JP3783518B2 - 超電導線材の接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超電導マグネットシステムを構成する超電導線材及び超電導コイル、ならびにそれらの接続部に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化物超電導体を用いた実用的なマグネットシステムの構成としては、高価で取り扱いが難しい酸化物超電導体だけを用いるよりも、酸化物超電導体と、比較的安価で取り扱い性に優れた金属超電導体とを組み合わせて用いる方が、合理的な場合が多い。例えば、強磁場発生マグネットを同軸の多重円筒型コイルで構成し、経験磁場の低い外側に金属系超電導コイルを配置し、経験磁場の高い内側に酸化物系超電導コイルを配置する、といった方法である。このようなマグネットシステムにおいて、より少ない励磁用電源を用いて、よりシンプルなシステム構成とするためには、酸化物系超電導線材と金属系超電導線材の間の接続を行う必要がある。
【0003】
また、超電導マグネットに特徴的な運転方法として、永久電流モード運転がある。これは、超電導コイルの両端を短絡し、超電導体で作られた閉ループ回路に電流を流し続けることにより、電流値の変動を抑え、時間的な変動の極めて少ない磁場を得ることができる運転方法である。
【0004】
永久磁石で発生できる磁場の強度には限界があるため、NMR(核磁気共鳴スペクトロメータ)装置やMRI(磁気共鳴イメージング)装置等の、極めて高度な静磁場の発生と制御が要求されるマグネットシステムの高性能化には、超電導マグネットの永久電流モード運転は必要不可欠と言われている。またそれ以外の用途でも、エネルギーの損失が極めて少ない永久電流モード運転が、超電導マグネットの省エネルギー化を図る上で重要であることは言うまでもない。しかし、この永久電流モード運転のためには、一般に、永久電流スイッチ(PCS)が必要であり、酸化物系超電導コイルを用いる場合、この酸化物超電導コイルの線材両端と、PCSを構成する超電導線の両端とを接続し、超電導体から成る閉ループ回路を形成しなければならない。PCSは、必要に応じてその超電導状態を壊したり、回復させたりすることができる超電導体の素子であり、熱式PCSと呼ばれる、小型の超電導コイルに加熱用ヒータを巻き付けた構成のものが最も一般的に使われている。このような構成のPCSに一般的に用いられている線材は、
CuNi合金を母材に用いたNbTi線材などの金属系超電導線材であり、これを酸化物系超電導マグネットに用いる場合、酸化物超電導線材とNbTi線材の接続が必要となる。PCSを酸化物系超電導線材で作製すれば、異種線材間の接続は必要なくなるが、その場合は、上述の酸化物超電導体自身の熱的安定性ゆえに、スイッチを切るのに極めて大きな熱の投入が必要になるため、スイッチの応答速度が著しく低下し、無駄なエネルギーの損失を生じる上に、場合によってはマグネット自体の熱的安定性を低下させることにもなりかねず、あまりよい方法とは思われない。酸化物系超電導線材に適した銀または銀基合金が、高い導電性を持つことも、スイッチオフ時の素子抵抗を高くする妨げになるため、酸化物系線材でPCSを作製するのは、システム設計上からも好ましくない。
【0005】
超電導線の接続に関する従来技術には、以下のようなものがある。最も一般的な方法として、半田付け法がある。超電導線材表面の母材(安定化材)同士を半田付けする方法であり、作業が簡便なことや、異種超電導線材間の接続が可能なことなどの長所があるが、常電導体である母材や、半田材、さらには母材と半田材との界面層などを介した接続となるため、接続抵抗の低減には限界があり、永久電流モード運転を行う場合には、不向きな方法である。
【0006】
