JP3760358B2 - 摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置 - Google Patents
摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3760358B2 JP3760358B2 JP13789397A JP13789397A JP3760358B2 JP 3760358 B2 JP3760358 B2 JP 3760358B2 JP 13789397 A JP13789397 A JP 13789397A JP 13789397 A JP13789397 A JP 13789397A JP 3760358 B2 JP3760358 B2 JP 3760358B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- throttle valve
- holder member
- wire
- sliding
- hole
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、機関へ供給される混合気の濃度、量を制御する気化器に関し、そのうち特に、気化器本体を貫通する吸気路に絞り弁案内筒が連設され、絞り弁案内筒内に移動自在に配置された絞り弁にて吸気路が開閉された摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置は、図3に示される。10は内部を吸気路11が貫通した気化器本体であって、吸気路11に連設して絞り弁案内筒12が形成され、この絞り弁案内筒12は上方に向かって開口する。絞り弁案内筒12内には、絞り弁13が移動自在に配置され、この絞り弁13には、外周から内方へ向かって傾斜面13Aが形成される。そして、絞り弁13には、運転者によって操作されるアクセルワイヤーWの端部に配置されたワイヤーエンド14が、エンド挿入孔13B内に挿入配置され、エンド係止段部13Cに係止される。一方、気化器本体10にはアイドル調整スクリュー15が螺着されるもので、このアイドル調整スクリュー15は水平方向に配置され、その先端15Aは、絞り弁13の傾斜面13Aに当接する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の摺動絞り弁型気化器によると、絞り弁13のアイドリング開度の調整は、アイドル調整スクリュー15を螺動することによってアイドル調整スクリュー15を水平方向に進退させ、その先端15Aを傾斜面13Aに当接させ、これによって絞り弁13を上下方向に移動して行なうものであった。一方、絞り弁13は絞り弁案内筒12内に移動自在に配置されることから絞り弁13は間隙をもって絞り弁案内筒12内に配置される。以上によると、アイドル調整スクリュー15の先端15Aが絞り弁13の傾斜面13Aに当接した絞り弁13のアイドリング開度時において、絞り弁13は、絞り弁案内筒12内に傾斜した状態に配置される。これは、前述の如く、絞り弁13と絞り弁案内筒12との間に間隙が存在すること。及びアイドル調整スクリュー15の先端15Aが絞り弁13の傾斜面13Aに当接し、絞り弁13が斜めに押圧されることによる。
【0004】
以上によると、絞り弁13の外周と絞り弁案内筒12の内周との接触が部分的に行なわれることになり、接触部の面圧が上昇して摩耗を生ずる恐れがあり、この解決の為に絞り弁13の材料選択の自由度が制限され、更には高価な被膜処理を行なう必要があった。
【0005】
又、絞り弁13がアイドリング開度から開放されると、絞り弁13はアイドル調整スクリュー15による傾斜面13Aに対する押圧力が解除される。このように絞り弁13が開放された自由状態から再びアイドリング開度へ絞り弁13が戻された時、絞り弁13のアイドリング開度時における傾斜状態が原傾斜状態に比較して変化する恐れがある。以上によると、絞り弁13のアイドリング開度状態に対応して位置決め決定されたバイパス孔との相対位置関係に差異が生じ、低速燃料の再現性が阻害される。
【0006】
本発明は上記課題に鑑み成されたもので、絞り弁の摺動耐久性の向上と低速燃料の再現性の向上とを達成することのできる摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置を提供することを主目的とする。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
