JP3760762B2 - バニシング加工装置およびバニシング加工方法 - Google Patents

バニシング加工装置およびバニシング加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バニシング加工装置とその装置を用いたバニシング加工方法に関し、特に被加工物に形成された断面円弧状の環状溝にバニシングローラを押し付けながら滑らせることにより表面層に塑性変形を与えて、その環状溝表面を平滑に仕上げるためのバニシング加工装置とその装置を用いたバニシング加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
断面円弧状の溝にバニシング仕上げ加工を施す装置としては、その溝断面形状に適合するローラを押し付けて相対回転させるようにしたフィレットロール加工装置が一般的に知られている。特に特開平8−323616号公報においては、断面円弧状の溝の曲率半径寸法の変化や溝間寸法の変化に対応するため、溝の曲率半径よりも小さな曲率半径をもつバニシングローラを用い、バニシングローラを回転自在に配した二つ一組の軸受箱を被加工物の軸心と直交する軸心を回転中心としてそれぞれ回動可能に支持させると共に、軸受箱を相反する回動方向に回動させる駆動手段を設け、バニシングローラと被加工物との接触点をワークの溝曲率形状に沿って連続的に移動させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにバニシングローラと被加工物との接触点をワークの溝曲率形状に沿って連続的に移動させるタイプのバニシング装置にあっては、軸受箱全体を積極的に回動させることによってバニシングローラの転動方向を変えるという構成であるため、バニシング装置全体の大きさが大きく小物部品の加工には適用できないという問題点がある。また、軸受箱の回動方向がバニシングローラの回転方向と直角の方向となっているのに加えて、バニシング加工のために大きな押圧力がかかっているため、軸受箱の回動方向には大きな摩擦抵抗が生じ、これに抗して回動させるためにはきわめて大きな駆動力が必要となるという問題点があった。
【0004】
その一方、トロイダル型無段変速機において動力の伝達及び変速を行うパワーローラ内輪や入力ディスク及び出力ディスクは、ボールベアリング溝やトラクション面にバニシング仕上げによる圧縮残留応力を付加することで疲労耐久性能と耐摩耗性を著しく向上させることができる。しかしながら、このようなトロイダル型無段変速機要素の加工に上記従来技術を適用しようとすると、先に述べたように大きな押圧力がかかった状態でバニシングローラを回動させるためにはより大きな駆動力を要するという問題点があり、バニシング仕上げ加工によっては必ずしも十分な圧縮残留応力を付加することができない。
【0005】
また、上記バニシング仕上げ加工に代わってショットピーニングによってトロイダル型無段変速機要素に圧縮残留応力を付加する方法では、投射口から被加工物表面に鋼球や短く切断した金属線等のショットを高速で投射するため、被加工物の被投射範囲内では等しい残留応力が付加され、例えば被加工物表面の近接する領域ごとに大きさが異なる残留応力を付加することがきわめて難しい。
【0006】
本発明は以上のような課題に着目してなされたもので、装置の小型化を図りながら小さい駆動力で所期の目的であるバニシング加工を行えるようにし、併せて被加工物のうち必要な部位のみにバニシング仕上げによる圧縮残留応力を付加することで疲労耐久性能と耐摩耗性を向上させることができるようにしたバニシング加工装置とバニシング加工方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、断面円弧状の環状溝を有する被加工物についてその環状溝にバニシングローラを押し付けてバニシング加工を施す装置において、環状溝に押し付けられる回転可能なバニシングローラと、上記バニシングローラを挟んで環状溝と対向するように配置された略鼓形状のバックアップローラと、上記環状溝に対するバニシングローラの当接点とこのバニシングローラに対するバックアップローラの当接点とを結ぶ軸線を回転中心としてバニシングローラを傾転動作させる傾転手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
したがってこの請求項1の発明では、上記のように環状溝に対するバニシングローラの当接点とこのバニシングローラに対するバックアップローラの当接点とを結ぶ軸線を回転中心としてバニシングローラを傾転動作させると、バニシングローラと被加工物及びバックアップローラとの当接点においてバニシングローラが転がる方向が変わることにより、被加工物とバニシングローラの当接位置が連続的に変化するようになる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明を前提とした上で、上記傾転手段が、バニシングローラの回転中心を対称中心とした点対称位置に配置されてそのバニシングローラの表裏両面を該バニシングローラの回転中心を傾ける方向に押圧する押圧手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
