JP2981810B2 - 超電導コイル装置の電流リード - Google Patents

超電導コイル装置の電流リード

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JP2981810B2
JP2981810B2 JP5041761A JP4176193A JP2981810B2 JP 2981810 B2 JP2981810 B2 JP 2981810B2 JP 5041761 A JP5041761 A JP 5041761A JP 4176193 A JP4176193 A JP 4176193A JP 2981810 B2 JP2981810 B2 JP 2981810B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超電導コイル装置の電流
リードにかかるもので、とくに冷凍機により電流リード
を冷却する伝導冷却型超電導電流リードを用いた超電導
磁石装置において、温度300K付近の常温端子から温
度80ないし70Kの超電導電流リードの高温端子まで
の間を結ぶとともに、電流リード導体におけるジュール
発熱を低減し、超電導電流リードへの熱侵入量を減少可
能とした超電導コイル装置の電流リードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の伝導冷却型超電導磁石装置1につ
いて、図9にもとづき概説する。図9は、伝導冷却型超
電導磁石装置1の一部縦断面図であって、この伝導冷却
型超電導磁石装置1は、基台2と、真空容器(クライオ
スタット)3と、熱シールド板4と、超電導コイル5
と、正負極一対の高温超電導電流リード6と、蓄冷式冷
凍機7と、外部電源8とを有する。
【0003】真空容器3は、真空としたその内部に熱シ
ールド板4と、超電導コイル5と、高温超電導電流リー
ド6と、蓄冷式冷凍機7の第一段冷却ステージ7Aおよ
び第二段冷却ステージ7Bとを収容している。
【0004】熱シールド板4は、蓄冷式冷凍機7の第一
段冷却ステージ7Aに接触固定するとともに、その内部
の超電導コイル5および高温超電導電流リード6への熱
侵入を防止している。
【0005】超電導コイル5は、コイル巻き枠9に超電
導線材10を巻いたもので、その外周に外周冷却用銅ブ
ロック11を締め付けてある。
【0006】この外周冷却用銅ブロック11およびコイ
ル巻き枠9を蓄冷式冷凍機7の第二段冷却ステージ7B
に接触固定することにより、超電導線材10を効率的に
極低温まで冷却可能としてある。
【0007】高温超電導電流リード6は、その正負極一
対を設けてあり、高温側電極12と、リード本体である
電流リードバルク13と、低温側電極14とを有する。
【0008】なお高温超電導電流リード6ないし電流リ
ードバルク13は、ビスマス系、イットリウム系、タリ
ウム系などの酸化物高温超電導体材料によりこれを構成
することができる。
【0009】この高温超電導電流リード6は、銅製のワ
イヤなどからなる常電導電流リード15および常温端子
16を介して外部電源8に接続してあり、その高温側端
部(高温側電極12)を蓄冷式冷凍機7の第一段冷却ス
テージ7Aに、低温側端部(低温側電極14)を第二段
冷却ステージ7Bにそれぞれ電気的に絶縁されかつ熱的
に接続可能に取り付けてある。
【0010】蓄冷式冷凍機7は、GM冷凍機など任意の
冷凍機であって、その第一段冷却ステージ7Aは温度4
0Kから液体窒素温度77K付近まで冷却可能であり、
第二段冷却ステージ7Bは極低温4〜10Kまで冷却可
能としてある。
【0011】したがって、常電導電流リード15が真空
容器3の常温(300K)部分から蓄冷式冷凍機7の第
一段冷却ステージ7Aの温度(70K)付近までの範囲
での給電を行い、高温超電導電流リード6が第一段冷却
ステージ7Aの部分から第二段冷却ステージ7Bの温度
範囲での給電を行う。
【0012】高温超電導電流リード6が第一段冷却ステ
ージ7A温度以下において超電導状態を示すため、超電
導コイル5への通電状態においても高温超電導電流リー
ド6でのジュール熱の発生はない。
【0013】こうした構成の伝導冷却型超電導磁石装置
1において、外部電源8からの正極電流は最初に常温端
子16を経て、常電導電流リード15に導かれ、ついで
順次、高温超電導電流リード6(高温側電極12、電流
