JP3759857B2 - 伝動ベルト用心線の接着処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は伝動ベルト用心線の接着処理方法に係り、詳しくはホツレ性を改善し、屈曲疲労後強力保持率を維持し、そしてゴムとの接着性を向上させた伝動ベルト用心線の接着処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、省エネルギー化、コンパクト化の社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰囲気温度は、従来に比べて上昇し、伝動ベルトの使用環境温度も高くなってきた。従来の伝動ベルトは主に天然ゴム、スチレンーブタジエンゴム、クロロプレンゴムを使用してきたが、 高温雰囲気下では、圧縮ゴム層が早期に亀裂を発生することがあった。
【0003】
このため、最近では、耐熱性ポリマーとして開発された水素化ニトリルゴムがVリブドベルト、Vベルト、あるいは歯付ベルトに使用されている。また、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を使用したゴム配合物も伝動ベルトの弾性部材に使用されている。これに応じて、心線である繊維コードと水素化ニトリルゴムとの接着も改善されつつある。
【0004】
例えば、繊維コードと水素化ニトリルゴム組成物との接着において、特公昭60−24131号公報には、カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスからなるRFL液で処理する方法、特公平5−41525公報、特公平5−41526公報、特公平5−41527公報には、イソシアネート化合物、エポキシ化合物及びシランカップリング剤から選ばれた活性化合物、RFL液及びハロゲン含有重合体を主成分とする接着剤組成物で処理する方法、特公平6−41528公報にはエポキシ化合物あるいはイソシアネート化合物で第1処理した後、RFL液で第2処理し、そしてゴム配合物と塩化ゴムを溶剤に溶かしたゴム糊で第3処理する方法が開示されている。
【0005】
また、カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴムゴムラテックスからなるRFL液で処理する方法では、従来に比べて繊維コードと水素化ニトリルゴムとの接着力は改善されたが、この処理コードを心線に用いた伝動ベルトを走行させて繰り返し疲労を与えた場合には、早期に心線と接着ゴム層とが界面剥離し、実使用上、接着力が不足していることが明らかになった。
【0006】
活性化合物、RFL液及びハロゲン含有重合体を主成分とする接着剤組成物を使用する場合には、ハロゲン含有重合体の使用は、地球環境上、制限される可能性を含んでいる。 更には、特公平6−41528公報に記載された方法では、塩化ゴムが地球環境上、制限される可能性を含んでおり、将来において継続的に安定した供給が危ぶまれる問題を含んでいる。
【0007】
現在、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維やアラミド繊維等の高強度、高モジュラスの有機繊維では、熱中の寸法安定性が他の有機繊維より優れており、広く動力伝動用ベルトの心線として用いられつつある。しかし、歯付ベルト、Vリブドベルト及びカットエッジタイプのVベルト等のベルト両側面(カット面)を露出させた動力伝動用ベルトの心線として使用した場合、そのカット面から該繊維のフィラメントが飛び出す「ホツレ」という問題が発生したために、種々の改善が今日まで行われてきた。
【0008】
例えば、(1)RFL液を用いる方法、(2)エポキシ又はイソシアネート化合物で前処理した後、RFL液を用いる方法などが試みられてきた。また、RFL液の含浸性を改善するため、特開平8−100370号公報にはRFL液を含む処理液を真空・加圧条件下で含浸する方法が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、(1)に記載したRFL液処理のみの場合には、屈曲性はよいがホツレ易さが残り、一方(2)の方法ではコードが硬くなり、ホツレ性は改善されるが屈曲疲労性が悪くなる等、何れも未だ充分満足される状態に至っていない。更に、処理液を真空・加圧条件下で含浸する方法も連続処理には不適であった。
【0010】
本発明者等も、さきにアラミド繊維を少なくとも1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と液状ゴムの混合溶液で処理し、しかる後、これを未加硫ゴムと密着加硫せしめる接着方法を提案した。この方法は従来法に比べ屈曲疲労性及びホツレ性を著しく改善できたが、なお接着性がやや劣っている難があり、更に検討の余地が残されていた。
【0011】
本発明は、これらの点を考慮し、ホツレ性を改善し、屈曲疲労後強力保持率を維持し、そしてゴムとの接着性を向上させた伝動ベルト用心線の接着処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
即ち、本願請求項1記載の発明は、水素化ニトリルゴム配合物と伝動ベルト用心線の接着処理方法において、撚糸コードからなる伝動ベルト用心線を、分子内に2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂をニトリルゴムで変性したニトリルゴム変性エポキシ樹脂とアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂を含む前処理液で処理し、続いてニトリルゴムラテックスもしくは水素化ニトリルゴムラテックスからなるRFL液で処理し、そしてニトリルゴム配合物もしくは水素化ニトリルゴム配合物を溶剤に溶かしたゴム糊でオーバーコート処理する伝動ベルト用心線の接着処理方法にある。