したがってこの請求項2に記載の発明では、押圧手段にてバニシングローラをわずかに押圧することでそのバニシングローラの傾きが変化し、結果として上記のように被加工物とバニシングローラの当接位置が連続的に変化するようになる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明を前提とした上で、上記傾転手段は、環状溝に対するバニシングローラの当接点とこのバニシングローラに対するバックアップローラの当接点とを結ぶ軸線を回転中心としてバニシングローラを傾転動作させるのに代えて、環状溝とバニシングローラ同士およびバニシングローラと回転可能なバックアップローラ同士がそれぞれ当接している状態でバックアップローラをその回転中心を含む平面内で傾転動作させ、もってバニシングローラの回転中心を傾けるべくそのバニシングローラを傾転動作させるようになっていることを特徴とする。
【0012】
したがって、この請求項3に記載の発明では、バックアップローラを傾転させることでバニシングローラの傾きが変化し、結果として上記と同様に被加工物とバニシングローラの当接位置が連続的に変化するようになる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明を前提とした上で、上記環状溝に対するバニシングローラの当接点の位置を検出する手段と、検出した当接点の位置情報をもとにバニシングローラと環状溝との当接点における面圧がどの位置でも一定となるような押圧力を演算する演算手段と、この演算手段から指示された押圧力をバニシングローラに付加する押圧力付加手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
したがって、この請求項4に記載の発明では、バニシングローラと環状溝との当接点が変化したとしても、どの位置においてもその面圧が常に一定となるように、すなわち環状溝のどの部分においてもバニシング仕上げに基づく圧縮残留応力の付加による疲労耐久性能と耐摩耗性とが一定のものとなるように制御される。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明における演算手段に代えて、検出した当接点の位置情報をもとにその当接点における面圧が当該当接点固有の所望の値となるような押圧力を演算する演算手段を備えていることを特徴とする。
【0016】
したがって、この請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明と異なり、バニシングローラと環状溝との当接点が変化しつつも、要所要所においてその面圧を任意の大きさに調整することができ、その結果として環状溝の特定の領域ごとにバニシング仕上げに基づく圧縮残留応力の付加による疲労耐久性能と耐摩耗性とを異ならせることができるようになる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の装置を用いてトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ内輪のボールベアリング溝の加工を行うことを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の装置を用いてトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ内輪のボールベアリング溝の加工を行うことを特徴とする。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の装置を用いてトロイダル型無段変速機における入力ディスク及び出力ディスクのトラクション面の加工を行うことを特徴とする。
【0020】
さらに、請求項9に記載の発明は、請求項5に記載の装置を用いてトロイダル型無段変速機における入力ディスク及び出力ディスクのトラクション面の加工を行うことを特徴とする。
【0021】
したがって、これら請求項6〜9に記載の発明では、トロイダル型無段変速機におけるパワーローラ内輪のボールベアリング溝あるいは入力ディスク及び出力ディスクのトラクション面の所定のバニシング加工が施されて、圧縮残留応力の付加による疲労耐久性能と耐摩耗性の向上を図ることができるようになる。
【0022】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、バニシングローラの当接点とこのバニシングローラに対するバックアップローラの当接点とを結ぶ軸線を回転中心としてバニシングローラを傾転動作させて、バニシングローラが転がる方向を変えることで被加工物とバニシングローラの当接位置が連続的に変化するようにしたものであるから、被加工物に形成された断面円弧状の環状溝に対しスムーズにバニシング加工を施すことができるとともに、従来のようにバニシングローラを支持している軸受箱全体全体を傾転させる場合と比べてローラ転がり方向を変えるための機構を小型化できるほか、きわめて小さい操作力でバニシングローラの転がり方向を変えることができる効果がある。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、上記バニシングローラを傾転させるにあたり、バニシングローラの表裏両面を傾転手段に具備させた押圧手段にて押圧するようにしたものであるから、ローラ転がり方向を変えるための機構をより一層小型化しつつ、きわめて小さい操作力でバニシングローラの転がり方向を変えることができるほか、上記ローラ転がり方向を変えるための機構が加工反力を直接的には受けないのでその機構を一段と小型化できる効果がある。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、バックアップローラを傾転させることでバニシングローラの傾きを変化させ、その結果として上記と同様に被加工物とバニシングローラの当接位置を連続的に変化させるようにしたものであるから、請求項2に記載の発明と全く同様の効果が得られる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、バニシングローラと環状溝との当接点が変化したとしても、どの位置においてもその面圧が常に一定となるように押圧力を制御するようにしたことから、請求項1に記載の発明と同様の効果に加えて、被加工面である環状溝全体について均一な圧縮残留応力を付加することができて、より一層の疲労耐久性能と耐摩耗性の向上を図ることができる効果がある。