JP3758888B2 - ブレーキ液圧制御装置用モータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用アンチロックブレーキ装置のブレーキ液圧制御装置に設けられたプランジャポンプを作動させるブレーキ液圧制御装置用モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、走行車両には、制動時に車輪がロックして路面に対してスリップしたり、ハンドルの操作性能が失われないように、制動により車輪がロックしないように制動トルクを制御する車両用アンチロックブレーキ装置(以下「車両用ABS装置」という)が装備されている場合が多い。
【0003】
車両用ABS装置には、ブレーキペダルの踏み込みに応じた制動液圧を出力するタンデム型のマスタシリンダと各車輪に設けられた車輪ブレーキとの間に介設されたブレーキ液圧制御装置が設けられている。
このブレーキ液圧制御装置の構成について説明すると、ブレーキ液圧制御装置10は図8に示すように大きく分けて2つの機構ブロックから構成される。
【0004】
その一つは、各車輪ブレーキに個別に対応した4つの常開型電磁弁、各常開型電磁弁にそれぞれ並列に接続された4つのチェック弁、各車輪ブレーキに個別に対応した4つの常閉型電磁弁、左前輪用車輪ブレーキおよび右後輪用車輪ブレーキ側ならびに右前輪用車輪ブレーキおよび左後輪用車輪ブレーキ側にそれぞれ個別に対応した一対のリザーバ、両リザーバに接続される一対の往復動型プランジャポンプおよびこれらを連通させる複数の液圧路等が内蔵されており、外形がブロック状に形成された金属製の基体12である。
もう一つは、この基体12の壁面に固着され、出力軸が基体12内に進入して一対のプランジャポンプを駆動するブレーキ液圧制御装置用モータ(以下、単にモータとも言う)14である。
【0005】
次に、モータ14の構造と併せて、モータ14が取り付けられる基体12の壁面(モータ取付面)の構造について図9〜図12を用いて詳細に説明する。
まず、モータ14の構造について説明する。
モータハウジング16は、有底の円筒体に形成され、底面の中央に第1軸受18が配置されている。また、モータハウジング16の内周面には周方向に沿って永久磁石20が取り付けられている。
このモータハウジング16の開口部には、開口部を覆ってブラケット22が取り付けられている。このブラケット22の中央には外方に向けて突出された円筒状の軸受保持部24が形成されており、この軸受保持部24に第2軸受26が収容され、配置されている。
【0006】
回転子28は、回転軸30の外周面に電機子32と整流子34が軸線L方向に沿って配置されて構成される。そして、モータハウジング16とブラケット22との間で形成される空間部B内に、回転軸30の電機子32側の端部側が第1軸受18に、また整流子34側の端部側が第2軸受26にそれぞれ回転自在に支持されて配置される。
また、回転軸30の整流子34側の先端部は出力軸としてブラケット22から突出しており、一部に回転軸30の軸線Lに対して偏心した偏心軸部30aが形成されている。この偏心軸部30aは回転子28が回転した際にはカムとして作用する。また、この偏心軸部30aよりさらに先端側は回転軸32の軸線Lと同軸に形成されている。
そして、モータ14が基体12に取り付けられた際には、回転軸30のブラケット22から突出する一端側は基体12内部に進入して、偏心軸部30aが一対のプランジャポンプを駆動し、偏心軸部30aよりもさらに先端側は基体12の内部に配置された第3軸受36によって回転自在に支持される。
【0007】
ブラシホルダ38は合成樹脂材料等の絶縁材料を用いて、中心に整流子34が挿通される挿通穴40を有する円板部42と、円板部42の外縁に形成された筒状部44と、円板部42の電機子32側の壁面に形成されたブラシ収容部46とから構成されている。ブラシ収容部46は両端が円板部42の径方向に沿った両端面が開口するボックス状に形成され、挿通穴40を中心として放射状に配置されている。ブラシ収容部46は、本例では図11に示すように挿通穴40を中心として等角度(90度)間隔で配置されている。なお、ブラシ収容部46の電機子32側の壁面には、ブラシ収容部46の長手方向に沿った長溝48が形成されている。
そしてブラシホルダ38は、その円板部42がモータハウジング16の開口部を覆うようにモータハウジング16の開口部に取り付けられ、モータハウジング16の開口部内面とブラケット22の内面外縁部分とによって筒状部44が挟持されることによってモータハウジング16とブラケット22との間で固定される。