他の方法として、接続する線材端部において母材を取り除いて超電導体を露出させておき、機械的に圧着する、かしめ法がある。これは、比較的簡便な方法と言えるが、展性や延性を有する金属系超電導線材にのみ適用可能な方法であり、機械的にもろく、わずかな歪みによって容易に超電導性が損なわれる酸化物系超電導線材には適用できない。また、線材端部で超電導体(通常、実用超電導線材の超電導体コアは極細多芯フィラメント状になっていることが多い)を露出させると、フィラメントの表面が酸化して高抵抗層を形成するため、圧着の方法によって接続部の通電特性や安定性が左右されることも容易に考えられる。
【0007】
酸化物系超電導線材同士の接続方法としては、熱処理により接続部の超電導体同士を焼結して接続する焼結法が挙げられる。接続部の構成として、露出させた超電導体同士を接触させる方法(特開平5−234626号公報)や、バルク状の介在物(同種の超電導体またはその前駆体)を介して接続する方法(特開平1−175185号公報)などがあるが、いずれも同種の酸化物系超電導線材同士の接続を前提としたものであり、酸化雰囲気での焼結熱処理に耐えられない金属系超電導線材との接続には適用できない。また、この方法の場合、焼結熱処理前に線材を最終形状に成型しておかなければならず、熱処理される部分を構成する全ての部品に熱処理に耐える素材を用いる必要もあるため、製作プロセス上の制約が多いというデメリットもある。
【0008】
金属系超電導線材同士の接続に関しては、別の方法として、米国特許4907338や米国特許5690991に示されるように、接続する線材端部の母材を取り除いた状態で、この端部が超電導性を有する半田材中に埋め込まれた構成とすることにより接続する方法も考えられる。この場合、かしめ法のようにフィラメントを空気中に露出させて表面を酸化させることもなく、常電導体を介さない接続が可能となる。しかしながら、この方法を酸化物系超電導線材の接続に適用すると、以下のような問題が生じることになる。一つは、酸化物超電導線材においては、銀をはじめとするシース材が、熱的安定化材であると同時に、歪みにより劣化しやすい酸化物超電導体を機械的にサポートする強度メンバーでもあるため、そのシース材を除去することにより、超電導特性が大きく劣化する問題が生じることになる。例えば、金属系超電導線材同士の接続の場合のように、線材端部を半田材中に埋め込んだ後で、接続部の密着性を高めるために圧迫するような操作は不可能である。劣化は、接続処理の過程での機械的な損傷によっても、また接続処理後の熱歪みによっても起こりうるし、熱の良導体である銀や銀合金などの安定化材が取り除かれることによって安定性が大きく低下する、という形で生じる恐れもある。つまり、仮に母材を完全に取り除くことにより接続の抵抗を大幅に下げられたとしても、接続部における酸化物系超電導線材の臨界電流値が低下してしまえば、接続部全体としては通電電流容量が低下してしまうことになる。一般に、超電導体の電気抵抗は、電流値が臨界電流値を越えると指数関数的に増大するからである。また、金属系超電導体の場合に比べて酸化物系超電導体は、金属材料である半田材との濡れ性や密着性も悪いために界面における高抵抗層の生成や剥離が生じやすいという問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術を踏まえ、良好な通電特性を有する金属系超電導線材と酸化物系超電導線材の間の接続構造を提供することを目的としている。本発明が解決しようとする課題は、酸化物系超電導線材が持つ熱的安定性と信頼性を損なうことなく、金属系超電導線材との実用上問題のない低抵抗接続を実現することである。また、この課題を実現する上では、接続形成のために金属系超電導線材を劣化させるような焼結熱処理を行わないので、同様の手法により、酸化物系超電導線材同士の接続に関しても、焼結熱処理の要らない簡便な接続方法を提供できると考えられる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するべく検討を重ねた結果、以下の発明に至った。