本発明になる摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置は、前記目的達成の為に、気化器本体を貫通する吸気路に絞り弁案内筒が連設され、絞り弁案内筒内に移動自在に配置された絞り弁にて吸気路が開閉された摺動絞り弁型気化器において、絞り弁案内筒の上部開口を閉塞するトップカバーは、絞り弁案内筒の外周にあって、絞り弁案内筒の長手方向に沿って形成されたオネジに螺着されるとともに、その中心部に形成されたガイド筒部には、ガイド筒部の上端から下方に向けてホルダー部材摺動孔が穿設されるとともに、ホルダー部材摺動孔から係止段部を介して下方に向けてエンド挿入孔が貫通して形成され、一方、連結部材は、その下端に絞り弁に係止されるエンドを備え、上端に、ホルダー部材摺動孔内に摺動自在に配置されて係止段部に当接するとともにアクセルワイヤーのワイヤーエンドを係止するワイヤーエンド孔が穿設されたホルダー部材を備え、前記、連結部材のエンドを絞り弁に係止し、ホルダー部材をホルダー部材摺動孔内に移動自在に配置するとともにアクセルワイヤーのワイヤーエンドをワイヤーエンド孔を介してホルダー部材に係止し、ホルダー部材を係止段部に当接し、トップカバーを螺動することによって絞り弁のアイドリング開度を調整したことを第1の特徴とする。
【0008】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、連結部材のエンドとホルダー部材及びアクセルワイヤーのワイヤーエンドを、摺動絞り弁の横断面の中心を通る長手軸心線上に配置したことを第2の特徴とする。
【0009】
【実施例】
以下、本発明になる摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置の一実施例について図1により説明する。1は内部を吸気路2が貫通した気化器本体であり、吸気路2から上方に向けて絞り弁案内筒3が連設される。絞り弁案内筒3の上方は上部開口3Aをもって開口し、更に絞り弁案内筒3の上部外周には、絞り弁案内筒3の長手方向に沿ってオネジ3Bが形成される。絞り弁案内筒3内には絞り弁4が移動自在に配置され、絞り弁4が上下方向に移動することによって吸気路2が開閉される。
【0010】
5は、絞り弁案内筒3の上部開口3Aを閉塞するトップカバーであり、筒部5Aと底部5Bとよりなる有底筒状をなす。そして、トップカバー5の筒部5Aの内方にはオネジ3Bに螺着されるメネジ5Cが形成され、底部5Bの中心には、ガイド筒部5Dが形成される。このガイド筒部5Dには、ホルダー部材摺動孔5Fと係止段部5Eとエンド挿入孔5Gとが連設される。具体的にホルダー部材摺動孔5Fは、ガイド筒部5Dの上端5Hから下方の係止段部5Eに向けて穿設され、さらに係止段部5Eから下端5Jに向かってエンド挿入孔5Gが貫通して穿設される。エンド挿入孔5Gの直径はホルダー部材摺動孔5Fの直径より小径に形成され、その直径の差に相当する段部が係止段部5Eを形成する。すなわち、ガイド筒部5Dの上端5Hにホルダー部材摺動孔5Fが開口し、下端5Jにはエンド挿入孔5Gが開口する。
【0011】
6は、連結部材でその下方にエンド7を備え、上方にホルダー部材8を備える。エンド7は円筒状をなし、ガイド筒部5Dのエンド挿入孔5G内を通過できるようエンド挿入孔5Gの直径より小径をなす。又、ホルダー部材8は、ホルダー部材摺動孔5F内を摺動自在に移動できる直径であって、円筒状をなし、その内方には、アクセルワイヤーWの端部に配置されたワイヤーエンド14を挿入して係止しうるワイヤーエンド孔8Aとワイヤーエンド係止段部8Bとが形成される。
【0012】
9は、絞り弁4の内底部4Aに螺着されたエンド係止部材であり、このエンド係止部材9は、鍔部9A、鍔部9Aより下方にのびるネジ部9B、鍔部9Aより上方にのびる係止筒部9Cとにより形成され、その内方には、連結部材6のエンド7を挿入して係止しうるエンド孔9Dと、エンド係止段部9Eとが形成される。
【0013】
