JP3760302B2 - 部材の接合構造および場所打ちコンクリート杭と上部構造との接合部の構築方法 - Google Patents

部材の接合構造および場所打ちコンクリート杭と上部構造との接合部の構築方法

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異なる二部材の端部同士を互いに接合するための部材の接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、異なる部材を接合する場合、両者間の相対変形や相対回転を許容するためにピン支承やローラー支承が採用されている。中でも、ピン支承は、接合部において曲げ応力を伝達しないで軸力やせん断力を伝達することができるため、多くの構造物で使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ピン支承などの支承部は、通常、接合される部材断面と比較してわずかな接触面積で応力伝達するために、大きな支圧応力が生じることとなる。また、支承と接する構造部材にもかなりの支圧応力度が発生することとなり、支承部を鋼材により、構造部材をコンクリートにより形成した場合には、コンクリートが鋼材に比較して許容支圧応力度が小さいために、支承部によって伝達される支圧応力を構造部材に対して分散させるためのベースプレートを大面積とする必要があった。
【0004】
このような場合、鋼材を追加することによりベースプレートの面積を大きくし、これにより支圧面積を増加させたり、あるいは、支承部と一体化させた鋼材をコンクリート内に埋め込むことで鋼材とコンクリートとの付着応力により圧縮力を分散して支圧応力を低減する手法が用いられていた。
【0005】
しかしながら、このような手法を採用した場合、鋼材の加工組立にかなりのコストアップを伴うこととなるため、ローコストに問題解決できる方法が求められていた。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、軸力伝達装置(支承部)を介して部材間を接合する際に、大きなコストアップを伴うことなく、部材端部にの支圧応力度を許容値以下にすることができるような接合構造を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の発明は、異なる二部材の端部同士が互いに突き合わされて配置されるとともに、これら端部同士の間が軸力を伝達可能な軸力伝達装置を介して接合され、
前記二部材のうちの少なくとも一方は、コンクリートを用いて形成され、なおかつ、前記端部から材軸方向に所定寸法内に位置する一定領域が、前記コンクリートに比較して強度の大きい高強度コンクリートを用いて形成された高強度領域とされ、
前記高強度領域においては、前記材軸方向と直交する断面の面積が、前記端部と前記軸力伝達装置とが当接する部分の面積よりも大となっている部材の接合構造であって、
前記高強度領域は、前記軸力伝達装置から前記軸力が伝達された場合に、前記高強度コンクリートと前記コンクリートとの間に作用することとなる応力が、前記コンクリートの許容応力度以下となるように、その形状および寸法が設定されていることを特徴としている。
【0008】
このような構成により、軸力伝達装置に接する部材の端部のわずかな領域のみを高強度化して、許容支圧応力度を向上させるとともに、この領域において、支圧応力を、許容支圧応力度のより小さい部分に対して分散して作用させることができる。
【0010】
また、軸力伝達装置に接する部分の応力度がコンクリートの許容応力度を超えることとなった場合にも、高強度コンクリートを介して高強度領域に接するコンクリートに応力を分散させて伝達することによって、コンクリートに作用する応力度が許容応力度を超えないようにすることができる。
【0011】
請求項記載の発明は、請求項記載の部材の接合構造であって、
前記二部材のうちの一方は、場所打ちコンクリート杭とされ、
前記二部材のうちの他方は、前記場所打ちコンクリート杭により支持された上部構造の一部とされ、
前記場所打ちコンクリート杭の杭頭に前記高強度領域が形成されていることを特徴としている。
【0012】
