JP3759420B2 - 縦型円筒焼却炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射性雑固体廃棄物の焼却等に用いられる縦型円筒焼却炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような縦型円筒焼却炉は、炉内に投入された廃棄物を燃焼させ、炉底開口部に設けられた炉底ダンパーを開いて焼却灰を下方に排出する構造となっている。従来この炉底開口部は、図5に示すように耐火レンガ1によって形成されていた。しかし炉底ダンパー2の開閉時に機械的振動を受け易く、また熱風供給口3がこの部分にあって焼却時に炉底部が最高温度となり、炉底ダンパー2が開かれたときには急冷されて熱衝撃を受け易いため、長期間使用するとこの耐火レンガ1に欠けが発生することがあった。
【0003】
しかもこの耐火レンガ1は、その上方に位置する炉缶体を構成する耐火物4の重量を支持するものでもあるため、耐火レンガ1のみを交換することはできず、耐火レンガ1の交換の際には炉下部の耐火物4を全周にわたり補修しなければならないという問題もあった。従って炉底開口部の耐火レンガの損傷は長期間の炉停止を招いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決し、長期間にわたり機械的振動や熱衝撃を受けても、炉底開口部に損傷を生ずることのない縦型円筒焼却炉を提供するためになされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の縦型円筒焼却炉は、炉缶体の最下部に設けられた金属フランジ上に、多数のくさび型の耐熱鋳鋼ブロックをフランジ内周より内側に張り出すように環状配置し、炉底開口部を形成したことを特徴とするものである。
【0006】
なお、隣接する耐熱鋳鋼ブロック間および耐熱鋳鋼ブロックの外周側に、熱膨張を吸収できる耐熱繊維材を充填した構造とすることが好ましく、耐熱鋳鋼ブロックの上面に耐火レンガを配置して、炉缶体を構成する耐火物の重量を支持させた構造とすることが好ましい。また本発明で使用する耐熱鋳鋼ブロックは、耐熱衝撃性と耐SOx腐食性に優れたオーステナイト−フェライト2相系の耐熱鋳鋼からなるものとすることが好ましい。
【0007】
本発明の縦型円筒焼却炉は、多数のくさび型の耐熱鋳鋼ブロックを環状配置して炉底開口部を形成したものであるため、耐火レンガとは異なり、長期間にわたり機械的振動や熱衝撃を受けても損傷を生じない。従って従来のように炉底開口部の補修のために長期間にわたる炉停止を招くこともない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
図1は本発明の実施形態の縦型円筒焼却炉の全体図であり、10は耐火レンガよりなる円筒形の炉缶体、11はその上部に形成された廃棄物投入孔である。炉缶体10の下部はテーパ状に絞られ、熱風炉で発生させた熱風を供給するための熱風供給孔12や、燃焼空気供給用ノズル13などが設けられている。14は炉底開口部であり、その下方に開閉可能な炉底ダンパー23が設けられている。廃棄物投入孔11から炉内に投入された廃棄物は炉内で燃焼されるが、炉底開口部14付近が最高温度となるように設計されている。
【0009】
図2は炉底開口部14の部分の拡大断面図である。15は炉缶体10の最下部に設けられた金属フランジであり、ステンレス等の耐熱金属により構成された有孔円板状のものである。本発明ではこの金属フランジ15の上面に、多数の耐熱鋳鋼ブロック16を環状配置して炉底開口部14を形成している。各耐熱鋳鋼ブロック16は、図3に示すようにくさび型の形状をしており、これらを図4に示したように金属フランジ15の内周よりも内側に張り出すように環状に配置している。
【0010】
耐熱鋳鋼は高Cr鋳鋼または高Cr−Ni鋳鋼であり、前者は13クロムステンレスに近い鋼種であり、後者は18−8クロムステンレスに近い鋼種である。前者の素地はオーステナイト−フェライト2相系であり、後者の素地はオーステナイト系である。いずれも融点は1340℃を越え、1000℃においても60〜150N/mm2の引張り強さを有する。これらの耐熱鋳鋼よりなるブロックは、1000℃程度の炉内温度域において耐火レンガよりも桁違いの機械的強度を有する。
【0011】
従って強度面からは上記したいずれの耐熱鋳鋼を用いてもよいが、熱衝撃試験を行った結果、オーステナイト−フェライト2相系の耐熱鋳鋼が優れた結果を示した。また焼却炉の内部では冷却された際にSOxに起因する硫酸が発生するため、耐SOx腐食性に優れるオーステナイト−フェライト2相系の耐熱鋳鋼を選択することが好ましい。
【0012】