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明と異なり、バニシングローラと環状溝との当接点が変化しつつも、各部位ごとに必要とされる面圧が得られるように押圧力を制御するようにしたため、上記面圧を任意の大きさに調整して環状溝の特定の部位ごとに所望する大きさの圧縮残留応力を付加することができる。すなわち、圧縮残留応力を付加する部位を強度上必要な部位のみに限定することができるため、圧縮残留応力の付加による疲労耐久性能と耐摩耗性とを部位ごとに異ならせることができるとともに、加工歪みを小さくすることができる効果がある。
【0027】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4に記載のバニシング加工装置を用いてトロイダル型無段変速機のパワーローラ内輪のボールベアリング溝をバニシング加工するものであるから、ボールベアリング溝の表面に均一な大きさの残留応力を付加することができると共に、仕上げ面粗さの悪化を防ぐことができる効果がある。
【0028】
請求項7に記載の発明によれば、請求項5に記載のバニシング加工装置を用いてトロイダル型無段変速機のパワーローラ内輪のボールベアリング溝を加工するものであるから、ボールベアリング溝のうち特定の部位すなわち強度上必要な部位のみに所望する大きさの圧縮残留応力を付加して、加工歪みを小さくすることができる効果がある。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、請求項4に記載のバニシング加工装置を用いてトロイダル型無段変速機の入力ディスク及び出力ディスクのトラクション面にバニシング加工を施すものであるから、トラクション面に均一な大きさの圧縮残留応力を付加することができると共に、仕上げ面粗さの悪化を防ぐことができる効果がある。
【0030】
請求項9に記載の発明によれば、請求項5に記載のバニシング加工装置を用いてトロイダル型無段変速機の入力ディスク及び出力ディスクのトラクション面にバニシング加工を施すものであるから、トラクション面のうち特定の部位すなわち強度上必要な部位のみに所望する大きさの圧縮残留応力を付加して、加工歪みを小さくすることができる効果がある。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
図1〜図8は本発明に係るバニシング加工装置の第1の実施の形態を示す図で、特に図1は被加工物(以下、これをワークという)の一例を示しており、また図2はバニシング加工装置の全体構成を示している。なお、本実施の形態は請求項1,2に記載の発明に対応している。
【0033】
図1に示すように、バニシング加工対象となるワークWは中実円筒状もしくは円板状のものとして形成されていて、その一側面に断面略半円状をなす環状溝Sが形成されている。
【0034】
バニシング加工装置は図2のほか図3,4に示すようにNC旋盤1のヘッドストック2とテールストック3とを用いて構成されており、ワークWはその円筒外周面を把持面としてヘッドストック2側のチャック4に把持されているとともに、上記バニシング加工装置の主体となるバニシング加工用の加工ヘッド5はテールストック3側のクイルスピンドル6に着脱可能に支持されている。
【0035】
上記加工ヘッド5の先端部には略鼓形状をなす二つ一組のバックアップローラ7が互いに同一軸線上に位置するように配置されていて、各バックアップローラ7の外周面にはそれと対向するワークW側の環状溝Sと同一曲率の周溝7aが形成されている。これらのバックアップローラ7は、ラジアルニードルベアリング8を介してバックアップローラ軸9に回転可能に支持されていて、バックアップローラ軸9は、ボルト10をもってヘッド本体11に固定された軸受ブロック12および中央部の補助ブロック13に軸受支持されている。なお、各バックアップローラ7の両側面と軸受ブロック12および補助ブロック13との間にはスラストベアリング14が介装されている。
【0036】
また、上記加工ヘッド5のヘッド本体11はモールステーパ形状のシャンク部14を有していて、このシャンク部14をもってテールストック3側のクイルスピンドル6に着脱可能にテーパ結合される。
【0037】
図3,4に示すように、ワークWと各バックアップローラ7との間にはバックアップローラ軸9と直交するようなかたちで互いに平行な二本の制御軸15,16が配置される。各制御軸15,16はヘッド本体11に設けた一対のアーム部17の軸穴に回転可能に支持されているととにに、各制御軸15,16の一端は相互に独立したパルスモータ18または19の出力軸に連結されている。そして、各制御軸15,16の長手方向中央部にはクレビス部20を介して略偏平状のバニシングローラ21または22が回転可能に装着されている。
【0038】