【0013】
本発明のように、撚糸コードをニトリルゴム変性エポキシ樹脂とアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂を含む前処理液で処理すれば、固化した前処理剤がフィラメントを固着し、ホツレ性を改善し、この前処理剤には柔軟性があるため、耐屈曲疲労性も良好である。更にニトリルゴムラテックスもしくは水素化ニトリルゴムラテックスからなるRFL液で処理し、そしてニトリルゴム配合物もしくは水素化ニトリルゴム配合物を溶剤に溶かしたゴム糊でオーバーコート処理することにより、撚糸コードのホツレ性を改善し、屈曲疲労後強力保持率を維持し、そしてゴムとの接着性を向上させたまたゴムとの接着性を向上させることができる。
【0014】
本願請求項2記載の発明は、水素化ニトリルゴム配合物と伝動ベルト用心線の接着処理方法において、撚糸コードからなる伝動ベルト用心線を、分子内に2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂をニトリルゴムで変性したニトリルゴム変性エポキシ樹脂(以下、単にニトリルゴム変性エポキシ樹脂と記す)とアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂を含む前処理液で処理し、続いてニトリルゴム配合物もしくは水素化ニトリルゴム配合物を溶剤に溶かしたゴム糊でオーバーコート処理する伝動ベルト用心線の接着処理方法にあり、RFL液で処理しなくても撚糸コードのホツレ性を改善し、屈曲疲労後強力保持率を維持し、そしてゴムとの接着性を向上させることができる。
【0015】
本願請求項3記載の発明は、第1処理液がニトリルゴム変性エポキシ樹脂、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、そして架橋剤からなる伝動ベルト用心線の接着処理方法にある。
【0016】
本願請求項4記載の発明は、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂とニトリルゴム変性エポキシ樹脂の重量比が2/10〜10/10である伝動ベルト用心線の接着処理方法にある。
【0017】
本願請求項5記載の発明は、伝動ベルト用心線がポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維である伝動ベルト用心線の接着処理方法にある。この繊維は、高強度、高モジュラスであるが、接着性が低く、耐屈曲疲労性に劣る。本願の接着処理方法を使用することによってこの繊維の撚糸コードのホツレ性を改善し、屈曲疲労後強力保持率を維持し、そしてゴムとの接着性を向上させたまたゴムとの接着性を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する水素化ニトリルゴムは、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、あるいはH−NBRに不飽和カルボン酸金属塩を添加したものを主成分とし、これにカーボンブラックのような補強剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤、加硫助剤、硫黄のような加硫剤等が添加混合される。
【0019】
上記水素化ニトリルゴムは、水素添加率80%以上であり、耐熱性及び耐オゾン性の特性を発揮するために好ましくは90%以上が良い。水素添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オゾン性が極度に低下する。耐油性及び耐寒性を考慮すると、結合アクリロニトリル量は20〜45%の範囲が好ましい。
【0020】
本発明で使用する伝動ベルト用心線としては、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(PBO繊維)、アラミド繊維のフィラメント群を撚り合わせた撚糸コードであり、1〜3デニールのモノフィラメントを100〜3,000本収束したトータル300〜3,100デニ−ルの無撚りの原糸を2〜5本寄せ集め、これを上撚り数4〜50回/10cmで上撚りして得たものである。
無論、上撚りの前に下撚りを施してもよい。
【0021】
使用する撚糸コードは、下記方法によって処理される。
(1)まず未処理撚糸コードをニトリルゴム変性エポキシ樹脂、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、そして架橋剤からなる室温に設定した前処理液に0.5〜30秒間浸漬した後、150〜220°Cに調節したオーブンに2〜5分間通して乾燥される。前処理液が心線内部まで浸透してフィラメントを固着し、ホツレ性を改善する。
尚、前処理液の固形分濃度は5〜30重量%に調節される。トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトンなどの脂肪族ケトンが、溶剤として用いられる。
【0022】