このような構成により、場所打ちコンクリート杭における杭体のコンクリート強度に依存しないで、同一規格の軸力伝達装置を使用することができる。
【0013】
請求項記載の発明は、請求項記載の部材の接合構造であって、
前記軸力伝達装置は、ピン支承であることを特徴としている。
【0014】
このような構成により、杭頭に作用する曲げモーメントを低減し、杭体内に発生する最大応力を低減することができる。また、上部構造の基礎に作用する応力を低減することができる。
【0015】
請求項記載の発明は、場所打ちコンクリート杭と、該場所打ちコンクリート杭によって支持される上部構造とを接合する接合部とを構築するための方法であって、
地盤内に場所打ちコンクリート杭を構築し、
該場所打ちコンクリート杭の杭頭部に、該場所打ちコンクリートの杭体を構成するコンクリートに比較して強度の大きい高強度コンクリートを打ち継いで、後記軸力伝達装置から軸力が伝達された場合に前記高強度コンクリートと前記コンクリートとの間に作用することとなる応力が前記コンクリートの許容応力度以下となるように、形状および寸法が設定されている高強度領域を形成し、
該高強度領域の上面に前記上部構造から作用する軸力を前記場所打ちコンクリート杭に対して伝達可能な軸力伝達装置の下部を固定し、
前記軸力伝達装置の上部と一体化させて前記上部構造を形成することにより前記接合部を形成することを特徴としている。
【0016】
このような構成により、杭頭部を軸力伝達装置から伝達される応力に耐えうる強度とするために、杭全体のコンクリート強度を高める必要がない。また、高強度コンクリートを、許容応力度が小さい水中コンクリートとせずに空気中において打設することが可能となり、さらに、後打ちした高強度コンクリートにより施工誤差を吸収することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す図であり、図中、符号1は、接合構造(接合部)を示す。この接合構造1は、地盤中に設置された基礎杭2と、基礎杭2に突き合わされて配置された建物の上部構造3の基礎部4との間を、これらの間において軸力を伝達することが可能なピン支承5(軸力伝達装置)を介して接合したものである。
【0018】
ここで、基礎杭2は、場所打ちコンクリート杭とされており、また、ピン支承5は鋼材により形成されている。また、基礎部4は、RC構造とされている。
【0019】
また、この基礎杭2の杭頭部6においては、杭頭部6の上面6aから基礎杭2の軸方向(図中z方向)に所定寸法内に位置する領域が、杭体7を構成する杭体コンクリートC1に比較して強度の大きい高強度コンクリートC2により形成された高強度領域8とされている。
【0020】
この高強度領域8がピン支承5および杭体コンクリートC1に接する部分を、基礎杭2の軸方向(図中z方向)と直交する断面(図1中I−I線矢視断面およびII−II線矢視断面)において示したのが図2および図3である。これらの図に示すように、高強度領域8のz方向の断面積は、杭体7のz方向の断面積よりもわずかに小となっている。また、この高強度領域8のz方向の断面積は、ピン支承5の底面5aと杭頭部6とが接する部分の面積よりも大となっている。
【0021】
また、高強度領域8において用いられる高強度コンクリートとしては、基礎部4からピン支承5に作用する軸力N(図1参照)によって、ピン支承5の底面5aから高強度領域8に対して作用することとなる応力度よりも、その許容応力度が大となるものが用いられる。
【0022】
すなわち、図2に示すピン支承底面5aの面積A1は、ピン支承5の底面5aの直径をd1とした場合に、
【数1】
Figure 0003760302
のようになるために、この部分における支圧応力度σ1は、
【数2】
Figure 0003760302
のように表すことができる。
したがって、ここでは、支圧応力度σ1に対して耐えうる強度を有するものが、高強度領域8を形成する高強度コンクリートC2として用いられている。
【0023】