リードバルク13、低温側電極14)に導かれ、超電導
コイル5が励磁される。なお、負極電流は上述と逆のコ
ースで外部電源8まで戻る。
【0014】高温超電導電流リード6は、高温側電極1
2および低温側電極14と電流リードバルク13との電
気的接続状態、ならびに蓄冷式冷凍機7の第一段冷却ス
テージ7Aおよび第二段冷却ステージ7Bとの電気的非
接続状態を維持しながら、その電流リードバルク13が
第二段冷却ステージ7Bとの熱的接触状態を保持してい
る。
【0015】さらに、常電導電流リード15の外部電源
8側の温度は常温(300K)、高温側電極12側の温
度は第一段冷却ステージ7A温度(70K付近)であ
り、温度差による伝導熱侵入および通電発熱(ジュール
発熱)があるが、第一段冷却ステージ7Aにより熱吸収
される。
【0016】一方電流リードバルク13は、第一段冷却
ステージ7A温度(70K付近)に冷却されるので、そ
の超電導状態が確立されており、ジュール発熱はなく、
かつ電流リードバルク13の熱伝導率は銅の1/100
程度であり、両端の温度差によるわずかな侵入熱のみが
あるため、第二段冷却ステージ7Bの冷凍負荷は少なく
なる。
【0017】このように、超電導機器に電流を供給する
ための電流リードの一部に超電導体を用いたもののう
ち、蓄冷式冷凍機7を用いた伝導冷却型の高温超電導電
流リード6において、高温超電導電流リード6の高温端
子(高温側電極12)と、真空容器3外部への接続部と
なる常温端子16との間には、従来型では銅などの常電
導金属製の常電導電流リード15によって接続されてい
る。
【0018】この常電導電流リード15の形状は、その
材料の電気伝導度と熱伝導率とのふたつの物性値の組み
合わせによりこれを最適化する。
【0019】すなわち、常電導電流リード15における
熱伝導による熱侵入と、ジュール発熱による熱侵入との
和が最小になるように、その断面積と長さとの比を求め
るとともに、伝導冷却型超電導磁石装置1の大きさなど
から現実的な常電導電流リード15の長さを決定し、さ
らに断面積/長さの比からその断面積を決定する。
【0020】また、常電導電流リード15の長さを長く
取ることにより、非通電時の熱侵入を優先的に減らすこ
とも行われている。
【0021】こうした従来の常電導金属線を用いた常電
導電流リード15では、その電気伝導度と熱伝導率との
ふたつの物性値から通電時の最小熱侵入量は決定されて
しまうため、形状や構造の工夫によってもそれ以上の侵
入熱の低減は不可能であるという問題がある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
諸問題にかんがみなされたもので、とくに冷凍機により
電流リードを冷却する伝導冷却型超電導電流リードを用
いた超電導磁石装置において、温度300K付近の常温
端子から温度80ないし70Kの超電導電流リードの高
温端子までの間を結ぶ電流リード導体におけるジュール
発熱を低減し、超電導電流リードへの熱侵入量を減少可
能とした超電導コイル装置の電流リードを提供すること
を課題とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、電流
リードの導体として、超電導体材料と常電導金属材料を
組み合わせることに着目したもので、超電導コイルと、
外部電源と、これら超電導コイルおよび外部電源を電気
的に接続可能な電流リードと、上記超電導コイルと上記
外部電源との間に配置した冷凍機と、を有する超電導コ
イル装置において、上記冷凍機の常温部側と、該冷凍機
の第一段冷却ステージに接続した超電導電流リードとの
間までを接続する電流リードであって、電流リード導体
として、高温超電導体材料と、常電導金属材料とを一体
に組み合わせた複合導体を採用したことを特徴とする超
電導コイル装置の電流リードである。
【0024】上記常電導金属材料は、これを二種以上採
用することができ、あるいはこれを二種以上の金属の合
金とすることができる。
【0025】上記常電導金属材料により上記高温超電導
体材料を被覆することにより上記複合導体を構成するこ
とができる。
【0026】
【作用】本発明による超電導コイル装置の電流リードに
おいては、従来の常電導金属製電流リードから、酸化物
高温超電導体材料と常電導金属材料との複合導体に置き
換えたので、また酸化物超電導体の熱伝導度は、通常の
