JP3760604B2 - 車両走行制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両走行制御装置に関し、詳しくは、アクセル開度の検出結果に応じてエンジンのスロットル開度を電子制御する構成の車両走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アクセル開度に基づいてスロットルアクチュエータを制御して、スロットル弁を開閉駆動する構成の車両用エンジンが知られている。また、上記システムにおけるスロットル制御系の故障に対するフェイルセーフ技術として、ブレーキ操作量に応じてスロットル制御量を変更する構成のものがあった(特開平6−247188号公報及び実開平1−102451号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成のフェイルセーフ技術は、アクセル開度センサの故障に対しては有効に機能するが、スロットル制御量に対応して実際の開度が変化しない故障(例えば、スロットルアクチュエータの故障やスロットル弁の固着など)が生じている場合には、スロットル制御量を変更しても、実際にはスロットル開度を絞ることができず、運転者の減速要求に対応できないという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、スロットル制御量の異常の他、スロットル制御量に対応して実際の開度が変化しない故障が発生した場合であっても、運転者の減速要求に対応できる車両走行制御装置を提供することを目的とし、更に、アクセル開度センサの故障等によるスロットル制御量の異常に的確に対応し得る第1のフェイルセーフと、前記スロットル制御量に対応して実際の開度が変化しない故障に対応し得る第2のフェイルセーフ制御とが段階的に実行されるようにすることで、前記第2のフェイルセーフが無用に実行されることを回避し得る車両走行制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1記載の発明は、エンジンのスロットル弁を開閉駆動するアクチュエータを備え、アクセル開度に基づいて前記スロットル弁の開度を制御する構成の車両走行制御装置であって、アクセル開度とスロットル開度との少なくとも一方の検出値が一定である状態が所定時間以上継続し、かつ、ブレーキ操作が行われているときに、前記スロットル弁の制御開度を制限すると共に、該スロットル弁の制御開度の制限状態が所定時間以上継続したときに、所定のエンジン回転速度以上においてエンジンへの燃料供給を停止させる構成とした。
【0006】
かかる構成によると、スロットル開度及び/又はアクセル開度が略一定である状態が所定時間以上継続し、然も、ブレーキが操作されると、スロットル弁の制御開度に制限が加えられる。例えばアクセル開度センサの故障によって、実際のアクセル開度に対応しないスロットル開度に制御され、これに対して運転者がブレーキ操作によって減速を望む場合には、制御開度をより低開度に制限することで、運転者の減速要求に対応するものである。
【0007】
ここで、スロットル開度及び/又はアクセル開度が略一定である状態が所定時間以上継続していることを条件とすることで、運転者が右足でアクセルペダルを操作しながら左足でブレーキペダルを操作するようなアクセルの動きがある場合と、アクセル開度センサの故障によって一定の開度信号が出力されるような場合とを区別する。
【0008】
前記制御開度の制限が有効に機能すれば、スロットル弁開度が絞られて、エンジン回転速度は低下することになるが、スロットル弁の固着等が発生している場合には、前記制御開度の制限は有効に機能しないことになるから、前記制御開度の制限を所定時間行った後に、エンジン回転速度が所定回転速度以上であれば、エンジンへの燃料供給を停止させて、運転者の減速要求に対応する。
【0009】
