JP3758504B2 - 液晶表示素子の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクタ、プロジェクションTV等の基幹部品としての液晶表示素子に関し、特に、この液晶表示素子の貼り合わせに係わる液晶表示素子の製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、シリコンウエハ基板とガラス基板を貼り合わせた液晶表示素子は、プロジェクタやプロジェクションTV、ヘッドマウントディスプレイ等への応用が進み、その生産量はますます拡大している。図5に、一般的な液晶表示素子10を示す。液晶表示素子10は、図5に示すように、透明導電膜1を表面に有するガラス基板2と、画素電極(表示エリア)3を表面に有するシリコンIC基板4を相対向させ、その隙間(セルギャップ)を決めるために、接着剤とスペーサ6とよりなるシール接着剤7で固着し、セルギャップに後述する液晶5(図6参照)を注入し、このガラス基板2の表面に反射防止膜8を設けて構成している。なお、9は封止部となる液晶注入口である。
【0003】
ここで、ガラス基板2とシリコンIC基板4を貼り合わせて、液晶5を注入する前の状態の液晶表示素子10(液晶注入セル)を得る方法としては、次のような種々の方法がある。図7〜図10に示す液晶表示素子10は、液晶5を注入する前の状態である液晶注入セルを示している。
【0004】
例えば、特開平6−18829号公報に記載の方法として、図7に示すように、一対の剛体よりなる上定盤11と下定盤12との間に、液晶表示素子10を挿入してプレスする方法(剛体−剛体構成)がある。また、図8に示すように、ステンレス鋼又はセラミック材よりなる上定盤13と、エアバッグよりなる下定盤14との間に、液晶表示素子10を挿入してプレスする方法(剛体−エアバッグ構成)がある。さらに、例えば、特開平6−222318号公報に記載の方法として、図9に示すように、剛体よりなる上定盤15と、エアバック16の上に設けたステンレス鋼やセラミック材等の剛体である下定盤17との間に、液晶表示素子10を挿入してプレスする方法(剛体−剛体/エアバッグ構成)がある。なお、図面中に矢印が表示してある場合、その矢印は、力の作用する方向を示すものとする。
【0005】
さらに、その他の方法として、例えば、特開平11−64866号公報に示す如く、エアバッグを利用した組み合わせ例(一対のエアバッグに剛板や弾性緩衝シートを使用する方法)もある。これらプレス装置でプレスする方法においては、前記したスペーサ6によりセルギャップを確保した後、図示しない紫外線照射や加熱により接着剤を硬化させ、液晶表示素子10のセルを得ている。そしてこの後、前記した液晶5の注入口9より液晶5を注入した後、この注入口9を封止することにより図6の如くの液晶表示素子10を得るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示した如くの方法(剛体−剛体構成)では、装置を構成する2つの定盤(剛体11,12)において、セルギャップを確保するための機械的精度として所定の平行度(±0.3μm)を確保することが困難で、そのため基板へのプレス圧力が不均一となり、セルギャップ形成過程で不良を起こす、すなわち、セルギャップが不均一となるという問題点があった。従って、図7に示した特開平6−18829号公報の構成では、セルギャップを測定しながら加圧へのフィードバックをかけるという方法をとっているが、かかる方法では装置が大型化すること、非常に精巧な押し圧制御が必要なものであるため、液晶表示素子10の作成に時間がかかりすぎるといった問題点もあった。
【0007】
また、図8に示す如くの方法(剛体−エアバッグ構成)では、シリコンIC基板4の下地がエアバッグ14であるため、このエアバッグ14に張力の不均一が起こり、やはりプレス時の圧力不均一が生じる。すなわち、この図8の方法によっても、依然としてセルギャップが不均一となるという問題点がある。
【0008】
