JPH09211471A - 貼り合わせ装置および貼り合わせ方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール皺の発生、基板の反りによるセルギャ
ップ精度の悪化などを解決し、液晶表示パネルの生産効
率の向上、および液晶表示パネルの品質の向上を図った
貼り合わせ装置および貼り合わせ方法を提供する。 【解決手段】 本発明の貼り合わせ装置１１は、液晶表
示パネル１の全面にＵＶ光を照射するＵＶ照射機１２、
液晶表示パネル１のシール部以外をマスキングするマス
クガラス１３、本発明の特徴事項として、例えば透明ガ
ラスで構成された透明基準プレート１４、Ｘ、Ｙ、θ方
向に微調整を行うＸＹθテーブル８および減圧機９など
で構成される。本発明の貼り合わせ装置および方法によ
れば、従来行っていた貼り合わせの仮止め工程を省略し
て、シール部全周を一括して硬化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶モニタ付機器
等に用いられる液晶表示装置（「液晶表示パネル」とも
記す）の貼り合わせ装置および貼り合わせ方法に関し、
更に詳しくは、加工基準面を透明基板にすることによ
り、シール面全周を同時に硬化できるようにした貼り合
わせ装置、および透明な加工基準面を用いて一括露光し
て硬化する貼り合わせ方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、液晶プロジェクタ等に代表される
液晶表示パネル付きの電子機器の普及とともに、液晶表
示パネルへの高性能化の要求が高まり、液晶表示パネル
を高精細化・高画質化するための改良が進行している。
この液晶表示パネルは、通常、各画像制御用の薄膜トラ
ンジスタ(Thin Film Transistor:以下、単に「ＴＦＴ」
と記す）や蓄積容量等が形成された駆動基板とカラーフ
ィルタ（カラー液晶パネルの場合）やブラックマトリク
ス等が形成された対向基板とが貼り合わされて構成され
ている。

【０００３】このような構成の液晶表示パネルにおい
て、駆動基板は上記した画素制御用のＴＦＴ部と映像を
映出する開口部とからなり、この開口部は対向基板の開
口部と合致するように貼り合わされて構成される。従っ
て、この駆動基板と対向基板の貼り合わせ状態によって
は充分な透過率を確保できない場合があるため、駆動基
板と対向基板の貼り合わせは、従来より重要な工程に位
置づけられている。

【０００４】本発明に係わる液晶表示パネルの要部構
成、および駆動基板と対向基板との貼り合わせ装置につ
いて、図３を参照して説明する。図３は本発明に係わる
液晶表示パネルの要部および従来の貼り合わせ装置を示
す図であり、（ａ）は同液晶表示パネルの断面図、
（ｂ）は従来の貼り合わせ装置の断面図、（ｃ）は同液
晶表示パネルの上面図である。

【０００５】図３（ａ）における符号１は、液晶表示パ
ネルを指す。液晶表示パネル１は、一般的に対向基板
（上側基板）２や、駆動基板（下側基板）３から大略構
成される。対向基板２には図示を省略したが、カラー液
晶パネルの場合にはＲ、Ｇ、Ｂのカラーフイルタ、透明
電極２ａおよびポリイミド膜等の配向膜が予め形成され
ている。駆動基板３には互いに絶縁された走査線と信号
線が形成されていて、その交点には薄膜形成とフォトリ
ソグラフィ技術によりＴＦＴ（何れも図示省略）が形成
されるとともに、透明電極３ａや配向膜が形成されてい
る。かかる構造を有する液晶表示パネル１はアクテイブ
マトリクス型と呼ばれる。なお、本発明の対象となる液
晶表示パネルはこの構造に限られるものではなく、単に
例示したにすぎない。

【０００６】このような２枚のガラス基板は、所定の間
隔をもって対向配置されるとともに、スペーサとして目
的ギャップ長に応じたガラスビーズ（真糸球：直径０．
３〜０．８μｍ）を挟持してシール材（ＵＶ硬化型また
は熱硬化型の接着材）４によって周囲を接合して構成さ
れる。スペーサ（図示省略）はガラス基板の大きさによ
り、小さい面積の場合は、周囲を接着するシール材４中
に０．３ｗｔ％程度分散させることにより、ガラス基板
間のギャップが制御される。

【０００７】ガラス基板面積が大きい場合には、ガラス
ビーズをガラス基板上に平均密度１００個／ｍｍ² で散
布してセルギャップを保ったあと、液晶セルに液晶の注
入孔（図示省略）を確保してシール材４で液晶セルの周
囲を接着する。その後、注入孔から液晶５を注入して注
入孔を封止材で塞ぎ、液晶表示パネル１が完成される。
従来、このような液晶表示パネル１の貼り合わせは専用
の貼り合わせ装置によって行われている。

