JP3761215B2 - 超電導磁石 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はMRI装置用超電導磁石の伝導体の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な冷凍機を付けたMRI装置としては、図14に示すような構成となっている。図14において、内部に主コイル2を包囲するクライオスタット3と同軸上に配置された第1の輻射シールド4及び第2の輻射シールド5を設け、真空容器6内に収納されている。また、真空容器6を総合的に包囲する磁気シールド7を装備し、高磁界をシールドしている。さらに、第1及び第2の輻射シールド4,5の外周囲側に位置する真空容器6に冷凍機1が取付けられると共に、その冷却部が軸方向に挿入され、この冷却部に第1及び第2の輻射シールド4,5を平網線伝導体8により接続してこれら輻射シールド4,5を冷却している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、冷凍機1と第1及び第2の輻射シールド4,5を結ぶ伝導体8は、熱伝導性が良いこと、フレキシブル性があること、さらに接触部の熱抵抗を極力小さくすることが重要である。
【0004】
従来、このような構成の超電導磁石において、平網線伝導体8は図15に示すように角筒状に形成された端子板8bの中空部に平網線8aの端部を挿入し、その端面をハンダ又はロー付け等にて端子板8bに接着するようにしている。
【0005】
しかし、このような構成の平網伝導体8では完全に平網線8aの中にハンダ材、ロー材が流れず、接触面積がとれなかった。
また、冷凍機1により効率良く第1及び第2の輻射シールド4,5を冷却するには平網線8aの断面積を大きくする必要があり、形状も大きくなり、フレキシブル性がなくなってしまう。しかも、平網線8aと端子板8bの接触抵抗が非常に大きくなってしまう。
【0006】
さらに、ハンダが毛細管現象で平網部に流れ、フレキシブル性を損なう等の欠点があった。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、冷凍機と輻射シールドとを結ぶ伝導体として、コンパクトで接触熱抵抗の少ない、且つフレキシブル性を持たせることができる超電導磁石を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような目的を達成するため、次のような伝導体を備えた超電導磁石とするものである。
請求項1乃至請求項3に対応する発明は、主コイルを包囲するクライオスタットと同軸上に配置された磁気シールドと輻射シールドを冷却する冷凍機を装備する超電導磁石において、前記冷凍機と輻射シールドを結ぶ伝導体を複数枚板厚方向に積層した銅箔又はアルミ箔、或いは銅箔及びアルミ箔にて構成し、この複数枚の銅箔又はアルミ箔、或いは銅箔及びアルミ箔端部の接続部前面を固着させる
【0008】
請求項4に対応する発明は、伝導体を複数枚のアルミ箔または銅箔を板厚方向に積層して構成し、且つこの伝導体の端部を端子板と一緒に拡散接合したものである。
請求項5に対応する発明は、伝導体を複数枚のアルミ箔または銅箔を板厚方向に積層して構成し、且つこの伝導体の端部を拡散接合で固着すると共に、この固着部と端子板を銀ロー付けしたものである。
【0009】
請求項6に対応する発明は、伝導体を複数枚のアルミ箔または銅箔を板厚方向に積層して構成し、且つこの伝導体の端部を複数本のリベットで固定して拡散接合で固着したものである。
請求項7に対応する発明は、主コイルを包囲するクライオスタットと同軸上に配置された磁気シールドと輻射シールドを冷却する冷凍機を装備する超電導磁石において、前記冷凍機と輻射シールドを結ぶ伝導体を複数枚の高純度アルミ箔を板厚方向に積層して構成し、この複数枚のアルミ箔の端部を固着させたものである。