尚、アクセル開度に基づくスロットル開度の制御には、アクセル開度を目標スロットル開度に一義的に変換する構成の他、アクセル開度に応じて設定される目標出力トルクに基づいて目標スロットル開度を設定する構成が含まれるものとする(以下同様)。また、エンジンへの燃料供給の停止には、燃料供給を全く行わないことの他、複数の気筒毎に燃料噴射弁等の燃料供給手段を備えるエンジンでは、全気筒のうちの一部の気筒に対する燃料供給のみを停止させることを含むものとする。更に、スロットル制御開度の制限には、制御開度を一定値に固定することや、所定の最大開度以下に制御されるようにリミッタで制限することや、制御開度(目標スロットル開度)の決定条件となるアクセル開度の検出値に制限を加えることなどが含まれるものとする(以下同様)。
【0010】
請求項2記載の発明は、図1に示すように構成される。図1において、アクチュエータは、エンジンのスロットル弁を開閉駆動するものであり、アクセル開度検出手段は、アクセル開度を検出する。そして、開度制御手段は、前記検出されたアクセル開度に基づいて前記アクチュエータを制御して前記スロットル弁の開度を制御する。一方、開度変化量検出手段は、スロットル開度とアクセル開度との少なくとも一方の単位時間当たりの変化量を検出し、ブレーキ操作検出手段は、ブレーキ操作を検出する。
【0011】
ここで、スロットル開度制限手段は、前記開度変化量検出手段で検出される開度変化量が所定値以下である状態が所定時間以上継続し、かつ、前記ブレーキ操作検出手段によりブレーキ操作が検出されているときに、前記開度制御手段によるスロットル弁の制御開度を制限する。燃料供給停止手段は、前記スロットル開度制限手段によってスロットル弁の制御開度が制限される状態が所定時間以上継続し、かつ、回転速度検出手段で検出されるエンジンの回転速度が所定回転速度以上であるときに、エンジンへの燃料供給を停止させる。
【0012】
かかる構成によると、スロットル開度及び/又はアクセル開度が略一定である状態が所定時間以上継続し、然も、ブレーキ操作が検出されると、スロットル弁の制御開度に制限が加えられる。前記制御開度の制限を所定時間継続した後に回転速度が高い場合、即ち、制御開度の制限が有効に機能しなかった場合には、燃料供給を停止させる。これにより、アクセル開度検出手段の故障により制御開度が異常になっている場合であれば、制御開度の制限で減速要求に対応できることになる一方、スロットル弁の固着が生じている場合であって、制御開度の制限が有効に機能しなかった場合には、燃料供給の停止によって減速要求を満たす。
【0013】
請求項3記載の発明では、前記燃料供給停止手段が、燃料供給を停止させる気筒数を段階的に変化させる構成とした。かかる構成によると、燃料噴射弁等の燃料供給手段が各気筒毎に設けられる場合、必要に応じて燃料供給を停止させる気筒数を変化させて、運転者の減速要求に対応する。
【0014】
請求項4記載の発明では、前記燃料供給停止手段が、前記所定回転速度に対して実際のエンジン回転速度が高いときほどより多くの気筒に対する燃料供給を停止させる構成とした。かかる構成によると、燃料供給の停止を開始させる時点におけるエンジ回転速度が高いときほど多くの気筒に対して燃料供給を停止させ、前記所定回転速度に近づくにつれて燃料供給を停止させる気筒数を減少させ、必要以上の回転速度の低下を回避する。
【0015】
尚、上記では、前記所定回転速度と実際の回転速度との偏差に応じて燃料供給を停止させる気筒数を変化させる構成としたが、この他、経過時間に応じて燃料供給を停止させる気筒数を段階的に減少させたり、回転速度の変化速度に応じて燃料供給を停止させる気筒数を段階的に変化させることも可能である。
【0016】
【発明の効果】
請求項1,2記載の発明によると、スロットル弁の制御開度の制限が機能しない場合にのみ、燃料供給の停止を実行させることができるので、燃料供給の停止による必要以上の機関出力低下を招くことなく、運転性への影響を極力回避できるという効果がある。
【0017】
請求項3記載の発明によると、燃料供給の停止による駆動トルクの低減制御を精度良く行えるという効果がある。請求項4記載の発明によると、燃料供給の停止によって目標とするエンジン回転速度以下にエンストを回避しつつ応答良く制御できるという効果がある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。図2は、実施の形態における車両用エンジンのシステム構成を示す図である。この図2に示すエンジン1の吸気通路2には、吸入空気量を調整するスロットル弁3が介装されており、該スロットル弁3を通過した空気とインジェクタ4から噴射される燃料とによって燃焼混合気が形成される。
