JP3758282B2 - 情報検索装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報の検索に際して、過去に検索結果に付けられ評価が存在する場合に、その評価を基にして検索式(検索要求)の適切さを計算する検索式管理装置に関する。また、データベースを検索して検索結果を得る場合に、過去の検索結果に付けられた適合情報または不適合情報に基づいて、検索式(検索要求)の適切さを計算して提示する情報検索装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、先行技術調査のため、例えば、特許公報等の文献の検索をする際には、検索式を試行錯誤的に工夫しながら、検索式を決定するのが通例である。この場合、検索結果を実際に見てチェックする以外に、作成した検索式が適切かどうかの判断ができないので、最初から適切な検索式を作成することは無理であり、そのため、適当に検索式を作り、検索を実際に行い、その検索結果が本当に欲しいものかどうかをチェックする。そして、検索式の修正版を作り、再び検索するという作業の繰り返しが避けられない。
【0003】
ここでの検索結果をチェックするとは、検索結果の概要や、検索された文献の全文を取り寄せて読むことであり、かなりのコスト(人/金/時間)がかかる作業である。従って、このような検索結果のチェック作業、検索式を立てる作業の軽減、あるいは作業サイクル回数(試行錯誤回数)を減らす支援のための技術が所望される。
【0004】
これに対しては、従来から一部で様々な技術が提案されており、例えば、特開平7−134717号公報に記載の「情報検索システム」で提案されている技術は、検索結果に付随する情報(検索式や検索者や検索日時等)を保持し、再度検索された場合に該付随情報を提示することで、前の検索者による検索結果に関する情報を検索者が得やすく技術である。この技術は、検索結果のチェックの支援であるが、以前の検索者から上手く聞きだし、有効な情報が得られれば、作業サイクル回数を減らす支援にもなりうる。
【0005】
また、特開平7−192007号公報に記載されている「文書処理装置」で提案されている技術は、検索式の履歴情報を保持し、利用者に表示することで、検索式の再利用を効率化する技術である。
【0006】
また、特開平2−245971号公報に記載の「情報検索方法および装置」で提案されている技術は、検索結果に含まれる単語の頻度分布や、利用者からの適合情報および不適合情報を基にして、検索結果から検索語を抽出し、検索式に追加して検索することにより、より品質の高い検索結果を得る技術である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
通常、検索式を立てる際には検索式のおおよその適切さを知ることができないので、検索結果が本当に欲しいものかをチェックしなければならなかった。チェック結果がよくないと、再び検索式を修正して立て直す作業が繰り返されることになる。したがって、適切な検索式が容易に作成できて、検索結果のチェックや試行錯誤による作業の繰り返しにかかるコストを大幅に少なく、効率よく検索が行えることが所望される。
【0008】
この場合に、例えば、過去の検索式,検索結果,その適合情報,および不適合情報を利用して、検索結果チェックの支援、および検索作業サイクル回数の減少の支援を行い、おおよその適切な検索式を立てるための情報を獲得することが所望される。
【0009】
また、上記のような従来の技術を利用する場合においても、例えば、特開平2−245971号公報に記載の技術のように、検索結果に含まれる単語から検索語を抽出して再検索しても、必ずしも品質の高い検索結果が得られるわけではない点に問題がある。また、これは、検索語の自動抽出に関する自然言語処理技術は、現時点では、人間による処理と比べるとかなり低いからである。また、検索結果に含まれる頻度分布を求める計算コスト(時間およびメモリ容量)が大きい点も問題である。
【0010】
また、特開平7−134717号公報の技術を利用する場合においても、ここでは、検索式および検索結果の適切さを知るために、前の検索者の名前等の検索履歴が残っているが、それ以降の処理では、人間による運用に頼ることになる。この場合、例えば、実際に検索者の本人から情報を聞き出したり、検索結果のプリントアウト等をもらってみないといけないが、このような情報は直ちに入手できるわけではなく、その作業に手間と時間がかかる。
【0011】
また、検索式をたてる際にも、その検索式のおよその適切さを知ることができないので、検索結果が本当に欲しいものかを個別にチェックしなければならなかった。また、チェック結果が良くないと、再度、検索式を修正して、検索を行う作業が繰り返されることになるので、あまり、作業能率が向上しないという問題があった。
【0012】
このような場合に、例えば、検索式の適切さが正しく判断できれば、検索結果のチェックや検索式をたてて検索する作業の試行錯誤(作業の繰り返し)にかかるコストを無駄にすることがなくなるので、検索式の適切さをある程度に自動で判別することが所望される。
【0013】
従って、本発明の目的は、過去の検索式や検索結果(評価)を利用して、検索結果のチェックを支援し、更に、検索作業サイクル回数の減少を支援することのできる検索式管理装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、ある評価体系での評価が高い文献を容易に検索できるような検索式を獲得することができる検索式管理装置を提供することにある。本発明の別の目的は、検索と評価の試行錯誤を繰り返すことなく、過去の自己/グループの検索結果とその評価を再利用して、適切な検索式を効率良く獲得できるようにする情報を提示することのできる検索式管理装置を提供することにある。