【0010】
請求項8に対応する発明は、主コイルを包囲するクライオスタットとこのクライオスタットと同軸上に配置される磁気シールドを装備する超電導磁石において、高温側から低温側部間の熱侵入を低減する目的で前記クライオスタットの途中に設けられる輻射シールドと熱アンカ伝導体とを結ぶ伝導体を複数枚の高純度アルミ箔を板厚方向に積層して構成し、この複数枚のアルミ箔の端部を固着させたものである。
【0011】
請求項9に対応する発明は、主コイルを包囲するクライオスタットと、そのコイルに液体ヘリウムを供給する液体ヘリウムリザーバ及び前記クライオスタットと前記液体ヘリウムリザーバの外周部に配置された輻射シールドから構成される超電導磁石において、前記クライオスタット側の輻射シールドと前記液体ヘリウムリザーバ側輻射シールド間の伝熱に可撓性を有する伝導体を複数枚の高純度アルミ箔を板厚方向に積層して構成し、この複数枚のアルミ箔の端部を固着させたものである。
【0012】
請求項10に対応する発明は、請求項7乃至9の何れかの項に対応する発明の複数枚以上の高純度アルミ箔にて構成し、その端部を溶接又は接着して固着したものである。
【0013】
請求項11に対応する発明は、請求項7乃至9の何れかの項に対応する発明の伝導体を複数枚以上の高純度アルミ箔にて構成し、その端部を端子板と一緒に常温プレス圧着成形又は拡散接合にて固着したものである。
【0014】
【作用】
請求項1乃至3に対応する発明にあっては、伝導体を複数枚の銅箔又はアルミ箔、或いは銅箔及びアルミ箔にて構成しているので、密着性が増し接触抵抗が少なくなる。また、材料も銅箔、アルミ箔を用いているので、フレキシブル性があり、しかも熱伝導の良い材料を用いることにより熱特性の優れたものとなる。
【0015】
請求項4に対応する発明にあっては、複数枚のアルミ箔または銅箔にて構成された伝導体の端部を端子板と一緒に拡散接合で固着することにより、伝導体の密着性が高まり冷凍機より冷却する輻射シールドと伝導体の熱抵抗による温度差が減少し、冷却特性が向上する。
【0016】
請求項5に対応する発明にあっては、複数枚のアルミ箔または銅箔にて構成された伝導体の端部を拡散接合で固着すると共に、この固着部と端子板を銀ロー付けしたので、伝導体の任意形状の端子板にも使用することが可能となり、標準化の点でも有利である。
【0017】
請求項6に対応する発明にあっては、複数枚のアルミ箔または銅箔にて構成された伝導体の端部を複数本のリベットで固定することで接触熱抵抗は少なくなり、さらに拡散接合で固着しているので、接触熱抵抗を零にすることができる。
【0018】
請求項7乃至9に対応する発明にあっては、1枚以上の高純度アルミ箔を使用することにより、特に20K以下の温度下で熱伝導性が高くなし得る。
請求項10及び11に対応する発明にあっては、さらに1枚以上の高純度純アルミ箔の端部を直接溶接、接着、又は端子板と一緒に常温プレス圧着成形、拡散接合にて接合することにより、端部の接触抵抗も低減できる。また、高純度アルミは非常に柔らかい材料なので、可撓性もある。
【0019】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明による超電導磁石の第1の実施例を示すMRI装置の部分断面図であり、図2は図1に示す伝導体の拡大図である。なお、図14と同一部品には同一符号を付して説明する。
【0020】
図1において、内部に主コイル2を包囲するクライオスタット3と同軸上に配置された第1の輻射シールド4及び第2の輻射シールド5を設け、真空容器6内に収納されている。また、真空容器6を総合的に包囲する磁気シールド7を装備し、高磁界をシールドしている。さらに、第1及び第2の輻射シールド4,5の外周囲側に位置する真空容器6に冷凍機1が取付けられると共に、その冷却部が軸方向に挿入され、この冷却部に第1及び第2の輻射シールド4,5を伝導体9により接続してこれら輻射シールド4,5を冷却している。