次に本発明になる摺動絞り弁型気化器の組みつけについて述べる。図2によって説明すると、第1にホルダー部材8のワイヤーエンド孔8A内にアクセルワイヤーWのワイヤーエンド14を挿入配置し、ワイヤーエンド孔8A内にあるワイヤーエンド14をワイヤーエンド係止段部8Bに係止して配置する。
【0014】
第2に、連結部材6をホルダー部材摺動孔5Fの上端5H開口より下方に向けて挿通するもので、エンド7はホルダー部材摺動孔5F、係止段部5Eを介してエンド挿入孔5Gより下方に配置され、一方、ワイヤーエンド14を備えたホルダー部材8はホルダー部材摺動孔5F内に配置され、その下端8Cが係止段部5Eに当接する。
【0015】
第3に、連結部材6のエンド7を絞り弁4に取着するもので、エンド7をエンド係止部材9のエンド孔9D内に配置するとともにエンド7をエンド係止段部9Eに係止して配置する。尚、かかる第3の組みつけ時において、トップカバー5の底部5Bと、絞り弁4の内底部4Aとの間にはスプリングSが縮設される。
【0016】
以上によって、アクセルワイヤーWと絞り弁4とは連結部材6を介して連結されたもので、絞り弁4はエンド係止部材9を介して連結部材6のエンド7に連結され、アクセルワイヤーWのワイヤーエンド14は、連結部材6のホルダー部材8に連結された。
【0017】
そして、前記状態にある絞り弁4が絞り弁案内筒3内に配置され、トップカバー5のメネジ5Cが絞り弁案内筒3の上部外周に形成されたオネジ3Bに螺着される。この状態が図1に示されるもので、かかる状態において、連結部材6のホルダー部材8の下端8Cがトップカバー5の係止段部5Eに当接し、これによって絞り弁4の最低開度が決定される。
【0018】
絞り弁4の最低開度であるアイドリング開度は、気化器が組みつけられる機関ごとに調整されるもので、このアイドリング開度の調整は、トップカバー5を螺動することによって行なわれる。すなわち、ネジを右ネジで形成した場合、トップカバー5を時計方向へ回転することによって、トップカバー5と一体的に形成された係止段部5Eは下方へ移動して、絞り弁4の開度が閉なる方向に制御できる。一方、トップカバー5を反時計方向へ回転することによって、係止段部5Eは上方へ移動して絞り弁4の開度が開く方向に制御できる。従って、トップカバー5を回転することによって所望のアイドリング開度を得ることができる。
【0019】
そして、本発明になる摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置によると、絞り弁4の開度を調整する調整部を、トップカバー5に設けた係止段部5Eと連結部材6のホルダー部材8の下端8Cとによって行なったので、絞り弁4に対して傾斜した力が加えられることがなく、絞り弁3を常に正立状態に保持できる。従って、絞り弁4は、絞り弁案内筒3に均一に当接して摺動するもので、その接触部における面圧の上昇が抑止できたもので、これによると、絞り弁4の材料選択の自由度を高めることができ、更には高価な被膜処理を必要とするものでなく、気化器の製造コストを低減する上で効果的である。
【0020】
又、絞り弁3が正立状態において、開閉動作されることによると、絞り弁3は、常に設定されたアイドリング位置に復帰するもので、バイパス孔との相対位置を常に正確に保持することができて、特に低速燃料の再現性を向上できたものである。
【0021】
又、図1に示される如く、連結部材6のエンド7及びホルダー部材8、更にはアクセルワイヤーWのワイヤーエンド14を、絞り弁4の中心を通る長手軸心線X−X上に配置したことによると、絞り弁4の中心に対して操作力を付与できるとともに絞り弁4の長手方向に沿って操作力を付与できるもので、これによって絞り弁4は一側に傾斜されることなく更に良好な正立状態を保持できるもので、絞り弁4の摺動耐久性と低速燃料の再現性を更に向上できたものである。
【0022】
尚、S1、S2はトップカバー5が振動によってユルムことのないよう、トップカバー5を一側に押圧するスプリングであり、これによってトップカバー5の設定後において、トップカバー5が回転してアイドリング開度が不必要に変化することを抑止できる。
【0023】
【発明の効果】