【0008】
ブラシ50は、このブラシ収容部46内に装着されることによって、挿通穴40を中心として放射状に配置されて、挿通穴40に挿通される整流子34に対して進退動可能となる。また各ブラシ50は、ブラシ50の外縁側端面とブラシホルダ38の筒状部44内面との間に配置されたバネ(一例としてコイルバネ)52によって、内縁側端面が整流子34の表面と常時接触するよう整流子34方向へ付勢されている。
【0009】
給電部54は、モータ14の外部から、ブラシ50へ電力を供給するためのものである。ブラシ50に供給された電力は、整流子34を介して電機子32に伝達される。
この給電部54は、ブラシホルダ38の円板部42からブラケット22方向へほぼ垂直に起立する柱状ガイド部材56と、導電性材料で形成された配線部材58とから構成される。
【0010】
詳細には、柱状ガイド部材56は絶縁性樹脂材料を用いてブラシホルダ38と一体成形されて形成されている。
また、配線部材58は、柱状ガイド部材56の両側面に一対装着されて保持され、一方の先端(図10中の左端)がブラケット22、およびブラシホルダ38の円板部42を貫通して空間部B内に侵入する導電性金属材料からなる給電端子60と、空間部B内に侵入した給電端子60の先端と各ブラシ50とを電気的に接続する可撓性を有する線材(本例ではブラシ50の数に対応して4本)62とから構成される。
この空間部B内にある配線部材58、すなわち線材62の引回しは、図10や図11に示すようにブラシ収容部46の電機子32側の壁面に形成され、電機子32側に開口する長溝48を通して線材62をブラシ50に接続する構造であるため、ブラシホルダ38の円板部42と電機子32のブラケット22側の端面との間の空間部分で行われている。
【0011】
そして、ブラシ50はその内縁側端面が上述したように整流子34の表面と常時接触するようにバネ52により付勢されているため、当該端面から少しずつ磨耗し、全長が順次短くなっていく。これにより、線材62のブラシ50との接続端部も次第に長溝48に沿って整流子34側に移動することから、ブラシ50に接続される線材62は次第に弛む。そして、特に給電端子60から遠いブラシ(図11中の上側の2つのブラシ)50に接続される線長の長い線材62は、その弛み量も多いために弛んだ線材62が回転する回転子28の電機子32に接触するのを防止すべく、線材62の中途部分はブラシホルダ38に設けられた挟持片64の弾性力で挟持する構成としている。
以上がモータ14の構成である。
【0012】
そして、基体12のモータ14を取り付ける壁面(モータ取付面とも言う)12aには、ブラケット22から突出する軸受保持部24が嵌まり込むことによって、基体12に対するモータ14の位置決めを行う凹状の位置決め部66が形成されている。また、この位置決め部66の底面にはカム室68が形成されている。また、給電部54の柱状ガイド部材56が挿入される挿入穴70も形成されている。
以上の構成により、モータ14は、その回転軸30の一端側をカム室68に挿通し、かつブラケット22の軸受保持部24を位置決め部66内に嵌め込み、給電部54の柱状ガイド部材56を挿入穴70に挿入し、ブラケット22の表面をモータ取付面12aに密着させた状態で基体12に取り付けられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の車両の設計は、小型化、軽量化が図られていることから、車両用ABS装置についても同様の設計思想が求められ、特にスペース的に余裕の少ないエンジンルームに配置されるブレーキ液圧制御装置の小型化を図るために、ブレーキ液圧制御装置を構成するブレーキ液圧制御装置用モータの回転軸の軸線方向に沿った長さを短くしたいという要望がある。
そして、この要望を実現する一つの手段として、ブラシホルダ38が介装されるブラケット22の内面と電機子32のブラケット22側の端面との間の距離A1 を短くすることが考えられる。
【0014】
しかしながら、従来のモータ14の構造では、ブラシホルダ38と電機子32のブラケット22側の端面との間、詳細にはブラシホルダ38の円板部42の電機子32側の壁面と電機子32のブラケット22側の端面との間には、ブラシ50へ電力を供給する線材62が配置されている。そしてこの線材62は図11に示すように各ブラシ収容部46を跨ぐようにしてその端部が各ブラシ収容部46に設けられた長溝48内に侵入する構造のため、線材62が電機子32のブラケット22側の端面に最も近い位置にある。