【0021】
上記伝導体9は、その材質として図3に示す各種金属の中から熱伝導率の良いCu(RRR=200)(無酸化銅)を選定し、図2に示すように冷凍機の冷却部に接続される端子板9aの接続端面に形成された上下方向に開口する箱形の接続部9bに複数枚の銅箔9cの端部が挿入される。
【0022】
この接続部9bの開口部は、複数枚の銅箔9cの端部が挿入される大きさにしてあり、この接続部9bの開口部に挿入された複数枚の銅箔9cの端部は接続部9bの前面10を常温プレス圧着成形,又は真空中にてホットプレスで拡散接合して固着させる。この場合、フレキシブル性を持たせるため、銅箔9cの板厚を0.1mm〜0.2mmが望ましく、端子板9aの接続部9bの断面積と銅箔9cの断面積が等価になる必要がなく、熱負荷によって接続部9bの大きさ、銅箔9cの枚数を決定する。
【0023】
このような構成の伝導体9とすれば、銅箔9cと端子板9aの接続部9bはプレス圧着成形又は真空中にてホットプレスで拡散接合することにより密着性が良くなり、接触抵抗が少なくなる。また、0.1mm〜0.2mmの銅箔9cで構成してあるため、フレキシブル性が得られる。
【0024】
このように銅箔9cと端子板9aの接続部9bとをプレス密着成形したことにより、伝導体9の密着性が高まり、冷凍機1より冷却する第1及び第2の輻射シールド4,5と伝導体9の熱抵抗による温度差が減少し、冷却特性が向上する。
【0025】
また、真空中にてホットプレスで拡散接合することで銅箔9cと端子板9aとを完全に固着できるので、さらに特性が向上すると共に、接触熱抵抗は零になるので、製品バラツキも少なく、真空中で使用される超伝導磁石の場合には極めて大きな効果が得られる。
【0026】
さらに、伝導体9の材質を熱伝導率の良いものを選定しているため、冷却特性が安定し、且つ銅箔9cの厚さを0.1mm〜0.2mmとしているので、フレキシブル性が向上する。
【0027】
加えて、冷凍機1と第1及び第2の輻射シールド4,5間の温度をできるだけ小さくしようとする場合、伝導体9の断面積が従来の平網線と比較して容易にとれ、コンパクトな伝導体9が製作できる。
【0028】
図4は本発明による超電導磁石の第2の実施例における伝導体の拡大図を示すもので、図2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0029】
第2の実施例では、図4に示すように冷凍機の冷却部と輻射シールド間を接続する伝導体9として、端子板9aに形成された接続部9bの開口部に複数枚の銅箔9cの端部を挿入し、その接続部9bの前面10を常温でプレス圧着成形、又は真空中にてホットプレスで拡散接合して固着すると共に、接続部9bの上方開口面に存する複数枚の銅箔9cの端面を銀ロー付けする。
【0030】
このような構成の伝導体とすれば、端子板9aの上下方向に開口する箱形の接続部内に挿入された銅箔9cの端部を予め拡散接合し、その後ハンダ付け又はロー付けしているので、任意形状の端子板に対しても使用することができ、標準化の点でも有利となる。
【0031】
図5は本発明による超電導磁石の第3の実施例における伝導体の拡大図を示すもので、図2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0032】
第3の実施例では、図5に示すように冷凍機の冷却部と輻射シールド間を接続する伝導体9として、端子板9aに形成された接続部9bの開口部に複数枚の銅箔9cの端部を挿入してその接続部9bの前面10より複数本のリベット19を挿入して固定し、さらにプレス圧着、又は真空中にてホットプレスにて固着するものである。
【0033】
このような構成の伝導体とすれば、複数枚の銅箔9cの端部がリベット19により固定することにより、さらに大きな圧着効果が得られる。従って、接触熱抵抗が少なくなり、また拡散接合することにより接触熱抵抗をほぼ零になし得る。