上記のように耐熱鋳鋼ブロック16は高温強度面において非常に優れた性能を示すが、比重が耐火レンガよりもはるかに大きく、重いものである。そこで図3に示すように耐熱鋳鋼ブロック16の両側面を抉って空洞部17を形成し、軽量化を図ることが好ましい。
【0013】
また耐熱鋳鋼ブロック16は、熱膨張率が耐火レンガの2倍ほどもある。そこで図2に示すように耐熱鋳鋼ブロック16の外周側に、熱膨張を吸収できるバルク状の耐熱繊維材18を数十mmの厚さに充填した。これにより耐熱鋳鋼ブロック16の前後方向(径方向)の熱膨張を吸収する。また隣接する耐熱鋳鋼ブロック16、16間には、ペーパー状の耐熱繊維材19を充填して周方向の熱膨張を吸収する。
【0014】
なお、図2に示すように耐熱鋳鋼ブロック16の上面には耐火レンガ20を配置し、炉缶体10を構成する耐火物の重量がこの耐火レンガ20を介して耐熱鋳鋼ブロック16に作用するようにしてある。耐火レンガ20の上下両面には耐火性の目地21が充填されている。
【0015】
このほか、耐熱鋳鋼ブロック16は下部に突出部22を備えており、図2のように金属フランジ15の内周面を保護している。またこの突出部22は炉底ダンパー23との当接部としての機能をも発揮するものである。
【0016】
このように構成された本発明の縦型円筒焼却炉は、放射性雑固体廃棄物の焼却等に用いられるものであって、炉底ダンパー23を閉じた状態で廃棄物を炉内に投入し、熱風供給孔12から熱風を供給するとともに、燃焼空気供給用ノズル13から燃焼空気を供給して燃焼させる。そして焼却灰は炉底ダンパー23を開いて炉底開口部14から下方に排出することは従来と同様である。
【0017】
このため、炉底ダンパー23の開閉時に炉底開口部14に機械的な振動が加わるとともに、炉底ダンパー23を開いた際に炉底開口部14は外気により急冷されて熱衝撃を受けることとなる。しかし本発明の縦型円筒焼却炉では、上記したように高温強度、耐熱衝撃性および耐硫化腐食性に優れる耐熱鋳鋼ブロックを環状配置して炉底開口部14を形成したので、長期間にわたり使用しても損傷を生じない。従って炉底開口部を耐火レンガ製としていた従来のもののように、炉底開口部の補修は不要となり、それに伴う長期間にわたる炉停止を招くこともない。
【0018】
具体的には、ある原子力施設に設置された放射性雑固体廃棄物の焼却炉に本発明を適用したところ、既に7年間を経過し、その間の実使用時間は25000時間に達したが、炉底開口部には全く異常が認められず、現在もなお操業継続中である。これに対して従来の構造の炉では、操業開始後4年毎に炉底開口部の補修を要していた。
【0019】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の縦型円筒焼却炉は、長期間にわたり炉底ダンパーの開閉に伴う機械的振動や熱衝撃を受けても、炉底開口部に損傷を生ずることがなく、従来のような長期間にわたる炉停止をなくすることができる。しかも炉缶体を構成する耐火レンガと耐熱鋳鋼ブロックとの熱膨張差は、隣接する耐熱鋳鋼ブロック間および耐熱鋳鋼ブロックの外周側に充填された耐熱繊維材により吸収させることができる。なお、本発明は放射性廃棄物の焼却炉以外にも、各種の焼却炉に適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の縦型円筒焼却炉の全体図である。
【図2】炉底開口部の拡大断面図である。
【図3】耐熱鋳鋼ブロックの斜視図である。
【図4】炉底開口部を下方から見た斜視図である。
【図5】従来の炉底開口部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 従来技術における炉底開口部を構成する耐火レンガ、2 炉底ダンパー、3 熱風供給口、4 炉缶体を構成する耐火物、10 本発明の炉缶体、11 廃棄物投入孔、12 熱風供給孔、13 燃焼空気供給用ノズル、14 は炉底開口部、23 炉底ダンパー、15 金属フランジ、16 耐熱鋳鋼ブロック、17 空洞部、18 バルク状の耐熱繊維材、19 ペーパー状の耐熱繊維材、20 耐火レンガ、21 耐火性の目地、22 突出部、23 炉底ダンパー
Claims (4)
- 炉缶体の最下部に設けられた金属フランジ上に、多数のくさび型の耐熱鋳鋼ブロックをフランジ内周より内側に張り出すように環状配置し、炉底開口部を形成したことを特徴とする縦型円筒焼却炉。
- 隣接する耐熱鋳鋼ブロック間および耐熱鋳鋼ブロックの外周側に、熱膨張を吸収できる耐熱繊維材を充填した請求項1記載の縦型円筒焼却炉。
- 耐熱鋳鋼ブロックの上面に耐火レンガを配置して、炉缶体を構成する耐火物の重量を支持させた請求項1記載の縦型円筒焼却炉。
- 耐熱鋳鋼ブロックがオーステナイト−フェライト2相系の耐熱鋳鋼からなるものである請求項1記載の縦型円筒焼却炉。
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