また、この高強度領域8においては、軸力N(図1参照)が、ピン支承5の底面5aから45°斜め下方の範囲内の領域S(図1中、二点鎖線より下方の領域S)内に分散されて伝達されると考えられる。ここでは、図1に示すように、高強度領域8の底面8aは、その全域がこの領域S内に位置しており、したがって、軸力Nが、高強度領域8の底面8a全体に分散されて杭体コンクリートC1に対して作用するようになっている。
【0024】
このような高強度領域8の形状および寸法は、軸力Nにより高強度領域8の底面8aから杭体コンクリートC1に対して作用することとなる応力が、杭体コンクリートC1の許容応力度以下となるように設定されている。
【0025】
すなわち、高強度コンクリートC2と杭体コンクリートC1とが接する部分における支圧面積A2は、高強度領域8の底面8aの直径をd2(図2参照)とした場合に、
【数3】
Figure 0003760302
と表すことができるために、この部分における支圧応力度σ2は、
【数4】
Figure 0003760302
のようになる。
【0026】
したがって、ここでは、高強度コンクリートC2と杭体コンクリートC1とが接する部分の直径d2が、支圧応力度σ2が杭体コンクリートC1の許容応力度以下となるように設定されている。
【0027】
次に、この接合構造1の構築方法について説明する。
これには、まず、図4に示すように地盤Gを掘削して掘削孔10を形成するとともに、掘削孔10内をベントナイトを含む安定液11によって満たしておき、さらに、図5に示すように、掘削孔10内に鉄筋かご12とアンカーボルト13とを一体化したものを建て込む。この場合、アンカーボルト13の上端部13aが、地盤Gの表面Gsより上方に突出するようにしておく。また、この場合、鉄筋かご12を構成する杭主筋14は、上部構造3の基礎にアンカーする必要がないため、通常よりその上端部13aの長さが短くなっている。
【0028】
次に、図6に示すように、掘削孔10内に杭体コンクリートC1を打設する。そして、図7に示すように、杭頭部6の周囲の地盤Gを掘削するとともに、杭頭部6における余盛コンクリート15をはつりとり、さらに、図8に示すように、杭体コンクリートC1の上部に必要な高さだけ高強度コンクリートC2を打設して、高強度領域8を形成する。
【0029】
次に、図9に示すように、この高強度領域8の上部にピン支承5を設置し、ピン支承5の下部を、アンカーボルト13の上端部13aに対して固定するとともに、杭頭部6の周囲を砂16によって埋め戻す。
【0030】
さらに、ピン支承5の上部に上部構造3の基礎部4を構築する。これには、まず、図10に示すように、ピン支承5上部またはこれと一体化したシアーキー(図示略)と上部構造3の主筋17とを緊結しておく。これにより、上部構造3を構築する際に、コンクリート打設によりピン支承5が回転しないようにしておく。さらに、図11に示すように、上部構造3の基礎部4の構築対象位置に対してコンクリートCを打設する。これにより、図1に示したような構造を得ることができる。
【0031】
以上述べた接合構造1においては、基礎杭2の杭頭部6の上面6aから所定寸法内に位置する高強度領域8が杭体コンクリートC1に比較して強度の大きい高強度コンクリートC2を用いて形成されており、なおかつ、高強度領域8においては、そのz方向の断面積A2が、杭頭部6上面とピン支承5とが当接する部分の面積A1よりも大となっているために、ピン支承5を介して杭頭部6に作用する荷重が、まず、杭頭部6に打設された高強度コンクリートC2に作用し、さらに、高強度コンクリートC2において分散された状態で杭体コンクリートC1に作用することとなる。これにより、ピン支承5と杭頭部6との支圧面積A1が小さくても、杭体コンクリートC1に対して荷重が集中することが無く、ピン支承5直下における支圧破壊を生じさせないようにすることができる。この場合、杭頭部6の支圧破壊を防止するために、基礎杭2の全体を高強度化することなく、ピン支承5に接するわずかな部分のみを高強度コンクリートC2とすることにより、コンクリートのコストアップを最小限に抑制して、低コストで安全対策を行うことが可能となる。
【0032】
