JP3760034B2 - ヒドロキシシクロヘキサノン類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、ヒドロキシシクロヘキサノン類の製造方法に関し、さらに詳しくはヒドロキノン等の置換フェノール類を、有機溶媒中で水素化(還元)し、4-ヒドロキシシクロヘキサノン等のヒドロキシシクロヘキサノンを高収率で得ることができるヒドロキシシクロヘキサノン類の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ヒドロキシシクロヘキサノン類は、色素類、製薬学的活性化合物および作物保護材類の製造のための中間体として非常に有用である。
【0003】
4-ヒドロキシシクロヘキサンヘキサノンに代表されるヒドロキシシクロヘキサノン類の一般的な製造方法として、ヒドロキノンを銅−クロム混合触媒の存在下に水素化(還元)して1,4-ジヒドロキシシクロヘキサンを製造し、次いで、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を用いて1,4-ジヒドロキシシクロヘキサンの脱水素を行なって4-ヒドロキシシクロヘキサノンを製造する方法がある。
【0004】
しかしながら、この製造方法では、テトラヒドロ-p-ベンゾキノンが主生成物であり、目的とする4-ヒドロキシシクロヘキサノンは副生物として得られるため、4-ヒドロキシシクロヘキサノンの収率は低い。
【0005】
また、4-ヒドロキシシクロヘキサノンの製造方法として、特開昭57−4932号公報には、Pd/カーボン触媒の存在下に、水溶媒中で、ヒドロキノンを水素化して4-ヒドロキシシクロヘキサノンを製造している。
【0006】
しかしながら、この製造方法では、大量の水を溶媒として使用するため、(1)原料ヒドロキノンの実質濃度が希薄で4-ヒドロキシシクロヘキサノンの生産効率が悪いこと、(2) 目的物の4-ヒドロキシシクロヘキサノンの単離のために脱水操作が必要であること、(3) 未反応ヒドロキノンの処理を講じる必要があること、等の問題がある。
【0007】
さらに、4-ヒドロキシシクロヘキサノンの製造方法として、特開平8−259492号公報には、Pd/C(活性炭)触媒およびノボラックス(四ホウ酸ナトリウム(Na2B4O7 ))の存在下に、ジエチレングリコールジメチルエーテル溶媒中で、ヒドロキノンを水素化して4-ヒドロキシシクロヘキサノンを製造している。
【0008】
しかしながら、この製造方法によれば、4-ヒドロキシシクロヘキサノンの収率は65%と低い。
したがって、水を溶媒として用いることなく、ヒドロキノン等の置換フェノール類を有機溶媒中で水素化して、4-ヒドロキシシクロヘキサノン等のヒドロキシシクロヘキサノン類を高収率で得ることができるヒドロキシシクロヘキサノン類の製造方法の出現が望まれている。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、置換フェノール類を有機溶媒中で水素化して、ヒドロキシシクロヘキサノン類を高収率で得ることができるヒドロキシシクロヘキサノン類の製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明に係るヒドロキシシクロヘキサノン類の製造方法は、
下記の一般式[I]
【0011】
【化3】
【0012】
[式中、Rは、炭素原子数1〜10のアルキル基であり、mは、1または2であり、nは、0〜3の整数であり、かつm+nは、1〜4の整数である]
で表わされる置換フェノール類の水素化を、担体に担持させたアルカリ金属含有パラジウム触媒の存在下に、炭素原子数3〜12の1価脂肪族飽和アルコール溶媒中で行なうことにより、下記の一般式[II]
【0013】
【化4】
【0014】
[式中のR、mおよびnは、それぞれ上記一般式[I]のR、m、nと同義である]
で表わされるヒドロキシシクロヘキサノン類を得ることを特徴としている。
【0015】
前記アルカリ金属含有パラジウム触媒としては、担体に1〜10重量%のパラジウムと0.5〜5重量%のアルカリ金属の双方が担持されたものが好ましい。前記置換フェノール類の水素化の反応温度は70〜150℃が好ましい。
【0016】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るヒドロキシシクロヘキサノン類の製造方法について具体的に説明する。
【0017】
本発明に係るヒドロキシシクロヘキサノン類の製造方法では、特定の置換フェノール類の水素化を、担体に担持させたアルカリ金属含有パラジウム触媒の存在下に溶媒中で行なって、目的とするヒドロキシシクロヘキサノン類を調製する。
【0018】
置換フェノール類
本発明でヒドロキシシクロヘキサノン類の原料として用いられる置換フェノール類は、下記の一般式[I]で表わされ、2個または3個の水酸基を有する。