金属のそれに比較して非常に小さいので、電流リードを
介しての伝導による侵入熱量をほとんど増加させること
がないとともに、臨界温度以下において超電導状態を呈
する電流リードによってジュール発熱による侵入熱量を
低減することができる。
【0027】
【実施例】つぎに、本発明の一実施例による超電導コイ
ル装置の電流リード30を採用した電流リード20につ
いて、図1ないし図8にもとづき説明する。ただし、以
下の説明において、図9と同様の部分には同一符号を付
し、その詳述はこれを省略する。
【0028】図1は、超電導コイル装置の電流リード2
0の斜視図、図2は同、超電導コイル装置の電流リード
20の縦断面図であって、この超電導コイル装置の電流
リード20は、たとえば小型のギフォード・マクマホン
冷凍機などの冷凍機21と、従来の常温端子16に相当
する常温端子22と、第1の絶縁フランジ23と、第2
の絶縁フランジ24と、絶縁固定材25と、第1の接続
冷却板26と、第2の接続冷却板27と、第1の電流リ
ード本体28と、第2の電流リード本体29と、従来の
常電導電流リード15に相当する常電導電流リード30
とを有する。
【0029】冷凍機21は二段冷凍式であって、上部フ
ランジ21Aと、冷却温度80〜70Kの第一段冷却ス
テージ21Bと、冷却温度4〜20Kの第二段冷却ステ
ージ21Cとを有する。
【0030】図2に示すように、上部フランジ21Aと
前記真空容器3との間に第1の絶縁フランジ23を介
し、この冷凍機21を固定してある。
【0031】常温端子22、第1の接続冷却板26、お
よび第2の接続冷却板27は、銀、銅、アルミニウムな
どの良導体からこれを構成する。
【0032】常温端子22に接続した常電導電流リード
30を、第1の絶縁フランジ23の固定孔23Aに挿入
して固定する。
【0033】冷凍機21の第一段冷却ステージ21Bと
第1の接続冷却板26との間に、第2の絶縁フランジ2
4をはさんで固定する。
【0034】第1の電流リード本体28は、酸化物高温
超電導体材料などによる高温超電導体28Aと、銀、あ
るいは銀メッキした銅やアルミニウムなどの低抵抗体に
よるワイヤ状の良導体28Bとからこれを構成する。
【0035】この良導体28Bの上下両端部を第1の接
続冷却板26の固定孔26Aおよび第2の接続冷却板2
7の固定孔27Aにそれぞれ挿入してハンダ付けにより
固定する。
【0036】第2の電流リード本体29は、同じく酸化
物高温超電導体材料などによる高温超電導体29Aと、
銀、あるいは銀メッキした銅やアルミニウムなどの低抵
抗体によるワイヤ状の良導体29Bとからこれを構成し
てある。
【0037】上記冷凍機21の第二段冷却ステージ21
Cにおいて、絶縁固定材25の上部フランジ部25Aに
第2の接続冷却板27を固定するとともに第2の電流リ
ード本体29の良導体29Bの上下両端部を第2の接続
冷却板27の固定穴27Aおよび下部フランジ部25B
の固定孔25Cにそれぞれ挿入してハンダ付けにより固
定する。
【0038】第2の電流リード本体29の良導体29B
を、前記超電導コイル2に接続する。
【0039】第1の電流リード本体28あるいは第2の
電流リード本体29の構成は任意であり、その成型方法
としてはCIP(静水圧等方プレス)あるいは圧延処理
を行い、焼結法、部分溶融法、溶融法などにより高温超
電導体28A、29Aと良導体28B、29Bとをそれ
ぞれ一体成型する。
【0040】なお、第1の電流リード本体28の良導体
28Aおよび第2の電流リード本体29の良導体29A
の、第1の接続冷却板26、第2の接続冷却板27およ
び絶縁固定材25への接続部分には、それぞれたるみを
持たせてある。
【0041】同様に、第1の絶縁フランジ23と第2の
絶縁フランジ24との間の常電導電流リード30の部分
にもたるみを持たせてある。
【0042】本発明による常電導金属製の常電導電流リ
ード30は、温度300Kの常温端子22と、温度80
〜70Kの第1の接続冷却板26との間にこれを接続す
るもので、図3に示すように、外側を銀や銅などの常電
導金属材料からなる金属シース材31とし、内側を高温
超電導体材料(たとえば酸化物高温超電導体材料)から
なる酸化物高温超電導体32としたものである。
【0043】すなわち、常温端子22から、第1の電流
リード本体28の高温端子である第1の接続冷却板26
までの間の電流リードの導体として、酸化物高温超電導
