以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の第1の実施例である画像形成システムの構成を示す図である。図1において、画像形成システムは、複写機Cと広告管理サーバSとがネットワークNに接続されて構成される。
複写機Cは、画像入力部1、ページメモリ2、広告機能選択部3を含む選択指示部CP、余白領域検出部4、画像合成部5、画像出力部6、通常複写カウンタ7a、広告複写カウンタ7b、制御部CT1及び通信部TR1とを有する。
画像入力部1は、プラテン上に載置された複写原稿の画像情報を電子データとして読み取る。ページメモリ2は、画像入力部1から読み取られた画像情報をページ単位で保持する。選択指示部CPは各種の選択指示を行うものであり、液晶ディスプレイ等で構成され、この選択指示部CP内には、広告機能選択部Cを有し、広告機能選択部Cは、画像入力部1で読み取った画像情報の余白領域に広告画像を付加情報として合成出力するか否かを選択する(広告機能の選択をする)ものである。余白領域検出部4は、画像入力部1が読み取った画像情報から余白領域の位置とサイズ(縦幅と横幅)とを検出する。画像合成部5は、画像入力部1で読み取った画像情報と広告管理サーバSから獲得する広告画像とを合成する。画像出力部6は、ページメモリ2に保持されているページ単位の画像情報あるいは画像合成部5で合成された画像情報を読み取り、紙等の出力媒体に印刷出力する。通常複写カウンタ7aは、画像出力部6において広告機能が選択されなかった複写出力枚数を計数する。広告複写カウンタ7bは、画像出力部6において広告機能が選択された複写出力枚数を計数する。通信部TR1は、ネットワークNを介した通信を行うための通信制御を行う。制御部CT1は、複写機Cの各構成部全体を制御する。
一方、広告管理サーバSは、広告画像保持部8、広告別画像使用回数カウンタ9、広告画像選択部10、画像変形部11、制御部CT2、及び通信部TR2を有している。
広告画像保持部8は、画像情報に合成出力される広告画像を保持しているとともに、この広告画像のサイズの情報を保持している。広告画像選択部10は、複写機Cから要求されたサイズをもとに求められる縦横比に最も近い広告画像を選択する。広告別画像使用回数カウンタ9は、後述する広告依頼主等のカテゴリー毎に管理されている広告画像セット毎の使用回数を計数する。画像変形部11は、必要な場合に、広告画像選択部10が選択した広告画像を要求されたサイズとするために拡大/縮小等の変形処理を行う。通信部TR2は、ネットワークNを介した通信を行うための通信制御を行う。制御部CT2は、広告管理サーバSの全体を制御する。
ここで、複写機Cの制御手順を図2のフローチャートを参照して説明する。図2において、まず選択指示部CPが、ユーザが指示した指定倍率や指定用紙サイズ、広告機能の選択指定等の設定とともに複写開始の指示を受け付けると、制御部CT1は、指定倍率と指定用紙サイズとから画像情報の読み取りサイズを算出し(ステップ101)、画像入力部1は、この読み取りサイズをもとに図示しないプラテン上に載置された原稿の画像を画像情報として読み取り、この画像情報をページメモリ2に転送する(ステップ102)。その後、制御部CT1は、広告機能の選択指定が指示されているか否かを判断する(ステップ103)。広告機能が選択指定されていない場合、通常複写カウンタ7aの値に「1」を加え(ステップ113)、ステップ110に移行する。一方、広告機能の選択指定されている場合、余白領域検出部4は、ページメモリ2に転送され保持されている画像情報から、最大の余白領域の検出を行う(ステップ104)。そして、制御部CT1は、ステップ104において、余白領域検出部4が余白領域を検出できたか否かを判断し(ステップ105)、余白領域が検出できなかった場合は、選択指示部CPの表示画面にエラー表示を行わせ(ステップ111)、通常複写カウンタの値に「1」を加えて(ステップ113)、ステップ110に移行する。一方、ステップ105で余白領域を検出できた場合、制御部CT1は、通信部TR1、ネットワークNを介して広告管理サーバSに、検出された余白領域に最適な幅及び高さを有する広告画像を獲得すべく、この検出された余白領域の幅及び高さの情報(横幅及び縦幅の情報)を通知する(ステップ106)。その後、制御部CT1は、一定時間内に広告管理サーバSから広告画像を獲得できたか否かを判断し(ステップ107)、広告画像を獲得できなかった場合は、選択指示部CPの表示画面にエラー表示を行わせ(ステップ112)、通常複写カウンタの値に「1」を加えて(ステップ111)、ステップ110に移行する。一方、ステップ107で、広告画像を獲得することができた場合、画像合成部5は、ページメモリ2に保持されている画像情報の余白領域に獲得した広告画像を合成する(ステップ108)。そして、広告複写カウンタ7bの値に「1」を加え(ステップ109)、画像出力部6は、ページメモリ2に保持されている画像情報を読み取り、指定用紙サイズの用紙に印刷出力する(ステップ110)。この場合における画像情報は、合成された広告画像を含む画像情報である。
このようにして、複写機Cは、広告機能選択部3の広告機能の選択指示あるいは余白領域検出部4による余白領域の検出に応じて、広告管理サーバSから最適な広告画像を入手し、この入手した広告画像を画像入力部1が読み取った画像情報に合成して印刷出力する。
また、広告機能の選択指示がない場合、複写機Cは、通常の複写処理を行い、複写枚数は通常複写カウンタ7aにより計数される。一方、広告機能の選択指示がある場合は、広告複写カウンタ7bが、広告画像が合成されて出力された複写枚数を計数する。なお、単なる複写枚数の計数のみならず、各種複写処理(カラー、指定用紙サイズ等)を含め、通常複写カウンタ7a及び広告複写カウンタ7bに対応する料金の計数するようにしてもよい。
次に、複写機Cの余白領域検出部4における余白領域検出手順の具体例を図3及び図4を参照して説明する。
図3は、指定用紙サイズがA4で解像度が300dpiの場合における余白領域検出部4の余白領域検出手順を示すフローチャートであり、図4は、余白領域検出部4の余白領域検出の位置及びその検出優先順序を示す図である。
図3及び図4において、余白領域検出部4は、ページメモリ2に保持されているA4サイズの画像情報の下端中央部に縦×横=600(ドット)×2400(ドット)の余白領域があるか否かを判断し(ステップ201)、この余白領域が存在する場合には、余白サイズ=(600×2400),余白位置=(40,600)として設定し(ステップ202)、ステップ221に移行する。