ニトリルゴム変性エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂をニトリルゴムで変性したエポキシプレポリマーであり、ベースのエポキシとしては、グリセリン、プロピレングリコール類とエビクロルヒドリン等のハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物、又はヒドロキノン、ビスフェノールA等の多価フェノールとハロゲン含有エポキシ類との反応生成物が使用される。特に、末端に2個のエポキシ基を持つビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用したものが好適である。
【0023】
アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂は、フェノールあるいはクレゾール、クロロフェノールなどの1価フェノール、又はレゾルシン、カテコールなどの多価フェノールの1種又は2種以上のフェノールとホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの1種又は2種以上とを酸あるいはアルカリ触媒の存在下で縮合したものである。
【0024】
上記アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂とニトリルゴム変性エポキシ樹脂の重量比は2/10〜10/10であり、2/10未満の場合にはゴムとの接着性が低下する。一方10/10を超えると、ゴムとの接着性が低下すると共に、処理剤の可撓性が低下するため処理コードの屈曲疲労性が低下する。
【0025】
架橋剤としては、3級アミン、イミダゾール、酸無水物などが使用される。特に、3級アミンが好適である。通常、エポキシ樹脂に対し3〜30重量%の範囲で使用される。
【0026】
(2)RFL処理液としてニトリルゴムラテックス(アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス)もしくは水素化ニトリルゴムラテックスからなるRFL液で処理する。RFL液はレゾルシンとホルマリンの初期縮合物を上記のゴムラテックスと混合したものであり、この場合レゾルシンとホルマリンのモル比は3/1〜1/3にすることが接着力を高める上で好適である。
また、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物は、このゴムラテックスのゴム分100重量部に対してその樹脂分が5〜100重量部になるように混合した上、全固形濃度を5〜40%濃度に調節される。
【0027】
この場合の処理液の温度は5〜40°Cに調節し、また浸漬時間は0.5〜30秒であり、200〜250°Cに調節したオーブンに1〜3分間通して熱処理される。
【0028】
(3)オーバーコート処理液としてニトリルゴム配合物もしくは水素化ニトリルゴム配合物をトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトンなどの脂肪族ケトンから選ばれた、ゴム配合物の良溶媒となる溶剤に溶かしたゴム糊に浸漬しオーバーコート処理する。浸漬時間は0.5〜30秒であり、80〜200°Cに調節したオーブンに1〜3分間通して熱処理される。
【0029】
また、本発明では、未処理撚糸コードを前処理液に処理した後、RFL処理せずに、直接オーバーコート処理液で処理することもできる。
【0030】
このように接着処理された伝動ベルト用心線は、例えば図1に示すような歯付ベルト1に使用される。この歯付ベルト1はベルト長手方向(図中矢印)に沿って複数の歯部2と、心線3を埋設した背部4からなり、上記歯部2の表面には歯布5が貼着した構成からできている。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1〜3、比較例1
(撚糸コードの作製)
PBO繊維を1,090dtex/3の構成で、撚り数15.7回/cmでS方向及びZ方向に撚糸してS撚り、Z撚りの片撚りコードを準備した。それらの撚糸コードを表1に示す第1処理液に浸漬した後、200°Cで1分間熱処理した。次に表2に示すRFL液に浸漬した後、200°Cで1分間熱処理した。更に、表3に示すゴム配合物を固形分濃度10%でトルエンに溶解して処理液とし、その処理液に浸漬した後、160°Cで2分間熱処理した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
得られた試料の平剥離力を以下の方法により評価した。その結果を表1に記載する。また、図1に実施例1〜3と比較例1に係るアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂(フェノール)/ニトリルゴム変性エポキシ樹脂(エポキシ)の重量比と平剥離力の関係を示す。
【0036】
1.平剥離力の測定方法
25mmの幅に隙間なく並べた処理コードと表3に示すゴム組成物を合わせて、圧力2MPa、温度153°Cで30分間加硫して剥離試料を作製し、50mm/分の速度でT型剥離試験を行い、処理コードとゴム間の剥離力を測定した。
【0037】
この結果、比較例1のように第1処理液としてアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂を使用しない場合には、平剥離力は低下し、他方実施例1〜3の場合には、平剥離力が優れていることが判る。また、図2に示すようにフェノール/エポキシの重量比では、実施例1と2が高水準の平剥離力値を維持している。
【0038】
実施例4〜8、比較例2