さらに、図9に示す如くの方法(剛体−剛体/エアバッグ構成)では、プレス時の圧力均一性は良好であるが、下地がエアバッグ16であるため、ガラス基板2とシリコンIC基板4間で横ずれを起こすことがあり、このことによって貼り合わせ精度が出ず、また横ずれによるスリップキズを起こすといった問題点を有している。すなわち、この図9の方法によっても、依然としてセルギャップが不均一となるという問題点があった。
【0009】
さらにまた、この改善策として、図10に示すように、ステンレス鋼やセラミック材よりなる上定盤18とで、上定盤18と同一材料であるステンレス鋼やセラミック材よりなる下定盤19との間に、液晶表示素子10を挿入してプレスする方法(剛体−剛体/弾性体(ゴム)構成)もある。この図10の方法では、下定盤19を弾性体20により支持する構成を採用している。図10に示す如くの方法(剛体−剛体/弾性体(ゴム)構成)においては、圧力の均一性は保たれるものであるが、下定盤を構成する剛体(ステンレス鋼やセラミック材)19の下地がゴム等の弾性体20であるため、前記した如くの横ずれを避けることが難しい。
【0010】
すなわち、この図10の方法によっても、依然としてセルギャップが不均一となるという問題点がある。そしてこのセルギャップの不均一は、これによって得られた液晶表示素子10をプロジェクタやプロジェクションTVに応用する際、投射画面上の明暗の不均一(シェーディング)や3色合成した際の色ムラの原因となるものである。
【0011】
また、前記した如くのプレス装置でプレスする方法によれば、プレス成型される際に、剛体である上定盤11,13,15,18と、例えばガラス基板2との間に外部からの異物(大きさとしては、5μm〜100μm程度)が混入すると(この点は避けることが難しい)、局所的、すなわち、異物周辺にセルギャップの不均一が起こるという問題点をも有していた。セルギャップの均一性は、ヘリウムネオンレーザ光の干渉を利用した場合のフリンジ(縞)で、基板面内で同心円状に2本(1本は0.3μm)未満、好ましくは、1本以内になるのが望ましい。なぜならば、この程度であれば後工程の液晶注入及び封止工程で修正が可能であるからである。
【0012】
しかしながら、これ以上のフリンジ本数または同心円状でない場合、さらには局所的なフリンジ形状の乱れ(局所的なセルギャップ不均一)がある場合は、後工程での修正が困難となり、製造の歩留り低下の要因となるものである。そこで両基板(ガラス基板2とシリコンIC基板4)がプレスされる際、そこに圧力が均一にかかり、かつ、横ずれの生じない構成が必要となるのである。
【0013】
以上の如くの問題点を考察していくと、例えば、ガラス基板と剛体である上定盤との間に異物の大きさ分の逃げがあれば局所的に力がかかることはなく、局所的なセルギャップの不均一は起こりにくいのではないのかという知見が生まれることになる。そこで、本発明者等は鋭意検討した結果、基板表面の反りやうねり及び両定盤の合わせ精度に大きく依存せず、両基板がプレスされる際に均一に圧力がかかり、両基板間で横ずれがなく基板表面が平行状態に補正され、セルギャップを均一にして貼り合わせることが可能な液晶表示素子の製造装置を案出したもので、本発明は、かかる液晶表示素子の製造装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
また、本発明は、例えば定盤とガラス基板との間に異物が混入することによって生じる局所的なセルギャップ不均一を解消して、高い歩留りを達成する液晶表示素子の製造方法を併せて提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたものであり、次の構成を提供する。
(a)少なくとも2枚のガラス基板が所定間隔をもって貼り合わされてなる素子基板(10)をプレス成型するための液晶表示素子の製造装置において、前記素子基板の1つのガラス基板を下面側に保持する上定盤(31)と、前記素子基板の他の1つのガラス基板を上面側に保持する下定盤(34)と、前記下定盤を支持する支持機構(35,36,37)と、前記支持機構を移動させる移動機構(39,40)とを具備し、前記支持機構は、少なくとも前記下定盤の下面側に当接する当接機構(36a)、弾性機構(35)及びこれら当接機構、弾性機構を支持する剛体(37)とより構成してなり、前記移動機構の移動による前記素子基板のプレス成型時、前記素子基板は、前記当接機構により前記下定盤の傾き方向に自由度を有する力を受けるも前記弾性機構によりその力が吸収され、前記少なくとも2枚のガラス基板が実質的に互いに平行状態に補正されるよう構成したことを特徴とする液晶表示素子の製造装置(30)。