本発明になる摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置によると、絞り弁案内筒の上部に螺着されたトップカバーのガイド筒部に、ホルダー部材摺動孔と、係止段部を介して下方に開口するエンド挿入孔を設け、一方、連結部材には、その下端にエンドを備え、上端にホルダー部材摺動孔内に摺動自在に配置されるとともにワイヤーエンド孔が穿設されたホルダー部材を備え、連結部材のエンドを絞り弁に係止し、ホルダー部材をホルダー部材摺動孔内に移動自在に配置するとともにアクセルワイヤーのワイヤーエンドをワイヤーエンド孔を介してホルダー部材に係止し、ホルダー部材を係止段部に当接し、トップカバーを螺動することによって絞り弁のアイドリング開度を調整したので、絞り弁のアイドリング開度時において、絞り弁を正立状態に保持でき、絞り弁の摺動耐久性の向上と、低速燃料の再現性を向上できたものである。又、連結部材のエンドとホルダー部材及びアクセルワイヤーのワイヤーエンドを、絞り弁の中心を通る長手軸心線上に配置したことによると、絞り弁の中心で且つ絞り弁の長手方向に沿って操作力を付与できたもので、絞り弁の正立性をより高めることができて、前記効果をより一層向上できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる摺動絞り弁型気化器のアイドリング装置の一実施例を示す縦断面図。
【図2】連結部材に対する絞り弁とワイヤーエンドとの連結状態を示す縦断面図。
【図3】従来の摺動絞り弁型気化器のアイドリング装置を示す縦断面図。
【符号の説明】
3 絞り弁案内筒
4 絞り弁
5 トップカバー
5D ガイド筒部
5E 係止段部
5F ホルダー部材摺動孔
5G エンド挿入孔
6 連結部材
7 エンド
8 ホルダー部材
8A ワイヤーエンド孔
14 ワイヤーエンド
【産業上の利用分野】
本発明は、機関へ供給される混合気の濃度、量を制御する気化器に関し、そのうち特に、気化器本体を貫通する吸気路に絞り弁案内筒が連設され、絞り弁案内筒内に移動自在に配置された絞り弁にて吸気路が開閉された摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置は、図3に示される。10は内部を吸気路11が貫通した気化器本体であって、吸気路11に連設して絞り弁案内筒12が形成され、この絞り弁案内筒12は上方に向かって開口する。絞り弁案内筒12内には、絞り弁13が移動自在に配置され、この絞り弁13には、外周から内方へ向かって傾斜面13Aが形成される。そして、絞り弁13には、運転者によって操作されるアクセルワイヤーWの端部に配置されたワイヤーエンド14が、エンド挿入孔13B内に挿入配置され、エンド係止段部13Cに係止される。一方、気化器本体10にはアイドル調整スクリュー15が螺着されるもので、このアイドル調整スクリュー15は水平方向に配置され、その先端15Aは、絞り弁13の傾斜面13Aに当接する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の摺動絞り弁型気化器によると、絞り弁13のアイドリング開度の調整は、アイドル調整スクリュー15を螺動することによってアイドル調整スクリュー15を水平方向に進退させ、その先端15Aを傾斜面13Aに当接させ、これによって絞り弁13を上下方向に移動して行なうものであった。一方、絞り弁13は絞り弁案内筒12内に移動自在に配置されることから絞り弁13は間隙をもって絞り弁案内筒12内に配置される。以上によると、アイドル調整スクリュー15の先端15Aが絞り弁13の傾斜面13Aに当接した絞り弁13のアイドリング開度時において、絞り弁13は、絞り弁案内筒12内に傾斜した状態に配置される。これは、前述の如く、絞り弁13と絞り弁案内筒12との間に間隙が存在すること。及びアイドル調整スクリュー15の先端15Aが絞り弁13の傾斜面13Aに当接し、絞り弁13が斜めに押圧されることによる。
【0004】
以上によると、絞り弁13の外周と絞り弁案内筒12の内周との接触が部分的に行なわれることになり、接触部の面圧が上昇して摩耗を生ずる恐れがあり、この解決の為に絞り弁13の材料選択の自由度が制限され、更には高価な被膜処理を行なう必要があった。
【0005】
又、絞り弁13がアイドリング開度から開放されると、絞り弁13はアイドル調整スクリュー15による傾斜面13Aに対する押圧力が解除される。このように絞り弁13が開放された自由状態から再びアイドリング開度へ絞り弁13が戻された時、絞り弁13のアイドリング開度時における傾斜状態が原傾斜状態に比較して変化する恐れがある。以上によると、絞り弁13のアイドリング開度状態に対応して位置決め決定されたバイパス孔との相対位置関係に差異が生じ、低速燃料の再現性が阻害される。