【0014】
また、本発明の更に別の目的は、検索目的に適合する度合いが高い文献を検索できる検索式を提示するための支援を行うことである。別の言葉で表現すれば、通常は検索しては評価しての繰り返しであるが、過去の自分/グループの検索式およびその検索結果の適合情報および不適合情報を利用することで、適切な検索式を効率よく獲得できるようにするための情報を提示する機能を持つ情報検索装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するため、本発明による検索式管理装置は、基本的な構成として、検索式と該検索式の検索結果との対応関係を管理する式結果管理部(12)と、評価体系を管理する評価体系管理部(13)と、特定の評価体系に基づいて検索結果に予め利用者により付された評価と該検索結果との対応関係を管理する結果評価管理部(14)と、検索式の検索結果の評価に基づいて該検索式を評価する検索式評価処理部(15)を備える。
【0016】
また、本発明の検索式管理装置においては、更に、検索式評価処理部により付けられた評価に基づいた検索式評価の表示を行う検索式評価表示部(16)を備え、また、利用者が検索結果に対して評価体系による評価値を付与するための評価記入インターフェイス部(17)を具備する。
【0017】
また、前記検索式評価処理部が、前記式結果管理部の情報を用いて検索結果から検索式を獲得する機能を持ち、また、前記検索式評価処理部が、検索式の検索結果を獲得する際に該検索式の検索日時に応じた獲得機能を持つように構成される。
【0018】
更に、前記検索式評価処理部が、検索式の検索結果を獲得する際に検索式を構成している要素の予約語(検索式中のANDやOR等の演算子や括弧)を分解して獲得する機能を持つようにも構成される。
【0019】
また、本発明による検索式管理装置における評価体系の一つとして適合情報または不適合情報を利用すると、より簡単に検索式を得ることができ、データベースの検索を行うことができる。このような適合情報により得られる検索式を利用して検索を行う情報検索装置は、データベースを検索する検索式と該検索式による検索結果との対応関係を管理する式結果管理部と、前記検索結果と利用者により該検索結果に付された適合情報の対応関係を管理する結果適合管理部と、前記式結果管理部で管理する検索式をその検索結果に付された適合情報に基づいて提示する検索式提示部とを備えるように構成される。
【0020】
また、不適合情報を利用して検索式を得る場合においては、情報検索装置は、データベースを検索する検索式と該検索式による検索結果との対応関係を管理する式結果管理部と、前記検索結果と利用者により該検索結果に付された不適合情報の対応関係を管理する結果不適合管理部と、前記式結果管理部で管理する検索式をその検索結果に付された不適合情報に基づいて提示する検索式提示部とを備えるように構成される。
【0021】
また、この場合の検索式提示部は、利用者の指定した検索式の中の少なくともキーワード,利用情報,日時情報のいずれかに基づいて、前記式結果管理部で管理する検索式を提示し、また、更には、利用者が検索結果に対して適合情報または不適合情報を付与するための適合情報記入インターフェイス部を具備するように構成される。
【0022】
このような構成を有する本発明の検索式管理装置においては、式結果管理部が、検索式と該検索式の検索結果との対応関係を管理し、例えば、検索式の識別子と検索結果の識別子によって管理する。評価体系管理部は、評価体系を管理し、例えば、評価体系名(あるいは評価体系の識別子)と該評価体系の取り得る評価値を対として管理する。また、結果評価管理部は、特定の評価体系に基づいて検索結果に予め利用者により付された評価と該検索結果との対応関係を管理している。すなわち、特定の評価体系(の識別子)と、検索結果に付された該評価体系を用いた評価と、該検索結果(の識別子)との対応関係を管理している。そして、検索式評価処理部が、結果評価管理部が管理する検索結果の評価を基にして、式結果管理部が管理する対応関係を用いて該検索結果を獲得した検索式を評価する。これにより、検索式が適切に自動で評価される。
【0023】
また、本発明の検索式管理装置において、検索式評価処理部には、式結果管理部の情報を用いて、検索結果から検索式を獲得する機能が備えられ、また、検索式評価処理部が、検索式の検索結果を獲得する際に該検索式の検索日時に応じた獲得機能が備えられる。また、検索式評価処理部が、検索式の検索結果を獲得する際には、検索式中のANDやOR等の演算子や括弧を分解して獲得するように構成される。
【0024】
また、本発明の検索式管理装置には、検索式評価表示部が備えられており、検索式評価表示部は、検索式評価処理部によって、評価された検索式評価を表示する。また、評価記入インターフェイス部が備えられており、この評価記入インターフェイス部が、結果評価管理部が管理する検索結果の評価を編集するためのインターフェイス部として、このインターフェイス部による処理により、利用者が既存の編集装置(エディター)とキーボードやポインティングデバイス等で評価体系の評価値を書き込めるように構成されている。
【0025】
これにより、検索結果の評価が既に存在する(蓄積されている)場合に、その評価を有効に利用して、特定の評価体系に合致するものを検索するため、あるいは特定の技術分野の注目すべき文献の検索等のため、検索式が適切かどうかを評価するための情報が提示できる。このため、自己がたてた検索式による検索結果が本当に欲しい情報かの利用者によるチェックや、検索式作成の試行錯誤の作業を著しく効率化できる。また、検索式を基に、その検索結果の獲得および蓄積を自動的に行うことができ、評価記入インターフェイス部を通して利用者により検索結果に対する評価を付与できるので、次回以降の検索時に検索式の適切さについて、より信頼性を増した判断のための情報を利用者に提供できる。
