JPH0664359A - スクリーン印刷版 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 そこで、配向処理済の配向膜に対し非接触
で、しかも生産性の高い印刷法で良好な印刷品質を安定
して得ることができ、従って特に液晶表示装置の製造に
有用なスクリーン印刷版を提供する。 【構成】 版枠１に、ステンレス線を編み状に編み込み
感光性乳剤により目止めされた版部２がある。そして、
版部２には、液晶パネルのシール剤形状に対応したパタ
ーン形状であり版部２の表面より０．１〜３ｍｍ突き出
て、断面形状が角型状で先端にシール剤を印刷する開口
部３を有した印刷突起部４を設けている。なお、前記印
刷突起部の断面形状がテーパ状、前記開口部の断面形状
が凹形状でも印刷性能としては前記スクリーン版の構成
と同様な効果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶パネルの製造にお
いて２対の電極基板を接着固定するシール剤の印刷に用
いるスクリーン印刷版に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、液晶パネルはＯＡ、ワークステー
ション用のディスプレイとして大型化、高精細化が急進
している。従って、大型液晶パネルの量産化、品質の向
上において製造方法の確立及び設備の充実が急務とされ
ている。

【０００３】その液晶パネルの構成は、相対向する２枚
の電極基板の間隙にギャップを形成するスペーサと配向
膜と液晶等と、２枚の電極基板を接着固定し液晶を封止
するシール剤等からなっている。

【０００４】ここで、従来の大型液晶パネルの製造方法
の概略について説明する。まず、相対向する２枚の電極
基板の表示電極部の表面にポリイミド等からなる配向膜
印刷および配向膜硬化することにより配向膜を形成した
後、ラビング法により前記配向膜表面を配向処理する。

【０００５】そして、２枚の電極基板の内の一方の電極
基板の前記配向膜外周の表面にシール剤の形成を行い、
その後、前記シール剤形成済の電極基板或はもう一方の
電極基板にスペーサを形成する。次に、前記２枚の電極
基板を貼合わせ一対のパネルにした後に、液晶注入等の
工程を経て液晶パネルが製造される。

【０００６】この液晶パネルの製造工程の中で、シール
剤の形成方法は生産性の高い印刷法が用いられている。
従来のシール印刷で用いられている印刷版は線径２０〜
３０μｍからなるステンレス製の線を網状に編み込んだ
メッシュ面に所望のシール形状に対応した開口パターン
以外を感光性乳剤により目止めをしたＳＵＳメッシュ版
と呼ぶスクリーン印刷版であった。

【０００７】前記スクリーン印刷版による印刷方法は図
４のようにＳＵＳメッシュ版１５に供給されたシール剤
１０を、１〜１．２ｍｍのテンションを有した（スクリ
ーンテンションゲージＳＴＧ７５Ｂ測定）ＳＵＳメッシ
ュ版１５を介して電極基板８に圧接しているゴム製のス
キージ１１をＳＵＳメッシュ版１５と平行に移動させる
ことにより開口パターン１６からシール剤１０を押し出
し電極基板８に印刷する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来のスクリーン印刷版によるシール印刷では、電極基板
８に形成された配向処理済の配向膜９の表面をも版部２
の表面で圧接することとなる。その為、配向乱れ及び配
向傷あるいは異物が付着する等が起こり、それらが液晶
配向乱れ、非配向、ギャップ異常等の液晶パネル不良の
原因となり表示品位を低下させると共に製造歩留りを著
しく低下させる。

【０００９】更に、現状シール剤の印刷形成工程におけ
る配向乱れの検査方法が確立されていない為、液晶パネ
ル製造の最終工程である液晶注入、封止工程が完了した
時点でないと確認できないといった不具合点がある。

【００１０】本願発明は、液晶パネルの製造において、
簡単に高歩留、高生産性を達成する本発明のスクリーン
印刷版を提供するものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この従来課題を解決する
ために本発明は、２枚の電極基板間にスペーサと液晶と
前記液晶を封止するシール剤を挟持し表示素子となる液
晶パネルの少なくとも一方の電極基板にシール剤を印刷
形成するスクリーン印刷版において、版部に前記版部の
表面より突き出て先端にシール剤を印刷する開口部を有
した印刷突起部を設けているスクリーン印刷版を用いる
ものである。

【００１２】前記スクリーン印刷版により電極基板に形
成されている配向処理済の配向膜表面にスクリーン印刷
版の版部の面が接触することがない、すなわち、本発明
のスクリーン印刷版を用いることにより簡単且つ安定し
て、液晶パネルの品質に重要な配向品質或は、ギャップ
品質を確保すると共に優れた印刷品質を得ることができ
る。