ステップ201の余白領域が検出されない場合は、画像情報の上端中央部に縦×横=600×2400の余白領域があるか否かを判断し(ステップ203)、この余白領域が存在する場合には、余白サイズ=(600×2400),余白位置=(40,3510)として設定し(ステップ204)、ステップ221に移行する。
ステップ203の余白領域が検出されない場合は、画像情報の左端中央部に縦×横=2400×600の余白領域があるか否かを判断し(ステップ205)、この余白領域が存在する場合には、余白サイズ=(2400×600),余白位置=(0,2400)として設定し(ステップ206)、ステップ221に移行する。
ステップ205の余白領域が検出されない場合は、画像情報の右端中央部に縦×横=2400×600の余白領域があるか否かを判断し(ステップ207)、この余白領域が存在する場合には、余白サイズ=(2400×600),余白位置=(1870,2440)として設定し(ステップ208)、ステップ221に移行する。
ステップ207の余白領域が検出されない場合は、画像情報の下端中央部に縦×横=1200×1200の余白領域があるか否かを判断し(ステップ209)、この余白領域が存在する場合には、余白サイズ=(1200×1200),余白位置=(640,600)として設定し(ステップ210)、ステップ221に移行する。
ステップ209の余白領域が検出されない場合は、画像情報の上端中央部に縦×横=1200×1200の余白領域があるか否かを判断し(ステップ211)、この余白領域が存在する場合には、余白サイズ=(1200×1200),余白位置=(640,3510)として設定し(ステップ212)、ステップ221に移行する。
ステップ211の余白領域が検出されない場合は、画像情報の左端中央部に縦×横=1200×1200の余白領域があるか否かを判断し(ステップ213)、この余白領域が存在する場合には、余白サイズ=(1200×1200),余白位置=(0,1840)として設定し(ステップ214)、ステップ221に移行する。
ステップ213の余白領域が検出されない場合は、画像情報の右端中央部に縦×横=1200×1200の余白領域があるか否かを判断し(ステップ215)、この余白領域が存在する場合には、余白サイズ=(1200×1200),余白位置=(1870,1840)として設定し(ステップ216)、ステップ221に移行する。
ステップ215の余白領域が検出されない場合は、画像情報の中央付近に縦×横=1200×1200の余白領域があるか否かを判断し(ステップ217)、この余白領域が存在する場合には、余白サイズ=(1200×1200),余白位置=(640,2100)として設定し(ステップ218)、ステップ221に移行する。
一方、ステップ217の余白領域が検出されない場合は、余白領域が検出されなかったことを示すため、余白サイズ=(0×0),余白位置=(0,0)に設定し(ステップ219)、ステップ221に移行する。
そして、ステップ221において、設定された余白サイズと余白位置とを制御部CT1に通知する。
すなわち、余白領域検出部4による余白領域の検出は、全ての画像情報内の領域を検索するのではなく、経験的に余白領域が多く存在する位置とそのサイズとを優先順位をつけて設定しておき、この優先順位の順序で設定された余白領域が存在するか否かを検出するようにしている。これにより、画像情報内の全ての領域から余白領域を検出するよりも、高速に所望の余白領域を検出することができる。
もちろん、余白領域検出部4が余白領域を高速に検索できる能力を有する場合には、対象の画像情報内の全て領域を検索して余白領域を検出するようにしてもよい。
図5は、選択指示部CPのコントロール・パネルを示す図であり、選択指示部CPのコントロール・パネルには、広告機能を選択するボタンB1を有している。この広告機能を選択し、他の所望の設定を行って、スタートボタンBを押下することにより、複写原稿の画像情報の余白領域に広告画像が合成されて印刷出力される。
次に、広告管理サーバSの制御手順について図6のフローチャートを参照して説明する。
図6において、広告管理サーバSが、複写機Cから広告画像の要求を受け付けると、広告画像選択部10は、広告画像保持部8に登録されている複数の広告画像セットから疑似乱数を用いて任意の広告画像セットを選択する(ステップ301)。この広告画像セットには、1つ以上の異なるサイズの広告画像が含まれている。ここで、広告画像選択部10は、広告画像セットが存在するか否かを判断し(ステップ302)、存在しない場合は、複写機Cに対して「画像検索エラー」を通知して(ステップ309)、本処理を終了する。
一方、広告画像セットが存在する場合は、選択した広告画像セット内の広告画像の中から、要求された幅(横幅)及び高さ(縦幅)をもとに、最も近い縦横比を有する広告画像を選択する(ステップ303)。そして、画像変形部11は、ステップ303で選択した広告画像を、要求された幅及び高さ以内で最大となるように拡大/縮小処理を行う(ステップ304)。その後、広告元別画像使用回数カウンタ9内における、使用した広告画像セットの使用回数カウンタの値に「1」を加え、制御部CT2は、拡大/縮小処理された広告画像を要求元である複写機CにネットワークNを介して転送する(ステップ306)。そして、広告元別画像使用回数カウンタ9を参照して、拡大/縮小処理されて転送された広告画像のもとになった広告画像を有する広告画像セットの広告画像使用数が終了予定数か否かを判断し(ステップ307)、終了予定数である場合は、この広告画像セットを広告画像保持部8から削除した(ステップ308)後、本処理を終了し、終了予定数でない場合はそのまま本処理を終了する。
図7は、広告画像保持部8に保持されている広告画像及び広告元別画像使用回数カウンタ9の構成を示す図である。
図7(a)は、広告画像保持部8の広告画像の保持構成を示しており、広告画像は、複数の広告画像セット#1〜#Nに分けられて保持されている。各広告画像セット#1〜#Nには、1以上の画像情報を有しており、この画像情報は、ビットマップデータの場合、縦ドット数と横ドット数、及びビットマップデータそのものが保持されている。また、画像情報がベクトルデータである場合、縦ドット数と横ドット数、及びベクトルデータそのものが保持されている。但し、ベクトルデータの場合、縦ドット数と横ドット数とは、単に基準となるベクトルデータの座標領域を示しているに過ぎず、実際には縦横比の情報としての意味を持つ。
ここで、広告画像選択部10による広告画像の選択処理(ステップ303)及び画像変形部11による拡大/縮小処理(ステップ304)について説明する。