【０００８】従来の貼り合わせ装置は、同図（ｂ）、
（ｃ）に示すように、液晶表示パネルのコーナ４ヵ所に
配設されたＵＶ光を照射する光ファイバー６、ＵＶ光の
挿通孔が設けられた不透明の基準プレート７、基準プレ
ート７に配設された減圧機９、Ｘ、Ｙ、θ方向（紙面上
下方向）に微調整を行うＸＹθテーブル８、およびＸＹ
θテーブル８に配設された減圧機（図示省略）などで構
成される。

【０００９】同図（ｃ）における液晶表示パネル１は、
前述の如く対向基板や駆動基板から構成され、対向基板
や駆動基板には、位置合わせ用のアライメントマーク１
０がそれぞれ設けられている。これら２枚のガラス基板
は貼り合わせ装置によってアライメント制御およびギャ
ップ制御がなされる。なお、本発明で例示する液晶表示
パネル１は比較的小面積なものであり、周囲を接着する
シール材４中にギャップ材を分散させることにより、基
板間のギャップ制御なされる。

【００１０】このような構成の従来の貼り合わせ装置の
動作を説明するならば、使用者は貼り合わせ装置の所定
位置に対向基板および駆動基板を載置するとともに、減
圧機等で吸着保持して次の２工程によって行う。対向
基板２と駆動基板３のアライメントマーク１０を基準と
して、ＸＹθテーブル８を駆動してアライメント制御を
行う。すなわち、液晶表示パネル１の干渉縞Ａ（通称ニ
ュートンリング(Newton's rings)と呼称される）が所望
の干渉縞数になるように規定した測定データとなるよう
に基準プレート７、ＸＹθテーブル８を制御してセルギ
ャップを最適に制御する。その後、液晶表示パネル１の
コーナ４カ所に光ファイバー６からＵＶ光を照射して仮
止めする。

【００１１】液晶表示パネル１を次工程に移し、マス
クガラス（図示省略）を用いて対向基板および駆動基板
におけるシール部以外をマスキングして本露光を行い、
液晶表示パネル１が完成される。つまり、従来の貼り合
わせ装置および貼り合わせ方法では、例えば４カ所の
仮止め工程と、の本露光工程の２工程を経ることによ
り、貼り合わせが行われている。

【００１２】しかしながら、従来の液晶表示パネルの貼
り合わせ装置および方法では、一旦仮止めした液晶表示
パネル１を次工程に移す作業等により、対向基板２に、
図３（ａ）の破線で示すようなソリや擦れが発生する場
合がある。その場合、その膨らみが戻る力が作用し、前
述の干渉縞Ａなどにより不良と判定され、液晶表示パネ
ル生産工程の歩留りを低下させてしまう。また、仮止
め工程では硬化部と未硬化部が発生するため、本露光
のときにシール皺ができやすく、これらガラス基板の反
り等によりギャップ精度が悪化するという問題点があ
る。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
に鑑みてなされたもので、その課題は、従来の貼り合わ
せ装置および貼り合わせ方法による歩留りの低下、シー
ル皺の発生、基板の反りによるセルギャップ精度の悪化
などの問題を解決し、液晶表示パネルの生産効率の向
上、および液晶表示パネルの品質の向上を図った貼り合
わせ装置および貼り合わせ方法を提供することである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の貼り合わせ装置は、対向基板と、対向基板
と所定の間隙を有して貼着する液晶表示装置の貼り合わ
せ装置において、対向基板または駆動基板の一方を保持
して、縦、横、高さ方向に微調整を行う位置制御手段
と、対向基板または駆動基板の他方を保持して、可動自
在となされ、なおかつ透明となされた基準プレートと、
この基準プレートを介して光線を照射する照射手段とを
備えて構成した。

【００１５】その具体的構成として請求項２の本発明の
貼り合わせ装置は、駆動基板を保持して縦、横、高さ方
向（一例としてＸ、Ｙ、θ方向）に微調整を行う位置制
御手段と、対向基板を保持して上下に可動自在となされ
るとともに、中央部が透明部材で構成された基準プレー
トと、液晶表示装置のシール部以外をマスキングするマ
スクガラスと、基準プレートおよびマスクガラスを介し
て全面にＵＶ光を照射するＵＶ照射手段とを備えて構成
される。

【００１６】本発明にかかる液晶表示装置の貼り合わせ
方法は、対向基板または駆動基板の何方か一方を保持し
て、縦、横、高さ方向に微調整を行う位置制御工程と、
それ以外の他方の基板を保持して、透明となされた基準
プレートを可動する可動工程と、前記位置制御工程およ
び可動工程によって、対向基板および駆動基板のアライ
メント制御およびセルギャップの最適化制御を行う制御
工程と、透明となされた基準プレートを介して光線を照
射する照射工程とを含むものである。

