JPH0134692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は気化器本体を貫通する吸気道に連設し
た摺動弁案内筒内に吸気道を開閉する摺動弁を備
えた摺動弁型気化器に係わるものである。かかる
摺動弁型気化器は燃料の吸気道内への噴出量を制
御する為にジエツトニードルとニードルジエツト
を有するものであり、特にジエツトニードルは摺
動弁の開度と同期的に移動してニードルジエツト
との有効面積を制御する為に摺動弁と一体的に取
りつけられることが要求される。この為に従来一
般的には摺動弁にネジ加工を行なつて締つけビス
にてジエツトニードルを保持したり、あるいは摺
動弁の内部に溝加工を行ない、この溝部にクリツ
プ等を嵌入させたり、あるいは摺動弁の底部に円
筒状のカラーを配置したりして、ジエツトニード
ルを摺動弁に取り付けるものであつた。

然しながら第１の装置によればネジ加工、ビス
の締めつけ作業が必要なことからコスト高を招来
し、第２の装置によれば溝加工、クリツプの嵌入
作業によつて作業性が悪く、コスト高を招来し、
さらに第３の装置によれば底部に配置したカラー
が機関の摺動によつて反転する恐れがあつたり、
反転しないまでもカラーが傾斜して配置されてし
まう恐れがあり、ジエツトニードル保持の確実性
が不足する等という不具合を有するものであつ
た。

本考案になるジエツトニードル保持装置はかか
る点に鑑みなされたもので構造簡単で作業性が高
くしかも確実なるジエツトニードルの保持が可能
な装置を提供することにある。

以下、本考案になる摺動弁型気化器のジエツト
ニードル保持装置の一実施例を第１図により説明
する。

１は内部を吸気道２が貫通した気化器本体であ
り、該吸気道の一側から第１図において上方に摺
動弁案内筒３が連設される。吸気道２にはニード
ルジエツト４が突き出して開口し、このニードル
ジエツト４はミキシングノズル５、メーンジエツ
ト６を介して浮子室７内に形成された一定液面Ｘ
−Ｘの下に開口される。

一方摺動弁案内筒３内には吸気道２の開口面積
を制御する摺動弁８が摺動自在に配置され、摺動
弁案内筒３の上部はトツプ９にて閉塞される。以
上は従来公知の摺動弁型気化器の構造であつて前
記目的達成の為に更に次の構造を付加する。

すなわち、８Ａは摺動弁８の内底部８Ｂより摺
動弁８の長手軸心方向Ｙ−Ｙに（図において上方
に）突起して設けた直径φAなる円筒状の支持部
であり、該支持部の中心部はジエツトニードル１
０が挿通して配置されるようジエツトニードル挿
通孔１１が貫通して穿設され、さらに支持部８Ａ
の上部端面８Ｃにはジエツトニードル１０の鍔部
１０Ａをのせるジエツトニードル係止平坦部８Ｄ
が形成される。そしてこの支持部８Ａの摺動弁８
の内底部８Ｂよりの高さＨは支持部８Ａの直径
φAより大なる高さＨを有する。

また、支持部８Ａの外周には該支持部の外周に
嵌入されるジエツトニードル押圧部材１２を配置
するものであり、このジエツトニードル押圧部材
１２は合成樹脂材料にて形成される。このジエツ
トニードル押圧部材１２の内部には支持部８Ａの
外周に嵌入される、支持部８Ａの外径φAと略等
しい外径φA′の嵌入孔１２Ａが下方より上方に向
つて穿設され、その嵌入孔１２Ａの孔深さH′は
支持部８Ａの高さＨと略等しい。

さらに嵌入孔１２Ａの上端部１２Ｂには、上方
へ伸びるジエツトニードル１０の鍔部収納凹部１
２Ｃが設けられ、この鍔部収納凹部１２Ｃの上底
部１２Ｄはジエツトニードル１０の鍔部１０Ａを
係止すべく平面状に形成されるとともに鍔部収納
凹部１２Ｃの直径φCは嵌入孔１２Ａの直径
φA′より小径なるものである。さらにまたジエツ
トニードル押圧部材１２の外周の下端部より側方
に係止鍔部１２Ｅを設けたものである。

尚、１３は摺動弁８を下方に押圧する為にジエ
ツトニードル押圧部材１２の係止鍔部１２Ｅの上
面とトツプ９との間に縮設された絞り弁リターン
スプリングである。

かかるジエツトニードル保持装置によれば、ま
ずジエツトニードル１０を支持部８Ａのジエツト
ニードル挿通孔１１内に挿入し、ジエツトニード
ル１０の鍔部１０Ａの下面を支持部８のジエツト
ニードル係止平坦部８Ｄ上にのせて配置し、次い
でジエツトニードル押圧部材１２の嵌入孔１２Ａ
を上方より下方へ支持部８Ａの外周に嵌入するも
のである。これによるとジエツトニードル１０の
鍔部１０Ａは支持部８Ａのジエツトニードル係止
平坦部８Ｄとジエツトニードル押圧部材１２の鍔
部収納凹部１２Ｃの上底部１２Ｄとの間に保持で
きるものであり、一方ジエツトニードル押圧部材
１２の係止鍔部１２Ｅが絞り弁リターンスプリン
グ１３によつて摺動弁８の内底部８Ｂに押圧され
ているので、ジエツトニードル１０は支持部８Ａ
のジエツトニードル係止平坦部８Ｄと、ジエツト
ニードル押圧部材１２の上底部１２Ｄとの間に確
実に保持される。