上記各バニシングローラ21,22は、図5,6にも示すように制御軸15または16に固定されるピン23と隙間をもって遊嵌的に装着されていて、各バニシングローラ21,22の外周面は対応するバックアップローラ7の周溝7aに接触している。また、各クレビス部20の内側面には図7にも示すようにバニシングローラ21または22の側面と対向するように合計4個の摺動部材24,25,26,27または28,29,30,31が配置されている。制御軸15側においては、図7に示すように摺動部材24〜27はクレビス部20の各内側面においてピン23を対称中心とした点対称位置に配置され、他方、制御軸16側においても摺動部材28〜31はクレビス部20の各内側面においてピン23を対称中心とした点対称位置に配置されるも、その対称関係が制御軸15側とは逆となっている。そして、図5,6に示すように、バニシングローラ21または22を挟んで互いに対向する摺動部材の間隔がバニシングローラ21または22の厚みよりわずかに大きくなるように設定されているため、各摺動部材24〜27および28〜31の摺動面の方向とバニシングローラ21,22の軸直角平面とが一致している時は、バニシングローラ21,22の側面はいずれの摺動部材とも接触しないようになっている。
【0039】
次に上記装置構成のもとでのバニシング加工時の動作について説明する。
【0040】
図2のほか図3,4に示すように、ワークWをチャック4に把持させた上でチャック4ごと回転させる一方、テールストック3のクイルスピンドル6を押し出して、バニシング加工用の加工ヘッド5をワークW側に移動させる。これにより、各バニシングローラ21,22はワークWの環状溝Sに合致しつつ当接し、各バニシングローラ21,22はワークWによる回転力を受けて同期回転する。同時に、各バニシングローラ21,22と各バックアップローラ7とはころがり接触しているため、これらバックアップローラ7も共に回転する。
【0041】
この状態で、バニシングローラ21,22とワークW側の環状溝Sとの接触面での面圧がバニシング加工に必要な値になるように、加工ヘッド5をワークWに対してさらに強く押し付ける。この時、ワークWの回転数は例えば500〜1000rpm、ワークWに対する加工ヘッド5の押付力は例えば1470N程度とする。
【0042】
次に、各パルスモータ18,19に回転指令を与えて一方の制御軸15を右回転、他方の制御軸16を左回転させると、第8図に示すように、一方の制御軸15側では互いに点対称位置にある二つの摺動部材24,27がバニシングローラ21の側面周縁部を押し、他方の制御軸16側では同じく互いに点対称位置にある二つの摺動部材28,31がバニシングローラ22の端面周縁部を押すかたちとなる。
【0043】
その結果、各バニシングローラ21,22は、ワークW側の環状溝Sとの接触点とバックアップローラ7側の接触点を結ぶ軸線を回転中心として偶力を受けてその偶力作用方向にそれ自体の回転中心が傾くように傾転する。すなわち、各バニシングローラ21,22の軸直角平面(各バニシングローラ21,22の回転中心に対して直交する平面)と同じく各バックアップローラ7の軸直角平面(各バックアップローラ7の回転中心に対して直交する平面)とが非平行となる。
【0044】
以上の説明から明らかなように、制御軸15,16およびパルスモータ18,19等はバニシングローラ21,22を傾転動作させるための傾転手段として機能し、また各摺動部材24〜27および28〜31は上記傾転動作の際にバニシングローラ21または22に直接接触してこれらを押圧する押圧手段として機能することになる。
【0045】
こうして各バニシングローラ21,22が傾転することはローラ21,22自体の転動方向に対して舵角がつくことを意味し、この舵角がついた状態でバニシングローラ21,22が環状溝Sの表面を転動するため、舵角がついた分だけバニシングローラ21,22の転動する方向が変化して、バニシングローラ21,22と環状溝Sとの接触点がその環状溝Sの断面曲率形状に沿って連続的に移動することになる。その結果、ワークWの環状溝Sの全面についてバニシングローラ21,22が順次押し付けられ、環状溝Sの表面には塑性変形による圧縮残留応力が付加されることから、それによって疲労耐久性能と耐摩耗性とが高められることになる。
【0046】
このように本実施の形態によれば、ワークW側の環状溝Sと同じ曲率の周溝7aをもつバックアップローラ7を用い、バニシングローラ21,22を環状溝Sの表面に垂直に押圧させると共に、バニシングローラ21,22の側面周縁部を摺動部材で押してバニシングローラ21,22の転動する方向を変化させるようにしたことから、バニシングローラ21,22の転動方向を変化させるための制御軸15,16等の機構が加工反力を直接受けることがないのでその構造を簡素化できるほか、小さな変位と小さな駆動力とでバニシングローラ21,22の転動方向を変化させることができるために加工ヘッド5全体を小型化することができる。
【0047】
図9〜図14には本発明に係るバニシング加工装置の第2の実施の形態を示す。なお、本実施の形態は請求項3に記載の発明に対応している。
【0048】
図9,10はバニシング加工のための加工ヘッド33の詳細を示し、加工ヘッド33は大きく分けてヘッド本体34とホルダ35とから構成されている一方、後述するようにワークW側の環状溝Sと同じ曲率の周溝36aを有する略鼓形状のバックアップローラ36は、ニードルラジアルベアリング37を介してバックアップローラ軸38に回転可能に支持されている。バックアップローラ軸38は加工ヘッド33のヘッド本体34に設けられた一対の軸受アーム部39に両持ち支持されている。バックアップローラ36の端面と軸受アーム部39との間にはスラストベアリング40が設けられており、後述する制御軸47の軸中心とバックアップローラ36の周溝36aの溝幅中心線とがともに同一軸線上に位置するように設定されている。
【0049】