【００１７】かかる構成の本発明の貼り合わせ装置で
は、基準プレートを透明部材で構成し、この透明の基準
プレートを介して照射手段から熱線やＵＶ光等の光線を
照射するようにした。これにより、液晶表示装置のシー
ル材を一括して硬化することができるようになり、液晶
表示装置のアライメント制御、セルギャップの制御を容
易に行うことができる。また、液晶表示装置は一括して
硬化されるため、貼り合わせ時のシール皺が発生しなく
なるとともに、ギャップ精度の向上を図ることができ
る。

【００１８】また、本発明の貼り合わせ方法では、透明
となされた基準プレートを介してシール材を一括して硬
化できるため、従来行っていた貼り合わせの仮止め工程
を省略することができ、液晶表示装置の生産効率を向上
することができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態につき添付図面を参照して説明する。

【００２０】先ず、図１を参照して本発明のセルギャッ
プ制御装置の構成を説明する。図１は本発明の貼り合わ
せ装置を示す図であり、（ａ）は同貼り合わせ装置の断
面図、（ｂ）は同貼り合わせ装置によって貼り合わされ
た液晶表示パネルの断面図である。なお、従来技術の液
晶表示パネルおよび貼り合わせ装置の構成と同一の部分
には同一の参照符号を付すものとする。

【００２１】本発明の貼り合わせ装置１１は、液晶表示
パネル１の全面にＵＶ光を照射するＵＶ照射機１２、液
晶表示パネル１のシール部以外をマスキングするマスク
ガラス１３、本発明の特徴事項として、例えば中央部が
透明ガラスで構成された透明基準プレート１４、透明基
準プレート１４に配設された減圧機９、および減圧機
（図示省略）が配設され、Ｘ、Ｙ、θ方向に微調整を行
う位置制御手段としてのＸＹθテーブル８などで構成さ
れる。

【００２２】このような構成の本発明の貼り合わせ装置
の動作を説明する。

【００２３】使用者は、本発明の貼り合わせ装置の所定
位置に対向基板２および駆動基板３を載置し、減圧機等
でそれぞれの基板を保持しつつ貼り合わせ作業を開始す
る。先ず、前述のアライメントマークを基準として、透
明基準プレート１４および位置制御手段たるＸＹθテー
ブル８を駆動してアライメントを行う。再び、ＸＹθテ
ーブル８をθ方向に駆動して加圧することにより、液晶
表示パネルのギャップ出しを行う。すなわち、ＸＹθテ
ーブル８を計測データを基に予め定められた所定圧力に
より加圧することにより、オプティカルフラットを検出
する調整を行う。その後、マスクガラス１３を用いて液
晶表示パネルのシール部以外をマスキングしてＵＶ照射
機１２からＵＶ光を照射して一括露光を行い、シール材
４を硬化する。このように、本発明の貼り合わせ装置お
よび方法によれば、従来行っていた貼り合わせの仮止め
工程を省略し、シール部全周を一括して硬化できる。

【００２４】本発明の貼り合わせ装置１１によって貼り
合わされた液晶表示パネル１は、同図（ｂ）に示すよう
に、シール材４がＵＶ照射機１２によって一括して硬化
するため、仮止め工程によって発生していた対向基板等
の反りの発生が抑制される。なお、シール材４はＵＶ硬
化型接着材を例示したが、熱硬化型接着材やこれらを併
用した接着剤材料を用いても良い。熱硬化型の接着材の
場合には、ＵＶ照射機１２に代えて熱照射機が使用され
る。液晶表示パネル１は、このようにして一括して硬化
されるため、貼り合わせ時のシール皺が発生しなくなる
とともに、ガラス基板の反り等によるギャップのバラツ
キが抑制される。

【００２５】次に、図２を参照して本発明の貼り合わせ
装置の全体構造を説明する。図２は本発明の貼り合わせ
装置の全体構造の一例を示す斜視図である。

【００２６】図２における符号１１は本発明の貼り合わ
せ装置を指す。本発明の貼り合わせ装置１１は、前述の
位置制御手段たるＸＹθテーブル８、ＵＶ照射機１２、
マスクガラス１３および中央部がガラスで構成された透
明基準プレート１４の他、透明基準プレート１４を駆動
するボールスプライン１５、加圧シリンダ１６、ＣＦセ
ットテーブル１７、および使用者がアライメント時など
に使用する顕微鏡１８等で概略構成される。

【００２７】このような構成の本発明の貼り合わせ装置
の動作を説明する。

【００２８】使用者は、所定の操作により本発明の貼り
合わせ装置１１を起動後、ＸＹθテーブル８を引き出し
駆動基板を保持する。ＣＦセットテーブル１７に対向基
板をセット後、ＣＦセットテーブル１７を図の矢印方向
に回転して駆動基板上にセットする。ＸＹθテーブル８
を所定位置まで移動し、加圧シリンダ１６によってボー
ルスプライン１５を経て、透明基準プレート１４を下方
に移動する。更に、使用者は顕微鏡１８等を用いて透明
基準プレート１４の下方に位置するＸＹθテーブル８
を、Ｘ、Ｙ、θ方向に制御して液晶表示パネル１を加圧
しつつ、前述のアライメントマークを基準とするアライ
メントを行う。