【0026】
また、本発明の検索式管理装置による検索式の評価体系の一つとして適合情報または不適合情報を利用する場合には、この適合情報または不適合情報を利用することにより、簡易に検索式を提示できる。その場合の検索を行う情報検索装置においては、式結果管理部が、検索式(の識別子)と該検索式の検索結果(の識別子)との対応関係を管理しており、また、別に新たに、検索式が実行され、その検索結果が得られれば、その検索式と検索結果の組を管理する。また、結果適合管理部は、検索結果(の識別子)と該検索結果に付された適合情報との対応関係を管理する。そして、検索式提示部が、式結果管理部で管理する検索式を、またその検索式の一部を、その検索結果の適合情報に基づいて提示する。
【0027】
また、特に不適合情報を用いる場合に、結果不適合管理部では、検索結果(の識別子)と該検索結果に付された不適合情報との対応関係を管理する。そして、この場合には、検索式提示部が、式結果管理部で管理する検索式を、またその検索式の一部をその検索結果の不適合情報に基づいて提示する。
【0028】
更に、検索式提示部は、利用者の指定した検索式中のキーワードや利用者情報や日時情報に基づいて、検索式(の一部)を提示するようにしてもよい。ここでは、検索結果に付与している適合情報を利用するが、このため、適合情報記入インターフェイス部によって、結果適合管理部または結果不適合管理部で管理する検索結果の適合情報または不適合情報を編集する。この適合情報記入インターフェイス部のユーザインターフェイスを介して、各種のテキストエディター、およびキーボード,ポインティングデバイスなどの入力デバイスにより、適合情報または不適合情報を書き込み、編集を行う。
【0029】
このような構成により、検索式の評価体系の一つとして適合情報または不適合情報を用いる場合には、その検索結果の適合情報または不適合情報が既にある場合に、その適合情報または不適合情報を有効に利用して、特定の技術分野の注目すべき文献の検索等のために、適切な検索式の作成のための情報を提示して、検索結果が本当に欲しい情報であるか等の利用者によるチェックや検索式作成の試行錯誤作業を著しく効率化する。更に、検索式を基にしてその検索結果の獲得および蓄積を自動的に行い、利用者が、適合情報記入インターフェイス部により、検索結果の適合情報または不適合情報を付加できるので、次回以降の検索時に適切な検索式の候補に提示について、より信頼性を増して判断のための情報を利用者に提供できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施する場合の形態について、具体的に図面を参照して説明する。なお、以下に説明する本実施例においては、PATOLIS(JAPIOの特許検索システム)の検索式の記法で検索式を記述して説明する。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施例にかかる検索式管理装置の構成を示すブロック図である。図1において、12は式結果管理部、13は評価体型管理部、14は結果評価管理部、15は検索式評価処理部、16は検索式評価表示部、17は評価記入インターフェイス部、18は検索処理部である。
【0032】
検索式管理装置においては、検索処理が行われて、検索結果がえられた検索式を管理し、検索式を評価するために必要とされるシステム要素として、少なくとも、式結果管理部12と、評価体系管理部13と、結果評価管理部14と、検索処理部18を含む検索式評価処理部15とが備えられる。そして、更に、検索式の評価結果を表示するために、検索式評価表示部16が設けられ、検索結果の評価を記入する入力操作を行うため、エディタを含む評価記入インターフェイス部17が設けられる。
【0033】
図2は、検索式の評価を行う検索式評価処理の処理フローを示すフローチャートである。図2を参照して、検索式評価処理を説明する。この検索式の評価を行う処理では、検索式評価処理部15が、評価対象の検索式に対して自動的にそれぞれの評価体系に基づいた評価値(点)をつける処理を行う。なお、ここでの検索式に対する評価を行う評価体系の評価値は、評価体系管理部13において管理される。
【0034】
ここでの処理を開始すると、まず、ステップ21からステップ24までの処理で、評価する検索式(評価対象の検索式)の検索結果を求める。この場合、ステップ21において、評価する検索式が、既に式結果管理部12に管理されている検索式(検索式の組合せ)であるか否かをチェックする。式結果管理部12で管理されている検索式であれば、既に、その検索式に対応する検索結果も存在するので、次のステップ22において、式結果管理部12において検索式との組みで管理されている検索結果を再利用する。
【0035】
また、ステップ21の判定において、評価する検索式が、式結果管理部で管理されている検索式でなく、初出の検索式ならば、ステップ23に進み、この検索式による通常の検索処理を検索処理部18で行って、その検索結果を得る。そして、次のステップ24において、得られた検索結果とその検索式を対応付けて、式結果管理部12に蓄積し管理する。
【0036】