【００１３】

【作用】ここで本発明の技術的な作用について説明す
る。

【００１４】本発明のスクリーン印刷版を被印刷体であ
る電極基板に対し、前記スクリーン印刷版の印刷突起部
を相対向するように配置して、前記印刷突起部とシール
剤形成位置である電極基板の配向膜形成領域以外の外周
の表面に接触あるいは少しの間隙を設けるように条件設
定する。

【００１５】前記条件設定の状態で前記印刷突起部と反
対の版部の面にシール剤を供給した後、版部にゴム製の
材料からなり版部の面上でシール剤を移動させ印刷を行
うスキージを版部に圧接して、前記版部に対し前記スキ
ージを平行に移動させることによりシール剤を印刷突起
部から押しだして電極基板の表面にシール剤を印刷す
る。

【００１６】この時の印刷条件として、版部の材料構成
からテンションを有するスクリーン印刷版の印刷では版
部に対するスキージの押し込み量を印刷突起部より少な
い押し込み量に設定し、版部がテンションのない剛板材
料からなるスクリーン印刷版では版部に対し所定の圧力
でスキージを圧接するように設定する。

【００１７】すると、印刷時に配向膜表面に版部が接触
することなく優れた印刷品質が簡単に得ることができ
る。

【００１８】

【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。

【００１９】（実施例１）図１は本発明のスクリーン印
刷版の構成および印刷状態を表わした断面図であり、版
枠１には線径２０〜３０μmのステンレス線を網状に編
み込み、感光性乳剤により目止めされた版部２がある。
そして、版部２には、液晶パネルのシール剤形状に対応
したパターン形状であり版部２の表面より０.１〜３ｍ
ｍ突き出て、断面形状が角形状で先端にシール剤を印刷
をする開口部３を有した印刷突起部４を設けている。

【００２０】なお、図２のように前記印刷突起部の断面
形状がテーパ状５、或は前記開口部の断面形状が凹形状
６でも印刷性能としては前記スクリーン印刷版と同様の
効果が得られる。

【００２１】次に前記スクリーン印刷版で電極基板の配
向膜形成領域以外の外周表面にシール剤を印刷する方法
について図１を用いて説明する。

【００２２】前記スクリーン印刷版の印刷突起部４の先
端にある開口部３と印刷テーブル７に吸着固定した電極
基板８の配向膜９の形成領域の外側の表面を接触させ
る。その後、印刷突起部４と反対の版部２の面にシール
剤１０を供給し、ゴム製のスキージ１１を版部２に対し
印刷突起部４の突き出し量より少ない押し込み量で押し
込み圧接してスキージ１１を印刷方向１２に移動させて
シール剤１０を印刷突起部４に送り、印刷突起部４の開
口部３からシール剤１０を押しだして電極基板８の表面
にシール剤１０の印刷を行う。

【００２３】上記実施例では版部と印刷突起部が同一の
材料から構成したスクリーン印刷版による印刷のもので
あるが、次に本発明の第２の実施例である版部が剛板材
料で印刷突起部が弾性材料からなるスクリーン印刷版の
説明を図３を用いて説明する。

【００２４】（実施例２）図３は版部を剛板材料で印刷
突起部を弾性材料で構成した本発明のスクリーン印刷版
を表わした断面図であり、版枠１にはステンレス製で厚
みが約１ｍｍの版部２が固定されている。その版部２に
は１つの開口面積が１ｍｍ²で開口ピッチが１．２ｍｍ
の連続した開口を有する第１開口メッシュ１１と、第１
開口メッシュ１３の下方にテフロン製で先端が凹形状と
なり厚みが約５０μｍ、１つの開口面積が５００μ
ｍ²、開口ピッチが約７０μｍの連続した開口を有する
第２開口メッシュ１４を備え、版部２の表面より約１ｍ
ｍ突き出ているテーパ状の印刷突起部４が版部２と接合
され一体となっている。

【００２５】上記実施例２のスクリーン印刷版での印刷
方法は実施例１と同様に印刷突起部４と印刷テーブル７
の上に吸着固定した配向処理済の配向膜９が形成された
電極基板８を相対抗するように配置した後、印刷突起部
４と電極基板８の隙間が０〜０．０５ｍｍになるように
設定する。

【００２６】そして、ゴム製のスキージ１１を１〜４ｋ
ｇ／ｃｍ²の圧力で版部２に圧接させ、その状態でスキ
ージ１１を印刷方向１２に平行移動させシール剤１０を
版部２の第１開口メッシュ１３と印刷突起部４の第２開
口メッシュ１４を通してシール剤１０を電極基板８に印
刷する。