例えば、複写機Cから要求画像サイズ=(600×2400)の広告画像の要求があった場合、広告画像選択部10は、任意の広告画像セット、例えば図7に示す広告画像セット#2を選択する。この場合、広告画像セット#2には、画像サイズ=(600×2400)の画像#1、画像サイズ=(2400×600)の画像#2、及び画像サイズ=(1200×1200)の画像#3を有している。従って、広告画像選択部10は、画像#1〜#3の中から、要求画像サイズの縦横比=1/4に最も近い画像#1(縦横比=1/4)を選択する。この場合、画像サイズが一致しているので、画像変形部11による拡大/縮小処理は行われない。
一方、選択された広告画像セット内の3つの画像の画像サイズが、例えばそれぞれ(2000×500)、(500×500)、(500×2000)であった場合には、要求画像サイズの縦横比=1/4に最も近い縦横比=1/4を持つ画像サイズ=(500×2000)が選択される。この場合、広告画像セット内の選択された画像サイズは、要求画像サイズの5/6の大きさであるため、画像変形部11によって、選択された画像を1.2倍に拡大する処理を行う。
また、選択された広告画像セット内の3つの画像の画像サイズが、例えばそれぞれ(1800×500)、(500×500)、(500×1800)であった場合には、要求画像サイズの縦横比=1/4に最も近い縦横比=5/18を持つ画像サイズ=(500×1800)が選択される。この場合、要求画像サイズを越えない範囲で拡大処理される。すなわち、選択された画像を1.2倍した画像サイズ=(600×2160)を生成し、ビット「0」で埋められたサイズ=(600×120)の空白情報を、該拡大された画像の左右両端に配置し、要求画像サイズに一致する画像を生成する。
なお、図7に示すように、余白領域検出部4が検出する余白サイズの種類に対応する画像を保持しておくことにより、画像変形部11による画像変形処理の必要はなくなり、複写機Cよる広告画像の獲得を高速に行うことができる。
また、ステップ301で疑似乱数を用いて広告画像セットを均等に選択するようにしているが、選択しているのは、広告画像セットは通常広告依頼主単位で設けられており、広告画像による広告を均等に行うためである。
図7(b)は、広告元別画像使用回数カウンタ9の構成を示したものであり、カウンタ9は、広告画像セット毎に計数処理される。各広告画像セット内には、使用回数と最大使用回数とが保持されており、使用された広告画像セットに対応して、使用回数の値が「1」加算され、その値が最大使用回数を越える場合、この広告画像セットに対応する広告画像保持部8内の広告画像セットが削除される。なお、最大使用回数とは、広告依頼主が依頼した広告回数の限度を示す値である。
また、ステップ301では疑似乱数を用いて広告画像セットを均等に選択するようにしているが、広告画像セットの使用回数の少ないものを優先的に選択して、広告画像を公平に配布するようにしてもよい。
図8は、複写機Cと広告管理サーバSとの間の通信手順を示す図である。図8に示すように、本画像形成システムは、通常、イーサネット(登録商標)等のネットワークNに複数の複写機C1,C2を接続し、1つの広告管理サーバSを用いるようにして構成される。
複写機C1,C2側から広告管理サーバSに広告画像を要求する場合、複写機C1,C2は、複写機C1,C2のネットワーク識別子とともに、余白サイズの情報を広告管理サーバSに送出する。これに対し、広告管理サーバSは、広告管理サーバSに接続される複写機の識別子を管理(ネットワーク識別子と同一の識別子として管理)しており、ネットワーク識別子をもとに要求元の複写機が正当な複写機か否かを判断し、正当な場合に、広告管理サーバSは、広告管理サーバSのネットワーク識別子とともに、広告画像のサイズ及びビットマップデータ(画像情報)を要求元の複写機に送出する。そして、要求元の複写機は、ネットワーク識別子をもとに広告管理サーバが正当なものか否かを判断し、正当なものである場合に、送出された情報を受け付ける。
このようにして、複写機C1,C2及び広告管理サーバSは、ネットワーク識別子を用いて相互の正当性を確認しつつ広告画像の転送処理を行う。この結果、広告管理サーバS内のカウンタの不正なカウントアップや、複写機内のカウンタの不正なカウントアップを防止することができる。
この場合、複写機側は、ビット数をもとに広告画像のサイズを要求し、広告管理サーバから転送されるデータもビットマップデータであるため、複数の複写機の解像度が異なっていてもよい。
なお、第1の実施例においては、ビットマップデータを転送するようにしているが、広告画像のデータ量が大である場合は、該ビットマップデータを圧縮して転送するようにしてもよいし、ページ記述言語を用いて表現された画像データとして転送するようにしてもよい。これにより、広告画像の転送にかかる時間が短縮される。
次に、第2の実施例について説明する。
図9は、第2の実施例による画像形成システムの構成を示す図であり、第1の実施例と異なる点は、複写機C2に広告画像を一時記憶する広告画像一時記憶部20を有し、広告管理サーバS2が、広告画像の予約情報を保持する予約情報部21を有していることである。
この構成により、第2の実施例の複写機C2は、広告画像を合成する度毎に、該広告画像の要求を広告管理サーバS2に要求することなく、広告画像一時記憶部20に一時記憶された広告画像を複写機内で獲得することができる。この結果、複写機C2は、安全かつ高速に所望の広告画像を獲得することができ、特に高速の複写機において、その効果は大きいとともに、ネットワークNにかかる負荷が軽減される。
図10は、第2の実施例における複写機C2の複写制御手順を示すフローチャートであり、図2に示す第1の実施例における複写機Cの複写制御手順におけるステップ106〜107の処理が異なる。このステップ106〜107の処理手順に対応する手順は、図10におけるステップ406〜409であり、以下このステップ406〜409の処理について説明する。
まず、余白領域検出部4が余白領域を検出できた場合(ステップ405)、この余白サイズに対応する広告画像を広告画像一時記憶部20から獲得する処理を行う(ステップ406)。ここで、広告画像を獲得できないと判断された場合は、選択指示部CPの表示画面にエラー表示を行い(ステップ414)、通常複写カウンタ7aの値に「1」を加算し(ステップ415)、画像出力部6はページメモリ2に保持されている画像情報をそのまま出力する(ステップ412)。