【0011】
金属母材を有する超電導線材同士の接続部であって、少なくとも1つの線材を構成する超電導体が酸化物超電導体であり、超電導線材が半田材中に埋め込まれており、半田材内部において、酸化物超電導体が金属母材と接していることを特徴とする接続部である。接続部の半田材内部において、超電導体が酸化物超電導体である線材の金属母材は、酸化物超電導体をすべて取り囲んでいてもよいし、酸化物超電導体の一部に接し、酸化物超電導体の他の部分は半田材と接するようにしてもよい。
【0012】
また、半田材中において、超電導体の周囲に第三の超電導体またはその集合体が配置されていることを特徴とする接続部である。
【0013】
また、前記半田材が超電導性を有することを特徴とする接続部である。半田材は、超電導性を有するものであれば、いずれのものでも良いが、超電導状態においてより大きな臨界磁界、より大きな臨界電流密度、常電導状態においてより小さな比抵抗、より低い融点などを有するものが望ましい。例えば、Pb,Pb−Sn系合金,Pb−Bi系合金,Pb−Bi−Sn系合金,Pb−Bi−Tl系合金,Pb−Bi−Sn−Ag系合金,Bi−Ga系合金,Bi−In系合金,Bi−Sb系合金、等が挙げられる。
【0014】
この発明に係る酸化物超電導線材を構成する超電導体は、いずれのものでも良いが、例を挙げると以下のようなものがある。
化学式、
(Biy,Pb1-y)1.5-2.2Sr1.5-2.2Ca0.5-1.3Cu1.5-2.3O7-9,
(Biy,Pb1-y)1.5-2.2Sr1.5-2.2Ca1.5-2.3Cu2.5-3.3O9-11,
ここで、0.1≦y≦1.0、
LnBa2Cu3O6.5-7.2 、
ここで、LnはYもしくは希土類元素から選ばれた一種または複数の元素、
(Tl1-y1-y2-y3Pby1Biy2Hgy3)1.5-2.2
(Sr1-y4Bay4)1.5-2.2Cu0.5-1.3O5-7,
(Tl1-y1-y2-y3Pby1Biy2Hgy3)1.5-2.2
(Sr1-y4Bay4)1.5-2.2Ca0.5-1.3Cu1.5-2.3O7-9,
(Tl1-y1-y2-y3Pby1Biy2Hgy3)1.5-2.2
(Sr1-y4Bay4)1.5-2.2Ca1.5-2.3Cu2.5-3.3O9-11,
(Tl1-y1-y2-y3Pby1Biy2Hgy3)0.5-1.2
(Sr1-y4Bay4)1.5-2.2Cu0.5-1.3O4-6,
(Tl1-y1-y2-y3Pby1Biy2Hgy3)0.5-1.2
(Sr1-y4Bay4)1.5-2.2Ca0.5-1.3Cu1.5-2.3O6-8,
(Tl1-y1-y2-y3Pby1Biy2Hgy3)0.5-1.2
(Sr1-y4Bay4)1.5-2.2Ca1.5-2.3Cu2.5-3.3O8-10,
(Tl1-y1-y2-y3Pby1Biy2Hgy3)0.5-1.2
(Sr1-y4Bay4)1.5-2.2Ca2.5-3.2Cu3.5-4.3O10-12、
ここで、0≦y1≦0.9,
0≦y2≦0.1,
0≦y1≦0.5,
0≦y1+y2+y3≦1.0,
0≦y4≦1.0、
で表される組成の酸化物超電導体などである。
【0015】
本発明の接続部の構造を得る方法を、銀シース酸化物系超電導線材と、銅を母材とするNbTi極細多芯線材(NbTi/Cu線材)とを接続する場合を例に取り、以下に説明する。
【0016】