体32と、この酸化物高温超電導体32を被覆する銀や
銅などの常電導金属材料あるいはこれらの合金による金
属シース材31とによる複合導体を採用するものであ
る。
【0044】この複合導体(常電導電流リード30)に
用いる超電導体としては、超電導電流リード(第1の電
流リード本体28および第2の電流リード本体29)に
用いている超電導材料と同じ種類のものでもよいが、超
電導電流リードの材料よりも臨界温度の高い他の超電導
材料がより望ましい。
【0045】また常電導金属材料としては、超電導材料
と複合化してもこの超電導材料と不要な化合物を作るな
どの反応を起こさないもので、なおかつ電気伝導度が高
く、熱伝導度が低いものが最適である。
【0046】たとえば、常電導金属材料を二種類以上用
いる場合には、内部の超電導体に接する部分とは反応性
がないとともに超電導体の特性を劣化させることのない
銀などを用い、その外層に電気的特性および熱的特性が
最適な銅などを用いることができる。
【0047】つぎに、当該常電導電流リードにおける超
電導材料と常電導金属材料との複合化の方法としては、
いくつかの方法がある。第一番目の方法はいわゆる金属
シース法であって、図4に示すように銀などの金属パイ
プ40の中に超電導粉末41を充填することにより丸型
線材42としたのち、図5に示すような引抜き型43を
用いた引抜き加工、あるいは図6に示すような圧延ロー
ル44を用いた圧延加工などの伸線加工を施してそれぞ
れ丸型金属シース超電導線材45あるいは偏平型金属シ
ース超電導線材46とし、さらにこうした金属シース超
電導線材45、46を、図7に示すような電気炉47内
において熱処理することにより、最終的に常電導電流リ
ード30とする
【0048】第二番目の方法は、図示を省略するが、粉
末焼結法や溶融凝固法などにより作成した超電導バルク
体の表面に、プラズマ溶射法などの方法によって常電導
金属材料を堆積させ、金属相を形成するものである。
【0049】第三番目の方法は、図示を省略するが、バ
ルク状の常電導金属材料の表面に、蒸着などの物理的気
相成長法や化学的気相成長法などによって超電導薄膜を
成長させたり、プラズマ溶射などによって超電導厚膜を
形成するものである。
【0050】上述のような各種の方法を用いて、常電導
金属材料と超電導材料とが電気的および熱的にともに良
好に接続されていれば足りるものである。
【0051】こうした構成の常電導電流リード30を備
えた超電導コイル装置の電流リード20においては、冷
凍機21を起動すると、第一段冷却ステージ21Bが温
度80K以下となり、第二段冷却ステージ21Cが温度
20K以下となって、第1の電流リード本体28および
第2の電流リード本体29をその臨界温度以下に冷却す
るとともに、それぞれ一段目のサーマルアンカーおよび
二段目のサーマルアンカーとして機能する。
【0052】前記外部電源8からの電流は、常温端子2
2、常電導電流リード30、第1の接続冷却板26、第
1の電流リード本体28、第2の接続冷却板27および
第2の電流リード本体29を介して前記超電導コイル5
に供給される。
【0053】このとき、常電導電流リード30は、これ
を酸化物高温超電導体材料からなる酸化物高温超電導体
32と、常電導金属材料からなる金属シース材31との
複合導体に置き換えたので、伝導による外部からの侵入
熱量をほとんど増加させることなく、ジュール発熱によ
る侵入熱量を低減することができる。
【0054】すなわち、酸化物高温超電導体材料の熱伝
導度は、通常の金属材料のそれに比較して非常に小さ
く、たとえば温度4.2K〜77Kにおける熱伝導度の
積分値で比較すると、ビスマス系で温度110Kにおい
て超電導状態となる超電導体材料のそれは、燐脱酸銅の
約50分の1、電解銅の約700分の1である。
【0055】したがって、金属単体で最適化された寸法
の導体に同じ断面積の超電導体材料を加えた形状の複合
導体としても、その複合導体の熱伝導の積分値は金属単
体のときより、燐脱酸銅で2%、電解銅では0.14%
の増加にしかならない。
【0056】そして、この複合導体を流れる電流は、超
電導体の臨界温度以下の部分では、それぞれの温度にお
ける臨界電流密度に応じた大きさの電流が超電導体に流
れるので、その部分ではジュール発熱がなくなり、常電
導金属材料のみの導体のときに比較して超電導電流リー