一方、ステップ407で余白サイズに対応する広告画像を獲得できると判断された場合、この広告画像を使用するために、この広告画像に予め設定されている予約番号を広告管理サーバS2に通知し、この広告画像の使用許可依頼を行う(ステップ408)。その後、広告管理サーバS2から、使用許可が通知されたか否かを判断し、使用許可が通知されない場合は、ステップ406に移行して上述した処理を繰り返す。一方、使用許可が通知された場合は、画像合成部5が、広告画像一時記憶部20から獲得した広告画像を、ページメモリ2に保持されている画像情報の余白領域に合成し(ステップ410)、広告複写カウンタ7bの値に「1」を加算し(ステップ411)、画像出力部6は、合成された画像情報を出力する(ステップ412)。
次に、図11を参照して、広告管理サーバS2における広告画像要求時の制御手順について説明する。この第2の実施例における広告画像要求時の制御手順には、第1の実施例における、直ちに使用する広告画像の要求に加えて、複写機C2が広告画像一時記憶部20に広告画像を保持するための要求がある点で第1の実施例と異なる。すなわち、図6のステップ305に対応する図11のステップ505〜507に示す制御手順が第1の実施例と異なり、以下、このステップ505〜507の制御手順について説明する。
図11のステップ505において、広告管理サーバS2の制御部CT2は、複写機C2からの広告画像の要求が、予約に関するもの、すなわち広告画像一時記憶部20に保持するための広告画像の要求か否かを判断する。この判断の結果、予約に関する広告画像の要求である場合は、予約情報部21に予約番号等の予約に関する情報を追加し(ステップ506)、要求された広告画像を要求元である複写機C2に転送する(ステップ508)。
一方、ステップ505において、広告画像の要求が予約に関するものでない場合、第1の実施例におけるステップ305と同様に、広告元別画像使用回数カウンタ9内において、選択された広告画像セットの使用回数の値を「1」加算し(ステップ507)、この要求された広告画像を要求元である複写機C2に転送する(ステップ508)。
このようにして、広告管理サーバS2が広告画像一時記憶部20に一時保持するための広告画像の要求を受け付けた場合、広告元別画像使用回数カウンタ9の値をカウントアップせずに、予約情報部21に予約に関する情報のみを追加して、要求された広告情報を複写機側に転送する。
そして、広告画像一時記憶部20に一時記憶された広告画像が複写機側で使用された場合に、広告元別画像使用回数カウンタ9がカウントアップされることになる。以下、複写機C2側が広告画像一時記憶部20に一時記憶されている広告画像を使用する場合の広告管理サーバS2の制御手順について説明する。
まず、図12を参照して、予約情報部21の構成について説明すると、予約情報部21は、広告画像一時記憶部20に転送された広告画像の予約番号、転送された広告画像が存在する広告画像セット番号、広告画像を予約した複写機の識別子である予約元複写機識別子、及び予約時刻で構成され、これらの項目によって、管理される。
次に、図13に示すフローチャートを参照して、複写機側から、広告画像一時記憶部20に一時記憶された広告画像の使用許可通知を受けた場合の広告管理サーバS2の処理手順を説明する。
図13において、広告管理サーバS2が、複写機C2から、使用する広告画像の予約番号と複写機識別子とを含む使用許可通知を受信すると、制御部CT2は、この予約番号を予約情報部21から検索し(ステップ601)、使用許可を求めた予約番号が存在するか否かを判断する(ステップ602)。予約番号が存在しない場合は、ステップ608に移行して、要求元である複写機に対して予約解除を示す「予約解除エラー」を通知して本処理を終了する。
一方、ステップ602で予約番号が存在する場合は、さらに、通知された複写機識別子が、予約情報部21内における予約番号に対応する複写機識別子と一致するか否かを判断し(ステップ603)、一致しない場合は、「予約解除エラー」を要求元の複写機に通知し(ステップ608)、本処理を終了する。
ステップ603で一致すると判断された場合、通知された予約番号に対応する広告画像セット番号を取り出し、この広告画像セット番号に対応する広告元別画像使用回数カウンタ9の使用回数の値を「1」加算し(ステップ604)、要求元の複写機に、使用許可を示す「連絡受信確認」を通知する(ステップ605)。その後、制御部CT2は、広告元別画像使用回数カウンタ9から、使用許可した広告画像の広告画像セットの最大使用回数を越えたか否かを判断し(ステップ606)、最大使用回数を越えた場合は、広告画像保持部8から対応する広告画像セットを削除して(ステップ607)、本処理を終了し、最大使用回数を越えない場合は、そのまま本処理を終了する。
このようにして、広告管理サーバS2は、複写機C2が、広告画像一時記憶部20に保持されている広告画像を使用する度に通知される使用許可通知に基づいて、広告画像の使用を管理する。
次に、図14を参照して、複写機C2と広告管理サーバS2との通信手順を複写機の使用者の操作を含めて説明する。
すなわち、複写機C2は、複写機使用者の操作とは無関係に、広告画像一時記憶部20に一時記憶すべき広告画像の要求を広告管理サーバS2に対して行い(S1)、広告管理サーバS2から、要求した広告情報を獲得しておく(S2)。
その後、複写機C2は、複写機使用者による広告機能を指示した複写指示を受け付ける(S3)と、複写機C2は、余白領域検出部4により検出した余白サイズに合致する広告画像を広告画像一時記憶部20から検索し(S4)、検索した広告画像の予約許可通知を広告管理サーバS2に通知し(S5)、この広告画像の合成処理を行っておく(S6)。これに対し、広告管理サーバS2は、通知された予約番号と複写機識別子とから、この予約許可通知の正当性を確認し(S7)、正当である場合、要求された広告画像の使用を許可する「連絡受信確認」を複写機C2に通知し(S8)、複写機C2は、合成処理された広告画像を出力する(S9)。
また、広告管理サーバS2から「予約解除エラー」の通知を受けた場合(S20)には、予約サイズに合致する広告画像を再検索した(S21)後、上述した処理を繰り返す。
さらに、複写機C2は、広告画像一時記憶部20に一時記憶する広告画像の獲得を行った後、定期的に例えば30分毎に、広告管理サーバS2に対し、予約した広告画像の正当性確認のための問い合わせを行う(S30)。これに対し、広告管理サーバS2は、問い合わせを受けた広告画像の正当性の再確認を行い、この結果を複写機C2に通知する(S31)。