まず、NbTi/Cu線材の接続端部の母材(銅)を別の低融点金属で置換する。例えば、融点以上の温度に加熱して溶融したスズ浴に線材端部を浸して、銅母材を浴中に溶出させた後、線材を引き上げ、スズによる母材の置換を行う。さらにこの線材端部を、溶融したBi−Pb合金(半田材)浴中に浸し、スズを浴中に溶出させてから線材を引き上げ、Bi−Pb合金による母材の置換を行う。ここで2段階の処理を行うのは、Bi−Pb浴中に直接銅母材を浸しても銅母材が浴中に容易に溶け出さないためである。また、NbTi超電導線を被覆するスズや半田材の組成をできるだけ所望の組成に近づけるためには、用いる溶融金属浴の容量(体積)を、溶出させる母材の体積に比べて十分に大きくしておくことが望ましい。次に、この端部処理を施したNbTi線材と銀シース酸化物系超電導線材とを先端を揃えて束ねる。このとき、接続部外周を銅の細線等で結わえておくと良い。続いて、束ねた2本の超電導線材の端部をあらためて溶融したBi−Pb合金(半田材)浴中に浸し、一定時間保持した後引き上げ、接続部近傍の半田材を固化させて、本発明の接続構造を得ることができる。但し、ここで、半田浴の温度を必要以上に上げたり、保持時間を長くしすぎると、接続部内で酸化物系超電導体近傍の銀シース材が浴中に全て溶出してしまうため、本発明の接続構造を得ることができなくなるので、事前の検討によって、温度や時間の条件と銀シース材の溶出の程度の関係を把握しておく必要がある。なお、ここで、酸化物系超電導線材が丸断面形状を有していれば、両線材を束ねる際に、半田材で集合化されたNbTiフィラメントを予め扁平形状に成型しておいて、酸化物系超電導線材の外周に覆い被せるように沿わせると、より両線材の密着性を高めることができる。フィラメントを丸線材表面に覆い被せるように沿わせるためには、半田ごてや温風器を用いてNbTiフィラメントの周りの半田材を軟化または溶融させてやればよい。また、予め扁平形状に成型された銀シース酸化物系超電導線材を用いれば、NbTiフィラメントを扁平形状に成型しておくだけで、加熱しながら変形させて束ねるような操作をしなくても密着性良く束ねることが可能となる上に、最終的な半田処理の途中または直後に酸化物系超電導線の扁平面の上下から圧迫を加え、接続部の密着性を高めることも可能となる。さらに、このような扁平形状の銀シース酸化物系超電導線材を用いる場合、接続処理以前に、予め銀シース表面を研磨等によって薄肉化しておくことが容易となり、より低抵抗の接続が可能となる。このような手法は、比較的高い比抵抗を持った銀基合金シースの線材を用いる場合に、特に有効な方法である。
【0017】
また、上述の接続形成の例において、束ねた2本の超電導線材を半田浴に浸す前に、束ねた接続端の外周に、やはり同様の処理にて銅母材を半田材で置換しておいた別のNbTi線材、すなわち半田材で集合化されたNbTi線の集合体を被せておくことにより、請求項2に記載の接続構造を得ることができる。ここで、半田材で集合化されたNbTi線の代わりにNbTi箔などを用いても良いが、NbTiと半田材の密着性や接続端に被せる作業の容易性等を考慮すると、前者のNbTi線の集合体を用いる方が望ましいといえる。
【0018】
本発明の接続構造を、金属系超電導線材と酸化物系超電導線材との接続に適用すると、以下の作用が得られる。接続部において、金属系超電導体の周囲の金属母材を取り除き、酸化物系超電導体の近傍の母材のみ残した状態で接続部全体を半田材に埋め込んだ接続構造とすることにより、機械的な歪みに弱い酸化物超電導体の通電特性の劣化を生じさせず、熱的にも安定化し、半田材と酸化物超電導体の界面に高抵抗層や剥離といった抵抗成分を生成させることなく、抵抗成分の発生を最小限にとどめると同時に、接続される超電導線材の臨界電流値、またはその近傍までの大電流を安定して通電できる。そのため、安定性,信頼性に優れた接続部を得ることができる。
【0019】
また、本発明の接続部では、接続部を内包する半田材中において、互いに接続される超電導体の周囲に配置された第三の超電導体またはその集合体を介した電流パスが形成されるため、この第三の超電導体(またはその集合体)が存在しない場合に比べて、より低い接続抵抗が得られる。
【0020】