【0019】
前記インジェクタ4(燃料供給手段)は、吸気通路2内に燃料を噴射する構成と、燃焼室内に直接燃料を噴射する構成とのいずれであっても良いが、各気筒毎に設けられているものとする。前記スロットル弁3の回転軸3aの一方端には、減速ギヤ5とアクチュエータとしてのモータ6とからなる駆動機構が設けられており、モータ6の回転が減速ギヤ5を介して回転軸3aに伝達し、スロットル弁3の開度が変化する構成となっている。
【0020】
一方、前記回転軸3aの他方端には、スロットル弁3の開度を検出するスロットル開度センサ7が設けられると共に、スロットル弁3を閉方向に付勢するリターンスプリング8が設けられている。運転者がアクセルリターンスプリング10の付勢力に抗してアクセルペダル9を踏み込み操作すると、アクセルワイヤー11を介してアクセルドラム12が回転駆動され、該アクセルドラム12の回転角としてアクセル開度センサ13(アクセル開度検出手段)がアクセル開度を検出する構成となっている。
【0021】
前記モータ6及びインジェクタ4を制御するコントロールユニット14には、前記スロットル開度センサ7及びアクセル開度センサ13からの検出信号が入力される一方、ブレーキペダル15の操作時にON信号を出力するブレーキスイッチ16(ブレーキ操作検出手段)からの検出信号が入力され、また、エンジン回転数NE(rpm)を検出する回転センサ17(回転速度検出手段)からのエンジン回転信号が入力される。
【0022】
そして、開度制御手段としての前記コントロールユニット14は、アクセル開度センサ13により検出されたアクセル開度(アクセルペダル9の踏み込み量)に基づき、目標スロットル開度を設定し、該目標スロットル開度相当の制御量(スロットル開度制御量)をモータ6に出力する。
【0023】
前記アクセル開度に応じた目標スロットル開度の設定は、予め記憶されたテーブルに従ってアクセル開度を目標スロットル開度に変換するものであっても良いし、また、アクセル開度,車速等から目標トルクを設定し、該目標トルクが得られる目標スロットル開度を演算する構成であっても良い。
【0024】
また、前記コントロールユニット14は、実際のアクセル開度に相当するスロットル開度に制御されていないことに対する運転者の減速要求に対応すべく、図3のフローチャートに示すようなフェイルセーフ制御を実行する。
【0025】
図3のフローチャートにおいて、S21(開度変化量検出手段)では、アクセル開度変化量(及び/又はスロットル開度変化量)を検出する。前記変化量は、今回の開度−前回の開度とし、単位時間当たり(本ルーチン実行周期当たり)の開度変化量として演算される。
【0026】
S22では、前記開度変化量が所定値(例えば0.1〜0.3deg/100ms)以下であるか否かを判別することで、アクセル開度(及び/又はスロットル開度)が変動する通常の走行状態であるか否かを判別する。ここで、前記開度変化量が所定値以下であって、開度が略一定していると判断されるときには、S23へ進む。
【0027】
一方、前記開度変化量が所定値を越えている場合には、正常にアクセル開度が検出され、これに対応して正常にスロットル開度が制御されているものと判断して、そのまま本ルーチンを終了させる。
【0028】
即ち、アクセル開度センサ13の故障(以下、アクセル開度検出系の故障と称する)が発生すると、たとえ実際のアクセル開度が変動していても検出結果として一定の値がコントロールユニット14に入力されることになって、アクセル開度を目標スロットル開度にテーブル変換する構成の場合には、スロットル開度も一定値に制御されることになる。
【0029】
そこで、前記開度変化量が所定値以下であるときには、前記アクセル開度検出系に故障が生じている可能性があると判断されるので、S23以降へ進んで、フェイルセーフ制御を行う必要性があるか否かを判断するものである。
【0030】
従って、アクセル開度を目標スロットル開度にテーブル変換する構成の場合には、アクセル開度変化量とスロットル開度変化量との少なくとも一方を検出すれば良い。また、アクセル開度から目標トルクを設定し、該目標トルクが得られる目標スロットル開度を設定する場合には、アクセル開度検出系に故障が生じアクセル開度の検出結果が一定となっている場合であっても、スロットル開度が変動することがあるので、アクセル開度変化量を検出させることが好ましい。