【0006】
本発明は上記課題に鑑み成されたもので、絞り弁の摺動耐久性の向上と低速燃料の再現性の向上とを達成することのできる摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置を提供することを主目的とする。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
本発明になる摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置は、前記目的達成の為に、気化器本体を貫通する吸気路に絞り弁案内筒が連設され、絞り弁案内筒内に移動自在に配置された絞り弁にて吸気路が開閉された摺動絞り弁型気化器において、絞り弁案内筒の上部開口を閉塞するトップカバーは、絞り弁案内筒の外周にあって、絞り弁案内筒の長手方向に沿って形成されたオネジに螺着されるとともに、その中心部に形成されたガイド筒部には、ガイド筒部の上端から下方に向けてホルダー部材摺動孔が穿設されるとともに、ホルダー部材摺動孔から係止段部を介して下方に向けてエンド挿入孔が貫通して形成され、一方、連結部材は、その下端に絞り弁に係止されるエンドを備え、上端に、ホルダー部材摺動孔内に摺動自在に配置されて係止段部に当接するとともにアクセルワイヤーのワイヤーエンドを係止するワイヤーエンド孔が穿設されたホルダー部材を備え、前記、連結部材のエンドを絞り弁に係止し、ホルダー部材をホルダー部材摺動孔内に移動自在に配置するとともにアクセルワイヤーのワイヤーエンドをワイヤーエンド孔を介してホルダー部材に係止し、ホルダー部材を係止段部に当接し、トップカバーを螺動することによって絞り弁のアイドリング開度を調整したことを第1の特徴とする。
【0008】
又、本発明は、前記第1の特徴に加え、連結部材のエンドとホルダー部材及びアクセルワイヤーのワイヤーエンドを、摺動絞り弁の横断面の中心を通る長手軸心線上に配置したことを第2の特徴とする。
【0009】
【実施例】
以下、本発明になる摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置の一実施例について図1により説明する。1は内部を吸気路2が貫通した気化器本体であり、吸気路2から上方に向けて絞り弁案内筒3が連設される。絞り弁案内筒3の上方は上部開口3Aをもって開口し、更に絞り弁案内筒3の上部外周には、絞り弁案内筒3の長手方向に沿ってオネジ3Bが形成される。絞り弁案内筒3内には絞り弁4が移動自在に配置され、絞り弁4が上下方向に移動することによって吸気路2が開閉される。
【0010】
5は、絞り弁案内筒3の上部開口3Aを閉塞するトップカバーであり、筒部5Aと底部5Bとよりなる有底筒状をなす。そして、トップカバー5の筒部5Aの内方にはオネジ3Bに螺着されるメネジ5Cが形成され、底部5Bの中心には、ガイド筒部5Dが形成される。このガイド筒部5Dには、ホルダー部材摺動孔5Fと係止段部5Eとエンド挿入孔5Gとが連設される。具体的にホルダー部材摺動孔5Fは、ガイド筒部5Dの上端5Hから下方の係止段部5Eに向けて穿設され、さらに係止段部5Eから下端5Jに向かってエンド挿入孔5Gが貫通して穿設される。エンド挿入孔5Gの直径はホルダー部材摺動孔5Fの直径より小径に形成され、その直径の差に相当する段部が係止段部5Eを形成する。すなわち、ガイド筒部5Dの上端5Hにホルダー部材摺動孔5Fが開口し、下端5Jにはエンド挿入孔5Gが開口する。
【0011】
6は、連結部材でその下方にエンド7を備え、上方にホルダー部材8を備える。エンド7は円筒状をなし、ガイド筒部5Dのエンド挿入孔5G内を通過できるようエンド挿入孔5Gの直径より小径をなす。又、ホルダー部材8は、ホルダー部材摺動孔5F内を摺動自在に移動できる直径であって、円筒状をなし、その内方には、アクセルワイヤーWの端部に配置されたワイヤーエンド14を挿入して係止しうるワイヤーエンド孔8Aとワイヤーエンド係止段部8Bとが形成される。
【0012】