【0019】
【化5】
【0020】
一般式[I]において、mは1または2であり、nは0〜3の整数であり、かつm+nは1〜4の整数である。
またRは、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、3-メチルヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、イソオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、n-デシル基、イソデシル基、n-ウンデシル基、イソウンデシル基、n-ドデシル基、イソドデシル基、n-トリデシル基、イソトリデシル基、n-テトラデシル基、イソテトラデシル基、n-ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、n-オクタデシル基、イソオクタデシル基、n-ノナデシル基、イソノナデシル基、n-アイコシル基、イソアイコシル基が挙げられる。
【0021】
上記一般式[I]で表わされる置換フェノール類としては、具体的には、
ピロカテコール(カテコール、1,2-ジヒドロキシベンゼン)、
レゾルシン(レゾルシノール、1,3-ジヒドロキシベンゼン)、
ヒドロキノン(1,4-ジヒドロキシベンゼン)の2個の水酸基を有する置換フェノール類;
ピロガロール(1,2,3-トリヒドロキシベンゼン)、
フロログルシン(1,3,5-トリヒドロキシベンゼン)、
1,2,4-トリヒドロキシベンゼンの3個の水酸基を有する置換フェノール類;
クレゾルシン(4-メチルレゾルシン)、
オルシン(5-メチルレゾルシン)、
トルヒドロキノン(2-メチル-1,4- ジヒドロキシベンゼン)、
4-ヘキシルレゾルシン(4-ヘキシル-1,3- ジヒドロキシベンゼン)、
5-ヘキシルレゾルシン(5-ヘキシル-1,3- ジヒドロキシベンゼン)等の2個の水酸基と1個のアルキル基を有する置換フェノール類;
5-メチルピロガロール(5-メチル-1,2,3- トリヒドロキシベンゼン)等の3個の水酸基と1個のアルキル基を有する置換フェノール類;
o-キシロヒドロキノン(2,3-ジメチルヒドロキノン)、
m-キシロヒドロキノン(2,6-ジメチルヒドロキノン)、
p-キシロヒドロキノン(2,5-ジメチルヒドロキノン)、
2,3-ジ-t- アミルヒドロキノン、
2,6-ジ-t- アミルヒドロキノン、
2,5-ジ-t- アミルヒドロキノン等の2個の水酸基と2個のアルキル基を有する置換フェノール類;
4,5-ジメチルピロガロール等の3個の水酸基と2個のアルキル基を有する置換フェノール類;
2,3,5-トリメチルヒドロキノン等の2個の水酸基と3個のアルキル基を有する置換フェノール類などが挙げられる。
【0022】
アルカリ金属含有パラジウム触媒
本発明で用いられるアルカリ金属含有パラジウム触媒は、触媒金属活性成分としてのパラジウムと、助触媒成分としてのアルカリ金属の双方を担体に担持したものである。
【0023】
上記担体としては、具体的には、カーボン、アルミナ、シリカアルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、白土などが挙げられる。特にカーボンおよびアルミナが好ましい。
【0024】
上記パラジウム成分としては、具体的には、金属パラジウム、パラジウム酸化物またはパラジウム水酸化物などが挙げられる。
担体に担持されるパラジウム成分の量は、金属パラジウムとして1〜10重量%、好ましくは3〜8重量%である。
【0025】
上記アルカリ金属成分としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;無水炭酸ナトリウム(ソーダ灰)、無水炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。中でも、水酸化ナトリウム、無水炭酸ナトリウムが好ましい。
【0026】
本発明で用いられるアルカリ金属含有パラジウム触媒は、このアルカリ金属塩に由来するアルカリ金属含有量が0.5〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%、特に好ましくは1.0〜1.5重量%である。アルカリ金属を上記量で含有するパラジウム触媒を後述する割合で用いると、原料の置換フェノール類の転化率が高く、しかも、目的物であるヒドロキシシクロヘキサノン類の選択率が高くなるため、ヒドロキシシクロヘキサノン類を高収率で得ることができる。
【0027】
上記転化率、選択率および収率は、それぞれ次式により算出される。
転化率[%]=(B/A)×100
ヒドロキシシクロヘキサノン類選択率[%]=(C/B)×100
ヒドロキシシクロヘキサノン類の収率[%]=(C/A)×100
これらの計算式において、Aは、置換フェノール類の仕込量[モル]であり、Bは、反応した置換フェノール類の量[モル]であり、Cはヒドロキシシクロヘキサノン類の生成量[モル]である。
【0028】
アルカリ金属含有パラジウム触媒は、通常50%程度の含水物として使用される。また触媒の形状は、特に限定されず、その反応形態に応じて粉末状、タブレット状等適宜選択して使用される。
【0029】
本発明においては、1種または2種以上のアルカリ金属含有パラジウム触媒を水素化触媒として用いることができる。
本発明で用いられるアルカリ金属含有パラジウム触媒は、カーボンなどの担体に金属パラジウム等を触媒金属活性成分とし、アルカリ金属塩を助触媒成分として担持させ、次いで乾燥し、400〜600℃の温度で焼成することにより調製することができる。
【0030】
このようなアルカリ金属含有パラジウム触媒は、原料の置換フェノール類100重量部に対して、0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、さらに好ましくは1.0〜3.0重量部の割合で用いられる。
【0031】
溶 媒
本発明では、上記置換フェノール類の水素化は、溶媒中で行なわれる。本発明で用いられる溶媒は、反応の選択性を高め、かつ原料や生成物が溶解しやすいという理由で、炭素原子数3以上の飽和アルコール、特に炭素原子数3〜12の1価脂肪族飽和アルコールが好ましい。
【0032】
炭素原子数3〜12の1価脂肪族飽和アルコールとしては、具体的には、
n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert- ブチルアルコール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、n-ヘキシルアルコール、n-ヘプチルアルコール、n-オクチルアルコール、カプリルアルコール(=sec-オクチルアルコール)、n-ノニルアルコール、n-デシルアルコール、n-ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール(=n-ドデシルアルコール)などが挙げられる。中でも、sec-ブタノール、イソプロピルアルコール、カプリルアルコールが好ましい。
【0033】
これらの溶媒は、単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
上記のような溶媒は、置換フェノール類の種類および溶媒の種類により異なるが、置換フェノール類100重量部に対して、通常100〜500重量部、好ましくは100〜300重量部、さらに好ましくは100〜200重量部の割合で用いられる。上記のような割合で炭素原子数3以上の飽和アルコール、特に炭素原子数3〜12の1価脂肪族飽和アルコールを用いると、置換フェノール類の転化率が高くなるとともに、目的物のヒドロキシシクロヘキサノン類の選択率も高くなるため、ヒドロキシシクロヘキサノン類を高収率で得ることができる。
【0034】
水素化
置換フェノール類の水素化は、上記アルカリ金属含有パラジウム触媒の存在下に、溶媒、好ましくは炭素原子数3以上の飽和アルコール、特に好ましくは炭素原子数3〜12の1価脂肪族飽和アルコール中で行なわれる。
【0035】
この置換フェノール類の水素化は、系内を窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスで置換した後、水素置換して行なうことが安全上望ましい。
本発明における水素化の反応温度は、70〜150℃、好ましくは90〜130℃であり、水素圧力は、1〜20kg/cm2-G、好ましくは2〜15kg/cm2-Gである。
【0036】
ヒドロキシシクロヘキサノン類
本発明に係るヒドロキシシクロヘキサノン類の製造方法により得られるヒドロキシシクロヘキサノン類は、下記の一般式[II]で表わされる。
【0037】
【化6】
【0038】
一般式[II]におけるR、mおよびnは、それぞれ上記一般式[I]のR、m、nと同義である。
上記一般式[II]で表わされるヒドロキシシクロヘキサノン類としては、具体的には、
2-ヒドロキシシクロヘキサノン(ピロカテコールの水添物)、
3-ヒドロキシシクロヘキサノン(レゾルシンの水添物)、
4-ヒドロキシシクロヘキサノン(ヒドロキノンの水添物)、
3,5-ジヒドロキシシクロヘキサノン(フロログルシンの水添物)、
5-メチル-3- ヒドロキシシクロヘキサノン(オルシンの水添物)、
5-ヘキシル-3- ヒドロキシシクロヘキサノン(5-ヘキシルレゾルシンの水添物)、
2,3-ジメチル-4- ヒドロキシシクロヘキサノン(o-キシロヒドロキノンの水添物)、
2,5-ジメチル-4- ヒドロキシシクロヘキサノン(p-キシロヒドロキノンの水添物)、
2,3-ジ-t- アミル-4- ヒドロキシシクロヘキサノン(2,3-ジ-t- アミルヒドロキノンの水添物)、
2,5-ジ-t- アミル-4- ヒドロキシシクロヘキサノン(2,5-ジ-t- アミルヒドロキノンの水添物)、
2,3-ジヒドロキシシクロヘキサノンと2,6-ジヒドロキシシクロヘキサノンとの混合体(ピロガロールの水添物)、
2,4-ジヒドロキシシクロヘキサノンと2,5-ジヒドロキシシクロヘキサノンと3,4-ジヒドロキシシクロヘキサノンとの混合体(1,2,4-トリヒドロキシベンゼンの水添物)、
4-メチル-3- ヒドロキシシクロヘキサノンと6-メチル-3- ヒドロキシシクロヘキサノンとの混合体(クレゾルシンの水添物)、
2-メチル-4- ヒドロキシシクロヘキサノンと3-メチル-4- ヒドロキシシクロヘキサノンとの混合体(トルヒドロキノンの水添物)、
4-ヘキシル-3- ヒドロキシシクロヘキサノンと6-ヘキシル-3- ヒドロキシシクロヘキサノンとの混合体(4-ヘキシルレゾルシンの水添物)、
4-メチル-2,6- ジヒドロキシシクロヘキサノンと5-メチル-2,3- ジヒドロキシシクロヘキサノンとの混合体(5-メチルピロガロールの水添物)、
2,6-ジメチル-4- ヒドロキシシクロヘキサノンと3,5-ジメチル-4- ヒドロキシシクロヘキサノンとの混合体(m-キシロヒドロキノンの水添物)、
2,6-ジ-t- アミル-4- ヒドロキシシクロヘキサンと3,5-ジ-t- アミル-4- ヒドロキシシクロヘキサンとの混合体(2,6-ジ-t- アミルヒドロキノンの水添物)、
4,5-ジメチル-2,3- ジヒドロキシシクロヘキサノンと3,4-ジメチル-2,6- ジヒドロキシシクロヘキサノンと5,6-ジメチル-2,3- ジヒドロキシシクロヘキサノンとの混合体(4,5-ジメチルピロガロールの水添物)、
2,3,5-トリメチル-4- ヒドロキシシクロヘキサノンと2,3,6-トリメチル-4- ヒドロキシシクロヘキサノンとの混合体(2,3,5-トリメチルヒドロキノンの水添物)などが挙げられる。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係るヒドロキシシクロヘキサノン類の製造方法によれば、置換フェノール類の転化率が高く、しかも、ヒドロキシシクロヘキサノン類の選択率が高いため、ヒドロキシシクロヘキサノン類を高収率で得ることができる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例より限定されるものではない。
【0041】
【実施例1】
内容積1リットルのオートクレーブに、ヒドロキノン100g(0.9モル)とsec-ブタノール150gを仕込み、アルカリ金属含有触媒として5重量%Pdおよび1.5重量%のNaがカーボンに担持された触媒[(株)エヌ・イー・ケムキャット製]1g(含水触媒の乾燥触媒換算量)を添加した。
【0042】
上記の仕込み終了後、純窒素でオートクレーブ内(系内)を10kg/cm2-Gまで昇圧し、その後脱圧する操作を計3回繰り返し、系内の窒素置換を行なった。
【0043】
次いで、水素で上記窒素置換と同様の操作で系内を水素置換し、その後系内を昇温し、110℃に達した時点で系内の水素圧が5kg/cm2-Gになるように調整し、水素の吸収が停止するまで水素を随時追加した。
【0044】
水素の吸収がほぼ停止した後、系内の反応液を冷却し、反応液から触媒を濾別除去し、溶媒のsec-ブタノールを蒸留により回収した。
溶媒除去後の蒸留ボトム液について、ガスクロマトグラフィー(GC)、質量スペクトル(MS)および1H-NMR(400MHz)により、生成物の同定と組成分析を行なった。その結果、目的物である4-ヒドロキシシクロヘキサノンが液状で90%の収率であった。また、テトラヒドロ-p- ベンゾキノンが液体で9%の収率で副生していた。ヒドロキノン転化率は100%であり、4-ヒドロキシシクロヘキサノン選択率は90%であった。
【0045】
その結果を第1表に示す。
【0046】
【表1】
Claims (4)
- 前記置換フェノール類が、ピロカテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログルシン、クレゾルシン、オルシン、トルヒドロキノン、ヘキシルレゾルシン、キシロヒドロキノン、またはジ-t- アミルヒドロキノンであることを特徴とする請求項1に記載のヒドロキシシクロヘキサノン類の製造方法。
- 前記アルカリ金属含有パラジウム触媒が、担体に1〜10重量%のパラジウムと0.5〜5重量%のアルカリ金属の双方が担持されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のヒドロキシシクロヘキサノン類の製造方法。
- 前記置換フェノール類の水素化の反応温度が70〜150℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒドロキシシクロヘキサノン類の製造方法。
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