【0034】
図6は本発明による超電導磁石の第4の実施例における伝導体の拡大図を示すもので、図2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0035】
第4の実施例においては、MRI装置の冷凍機と第1及び第2の輻射シールド4,5間に接続される伝導体11の材質として、図3に示す各種金属の中から熱伝導率の優れたAl(RRR=1000)(純アルミニウム)を選定し、図6に示すように冷凍機の冷却部に接続される端子板11aの接続端面に形成された上下方向に開口する箱形の接続部11bに複数枚のアルミニウム箔11cが挿入される。
【0036】
この接続部11bの開口部は、複数枚のアルミニウム箔11cの端部が挿入される大きさにしてあり、この接続部11bの開口部に挿入された複数枚のアルミニウム箔11cの端部は接続部11bの前面10を常温でプレス圧着成形、又は真空中にてホットプレスで拡散接合して固着させる。この場合、フレキシブル性を持たせるため、アルミニウム箔11cの板厚を0.1mm〜0.2mmが望ましく、端子板11aの接続部11bの断面積とアルミニウム箔11cの断面積が等価になる必要がなく、熱負荷によって接続部11bの大きさ、アルミニウム箔11cの枚数を決定する。
【0037】
このような構成の伝導体11とすれば、アルミニウム箔11cの端部と端子板11aはプレス圧着成形又は真空中にてホットプレスで拡散接合することにより密着性が良くなり、接触抵抗が少なくなる。また、0.1mm〜0.2mmのアルミニウム箔11cで構成してあるため、フレキシブル性が得られる。また冷却特性も熱伝導特性が良い分すぐれた冷却効率が向上する。
【0038】
従って、第4の実施例では伝導体11の材質を優れた熱伝導率のアルミニウム箔11cを選定しているので、非常に高い冷却効率となり、且つ冷凍機1と第1及び第2の輻射シールド4,5間の温度差を極力小さくする場合、前述した実施例の銅箔9cよりも少ない断面積で行うことができる。
【0039】
図7は本発明による超電導磁石の第5の実施例における伝導体の拡大図を示すもので、図2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0040】
第5の実施例においては、MRI装置の冷凍機と第1及び第2の輻射シールド4,5間に接続される伝導体13の材質として、図3に示す各種金属の中から熱伝導率の良いCu(RRR=200)(無酸化銅)と、熱伝導率の優れたAl(RRR=1000)(純アルミニウム)を選定し、図6に示すように端子板14にAl(RRR=1000)を用いて、冷凍機の冷却部に接続される端子板14の接続端面に形成された上下方向に開口する箱形の接続部14aに複数枚のアルミニウム箔15と銅箔16とが組合されて挿入され、接続部14aの前面10側からプレス圧着成形して密着性を持たせる。
【0041】
この場合、複数枚のアルミニウム箔15と銅箔16とを組合わせる場合、アルミニウム箔15が端子板14の端面側となるように銅箔16と組合わされる。
また、フレキシブル性を持たせるため、アルミニウム箔15、銅箔16の板厚は0.1mm〜0.2mmが望ましく、端子板14の断面積が等価になる必要がなく、熱負荷によって端子板14の大きさ、アルミニウム箔15、銅箔16の枚数を決定する。このときアルミニウム箔15、銅箔16の枚数は、設定温度条件で決定するので、どちらが多くなっても構わない。
【0042】
このような構成の伝導体13とすれば、図3に示す熱伝導率のグラフから分かるように温度によってアルミニウム箔15、銅箔16が伝熱に寄与する。即ち、アルミニウム箔15と銅箔16の組合せにおいて、50K以上で銅箔16、それ以下でアルミニウム箔15が有効となるので、非常に高い冷却効率特性となし得ると共に、フレキシブル性も発揮させることができる。