【0016】
(b)ガラス基板(2)とシリコンIC基板(4)とが所定間隔をもって貼り合わされてなる液晶表示素子(10)をプレス成型するための液晶表示素子の製造装置において、前記ガラス基板を下面側に保持する上定盤(31)と、前記シリコンIC基板を上面側に保持する下定盤(34)と、前記下定盤を支持する支持機構(35,36,37)と、前記支持機構を移動させる移動機構(39,40)とを具備し、前記支持機構は、少なくとも前記下定盤の下面側に当接する当接機構(36a)、弾性機構(35)及びこれら当接機構、弾性機構を支持する剛体(37)とより構成してなり、前記移動機構の移動による前記液晶表示素子のプレス成型時、前記シリコンIC基板は、前記当接機構により前記下定盤の傾き方向に自由度を有する力を受けるも前記弾性機構によりその力が吸収され、前記シリコンIC基板が前記ガラス基板に対して実質的に平行状態に補正されるよう構成したことを特徴とする液晶表示素子の製造装置(30)。
【0017】
(c)上記(a),(b)の構成において、前記上定盤の下面側に一体的に突部(32,33)を形成し、前記移動機構の移動による成型時、この突部のみが前記ガラス基板に当接するよう構成したことを特徴とする液晶表示素子の製造装置(30)。
【0018】
(d)ガラス基板(2)とシリコンIC基板(4)とが所定間隔をもって貼り合わされてなる液晶表示素子(10)をプレス成型するための液晶表示素子の製造方法において、表面に透明導電膜(1)を有する前記ガラス基板を上定盤(31)の下面側に取付け、予めシール接着剤(7)を塗布した前記シリコンIC基板を下定盤(34)の上面側に取付け、前記下定盤をエアシリンダ(40)により上昇させ、前記シリコンIC基板が前記ガラス基板に接触する前段階で前記シリコンIC基板の角度を角度調整手段(39)により調整し、しかる後、前記エアシリンダを再度上昇させて前記下定盤に所定の押圧力を付与して、前記シリコンIC基板に前記下定盤の傾き方向に自由度を有する力を与え、かつ、前記力を弾性機構(35)により吸収させることにより、前記シリコンIC基板を前記ガラス基板に対して実質的に平行状態に補正し、次に、前記シール接着剤に紫外線を照射して前記シール接着剤を硬化させ、前記ガラス基板と前記シリコンIC基板とを固着することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施例を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施例は本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0020】
図1は、本実施例に係る液晶表示素子の製造装置を示す全体図、図2は本実施例になる液晶表示素子の製造装置の要部概略図、図3は、同、液晶表示素子の製造装置を構成する上定盤の要部説明図、図4は、同、液晶表示素子の製造装置を構成する上定盤の他の要部説明図である。なお、前記した従来例と同一部分は同一符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0021】
図1は、液晶表示素子の製造装置30の好ましい一実施例を示す全体図である。図1〜図4において、31は、例えば、合成石英ガラスよりなる上定盤、32は、この上定盤31に一体的に形成した枠部、33は、この枠部の内側に形成した中央突部である。なお、この枠部32、中央突部33の作用等については、後に詳述する。図2においては、枠部32の図示を省略している。
【0022】