次に、ステップ25に進み、得られた全ての検索結果について、結果評価管理部14に利用者から指定された評価体系Aの評価が管理されているか否かをチェックする。この判定の結果、全ての検索結果について、利用者から指定された評価体系Aの評価値が管理されていれば、次に、ステップ26に進み、検索式評価処理部15で当該検索結果に対する評価値(点)を検索式の評価として、その平均値を算出し、検索結果のうち既に評価がついていた検索結果の占める割合も算出する。そして、後述するように、検索式の評価結果を表示して、ここでの処理を終了する。また、ステップ25の判定処理の結果、全ての検索結果についての評価値が1つも管理されていなければ、この検索式に対する評価はできないので、そのまま処理を終了する。
【0037】
このような検索式評価処理部15における検索式評価処理の結果、利用者がたてた検索式に対する評価を得られるので、得られた検索式の評価を、その後、検索式評価表示部16により、所定の出力形式に従って表示出力する。つまり、この検索式に対する評価を利用者の端末に、例えば、「この検索式の検索結果のうち、60%については既に評価体系Aの評価が存在し、それら評価の平均値は7です。」のように、評価結果をテキスト形式のメッセージとして表示する。なお、ここでの検索式の評価の結果の表示は、後述するように、グラフ表示を併用したグラフィック形式のものであってもよいのは勿論である。
【0038】
次に、ここでの式結果管理部12,評価体系管理部13,結果評価管理部14で管理される検索式,検索結果,評価体系の各種のデータについて説明する。図3は、検索式と検索結果のデータ形式を説明する図であり、図4は、評価体系のデータ形式を説明する図であり、また、図5は、検索結果と評価結果のデータ形式を説明する図である。
【0039】
検索式と検索結果、評価体系とその取り得る値(評価値)、検索結果の評価体系に基づく評価は、図3,図4,および図5に、それぞれ示すようなデータ形式により、式結果管理部12,評価体系管理部13,結果評価管理部14において管理される。すなわち、式結果管理部12には、図3に示すように、検索式とその検索結果とが対応づけられて管理される。この「検索式と検索結果」データのデータ構造は、検索式、検索日時、検索結果集合の3種類のデータのリストである。ここでの空白、コロン、カンマは、区切り記号である。
【0040】
具体例で説明すると、図3に示す第1番目の「検索式と検索結果」のデータは、検索式を「G06F17/30」として、検索日時「1994年5月9日11時7分」に検索処理を行ったときに得られた検索結果は「特許1,特許2,特許3,特許4」であったことを意味している。第2番目のデータは、検索式を「G06F19/00」として、検索日時「1995年3月7日12時8分」に検索処理を行ったときに得られた検索結果は「特許3,特許4,特許5」であったことを意味している。
【0041】
評価体系管理部13には、検索結果を評価するための評価体系のデータが管理される。この評価体系のデータ構造は、図4に示すように、評価体系名と取り得る評価値のリストとなっている。前の場合と同じく、ここでの空白、コロン、カンマは、区切り記号である。なお、括弧内のテキストデータは(利用者による利用者のための)コメントデータである。
【0042】
具体例で説明すると、図4に示す第1番目の評価体系のデータは、評価体系名が「重要度」であり、この重要度の評価値として取り得る値は10個の整数値「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10」であることを意味している。この評価値をどのように使用するかについて、利用者が「(重要の度合いによって)」とコメントデータを併せて付加している。また、第2番目の評価体系のデータは、評価体系名が「新規性」であり、この新規性の評価値として取り得る値は3個の整数値「10,8,2」であることを意味している。この評価値をどのように使用するかについて、利用者がそれぞれの評価値に対して「(創造された年が1996年ならば),(1995年ならば),(その他は)」とコメントデータを併せて付加している。ここでの第3番目の評価体系のデータは、評価体系名が「手段」であり、この手段の評価値として取り得る値は2個の整数値「10,2」であることを意味している。この評価値をどのように使用するかについて、利用者がそれぞれの評価値に対応して「(電子計算機の利用は),(手作業に依存する場合は)」とコメントデータを併せて付加している。
【0043】
また、ここで評価体系のデータ(評価値)については、評価記入インターフェイス部17において、結果評価管理部14の検索結果の評価が編集される際、評価体系管理部13において管理されている評価体系名とその取り得る評価値であるか否かをチェックし、違う場合に評価を編集する利用者に警告メッセージを発する。その時には、この評価体系管理部13で管理されている評価体系のデータが利用される。
【0044】
結果評価管理部14には、検索結果とその評価がそれぞれに対応づけられて管理される。データ構造は、図5に示すように、検索結果(その識別子)と「評価体系とその評価値」集合のリストである。また、同じくここでの空白、コロン、読点は、区切り記号である。
【0045】
具体例で説明すると、図5に示す第1番目の「検索結果とその評価」のデータは、検索結果として得られた「特許1」について、評価体系「重要度」,評価体系「新規性」,評価体系「手段」の3種類の評価体系のそれぞれに評価を行った場合の評価値が、それぞれ「5,8,2」となったことを意味している。また、第2番目のデータは、検索結果の「特許2」について、評価体系「重要度」,評価体系「新規性」,評価体系「手段」の3種類の評価体系のそれぞれに評価を行った場合の評価値が、それぞれ「8,8,10」となったことを意味している。また、図5には、同じく検索結果の「特許3」,「特許4」,「特許5」についても、各評価体系による評価を行った評価値が示されている。