さらに、本発明の接続構造を酸化物系超電導線材同士の接続に適用した場合も、同様に良好な接続特性が得られるので、酸化物超電導体同士の接続形成のために焼結熱処理を行う方法に比べて、簡便で再現性の高い接続を得ることができる。
【0021】
酸化物系超電導線材のマグネット応用において、酸化物系超電導線材と金属系超電導線材を接続することは非常に重要な課題であり、当然のことながら、その接続抵抗はより小さい方が望ましい。但し、それは必ずしも零(=完全な超電導)である必要はなく、むしろ工学的には、微小な抵抗は発生していても、それがどれだけの電流値まで微小なままであるか、すなわち、通電電流容量がどれ程か、ということが問題となる場合が多い。それは以下のような理由による。
【0022】
永久電流モードにおける閉ループ回路が、単純なインダクタンス(L)とレジスタンス(R)からなる回路である場合、この永久電流ループ内のマグネットが捕捉する磁場の減衰は、次式(1)で表される。
【0023】
B(T)/B(T=0)=exp(T/τ) …式(1)
ここで、tは時刻、B(T)は時刻tにおける捕捉磁場、B(T=0)は時刻t=0における捕捉磁場、τは減衰の時定数をそれぞれ表し、τは次式(1)で与えられる。
【0024】
τ=L/R …式(2)
(1),(2)をまとめると次式(3)が得られるため、
B(T)/B(T=0)=exp(TR/L) …式(3)
捕捉磁場の減衰は、回路のRが小さいほど、または、Lが大きい程小さくなる。
【0025】
すなわち、より高い磁場の時間的安定度を得るためには、Rは小さく、Lは大きい方が良いことになる。しかし逆に言えば、マグネットシステムの要求するR、すなわち接続部の発生する抵抗値の許容値は、システムの要求する磁場安定度とマグネット全体のインダクタンスLによって変わってくることになり、必ずしも零(すなわち完全な超電導接続)でなくても良いということになるのである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を示す。
(実施例1)
図1は、本発明による金属系超電導線材と酸化物系超電導線材の接続断面構造の一例を模式的に示す図である。NbTi合金の超電導体1およびそれを取り囲む銅の金属母材4から成るNbTi/Cuの超電導線材6と、Bi2Sr2CaCu2Oxの超電導体2およびそれを取り囲む銀の金属母材5とから成るBi2Sr2CaCu2Ox/Agの超電導線材7との接続部において、超電導線材7が半田材3中に埋め込まれた構造を有し、半田材3内部で、酸化物超電導体2が全体的または部分的に金属母材5と接している。
【0027】
本実施例の接続部の特性を評価した。ここでは、両線材共に断面形状が円形のものを用い、NbTi/Cu線材およびBi2Sr2CaCu2Ox/Ag線材の外径は、各々0.8mmおよび1.8mmであった。また、Bi2Sr2CaCu2Ox/Agは、最終的な焼結熱処理を完了したものを用いた。両線材をそれぞれ150mmの長さに切り出した。
【0028】
まず、NbTi/Cu線材の片端30mmを、500℃のスズ浴中に20分間浸けた後、浴から取り出した。取り出した直後、スズが凝固する前にピンセットを用いて処理端を曲げてみることによって処理端の母材の銅が完全に浴中に溶出してNbTiフィラメントの周囲から除去されていることを確認した。さらに、
400℃のBi−Pb合金浴中に20分間浸し、引き上げた。引き上げた直後、同じくBi−Pb合金(半田材)が凝固する前にピンセットを用いて、処理端部のフィラメントを平たく成型した。また、ここで用いたBi−Pb合金の仕込み組成は、原子比でBi:Pb=3:7とした。
【0029】
次に、上記処理を施したNbTi線材とBi2Sr2CaCu2Ox/Ag線材を先端を揃えて束ね、接続端部側に銅の細線を巻き付けて線材端部同士を固定した。この接続端部を再び、400℃のBi−Pb合金浴中に1分間浸した後取り出し、超電導線材の端部がBi−Pb合金(半田材3)で覆われた接続部(接続試料A)を得た。比較材として、同じ超電導線材を用いて、同じ接続長(30mm)で、一般的な鉛スズ半田(60Pb−40Sn半田)を用いた半田接続試料(接続試料B)も作製した。
