルの側面図、図3は配線ダクトの拡大側断面図、図4は配線ダクトの拡大正断面図、図5は配線ダクトに装着状態の配線カバーの拡大正面図、図6は図5の装着状態の側面図、図7は図5装着状態の平面図である。
【0010】
図1,図2は本発明配線ダクトと配線カバーを装設した天板を具備したテーブルで、1はこのテーブルの天板、2は前記天板1の裏面に配設した天板フレーム、3は前記天板1の裏面四隅に配設した4本の脚で、これらの各部材1〜3により一般的なテーブルの一例を構成する。
【0011】
本発明では、上記テーブルにおける天板1の略央部に長方形の開口部4を形成し、該開口部4に、コンセントを具備するか又は具備しない蓋5、及び/又は、蓋を兼用するコンセントボックス6を着脱自在に装着すると共に、当該開口部4に対応した天板1の裏面側に、この後に詳述する配線ダクト7を設けている。
【0012】
配線ダクト7は、図3,図4に例示する構成を具備したものである。即ち、図示した配線ダクト7は、開口部4の左右側端の係止部71aに垂下させて設けた左右のエンド部材71と、天板フレーム2に係止72aさせて前記エンド部材71の中程までの高さに垂下させて設けた前後の支持部材72と、左右のエンド部材71の下半側に、横向きに立設した支持ピン71bに、旋回可能に垂下支持させた立壁状の蓋体73と、左右のエンド部材71,71の下端部の間に架設した底板74とを主要部材として具備すると共に、これらの主要部材71〜74の関連構造によって、次の構成を具備している。
【0013】
前記の2枚のエンド部材71は、下半側に配線挿入用の穴71cが形成されていると共に、下部の内面側に前記蓋体73の閉鎖時のストッパ71dが設けられている。
【0014】
また、蓋体73は、その上面と支持部材72の下面との間と、下部内面と底壁外面との間に、夫々に配線を挿通できる程度の幅を有するスリット73aと73bとが形成されるように、その形状,大きさが整えられていると共に、支持ピン71bを中心に、図3に鎖線で示す形態で開閉自在である。なお、図示した例では、前記蓋材73における支持ピン71bの係止部に略L字状をなすピン導入用の切欠73cを形成し、この蓋体73を前記ピン71bから取外すことができるようにしているが、蓋体73を着脱自在とするか否かは任意である。
【0015】
前後で対面する2枚の支持部材72には、夫々の内面側72b,72bに、開口部4に装着される蓋又はコンセントボックス(いずれも図示せず)の支持部となる受け部材74が、図4の例では中央と両側の3箇所に設けられている。74aは中央の受け部材74を支持部材72,72の内側辺72b,72bに支持するための脚部材であり、以上により本発明における配線ダクト7の一例を構成する。
【0016】
本発明では、配線ダクト7を上述のように形成することにより、天板1の上で使用するパソコン等のOA機器に必要な電源用配線,通信用配線やそれらのコンセントなどを、上記天板1の開口部4から配線ダクト7の内部に投入したり、当該ダクト7から天板1の上に引出すことが自在にできる。また、配線ダクト7の蓋体73は、ほぼ配線ダクト7の長さと同じ幅を有しているので、配線のメンテナンスが極めて簡単に行える。更に、配線ダクト7は、その蓋体73を開けなくても、そのスリット73bから配線ダクト7の内,外に配線を通すことができ、しかも、このスリット73bの幅の任意の位置に垂らされた電源用配線や通信用配線を、スリット73bの任意の位置に夫々簡単にまとめることができる。
【0017】
配線ダクト7を上記の形態で使用するとき、床から立上げて、この配線ダクト7に収容される上記の各配線は、テーブルの天板1の下方に露見し周囲から見えているため、見苦しいのみならず、その配線にテーブル使用者などが足を引掛けたりすると思わぬ断線事故などを招くおそれもある。また、配線ボックス7から吊下された電源用配線と通信用配線が、何ら整理されることなく混在すると、ノイズの原因にもなるという問題がある。
【0018】
そこで本発明では、上記のような天板1の下方に立上り又は垂下した配線の問題に鑑み、配線ダクト7から床側に垂下され配線をカバーすることにより、床から立上って配線ダクトに入る配線の殆どが外部から隠蔽されるように形成した配線カバー8を用いるので、次に、この配線カバー8について図5〜図7により説明する。
【0019】
この配線カバー8は、ここでは配線ダクト7の略中央部位に、このダクト7を前後両面から抱持する形態とするため、略L状の内側断面形状を有する係止部81と、この係止部81に連続し前記ダクト7の下方において筒状に合体されるカバー本体部82とから成る筒体を二分割した形態の2つのカバー体Cを対面結合させて取付けている。
【0020】