【0046】
このような「検索式と検索結果」,「評価体系」,「評価結果とその評価」の各データが、それぞれに式結果管理部12,評価体系管理部13,結果評価管理部14において既に蓄積され管理されている場合、本発明の検索式管理装置によれば、これらのデータを有効利用して、検索式評価処理部15の検索式評価処理(図2)により利用者が新たに入力した検索式についての評価が得られるので、検索処理を実行し、検索結果を見て、その評価を行う作業の一部が軽減される。
【0047】
具体例で説明すると、例えば、利用者が特許文献を検索対象にした検索式「G06F17/30 AND G06F19/00」による検索処理を行い、その検索結果について、評価体系の「重要度」に基づく評価を得ることを希望する場合、このような検索式を入力し、検索式の評価を求める入力操作を行う。
【0048】
この場合、検索式管理装置においては、図2で説明したように、検索式を評価する検索式評価処理が行われる。この処理の結果、ここで入力された検索式「G06F17/30 AND G06F19/00」は、式結果管理部12が既に管理している「検索式と検索結果」データ(図3)から、ここでの検索式「G06F17/30」と検索式「G06F19/00」との“論理操作AND”による組合せであることが判定され、それぞれの検索式が存在することから、その対応の検索結果が再利用され(ステップ21,ステップ22)、この結果、それぞれの検索式に対応づけられた検索結果「特許1,特許2,特許3,特許4」と検索結果「特許3,特許4,特許5」との“AND論理操作”が行われて、この検索式による検索結果として「特許3,特許4」が得られる。
【0049】
なお、これまでの説明では、検索式の検索日時に関する暗黙指定の条件についての考慮を省いて簡潔に説明しているが、それを考慮すると、後述するように、以前の検索日時から現在までを対象にした検索を行い、再利用できる(前回の)検索結果と合わせる(OR演算を施す)処理を行うことになる。
【0050】
このようにして検索式から検索結果が得られると、その検索結果に対しては、同じく、この検索結果の「特許3,特許4」に対しては、結果評価管理部14においてその評価体系「重要度」に基づく評価の評価値が既に管理されているので(ステップ25)、それらの評価値を取り出し、検索式評価処理部15において平均値を算出する(ステップ26)。
【0051】
この場合、評価体系「重要度」の評価値は、検索結果の「特許3」が“2”であり、検索結果の「特許4」が“9”であるので、その平均値は“5.5”となる。このため、検索式評価表示部16においては、この評価結果のテキスト形式のメッセージとして「本検索式の検索結果のうち、100%については既に評価体系「重要度」の評価が存在し、それら評価値の平均値は5.5です。」という検索式の評価結果を表示する。
【0052】
次に、マニュアル操作で検索結果に対する評価を付ける場合の処理について説明する。例えば、図2で説明したステップ24の処理において、検索処理部18の処理により検索結果が得られた場合、これまでに存在しない検索結果を獲得する可能性がある。その場合においては、利用者において、エディタを含む評価記入インターフェイス部17を起動して、得られた検索結果に対して評価(評価体系の評価値)を付ける処理を行う。なお、後に、同じく、利用者がエディタを含む評価記入インターフェイス部17を起動して、検索結果の評価に対する編集処理を行うようにしてもよい。また、検索式が違っても、同じ検索結果が得られる場合があり得るので、既に蓄積されている評価結果が利用できる場合もある。
【0053】
図6は、検索結果に対して評価を付ける評価付与処理の手順を示す処理のフローチャートである。図6のフローチャートを参照して説明する。図6に示す評価付与処理は、例えば、検索結果への評価を付ける利用者によって起動される。
【0054】
処理を開始すると、まず、ステップ61において、式結果管理部12に蓄積され管理されている検索結果で、かつ、結果評価管理部14に登録されていない検索結果を、結果評価管理部14に登録する。次に、ステップ62において、利用者が、評価する検索結果(検索された文献の概要や全文)を読み、更には、評価体系管理部13の評価体系を見るなどして、評価記入インターフェイス部17を通して、結果評価管理部14に、検索結果の評価値と利用した評価体系とを組で書き込む(図5)。
【0055】
その際、結果評価管理部14は、評価体系管理部13で管理されている評価体系名と、その評価体系において取り得る評価値となっているか否かをチェックする。書き込まれた評価値が評価体系に合わない値(取りえない値)である場合には、利用者に対して「そのような評価体系はありません」というエラーメッセージを出力するか、または、「その評価体系にその評価値は適切ではありません」との警告メッセージを出力する。
【0056】
図6に示す評価付与処理は、新しく評価を付ける場合だけではなく、評価を付け直す場合にも有効に利用される。また、この評価付与処理に関連して、評価記入インターフェイス部7を通して、評価体系管理部3が管理する評価体系名やその取り得る値等を編集しても構わない。
【0057】
このようにして、図2の検索式評価処理の処理フローにおけるステップ24の処理において、新しい検索結果が獲得された場合、図6に示すような評価付与処理による検索結果に対する評価付けが繰り返し行われる。これによって、次回以降の検索式に対する評価を行う場合に、より多くの検索式の検索結果の評価値が得られ、それらの評価値から結果評価から計算されるので、利用者にとって判断のための情報の信頼性が増すことになる。