【００２７】以上のように上記の実施例１、実施例２の
スクリーン印刷版を用いて印刷すると、実施例１では版
部が網状であるためスキージの押し込みにより変形する
が印刷突起部より少ない押し込み量でり、又実施例２の
スクリーン印刷版では版部が剛板材料であるためスキー
ジの圧接による版部の変形がない等、本発明のスクリー
ン印刷版で印刷すると版部と配向膜が接触することなく
印刷できる。

【００２８】従って、本発明のスクリーン印刷版を用い
て配向処理済の配向膜を形成した電極基板にシール剤を
印刷形成することにより、配向乱れ、配向傷、異物付着
等がなく、しかも優れた印刷品質を簡単に且つ安定して
確保することができる。

【００２９】次に本発明の実施例１と実施例２のスクリ
ーン印刷版の製版方法の一例を簡単に説明する。

【００３０】実施例１のスクリーン版は全面を前記感光
性乳剤により目止めされた版部を版枠に貼付け、その後
所望の印刷形状に対応した金型を版部に押し付け版部か
ら突き出るようプレス加工して印刷突起部を形成させる
と共に、印刷突起部の先端の感光製乳剤をエッチング除
去してシール剤を印刷する開口部を設けて製版するよう
な方法がある。

【００３１】実施例２のスクリーン印刷版の製版方法
は、版部の第１開口メッシュを放電加工、或はレーザー
加工等により開口メッシュを形成し、第２開口メッシュ
を有した印刷突起部については射出成形、或はプレス成
形等で形成する。そして、印刷突起部はエポキシ系接着
剤等により第１開口メッシュに対応する版部の表面に接
着固定させ版部と一体化させ、版枠に接着固定、或はボ
ルト固定等の手段で貼付けて製版する方法がある。

【００３２】

【発明の効果】以上のように、本発明のスクリーン印刷
版を用いて、２枚の電極基板間にスペーサと液晶と前記
液晶を封止するシール剤を挟持し表示素子となる液晶パ
ネルの少なくとも一方の電極基板にシール剤を印刷形成
することにより、スクリーン印刷版の版部の面と電極基
板の配向処理済の配向膜表面が接触することがない。

【００３３】従って、シール剤の印刷形成を完了した電
極基板の配向状態はラビング工程で得た配向処理状態を
確保し又、異物及び汚れ等の付着もない状態を確保する
と共に優れた印刷品質が得られる。

【００３４】以上のように、本発明のスクリーン印刷版
をシール剤の印刷に用いることで液晶パネルの表示品質
に重要な液晶配向、ギャップの品質を確保でき簡単且つ
安定して、しかも高歩留り、高生産で表示品質の優れた
液晶パネルの製造ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のスクリーン印刷版の構成を
表わす断面図

【図２】同実施例印刷版において可能な、印刷突起部の
断面形状と開口部の断面形状を例示した拡大断面図

【図３】本発明の他の実施例の印刷版の構成を表わす断
面図

【図４】従来のスクリーン印刷版による印刷状態を表わ
す断面図

【符号の説明】

１ 版枠 ２ 版部 ３ 開口部 ４ 印刷突起部 ５ テーパ状の印刷突起部 ６ 凹形状の開口部 ７ 印刷テーブル ８ 電極基板 ９ 配向膜 １０ シール剤 １１ スキージ １２ 印刷方向 １３ 第１開口メッシュ １４ 第２開口メッシュ １５ ＳＵＳメッシュ版 １６ 開口パターン

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】２枚の電極基板間にスペーサと液晶と前記
   液晶を封止するシール剤を挟持し表示素子となる液晶パ
   ネルの少なくとも一方の電極基板にシール剤を印刷形成
   するスクリーン印刷版において、版部に前記版部の表面
   より突き出て先端にシール剤を印刷する開口部を有した
   印刷突起部を設けることを特徴とするスクリーン印刷
   版。
2. 【請求項２】印刷突起部が版部の表面より０．１〜３ｍ
   ｍ突き出ていることと前記印刷突起部の断面形状がテー
   パ状であることを特徴とする請求項１記載のスクリーン
   印刷版。
3. 【請求項３】印刷突起部の先端にある開口部の断面形状
   が凹形状であることを特徴とする請求項１記載のスクリ
   ーン印刷版。
4. 【請求項４】印刷突起部を除く全ての版部がテンション
   のない剛板材料からなることを特徴とする請求項１記載
   のスクリーン印刷版。
5. 【請求項５】版部に液晶パネルのシール形状に対応した
   第１開口メッシュを設けることと前記第１開口メッシュ
   に対応し先端に第２開口メッシュを有する印刷突起部を
   版部に接合させた版構成とすることを特徴とする請求項
   １記載のスクリーン印刷版。
6. 【請求項６】印刷突起部は弾性材料で構成したことを特
   徴とする請求項１記載のスクリーン印刷版。