しかも、線材62はブラシ50が中央に向けて移動した際には弛んでさらに電機子32側に移動する可能性や、また線材62の組付けのバラツキ等の可能性も十分に考慮した上で、線材62が電機子32のブラケット22側の端面と決して接触しないように、ブラシホルダ38と電機子32のブラケット22側の端面との間には十分なクリアランスを確保する必要がある。つまり、ブラシホルダ38の壁面と電機子32のブラケット22側の端面との間の距離(図10や12中のA2 )が長くなる。
従って、ブラケット22の内面と電機子32のブラケット22側の端面との間の距離A1 も余裕を持った長さに設定せざるを得ない状況となって、極限まで距離A1 を詰めることができず、モータ14の軸線方向に沿った長さを短くできないという課題がある。
【0015】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、ブラシホルダと電機子のブラケット側の端面との間のクリアランスをできるだけ少なくして、回転軸の軸線方向に沿った長さを短くできるブレーキ液圧制御装置用モータを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明のうち請求項1記載の発明は、有底の円筒体に形成され、底面の中央に第1軸受が配置されたモータハウジングと、該モータハウジングの開口部に、該開口部を覆って取り付けられると共に、中央に第2軸受が配置されたブラケットと、回転軸の外周面に電機子と整流子が配置されて構成され、前記モータハウジングと前記ブラケットとの間で形成される空間部内に、回転軸の前記電機子側の端部側が前記第1軸受に、前記整流子側の端部側が前記第2軸受にそれぞれ回転自在に支持されて配置された回転子と、中心に前記整流子が挿通される挿通穴を有する円板状に形成され、前記ブラケットと前記電機子との間に位置して前記モータハウジングに取り付けられると共に、整流子を中心として放射状に配置されたブラシを整流子に対して進退動自在に保持するブラシ収容部が壁面に形成されたブラシホルダと、外部から前記ブラシへ電力を供給する配線部材とを具備するブレーキ液圧制御装置用モータにおいて、前記ブラケットは第2軸受を収容保持する軸受保持部に、ブラケットの中央から外縁部に向かってモータハウジングの開口部内面に沿うように筒状に折り曲げられた筒部を有し、該筒部の長さ分によって形成されるリング状の空間部にて配線部材の引回しが行なわれることを特徴とする。
【0017】
このようにブラケットの中央から外縁部に向かってモータハウジングの開口部内面に沿うように筒状に折り曲げられた筒部の長さ分によって形成されるリング状の空間部にて配線部材の引回しが行なわれることにより、配線部材と電機子とが干渉するということが無くなる。よって、ブラシホルダと電機子のブラケット側の端面との間に必要以上のクリアランスを設ける必要がなくなり、原理的にはブラシホルダと電機子のブラケット側の端面とが機械的に接触しない極限まで、ブラケットの内面と電機子のブラケット側の端面との間の距離を短くできる。よって、従来のモータに比べて軸線方向の長さも短くできる。
【0018】
また、前記円板部にはブラケット側に開口する長溝が形成され、該長溝を通じて配線部材がブラシと電気的に接続されていることを特徴とする。
また、前記ブラシ収容部は、前記ブラシホルダとブラケットとの間に配置されていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる好適な実施の態様を添付図面と共に詳細に説明する。
まず、車両用ABS装置の概略構成について、図7を参照して説明する。
各車輪には、左前輪用車輪ブレーキBFL、右後輪用車輪ブレーキBRR、右前輪用車輪ブレーキBFR、左後輪用車輪ブレーキBRLが配置されている。
また、一対のM/Cはタンデム型マスタシリンダを構成し、図示しないブレーキペダルの踏み込みに応じた制動液圧を出力する。
ブレーキ液圧制御装置10は、上述した4つのブレーキBFL,BRR,BFR,BRLとタンデム型マスタシリンダとの間に介設される。
【0020】
さらにブレーキ液圧制御装置10の構成について詳細に説明する。