【0058】
次に、本実施例の変形例について説明する。前述した図2の検索式を評価する検索式評価処理においては、説明が煩雑となることを避けるため、その処理手順は検索式に暗黙の条件指定がないものとして扱ったが、例えば、ステップ21の既に管理されている検索式の存在のチェックは、検索日時も検索式の条件として考慮する必要がある場合が多い。これらの検索日時の検索式の条件は、暗黙の指定となっている場合が多い。
【0059】
例えば、前述のように、特許文献を検索する場合において、IPC(国際特許分類)の分類だけによる検索式で検索すると、検索する年月日で検索結果が異なる可能性があり、これは、検索条件として、暗黙の検索日時の指定により、検索処理の時点までの検索対象を検索する場合が多いからである。
【0060】
このような暗黙指定の条件がある場合には、検索式の検索結果を求めるステップ21のチェックでは、暗黙指定の条件も考慮し、式結果管理部12において管理される検索日時(図3)を利用して、検索式の一致をチェックしなければならない。このように、検索式に検索日時に関する暗黙の条件がある場合には、図2に示した処理フローは、その一部が、図7に示すように変形される。
【0061】
図7は、検索式に検索日時に関する暗黙の条件がある場合の変更部分の処理手順を示すフローチャートである。図7に示す処理フローでは、図2のステップ21からステップ24までの処理手順に相当するに処理フローが、ステップ71からステップ80までの処理に置き換わっている。この図7に示す処理フローは、検索式において「AND,OR,括弧」などの論理操作を含む検索式の組合せがある場合についても考慮された処理手順となっている。検索式にそのような論理操作による組合せがある場合には、検索式を分解して処理を行う方が、検索式およびその検索結果の再利用性が高まり、更に検索式評価に利用できる可能性が高まる。また、評価される検索式の評価結果の信頼性が更に高まる。
【0062】
しかし、この場合には、適用するデータ処理システムにおいて、データの管理のための記憶領域や検索速度が必要とされるので、データ処理能力のあまり高くないシステムに適用する場合には、検索式の組合せ(検索式の分解)を考慮しないで、処理手順を単純化しても構わない。その場合には、式結果管理部12で管理する結果が少なくなり、データ管理の処理が簡単になる。
【0063】
図7のフローチャートを参照して、検索式に検索日時に関する暗黙の条件がある場合の処理手順について説明する。この場合には、処理を開始すると、ステップ71において、検索式そのものが既に式結果管理部12に管理されているか否かをチェックする。検索式が既に式結果管理部12で管理されているものであれば、ステップ72に進む。そうでなければ、ステップ75に進む。
【0064】
検索式が式結果管理部で管理されているものであれば、次のステップ72において、検索式中に検索期間に関する条件がなく、かつ、検索日時が昨日以前であるか否かをチェックする。このチェックの結果、検索式中に検索期間に関する条件がなく、検索日時が昨日以前であれば、ステップ73に進み、ステップ73の処理を行ってから、ステップ74に進む。そうでなければ、直ちにステップ74に進む。
【0065】
ステップ73においては、前回の検索日時以降の情報を検索対象にして検索処理を行う。そして、前回の検索結果と今回の検索結果を合わせた(すなわち論理OR演算を施した)結果を検索結果とし、今回の検索日時を検索日時とし、式結果管理部12が管理するデータを変更し、新しいデータを蓄積し管理する。この場合の検索式自体は前回のままとする。例えば、1994年5月9日11時7分に検索式「G06F17/30」で検索してある状態で、1996年3月9日8時26分に、再度、同じ検索式「G06F17/30」をたてた場合には、過去の検索結果と、1994年5月9日11時7分から1996年3月9日8時26分までについての検索処理を行った検索結果とを合わせて検索結果とする。そして、次のステップ74においては、式結果管理部12において検索式と組みで管理されている検索結果を再利用する。
【0066】
また、ステップ71の判定処理において、ここでの検索式が式結果管理部で管理されているものでなければ、ステップ75に進み、ステップ75からの処理において、検索式の一部(括弧やANDやOR等の演算子をはずした検索式)についても、その検索式が式結果管理部で管理されているものであるか否かをチェックする。このため、ステップ75において、検索式を分解できるか否かを判定する。検索式を分解できることが判定できれば(括弧やANDやOR等の演算子があれば)、次にステップ80に進み、検索式を分解し、分解した各検索式について、その検索結果を求めるため、再び、ステップ71に戻り、ステップ71からの処理を繰り返す。
【0067】
なお、このステップ75における検索式を分解できるか否かを判定では、演算子だけに注目して検索式を分解できるか否かを判定するのではなく、演算子にキーワードが隣接する場合、例えば、検索式が「G06F17/30 AND 検索」となっている場合には、分解できないと判定する方が、大量の検索結果を管理する必要がなくなり、より実用的な処理となる。
【0068】
ステップ75の判定において、検索式が分解できない判定であれば、次に、ステップ76に進み、ここでの検索式による通常の検索処理を検索処理部18で行って、その検索結果を得る。そして、次のステップ77において、得られた検索結果とその検索式を対応付けて、式結果管理部12に蓄積し管理する。そして、ステップ78に進む。
【0069】