【0043】
なお、Cuにおいて、RRRの数値が大きいとコストが高くなるが、AlとCuを組合せることでより安価な伝熱板13を製造できる。
図8は本発明による超電導磁石の第6の実施例を示す部分断面図である。
【0044】
図8において、内部に主コイル22を包囲するクライオスタット23と同軸上に配置された第1の輻射シールド24及び第2の輻射シールド25を設け、真空容器26内に収納されている。また、第1及び第2の輻射シールド24,25の外周囲側に位置する真空容器26に冷凍機21が取付けられると共に、その冷却部が軸方向に挿入され、この冷却部に第1及び第2の輻射シールド24,25を図3に示す各種金属の中から選択された熱伝導率の高い高純度アルミ(RRR約1000以上)からなる伝導体27により接続してこれら輻射シールド24,25を冷却する。
【0045】
図9は本発明による超電導磁石の第7の実施例を示す部分断面図である。
図9において、内部に主コイル22を包囲するクライオスタット23と同軸上に配置された第1の輻射シールド24及び第2の輻射シールド25を設け、真空容器26内に収納されている。また、第1及び第2の輻射シールド24,25の外周囲に設けられた開口部を通して配設された熱アンカ伝導体としてのベロー34により、クライオスタット23が真空容器26に弾性支持され、このベロー34に第1及び第2の輻射シールド24,25の開口端を図3に示す各種金属の中から選択された熱伝導率の高い高純度アルミ(RRR約1000以上)からなる伝導体27により接続して高温側から低温側部間の熱侵入を低減する。
【0046】
図10は本発明による超電導磁石の第8の実施例を示す部分断面図である。
図10において、内部に主コイル22を包囲するクライオスタット23と、主コイル22に液体ヘリウムを供給する液体ヘリウムリザーバ28とを設けると共に、これらの間は連通管により接続され、これらクライオスタット23及び液体ヘリウムリザーバ28の外周囲部に配置された第1の輻射シールド24及び第2の輻射シールド25をそれぞれ設け、真空容器26内に収納されている。また、クライオスタット23側と液体ヘリウムリザーバ28側の第1の輻射シールド24及び第2の輻射シールド25相互間を図3に示す各種金属の中から選択された熱伝導率の高い高純度アルミ(RRR約1000以上)からなる伝導体27により接続して高温側から低温側部間の熱侵入を低減する。
【0047】
ここで、第6の実施例乃至第8の実施例において、伝導体27は図11に示すように高純度アルミ箔27aを1枚又は複数枚にし、端部をそのまま溶接するか、図12に示すように接着剤29により接着するようにしたものである。
【0048】
従って、このような高純度アルミ箔27aで、しかも端部をそのまま溶接又は接着してなる伝導体27を用いることにより、熱伝導性が向上することは勿論、端部の密着性が良くなり、熱接触抵抗が少なくなる。また箔厚は0.1〜0.3mmとすることにより可撓性も向上する。
【0049】
上記第6の実施例乃至第8の実施例で用いた伝導体27としては、複数枚の高純度アルミ箔27aの端部を溶接又は接着したが、図13に示すように複数枚の高純度アルミ箔27aの端部を箱状の端子板27bに挿入し、端子板27bと一緒に常温プレス圧着成形または拡散接合して密着させるようにした伝導体27を用いても前述同様の作用となる。
【0050】
このように第6の実施例乃至第8の実施例にあっては、冷凍機21と輻射シールド24,25とを結ぶ伝導体、熱アンカー伝導体及び輻射シールド間を結ぶ伝導体の材料として高純度アルミ箔27aを用いているので、特に20K以下の温度下での熱伝導性が大幅に向上し、しかも端部を直接溶接、接着、あるいは端子板27bと一緒に常温プレス圧着成形、又は拡散接合することにより、伝導体の両端の接触熱抵抗による温度差を減少させ、熱伝達特性が向上する。しかも、溶接と共に、接触熱抵抗は零になるので、製品のばらつきも少なく、信頼性が高い超電導磁石が得られる。