9は、絞り弁4の内底部4Aに螺着されたエンド係止部材であり、このエンド係止部材9は、鍔部9A、鍔部9Aより下方にのびるネジ部9B、鍔部9Aより上方にのびる係止筒部9Cとにより形成され、その内方には、連結部材6のエンド7を挿入して係止しうるエンド孔9Dと、エンド係止段部9Eとが形成される。
【0013】
次に本発明になる摺動絞り弁型気化器の組みつけについて述べる。図2によって説明すると、第1にホルダー部材8のワイヤーエンド孔8A内にアクセルワイヤーWのワイヤーエンド14を挿入配置し、ワイヤーエンド孔8A内にあるワイヤーエンド14をワイヤーエンド係止段部8Bに係止して配置する。
【0014】
第2に、連結部材6をホルダー部材摺動孔5Fの上端5H開口より下方に向けて挿通するもので、エンド7はホルダー部材摺動孔5F、係止段部5Eを介してエンド挿入孔5Gより下方に配置され、一方、ワイヤーエンド14を備えたホルダー部材8はホルダー部材摺動孔5F内に配置され、その下端8Cが係止段部5Eに当接する。
【0015】
第3に、連結部材6のエンド7を絞り弁4に取着するもので、エンド7をエンド係止部材9のエンド孔9D内に配置するとともにエンド7をエンド係止段部9Eに係止して配置する。尚、かかる第3の組みつけ時において、トップカバー5の底部5Bと、絞り弁4の内底部4Aとの間にはスプリングSが縮設される。
【0016】
以上によって、アクセルワイヤーWと絞り弁4とは連結部材6を介して連結されたもので、絞り弁4はエンド係止部材9を介して連結部材6のエンド7に連結され、アクセルワイヤーWのワイヤーエンド14は、連結部材6のホルダー部材8に連結された。
【0017】
そして、前記状態にある絞り弁4が絞り弁案内筒3内に配置され、トップカバー5のメネジ5Cが絞り弁案内筒3の上部外周に形成されたオネジ3Bに螺着される。この状態が図1に示されるもので、かかる状態において、連結部材6のホルダー部材8の下端8Cがトップカバー5の係止段部5Eに当接し、これによって絞り弁4の最低開度が決定される。
【0018】
絞り弁4の最低開度であるアイドリング開度は、気化器が組みつけられる機関ごとに調整されるもので、このアイドリング開度の調整は、トップカバー5を螺動することによって行なわれる。すなわち、ネジを右ネジで形成した場合、トップカバー5を時計方向へ回転することによって、トップカバー5と一体的に形成された係止段部5Eは下方へ移動して、絞り弁4の開度が閉なる方向に制御できる。一方、トップカバー5を反時計方向へ回転することによって、係止段部5Eは上方へ移動して絞り弁4の開度が開く方向に制御できる。従って、トップカバー5を回転することによって所望のアイドリング開度を得ることができる。
【0019】
そして、本発明になる摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置によると、絞り弁4の開度を調整する調整部を、トップカバー5に設けた係止段部5Eと連結部材6のホルダー部材8の下端8Cとによって行なったので、絞り弁4に対して傾斜した力が加えられることがなく、絞り弁3を常に正立状態に保持できる。従って、絞り弁4は、絞り弁案内筒3に均一に当接して摺動するもので、その接触部における面圧の上昇が抑止できたもので、これによると、絞り弁4の材料選択の自由度を高めることができ、更には高価な被膜処理を必要とするものでなく、気化器の製造コストを低減する上で効果的である。
【0020】
又、絞り弁3が正立状態において、開閉動作されることによると、絞り弁3は、常に設定されたアイドリング位置に復帰するもので、バイパス孔との相対位置を常に正確に保持することができて、特に低速燃料の再現性を向上できたものである。
【0021】
又、図1に示される如く、連結部材6のエンド7及びホルダー部材8、更にはアクセルワイヤーWのワイヤーエンド14を、絞り弁4の中心を通る長手軸心線X−X上に配置したことによると、絞り弁4の中心に対して操作力を付与できるとともに絞り弁4の長手方向に沿って操作力を付与できるもので、これによって絞り弁4は一側に傾斜されることなく更に良好な正立状態を保持できるもので、絞り弁4の摺動耐久性と低速燃料の再現性を更に向上できたものである。
【0022】
尚、S1、S2はトップカバー5が振動によってユルムことのないよう、トップカバー5を一側に押圧するスプリングであり、これによってトップカバー5の設定後において、トップカバー5が回転してアイドリング開度が不必要に変化することを抑止できる。