次に、ステップ78において、当初の検索式の全ての処理を終了したか否かを判定し、検索式が残っている場合には、ステップ75に戻り、ステップ75からの処理を繰り返す。すなわち、分解した検索式の一部の検索式が残っておれば、その検索式について、再び、ステップ75からの処理を繰り返し行う。また、同じく、検索式の一部について、その検索式が、式結果管理部12に管理されていたのなら、残る検索式についても、再び、ステップ75からの処理を繰り返し行う。そして、ステップ78において、全ての検索式の処理を終了したことが判定できると、次に、ステップ79に進み、当初の検索式の検索結果として、検索式の一部の検索結果の全てを組合わせ(元のANDやOR等の演算を施して)最終的な検索結果とする。
【0070】
そして、ステップ79の処理が終了すると、前述のステップ25(図2)の処理に進み、得られた全ての検索結果について、結果評価管理部14に評価体系Aの評価が管理されているか否かをチェックする。この判定の結果、全ての検索結果についての評価が管理されていれば、次のステップ26に進み、検索式評価処理部15で該評価(点)を検索式の評価として、平均値を算出し、検索結果のうち既に評価がついていた検索結果の占める割合も算出して、ここでの処理を終了する。また、ステップ26の判定処理の結果、全ての検索結果についての評価が管理されていなければ、この検索式については評価できないので、処理を終了する。
【0071】
ところで、上記の実施例において、検索式を評価した場合、その検索式の評価結果は、各評価体系の評価値の平均値を算出して、テキスト形式のメッセージデータとして表示するようにしているが、その検索式の評価結果としては、各々評価体系の評価値を、その評価値の分布として表示するようにしてもよい。その場合には、前述したステップ26における処理が「検索式評価処理部15で該評価値(点)の分布を検索式の評価として、検索結果のうち既に評価がついていた検索結果の占める割合も算出する」処理のように変形される。
【0072】
この結果、この検索式の評価を利用者の端末に、評価対象の検索式の評価結果として、例えば、「この検索式の検索結果のうち、100%については既に評価体系「重要度」の評価が存在し、それら評価値の分布は、重要度2のものが1件あり、重要度9のものが1件あります。」のように、評価結果がテキスト形式のメッセージとして表示される。
【0073】
次に、本発明の検索式管理装置を、外部データも含めた検索システムのネットワークシステムに適用する場合について説明する。
【0074】
図8は、本発明の検索式管理装置が適用されるネットワーク検索システムの要部のシステム構成を示すブロック図である。図8において、31はネットワークシステム、32は検索結果評価データベース、33は検索式データベース、34は評価体系データベース、35は文献(特許明細書)データベース、36は検索式管理装置、37は検索式履歴データベースである。図8に示すように、このシステム構成においては、検索結果評価データベース32,検索式データベース33,評価体系データベース34,文献(特許明細書)データベース35,検索式管理装置36,検索式履歴データベース37の各システム要素が、ネットワークシステム31を介して相互に接続されている。
【0075】
また、このシステム構成においては、検索式管理装置36が、ネットワークシステム31を通して利用者が利用できるように構成される。また、ネットワークシステム31には、検索式履歴データベース37、評価体系データベース34、検索結果評価データベース32、文献(特許明細書)データベース35の各データベースが接続されており、ネットワークシステム31のデータリンクを介して、各データベースにアクセスできるように構成されている。
【0076】
ここで検索式の履歴データは、各データベースに次のように格納されている。すなわち、検索式データベース33には、少なくとも、図3により説明したような「検索式と検索結果」のデータが蓄積されている。また、この検索式データベース33においては、「検索式と検索結果」のデータに加えて、他に「検索者名/検索グループ名」,「検索日時」などのデータが付加されていてもよい。評価体系データベース34には、図4により説明したような「評価体系」のデータが保存され管理されている。検索結果評価データベース32には、図5により説明したような「検索結果と評価」のデータが保存され管理されている。文献(特許明細書)データベース35には、特許文献についてデータ(要約,明細書全文)が格納されている。また、検索式履歴データベース37には、検索式評価処理を行った履歴データが格納される。
【0077】
検索式管理装置36においては、その端末機能のディスプレイ画面による入出力インターフェイス処理部を介して、利用者からの検索式の入力を受け付け、その検索式に対する評価を行って、その評価結果を表示出力する。つまり、利用者からの検索式の入力を伴う検索依頼に対し、検索式評価処理部(15:図1)は、ディスプレイ画面の入力フィールド36aに入力された検索式から、検索式のキーワードと、その括弧やANDやOR等の演算子による組合せを解析し、単一の検索式を抽出し、式結果管理部(12:図1)に当該検索式の検索結果が蓄積されているかを問い合わせる。式結果管理部は、検索式データベース33に蓄積されている既存の検索式が見つかれば、その結果を値(検索式と検索結果)として返すので、これを利用する。また、検索式データベース33になければ、値“NIL”が返される。
【0078】