【0030】
得られた接続試料について接続抵抗を評価した。測定は一般的な直流四端子法を用いて、試料全体を液体ヘリウム中に浸漬して行った。本実施例の接続試料(A)の場合、500Aまでの通電で抵抗発生が認められず、電圧測定装置の感度から接続抵抗は、少なくとも5×10-10Ω 以下であることがわかった。500A以上の電流領域で、試料の電流−電圧特性が非線形の挙動を示したが、これは、用いたBi2Sr2CaCu2Ox/Ag線材の臨界電流値を越えたことによる抵抗発生に起因するものであり、本発明の接続部が、接続された線材の臨界電流付近の電流値まで、安定して電流を通電できる優れた特性を有することを示している。また、試料に1Tまでの外部磁場を印加しても同様の接続抵抗値が得られた。一方、一般的な半田付けによる比較試料(B)は、外部磁場なしの条件で2.3×10-9Ω、外部磁場0.1Tでは1.0×10-8Ωの抵抗値を示した。
(実施例2)
本実施例では、図2に模式的に示すような回路を製作し、NbTi/Cu線材からなるマグネット21と永久電流スイッチ22,Bi−2212/Ag線材からなる短絡線23,2ヶ所の本発明による接続部24および25から構成される閉ループ回路26について、永久電流モード運転を行い、接続部24および25の接続抵抗を詳細に評価した。図2に示した装置の構成を簡単に説明する。接続部や超電導コイルをはじめとする超電導部は、クライオスタット27中に納められ、液体ヘリウム28に浸されている。NbTi/Cu線材からなる超電導コイル21の口出し線29の両端は、短絡線23により短絡され、永久電流モード運転のための閉ループ回路26を形成している。口出し線29と短絡線23の接続部24,25には、本発明の接続構造が用いられている。口出し線29の片側は、無誘導巻きでコイル状に巻かれており、その周りにヒータ線30が巻き付けられて永久電流スイッチ22を形成している。また、口出し線29には、一対の電流リード31を介して、クライオスタット外部の励磁電源32が接続されている。マグネット21のコイル中心にはホール素子33が固定され、マグネット21の発生する磁場を計測できるようになっている。マグネット34は、接続部24,25に、所望の外部磁場を印加するためのマグネットであり、マグネット21と同様に、ヒータ線35が巻き付けられた永久電流スイッチ36を備え、一対の電流リード37を介して、クライオスタット外部の励磁電源38と接続されている。ヒータ電源39および40は、永久電流スイッチ22および36を加熱するためのヒータ電源である。マグネット21の運転と接続抵抗の評価の手順は以下の通りである。
【0031】
先ず、ヒータ30に通電し、永久電流スイッチ22を常電導転移させることにより、スイッチオフの状態にしておき、励磁電源32より所定の電流値まで直流電流を通電することにより、マグネット21を励磁する。次に、通電電流値を一定に保ったままヒータ30の通電をやめ、永久電流スイッチ22を超電導転移させてスイッチオンの状態にしてから励磁電源32による通電電流を零まで下げる。この時点で、閉ループ回路26は永久電流モードとなり、その後ホール素子33が検出する磁場の時間変化を観測することにより、回路全体のエネルギーロスを見積もることができる。回路を構成する超電導線材のエネルギーロスが十分に小さいとき、式(3)が成り立ち、磁場変化率(減衰率)B(T)/B(T=0)と時間変化t、ならびに回路のインダクタンスの値Lから、回路の全抵抗Rが求められる。この場合、抵抗成分は2ヶ所の接続部24および25のみによると考えられることから、本発明の接続部2ヶあたりの接続抵抗が見積もられる。この方法を用いることにより、実施例1で用いた直流四端子法に比べて数桁低い抵抗値まで評価することが可能となる。また、マグネット34を、同様の手順で永久電流モード運転することにより、接続部に所望の外部磁場を印加することも可能である。