ド(第1の電流リード本体28)の高温側端子への熱侵
入量は少なくなる。
【0057】具体的には、図8に示すように、温度30
0Kから200Kをすぎて110Kの臨界温度までは電
流は常電導体である金属シース材31側を通るが、11
0Kをすぎて70Kまでは超電導状態の酸化物高温超電
導体32側を通過するため、この部分でのジュール発熱
を抑えることができ、全体としてジュール発熱量を抑制
することができる。
【0058】なお、酸化物高温超電導体32が万一クエ
ンチ状態となってこの部分に電流が流れなくなっても、
酸化物高温超電導体32に一体成形した金属シース材3
1部分に電流がバイパスし、電流リードとしての機能を
保持しておくことができる。
【0059】さらに、超電導状態の第1の電流リード本
体28および第2の電流リード本体29には通電の抵抗
がないのでジュール発熱がなく、かつ第1の電流リード
本体28および第2の電流リード本体29は熱伝導度が
小さいので、前記超電導コイル5部分への侵入熱を小さ
く抑えることができる。
【0060】なお、高温超電導体28Aおよび高温超電
導体29Aとそれぞれ一体成形した良導体28Bおよび
良導体29Bが熱応力等を吸収するので、冷却時および
電磁力発生時に高温超電導体28Aおよび高温超電導体
29Aを破損することがない。
【0061】しかも、これら良導体28Bおよび良導体
29Bの上下接続両端部、および常電導電流リード30
の部分にたるみを持たせてあり、熱応力の吸収機能を向
上可能である。
【0062】高温超電導体28Aあるいは高温超電導体
29Aが万一クエンチ状態となってこの部分に電流が流
れなくなっても、高温超電導体28Aおよび高温超電導
体29Aとそれぞれ一体成形した良導体28Bおよび良
導体29B部分にに電流がバイパスし、電流リードとし
ての機能を保持しておくことができる。
【0063】第二段冷却ステージ21Cの温度20K付
近でも第1の電流リード本体28および第2の電流リー
ド本体29に同様に冷却を加えているので、超電導コイ
ル5側への侵入熱がより小さいものである。
【0064】さらには、冷凍機21に常温端子22、常
電導電流リード30、第1の絶縁フランジ23、第2の
絶縁フランジ24と、絶縁固定材25、第1の接続冷却
板26、第2の接続冷却板27、第1の電流リード本体
28、および第2の電流リード本体29を取り付ける構
造としたので、冷凍機21を芯として正極および負極を
一体としたコンパクトで使いやすい超電導コイル装置の
電流リード20とすることができる。
【0065】また、上述のような常電導電流リード3
0、高温超電導体28Aおよび高温超電導体29Aを用
いているので、外部からの侵入熱を小さくすることがで
きるとともに、
【0066】第1の接続冷却板26および第2の接続冷
却板27を介して第1の電流リード本体28および第2
の電流リード本体29を取り付けたので、これら電流リ
ード本体28、29の機械的補強機構を確保することが
可能である。
【0067】なお、上述の実施例による超電導コイル装
置の電流リード20においては、冷凍機21の冷却温度
80Kの第一段冷却ステージ21Bによる一段目のサー
マルアンカー、および冷却温度20Kの第二段冷却ステ
ージ21Cによる二段目のサーマルアンカーを設けた
が、この二段目のサーマルアンカーを省略することもで
きる。
【0068】また、電流リード本体として用いる高温超
電導体の数は、必要な電流に応じて任意に選定するもの
とする。
【0069】なお、図9に示した従来の伝導冷却型超電
導磁石装置1においても、常電導電流リード15のかわ
りに上述の実施例における常電導電流リード(複合導
体)30を使用することにより、本発明の所期の課題を
解決することができることはいうまでもない。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、伝導冷却
型超電導電流リードを用いた超電導磁石システムなどの
超電導コイル装置において、温度80〜70K付近の冷
凍機の第一段冷却ステージに接続した超電導電流リード
の高温側端子から常温端子までの間を結ぶ電流リード導
体として、高温超電導体材料と、一種類以上の常電導金
属材料あるいはこれらの合金との複合導体を用いたの
で、常電導金属材料のみの導体のときに比較して超電導
電流リードの高温端子への熱侵入量を少なくすることが
できる。