また、上述の接合構造1は、支圧応力度を高強度コンクリートC2により拡散させることができるために、軸力Nや杭体コンクリートC1の強度に依存せずに、同一構造(同一サイズのピン支承5)による対応が可能であり、汎用性が高い。したがって、このような接合構造1と同一の構造を、建物内の他の部分に適用することにより、同一規格のピン支承5を複数利用することが可能となり、これにより、ピン支承5を量産化することでコストダウンに貢献することができる。
【0033】
また、この接合構造1においては、高強度領域8が、ピン支承5から軸力Nが伝達された場合に、高強度コンクリートC2と杭体コンクリートC1との間に作用することとなる応力が杭体コンクリートC1の許容応力度以下となるように、その形状および寸法が設定されたものとなっているために、ピン支承5に接する部分の応力度が杭体コンクリートC1の許容応力度を超えることが予想される場合に特に好適に用いることができる。
【0034】
また、上述の接合構造1およびその構築方法においては、接合対象の基礎杭2が場所打ちコンクリート杭となっており、この場所打ちコンクリート杭の杭頭部6に高強度コンクリートC2が打ち継がれることによって高強度領域8が形成される構成となっている。一般に、場所打ちコンクリート杭は、その杭体コンクリートが水中コンクリートとして打設されるために、空気中で打設されたコンクリートの3/4から2/3にその許容応力度を低減する必要が生じるが、上述の接合構造1およびその構築方法においては、後打ちされる杭頭部6の高強度コンクリートC2を空気中において打設することができるために、杭体コンクリートC1と異なり強度を低減して考える必要が無く、合理的に支圧応力の処理を行うことができる。
【0035】
また、上述のように高強度コンクリートC2を杭頭部6に後打ちする構成を採用することにより、場所打ちコンクリート杭の施工時のレベル管理等に誤差が生じたとしても、後打ちされる高強度コンクリートC2の寸法を調整することにより施工精度を確保することができる。
【0036】
また、上述の接合構造1は、杭頭部と建物の上部構造3の基礎部4との間において軸力Nを伝達するための構造としてピン支承5が設けられているために、杭頭曲げモーメントが無くなり基礎杭2に作用する最大応力を小さくすることができる。これにより、特に、場所打ちコンクリート杭で、従来、杭頭部に鋼管巻きをしたり、あるいは、杭頭部を拡径していたような場合において適用することによって、これらを省略して大きな合理化を図り、コストダウンを実現できる。また、杭頭曲げモーメントを無くすことができるために、上部構造3の基礎部4に作用する応力を低減することができ、これにより、上部構造3の設計の合理化を図ることができる。
【0037】
また、このようにピン支承5を用いたことにより、杭と上部構造の基礎部とを接合する際に従来用いていたフーチングを不要とすることができ、コストダウンと工期短縮とを同時に図ることができる。
【0038】
なお、上記実施の形態において、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で他の構成を採用することが可能である。
【0039】
例えば、高強度領域8の形状および寸法は、上記実施の形態のようなものに限定されることなく、杭体コンクリートC1に支圧応力(圧縮力)を問題なく伝達できる形状および寸法であれば、例えば、平面的に基礎杭2の断面よりかなり小さくなっても構わない。
【0040】
また、上記実施の形態において用いられていたピン支承5に代えて、杭頭部6と上部構造3の基礎部4との間において軸力を伝達可能な他の支承構造を採用するようにしてもよい。
【0041】
また、上記実施の形態においては、高強度コンクリートC2の上部に直接ピン支承を取り付ける構成が採用されていたが、これをモルタルを介して取り付けるようにしてもよい。また、高強度コンクリートC2を打設する際に、基礎杭2上に支持金物を用いてピン支承5を仮置きし、その後、高強度コンクリートC2でピン支承5の下部を埋め殺しとすることにより、ピン支承5を杭頭部6に固定するようにしてもよい。
【0042】
また、高強度コンクリートC2および杭体コンクリートC1の強度は、ピン支承5と高強度コンクリートC2とが接する部分および高強度コンクリートC2と杭体コンクリートC1とが接する部分における支圧応力よりもそれぞれ大きいことが確認できれば、どのようなものを採用してもよい。