【0031】
前記開度変化量が前記所定値以下であると判断されてS23へ進むと、開度変化量が所定値以下である状態が所定時間(例えば2〜5秒程度)以上継続しているか否かを判別する。
【0032】
運転者がアクセルペダル9を操作する場合には、アクセルペダル9を一定に踏んでいるつもりでも実際には僅かな変動が生じるので、開度変化量が所定値以下である状態が所定時間以上継続しているか否かを判別させることで、アクセル開度検出系の故障の有無を判別するものである。
【0033】
S23で、開度変化量が所定値以下である状態が所定時間以上継続していないと判断されたときには、アクセル開度検出系に異常はないものと判断できるので、フェイルセーフ制御を行うことなく、そのまま本ルーチンを終了させる。
【0034】
一方、開度変化量が所定値以下である状態が所定時間以上継続していると判断されたときには、アクセル開度検出系の故障の可能性が高いことになり、このときには、S24へ進んで、ブレーキスイッチ16の入力状態を検出し、S25では、ブレーキスイッチ16のON・OFFを判別して、運転者の減速要求を判断する。
【0035】
そして、ブレーキスイッチ16がONで運転者がブレーキ操作を行っている場合には、S26(スロットル開度制限手段)へ進み、前記減速要求に対応すべくスロットル弁3の制御開度(目標開度)を、異常時用の最大スロットル開度(例えば4deg程度)以下に制限する。
【0036】
S26へ進んだ後で、ブレーキスイッチ16がOFFになったり、開度変化が検出されると、前記スロットル開度制御量の制限は解除されるが、それまでは制限状態が保持される。
【0037】
上記のようにして最大スロットル開度によって制限することで、たとえアクセル開度検出系の故障のために目標スロットル開度として実際のアクセル開度に対応しない大きな目標スロットル開度が設定されたとしても、目標開度を絞ることができ、以て、運転者の減速意図に応じて車両を減速させることが可能になる。
【0038】
前記最大スロットル開度は、通常の坂道発進が行える程度の開度に設定すると良い。これにより、例えば、右足でアクセルペダル9を操作すると同時に左足でブレーキペダル15を操作する左足ブレーキ走行による坂道発進時で、アクセル開度変化量が所定値以下である状態が所定時間以上継続していると判断され、アクセル開度の検出系が正常であるにも関わらずスロットル開度が最大スロットル開度に制限された場合であっても発進が可能であり、アクセル開度検出系に異常がなければその後のアクセルの踏み増しによって制限が解除され、通常に走行させることができる。
【0039】
尚、一般的に右足によってアクセルペダルとブレーキペダルとを踏み分ける操作を行った場合には、ブレーキ操作に伴ってアクセル開度が全閉で一定となって、スロットル開度検出系に異常がなくてもスロットル開度の制限が行うステップに進むことになるが、元々アクセル開度が全閉で、スロットル弁の制御開度も十分に小さい状態であるから、実際に制御開度がより小さく制限されることはなく、影響はない。
【0040】
また、運転者が異常に気付いてアクセル開度を全閉にしてプレーキペダル15を踏んだ場合であれば、アクセル開度検出系における異常の有無に関わらずにスロットル制御開度の制限が行われることになり、アクセル開度検出系に異常があった場合には、前記制限によって運転者の減速要求が満たされることになる。
【0041】
S26でスロットル弁の制御開度を制限すると、次のS27では、スロットル開度の制限を所定時間(例えば3秒)以上継続して行っているか否かを判断する。
【0042】
そして、スロットル開度の制限を所定時間以上継続しているときには、S28へ進み、そのときのエンジン回転数NEが所定回転数(例えば1800rpm)以上であるか否かを判別し、エンジン回転数NEが所定回転数以上であるときには、S29(燃料供給停止手段)へ進んで燃料カットを実行させる。
【0043】
制御開度の異常が発生しているときには、制御開度を最大開度以下に制限することで、エンジン回転の低下(駆動トルク)の低下を図ることが可能であるが、制御開度を制限してもエンジン回転速度の低下が見られず、エンジン回転が高いまま保持されている場合には、スロットル弁3の開固着等の可能性が推定される。