【0051】
さらに、高純度アルミ箔27aは非常に柔らかいため、可撓性も高く、一般に常温で組立てられる超電導磁石を低温に冷却したときの熱収縮も容易に吸収することができる。
【0052】
なお、本発明はMRI用超電動磁石のみならず、高エネルギ物理学等の研究に用いられる粒子検出器用超電導磁石に適用実施することができるものである。この場合、粒子検出器用超電導磁石において、粒子エネルギを測定するカロリーメータが電磁石の外部にあるような場合には、発生粒子が電磁石を透過した後でそのエネルギを測定するので、磁石内でのエネルギ損失を極力少なくする必要がある。このような場合においても、アルミは物質量が小さいため、非常に有利になる。
【0053】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)図3に示す熱伝導率の良いアルミニウム箔、銅箔を設定することにより、フレキシブル性は勿論のこと、伝導体の断面積が容易にとれるので、冷凍機からの輻射シールド間の熱伝導が良くなり、冷却効率が向上する。
(2)冷却効率をさらに高める場合、従来の平網線と比較して容易に冷却効率を高くとれ、またハンダ付けによる施工法は常温プレスまたは真空中にてホットプレスで拡散接合することで完全に固着できるので、さらに冷却効率特性が向上すると共に接触熱抵抗がほぼ零となり、製品のバラツキも少なくなる。さらに、アルミニウム箔、銅箔の端部を予め拡散接合し、その後ハンダ付け、ロー付けできるので、任意の形状の端子板にも使用でき、標準化の点でも有利になる。
(3)図3に示す熱伝導率の良いCu(RRR=2000)だけで伝導体を製作すると高価になるが、コストの安価なAl(RRR=1000)、Cu(RRR=2000)を選定して組合せることで、より安価になし得る。また、温度によりアルミニウム箔、銅箔が伝熱に寄与するため、非常に高い冷却効率特性を得ることができる。
【0054】
なお、冷凍機より輻射シールドを10K以下に冷却する場合には、高価なCu(RRR=2000)を選定するのが望ましい。
(4)図3に示す熱伝導率の高い高純度アルミ(RRR約1000以上)を選択することにより、特に20K以下の温度下での熱伝導性が大幅に良くなり、冷却効率が向上する。
(5)アルミ箔同士及びアルミ箔と端子板の両端を溶接又は拡散接合したものは完全に固着するので、さらに特性が向上すると共に、接触熱抵抗は零になるので、製品のばらつきも少なく、信頼性が大幅に向上する。
(6)材料に柔らかい高純度アルミを使用しているので可撓性があり、一般に常温で組立てられる超電導磁石を低温に冷却したときの熱収縮も容易に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超電導磁石の第1の実施例を示すMRI装置の部分断面図。
【図2】図1に示す伝導体の拡大図。
【図3】各種金属材料の熱伝導率を示す図。
【図4】本発明の第2の実施例における伝導体の拡大図。
【図5】本発明の第3の実施例における伝導体の拡大図。
【図6】本発明の第4の実施例における伝導体の拡大図。
【図7】本発明の第5の実施例における伝導体の拡大図。
【図8】本発明による超電導磁石の第6の実施例を示す部分断面図。
【図9】本発明による超電導磁石の第7の実施例を示す部分断面図。
【図10】本発明による超電導磁石の第8の実施例を示す部分断面図。
【図11】第6の実施例乃至第8の実施例で用いられる伝導体の拡大図。
【図12】第6の実施例乃至第8の実施例で用いられる異なる伝導体の拡大図。
【図13】第6の実施例乃至第8の実施例で用いられるさらに異なる伝導体の拡大図。
【図14】従来のMRI装置を示す部分断面図。
【図15】図14に示す伝導体の拡大図。