【0023】
【発明の効果】
本発明になる摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置によると、絞り弁案内筒の上部に螺着されたトップカバーのガイド筒部に、ホルダー部材摺動孔と、係止段部を介して下方に開口するエンド挿入孔を設け、一方、連結部材には、その下端にエンドを備え、上端にホルダー部材摺動孔内に摺動自在に配置されるとともにワイヤーエンド孔が穿設されたホルダー部材を備え、連結部材のエンドを絞り弁に係止し、ホルダー部材をホルダー部材摺動孔内に移動自在に配置するとともにアクセルワイヤーのワイヤーエンドをワイヤーエンド孔を介してホルダー部材に係止し、ホルダー部材を係止段部に当接し、トップカバーを螺動することによって絞り弁のアイドリング開度を調整したので、絞り弁のアイドリング開度時において、絞り弁を正立状態に保持でき、絞り弁の摺動耐久性の向上と、低速燃料の再現性を向上できたものである。又、連結部材のエンドとホルダー部材及びアクセルワイヤーのワイヤーエンドを、絞り弁の中心を通る長手軸心線上に配置したことによると、絞り弁の中心で且つ絞り弁の長手方向に沿って操作力を付与できたもので、絞り弁の正立性をより高めることができて、前記効果をより一層向上できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる摺動絞り弁型気化器のアイドリング装置の一実施例を示す縦断面図。
【図2】連結部材に対する絞り弁とワイヤーエンドとの連結状態を示す縦断面図。
【図3】従来の摺動絞り弁型気化器のアイドリング装置を示す縦断面図。
【符号の説明】
3 絞り弁案内筒
4 絞り弁
5 トップカバー
5D ガイド筒部
5E 係止段部
5F ホルダー部材摺動孔
5G エンド挿入孔
6 連結部材
7 エンド
8 ホルダー部材
8A ワイヤーエンド孔
14 ワイヤーエンド
Claims (2)
- 気化器本体を貫通する吸気路に絞り弁案内筒が連設され、絞り弁案内筒内に移動自在に配置された絞り弁にて吸気路が開閉された摺動絞り弁型気化器において、絞り弁案内筒3の上部開口3Aを閉塞するトップカバー5は、絞り弁案内筒3の外周にあって、絞り弁案内筒3の長手方向に沿って形成されたオネジ3Bに螺着されるとともに、その中心部に形成されたガイド筒部5Dには、ガイド筒部5Dの上端5Hから下方に向けてホルダー部材摺動孔5Fが穿設されるとともに、ホルダー部材摺動孔5Fから係止段部5Eを介して下方に向けてエンド挿入孔5Gが貫通して形成され、一方、連結部材6は、その下端に絞り弁に係止されるエンド7を備え、上端に、ホルダー部材摺動孔5F内に摺動自在に配置されて係止段部5Eに当接するとともにアクセルワイヤーWのワイヤーエンド14を係止するワイヤーエンド孔8Aが穿設されたホルダー部材8を備え、前記、連結部材6のエンド7を絞り弁4に係止し、ホルダー部材8をホルダー部材摺動孔5F内に移動自在に配置するとともにアクセルワイヤーWのワイヤーエンド14をワイヤーエンド孔8Aを介してホルダー部材8に係止し、ホルダー部材8を係止段部5Eに当接し、トップカバー5を螺動することによって絞り弁4のアイドリング開度を調整してなる摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置。
- 前記、連結部材6のエンド7とホルダー部材8及びアクセルワイヤーWのワイヤーエンド14を、絞り弁3の中心を通る長手軸心線X−X上に配置したことを特徴とする請求項1記載の摺動絞り弁型気化器におけるアイドリング調整装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13789397A JP3760358B2 (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13789397A JP3760358B2 (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10311249A JPH10311249A (ja) | 1998-11-24 |
JP3760358B2 true JP3760358B2 (ja) | 2006-03-29 |
Family
ID=15209149