加工ヘッド33のヘッド本体34は、抜け止め用のボルト41のほかラジアルベアリング42とスラストベアリング43とを介してホルダ35に旋回可能に支持されている。また、ヘッド本体34の外周にはリングギヤ44が固定されている一方、ホルダ35には出力軸46aにピニオンギヤ45が固定されたパルスモータ46が装着されていて、リングギヤ44とピニオンギヤ45とが互いに噛み合っている。すなわち、ヘッド本体34に回転可能に支持されているバックアップローラ36は、それ自体の回転中心を含む平面内でヘッド本体34とともに回転可能となっている。
【0050】
一方、制御軸47はホルダ35に設けた一対の軸受アーム部48に回転可能に両持ち支持されている。制御軸47の長手方向中央部には第1の実施の形態と同様にクレビス部49が形成されており、このクレビス部49に略偏平状のバニシングローラ50が回転可能に装着されている。バニシングローラ50は、図11に示すようにクレビス部49に固定されるピン51と隙間をもって遊嵌的に装着されていて、バニシングローラ50の外周面は対応するバックアップローラ36の周溝36aに接触している。
【0051】
そして、バニシング加工対象となるワークWは図12,13に示すようにNC旋盤52のヘッドストック53側のチャック54に把持される一方、加工ヘッド33は刃物台(ツールレスト)55に固定され、この状態をもってバニシング加工に供される。
【0052】
次に上記装置構成のもとでのバニシング加工時の動作について説明する。
【0053】
図12,13図に示すように、ワークWをチャック54に把持させた上でチャック54ごと回転させる一方、刃物台55に送りを与えて加工ヘッド33をワークW側に移動させる。バニシングローラ50がワークWの環状溝Sに当接するとそのワークWの回転力によってバニシングローラ50が回転し、同時にそのバニシングローラ50に接触しているバックアップローラ36も連れ回りによって回転する。
【0054】
この状態で加工ヘッド33をワークWにさらに強く押し付け、バックアップローラ36を介してバニシングローラ50とワークWとの接触点での面圧がバニシング加工に必要な値になるように設定する。そして、パルスモータ46に回転指令を与えてリングギヤ44とピニオンギヤ45とを介してヘッド本体34のみを回転させると、図14に示すようにワークWの溝幅中心線の法線方向とバックアップローラ36の回転中心との間に相対的な角度差ができ、両者に挟まれるバニシングローラ50とも相対的な角度差ができるため、第1の実施の形態と同様にバニシングローラ50の転動方向に舵角がつくことになる。この状態でバニシングローラ50がバックアップローラ36と環状溝Sの表面を転動するため、それぞれの接触点が環状溝Sの断面曲率形状に沿って舵角のついた方向に移動し、バニシングローラ50の転動する方向が変化する。
【0055】
以上の説明から明らかなように、パルスモータ46やリングギヤ44、ピニオンギヤ45およびヘッド本体34等は、バックアップローラ36を介してバニシングローラ50を傾転動作させる傾転手段として機能することになる。
【0056】
このように本実施の形態によれば、バックアップローラ36の回転中心を傾斜させてバニシングローラ50が転動する方向を変化させる構成としたので、小さな駆動力でバニシングローラ50の転動する方向を変化させることができるとともに、加工ヘッド33を小型化することができる。
【0057】
図15には本発明の第3の実施の形態として先の第1の実施の形態を変形した例を示す。なお、本実施の形態は請求項1,4に記載の発明に対応している。
【0058】
図15に示すように、NC旋盤61には押圧力付加手段たる油圧シリンダ62駆動のテールストック63を配置し、そのテールストック63と図2〜4と同様のバニシング加工用の加工ヘッド5との間には圧電型荷重計64を配置するとともに、上記油圧シリンダ62とその油圧源である油圧ポンプ65とを油圧調整弁66および油圧ホース67を介して接続する。また、加工ヘッド5のうち各制御軸15,16の一方の端部には図2,3と同様にそれぞれパルスモータ18,19を接続し、他方の端部にはロータリーエンコーダ68,69を接続する。
【0059】
なお、圧電型荷重計64およびロータリーエンコーダ68,69の検出出力は演算手段たる制御装置70に取り込まれるようになっている一方、NC旋盤61の主軸モータやおよび油圧調整弁66等の各種制御は上記制御装置70によって一括して行われるようになっている。
【0060】
このような構成において、制御装置70から油圧調整弁66に対して開弁指令を与えてその油圧調整弁67を開くと、油圧シリンダ62が伸長動作してテールストック63をヘッドストック2の主軸側に押圧する。そして、加工ヘッド5に配置したバニシングローラ21,22がワークWの環状溝Sに当接し、圧電型荷重計64が検出する荷重が予め設定した値に達すると、制御装置70からパルスモータ18,19に対して回転指令が与えられ、各制御軸15,16ひいてはバニシングローラ21,22が一定の角度範囲で傾転駆動されることにより、第1の実施の形態と同様にワークWの環状溝Sにしてバニシングローラ21,22によるバニシング加工が施される。
【0061】
上記各制御軸15,16の傾転角度はロータリエンコーダ68,69でリアルタイムで個別的に検出されて、制御装置70に取り込まれる。制御装置70には、制御軸15,16の傾転変化すなわち環状溝Sに対するバニシングローラ21,22の当接点の位置変化にかかわらずワークW側の環状溝Sに対するバニシングローラ21,22の面圧が常に一定となるような押付力設定値が傾転角度位置ごとに予め設定されていることから、制御装置70は制御軸15,16の実測傾転角度に応じた押付力設定値をピックアップして圧力調整弁66に指令を与え、油圧シリンダ62に供給すべき油圧を可変制御する。
【0062】