PBO繊維を1,090dtex/3の構成で、撚り数15.7回/cmでS方向及びZ方向に撚糸してS撚り、Z撚りの片撚りコードを準備した。それらの撚糸コードを表4に示す第1処理液に浸漬した後、200°Cで1分間熱処理した。次に表2に示すRFL液に浸漬した後、200°Cで1分間熱処理した。更に、表3に示すゴム配合物を固形分濃度10%でトルエンに溶解して処理液とし、その処理液に浸漬した後、160°Cで2分間熱処理した。
【0039】
(歯付ベルトの作製)
歯付ベルトの作製では、2/2綾織りのナイロン帆布を接着処理し、この帆布をモールドに巻き付け、この上に前記PBO繊維コードをスピニングした後、更に表4のH−NBRゴム配合物からなるゴムシートを巻き付けた。続いて、これを加硫して、得られた加硫スリーブを所定の幅に切断して個々のベルトを得た。ベルトサイズは歯ピッチ8mm、歯数99、ベルト幅19.1mmであった。
【0040】
得られた歯付ベルトの屈曲疲労後強力保持率、ホツレ性を下記の方法により測定した。その結果を表4に記載する。また、図3に実施例4〜8と比較例2に係る前処理液の固形分濃度と平剥離力の関係を示すグラフを示し、また図4に実施例4〜8と比較例2に係る前処理液の固形分濃度と屈曲疲労後強力保持率の関係を示すグラフを示す。
【0041】
2.屈曲疲労後強力保持率
歯付ベルトを駆動プーリ(42歯)、従動プーリ(21歯)に懸架し、ベルト背面に直径52mmの平プーリを当接させ、雰囲気温度120°C、負荷5馬力、軸荷重15kgfの条件下で1,000時間走行させた後、ベルトをプーリから取り外し、ベルト強力を引張速度50mm/分で測定し、走行前のベルト強力で除して強力保持率を求めた。
【0042】
3.ホツレ性
歯付ベルトのカット面に露出したコードのホツレ程度を目視により5段階 (A〜E)で評価した。評価Aは良で、Eは悪になる。
【0043】
【表4】
【0044】
この結果、図3と図4を参照しても、実施例4〜7の第1処理液から第3処理液まで処理した場合、また実施例8の第1処理液と第3処理液で処理した場合にも、平剥離力、屈曲疲労後強力保持率、ホツレ性とも優れていることが判る。一方、比較例2では、平剥離力と屈曲疲労後強力保持率が劣っている。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本願請求項記載の発明では、撚糸コードからなる伝動ベルト用心線を第1処理液としてニトリルゴム変性エポキシ樹脂を主成分とする処理液で処理し、第2処理液としてニトリルゴムラテックスもしくは水素化ニトリルゴムラテックスからなるRFL液で処理し、そして第3処理液としてニトリルゴム配合物もしくは水素化ニトリルゴム配合物を溶剤に溶かしたゴム糊で処理した場合や、上記の第1処理液と第3処理液で処理した場合においても、平剥離力、屈曲疲労後強力保持率、ホツレ性とも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】歯付ベルトの断面斜視図である。
【図2】実施例1〜3と比較例1に係るフェノール/エポキシの重量比と平剥離力の関係を示す。
【図3】実施例4〜8と比較例2に係る前処理液の固形分濃度と平剥離力の関係を示すグラフを示す。
【図4】実施例4〜8と比較例2に係る前処理液の固形分濃度と屈曲疲労後強力保持率の関係を示す。
【符号の説明】
1 歯付ベルト
2 歯部
3 心線
4 背部
5 歯布
Claims (5)
- 水素化ニトリルゴム配合物と伝動ベルト用心線の接着処理方法において、撚糸コードからなる伝動ベルト用心線を、分子内に2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂をニトリルゴムで変性したニトリルゴム変性エポキシ樹脂とアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂を含む前処理液で処理し、続いてニトリルゴムラテックスもしくは水素化ニトリルゴムラテックスからなるRFL液で処理し、そしてニトリルゴム配合物もしくは水素化ニトリルゴム配合物を溶剤に溶かしたゴム糊でオーバーコート処理することを特徴とする伝動ベルト用心線の接着処理方法。
- 水素化ニトリルゴム配合物と伝動ベルト用心線の接着処理方法において、撚糸コードからなる伝動ベルト用心線を、分子内に2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂をニトリルゴムで変性したニトリルゴム変性エポキシ樹脂とアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂を含む前処理液で処理し、続いてニトリルゴム配合物もしくは水素化ニトリルゴム配合物を溶剤に溶かしたゴム糊でオーバーコート処理することを特徴とする伝動ベルト用心線の接着処理方法。
- 前処理液がニトリルゴムで変性したニトリルゴム変性エポキシ樹脂、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、そして架橋剤からなる請求項1または2記載の伝動ベルト用心線の接着処理方法。
- アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂とニトリルゴム変性エポキシ樹脂の重量比が2/10〜10/10である請求項1〜3いずれかに記載の伝動ベルト用心線の接着処理方法。
- 伝動ベルト用心線がポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維である請求項1〜4いずれかに記載の伝動ベルト用心線の接着処理方法。
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