【００２９】更に、ＸＹθテーブル８を所定の位置まで
加圧することにより、液晶表示パネル１のセルギャップ
を最適に制御する。そして、ＵＶ照射機１２によりマス
クガラス１３をマスクとしてＵＶ光を照射してシール材
の一括硬化を行う。このようにして、本発明の貼り合わ
せ装置１１では、液晶表示パネル１の貼り合わせを一括
して行うことが可能となる。以降の動作は重複するため
説明を省略する。なお、貼り合わせ装置は上述したもの
に限ることなく、同様の働きをする他の構成を用いても
良いことは当然である。

【００３０】本発明は前記実施の形態例に限定されず、
種々の実施形態を採ることができる。例えば、前記実施
例では一例として液晶表示パネルの単個取りの貼り合わ
せについて例示したが、マスクガラスを代えることによ
り、集合状態における貼り合わせ装置にも応用できるこ
とは論をまたない。また、本発明は以上示した一実施形
態にとらわれず様々な形態に発展出来ることは言うまで
もない。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように本発明の貼り合わせ
装置によれば、基準プレートを透明にしてシール面全周
を一括して硬化するようにしたため，液晶表示装置のギ
ャップ精度を向上することができる。また、本発明の貼
り合わせ装置では、最適加圧状態にて全周を硬化するこ
とができるため、シール皺の発生を抑制でき、均一で高
品位な液晶表示装置を実現できる効果がある。

【００３２】本発明の貼り合わせ方法によれば、透明と
なされた基準プレートを介してシール材を一括して硬化
できるため、従来行っていた貼り合わせの仮止め工程を
省略することができ、一台の製造装置によりアライメン
トから本露光まで行うことが可能となり、液晶表示装置
の製造コスト低減化に寄与できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の貼り合わせ装置を示す図であり、
（ａ）は同貼り合わせ装置の断面図、（ｂ）は同貼り合
わせ装置によって貼り合わされた液晶表示パネルの断面
図である。

【図２】 本発明の貼り合わせ装置の全体構造の一例を
示す斜視図である。

【図３】 本発明に係わる液晶表示パネルの要部および
従来の貼り合わせ装置を示す図であり、（ａ）は同液晶
表示パネルの断面図、（ｂ）は従来の貼り合わせ装置の
断面図、（ｃ）は同液晶表示パネルの上面図である。

【符号の説明】

１…液晶表示パネル，２…対向基板，３…駆動基板，４
…シール材，５…液晶，６…ファイバー，７…基準プレ
ート，８…ＸＹθテーブル，９…減圧機，１０…アライ
メントマーク，１１…本発明の貼り合わせ装置，１２…
ＵＶ照射機，１３…マスクガラス，１４…透明基準プレ
ート，１５…ボールスプライン，１６…加圧シリンダ，
１７…ＣＦセットテーブル，１８…顕微鏡

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向基板と、前記対向基板と所定の間隙
   を有して貼着する液晶表示装置の貼り合わせ装置におい
   て、 対向基板または駆動基板の一方を保持して、縦、横、高
   さ方向に微調整を行う位置制御手段と、 対向基板または駆動基板の他方を保持して可動自在とな
   されるとともに、透明となされた基準プレートと、 前記基準プレートを介して光線を照射する照射手段とを
   具備したことを特徴とする貼り合わせ装置。
2. 【請求項２】 前記駆動基板を保持して縦、横、高さ方
   向に微調整を行う位置制御手段と、 前記対向基板を保持して上下に可動自在となされるとと
   もに、透明部材で構成された基準プレートと、 液晶表示装置のシール部以外をマスキングするマスクガ
   ラスと、 基準プレートおよびマスクガラスを介して全面にＵＶ光
   を照射するＵＶ照射手段とを具備したことを特徴とする
   請求項１に記載の貼り合わせ装置。
3. 【請求項３】 対向基板と、前記対向基板と所定の間隙
   を有して貼着する液晶表示装置の貼り合わせ方法におい
   て、 対向基板または駆動基板の一方を保持して縦、横、高さ
   方向に微調整を行う位置制御工程と、 対向基板または駆動基板の他方を保持して透明となされ
   た基準プレートを可動する可動工程と、 位置制御工程および可動工程によって、対向基板および
   駆動基板のアライメント制御およびセルギャップの最適
   化制御を行う制御工程と、 前記基準プレートを介して光線を照射する照射工程とを
   含むことを特徴とする貼り合わせ方法。