このように本実施の形態によれば、バニシングローラ21,22とワークW側の環状溝Sとの当接点の位置を変化させながらその当接点の位置を検出し、同当接点での面圧が常に一定となるような押圧力を制御装置70にて演算し、その結果によりワークに対する加工ヘッド5の押付力を制御するようにしたので、ワークW側の環状溝Sの表面全面に均一な圧縮残留応力を付加することができる。
【0063】
ここで、上記のようにワークW側の環状溝Sの表面全面に均一な圧縮残留応力を付加する場合のほか、環状溝Sの表面のうち特定の部位ごとに圧縮残留応力の付加による疲労耐久性能すなわちバニシング加工時の面圧を変えたい場合がある。
【0064】
このような場合には、上記制御装置70に、制御軸15,16の傾転角位置すなわち環状溝Sに対するバニシングローラ21,22の各当接点位置ごとに、所望する面圧を得るのに必要な押付力設定値を個別に設定しておき、制御軸15,16ひいてはバニシングローラ21,22の実測傾転角度に応じた押付力設定値をピックアップして圧力調整弁66に指令を与えて油圧シリンダ62に供給すべき油圧を可変制御し、もって環状溝Sの表面のうち特定の部位ごとに所望する大きさの圧縮残留応力を付加することができる。その結果として、圧縮残留応力の付加による疲労耐久性能の向上効果を環状溝Sのうち強度上必要な部位のみに限定することができ、過剰な圧縮残留応力の付加による加工歪みを小さくすることができる、なお、この変形例は請求項1,2に記載の発明のほか請求項5に記載の発明に対応している。
【0065】
図16には本発明の第4の実施の形態を示す。この第4の実施の形態では、加工対象ワークを第3の実施の形態(図15参照)におけるワークWに代えてトロイダル型無段変速機のパワーローラW1として、このパワーローラW1の環状溝たるボールベアリング溝S1にバニシング加工を施すようにしたものである。なお、この実施の形態は請求項1,2に記載の発明のほか請求項4,6に記載の発明に対応している。
【0066】
より詳しくは、図16(ただし、図4および図15を参照のこと)に示すように、トロイダル型無段変速機のパワーローラW1をチャック4に把持させた上、バニシングローラ21,22とパワーローラW1側のボールベアリング溝S1との当接点の位置を変化させながらその当接点の位置すなわち各制御軸15,16に設けられたバニシングローラ21,22の傾転角度をロータリーエンコーダ68,69で検出し、同当接点での面圧が常に一定となるような押付力を制御装置70にて演算し、その結果によりパワーローラW1に対する加工ヘッド5の押付力を可変制御する。こうすることにより、トロイダル型無段変速機のパワーローラW1のボールベアリング溝S1の各部全面に均一な大きさの圧縮残留応力を付加することができるとともに、仕上げ面粗さの悪化を防ぐことができる。
【0067】
もちろん、バニシングローラ21,22がパワーローラW1の被加工面に及ぼす面圧が一定となるように制御するのに代えて、先に説明したように被加工面のうち特定の部位ごとに面圧が異なるように積極的にその面圧を可変制御することも可能である。この場合には、圧縮残留応力の付加による疲労耐久性能の向上効果をボールベアリング溝S1のうち強度上必要な部位のみに限定することができ、過剰な圧縮残留応力の付加による加工歪みを小さくすることができる、なお、この変形例は請求項5に記載の発明に対応している。
【0068】
図17〜図21は本発明の第5の実施の形態を示す図で、この実施の形態では加工対象ワークをトロイダル型無段変速機の入力ディスク及び出力ディスク(以下、これらを総称して単にディスクという)として、そのディスクW2の環状溝たるトラクション面S3にバニシング加工を施すようにしたものである。なお、この実施の形態は請求項1,2に記載の発明のほか、請求項4,8に記載の発明に対応している。
【0069】
図19はワークたるディスクW2のトラクション面S2と対向するように配置されるバニシング加工用の加工ヘッド71の詳細を示し、同図のほか図20に示すように、ディスクW2はNC旋盤93のヘッドストック94側のチャック72に把持される一方、略鼓形状をなすバックアップローラ73はラジアルニードルベアリング74とスラストベアリング75とを介して、加工ヘッド71を構成することになるヘッド本体76とホルダ77に回転可能に両持ち支持される。上記ヘッド本体76とホルダ77とはボルト78によって締結され、ヘッド本体76は圧電型荷重計79を介してNC旋盤の刃物台80に支持される。なお、上記バックアップローラ73にはワークたるディスクW2側のトラクション面S2と同じ曲率の周溝73aが形成されている。
【0070】
バニシング加工を司るバニシングローラ81は、図18に示すように制御軸82の長手方向中央部のクレビス部83に固定されるピン84に隙間をもって遊嵌的かつ回転可能に装着される(図11参照)。制御軸82は、ヘッド本体76とホルダ77にボルト85にて固定される一対のブラケット86に回転可能に両持ち支持される。この制御軸82の一端はパルスモータ87に接続され、他端にはロータリエンコーダ88が接続される。図19は制御軸82におけるクレビス部83の内部に設けた摺動部材89〜92の配置を模式化したもので、この構造は基本的に図7に示したものと同じにしてある。
【0071】
そして、図20に示すように、上記圧電型荷重計79およびロータリーエンコーダ88の検出出力は演算手段たる制御装置95に取り込まれるようになっている一方、NC旋盤93の主軸モータやパルスモータ87の各種制御および刃物台80の送り制御は上記制御装置95によって一括して行われるようになっている。
【0072】