剛体である上定盤31としては、例えば前記した合成石英ガラスの他に、溶融石英ガラス、パイレックスガラス(ショット社登録商標)、テンパックスガラス(ショット社登録商標)等の、365nm付近の紫外線領域の光を透過しやすい材質が望ましい。
【0023】
34は、下定盤を構成する例えばセラミック材であり、ジルコニア(ZrO2)が好適である。35は、略中央部に透孔38が設けられ、前記した下定盤34を支持する弾性体(ゴム)であり、例えば低弾性ラバーが好適である。36は、剛体37の略中央部に立設され、前記した弾性体35の透孔38内を貫通して下定盤34の一側に当接しているセンターピンであり、先端部36aを略円弧状に形成してある。なお、前記した剛体37及びセンターピン36は、例えば、ステンレス等の金属材料やセラミック材料等を用いることができる。
【0024】
39は、前記した下定盤34の下部に設けられ、基板貼り合わせ時に角度を事前に調整するべく、内部に図示しないゴニオメータを有するゴニオステージ、40は、このゴニオステージ39の下部に設けられたエアーシリンダである。
【0025】
ここで、本発明になる液晶表示素子の製造装置30を用いて液晶表示素子10を得る方法について、主として図1、図2、要すれば図5、図6を併せ参照して説明する。
【0026】
具体的実施例として、ガラス基板2に接触する側の上定盤31には、溶融石英ガラスを用い、シリコンIC基板4に接触する側の下定盤34には、ジルコニアを用い、弾性体35としては、低弾性ラバーのハネナイトを用い、剛体37としては、一般に用いられるの鋼材を使用して図示の順に配置し、センターピン36としてはステンレス製ネジの先端を球状に加工したものを用いた。
【0027】
これは、下定盤34側の剛体37としての鋼材とセンターピン36間の固定と、センターピン36の先端部36aと下定盤34としてのセラミック材であるジルコニアとの接触を微調整するためのものである。但し、前記した如くこの形態に限定されるものではない。
【0028】
まず、図5で説明したように、表面に予め必要な反射防止膜8、透明電極膜1を設けた液晶表示素子のガラス基板2であるコーニング社製#1737ガラスを、透明な剛体よりなる上定盤31の下面側に吸着固定させる。次に、液晶表示素子10のシリコンIC基板4上に、表示エリア3外周にヤクシ化成(株)製SW−3.2D1スペーサボール6を混入させた協立科学産業(株)製メインシール接着剤7(WRシリーズ)を塗布した後、このシリコンIC基板4を、下定盤34の上面側に吸着固定させる。
【0029】
この際、センターピン36の先端部36aは、下定盤34の一側(下面側)に当接される。すなわち、両基板がプレス成型される際に、下定盤34の一側がセンターピンの先端部36aで一点荷重を受けるため、下定盤34側のシリコンIC基板4は、下定盤34の傾き方向に自由度を有する力を受けることになる。この力を偏倚力と称することとする。しかしながら、この偏倚力は、前記した如く下定盤34及び弾性体(ゴム)35を構成配置したことにより、実質的には弾性体(ゴム)35により吸収されることになる。従って、後にこのシリコンIC基板4が、エアーシリンダ40により下方向より所定の押圧力が付与された際、圧力がこの基板面に均一にかかることになるので、横ずれが起きるおそれはないものである。すなわち、セルギャップの均一性が保たれる。
【0030】
このため、プレス成型時に、仮に、シリコンIC基板4が傾いていたとしても、シール接着剤7中のスペーサボール6に倣うようにこの両基板がセルギャップの修正を受けつつプレスが進行することになる。このことにより、液晶表示素子10の貼り合わせ工程で所望されるセルギャップの均一性が保たれ、例えば、フリンジ1本という要求に対しても良好な結果を得ることができる。このため、プロジェクタやプロジェクションTVに液晶表示素子10を応用した場合、シェーディング,色ムラの改善に大きく貢献できるものである。さらに、この結果は、後工程の液晶注入及び封止工程でのセルギャップ均一性の修正を容易にするため工程のタクトタイムの短縮に結び付くものである。
【0031】