ブレーキ液圧制御装置10は、左前輪用車輪ブレーキBFL、右後輪用車輪ブレーキBRR、右前輪用車輪ブレーキBFRおよび左後輪用車輪ブレーキBRLに個別に対応した4つの弁手段としての常開型電磁弁VOFL ,VORR ,VOFR ,VORL と、各常開型電磁弁VOFL 〜VORL にそれぞれ並列に接続され、ブレーキマスタシリンダM/Cへの入力を解除した際に開弁して、対応する車輪ブレーキBFL〜BRLから該マスタシリンダM/Cへブレーキ液を戻す4つのチェック弁COFL ,CORR ,COFR ,CORL と、各車輪ブレーキBFL〜BRLに個別に対応した4つの常閉型電磁弁VCFL ,VCRR ,VCFR ,VCRL と、左前輪用車輪ブレーキBFLおよび右後輪用車輪ブレーキBRR側ならびに右前輪用車輪ブレーキBFRおよび左後輪用車輪ブレーキBRL側にそれぞれ個別に対応した一対のリザーバRa, Rbと、両リザーバRa, Rbに接続される一対の往復動型プランジャポンプPa, Pbと、これらを連通させる複数の液圧路とを備え、これらは従来例でも説明したように、外形がブロック状に形成された一つの金属製の基体12内に収容されている。
【0021】
また、ブレーキ液圧制御装置10は、両プランジャポンプPa, Pbに共通な単一のブレーキ液圧制御装置用モータ(以下、単にモータ)14を有し、このモータ14は、この基体12のモータ取付面12aに取り付けられ、回転軸(出力軸)30が基体12内に進入して一対のプランジャポンプPa, Pbを駆動する。
また、各常開型電磁弁VOFL 〜VORL および各常閉型電磁弁VCFL 〜VCRL の消磁・励磁を切り換え制御する電子制御ユニット72も有し、この電子制御ユニット72も基体12に取り付けられる(図示せず)。
また、電子制御ユニット72は、各車輪に設けられた車輪速度センサ(図示せず)などから車両の走行状態が入力されるようになっている。電子制御ユニット72は、各々の車輪ブレーキBFL〜BRL毎に車両の走行状態に応じて、各々の常開型電磁弁VOFL 〜VORL の内、該当車輪に対応するいずれかを消磁・開弁し、各々の常閉型電磁弁VCFL 〜VCRL の内、該当車輪に対応するいずれかを消磁・閉弁してブレーキマスタシリンダM/Cからホイールシリンダ(図示せず)に加わる液圧を増圧させて制動トルクを増加させる増圧モード、各々の常開型電磁弁VOFL 〜VORL の内、該当車輪に対応するいずれかを励磁・閉弁し、各々の常閉型電磁弁VCFL 〜VCRL の内、該当車輪に対応するいずれかを消磁・閉弁してブレーキマスタシリンダM/Cからホイールシリンダ(図示せず)に液圧を伝わらないようにして制動トルクを保持する保持モード、各々の常開型電磁弁VOFL 〜VORL の内、該当車輪に対応するいずれかを励磁・閉弁し、各々の常閉型電磁弁VCFL 〜VCRL の内、該当車輪に対応するいずれかを励磁・開弁してホイールシリンダ(図示せず)からリザーバRa,Rbにブレーキ液を一時的に貯留することで、車輪がロック状態にならないように制動トルクを減少させる減圧モードのいずれかの指令により制御している。
これらのうち、減圧モードに移行した際に、電子制御ユニット72はモータ14を駆動させて、ポンプPa,Pbを駆動させてリザーバRa,Rbに一時貯留したブレーキ液をブレーキマスタシリンダM/C側に戻すようになっている。
【0022】
(第1の実施の形態)
次に、モータ14の構造について図1〜図3を用いて詳細に説明する。なお、従来例で説明したモータ14と基本構成については同じであるから、同じ構成については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
モータ14は、モータハウジング16と、その底面に配置された第1軸受18と、モータハウジング16の内周面に取り付けられた永久磁石20と、モータハウジング16の開口部に取り付けられたブラケット22と、このブラケット22の中央に形成された軸受保持部24に配置された第2軸受26と、モータハウジング16とブラケット22との間の空間部B内に、回転軸30の電機子32側の端部側が第1軸受18に、また整流子34側の端部側が第2軸受26にそれぞれ回転自在に支持されて配置された回転子28と、ブラシホルダ74と、ブラシホルダ74の円板部42に形成されたブラシ収容部46に保持されたブラシ50と、給電部54とを有する。
【0023】
続いて、そして本実施の形態の特徴部分であるブラシホルダ74の構造について詳細に説明する。
ブラシホルダ74は、従来例で説明したブラシホルダ38と同様に合成樹脂材料等の絶縁材料を用いて形成され、中心に整流子34が挿通される挿通穴40を有する円板部42と、円板部42の外縁に形成された筒状部44と、円板部42の電機子32側の壁面に形成されたブラシ収容部46とから構成されている。