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による常電導電流リード30
を採用した超電導コイル装置の電流リード20の斜視図
である。
【図2】同、超電導コイル装置の電流リード20の縦断
面図である。
【図3】同、常電導電流リード電流リード30の斜視図
である。
【図4】同、金属パイプ40の中に超電導粉末41を充
填することによって丸型線材42とする説明図である。
【図5】同、引抜き型43を用いた引抜き加工を示す説
明図である。
【図6】同、圧延ロール44を用いた圧延加工を示す説
明図である。
【図7】同、電気炉47内における熱処理を示す説明図
である。
【図8】同、温度300Kから70Kまでの常電導電流
リード30の作用を説明するための断面説明図である。
【図9】従来の伝導冷却型超電導磁石装置1の一部縦断
面図である。
【符号の説明】
1 伝導冷却型超電導磁石装置 2 基台 3 真空容器(クライオスタット) 4 熱シールド板 5 超電導コイル 6 正負極一対の高温超電導電流リード 7 蓄冷式冷凍機 7A 蓄冷式冷凍機7の第一段冷却ステージ 7B 蓄冷式冷凍機7の第二段冷却ステージ 8 外部電源 9 コイル巻き枠 10 超電導線材 11 外周冷却用銅ブロック 12 高温超電導電流リード6の高温側端部(高温側電
極) 13 電流リードバルク 14 高温超電導電流リード6の低温側端部(低温側電
極) 15 常電導電流リード 16 常温端子 20 超電導コイル装置の電流リード 21 冷凍機(小型のギフォード・マクマホン冷凍機) 21A 冷凍機21の上部フランジ 21B 冷凍機21の第一段冷却ステージ 21C 冷凍機21の第二段冷却ステージ 22 常温端子 23 第1の絶縁フランジ 23A 第1の絶縁フランジ23の固定孔 24 第2の絶縁フランジ 25 絶縁固定材 25A 絶縁固定材25の上部フランジ部 25B 絶縁固定材25の下部フランジ部 25C 絶縁固定材25の固定孔 26 第1の接続冷却板 26A 第1の接続冷却板26の固定孔 27 第2の接続冷却板 27A 第2の接続冷却板27の固定穴 28 第1の電流リード本体(高温超電導体電流リー
ド) 28A 第1の電流リード本体28の高温超電導体 28B 第1の電流リード本体28の良導体 29 第2の電流リード本体(高温超電導体電流リー
ド) 29A 第2の電流リード本体29の高温超電導体 29B 第2の電流リード本体29の良導体 30 常電導電流リード(複合導体) 31 常電導金属材料からなる金属シース材 32 酸化物高温超電導体材料からなる酸化物高温超電
導体 40 金属パイプ 41 超電導粉末 42 丸型線材 43 引抜き型 44 圧延ロール 45 丸型金属シース超電導線材 46 偏平型金属シース超電導線材 47 電気炉

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導コイルと、 外部電源と、 これら超電導コイルおよび外部電源を電気的に接続可能
    な電流リードと、 前記超電導コイルと前記外部電源との間に配置するとと
    もに、高温側の第一段冷却ステージおよび低温側の第二
    段冷却ステージを備えた冷凍機と、を有する超電導コイ
    ル装置において、 前記冷凍機の常温部側と、該冷凍機の前記第一段冷却ス
    テージから前記超電導コイル側に接続した超電導電流リ
    ードとの間までを接続するとともに前記第一段冷却ステ
    ージに熱接触させる電流リードであって、 電流リード導体として、 高温超電導体材料と、常電導金属材料とを一体に組み合
    わせた複合導体を採用したことを特徴とする超電導コイ
    ル装置の電流リード。
  2. 【請求項2】 前記常電導金属材料は、二種以上の金
    属を採用したことを特徴とする請求項1記載の超電導コ
    イル装置の電流リード。
  3. 【請求項3】 前記常電導金属材料は、これを二種以
    上の金属の合金としたことを特徴とする請求項1記載の
    超電導コイル装置の電流リード。
  4. 【請求項4】 前記常電導金属材料により前記高温超
    電導体材料を被覆することにより前記複合導体を構成し
    たことを特徴とする超電導コイル装置の電流リード。
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