次に、シリコンIC基板4側の下定盤34をエアーシリンダ40により上昇させ、このシリコンIC基板4がガラス基板2に接触する直前の直近位置において、シリコンIC基板4の角度を、下定盤34の下方に設けたゴニオステージ39内の図示しないゴニオメータにより、ガラス基板2とシリコンIC基板4とが平行になるように調整する。なお、この調整は、同一仕様の基板を使用する場合は、2個目の液晶表示素子の作製からは省くことができる。
【0032】
しかる後、エアーシリンダ40を再度作動させることにより、下定盤34を0.1MPa(0.63kgf)〜0.3MPa(3kgf)の押圧力で加圧させる。なお、この押圧力の範囲外、例えば、0.1MPa(0.63kgf)未満、又は0.3MPa(3kgf)以上の場合は、前記した如く、ヘリウムネオンレーザ光の干渉を利用した場合のフリンジ(縞)で、基板面内で同心円状に2本(1本は0.3μm)未満、好ましくは、1本以内に収まらないことが実験的に証明されている。なお、各種実験を行った結果、好ましい押圧力は、0.25MPa付近の条件であった。
【0033】
次に、両基板2,4の位置合わせを行う。これは、基板外形基準による位置合わせにより行うものである。なお、図示しない基板上の位置合わせマークをCCDで検出して、定盤のXYステージを調整することにより行っても勿論よい。
【0034】
エアーシリンダ40による下定盤34への所定押圧力(0.1MPa(0.63kgf)〜0.3MPa(3kgf))の付与は、両基板2,4の接触開始から約30秒の間保持される。これにより、両基板2,4間に液晶の入っていない空のセルが完成する。
【0035】
さらに、この後約10秒間この保持を続行すると同時に、図示しない365nmの紫外線光を溶融石英ガラスよりなる上定盤31側からシール接着剤7の部分に約3000mJ照射して、このシール接着剤7を硬化固着させる。
【0036】
しかる後、空のセル内に液晶注入口9より液晶5を注入した後、この液晶注入口9を接着剤で封止固着することにより、所要の液晶表示素子10が得られるものである。
【0037】
前記した一連の貼り合わせ条件によるセルギャップの均一性については、作成基板数の90%以上で、均一性を示す指数であるフリンジ本数が1本以下(中央と端部でのセルギャップ差が0.3μm以下に相当)の結果を得た。従って、本実施例によれば、タクトタイムの大幅な短縮化が図れる。
【0038】
ここで、図3、図4を参照して、突部となる枠部32、中央突部33について説明する。図3において、枠部32は、上定盤31の一側に一体的に形成されている。図1に示すように、枠部32の幅(間隔)は、ガラス基板2とシリコンIC基板4とが正規な状態で接着されるよう、シール接着剤7のスペーサ6の間隔と略等しくなるような寸法となっている。また、図4において、中央突部33は、枠部32のさらに中央部分に、例えば、それと同一な厚みで一体的に形成されている。なお、この枠部32の厚みtは、異物の大きさより大なる厚み、例えば、100μm以上に設定しておけば、上定盤31とガラス基板2との間にゴミ等の異物が混入した場合であっても、その異物は、例えば、この枠部32内に収まるので、局所的なセルギャップの不均一さは起こりにくくなるものである。
【0039】
また、前記した枠部32の構成の場合であって、仮に、シリコンIC基板4の反りが大であってガラス基板2の中央部分が凹んでしまうような現象が発生した場合には、図4の如く、枠部32のさらに中央部分に、例えば、それと同一な厚みに形成されている中央突部33が設けられている構成を採用することによって、それを未然に防止することができるものである。なお、この実施例では枠部32をロの字形状等に形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、田の字形状であっても勿論よいものである。
【0040】
このように、上定盤31に一体的に突部(枠部32、中央突部33)を形成し、移動機構(エアーシリンダ40等)の移動による成型時、この突部のみがガラス基板2に当接するよう構成したことにより、仮に、ガラス基板2に異物が付着していたとしても、その異物を上定盤31で直接加圧しないため、異物がつぶれてガラス基板2の表面を汚染することもなく(投射画像では表示品質劣化につながる)、また異物を介してガラス基板2を加圧することもないので、局所的なセルギャップの不均一さを回避することができる。このことにより、液晶表示素子工程での歩留り向上に寄与することができるものである。