【0044】
そこで、制御開度の制限が有効に機能しなかった場合には、エンジンへの燃料供給を停止させて、エンジン回転の低下(駆動トルクの低下)を図るものである。
【0045】
尚、燃料カットは、図4のフローチャートに示したように、回転数NEに応じた気筒数によって気筒別に行わせる構成とすることができる。図4において、S 61 では、回転センサ 17 で検出された実際のエンジン回転数NEと前記所定回転数とを用いて、前記偏差ΔNEを、ΔNE=エンジン回転数−所定回転数として算出する。
【0046】
S 62 では、前記偏差ΔNEと閾値B (0) とを比較し、前記偏差ΔNEが閾値B (0) 以上(ΔNE≧B (0) )であって、エンジン回転数NEが前記所定回転数よりも閾値B (0) 以上に高いと判断されたときには、S 63 へ進んで全気筒において燃料カットを行わ せる。
【0047】
一方、前記偏差ΔNEが閾値B (0) 未満であるときには、S 64 へ進み、B (0) >B (1) である閾値B (1) を用い、B (1) ≦ΔNE<B (0) であるか否かを判別する。そして、B (1) ≦ΔNE<B (0) であれば、S 65 へ進んで、全気筒のうちの1気筒以外の気筒において(例えば6気筒エンジンであれば5気筒において)燃料カットを実行させる。
【0048】
以下同様に、B (n) ≦ΔNE<B (n-1) であれば(S 66 )、全気筒−n気筒において燃料カットを行わせ(S 67 )、実際のエンジン回転数NEが前記所定回転数よりも僅かに高いときには、1気筒のみで燃料カットを実行させる(S 68 )。
【0049】
上記のようにして燃料カットを行う気筒数を制御すれば、応答良く回転数(駆動トルク)を低下させることができると共に、制御のオーバーシュートによって所定回転数を大きく下回ってエンストに至ることを回避できる。
【0050】
尚、燃料カット気筒数の制御は、制御開始からの経過時間に応じて燃料カットを行う気筒数を変化させる構成としたり、回転速度の変化速度を検出し、減少方向への変化速度が大きくなったときにカット気筒数を減少させるなどしても良い。
【0051】
一方、図3のフローチャートにおいて、S27でエンジン回転数NEが所定回転数未満であると判断されたとき、S30へ進み、燃料カット中であるか否かを判別し、燃料カット中であればS31へ進んで燃料カットを停止させて燃料供給を再開させる。また、燃料カット中でなければそのまま本ルーチンを終了させる。
【0052】
従って、スロットル弁の制御開度を制限した結果、実際にスロットル開度が絞られてエンジン回転が低下した場合には燃料カットは実行されず、燃料カットを実行した結果エンジン回転数NEが所定回転数未満に低下したときには燃料供給が再開される。
また、S29で燃料カットを開始した後、回転数NEが所定回転数未満になる前に、ブレーキスイッチ16がOFFになった場合、即ち、運転者の減速意志が無くなった場合には、S32へ進む。
【0053】
S32では、燃料カット中であるか否かを判別し、燃料カット中であれば、S33へ進んで燃料カットを停止させ、燃料供給を再開させる。
【0054】
上記構成によると、通常の一般走行において、アクセル開度がアイドル開度以外のレベルに所定時間以上殆ど一定に保持されることはおよそ皆無であるという特質に基づき、アクセル開度検出系の故障に対する減速要求と、左足ブレーキ走行時とを区別するので、左足ブレーキ走行を許容しつつ、アクセル開度検出系の故障に対する減速要求に対してスロットル制御開度の制限によって確実に対応することが可能であり、また、減速要求をブレーキ操作の有無で判断するので、たとえ脚力の弱い運転者があっても、確実にスロットル開度に制限を加えることができる。
【0055】
また、上記スロットル制御開度の制限(第1のフェイルセーフ制御)を行ってもエンジン回転数NEが高いまま保持される場合には、燃料カット(第2のフェイルセーフ制御)を行って駆動トルクの低下を図るから、スロットル弁3の開固着などによって、制御開度を制限しても駆動トルクを低下させることができない場合であっても、確実に駆動トルクを低下させて、運転者の減速要求に対応できる。