この広告管理サーバS2における正当性の再確認とは、通知された予約番号の広告画像セットの属性、例えば最大使用回数等を調べ、使用回数が最大使用回数を越えているか否か、あるいは有効期限を過ぎていないか等を再確認する。この再確認の結果、使用回数が最大使用回数を越えていたり、有効期限を過ぎていた場合、複写機C2に対して予約解除を通知する。一方、予約解除を受けた複写機C2は、対応する広告画像を削除し、新たな広告画像の獲得を行う。なお、広告管理サーバS2は、複写機C2からの正当性の再確認の問い合わせを受けて、正当性を確認できた場合、この問い合わせを受けた時刻を予約時刻として更新する。
一方、広告管理サーバS2自体でも、定期的に予約情報部21に基づいて、予約の正当性を確認する。例えば、全ての予約時刻を確認し、予約時刻が現在時刻よりも1時間以上も前である場合等には、この予約番号を欠番にする。そして、広告管理サーバS2は、この欠番になった予約番号に対する複写機C2からの正当性の再確認の問い合わせ、あるいは予約許可通知を受けると、この複写機C2に対して予約解除を通知する。
このような広告管理サーバS2自体の正当性再確認により、例えば予約した広告画像を有する複写機が電源「断」となった場合でも、広告画像の管理を正しく行うことができる。
次に、第3の実施例について説明する。
図15は、第3の実施例である画像形成システムの構成を示す図であり、第3の実施例においては、第2の実施例の構成におけるページメモリ2を、このページメモリ2内にさらに出力画像保持部32を含めた構成のページメモリ2Cとした点が第2の実施例と異なる。すなわち、ページメモリ2Cは、第2の実施例におけるページメモリ2に相当する入力画像保持部30の他に、複数の出力画像保持部31を有している。
出力画像保持部31は、画像入力部1から入力された画像情報を複数部数出力する場合で広告機能が選択されている場合に、検出された画像情報の余白領域に異なる広告画像を合成した画像情報を保持するものである。
以下、図16に示すフローチャートを参照して複写機C3の制御手順について説明する。
図16において、ステップ701〜704までは、第2の実施例のステップ401〜404と同様の処理を行う。そして、ステップ705で、入力画像保持部30に保持されている画像情報に対する余白領域が検出されたか否かを判断する。余白領域が検出されない場合は、選択指示部CPにエラー表示させ(ステップ714)、ステップ713に移行し、余白領域が検出された場合、ステップ706〜709の処理を指定された複写部数分繰り返す。
すなわち、画像合成部5は、広告画像一時記憶部20に一時記憶され、広告管理サーバS3から使用許可通知を受けた広告画像を、入力画像保持部30に保持されている画像情報に合成し、その合成した画像情報を順次出力画像保持部31に格納する(ステップ707)。その後、広告複写カウンタ7bの値に「1」を加算する処理(ステップ708)を繰り返す。この場合、入力画像保持部30に保持されている画像情報は1つであり、この画像情報の余白領域の位置とサイズも1つに決定されている。また、出力画像保持部31に格納される合成された画像情報は、複写部数分である。従って、余白領域には、広告画像一時記憶部20に保持されている異なる複数の広告画像が、入力画像保持部30に保持されている1つの画像情報にそれぞれ複数部数分、合成され、出力画像保持部31に格納されることになる。
その後、有効出力画像数を複写部数の数値に設定し(ステップ710)、ステップ715に移行する。
一方、ステップ703で広告機能が選択されていない場合、入力画像保持部30に保持されている画像情報をそのまま出力画像保持部31に転送し(ステップ711)、通常複写カウンタ7aの値に「1」を加算し(ステップ713)、有効出力画像数を「1」に設定し(ステップ714)、ステップ715に移行する。
ステップ715〜717までの処理は、ステップ710あるいはステップ714で設定された有効出力画像数分の繰り返し処理が行われる。すなわち、画像出力部6は、出力画像保持部31に格納された画像情報を有効出力画像数分、順次取り出して印刷出力する(ステップ716)。
これにより、1回の原稿読み取りに対して、1回の余白領域検出を行い、複写部数分の広告画像の使用許可を受けて複数部数分の画像合成を行うようにしているので、効率的に、多くの広告画像を合成出力することができる。
しかも、第3の実施例においては、第2の実施例と同様に、広告画像一時記憶部20に予約した広告画像が格納されており、この格納された複数の広告画像の使用許可を広告管理サーバS3から受けるのみでよいため、複数の広告画像の転送時間が短縮されることから、複数の異なる広告画像を合成した複数部数分の画像情報を高速に出力することができる。
ここで、上述した第1の実施例から第3の実施例に共通する事項について説明する。
まず、広告管理サーバS,S2,S3に対する広告画像の登録について説明する。この広告画像の広告管理サーバへの登録処理は、ネットワークNを介した図示しない装置から広告管理サーバに対してアクセスすることによって行われる。この広告管理サーバに対するアクセスを行うためには、該装置において、該装置のネットワーク識別子とパスワードとを入力する必要がある。このネットワーク識別子とパスワードとが正当である場合に、図17、図18に示すような広告画像登録画面が、広告管理サーバとの通信処理において順次表示され、登録処理が実行される。
図17において、広告画像登録画面では、まず1から3のメニュー番号とその内容が表示される。メニュー番号1は広告画像の新規登録を示し、メニュー番号2は、既に登録してある広告画像の変更を示し、メニュー番号3は、広告画像登録処理の終了を示している。
ここで、メニュー番号1を選択して広告画像の新規登録を選択すると、登録すべき広告画像の幅、高さ、画像形式が順次表示される。ここでは、広告画像の幅=600ドット、高さ=2400ドット、画像形式=ビットマップと設定し、その後、設定したビットマップデータを広告管理サーバに転送する処理を行っている。この広告画像の転送処理が終了すると、広告画像の広告枚数を入力し、これに対する広告料金が表示されるとともに、この広告画像の識別子が通知される。ここでは、広告画像1枚の料金を10円と予め設定しているため、広告枚数1000枚に対して10000円の料金が表示される。そして、登録された広告画像の識別子を「PBB02274」と通知している。
この識別子の通知により、新規登録の処理は終了し、上述した初期メニューが再度表示される。
図18は、図17において既に登録した広告画像の変更時の広告画像登録画面を示し、上述したように、まず初期メニューが表示される。ここでは、登録した広告画像の変更処理を行うため、メニュー番号2が選択される。このメニュー番号2が選択されると、既に広告画像は登録されているため、変更処理すべき広告画像の識別子の入力を行う。そして、広告管理サーバからは、この識別子に対応する広告画像に関する情報が通知され表示される。図18においては、広告枚数の追加設定を行っている。その後、変更した広告画像に関する情報が再度表示され、初期メニューが表示される。