上記において、2つの係止部81,81は、それぞれの内側の上端部に、配線ダクト7における前後の蓋体73,73の上部に形成したスリット73a,73aからダクト内に挿入されて、当該蓋体73,73の上側辺に係止される断面が横向きL字状をなす係止爪81a,81aを具備している。
【0021】
また、2つのカバー本体部82,82は、両本体部82,82の対向面を、図7に略示するように対向する接合面82a,82aに形成し、その面に、これら両本体部82,82の合体を確保するための磁石や面ファスナーなどによる係着手段82bを対面して具備していると共に、両カバー本体部82,82の内面中央部には、仕切壁82c,82cを対向して設けている。この仕切壁82cは、床から立上げられた配線を、例えば電源用と通信用に分けてカバーするためのものである。
【0022】
上記のような構成を具備した配線カバー8を用いることにより、床から立上げられて配線ダクト7の内部に導入,収容される電源用配線と通信用配線を、カバー本体Cが二つ割りタイプで、しかも、中央部に仕切壁82cを付与したことにより、分けてカバーすることができ、また、この状態の配線カバー8を、その係止部81の断面(側面)形状と係止爪81aによって、配線ダクト7と恰も一体製であるように当該ダクト7に装着できるという、利点が得られる。
【0023】
本発明において使用できる配線カバー8は、図に例示した形態のものに限られず、例えば、フレキシブルな管体による配線カバー(図示せず)を、配線ダクト7の底壁74にそのスリット73bにおいて係止させることにより、床から立上って前記ダクト7に導入される配線カバーをカバーして隠蔽することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は以上の通りであって、多人数で使用するテーブルの天板に、その上で使用される多数のパソコン等のOA機器に接続される配線を収容するための配線ダクトを、天板に形成した配線取出しのための開口部に対応した天板裏面に、略ボックス状をなす上面開放形の配線ダクトにより形成し、この配線ダクトの前後面立壁をその上部を中心に旋回可能に垂下支持させた開閉自在の蓋体に形成すると共に、該蓋体下辺と当該ダクト底壁の前後辺の間にスリットを設けたから、配線の出入れ作業やメンテナンスが簡単であり、天板上に使用するOA機器用の配線を、天板の上に乱雑に這い回すことなく、収容しておくことができる。
【0025】
また、本発明では、上記配線ダクトに床から立上げられて収容されるOA機器用の配線の立上り部分を外部から隠蔽するための配線カバーを、前記配線ダクトに支持させて設けたので、天板の上で使用されるOA機器用の配線を、天板の下面側には外部からは全くといってよい程見えないように処理することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明配線ダクトと配線カバーを設けたテーブルの一例の正面図。
【図2】 図1のテーブルの側面図。
【図3】 配線ダクトの拡大側断面図。
【図4】 配線ダクトの拡大正断面図。
【図5】 配線ダクトに装着状態の配線カバーの拡大正面図。
【図6】 図5の装着状態の側面図。
【図7】 図5の装着状態の平面図。
【符号の説明】
1 テーブルの天板
2 天板フレーム
3 脚
4 開口部
5 蓋
6 コンセントボックス
7 配線ダクト
71 エンド部材
71a 係止部
71b 支持ピン
71c 挿通用の穴
71d ストッパ
72 支持部材
73 立壁状の蓋体
73a,73b スリット
73c ピン導入用切欠
74 受け部材
8 配線カバー
81 係止部
81a 係止爪
82 カバー本体部

Claims (4)

  1. 天板に形成した配線取出しのための開口部に対応した天板裏面に、略ボックス状をなす上面開放形の配線ダクトを設け、この配線ダクトの前後面立壁をその上部を中心に旋回可能に垂下支持させた開閉自在の蓋体に形成すると共に、該蓋体下辺と当該ダクト底壁の間にスリットを形成したことを特徴とする配線ダクト付き天板。
  2. 配線ダクトは、配線挿入用の穴を有する左右のエンド部材に設けたピンに蓋体を旋回可能に垂下させ、当該蓋体下辺とダクト底壁との間にスリットを有する請求項1の配線ダクト付き天板。
  3. 配線ダクトの蓋体は、ダクト本体に着脱自在に取付けた請求項1又は2の配線ダクト付き天板。
  4. 蓋体は、その上位辺とダクト本体の間にスリットを形成してダクト本体に装着し、該スリットに、床から立上げて配線ダクトに引込まれた配線を隠蔽するための配線カバーを、その上部を係止することにより吊下支持させた請求項1〜3のいずれかの配線ダクト付き天板。
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