【0056】
一方、スロットル開度の制限によって回転数が低下すれば、燃料カットを行わないので、運転者の減速要求に対して全て燃料カットで対応する第1の実施形態に比べ、スロットル開度検出系の異常時に、ショックが発生するおそれのある燃料カットを行わずに減速要求に対応できる。
【0057】
更に、左足ブレーキ走行を区別してスロットル開度検出系の異常時にのみスロットル開度の制限を行うから、かかる制限が行われていることを条件として燃料カットを行わせることで、左足ブレーキ走行時に燃料カットが行われてしまうことを回避できる。
【0058】
尚、上記実施の形態では、スロットル弁の制御開度(目標開度)に対して制限を加える構成としたが、制御開度の基礎となるアクセル開度検出値に制限を加える構成であっても良く、更に、アクセル開度から目標トルクを演算し、該目標トルクに応じて制御開度(目標開度)を決定する構成の場合には、前記目標トルクに制限を加えても良く、結果的にスロットル開度が制限される構成であれば良い。
【0059】
また、エンジン1と組み合わされる変速機は手動,自動のいずれであっても良いが、手動,自動の違いに対応して時間や回転数の閾値を変更することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2記載の車両走行制御装置の基本構成ブロック図。
【図2】実施の形態のシステム構成図。
【図3】フェイルセーフ制御の実施形態を示すフローチャート。
【図4】前記実施形態における燃料カットの様子を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン
2…吸気通路
3…スロットル弁
5…減速ギヤ
6…モータ
7…スロットル開度センサ
9…アクセルペダル
13…アクセル開度センサ
14…コントロールユニット
15…ブレーキペダル
16…ブレーキスイッチ
17…回転センサ
Claims (4)
- エンジンのスロットル弁を開閉駆動するアクチュエータを備え、アクセル開度に基づいて前記スロットル弁の開度を制御する構成の車両走行制御装置であって、
アクセル開度とスロットル開度との少なくとも一方の検出値が一定である状態が所定時間以上継続し、かつ、ブレーキ操作が行われているときに、前記スロットル弁の制御開度を制限すると共に、該スロットル弁の制御開度の制限状態が所定時間以上継続したときに、所定のエンジン回転速度以上においてエンジンへの燃料供給を停止させることを特徴とする車両走行制御装置。 - エンジンのスロットル弁を開閉駆動するアクチュエータと、
アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
前記検出されたアクセル開度に基づいて前記アクチュエータを制御して前記スロットル弁の開度を制御する開度制御手段と、
スロットル開度とアクセル開度との少なくとも一方の単位時間当たりの変化量を検出する開度変化量検出手段と、
ブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、
前記開度変化量検出手段で検出される開度変化量が所定値以下である状態が所定時間以上継続し、かつ、前記ブレーキ操作検出手段によりブレーキ操作が検出されているときに、前記開度制御手段によるスロットル弁の制御開度を制限するスロットル開度制限手段と、
エンジンの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記スロットル開度制限手段によってスロットル弁の制御開度が制限される状態が所定時間以上継続し、かつ、前記回転速度検出手段で検出されるエンジンの回転速度が所定回転速度以上であるときに、エンジンへの燃料供給を停止させる燃料供給停止手段と、
を含んで構成されたことを特徴とする車両走行制御装置。 - 前記燃料供給停止手段が、燃料供給を停止させる気筒数を段階的に変化させることを特徴とする請求項2記載の車両走行制御装置。
- 前記燃料供給停止手段が、前記所定回転速度に対して実際のエンジン回転速度が高いときほどより多くの気筒に対する燃料供給を停止させることを特徴とする請求項3記載の車両走行制御装置。
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