【0041】
なお、本実施例にあっては、基板として、ガラス基板2とシリコンIC基板4とを用いた例で説明したが、ガラス基板2のみで素子基板を構成しても勿論よいものである。
【0042】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の製造装置は、素子基板(液晶表示素子)のガラス基板を下面側に保持する上定盤と、素子基板(液晶表示素子)のシリコンIC基板(または他のガラス基板)を上面側に保持する下定盤と、この下定盤を支持する支持機構と、この支持機構を移動させる移動機構とを具備し、支持機構は、少なくとも下定盤の下面側に当接する当接機構、弾性機構及びこれら当接機構、弾性機構を支持する剛体とより構成してなり、移動機構の移動による素子基板(液晶表示素子)のプレス成型時、素子基板(液晶表示素子)は、当接機構により下定盤の傾き方向に自由度を有する力を受けるも弾性機構によりその力が吸収され、ガラス基板とシリコンIC基板(またはガラス基板どうし)が実質的に互いに平行状態に補正されるよう構成した。
このため、プレス成型時に、仮に、両基板が傾いていたとしても、シール接着剤中のスペーサボールに倣うように、この両基板がセルギャップの修正を受けつつプレス成型が進行することになる。このことにより、基板の貼り合わせ工程で所望されるセルギャップの均一性が保たれ、例えば、フリンジ1本という要求に対しても良好な結果を得ることができる。このことは、後工程の液晶注入及び封止工程でのセルギャップの均一性の調整を容易にするため、工程のタクトタイムの短縮化に結び付くものである。そして、本発明により製造した液晶表示素子をプロジェクタやプロジェクションTVに応用した場合、シェーディング,色ムラの改善に大きく貢献できる。
【0043】
また、上定盤の下面側に一体的に突部を形成し、移動機構の移動によるプレス成型時、この突部のみがガラス基板に当接するよう構成したことにより、仮に、ガラス基板に異物が付着していたとしても、その異物を上定盤で直接加圧しないため異物がつぶれてガラス基板表面を汚染することもなく(投射画像では表示品質劣化につながる)、また異物を介してガラス基板を加圧することもないので、局所的なセルギャップの不均一を回避することができる。このことにより、液晶表示素子工程での歩留り向上に寄与することができる。
【0044】
さらに、本発明の製造方法は、表面に透明導電膜を有するガラス基板を上定盤の下面側に取付け、予めシール接着剤を塗布したシリコンIC基板を下定盤の上面側に取付け、下定盤をエアシリンダにより上昇させ、シリコンIC基板がガラス基板に接触する前段階でシリコンIC基板の角度を角度調整手段により調整し、しかる後、エアシリンダを再度上昇させて下定盤に所定の押圧力を付与して、シリコンIC基板に下定盤の傾き方向に自由度を有する力を与え、かつ、その力を弾性機構により吸収させることにより、シリコンIC基板をガラス基板に対して実質的に平行状態に補正し、次に、シール接着剤に紫外線を照射してシール接着剤を硬化させ、ガラス基板とシリコンIC基板とを固着するようにしたので、局所的なセルギャップの不均一を回避することができ、液晶表示素子工程での歩留り向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示素子の製造装置の一実施例を示す全体図である。
【図2】本発明に係る液晶表示素子の製造装置の一実施例を示す要部概略図である。
【図3】本発明に係る液晶表示素子の製造装置を構成する上定盤の要部説明図である。
【図4】本発明に係る液晶表示素子の製造装置を構成する上定盤の他の要部説明図である。
【図5】一般的な液晶表示素子の構成部品を示す分解斜視図である。
【図6】一般的な液晶表示素子の構成説明図である。
【図7】従来の液晶表示素子の製造装置を構成する主要部品の説明図である。