このようにして、広告枚数や、広告画像の更新を行うことができる。
次に、広告画像を合成する際の枠設定処理について説明する。
この枠設定処理とは、図4で示すように、読み取られた画像情報から検出される検出領域は、様々な位置があり、この位置に広告画像を単に合成すると、読み取られた画像情報の内容と混同してしまう可能性があるため、広告画像の領域に枠を設定し、読み取られた画像情報の内容との分離を図ろうとするものである。特に、画像情報の中央部分に余白領域を有する場合には、余白領域の4方向の全てに読み取られた画像情報の内容が表示出力されるため、混同し易いからである。
以下、図19から図21を参照して、具体的な枠設定処理について説明する。
図19においては、原稿画像の下端中央部に余白サイズ=600×2400の余白領域が検出された場合を示し、この余白サイズに対応する広告画像D1が選択されて合成画像が生成される。この場合、広告画像に枠は設定されない。
図20においては、原稿画像の左端中央部に余白サイズ=1200×1200の余白領域が検出された場合を示し、この余白サイズに対応する広告画像D2が選択されて合成画像が生成される。この場合も、広告画像に枠は設定されない。
図21においては、原稿画像の中央下端部に余白サイズ=1200×1200の余白領域が検出された場合を示し、この余白サイズに対応する広告画像D3が選択された合成画像が生成される。この場合、広告画像に枠が設定される。
すなわち、余白領域が中央下端部等に設定される場合は、原稿画像の内容と広告画像の内容との境界を識別しにくいため、積極的に広告画像である旨、あるいは広告画像の領域である旨を示すようにしている。これに対し、画像情報の端部に余白領域が検出された場合には、一般的に画像情報と広告画像との識別が容易であるため、枠を設定しない。
もちろん、全ての広告画像に対して枠を設定するようにしてもよいし、さらに枠の上端部に広告画像であることを示す「広告」なる文字を表示するようにしてもよい。
次に、第4の実施例について説明する。
第4の実施例では、読み取った画像情報の余白領域のサイズには限りあるため、第1から第3の実施例のように広告画像を直接に合成して出力するのではなく、広告すべき情報がある旨を示す簡単な広告画像(以下、紹介広告画像という)とこの紹介広告画像に関する詳細情報を示す識別子情報とを該余白領域に合成して出力し、その後、この識別子情報を用いて詳細情報を獲得することができるようにしたものである。
図22は、第4の実施例である画像形成システムの構成を示す図であり、複写機C4、広告管理サーバS4、及びクライアント装置CLがネットワークNに接続されて構成される。
複写機C4は、画像入力部41、ページメモリ42、識別子入力部43、余白領域検出部44、画像合成部45、画像出力部46、選択指示部CP4、制御部CT41、及び通信部TR41を有し、画像入力部41、ページメモリ42、余白領域検出部44、画像出力部46、選択指示部CP4、制御部CT41、通信部TR41は、第1の実施例と同様の構成である。
識別子入力部43は、バーコード・リーダであり、紹介広告画像とともに出力されたバーコードが示す識別子情報を読み取るものである。
画像合成部45は、バーコード・フォント45aを有し、紹介広告情報とともに出力する識別子情報を合成出力する際、バーコード・フォント45aをもとに、識別子情報をバーコード化する。
広告管理サーバS4は、広告画像登録部47、広告画像検索部48、広告画像保持部49、詳細情報保持部50、制御部CT42、及び通信部TR42を有している。
広告画像保持部49には、紹介広告画像が格納される。
詳細情報保持部50には、紹介広告画像の詳細情報が格納される。
広告画像登録部47は、紹介広告画像及びその詳細情報の登録処理を行う。
広告画像検索部48は、紹介広告画像及びその詳細情報の読み出しのための検索処理を行う。
制御部CT42は、広告管理サーバS4全体の制御を行い、通信部TR42は、広告管理サーバS4とネットワークNとの間の通信処理を行う。
ここで、図23〜図25を参照して、クライアント装置CLから紹介広告画像及びその詳細情報を広告管理サーバS4に登録する処理について説明する。
図23は、紹介広告画像及びその詳細情報の登録処理手順を示すフローチャートであり、まず広告管理サーバS4は、クライアント装置CLから紹介広告画像及びその属性を受け付け(ステップ801)、制御部CT42は、クライアント装置CLから詳細情報を登録要求があるか否かを判断する(ステップ802)。
詳細情報の登録要求がない場合、広告画像登録部47は、受け付けた紹介広告画像及びその属性を広告画像保持部49に格納し(ステップ806)、本登録処理を終了する。
一方、ステップ802で詳細情報の登録要求がある場合、広告画像登録部47は、クライアント装置CLからの詳細情報及びその属性を受け付け(ステップ803)、詳細情報検索用の識別子を決定する(ステップ804)。その後、この決定された識別子情報とともに詳細情報及びその属性を詳細情報保持部50に登録する(ステップ805)。さらに、紹介広告画像及びその属性を広告画像保持部49に格納し(ステップ806)、本登録処理を終了する。
ここで、図24は、広告画像保持部49内の属性テーブルの構成を示しており、この属性テーブルには、格納されている紹介広告画像の属性が保持される。
属性テーブルの属性項目は、一連の登録番号、データ形式、ページ数、データサイズ、データアドレス、及び識別子である。一連の登録番号は、登録される紹介広告画像を識別するためのものであり、登録する時点において、登録可能な番号の中で最も小さい番号が割り当てられる。この場合、番号ではなく、文字列等を用いて識別してもよい。データ形式は、登録される紹介広告画像のデータ形式を示し、バイナリ形式のビットマップやテキスト形式のページ記述言語等で示される。ページ数は、登録される紹介広告画像のページ数を示す。データサイズは、登録された紹介広告画像のデータサイズをバイト数で示す。データアドレスは、紹介広告画像が格納される先頭アドレスである。識別子は、詳細情報を有する場合の該詳細情報の識別子を示す。詳細情報を有しない場合は「0」と設定される。