【符号の説明】
1,21……冷凍機、2,22……主コイル、3,23……クライオスタット、4,24……第1の輻射シールド、5,25……第2の輻射シールド,26……真空容器、7……磁気シールド、9,11,13,27……伝導体、9a,11a,21c……端子板、9b,11b,27……伝導体、9c……銅箔、11c……アルミニウム箔、14,27b……端子板、15,27a……アルミニウム箔、16……銅箔、19……リベット。

Claims (11)

  1. 主コイルを包囲するクライオスタットと同軸上に配置された磁気シールドと輻射シールドを冷却する冷凍機を装備する超電導磁石において、前記冷凍機と輻射シールドを結ぶ伝導体を複数枚板厚方向に積層した銅箔にて構成し、この複数枚の銅箔端部の接続部前面を固着させたことを特徴とする超電導磁石。
  2. 請求項1記載の超電導磁石において、伝導体を複数枚のアルミ箔で構成したことを特徴とする超電導磁石。
  3. 請求項1記載の超電導磁石において、複数枚の銅箔とアルミ箔で1つの伝導体を構成したことを特徴とする超電導磁石。
  4. 主コイルを包囲するクライオスタットと同軸上に配置された磁気シールドと輻射シールドを冷却する冷凍機を装備する超電導磁石において、伝導体を複数枚のアルミ箔または銅箔を板厚方向に積層して構成し、且つこの伝導体の端部を端子板と一緒に拡散接合で固着したことを特徴とする超電導磁石。
  5. 主コイルを包囲するクライオスタットと同軸上に配置された磁気シールドと輻射シールドを冷却する冷凍機を装備する超電導磁石において、伝導体を複数枚のアルミ箔または銅箔を板厚方向に積層して構成し、且つこの伝導体の端部を拡散接合で固着すると共に、この固着部と端子板を銀ロー付けしたことを特徴とする超電導磁石。
  6. 主コイルを包囲するクライオスタットと同軸上に配置された磁気シールドと輻射シールドを冷却する冷凍機を装備する超電導磁石において、伝導体を複数枚のアルミ箔または銅箔を板厚方向に積層して構成し、且つこの伝導体の端部を複数本のリベットで固定して拡散接合で固着したことを特徴とする超電導磁石。
  7. 主コイルを包囲するクライオスタットと同軸上に配置された磁気シールドと輻射シールドを冷却する冷凍機を装備する超電導磁石において、前記冷凍機と輻射シールドを結ぶ伝導体を複数枚の高純度アルミ箔を板厚方向に積層して構成し、この複数枚のアルミ箔の端部を固着させたことを特徴とする超電導磁石。
  8. 主コイルを包囲するクライオスタットとこのクライオスタットと同軸上に配置された磁気シールドを装備する超電導磁石において、高温側から低温側部間の熱侵入を低減する目的で前記クライオスタットの途中に設けられる輻射シールドと熱アンカ伝導体とを結ぶ伝導体を複数枚の高純度アルミ箔を板厚方向に積層して構成し、この複数枚のアルミ箔の端部を固着させたことを特徴とする超電導磁石。
  9. 主コイルを包囲するクライオスタットと、そのコイルに液体ヘリウムを供給する液体ヘリウムリザーバ及び前記クライオスタットと前記液体ヘリウムリザーバの外周部に配置された輻射シールドから構成される超電導磁石において、前記クライオスタット側の輻射シールドと前記液体ヘリウムリザーバ側輻射シールド間の伝熱に可撓性を有する伝導体を複数枚の高純度アルミ箔を板厚方向に積層して構成し、この複数枚のアルミ箔の端部を固着させたことを特徴とする超電導磁石。
  10. 複数枚以上の高純度アルミ箔にて構成された伝導体の端部を溶接又は接着して固着したことを特徴とする請求項7乃至9の何れかの項に記載の超電導磁石。
  11. 複数枚以上の高純度アルミ箔にて構成された伝導体の端部を端子板と一緒に常温プレス圧着成形又は拡散接合にて固着したことを特徴とする請求項7乃至9の何れかの項に記載の超電導磁石。
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