【図8】従来の液晶表示素子の製造装置を構成する他の主要部品の説明図である。
【図9】従来の液晶表示素子の製造装置を構成するさらに他の主要部品の説明図である。
【図10】従来の液晶表示素子の製造装置を構成するさらに他の主要部品の説明図である。
【符号の説明】
1 透明導電膜
2 ガラス基板
3 画素電極(表示エリア)
4 シリコンIC基板
5 液晶
6 スペーサ
7 シール接着剤
8 反射防止膜
9 液晶注入口(封止部)
10 液晶表示素子(素子基板)
12 剛体(下定盤)
11,13,15,18,31 上定盤
12,17,19,34 下定盤
14,16 エアバック
20 弾性体
30 液晶表示素子の製造装置
32 枠部
33 中央突部
35 弾性体(ゴム)
36 センターピン
36a 先端部
37 剛体
38 透孔
39 ゴニオステージ
40 エアーシリンダ
Claims (4)
- 少なくとも2枚のガラス基板が所定間隔をもって貼り合わされてなる素子基板をプレス成型するための液晶表示素子の製造装置において、
前記素子基板の1つのガラス基板を下面側に保持する上定盤と、
前記素子基板の他の1つのガラス基板を上面側に保持する下定盤と、
前記下定盤を支持する支持機構と、
前記支持機構を移動させる移動機構とを具備し、
前記支持機構は、少なくとも前記下定盤の下面側に当接する当接機構、弾性機構及びこれら当接機構、弾性機構を支持する剛体とより構成してなり、
前記移動機構の移動による前記素子基板のプレス成型時、前記素子基板は、前記当接機構により前記下定盤の傾き方向に自由度を有する力を受けるも前記弾性機構によりその力が吸収され、前記少なくとも2枚のガラス基板が実質的に互いに平行状態に補正されるよう構成したことを特徴とする液晶表示素子の製造装置。 - ガラス基板とシリコンIC基板とが所定間隔をもって貼り合わされてなる液晶表示素子をプレス成型するための液晶表示素子の製造装置において、
前記ガラス基板を下面側に保持する上定盤と、
前記シリコンIC基板を上面側に保持する下定盤と、
前記下定盤を支持する支持機構と、
前記支持機構を移動させる移動機構とを具備し、
前記支持機構は、少なくとも前記下定盤の下面側に当接する当接機構、弾性機構及びこれら当接機構、弾性機構を支持する剛体とより構成してなり、
前記移動機構の移動による前記液晶表示素子のプレス成型時、前記シリコンIC基板は、前記当接機構により前記下定盤の傾き方向に自由度を有する力を受けるも前記弾性機構によりその力が吸収され、前記シリコンIC基板が前記ガラス基板に対して実質的に平行状態に補正されるよう構成したことを特徴とする液晶表示素子の製造装置。 - 前記上定盤の下面側に一体的に突部を形成し、
前記移動機構の移動による成型時、この突部のみが前記ガラス基板に当接するよう構成したことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の液晶表示素子の製造装置。 - ガラス基板とシリコンIC基板とが所定間隔をもって貼り合わされてなる液晶表示素子をプレス成型するための液晶表示素子の製造方法において、
表面に透明導電膜を有する前記ガラス基板を上定盤の下面側に取付け、
予めシール接着剤を塗布した前記シリコンIC基板を下定盤の上面側に取付け、
前記下定盤をエアシリンダにより上昇させ、前記シリコンIC基板が前記ガラス基板に接触する前段階で前記シリコンIC基板の角度を角度調整手段により調整し、
しかる後、前記エアシリンダを再度上昇させて前記下定盤に所定の押圧力を付与して、前記シリコンIC基板に前記下定盤の傾き方向に自由度を有する力を与え、かつ、前記力を弾性機構により吸収させることにより、前記シリコンIC基板を前記ガラス基板に対して実質的に平行状態に補正し、
次に、前記シール接着剤に紫外線を照射して前記シール接着剤を硬化させ、前記ガラス基板と前記シリコンIC基板とを固着することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
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