図25は、詳細情報保持部50内の属性テーブルの構成を示しており、この属性テーブルの属性項目は、識別子、データ形式、ページ数、データサイズ、出力サイズ、出力方向、及びデータアドレスである。識別子は、上述したように格納される詳細情報を識別するためのものである。データ形式、ページ数、データサイズ、及びデータアドレスは、図24に示す内容と同様のものである。出力サイズは、詳細情報を出力する際の出力サイズ例えばA4サイズ等を示すものである。出力方向は、詳細情報の出力方向例えば、A4サイズを縦長方向に出力する場合は「Portrait」と示し、横長方向に出力する場合は「Landscape」と示す。
なお、紹介広告画像あるいは詳細情報が削除されると、これに対応する属性テーブルの内容も削除される。また、紹介広告画像が削除されると、同時にこれに対応する詳細情報も削除される。
次に、図26のフローチャートを参照して、複写機C4の出力処理について説明する。
図26において、画像入力部41が原稿画像の画像情報を読み込む(ステップ901)と、この画像情報はページメモリ42に保持される。そして、選択指示部CP4から広告機能の選択指示を受け付けると、余白領域検出部44は余白領域を検出し、制御部CT41は、通信部TR41を介して広告管理サーバから紹介広告画像を獲得する(ステップ902)。そして、獲得した紹介広告画像とともに詳細情報を示す識別子情報が含まれているか否かを判断し(ステップ903)、識別子情報が含まれている場合、画像合成部45は、バーコード・フォント45aを参照して、識別子情報に対応するバーコードを生成し、紹介広告画像とバーコードとを重複しないように合成する(ステップ904)。そして、この合成画像を読み込んだ画像情報の余白領域に合成する(ステップ905)。一方、識別子情報が含まれていない場合、画像合成部45は、紹介広告画像のみを、読み込んだ画像情報の余白領域に合成する(ステップ905)。
その後、画像合成部45により合成された画像情報は、画像出力部46から出力される(ステップ906)。
図28(a)には、紹介広告画像とバーコードとが、読み込んだ画像情報の余白領域に合成された一例が示されており、余白領域E4には、紹介広告画像D41とバーコードD42とが重複しないように合成され、さらに読み込んだ画像情報と合成されている。
ここで、図28(a)に示すような出力画像を獲得した複写機C4の利用者が、紹介広告画像D41に興味を持った場合、この利用者は、バーコードD42を用いて、詳細情報を獲得することになる。この場合の複写機C4による詳細情報獲得処理について図27のフローチャートを参照して説明する。
図27において、利用者が選択指示部CP4から識別子情報の入力を行う旨の指示を行って、バーコード・リーダである識別子入力部43がバーコードが示す識別子情報を読み込む(ステップ1001)と、制御部CT41は、広告管理サーバS4に対して、この識別子情報に対応する詳細情報の検索要求を行う。これに対し、広告管理サーバS4の広告画像検索部48は、要求された識別子情報に対応する詳細情報を検索し、検索結果を複写機C4に通知する。
複写機C4は、要求した詳細情報が存在する旨の通知を受けたか否かを判断し(ステップ1002)、詳細情報が存在しない場合は、その旨のメッセージ出力し(ステップ1007)、本処理を終了する。
一方、要求した詳細情報が存在する旨の通知を受けた場合、制御部CT41は、広告管理サーバS4から該当する詳細情報及びその属性情報を獲得する(ステップ1003)。そして、属性情報をもとに、詳細情報の画像を生成し(ステップ1004)、出力サイズの用紙を選択して(ステップ1005)、この選択した用紙に印刷出力し(ステップ1006)、本処理を終了する。
このようにして印刷出力された詳細情報の一例は、図28(b)に示すようなものであり、利用者の希望によって詳細情報を別途獲得することができる。
なお、複写機C4の利用者が詳細情報を獲得する場合、複写機C4から詳細情報の獲得要求を行うのではなく、クライアント装置CRから詳細情報の獲得要求を行ってもよい。この場合、クライアント装置CRは、識別子情報を読み込むことができる識別子入力手段及び詳細情報の出力先を指定する指定手段を具える必要がある。また、この場合、クライアント装置CRの表示装置そのものに詳細情報を出力するようにしてもよい。これによって、利用者は、詳細情報を獲得するために、利用した複写機C4が設置されている場所まで移動する必要がなくなる。
さらに、上述した第4の実施例においては、識別子情報をバーコード出力するようにし、識別子入力部43をバーコード・リーダとする構成としたが、これに限らず、識別子情報を文字列あるいは数字列によって表し、キー入力により識別子情報を入力するようにしてもよい。これにより、汎用のキーを利用することができ、柔軟性が高くなる。但し、バーコード入力を用いると、識別子情報の読み込み時間が短縮される。
次に、第5の実施例について説明する。
第1〜第4の実施例における広告画像は、複写機の利用者とは無関係にランダムに選択されるものであったが、第5の実施例においては、複写機が利用される時間帯によって広告すべき広告画像を利用者層に合わせ、広告依頼主にとって広告効果のある広告画像を合成出力しようとするものである。
図29は、第5の実施例である画像形成システムの構成を示す図である。第5の実施例では、第1の実施例の広告管理サーバSに分類部51を設けた点が異なるのみでその他の構成については、第1の実施例と同様である。
分類部51は、広告画像保持部8に格納されている広告画像と広告依頼主が希望する広告の時間帯との関係を保持しており、広告画像選択部10が広告画像を選択する場合に、分類部51が保持する関係を満足する広告画像が選択される。
図30は、分類部51が保持する、広告画像とこの広告画像が選択される時間帯との対応関係を示す図である。
図30において、分類部51は、予め1日の時間を4つの時間帯#1〜#4(00:00〜06:00,06:00〜12:00,12:00〜18:00,18:00〜24:00)に分割し、この分割した4つの時間帯に対して、広告画像が1以上の時間帯と結合する関係を有している。この時間帯との結合関係は、広告画像登録時に予め広告依頼主から要求された属性により決定される。例えば、広告画像#1は、時間帯#1と時間帯#4とに結合する関係を有している。この広告画像#1が時間帯#1と時間帯#4とを指定する理由は、複写機を夜間に利用する利用者に広告したいと希望するからである。このようにして、広告画像保持部8に保持されている複数の広告画像は、4つの時間帯に分類されることになる。ここで、各時間帯#1〜#4には、インデックス変数(index)を有し、このインデックス変数の値は、各時間帯に結合する広告画像を指し示す変数値である。すなわち、インデックス変数は、1から、各時間帯に結合する広告画像の最大数までの値であり、現インデックス変数に対応する広告画像の選択後に「1」が加算され、この加算されたインデックス変数に対応する広告画像が次の広告画像として選択される。