このような構成のもとでワークたるディスW2のトラクション面S2にバニシング加工を施すには、図17,18のほか図20に示すように、ディスクW2をチャック72に把持させた上でこのチャック72ごと回転させる一方、刃物台80に送りを与えて加工ヘッド71をディスクW2側に移動させる。バニシングローラ81がディスクW2のトラクション面S2に当接するとそのディスクW2の回転力によってバニシングローラ81が回転し、同時にそのバニシングローラ81に接触しているバックアップローラ73も連れ回りによって回転する。
【0073】
この状態で加工ヘッド71をディスクW2にさらに強く押し付け、バックアップローラ73を介してバニシングローラ81とディスクW2との接触点での面圧がバニシング加工に必要な値になるように設定する。なお、この初期面圧の大きさは上記圧電型荷重計79により管理するようにしてもよい。
【0074】
そして、パルスモータ87に回転指令を与えて制御軸82を右回転させると、図21に示すように制御軸82側では互いに点対称位置にある二つの摺動部材89,92がバニシングローラ81の側面周縁部を押すかたちとなる。その結果、バニシングローラ81は、ディスクW2側のトラクション面S2との接触点とバックアップローラ73側の接触点を結ぶ軸線を回転中心として偶力を受けてその偶力作用方向にそれ自体の回転中心が傾くように傾転する。すなわち、バニシングローラ81の軸直角平面(バニシングローラ81の回転中心に対して直交する平面)と同じくバックアップローラ73の軸直角平面(バックアップローラ73の回転中心に対して直交する平面)とが非平行となる。
【0075】
こうしてバニシングローラ81が傾転することは図21に示すようにローラ81自体の転動方向に対して舵角がつくことを意味し、この舵角がついた状態でバニシングローラ81がトラクション面S2の表面を転動するため、舵角がついた分だけバニシングローラ81の転動する方向が変化して、バニシングローラ81とトラクション面S2との接触点がトラクション面S2の断面曲率形状に沿って連続的に移動することになる。その結果、ディスクW2のトラクション面S2の全面についてバニシングローラ81が順次押し付けられ、トラクション面S2の表面には塑性変形による圧縮残留応力の付加されることから、それによって疲労耐久性能と耐摩耗性とが高められることになる。
【0076】
このようなバニシング加工の過程において、バニシングローラ81の傾転角をロータリーエンコーダ88によって検出するとともに、そのバニシングローラ81が被加工面に及ぼしている面圧を加工反力として圧電型荷重計79によって検出して制御装置95に取り込み、その面圧を加工反力として監視する。そして、制御装置95には、制御軸82ひいてはバニシングローラ81の傾転変化すなわちトラクション面S2に対するバニシングローラ81の当接点の位置変化にかかわらずディスクW2側のトラクション面S2に対するバニシングローラ81の面圧が常に一定となるような圧力設定値が傾転角度位置ごとに予め設定されていることから、制御装置95はバニシングローラ81の実測傾転角度に応じた圧力設定値をピックアップして刃物台80に送り指令として与え、上記面圧が一定となるように圧電型荷重計79で監視しながらディスクW2に対する加工ヘッド71の押付力を可変制御する。
【0077】
このように、バニシングローラ81とディスクW2側のトラクション面S2との当接点の位置を変化させながらその当接点の位置を検出し、同当接点での面圧が常に一定となるような押付力を制御装置95にて演算し、その結果により加工ヘッド71の押圧力を制御するようにしたので、ディスクW2側のトラクション面S2の表面全面に均一な圧縮残留応力を付加することができるとともに、仕上げ面粗さの悪化を防ぐことができる。
【0078】
ここで、バニシングローラ81が被加工面たるディスクW2のトラクション面S2に及ぼす面圧が一定となるように制御するのに代えて、先に説明したように被加工面のうち特定の部位ごとに面圧が異なるように積極的にその面圧を可変制御することも可能である。すなわち、上記制御装置95に、バニシングローラ81の傾転角位置すなわちディスクW2のトラクション面S2に対するバニシングローラ81の各当接点位置ごとに所望する面圧を得るのに必要な加工ヘッド71の押付力を個別に設定しておき、バニシングローラ81の実測傾転角度に応じた設定値をピックアップした上でこれを刃物台80の送り指令として与え、実際の加工反力を圧電型荷重計79で監視しつつて加工ヘッド71の押付力を可変制御する。
【0079】
これにより、ディスクW2のトラクション面S2のうち特定の部位ごとに所望する大きさの圧縮残留応力を付加することができる。その結果として、圧縮残留応力の付加による疲労耐久性能の向上効果を上記トラクション面S2のうち強度上必要な部位のみに限定することができ、過剰な圧縮残留応力の付加による加工歪みを小さくすることができるようになる。なお、この変形例は請求項5,9に記載の発明に対応している。
【図面の簡単な説明】
【図1】バニシング加工の対象となるワークの一例を示す図で、(A)はその断面図、(B)は同図(A)の右側面図。
【図2】本発明に係るバニシング加工装置の第1の実施の形態を示す構成説明図。
【図3】図2に示したバニシング加工ヘッドを中心とする要部拡大説明図。
【図4】図3のA−A線に沿う断面説明図。
【図5】図4に示す一方の制御軸の構成を示す図で、(A)はその断面図、(B)は同図(A)の右側面図。
【図6】図4に示す他方の制御軸の構成を示す図で、(A)はその断面図、(B)は同図(A)の右側面図。
【図7】図5,6に示した制御軸における摺動部材の配置を示す要部斜視図。
【図8】バニシングローラによる加工中の説明図で、(A)は図4の要部拡大図、(B)は同図(A)の側面説明図。