以上の基本的な構成は従来のブラシホルダ38と同様であるが、線材62をブラシ収容部46内に保持されたブラシ50と電気的に接続するための長溝48が、円板部42のブラシ収容部46に対応する位置に形成され、長溝48はブラケット22側に開口する構造となっている点で相違する。従来のブラシホルダ38では長溝48はブラシ収容部46の電機子32側の壁面に形成され、電機子32側に開口するように形成されていた。
【0024】
そして、空間部B内に侵入した給電端子60の先端と各ブラシ50とを電気的に接続する線材62の引回しは、ブラシホルダ74の円板部42とブラケット22との間の空間部分で行われ、線材62のブラシ50側の端部は円板部42に形成された長溝48を通してブラシ50と接続される。
従って、ブラシ50の磨耗に伴って線材62が弛んでも、線材62の電機子32側への移動はブラシホルダ74の円板部42によって阻止されて配線材62が電機子32と干渉するということが全く無くなる。よって、筒状部44を除いて最も電機子32に接近しているブラシホルダ74の部位(ブラシ収容部46)と電機子32のブラケット22側の端面との間の距離A2 を、双方が機械的に接触しない極限まで短くできる。よって、従来のモータに比べてモータ14の軸線L方向の全長を短くできる。
【0025】
(第2の実施の形態)
次に、モータ14の他の実施の形態について図4〜図6を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と基本構成は同じであり、同様の構成については同じ符号を付して説明は省略し、相違するブラシホルダの構成についてのみ説明する。ブラシホルダ76は、従来例で説明したブラシホルダ74と同様に合成樹脂材料等の絶縁材料を用いて形成され、中心に整流子34が挿通される挿通穴40を有する円板部42と、円板部42の外縁に形成された筒状部44と、円板部42のブラケット22側の壁面に形成されたブラシ収容部46とから構成されている。そして、このブラシ収容部46のブラケット22側の壁面に長溝48が形成されて、長溝48はブラケット22側に開口する構成となっている。従来のブラシホルダ74や上述した実施の形態のブラシホルダ74と比較して、ブラシ収容部46をブラシホルダ76の円板部42のブラケット22側の壁面に形成することによって、ブラシ収容部46自体をブラシホルダ76の円板部42とブラケット22との間に配置した構成が特徴点である。
【0026】
そして、空間部B内に侵入した給電端子60の先端と各ブラシ50とを電気的に接続する線材62の引回しは、ブラシホルダ76の円板部42とブラケット22との間の空間部分で行われ、線材62のブラシ50側の端部はブラシ収容部46に形成された長溝48に侵入してブラシ50と接続される。
従って、ブラシ50の磨耗に伴って線材62が弛んでも、線材62の電機子32側への移動はブラシホルダ76の円板部42によって阻止されて線材62が電機子32と干渉するということが全く無くなる。よって、上述した実施の形態と同様に、最も電機子32に接近しているブラシホルダ76の部位(円板部42)と電機子32のブラケット22側の端面との間の距離A2 を、双方が機械的に接触しない極限まで短くできる。よって、モータ14の軸線L方向の全長をより短くすることができる。
【0027】
また、本発明のように線材62の引回しを、ブラシホルダ76の円板部42とブラケット22との間の空間部分で行う場合には、当該空間部分の厚み、つまりブラシホルダ76の円板部42とブラケット22との間の距離が線材62を引き回すことができる程度に広いものである必要がある。
特に、線材62のブラシ50との接続部分はブラシ50の磨耗によって長溝48に沿って回転軸30方向へ移動するため、この線材62のブラシ50との接続部分がブラケット22の内面と干渉しないようにする必要がある。
【0028】
従って、図1や図4に示すように、第2軸受26を収容保持する軸受保持部24の構造を、ブラケット22の中央からモータハウジング16の内方に向けて一体に筒状に突出する外筒部24aと、この外筒部24aのモータハウジング16内側端部から外筒部24aの内側に向けて外筒部24aに密着する筒状に折り返されて形成された内筒部24bとで構成する。内筒部24bの外側端部(図1や図4中の右端部)の周縁部分は軸線方向に向けてリング状に折り返されている。そして、ブラケット22の、軸受保持部24と外縁部分(モータハウジング16の開口部内面に沿うように筒状に折り曲げられた部分)との間の領域を略フラットに形成する。
【0029】