【0043】
また、上記実施の形態においては、基礎杭2が場所打ちコンクリート杭であるとされていたが、これに限らず、基礎杭2がPHC杭など既製杭であってもよい。
【0044】
また、上記実施の形態においては、基礎杭2と建物基礎とを接合するために上記の接合構造1が採用されていたが、これに限定されず、他の部材同士を接合するために、上述の接合構造1を採用するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る部材の接合構造においては、接合対象の部材の端部から所定寸法内に位置する一定領域が、その部材を構成するコンクリートに比較して強度の大きい高強度コンクリートを用いて形成された高強度領域とされており、なおかつ、この高強度領域において、その材軸方向と直交する断面の面積が、部材端部と軸力伝達装置とが当接する部分の面積よりも大となっているために、軸力伝達装置から部材端部に作用する荷重が、まず、部材端部に打設された高強度コンクリートに作用し、さらに、高強度コンクリートにおいて分散された状態で部材を構成するコンクリートに作用することとなる。これにより、軸力伝達装置と部材端部との支圧面積が小さくても、部材を構成するコンクリートに対して荷重が集中することが無く、部材端部における支圧破壊を生じさせないようにすることができ、部材全体を高強度化することなく、低コストで安全対策を行うことが可能となる。また、支圧応力度を高強度コンクリートにより拡散させることができるために、軸力や部材を構成するコンクリートの強度に依存せずに、同一構造を適用することが可能であり、汎用性が高いだけでなく、同一規格の軸力伝達装置を異なる箇所において利用することが可能となり、軸力伝達装置を量産化することでコストダウンに貢献することができる。
【0046】
また、高強度領域が、軸力伝達装置から軸力が伝達された場合に、高強度コンクリートとコンクリートとの間に作用することとなる応力がコンクリートの許容応力度以下となるように、その形状および寸法が設定されたものとなっているために、軸力伝達装置に接する部分の応力度がコンクリートの許容応力度を超えることが予想される場合に好適に用いることができ、発明を良好に実現することができる。
【0047】
請求項に係る部材の接合構造においては、接合対象の部材が場所打ちコンクリート杭となっており、この場所打ちコンクリート杭の杭頭部に高強度領域が形成される構成となっているために、高強度領域を構成する高強度コンクリートを後打ちすることにより、これを気中コンクリートとして扱うことができ、杭体コンクリートと異なり水中コンクリートとして強度を低減して考える必要が無く、合理的に支圧応力の処理を行うことができる。また、高強度コンクリートを杭頭部に後打ちする構成を採用することにより、場所打ちコンクリート杭の施工時のレベル管理に誤差が生じたとしても、後打ちされる高強度コンクリートの高さを調整することにより施工精度を確保することができる。
【0048】
請求項に係る部材の接合構造においては、軸力伝達装置としてピン支承が設けられているために、杭頭曲げモーメントが無くなり、場所打ちコンクリート杭に作用する最大応力を小さくすることができる。これにより、従来、杭頭部に鋼管巻きをしたり、あるいは、杭頭部を拡径していたような場合においても、これらを省略して大きな合理化を図り、コストダウンを実現できる。また、杭頭曲げモーメントを無くすことができるために、上部構造に作用する応力を低減することができ、上部構造の設計の合理化を図ることができる。さらに、ピン支承を用いたことにより、フーチングを不要とすることができ、コストダウンと工期短縮とを同時に図ることができる。
【0049】