【図9】本発明の第2の実施の形態としてバニシング加工ヘッド構成を示す断面説明図。
【図10】図9のB−B線に沿う断面説明図。
【図11】図10に示す制御軸の要部拡大説明図。
【図12】図9のバニシング加工ヘッドをNC旋盤に適用した状態を示す構成説明図。
【図13】図12のC−C線に沿う断面説明図。
【図14】バニシングローラによる加工中の説明図で、(A)は図13の要部拡大図、(B)は同図(A)の側面説明図。
【図15】本発明の第3の実施の形態としてバニシング加工装置の全体構成を示す説明図。
【図16】本発明の第4の実施の形態として図4のバニシング加工ヘッドをトロイダル型無段変速機のパワーローラの加工に適用した状態を示す要部拡大断面図。
【図17】本発明の第5の実施の形態としてトロイダル型無段変速機の入出力ディスク加工用のバニシング加工ヘッドの構成を示す要部拡大断面図。
【図18】図17のD−D線に沿う断面説明図。
【図19】図18に示した制御軸における摺動部材の配置を示す要部斜視図。
【図20】図17のバニシング加工ヘッドをNC旋盤に適用した状態を示す構成説明図。
【図21】図17のバニシングローラによる加工中の説明図で、(A)は図17の要部拡大図、(B)は同図(A)の側面説明図。
【符号の説明】
5…加工ヘッド
7…バックアップローラ
15,16…制御軸(傾転手段)
18,19…パルスモータ(傾転手段)
21,22…バニシングローラ
24〜27…摺動部材(押圧手段)
28〜31…摺動部材(押圧手段)
33…加工ヘッド
36…バックアップローラ
46…パルスモータ(傾転手段)
47…制御軸(傾転手段)
50…バニシングローラ
62…油圧シリンダ(押圧力付加手段)
64…圧電型荷重計
68,69…ロータリーエンコーダ(位置検出手段)
70…制御装置(演算手段)
71…加工ヘッド
73…バックアップローラ
79…圧電型荷重計
81…バニシングローラ
82…制御軸(傾転手段)
87…パルスモータ(傾転手段)
88…ロータリーエンコーダ(位置検出手段)
89〜92…摺動部材(押圧手段)
95…制御装置(演算手段)
S…環状溝
S1…ボールベアリング溝(環状溝)
S2…トラクション面(環状溝)
W…ワーク(被加工物)
W1…トロイダル型無段変速機のパワーローラ(ワーク)
W2…トロイダル型無段変速機の入出力ディスク(ワーク)

Claims (9)

  1. 断面円弧状の環状溝を有する被加工物についてその環状溝にバニシングローラを押し付けてバニシング加工を施す装置において、
    環状溝に押し付けられる回転可能なバニシングローラと、
    上記バニシングローラを挟んで環状溝と対向するように配置された略鼓形状のバックアップローラと、
    上記環状溝に対するバニシングローラの当接点とこのバニシングローラに対するバックアップローラの当接点とを結ぶ軸線を回転中心としてバニシングローラを傾転動作させる傾転手段と、
    を備えたことを特徴とするバニシング加工装置。
  2. 上記傾転手段は、バニシングローラの回転中心を対称中心とした点対称位置に配置されてそのバニシングローラの表裏両面を該バニシングローラの回転中心を傾ける方向に押圧する押圧手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のバニシング加工装置。
  3. 上記傾転手段は、環状溝に対するバニシングローラの当接点とこのバニシングローラに対するバックアップローラの当接点とを結ぶ軸線を回転中心としてバニシングローラを傾転動作させるのに代えて、環状溝とバニシングローラ同士およびバニシングローラと回転可能なバックアップローラ同士がそれぞれ当接している状態でバックアップローラをその回転中心を含む平面内で傾転動作させ、もってバニシングローラの回転中心を傾けるべくそのバニシングローラを傾転動作させるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のバニシング加工装置。
  4. 上記環状溝に対するバニシングローラの当接点の位置を検出する手段と、
    検出した当接点の位置情報をもとにバニシングローラと環状溝との当接点における面圧がどの位置でも一定となるような押圧力を演算する演算手段と、
    この演算手段から指示された押圧力をバニシングローラに付加する押圧力付加手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のバニシング加工装置。
  5. 請求項4に記載の演算手段に代えて、検出した当接点の位置情報をもとにその当接点における面圧が当該当接点固有の所望の値となるような押圧力を演算する演算手段を備えていることを特徴とするバニシング加工装置。
  6. 請求項4に記載の装置を用いてトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ内輪のボールベアリング溝の加工を行うことを特徴とするバニシング加工方法。
  7. 請求項5に記載の装置を用いてトロイダル型無段変速機におけるパワーローラ内輪のボールベアリング溝の加工を行うことを特徴とするバニシング加工方法。
  8. 請求項4に記載の装置を用いてトロイダル型無段変速機における入力ディスク及び出力ディスクのトラクション面の加工を行うことを特徴とするバニシング加工方法。
  9. 請求項5に記載の装置を用いてトロイダル型無段変速機における入力ディスク及び出力ディスクのトラクション面の加工を行うことを特徴とするバニシング加工方法。
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