【0032】
実施例1と同様の寸法および方法で接続部24,25を作製し、上記の方法にて接続抵抗を評価すると、接続1ヶ所あたり、5×10-11Ω (外部磁場0〜1T)であった。
(実施例3)
図3に本実施例の金属系超電導線材と酸化物系超電導線材の接続構造を示す。図4には接続部の長さ方向に垂直な断面図である。NbTi合金の超電導体51およびそれを取り囲む銅の金属母材54とから成るNbTi/Cuの超電導線材56と、Bi2Sr2CaCu2Oxの超電導体52とそれを取り囲む銀−マグネシウム合金の金属母材55とから成るBi2Sr2CaCu2Ox/Ag−Mg超電導線材57との接続部において、超電導線材57が半田材53中に埋め込まれた構造を有し、半田材53内部で、酸化物超電導体52が全体的または部分的に金属母材55と接している。超電導フィラメントの集合体58は、半田材53を介して、超電導線材56と超電導線材57とを取り囲むように配置されている。
【0033】
本実施例の接続部の特性を評価した。ここでは、NbTi/Cu超電導線材(超電導線材56)として、外径0.8mmの丸断面形状のものを用い、Bi2Sr2CaCu2Ox/Ag−Mg線材(超電導線材57)として、幅2.0mm,厚さ1.0mm の矩形断面形状のものを用いた。また、Bi2Sr2CaCu2Ox/Agは、最終的な焼結熱処理を完了したものを用いた。両線材をそれぞれ150mmの長さに切り出した。
【0034】
まず、NbTi/Cu線材の片端30mmを、500℃のスズ浴中に20分間浸けた後、浴から取り出した。取り出した直後、スズが凝固する前にピンセットを用いて処理端を曲げてみることによって処理端の母材の銅が完全に浴中に溶出してNbTiフィラメントの周囲から除去されていることを確認した。さらに、400℃のBi−Pb合金浴中に20分間浸し、引き上げた。引き上げた直後、同じくBi−Pb合金(半田材)が凝固する前にピンセットを用いて、処理端部のフィラメントを平たく成型した。ここで用いたBi−Pb合金の仕込み組成は、原子比でBi:Pb=3:7であった。
【0035】
また別に、外径2.0mm,長さ80mmのNbTi/Cu 極細多芯線材の端部50mmについて、上記NbTi/Cu超電導線材(超電導線材56)の場合と同様の端部処理を施した。処理端部は、同様に一旦平たく成型した後、断面が「コ」の字型になるように二つ折りにしておいた。但し、スズ浴処理とBi−Pb合金浴処理の時間は、それぞれ40分および60分とした。
【0036】
次に、上記処理を施したNbTi/Cu線材(超電導線材56)とBi2Sr2CaCu2Ox/Ag−Mg線材(超電導線材57)を先端を揃えて束ね、さらに接続端部の外周に、上記の「コ」の字型に成型した線材を包むように被せてから、Bi−Pb合金が溶融するまで温風で加熱しながら、外周に銅の細線を巻き付けて線材端部同士を固定した。固定後、外周に被せた線材の銅母材が残っている部分を切り落とした。この接続端部を再び、400℃のBi−Pb合金浴中に1分間浸した後取り出し、すぐにBi2Sr2CaCu2Ox/Ag−Mg線材(超電導線材57)の扁平面の上下をアルミナ板で圧迫し、超電導線材の端部がBi−Pb合金(半田材53)で覆われた扁平形状の接続部(接続試料C)を得た。
【0037】
また、比較のために、Bi2Sr2CaCu2Ox/Ag−Mg矩形線材の焼結熱処理の前にあらかじめ扁平面の母材表面を研磨することにより、母材外殻の厚さをおよそ1/3まで薄肉化しておいたもの(接続試料D)や、母材が純銀からなるBi2Sr2CaCu2Ox/Ag矩形線材を用いたもの(接続試料E)、接続試料Cと同様の方法で最後の400℃のBi−Pb合金浴中の処理のみ20分間に延長して行ったもの(接続試料F)などを同様の方法で作製した。