これにより、ブラケット22とブラシホルダ74との間には、外筒部24aの長さ分の厚みのリング状の空間部が形成されるから、線材62の引回しが十分に可能となる。また、軸受保持部24に配置される第2軸受26のブラケット22からの突出長が少なくなる分だけ、さらにモータ14の軸線L方向の全長をより短くすることができるという効果も生ずる。
【0030】
なお、モータ14の基体12への取付構造は従来例と同じであり、説明は省略する。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、モータ内部の空間部内にある配線部材を、ブラシホルダとブラケットとの間に配置してしまうことにより、配線部材と電機子とが干渉するということが無くなる。よって、ブラシホルダと電機子のブラケット側の端面との間に必要以上のクリアランスを設ける必要がなくなり、原理的にはブラシホルダと電機子のブラケット側の端面とが機械的に接触しない極限まで、ブラケットの内面と電機子のブラケット側の端面との間の距離を短くできる。よって、従来のモータに比べて軸線方向の長さが短くできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレーキ液圧制御装置用モータの第1の実施の形態の構成を説明するための側面断面図である。
【図2】図1のモータのブラケットを外した状態での正面図(図1の矢印方向から見た図面)である。
【図3】図1のブラシホルダの構造および線材の引回し状態を説明する説明図である。
【図4】本発明に係るブレーキ液圧制御装置用モータの第2の実施の形態の構成を説明するための側面断面図である。
【図5】図4のモータのブラケットを外した状態での正面図(図4の矢印方向から見た図面)である。
【図6】図4のブラシホルダの構造および線材の引回し状態を説明する説明図である。
【図7】車両用ABS装置の概略構成を示す説明図である。
【図8】ブレーキ液圧制御装置の側面図である。
【図9】図8のブレーキ液圧制御装置用モータの正面図である。
【図10】図8のブレーキ液圧制御装置用モータの内部構成と基体への取り付け構造を説明するための図9のW−W断面図である。
【図11】図10のブレーキ液圧制御装置用モータの線材の引回し状態を説明するためのX−X矢視図である。
【図12】図10のブラシホルダの構造を説明するための説明図である。
【符号の説明】
14 ブレーキ液圧制御装置用モータ
16 モータハウジング
18 第1軸受
22 ブラケット
26 第2軸受
28 回転子
30 回転軸
32 電機子
34 整流子
40 挿通穴
46 ブラシ収容部
50 ブラシ
58 配線部材
62 配線部材の一部を構成する線材
74 ブラシホルダ
B 空間部
Claims (3)
- 有底の円筒体に形成され、底面の中央に第1軸受が配置されたモータハウジングと、
該モータハウジングの開口部に、該開口部を覆って取り付けられると共に、中央に第2軸受が配置されたブラケットと、
回転軸の外周面に電機子と整流子が配置されて構成され、前記モータハウジングと前記ブラケットとの間で形成される空間部内に、回転軸の前記電機子側の端部側が前記第1軸受に、前記整流子側の端部側が前記第2軸受にそれぞれ回転自在に支持されて配置された回転子と、
中心に前記整流子が挿通される挿通穴を有する円板状に形成され、前記ブラケットと前記電機子との間に位置して前記モータハウジングに取り付けられると共に、整流子を中心として放射状に配置されたブラシを整流子に対して進退動自在に保持するブラシ収容部が壁面に形成されたブラシホルダと、
外部から前記ブラシへ電力を供給する配線部材とを具備するブレーキ液圧制御装置用モータにおいて、
前記ブラケットは第2軸受を収容保持する軸受保持部に、ブラケットの中央から外縁部に向かってモータハウジングの開口部内面に沿うように筒状に折り曲げられた筒部を有し、該筒部の長さ分によって形成されるリング状の空間部にて配線部材の引回しが行なわれることを特徴とするブレーキ液圧制御装置用モータ。 - 前記ブラシホルダの円板部にはブラケット側に開口する長溝が形成され、該長溝を通じて配線部材がブラシと電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載のブレーキ液圧制御装置用モータ。
- 前記ブラシ収容部は、前記ブラシホルダとブラケットとの間に配置されていることを特徴とする請求項1記載のブレーキ液圧制御装置用モータ。
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