ここで、広告管理サーバS5による広告画像選択処理手順について図31のフローチャートを参照して説明する。
図31において、まず広告管理サーバS5が複写機C5からの広告画像の要求を受け付けると、広告画像選択部10は、現在時刻をもとに分類部51内の時間帯を判定し(ステップ1101)、この判定された時間帯に対応する広告画像群を抽出し(ステップ1102)、この広告画像群の中からインデックス変数の値に対応する広告画像を選択し(ステップ1103)、選択された広告画像を広告画像保持部8から取り出す。その後、分類部51は、選択された時間帯のインデックス変数の値に「1」を加算する。そして、広告管理サーバS5は、取り出した広告画像を複写機C5に転送し(ステップ1105)、本処理を終了する。
なお、インデックス変数の値が、時間帯に結合される広告画像数の最大値に達したならば、このインデックス変数の値は「1」にリセットされる。この繰り返しにより、選択された時間帯の広告画像は平均的に選択されることになる。
なお、第5の実施例の時間帯は、1日を4つの時間帯に分割したものであったが、これに限らず、土曜・日曜と平日とに分類したり、季節毎に分類した時間帯としてもよく、これらを組み合わせたものとしてもよい。
また、分類部51は、時間帯によって広告画像の分類条件を設定するようにしてるが、これに限らず、各種の分類条件を設定するようにしてもよい。
次に、第6の実施例について説明する。
第6の実施例は、第5の実施例と同様の趣旨で、特に複写機が設置されている地域性を考慮して広告画像を選択しようとするものである。従って、第6の実施例においては、複数の複写機がネットワークに接続されることを条件とし、特に広域のネットワークに適用される。
図32は、第6の実施例である画像形成システムの概要構成を示す図であり、第6の実施例においては、上述したように少なくとも、複数の複写機C6−1〜C6−Nと広告管理サーバS6とがネットワークNに接続されて構成される。ここで、複数の複写機C6−1〜C6−N及び広告管理サーバS6の構成は、第5の実施例における複写機C5及び広告管理サーバS5とほぼ同様であるが、各複写機C6−1〜C6−Nは後述する条件論理式62−1〜62−Nをそれぞれ保持し、広告管理サーバS6は分類部61を有し、この分類部61は、広告依頼主、有効地域、及び広告画像との対応関係を有している点が異なる。
図33は、分類部61によって分類される対応関係の具体例を示す図であり、図33において、システム管理者は、次のような論理式をもって、広告管理サーバS6に広告画像を登録する。すなわち、 広告画像#1:広告依頼主(F社)AND有効地域(川崎市) ...(1)
広告画像#2:広告依頼主(X社)AND有効地域(川崎市OR海老名市)
…(2)
広告画像#3:広告依頼主(Z社)AND有効地域(海老名市) ...(3)
である。
ここで、登録される各広告画像は、上述した論理式によって分類されて、各論理式を満足する広告画像群を形成する。各広告画像群内の広告画像には、その属性値として、該広告画像の使用回数を示す使用度変数COUNTを有し、広告画像の使用される度に「1」増加させられる。
また、システム管理者は、上述した論理式(1)〜(3)が示す対応関係から各複写機毎の条件論理式を作成し、作成した論理式を各複写機に登録する。例えば、有効地域である川崎市に設置された複写機CKに対しては、次の条件論理式を登録する。すなわち、 複写機CK:(広告依頼主(F社)OR広告依頼主(X社))AND有効地域(川崎市) ...(4)
である。
このような登録が広告管理サーバS6及び各複写機C6−1〜C6−Nに対して行われた場合における複写機と広告管理サーバとの間の通信手順について、図34を参照して説明する。
まず、ある複写機において広告機能の選択指示を伴った複写機の利用が発生すると、この複写機は広告画像の要求を広告管理サーバに対して行う(S62)。ここで、複写機は、広告画像の要求とともに、複写機識別子及び自複写機に設定されている条件論理式を通知する。例えば、川崎市に配置された複写機CKは、自複写機識別子とともに、上述した条件論理式(4)を付加して、広告画像の要求を広告管理サーバに対して行う。
これに対し、広告管理サーバは、受け取った条件論理式をもとに、分類部61の分類条件を満足する部分集合、すなわち広告画像群を抽出する(S62)。例えば、複写機CKは、通知された条件論理式(4)をもとに、広告依頼主「F社」に対応する広告画像群と広告依頼主「X社」に対応する広告画像群との論理和と、有効地域「川崎市」に対応する広告画像群との論理積を求める。その後、この抽出された広告画像群の各広告画像が属性として有する使用度変数COUNTの値を比較し、使用度変数の値が最も小さい広告画像をランダムに1つ選択する(S63)。その後、この選択された広告画像を、要求した複写機に転送する(S64)。そして、この広告画像を受け取った複写機は、この広告画像を読み取った画像情報に合成して印刷出力する。
このようにして、広告画像は、広告依頼主が希望する有効地域のみに設置された複写機から合成されて出力される。従って、広告画像は、複写機が配置される地域性が考慮されて合成出力されることになる。
なお、第6の実施例では、各複写機に条件論理式を登録するようにしたが、この場合、第5の実施例と同様に広告管理サーバS6の分類部61の分類条件のみにより、広告画像を選択するようにしてもよい。すなわち、各複写機は自複写機識別子のみを付加した広告画像の要求を行い、広告管理サーバS6は複写機識別子と有効地域との対応関係を有し、複写機識別子から対応する有効地域を判定して、この判定された有効地域に基づいて広告画像群を抽出するようにしてもよい。
なお、上述した第1の実施例から第6の実施例では、読み取った原稿画像に余白領域がある場合にのみに広告画像を合成するようにしているが、余白領域検出部が余白領域を検出できなかった場合、該原稿画像を強制的に縮小して余白領域を生成し、この生成された余白領域に広告画像を合成するようにしてもよい。また、この場合、縮小を認める指定を選択指示部に設けるようにすれば、複写機利用者に対する不都合は生じない。すなわち、「原稿優先」の選択ボタンと「コスト優先」の選択ボタンとを設けるようにし、「原稿優先」の選択ボタンが選択された場合には縮小処理をせず、「コスト優先」の選択ボタンが選択された場合には縮小処理を行うようにすればよい。
また、上述した第1の実施例から第6の実施例の構成部分を適宜組み合わせた画像形成システムとすることができるのはもちろんである。