【0038】
得られた接続試料について、接続抵抗を評価した。測定は、実施例1と同様の方法で行った。本実施例の接続試料C,D,Eの場合、いずれも500Aまでの通電で抵抗発生が認められず、電圧測定装置の感度から接続抵抗は、少なくとも5×10-10Ω 以下であることがわかった。接続試料Fについては、接続抵抗値は、同じく5×10-10Ω 以下であったが、120A以上の電流値から電流−電圧特性が明らかな非線形の挙動を示し、接続部における電流容量が低下したことがわかった。この試料について接続部の断面を観察したところ、Bi2Sr2CaCu2Ox超電導体の周りの銀母材が確認できず、超電導体自身の変形や断線が確認された。長時間のBi−Pb処理によって超電導体を支える銀母材がなくなったことにより、接続部内のBi2Sr2CaCu2Ox超電導体の輸送電流特性が劣化したと考えられる。
【0039】
次に、実施例2に示した構成の回路を、接続試料C,D,Eと同様の線材、接続方法を用いて作製し、それぞれの試料を接続試料C′,D′およびE′とした。実施例2と同様の方法で接続抵抗を評価すると、各試料C′,D′およびE′の外部磁場=0Tにおける接続1ヶ所あたりの接続抵抗値は、それぞれ4×10-11Ω,1×10-11Ω、および1×10-11Ω 未満であった。本実施例および実施例2の結果から、本発明の接続部において、酸化物超電導線材を扁平形状にする、酸化物超電導体の外殻母材の厚さを薄くする、あるいは超電導体の周囲に第三の超電導体またはその集合体を配置することにより、さらに接続抵抗が低減されることがわかった。
【0040】
以上の実施例では、2本の超電導線を接続する場合を説明したが、3本以上を接続する場合にも有効である。
【0041】
【発明の効果】
本発明の接続構造を用いることにより、酸化物系超電導線材が持つ臨界電流特性,熱的安定性,信頼性などを損なうことなく、金属系超電導線材との実用上問題のない低抵抗で、かつ、用いる超電導線材の臨界電流値に比べて遜色のない高通電電流容量の接続部を実現することができる。また、これを用いることにより、金属系超電導線材を用いた永久電流スイッチを備える酸化物系超電導マグネットや、複数の金属系超電導コイルや酸化物系超電導コイルを組み合わせた複合超電導マグネットなどが、容易に製作できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の接続部の構成を示す図である。
【図2】実施例2の接続特性を評価するための装置構成を示す図である。
【図3】実施例3の接続部の構成を示す図である。
【図4】実施例3の接続部の長さ方向の断面図である。
【符号の説明】
1,2,51,52…超電導体、3,53…半田材、4,5,54,55…金属母材、6,7,56,57…超電導線材、21,34…超電導マグネット、22,36…永久電流スイッチ、23…Bi−2212/Ag短絡線、24,25…接続部、26…閉ループ回路、27…クライオスタット、28…液体ヘリウム、29…マグネット口出し線、30,35…ヒータ線、31,37…電流リード、32,38…励磁電源、33…ホール素子、39,40…ヒータ電源、58…超電導フィラメントの集合体。
Claims (1)
- 金属母材を有する金属系超電導線材と金属母材を有する酸化物系超電導線材との超電導線材の接続構造であって、接続される超電導線材が超電導性を有する半田材中に埋め込まれた構造を有し、前記半田材内部において、前記酸化物系超電導線材は全体的または部分的に前記金属母材を有し、前記半田材内部において、前記金属系超電導線材の処理端は前記金属母材が除去されていることを特徴とする超電導線材の接続構造。
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