請求項に係る場所打ちコンクリート杭と上部構造との接合部の構築方法においては、場所打ちコンクリート杭の杭頭部に高強度コンクリートが打ち継がれることによって、軸力伝達装置から軸力が伝達された場合に高強度コンクリートとコンクリートとの間に作用することとなる応力がコンクリートの許容応力度以下となるように、その形状および寸法が設定された高強度領域が形成され、この高強度領域上に軸力伝達装置が固定される構成となっているために、高強度領域を構成する高強度コンクリートを気中コンクリートとして扱うことができ、その強度を低減して考える必要が無く、合理的に支圧応力の処理を行うことができる。また、場所打ちコンクリート杭の施工時のレベル管理等に誤差が生じたとしても、後打ちされる高強度コンクリートの寸法を調整することにより施工精度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1 】 本発明の一実施の形態を模式的に示す接合構造の立断面図である。
【図2 】 図1におけるI−I線矢視断面図である。
【図3 】 図1におけるII−II線矢視断面図である。
【図4 】 図1に示した接合構造を構築する際の手順を示す工程図である。
【図5 】 同、図4の次工程を示す図である。
【図6 】 同、図5の次工程を示す図である。
【図7 】 同、図6の次工程を示す図である。
【図8 】 同、図7の次工程を示す図である。
【図9 】 同、図8の次工程を示す図である。
【図10 】 同、図9の次工程を示す図である。
【図11 】 同、図10の次工程を示す図である。
【符号の説明】
1 接合構造
2 基礎杭(場所打ちコンクリート杭)
3 上部構造
4 基礎部
5 ピン支承(軸力伝達装置)
6 杭頭部
6a 上面
8 高強度領域
C1 杭体コンクリート(コンクリート)
C2 高強度コンクリート

Claims (4)

  1. 異なる二部材の端部同士が互いに突き合わされて配置されるとともに、これら端部同士の間が軸力を伝達可能な軸力伝達装置を介して接合され、
    前記二部材のうちの少なくとも一方は、コンクリートを用いて形成され、なおかつ、前記端部から材軸方向に所定寸法内に位置する一定領域が、前記コンクリートに比較して強度の大きい高強度コンクリートを用いて形成された高強度領域とされ、
    前記高強度領域においては、前記材軸方向と直交する断面の面積が、前記端部と前記軸力伝達装置とが当接する部分の面積よりも大となっている部材の接合構造であって、
    前記高強度領域は、前記軸力伝達装置から前記軸力が伝達された場合に、前記高強度コンクリートと前記コンクリートとの間に作用することとなる応力が、前記コンクリートの許容応力度以下となるように、その形状および寸法が設定されていることを特徴とする部材の接合構造。
  2. 請求項記載の部材の接合構造であって、
    前記二部材のうちの一方は、場所打ちコンクリート杭とされ、
    前記二部材のうちの他方は、前記場所打ちコンクリート杭により支持された上部構造の一部とされ、
    前記場所打ちコンクリート杭の杭頭部に前記高強度領域が形成されていることを特徴とする部材の接合構造。
  3. 請求項記載の部材の接合構造であって、
    前記軸力伝達装置は、ピン支承であることを特徴とする部材の接合構造。
  4. 場所打ちコンクリート杭と、該場所打ちコンクリート杭によって支持される上部構造とを接合する接合部とを構築するための方法であって、
    地盤内に場所打ちコンクリート杭を構築し、
    該場所打ちコンクリート杭の杭頭部に、該場所打ちコンクリートの杭体を構成するコンクリートに比較して強度の大きい高強度コンクリートを打ち継いで、後記軸力伝達装置から軸力が伝達された場合に前記高強度コンクリートと前記コンクリートとの間に作用することとなる応力が前記コンクリートの許容応力度以下となるように、形状および寸法が設定されている高強度領域を形成し、
    該高強度領域の上面に、前記上部構造から作用する軸力を前記場所打ちコンクリート杭に対して伝達可能な軸力伝達装置の下部を固定し、
    前記軸力伝達装置の上部と一体化させて前記上部構造を形成することにより前記接合部を形成することを特徴とする場所打ちコンクリート杭と上部構造との接合部の構築方法。
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CN102182401A (zh) * 2011-03-30 2011-09-14 余大州 折叠式全液压履带打桩机
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