そして、特にジエツトニードル押圧部材１２の
材質を合成樹脂材料にて形成したので支持部８Ａ
への挿入時において弾性力を利用して装着が確実
となるとともにジエツトニードル押圧部材１２の
製作コストを低減できるものである。

尚、本実施例は摺動弁を操作ワイヤー等にて機
械的に操作する摺動弁型気化器を示したが摺動弁
の上部にダイヤフラム等の区画体を配置し、この
区画体にて大気室と受圧室とに区分し、受圧室内
に吸気道負圧を導入したいわゆる定真空式気化器
の摺動弁でも良いものである。

以上の如く本考案になる摺動弁型気化器のジエ
ツトニードル保持装置によれば、ジエツトニー
ドルの装着は、支持部のジエツトニードル挿通孔
内にジエツトニードルを挿通し、しかる後にジエ
ツトニードル押圧部材を支持部の外周に嵌入さ
せ、次いで、絞り弁リターンスプリングを係止鍔
部上に配置してトツプを螺着すればよいものであ
つて、作業性の向上を図ることができるとともに
ジエツトニードルの交換時には単にジエツトニー
ドル押圧部材を手で引き抜くだけでよいのでドラ
イバー、クリツプ外し工具等が不要となり、特に
ジエツトニードルはユーザーの間においてよく交
換されるがメンテナンスが極めて容易となつたも
のである。

ジエツトニードル押圧部材はそのガイドされ
る径、すなわち嵌入孔の孔径（すなわちφA）
に比して嵌入される高さ、（すなわちＨ）を大
きくしたこと及びジエツトニードル押圧部材を
合成樹脂材料にて形成したので上方への摺動を
受けたときにおけるジエツトニードル押圧部材
の上方への慣性力が少ないので、ジエツトニー
ドル押圧部材が摺動を受けても反転したりする
ことはなくなり、常にジエツトニードルを適正
に押圧し得るものである。

絞り弁リターンスプリングはジエツトニード
ル押圧部材の係止鍔部上に配置されるとともに
摺動弁案内筒とジエツトニードル押圧部材間に
あるので摺動弁の特に高開度時においても比較
的その収納隙間が狭い（なんとならばジエツト
ニードル押圧部材が摺動弁案内筒内に配置され
ているので）ので絞り弁リターンスプリングの
倒れによる座クツが起きにくく摺動弁の作動性
を円滑に保持し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる摺動弁型気化器のジエツ
トニードル保持装置の一実施例を示す縦断面図で
あり、第２図はジエツトニードル押圧部材の縦断
面図である。 ８……摺動弁、８Ａ……支持部、８Ｄ……ジエ
ツトニードル係止平坦部、９……トツプ、１２…
…ジエツトニードル押圧部材、１２Ａ……嵌入
孔、１２Ｃ……鍔部収納凹部、１２Ｄ……上底
部、１３……絞り弁リターンスプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 気化器本体１を貫通する吸気道２より摺動弁案
   内筒３を連設し、該摺動弁案内筒内に吸気道２を
   開閉制御する摺動弁８を備えた摺動弁型気化器に
   おいて、 摺動弁８の内底部８Ｂより摺動弁の長手軸心線
   Ｙ−Ｙに沿つて上方にのびる支持部８Ａを突起し
   て設け、該支持部には、その内部にジエツトニー
   ドル挿通孔１１を穿設するとともに支持部８Ａの
   上部端面８Ｃにジエツトニードル係止平坦部８Ｄ
   を設け、さらに支持部８Ａの摺動弁８の内底部８
   Ｂよりの上方高さＨを支持部８Ａの直径φAより
   大となし、一方ジエツトニードル押圧部材を合成
   樹脂材料により形成し、その内部には下方が開口
   して支持部８Ａの外周に嵌入される嵌入孔１２Ａ
   と、嵌入孔１２Ａの上端部１２Ｂより、嵌入孔１
   ２Ａの直径より小径の直径を有する鍔部収納凹部
   １２Ｃを上方に向つて穿設するとともに、その下
   方外周端部には側方に延びる係止鍔部１２Ｅを設
   けてなり、支持部８Ａの外周にジエツトニードル
   押圧部材１２の嵌入孔１２Ａを嵌入することによ
   つてジエツトニードル１０の鍔部１０Ａを支持部
   ８Ａの上部端面８Ｃと鍔部収納凹部１２Ｃとの間
   に配置するとともにジエツトニードル押圧部材１
   ２の係止鍔部１２Ｅの上面とトツプ９との間に絞
   り弁リターンスプリング１３を縮設し、ジエツト
   ニードル押圧部材１２を摺動弁８の内底部８Ｂに
   弾性的に押圧してなる摺動弁型気化器のジエツト
   ニードル保持装置。