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13789397A Expired - Fee Related JP3760358B2 (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3760358B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102335773A (zh) * | 2011-09-23 | 2012-02-01 | 庄景阳 | 化油器降低主油针节油维修方法 |
-
1997
- 1997-05-12 JP JP13789397A patent/JP3760358B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10311249A (ja) | 1998-11-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6923151B2 (en) | Apparatus for the adjustment of the stroke of a valve actuated by a camshaft | |
US4097561A (en) | Idle mixture adjusting device of carburetor | |
US8051814B2 (en) | Engine | |
US4246929A (en) | Tamper proof idle adjusting screws | |
JP3760358B2 (ja) | 摺動絞り弁型気化器のアイドリング調整装置 | |
US7007931B2 (en) | Rotary throttle valve carburetor | |
US6401676B1 (en) | Valve device having valve resting mechanism used for internal combustion engine | |
US4380221A (en) | Regulating device for a fuel injection pump | |
US4071044A (en) | Air monitoring valve for combustion engines | |
US20030025218A1 (en) | Choke valve device in carburetor | |
JPS6350534Y2 (ja) | ||
US20220018315A1 (en) | Rotary carburetor | |
JPH11315754A (ja) | 定真空式気化器 | |
JPH10288095A (ja) | 摺動絞り弁型気化器 | |
JP2000220528A (ja) | ワイヤー操作式摺動絞り弁型気化器 | |
JP2556102B2 (ja) | 燃料噴射弁 | |
JP4602596B2 (ja) | 気化器 | |
JPS6212849Y2 (ja) | ||
JPS6212848Y2 (ja) | ||
JP2004019483A (ja) | 回転絞り弁式気化器 | |
JPH0134692Y2 (ja) | ||
JPS633416Y2 (ja) | ||
JPH08284758A (ja) | 摺動絞り弁型気化器 | |
JPH037661Y2 (ja) | ||
JPH0724607Y2 (ja) | 気化器の摺動絞り弁 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051026 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051101 |
|
R155 | Notification before disposition of declining of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R155 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051226 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |