JP3759889B2 - 灰溶融設備のスタートアップ方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼却灰、飛灰、焼却残滓等の処理灰を溶融処理するための灰溶融炉と、この灰溶融炉から排出される排ガスから熱回収を行なう熱回収手段とを有する灰溶融設備におけるスタートアップ方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
都市ゴミ等の一般廃棄物や産業廃棄物は、これまで埋立によって処理されていたが、埋立地の枯渇や環境破壊等の問題から、現在では一般に焼却処理されている。しかし、当該焼却処理によっても、処理生成物である焼却灰や排ガスから捕集された飛灰に、重金属類やダイオキシン類等の有害物質が含まれているために、これをそのまま埋立処理するには問題がある。
このため、近年、上記焼却灰や飛灰等の処理灰を溶融炉に投入し、アーク放電や酸素富化燃焼あるいはテルミット反応を用いた高温雰囲気下等において溶融状態になるまで加熱することにより、有害物質の無害化および処理生成物の減容化を図る各種の灰溶融設備が開発されている。
【0003】
この種の灰溶融設備においては、灰溶融炉から排出される高温かつ多量の排ガスをそのまま大気に放出すると、エネルギーの無駄が大きくなるために、一般に上記灰溶融炉の後段に廃熱ボイラ等の熱回収手段を配設し、当該熱回収手段によって排ガスの熱を回収して、別途スートブロー用の蒸気などを得た後に、別途無害化処理して煙突から大気に放出している。
【0004】
一方、このような灰溶融設備において、停止状態から上記処理灰の処理を開始するスタートアップ時には、前回の溶融処理途中の処理灰が残存している状態で、または予め灰溶融炉内に新たな処理灰を追加供給した状態にして、バーナーやアーク放電等の加熱手段によって、溶融炉内を1200℃以上、通常1300℃〜1500℃の溶融処理温度にまで徐々に昇温し続け、溶融処理温度に達した後に、そのままあるいは溶融炉内への新たな処理灰を投入を開始することにより、上記処理灰の溶融処理を開始している。
なお、新設の溶融炉の場合は、500℃程度に乾燥炊きして冷却した後、炉内を点検し、その後処理灰を炉内に敷き詰めてから1200℃以上の溶融処理温度にまで徐々に昇温し続ける。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の灰溶融設備におけるスタートアップ方法にあっては、いずれも灰溶融炉内を常温状態から連続して昇温し続け、処理灰の溶融処理に適した温度にまで休むことなく上昇させて、上記処理灰の溶融処理を開始している結果、上記熱回収手段の圧力損失の増大(熱回収手段の流路抵抗の上昇)による背圧の上昇や、甚だしい場合には早期における熱交換チューブの閉塞といった弊害が生じるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明者等は、スタートアップ直後に発生する上記熱回収手段の弊害について鋭意調査を行ったところ、以下の原因が判明した。
すなわち、灰溶融炉内においては、1200℃以上の燃焼雰囲気下、通常1300℃〜1500Cの雰囲気温度おいて、上記処理灰の溶融処理が行われるために、上記灰溶融炉から排出される排ガス中には、様々な塩類の揮発成分が含まれている。一方、スタートアップ直後においては、熱回収手段自体が未だ加熱されておらず、この結果、温度の低い上記熱回収手段の内壁部や熱交換チューブにおいて排ガスが冷却され、上記揮発成分がスケールやクリンカーとして上記熱回収手段の壁面や熱交換チューブの表面に析出・成長することにより、上記熱交換チューブの閉塞や、流路の狭まり等の弊害が発生する。
【0007】
加えて、スタートアップ直後においては、上記熱回収手段における排ガスからの熱回収が充分に行われていないために、当該熱回収手段がスートブローを具備している場合においても、これに用いるに充分な蒸気が発生しておらず、このため上記スートブローによって、熱回収手段の壁面や熱交換チューブの表面に析出した上記スケールやクリンカーの除去も行うことができない。
【0008】
さらに、このスケールやクリンカーとなる塩類の揮発成分は、灰溶融炉内の温度が特定の温度以下(約1000℃±50℃以下、好ましくは800℃以下)であれば、灰溶融炉からの排ガスに含まれる量が飛躍的に少なくなることを知見した。換言すると、スタートアップ時において、上記特定の温度を超えると、灰溶融炉から排出されるスケールやクリンカーとなる揮発成分が飛躍的に多くなると共に、この特定温度から溶融処理温度までの温度上昇速度は、どのような溶融炉におていも低温域における温度上昇速度より遅く、特定温度から溶融処理温度まで昇温させるのに比較的長い時間がかかる。その結果、大量の揮発成分がスケールやクリンカーとして上記熱回収手段の壁面や熱交換チューブの表面に析出して閉塞や、流路の狭まり等の弊害が発生することが判明した。
【0009】
本発明は、かかる知見に基づいてなされたもので、スタートアップ後の熱回収手段における早期の閉塞等に起因する弊害を防止することができ、よって円滑な処理灰の溶融処理を行うことが可能になる灰溶融設備のスタートアップ方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る灰溶融設備のスタートアップ方法は、内部を加熱する加熱手段を有する灰溶融炉と、この灰溶融炉から排出された排ガスの廃熱を回収する熱回収手段と、この熱回収手段によって回収された上記廃熱によって得られた蒸気により当該熱回収手段に対してスートブローを行うスートブロー手段とを有する灰溶融設備におけるスタートアップ方法であって、上記加熱手段によって上記灰溶融炉内を処理灰の溶融処理温度未満の温度に保持して加熱し続け、当該灰溶融炉で発生した排ガスを上記熱回収手段に送って熱回収を行い続け、上記蒸気の圧力を上記スートブローを行うに充分な圧力まで上昇させた後に、上記灰溶融炉における処理灰の溶融処理を開始することを特徴とするものである。
【0011】
請求項2に記載の本発明に係る灰溶融設備のスタートアップ方法は、内部を加熱する加熱手段を有する灰溶融炉と、この灰溶融炉からの排出ガスを再加熱する再加熱手段を有する二次燃焼室と、この二次燃焼室から排出された排ガスの廃熱を回収する熱回収手段と、この熱回収手段によって回収された上記廃熱によって得られた蒸気により当該熱回収手段に対してスートブローを行うスートブロー手段とを有する灰溶融設備におけるスタートアップ方法であって、上記灰溶融炉内を処理灰の溶融処理温度未満の温度に保持すると共に上記再加熱手段によって加熱し続け、当該二次燃焼室からの排ガスを上記熱回収手段に送って熱回収を行い続け、上記蒸気の圧力を上記スートブローを行うに充分な圧力まで上昇させた後に、上記灰溶融炉における処理灰の溶融処理を開始することを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記処理灰の溶融処理温度未満の温度は、当該灰溶融炉内の雰囲気温度が1050℃以下であることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記灰溶融炉が、テルミット式灰溶融炉であるとともに、上記処理灰の溶融処理温度未満の温度は、上記灰溶融炉をテルミット反応が起こらない温度であり、上記蒸気の圧力が0.1MPaG以上に上昇した後に、上記灰溶融炉内を1200℃以上に加熱して処理灰の溶融処理を開始することを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、上記蒸気の圧力が0.5MPaG以上に上昇した後に、上記灰溶融炉内を1200℃以上に加熱し、次いで上記テルミット剤を混在させた処理灰を新たに上記灰溶融炉内に供給して処理灰の溶融処理を開始することを特徴とするものである。
【0015】
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、上記蒸気の圧力を上記スートブローを行うに充分な圧力まで上昇させた後に、上記熱回収手段の上流側において、上記排ガスに水を散布する直接冷却を開始することを特徴とするものである。
なお、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、熱回収手段としては、灰溶融炉から排出される排ガスから廃熱を回収して蒸気を発生させる廃熱ボイラや排ガスエコノマイザー等の様々な熱回収手段が適用可能である。
【0016】
請求項1に記載の発明においては、先ず加熱手段によって灰溶融炉内を処理灰の溶融処理温度未満の温度に保持して加熱し続けると、この灰溶融炉で発生した排ガスが熱回収手段に送られて熱回収され、これにより蒸気の圧力が徐々に上昇する。また、並行して熱回収手段の内壁面や熱交換チューブの表面温度が上昇する。かかる段階においては、灰溶融炉内を処理灰の溶融処理温度未満の温度に保持しているので、灰溶融炉から排出される排ガス中にスケールやクリンカーとなる揮発成分が無いかまたは少なく、熱回収手段に付着するスケールやクリンカーが無いか極めて少ない。
【0017】
そして、上記蒸気の圧力が、スートブローを行うに充分な圧力まで上昇した後に、灰溶融炉内の温度を1200℃以上、通常1300℃〜1500℃の溶融処理温度まで上げて灰溶融炉における処理灰の溶融処理を開始する。これにより、灰溶融炉から排出される排ガス中にスケールやクリンカーとなる揮発成分が多くなるが、排ガスが充分に高温となった熱回収手段の内壁面や熱交換チューブと接触するために、従来と比較して、当該排ガス中に含まれる揮発成分の析出が大幅に抑制される。
【0018】
加えて、処理灰の溶融処理を開始する前に、ブートブローを行うに充分な蒸気圧力が確保されているために、開始直後から当該蒸気を用いたスートブローを行って熱回収手段に付着しようとするスケールを除去することが可能になる。この結果、熱回収手段における早期の閉塞等に起因する弊害を防止することができ、よって円滑な処理灰の溶融処理を行うことが可能になる。
【0019】
請求項2に記載の発明においては、先ず二次燃焼室の再加熱手段を作動させることによって加熱された排ガスを流し続ける。灰溶融炉は、二次燃焼室の再加熱手段に余力があれば、加熱する必要がない。しかし、灰溶融炉内の温度を溶融処理温度に昇温するには時間がかかるので、灰溶融炉の加熱手段も作動させるのが好ましい。いずれにしても、灰溶融炉内を処理灰の溶融処理温度未満の温度に保持する。このようにすることによって、排ガスが熱回収手段に送られて熱回収され、これにより蒸気の圧力が徐々に上昇する。また、並行して熱回収手段の内壁面や熱交換チューブの表面温度が上昇する。かかる段階においては、灰溶融炉内を処理灰の溶融処理温度未満の温度に保持しているので、灰溶融炉から排出されるスケールやクリンカーとなる揮発成分が無いかまたは少なく、熱回収手段に付着するスケールやクリンカーが無いか極めて少ない。
【0020】
そして、上記蒸気の圧力が、スートブローを行うに充分な圧力まで上昇した後に、灰溶融炉内の温度を1200℃以上、通常1300℃〜1500℃の溶融処理温度まで上げて灰溶融炉における処理灰の溶融処理を開始する。これにより、灰溶融炉から排出される排ガス中にスケールやクリンカーとなる揮発成分が多くなるが、排ガスが充分に高温となった熱回収手段の内壁面や熱交換チューブと接触するために、従来と比較して、当該排ガス中に含まれる揮発成分の析出が大幅に抑制される。
【0021】
加えて、処理灰の溶融処理を開始する前に、ブートブローを行うに充分な蒸気圧力が確保されているために、開始直後から当該蒸気を用いたスートブローを行って熱回収手段に付着しようとするスケールを除去することが可能になる。この結果、熱回収手段における早期の閉塞等に起因する弊害を防止することができ、よって円滑な処理灰の溶融処理を行うことが可能になる。
【0022】
これら請求項1または2に記載の発明において、特に請求項3の発明のように、上記処理灰の溶融処理温度未満の温度を、当該灰溶融炉内の雰囲気温度が1050℃以下にすることによって、灰溶融炉からの排ガスに含まれるスケールやクリンカーとなる揮発成分が、飛躍的に少なくなる。したがって、灰溶融炉から排出される排ガス中にスケールやクリンカーとなる揮発成分が極めて少なく、スケールやクリンカーが熱回収手段に付着しない。
【0023】
なお、好ましくは、上記処理灰の溶融処理温度未満の温度を、当該灰溶融炉内の雰囲気温度が800℃以下にすることによって、灰溶融炉からのスケールやクリンカーとなる揮発成分をより確実に少なくでき、スケールやクリンカーが熱回収手段に付着するのをより確実に防止できる。
また、保持する上記処理灰の溶融処理温度未満の温度の下限値は、当然、熱回収手段によって得られた蒸気が所要の圧力が得られるような温度であればどのような温度でもよいわけであり、好ましくは300℃以上、より好ましくは400℃以上である。
【0024】
また、上記蒸気の圧力を上記スートブローを行うに充分な圧力まで上昇させた後で、上記灰溶融炉における処理灰の溶融処理を開始する際には、灰溶融炉内の温度を灰溶融炉内の温度を1200℃以上、通常1300℃〜1500℃の溶融処理温度まで上げた後に、新たな処理灰を溶融炉に供給して灰溶融炉における処理灰の溶融処理を開始したり、上記蒸気の圧力を上記スートブローを行うに充分な圧力まで上昇させた後で、先に新たな処理灰を溶融炉に供給し、その後灰溶融炉内の温度を溶融処理温度まで上げて灰溶融炉における処理灰の溶融処理を開始してもよく、さらには処理灰投入と溶融処理温度までの昇温を並行してもよく,種々の方法がある。
【0025】
さらに、この種の灰溶融炉として、テルミット式灰溶融炉が知られている。この灰溶融炉は、炉内に設けられたバーナーによる化石燃料(灯油、軽油等)の燃焼熱と、処理灰に混在されたテルミット剤によるテルミット反応とを利用して、効率よく処理灰を加熱して溶融させようとするものである。ここで、上記テルミット反応とは、アルミニウムと酸化鉄の粉末を混ぜて、一定の高温(約1100℃)に加熱することにより、
Fe2 3 +2Al=2Fe+Al2 3 +829kJ
2Fe+3/2O2 =Fe2 3 +823kJ
で表されるように、酸化鉄の還元および鉄の酸化によるテルミット反応を生じさせ、この際発生する大量の熱(829kJおよび823kJ)を利用して上記処理灰の溶融に必要な1300℃〜1500℃の高温雰囲気を得るものである。
【0026】
したがって、当該テルミット式灰溶融炉においては、上記アルミニウムおよび酸化鉄として、アルミニウム精製の過程で残渣として排出されるアルミニウムドロスや廃棄酸化鉄を利用することにより、バーナー等の加熱手段による少ないエネルギーによって、効率的に処理灰の溶融処理を行うことができて、経済性に優れるとともに、極めて容易に灰溶融炉の運転を停止したり、再びスタートアップすることができる。
【0027】
この結果、必ずしも灰溶融炉側における温度条件等からの要請によって灰溶融設備の運転を連続的に行う必要がなく、よってスタートアップ時における上記弊害を防止すれば、処理灰の処理量や作業者の作業時間管理等の要因に応じて、適宜灰溶融設備全体の運転および停止を行うことができるという利点がある。
このため、請求項1および2に記載の発明は、特に請求項4または5に記載の発明のように、灰溶融炉として上記テルミット式灰溶融炉に適用した場合に、顕著な作用効果を奏する。
【0028】
この際に、請求項4に記載の発明のように、上記処理灰の溶融処理温度未満の温度として、上記灰溶融炉をテルミット反応が起こらない温度とし、この温度にに保持して上記蒸気の圧力が0.1MPaG以上に上昇した後に、上記灰溶融炉内を1200℃以上に加熱して処理灰の溶融処理を開始することが好ましい。なお、上記蒸気の圧力を所定圧に昇圧した後から溶融処理温度にまで昇温する際に、上記テルミット剤を混在させた新たな処理灰を上記灰溶融炉内に供給するタイミングは任意であり、上記テルミット剤を混在させた新たな処理灰を上記灰溶融炉内に供給してから、溶融処理温度にまで昇温したり、溶融処理温度までの昇温が済んだ後にテルミット剤入りの処理灰の投入をしてもよく、さらにはテルミット剤入りの処理灰の投入と溶融処理温度までの昇温とを並行してもよい。
【0029】
さらに請求項5に記載の発明にように、上記蒸気の圧力が0.5MPaG以上に上昇した後に、上記灰溶融炉内を1200℃以上に上昇させ、次いで上記テルミット剤を混在させた新たな処理灰を上記灰溶融炉内に供給すれば、即座にテルミット反応を生じさせて処理灰の溶融処理を開始することができるとともに、当該溶融処理開始直後から、定常運転時と同様な充分なスートブローを行うことができて好適である。
【0030】
ちなみに、熱回収手段において排ガスが冷却されることにより当該熱回収手段の壁面や熱交換チューブ等の伝熱面に析出するスケールまたはクリンカーは、極めて硬質のものであり、このため上述した早期のスートブローによって、急激な析出および成長を防止することはできるものの、経時的には、徐々に壁面から十数センチの厚さにも成長し、最終的に排ガスの流路を閉塞してしまうおそれがある。
【0031】
ところが、未だ高温の排ガスを、上記熱回収手段の上流側において、間接冷却でなく、当該排ガス中に水を散水することによる水の潜熱を利用した直接冷却を行い、少なくとも550℃以下、好ましくは450℃以下、さらに好ましくは400℃〜300℃に急冷すると、上記排ガス中の揮発成分が空中で析出し、これによって生成したスケールは粒径の小さなもので、上記スケールと異なり、仮に熱回収手段の壁面等の伝熱面に付着した場合においても、上述したスートブローによって容易に除去・排出することが可能であることが判明した。
【0032】
したがって、請求項6に記載の発明のように、灰溶融炉内の温度が灰溶融炉からのスケールやクリンカーとなる揮発成分が少ない状態の溶融処理温度未満の温度であるとき、すなわち廃熱回収による上記蒸気の圧力が上記スートブローを行うに充分な圧力まで上昇させるまでは、上記熱回収手段の上流側において、水の潜熱を利用した直接冷却を行わずに、排ガスの温度を高めた状態で、効率よく廃熱回収させて、早く上記スートブローを行うに充分な圧力まで上昇させることができる。
【0033】
そして、上記蒸気の圧力が、スートブローを行うに充分な圧力まで上昇した後に、灰溶融炉内の温度を溶融処理温度まで上げて、灰溶融炉から排出される排ガス中にスケールやクリンカーとなる揮発成分が多くなる際には、水の潜熱を利用した直接冷却によって排ガスを急冷して、塩類の揮発成分を空中で析出させ、スートブローによって容易に除去・排除できる状態にするので、スタートアップ後の長期間にわたっても灰溶融設備の安定的な運転を行うことが可能になる。
【0034】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る灰溶融設備のスタートアップ方法の第1実施形態が適用されるテルミット式灰溶融炉を用いた灰溶融設備を示すもので、図中符号1がテルミット式灰溶融炉である。
この灰溶融炉1には、所定割合のテルミット剤を混在させた焼却灰および飛灰を含む処理灰を貯留するためのホッパ2が一体的に設けられており、このホッパ2の底部には、灰溶融炉1内に連通する開口部3が形成されている。そして、この開口部3に対向する位置には、ホッパ2内の処理灰を灰溶融炉1内へと供給するプッシャー4が設けられている。なお、符号5は、プッシャー4を往復駆動するシリンダである。
【0035】
そして、ホッパ2の上部には、処理灰の搬送手段が設けられている。この搬送手段は、溶融処理される処理灰を貯留する供給ホッパ7と、この供給ホッパ7から排出された処理灰を搬送するコンベヤ8と、このコンベヤ8に介装されコンベヤ搬送されてくる処理灰の重量を計量するスクリューコンベヤ10と、このコンベヤ8によって搬送されてくる処理灰に対して、所定割合でテルミット溶融剤を供給する供給装置9とから概略構成されたもので、一定割合のテルミット溶融剤を混在させた処理灰が、上記ホッパ2の上部に導入されている。
【0036】
ここで、テルミット剤の供給装置9は、アルミニウム成分としてのアルミニウムドロス粉末が蓄えられたアルミニウム容器11と、酸化鉄成分としての廃棄酸化鉄粉末が蓄えられた酸化鉄容器12と、これら容器11、12から供給されるアルミニウムドロス粉末および廃棄酸化鉄粉末を、前述した反応式に対応する2:1のモル比となる割合でビニール袋に詰めて封じてテルミット溶融剤とした後に、これをコンベヤ8上に供給する袋詰供給装置13とを備えた構成のものであり、スクリューコンベヤ10の重量検出信号に基づいて、処理灰に対して一定の割合で上記テルミット溶融剤を供給するように制御されている。
【0037】
これに対して、ホッパ2の側壁には、上記搬送手段によって供給される処理灰のレベルを検出する、超音波等を用いた非接触のレベル検出器14が取付けられている。そして、このレベル検出器14からの検出信号に基づいて、図示されない制御手段により、コンベヤ8、テルミット剤の供給装置9およびスクリューコンベヤ10を同時に起動し、同時に停止する制御がされるようになっている。
【0038】
また、上記灰溶融炉1は、上記開口部3に連続して処理灰が供給される底部が傾斜面1aによって形成され、当該傾斜面1aの下部には、溶融物の排出部1bが形成されている。さらに、上記傾斜面1aに対応して傾斜する天井部15には、複数本のバーナー(加熱手段)16が配設されるとともに、これらバーナー16の中心部に、熱電対式の温度検出器17が配設されている。ちなみに、この温度検出器17は、傾斜面1aを下方に向けて移動する処理灰の溶融領域における雰囲気温度を検出する位置に取付けられている。そして、この温度検出器17からの検出信号に基づいてシリンダ5を介してプッシャー4を往復駆動させる制御手段が設けられており、この制御手段における制御設定値は、1200℃〜1400℃の範囲、好ましくは1250℃〜1350℃の範囲の中から炉の形式、処理灰の性状等により選択した値とされている。したがって、廃溶融炉1内の温度がその制御設定値になると、プッシャー4が作動しテルミット剤を混在させた新たな処理灰が廃溶融炉1内に所定量投入される。
【0039】
また、灰溶融炉1の排出部1bの下方には、底部に水を蓄えたスラグ排出コンベヤ20が配設され、このコンベヤ20によって移送されたスラグが、スラグバンカ21に蓄えられるようになっている。
他方、灰溶融炉1の排ガスの排気側には、排ガス管30に沿って順次、排ガスを再加熱するバーナ(再加熱手段)31aを備えて、灰溶融炉1からの排気ガスを再燃焼することによりダイオキシン類を分解する二次燃焼室31と、天井部に散水ノズル33aが設けられ、水の潜熱を利用した直接冷却によって二次燃焼室31から送られてくる排ガスを冷却する第1の排ガス冷却装置33と、この二次燃焼室31および第1の排ガス冷却装置33を経た排ガスから熱を回収する廃熱ボイラ(熱回収手段)32と、第1の排ガス冷却装置33と同様に、散水ノズル40aを備えた第2の排ガス冷却装置40とが配設されており、第2の排ガス冷却装置40を経た排ガスが、図示されないバグフィルター等のろ過集塵機などにより別途無害化処理されて煙突から排出されるようになっている。
【0040】
ここで、廃熱ボイラ32の循環ボイラ水ライン6のヘッダ6aには、熱交換によって発生した蒸気の圧力を検出する圧力検出器18が設けられている。そして、排ガスが導入される上記廃熱ボイラ32の下部仕切室32b内には、ヘッダ6a内の蒸気を熱交換チューブ32aの入口部近傍に向けて噴射するスートブロー配管(スートブロー手段)が設けられている(図示を略す)。
また、上記煙突の前段には、上記排ガス管30内の排ガスを吸引する誘引送風機(図示を略す。)が設けられている。
【0041】
そして、二次燃焼室31と第1の排ガス冷却装置33との間の排ガス管30に、第1の排ガス冷却装置33と廃熱ボイラ32とを迂回するバイパス管34が分岐配管されており、このバイパス管34には、全開と全閉との間で開度が連続的に調整可能なバタフライ弁等のバイパス弁35が介装されている。
さらに、灰溶融炉1および二次燃焼室31には、それぞれ内部の圧力を検出する圧力検出器が設けられると共に、第1の排ガス冷却装置33、廃熱ボイラ32、第2の排ガス冷却装置40、上記ろ過集塵機および上記誘引送風機の各機器間の排ガス管30にもそれぞれ圧力を検出する圧力検出器が設けられている(図には、二次燃焼室31に設けられた内部の圧力を検出する圧力検出器36のみを表示する)。
【0042】
そして、灰溶融炉1および二次燃焼室31の圧力が大気圧に対して常時負圧となるように廃熱ボイラ32や上記ろ過集塵機制御手段のダスト、スケール、クリンカー等の除去排出管理が行われる。またこの管理とは別に、上記バイパス弁35は、二次燃焼室31の圧力検出器36によって検出された排ガスの圧力に基づいて、灰溶融炉1内の圧力bが常時負圧になるように、二次燃焼室31内の圧力aが大気圧に対して所定範囲の負圧(b<a<0)になるように制御手段によって開度が制御されるようになっている。
さらに、二次燃焼室31、第1の排ガス冷却装置33、廃熱ボイラ32および第2の排ガス冷却装置40の底部には、それぞれロータリーバルブが設けられ、これらで捕集された重金属を含む灰分が排出管41から排出されて、別途キレート剤が添加され、最終的にセメント固化処理されるようになっている。
【0043】
次に、上記構成からなる灰溶融設備を用いた本発明の灰溶融設備のスタートアップ方法の第1の実施形態について説明する。
先ず、コンベヤ8によって供給ホッパ7内の処理灰を移送しつつ、スクリューコンベヤ10の荷重に基づいて、供給装置9から処理灰の一定割合ごとにテルミット剤を供給することにより、当該テルミット剤を混在させた処理灰が、ホッパ2内へ供給される。このホッパ2への供給量は、レベル検出器14からの検出信号に基づいて、ホッパ2内の処理灰上面が下限値に来ると、コンベヤ8、テルミット剤の供給装置9およびスクリューコンベヤ10を同時に起動し、処理灰の上面が上限値に来ると同時に停止する制御が、図示されない制御手段によりなされる。
【0044】
一方、灰溶融炉1に対しては、前回の溶融処理途中の処理灰が残存している状態で、または予め灰溶融炉内に新たな処理灰を追加供給した状態にして、上記煙突の前段設けられた排ガスを吸引する上記誘引送風機を起動すると共に、灰溶融炉1の全てのバーナー16と二次燃焼室31のバーナ31aとを点火し、灰溶融炉1と二次燃焼室31の加熱を開始する。なお、この段階においては、未だ第1の排ガス冷却装置33の散水ノズル33aからは水を散水せず、排ガスの直接冷却は行わない。また、第2の排ガス冷却装置40は、下流位置にあるろ過集塵機保護のために、該ろ過集塵機に流入する排ガス温度が常に200℃以下、好ましくは180℃〜150℃になるようにノズル40aからの散水量が制御され、適宜排ガスが直接冷却される。
【0045】
図3に示すように、全てのバーナー16によって灰溶融炉1内を加熱し、炉内温度が約1000℃(1000℃±50℃)に達した時点で、上記バーナー16のうちの一部(例えば、5本中の2本)のバーナーによって、灰溶融炉1内をテルミット反応が起こらない温度範囲(1000℃±50℃)に保持しつつ、一定時間上記加熱を続ける。これにより、灰溶融炉1から排出される排ガスは、煙突の前段に設けられた誘引送風機によって吸引され、二次燃焼室31において再燃焼され、ダイオキシン類が分解された後の排ガスは、散水されていない第1の排ガス冷却装置33を経て廃熱ボイラ(熱回収手段)32に送られる。そして、この廃熱ボイラ32において廃熱が回収されるとともに、回収された熱によって循環ボイラ水ライン6の水が蒸発し、ヘッダ6aにおける蒸気圧力が上昇する。また、これと並行して、上記排ガスが通過する廃熱ボイラ32の下部仕切室32bの内壁面および熱交換チューブ32aが加熱されて表面温度が上昇する。
【0046】
かかる段階においては、灰溶融炉1内を処理灰の溶融処理温度未満の約1000℃に保持しているので、灰溶融炉1から排出されるスケールやクリンカーとなる揮発成分が無いかまたは少なく、廃熱ボイラ32に付着するスケールやクリンカーが無いか極めて少ない状態である。
【0047】
そして、上記ヘッダ6aに設けた圧力検出器18が0.5MPaGになった後で、灰溶融炉1内の加熱を全バーナー16による加熱に切換えると共に、第1の排ガス冷却装置33の散水ノズル33aからの散水を開始し、排ガスの直接冷却を開始する。
すなわち、灰溶融炉1からの排ガスを二次燃焼室31において再燃焼し、ダイオキシン類が分解された後の排ガスを、第1の排ガス冷却装置33に送って、水の潜熱を利用した直接冷却により、少なくとも550℃以下、好ましくは450℃以下、より好ましくは400℃〜300℃に急冷する。これにより、灰溶融炉1内の温度を溶融処理温度まで上げることにより、灰溶融炉1から排出される排ガス中にスケールやクリンカーとなる揮発成分が飛躍的に多くなるが、上記散水による急冷により、排ガス中の揮発成分が空中で析出する。これによって生成したスケールやクリンカーは、塩類からなる粒径の小さなものとなるため、後段の廃熱ボイラ32の壁面等に付着した場合においても、スートブローによって容易に除去・排出することができる。
【0048】
次いで、温度検出器17によって検出された炉内温度が1200℃に達した際に、好ましくは1200℃〜1400℃の範囲の中から炉の形式、処理灰の性状等により選択した温度に達した際に、シリンダ5を駆動し、プッシャー4を往復動させることにより、ホッパ2底部の処理灰を開口部3から灰溶融炉1の傾斜面1aへと供給する。これにより、テルミット反応が起こり、上記処理灰が溶融処理温度の1300℃〜1500℃まで上昇して、上記処理灰に対する溶融処理が行われる。
そして、溶融された処理灰は、傾斜面1aに沿って流下し、底部の排出部1bから、スラグ排出コンベヤ20へと排出されて行く。
【0049】
斯くして、灰溶融炉1における処理灰の溶融処理が開始された後においても、灰溶融炉1から排出された排ガスは、排ガス管30から二次燃焼室31へと送られる。そして、この二次燃焼室31において、約900℃の温度で二次燃焼され、排ガス中に含まれるダイオキシン類が分解されて無害化された後に、第1の排ガス冷却装置33の上部に送られ、ノズル33aからの散水により直接冷却され、少なくとも550℃以下、好ましくは450℃以下、より好ましくは400℃〜300℃に急冷される。冷却された排ガスは、下流側の廃熱ボイラ32の底部に導入され、内部の熱交換チューブ32aを上昇しつつ廃熱が回収される。また、上記廃熱ボイラ32においては、所定の時間間隔で上記ヘッダ6aから供給される蒸気によってスートブローが実施されることにより、上記熱交換チューブ32aに付着した異物が除去される。
【0050】
次いで、この廃熱ボイラ32を経た排ガスは、第2の排ガス冷却装置40に送られ、下流位置にある図示されないバグフィルター等のろ過集塵機に流入する排ガス温度が常に200℃以下、好ましくは180℃〜150℃になるように、さらに冷却された後に、当該ろ過集塵機や脱硝装置などにより別途無害化処理されて煙突から排出されてゆく。
【0051】
このようにして、灰溶融炉1における処理灰の溶融処理が長期に続けられると、廃熱ボイラ32においては、所定の時間間隔で上記ヘッダ6aから供給される蒸気によってスートブローを実施し、上記熱交換チューブ32aに付着した塩類の揮発成分であるスケールやクリンカーを除去・排出し続けていても、このスケールやクリンカーは、完全に除去・排除されずに、廃熱ボイラ32の壁面や熱交換チューブ32a表面に蓄積・成長する。その結果、流路が狭まり、廃熱ボイラ32の圧力損失が増大する。かかる情況は、廃熱ボイラ32の前後の排ガス管30に設けた図示しない圧力検出器の圧力差または二次燃焼室31に設けた圧力検出器36の圧力の増大によって検知される。
【0052】
このような情況が検知され、圧力損失が例えば約300mmH2 O程度になると、まず廃熱ボイラ32に係わる第1の運転時間延長操作が行われる。
すなわち、この第1の運転時間延長操作は、上記煙突の前段設けられた排ガスを吸引する上記誘引送風機が運転し続けていると共に、二次燃焼室31のバーナ31aが排ガスを再燃焼し続け、第2の排ガス冷却装置40が、下流位置にあるろ過集塵機保護のために、該ろ過集塵機に流入する排ガス温度が常に200℃以下、好ましくは180℃〜150℃になるようにノズル40aからの散水量が制御され、適宜排ガスを直接冷却している状態で、灰溶融炉1の温度を下げて、スタートアップの前半の状態と同様の灰溶融炉1内を処理灰の溶融処理温度未満の約1000℃(1000℃±50℃)以下、好ましくは800℃以下の温度に保持する。これにより、灰溶融炉1から排出されるスケールやクリンカーとなる揮発成分が無いかまたは少なく、廃熱ボイラ32に付着するスケールやクリンカーが無いか極めて少ない状態になる。
【0053】
灰溶融炉1内の温度が、この溶融処理温度未満の状態になると、第1の排ガス冷却装置33の散水ノズル33aからの散水を停止すると共に、上記廃熱ボイラ32の下部仕切室32b内に設けたスートブロー配管から蒸気を噴射してスートブローを10分から20分行い続ける。
この第1の運転時間延長操作により、第1の排ガス冷却装置33の散水ノズル33aからの散水を停止しても、灰溶融炉1から排出されるスケールやクリンカーとなる揮発成分が無いか、または少なくなり、廃熱ボイラ32に付着するスケールやクリンカーが無いか極めて少ない状態になると共に、この第1の排ガス冷却装置33の散水停止によって、二次燃焼室31からの排ガス温度が冷却されることなく、かつ乾燥した状態で廃熱ボイラ32に流入し、廃熱ボイラ32に付着していたスケールやクリンカーが乾燥状態になり、上記スートブローによってほぼ完全に除去・排除される。
【0054】
この廃熱ボイラ32に付着しているスケールやクリンカーは、第1の排ガス冷却装置33の散水に伴って生ずる蒸気や飛沫の同伴によって湿っている状態になっている。この湿っている状態ではスートブロー操作では除去・排出できないスケールやクリンカーでも、乾燥状態に変わると、上記スートブローによって格段に除去・排除され易くなることを知見した。この第1の運転時間延長操作は、この知見に基づいて行われるものである。
【0055】
かかる第1の運転時間延長操作によって、廃熱ボイラ32の差圧は、ほぼスタートアップの状態にもどり、廃熱ボイラ32に付着していたスケールやクリンカーがほぼ完全に取り除かれた状態にもどる。
この第1の運転時間延長操作が終了すると、再び第1の排ガス冷却装置33の散水を開始すると共に、灰溶融炉1内を昇温し溶融処理を再び開始するわけである。
【0056】
通常のスートブロー操作の後に第1の運転時間延長操作を行うというサイクルを複数回繰り返すと(例えば10サイクル)、もはやこの第1の運転時間延長操作によっては、廃熱ボイラ32の増大した差圧を減少することができない状態になる。すなわち、溶融処理がさらに長期にわたり、塩類の揮発成分がスケールやクリンカーとして廃熱ボイラ32の壁面や熱交換チューブ32a表面に析出・成長し流路が狭まり、通常の上記スートブロー操作や第1の運転時間延長操作によっても上記スケールやクリンカーの析出によって廃熱ボイラ32の圧力損失が増大する。かかる情況は、廃熱ボイラ32の前後の排ガス管30に設けた図示しない圧力検出器の圧力差または二次燃焼室31に設けた圧力検出器36の圧力の増大によって検知される。
【0057】
このような情況が検知されると、廃熱ボイラ32に係わる第2の運転時間延長操作が行われる。
すなわち、この第2の運転時間延長操作は、例えば圧力検出器36によって、二次燃焼室31内の圧力を検出し、廃熱ボイラ32の壁面や熱交換チューブ32aの表面にスケールやクリンカーが析出・成長することにより流路が狭まつて背圧が生じ、通常の上記スートブロー操作や第1の運転時間延長操作によっても、上記二次燃焼室31内の圧力が設定圧bよりも上昇した場合には、これを検出した圧力検出器36からの信号により、徐々にバイパス弁35が開く。
【0058】
すると、排ガスの一部は、バイパス管34から廃熱ボイラ32を迂回して排ガス冷却装置40へと送気されることにより、上記二次燃焼室31の圧力が低下して、所定の負圧bに保持される。バイパス管34を通っ高温の排ガスは、廃熱ボイラ32からの排ガスと合流し、第2の排ガス冷却装置40で、下流位置にあるろ過集塵機保護のために、該ろ過集塵機に流入する排ガス温度が常に200℃以下、好ましくは180℃〜150℃になるようにノズル40aから散水され直接冷却される。
そして、上記バイパス弁35が全開になるか、あるいはバイパス管34を流れる排ガス量が多くなって、廃熱ボイラ32における所望の熱交換が行われなくなった際に、はじめて灰溶融炉1の運転を停止し、上記廃熱ボイラ32内に清掃を行う。
【0059】
このように、上記構成からなる灰溶融炉設備のスタートアップ方法によれば、前回の溶融処理途中の処理灰が残存している状態で、または予め灰溶融炉内に新たな処理灰を追加供給した状態にして、先ずバーナー16とバーナ31aとによって灰溶融炉内1と二次燃焼室31とを加熱するとともに、第1の排ガス冷却装置33では、排ガスの直接冷却は行わないようにして、一定時間テルミット反応が起こる温度以下に保持して、灰溶融炉1から排出されるスケールやクリンカーとなる揮発成分が無いかまたは少ない状態にするので、廃熱ボイラ32に送られた排ガスとの熱交換によって発生した蒸気の圧力が、スートブローを行うに充分な0.5MPaGまで上昇する間、廃熱ボイラ32に付着するスケールやクリンカーを皆無または少なくできる。
【0060】
そして、蒸気の圧力が、スートブローを行うに充分な0.5MPaGまで上昇した後に、第1の排ガス冷却装置33の直接冷却を行い、次いで炉内温度が1200℃以上に達した際に、プッシャー4を駆動してホッパ2内の処理灰を灰溶融炉1内に投入し、溶融処理を開始しているので、この溶融処理開始に伴って灰溶融炉1から排出されるスケールやクリンカーとなる揮発成分が飛躍的に多くなり、溶融処理温度までの温度上昇速度がどうしても遅くなり溶融処理温度までに達するのが比較的長い時間がかかる状況になるにもかかわらず、第1の排ガス冷却装置33を急冷して、塩類の揮発成分を空中で析出させ、かつ排ガスが充分に高温となった廃熱ボイラ32の内壁面や熱交換チューブ32aと接触するようにしたので、従来と比較して、当該排ガス中に含まれる揮発成分の析出を大幅に抑制することができると共に、付着したスケールやクリンカーがスートブローによって容易に除去・排除できる状態にでき、スタートアップ後の長期間にわたっても灰溶融設備の安定的な運転を行うことが可能になる。
【0061】
しかも、処理灰の溶融処理を開始する前に、スートブローを行うに充分な蒸気圧力が確保されているために、開始直後から当該蒸気を用いたスートブローを行って廃熱ボイラ32内に付着しようとするスケールを除去することができ、よって廃熱ボイラ32における早期の閉塞等に起因する弊害を防止して、円滑な処理灰の溶融処理を行うことができる。
このため、容易に灰溶融炉1の運転を停止することができるというテルミット式溶融設備の利点を生かし、処理灰の処理量や作業者の作業時間管理等の要因に応じて、適宜灰溶融設備全体の運転および停止を行うことができる。
【0062】
また、処理灰の溶融処理を開始した後において、灰溶融炉1の温度を下げて、スタートアップの前半の状態と同様の灰溶融炉1内を処理灰の溶融処理温度未満の約1000℃以下、好ましくは800℃以下の温度に保持し、灰溶融炉1から排出されるスケールやクリンカーとなる揮発成分が無いかまたは少なく、廃熱ボイラ32に付着するスケールやクリンカーが無いか極めて少ない状態にした後に、第1の排ガス冷却装置33の散水ノズル33aからの散水を停止すると共に、上記廃熱ボイラ32の下部仕切室32b内に設けたスートブロー配管から蒸気を噴射してスートブローを行うようにしたので、廃熱ボイラ32に付着していたスケールやクリンカーが乾燥状態になり、スートブローによって格段に除去・排除することができ、廃熱ボイラ32をほぼスタートアップの状態に戻すことがてきる。これによっても、スタートアップ後の長期間にわたっても灰溶融設備の安定的な運転を行うことが可能になる。
【0063】
さらに、圧力検出器36によって廃熱ボイラ32の上流側に位置する二次燃焼室31内の排ガス圧力bを処理灰の溶融処理中に計測し、この圧力bに基づいて灰溶融炉1内における圧力aが大気圧に対して負圧を保持するように、バイパス弁35を全開と全閉との間において連続的に開度調整して流量制御しているので、灰溶融炉1内の圧力aを確実に上記負圧に保持することもできる。また、これと並行して、排ガスの熱量を、可能な限り廃熱ボイラ32によって回収することができ、よって廃熱ボイラ32内における流路の詰まり等による運転停止間隔の延長化とスートブローに必要な蒸気の確保を併せて図ることができる。
【0064】
上記第1実施形態においては、バイパス管34を、二次燃焼室31と第1の排ガス冷却装置33の間の排ガス管30から分岐して、第1の排ガス冷却装置33と廃熱ボイラ32とを迂回するようにしたが、このバイパス管34に代えて、図1中点線で示すように、排ガス冷却装置33と廃熱ボイラ32との間の排ガス管30から分岐して、廃熱ボイラ32だけを迂回するように、バイパス弁35を介装したバイパス管37としてもよい。これにより、下流位置にあるろ過集塵機保護のために排ガスを冷却する第2の排ガス冷却装置40の負担が軽くなる。
【0065】
また、この第2の排ガス冷却装置40は、バイパス弁35の開度操作する上記第2の運転時間延長操作を行わなければ、設けなくてもよい。なお、第2の排ガス冷却装置40を省略した場合、灰溶融炉1の温度を下げて、スタートアップの前半の状態と同様の灰溶融炉1内を処理灰の溶融処理温度未満にして、第1の排ガス冷却装置33の散水停止の状態で上記廃熱ボイラ32のスートブロー操作を行う第1の運転時間延長操作を行うのであれば、廃熱ボイラ、燃焼用空気予熱器、白煙防止用空気加熱器等の熱回収手段の能力を十分にして、下流位置にあるろ過集塵機等に高温の排ガスが行かないようにする必要がある。
【0066】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施形態が適用されるテルミット式灰溶融炉を用いた灰溶融設備を示すもので、図1に示したものと同一構成部分に付いては、同一符号を付してその説明を簡略化する。
図2に示すように、この灰溶融設備においては、供給ホッパ7から排出された処理灰を搬送するコンベヤ8に沿って、所定割合でテルミット溶融剤を供給する供給装置9が先に設けられ、下流にコンベヤ8から送られてくる一定割合のテルミット溶融剤を混在させた処理灰の重量を計量するスクリューコンベヤ38が設けられたものであり、この構成によっても、スクリューコンベヤ38の重量情報に基づいて供給装置9がテルミット溶融剤を所定量づつ供給し、一定割合のテルミット溶融剤を混在させた処理灰が、上記ホッパ2の上部に導入される。
【0067】
また、第1実施形態の第1の排ガス冷却装置33が省略され、二次燃焼室31と廃熱ボイラ32との間の排ガス管30から分岐して、廃熱ボイラ32だけを迂回するように、バイパス弁35を介装したバイパス管39が設けられている。そして、第1実施形態と同様に、二次燃焼室31に上記圧力検出器36が設けられている。
【0068】
上記構成からなる灰溶融設備を用いた第2の実施形態においても、第1の実施形態に示したものと同様のスタートアップが行われる。この際に、第1の実施形態と異なる点は、第1の排ガス冷却装置33が省略されているので、上記ヘッダ6aに設けた圧力検出器18が0.5MPaGになり、蒸気圧がスートブローを行うに十分な圧力となった後の廃熱ボイラ32上流側での散水による排ガスの直接冷却を行わないことにある。
【0069】
すなわち、灰溶融炉1内を処理灰の溶融処理温度未満の約1000℃(1000℃±50℃)に保持して加熱し続けると、二次燃焼室31において再燃焼され、ダイオキシン類が分解された後の排ガスは、廃熱ボイラ32に送られて廃熱が回収される。これにより蒸気の圧力が徐々に上昇する。また、並行して廃熱ボイラ32の内壁面や熱交換チューブ32aの表面温度が上昇する。かかる段階においては、灰溶融炉1内を処理灰の溶融処理温度未満の温度に保持しているので、灰溶融炉1から排出される排ガス中にスケールやクリンカーとなる揮発成分が無いかまたは少なく、廃熱ボイラ32に付着するスケールやクリンカーが無いか極めて少ない。
【0070】
そして、上記蒸気の圧力が、スートブローを行うに充分な圧力まで上昇した後に、灰溶融炉内の温度を1200℃以上、好ましくは1200℃〜1400℃の範囲の中から炉の形式、処理灰の性状等により選択した温度に達した際に、シリンダ5を駆動し、プッシャー4を往復動させることにより、ホッパ2底部の処理灰を開口部3から灰溶融炉1の傾斜面1aへと供給する。これにより、テルミット反応が起こり、上記処理灰が溶融処理温度の1300℃〜1500℃まで上昇して、上記処理灰に対する溶融処理が行われる。
【0071】
これにより、灰溶融炉1から排出される排ガス中にスケールやクリンカーとなる揮発成分が多くなるが、排ガスが充分に高温となった廃熱ボイラ32の内壁面や熱交換チューブ32aと接触するために、従来と比較して、当該排ガス中に含まれる揮発成分の析出が大幅に抑制される。
加えて、処理灰の溶融処理を開始する前に、ブートブローを行うに充分な蒸気圧力が確保されているために、開始直後から当該蒸気を用いたスートブローを行って廃熱ボイラ32に付着しようとするスケールを除去することが可能になる。この結果、廃熱ボイラ32における早期の閉塞等に起因する弊害を防止することができ、よって円滑な処理灰の溶融処理を行うことが可能になる。
【0072】
また、長期間の運転によって、スケールやクリンカーが徐々に廃熱ボイラ32の壁面や熱交換チューブ32aに析出して排ガス流路を狭めた場合には、第1の実施形態と同様に、圧力検出器36によって二次燃焼室31の圧力を検出し、これが上記設定値bよりも上昇した際に、バイパス弁35を開くことにより、灰溶融炉1内の圧力aを常時大気圧に対して負圧に保持することができる。
【0073】
なお、上記第1および第2実施の形態においては、スタートアップ時に、蒸気圧力が通常のスートブローにおける蒸気圧力である0.5MPaGまで上昇した後に、はじめてテルミット剤を混在させた処理灰を灰溶融炉1内に投入するようにしたが、これに限るものではなく、特に溶融処理開始直後は、熱回収手段に付着するスケールの量も少ないために、蒸気圧力がこれを除去するに必要最小限の0.1MPaGまで上昇した後に、上記処理灰に対する溶融処理を開始してもよい。
【0074】
また、上記第1および第2実施の形態においては、いずれも本発明をテルミット式灰溶融炉1を有する灰溶融設備のスタートアップに適用した場合に付いてのみ説明したが、これに限定されるものではなく、同様の処理灰を主体とする処理灰を酸素富化燃焼において溶融処理する灰溶融炉や、アーク放電加熱等により溶融処理する灰溶融炉等の他の形式の溶融炉、さらには二次燃焼室がない型式の灰溶融炉に対しても、同様に適用することが可能である。
【0075】
さらに、上記第1および第2実施の形態においては、灰溶融設備のスタートアップの最初の段階で、灰溶融炉1の加熱と二次燃焼室31の加熱の両方を行う例を示したが、灰溶融炉1は、二次燃焼室31のバナー31aに余力があれば、加熱する必要がない。しかし、灰溶融炉1内の温度を溶融処理温度に昇温するには時間がかかるので、灰溶融炉1のバーナ16も作動させるのが好ましい。いずれにしても、灰溶融炉1内を処理灰の溶融処理温度未満の温度に保持しつつ、排ガスを廃熱ボイラ32に送って熱回収し、これにより蒸気の圧力を上昇させる。
【0076】
また、上記第1および第2実施の形態においては、上記灰溶融炉1内を1200℃以上に加熱し、次いでテルミット剤入りの処理灰を投入したが、スートブロー用の蒸気の圧力が所定圧に昇圧した後で、先に新たな処理灰を溶融炉に供給し、その後灰溶融炉内の温度を溶融処理温度まで上げて灰溶融炉における処理灰の溶融処理を開始してもよく、さらには処理灰投入と溶融処理温度までの昇温を並行してもよく,種々の方法がある。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜6のいずれかに記載の発明によれば、先ず灰溶融炉内を処理灰の溶融処理温度未満に維持して、排ガスを熱回収手段に送り、ここでスートブローを行うに充分な圧力の蒸気を得た後に、灰溶融炉における処理灰の溶融処理を開始しているので、スタートアップ直後に、排ガス中に含まれる揮発成分が熱回収手段に析出して排ガス流路を閉塞する等の弊害を未然に防止することができ、よって円滑な処理灰の溶融処理を行うことができる。
【0078】
特に請求項3に記載の発明のように、上記処理灰の溶融処理温度未満の温度を、当該灰溶融炉内の雰囲気温度が1050℃以下にすることことによって、灰溶融炉からの排ガスに含まれるスケールやクリンカーとなる揮発成分が、飛躍的に少なくすることができ、スートブローを行うに充分な圧力の蒸気を得るまでの熱回収手段にスケールやクリンカーが付着するのを格段に抑制できる。
【0079】
特に請求項4または5に記載の発明のように、必ずしも灰溶融炉側における温度条件等からの要請によって灰溶融設備の運転を連続的に行う必要がなく、スタートアップおよびシャットダウンを容易に行うことができるテルミット式灰溶融設備に適用した場合に、処理灰の処理量や作業者の作業時間管理等の要因に応じて、適宜灰溶融設備全体の運転および停止を行うことができるといった顕著な作用効果を奏する。
【0080】
さらに、請求項6に記載の発明によれば、上記熱回収手段の上流側において、水の潜熱を利用した直接冷却によって排ガスを急冷することにより、生成したスケールを仮に熱回収手段の壁面等の伝熱面に付着した場合においても、スートブローによって容易に除去・排出する形態にすることができ、スタートアップ後においても、熱回収手段におけるスケールの付着を抑制して、長期間にわたる灰溶融設備の安定的な運転を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を実施するための灰溶融設備を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態を実施するための灰溶融設備を示す概略構成図である。
【図3】第1および第2の実施形態におけるスタートアップ時のフロー図である。
【符号の説明】
1 テルミット式灰溶融炉(灰溶融炉)
16 バーナー(加熱手段)
18 ヘッダの圧力検出器
30 排ガス管
31 二次燃焼室
31a バーナ(再加熱手段)
32 廃熱ボイラ(熱回収手段)
33 第1の排ガス冷却装置
33a 散水ノズル
40 第2の排ガス冷却装置
40a 散水ノズル

Claims (6)

  1. 内部を加熱する加熱手段を有する灰溶融炉と、この灰溶融炉から排出された排ガスの廃熱を回収する熱回収手段と、この熱回収手段によって回収された上記廃熱によって得られた蒸気により当該熱回収手段に対してスートブローを行うスートブロー手段とを有する灰溶融設備におけるスタートアップ方法であって、
    上記加熱手段によって上記灰溶融炉内を処理灰の溶融処理温度未満の温度に保持して加熱し続け、当該灰溶融炉で発生した排ガスを上記熱回収手段に送って熱回収を行い続け、上記蒸気の圧力を上記スートブローを行うに充分な圧力まで上昇させた後に、上記灰溶融炉における処理灰の溶融処理を開始することを特徴とする灰溶融設備のスタートアップ方法。
  2. 内部を加熱する加熱手段を有する灰溶融炉と、この灰溶融炉からの排出ガスを再加熱する再加熱手段を有する二次燃焼室と、この二次燃焼室から排出された排ガスの廃熱を回収する熱回収手段と、この熱回収手段によって回収された上記廃熱によって得られた蒸気により当該熱回収手段に対してスートブローを行うスートブロー手段とを有する灰溶融設備におけるスタートアップ方法であって、
    上記灰溶融炉内を処理灰の溶融処理温度未満の温度に保持すると共に上記再加熱手段によって加熱し続け、当該二次燃焼室からの排ガスを上記熱回収手段に送って熱回収を行い続け、上記蒸気の圧力を上記スートブローを行うに充分な圧力まで上昇させた後に、上記灰溶融炉における処理灰の溶融処理を開始することを特徴とする灰溶融設備のスタートアップ方法。
  3. 上記処理灰の溶融処理温度未満の温度は、当該灰溶融炉内の雰囲気温度が1050℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の灰溶融設備のスタートアップ方法。
  4. 上記灰溶融炉は、テルミット式灰溶融炉であるとともに、上記処理灰の溶融処理温度未満の温度は、上記灰溶融炉をテルミット反応が起こらない温度であり、上記蒸気の圧力が0.1MPaG以上に上昇した後に、上記灰溶融炉内を1200℃以上に加熱して処理灰の溶融処理を開始することを特徴とする請求項1または2に記載の灰溶融設備のスタートアップ方法。
  5. 上記蒸気の圧力が0.5MPaG以上に上昇した後に、上記灰溶融炉内を1200℃以上に加熱し、次いで上記テルミット剤を混在させた処理灰を新たに上記灰溶融炉内に供給して処理灰の溶融処理を開始することを特徴とする請求項4に記載の灰溶融設備のスタートアップ方法。
  6. 上記蒸気の圧力を上記スートブローを行うに充分な圧力まで上昇させた後に、上記熱回収手段の上流側において、上記排ガスに水を散布する直接冷却を開始することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の灰溶融設備のスタートアップ方法。
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