式結果管理部から、この検索式については、既存の検索式が存在しないことを意味する値“NIL”が返ってきた場合、検索式評価処理部は、検索処理部(18:図1)を起動して、この検索式により、文献データベース35に対して通常の検索処理を行い、その検索結果を得る。そして、次回以降の検索式の評価のために、検索処理を行った「検索式とその検索結果」を検索式データベース33に追加し、検索式データベース33を更新する。また、検索式に対する検索結果が得られた場合に、検索式を分解して検索結果を得た場合には、その後に、括弧やANDやOR等の演算を行い、得られた検索結果を組み合わせて、入力フィールド36aに入力された検索式に対する最終検索結果を得る。
【0079】
また、検索式評価処理部(15:図1)は、利用者から入力された指定の評価体系が、評価体系データベース34中の評価体系と一致している場合に、先に得られた最終検索結果に対する当該評価体系の評価値を、結果評価管理部(14:図1)に問い合わせる。結果評価管理部は、検索結果評価データベース32の情報を基にして、この評価体系による検索結果の各々の評価値の平均値と、問い合わせされた中のどの位の割合について、既に検索結果の評価(評価値)が管理されていたかの値を返す。
【0080】
検索式評価処理部は、返された評価(検索結果の評価値)の値を、検索式評価表示部(16:図1)に渡す。検索式評価表示部は、この評価値の値により、評価結果のテキスト形式のメッセージを生成し、ディスプレイ画面の出力フィールド36bに表示する。なお、ここで表示される評価結果については、評価体系による検索結果の各々の評価値の平均値でなく、より複雑な評価値の分布を表す計算結果でもよく、単なる各々の評価値の度数分布でもあってもよい。また、検索式評価表示部による出力形態としては、図8の表示画面に示されるようなグラフや図表での評価結果の分布が付加されるものであってもよい。
【0081】
図9は、グラフや図表を多用した評価結果の別の表示例を説明する図である。評価対象の検索式から得られる検索結果に対して、複数の評価体系の評価値が既に蓄積されている場合、その検索式の評価として、各々の評価体系の評価値の表示形態は、図9に示すように、グラフや図表を多用して、その評価結果を表示する方が、利用者は評価結果が見やすくなる。これにより、検索式の評価が適当に行える。図9に示す検索式の評価結果の表示例では、評価値が既に存在する割合が円グラフを併用して表示され、「重要度」の評価体系と「新規性」評価体系による評価結果が、横方向の棒グラフを併用して、その評価値の度数分布と併せて表示されている。
【0082】
<実施例2>
次に、本発明の検索式管理装置の第2の実施例について説明する。本発明の検索式管理装置においては、検索式を評価するため、既存の検索結果に対して評価体系により評価された評価値を利用するが、この場合に、検索結果として得られた文献に対して評価値を付加する評価を行う場合に、その評価値の付与のされ方(評価内容)は、評価者の個人差によるところが大きい。これに対しては、評価体系の評価値に評価者のデータを付加できるような構成としておけば、データの評価の信頼性が高くなる。このような構成とした本発明の検索式管理装置を第2の実施例として説明する。なお、第2の実施例の説明において、第1の実施例の検索式管理装置の同じものは、同じ参照番号を付けて説明する。
【0083】
図10は、第2の実施例の検索式管理装置の構成を示すブロック図である。図10において、12は式結果管理部、13は評価体型管理部、14は結果評価管理部、15は検索式評価処理部、16は検索式評価表示部、17は評価記入インターフェイス部、18は検索処理部、19は利用者認識部である。これらの第2の実施例の参照番号12〜18のシステム要素は、前述した第1の実施例と同様である。ここでは、新たに利用者認識部19が設けられている。この場合の装置の構成,データについては第1の実施例と同様である。
【0084】
第2の実施例の検索式管理装置においては、検索式を管理し、検索結果の評価値を管理するために、必要とされるシステム要素として、少なくとも、式結果管理部12と、評価体系管理部13と、結果評価管理部14と、検索処理部18を含む検索式評価処理部15とが備えられる。そして、更には、検索式の評価結果を表示するために、検索式評価表示部16が設けられ、検索結果の評価を記入する入力操作を行うため、エディタを含む評価記入インターフェイス部17が設けられる。
【0085】
第2の実施例の検索式管理装置においては、この評価記入インターフェイス部17の中に、利用者認識部19が設けられている。検索結果に対する評価のつけ方は、図6の処理フローにより説明したように、第1の実施例と同様であるが、第2の実施例においては、評価記入インターフェイス部17を通して、結果評価管理部14に「検索結果の評価」と「評価に利用した評価体系」とを組で書き込む前に、利用者認識部19により利用者(評価者/評価グループ名)を認識し、その認識結果に応じて、評価者名を評価値と共に、結果評価管理部14に書き込む。
【0086】
つまり、第2の実施例の検索式管理装置においては、結果評価管理部14で管理する検索結果に対する評価体系の評価値のデータには、評価者のデータ(評価者/評価グループ名)が加えられ、図11に示すように、評価体系の評価値(『評価者/評価グループ名、評価値』の集合)のデータとなる。検索結果に対する評価体系の評価値のデータ構造は、検索結果(の識別子)、「評価体系名、『評価者/評価グループ名、評価値』の集合」の集合のリストである。空白、コロン、カンマ、読点は、区切り記号である。
【0087】
図11は、第2の実施例の検索結果と評価結果のデータ形式を説明する図である。具体的に、図11に示す「検索結果とその評価」のデータには、前述の場合と同様に、検索結果として得られた「特許1〜特許5」について、評価体系「重要度」,評価体系「新規性」,評価体系「手段」の3種類の評価体系のそれぞれに評価を行った場合の評価値が、それぞれに付けられるが、この場合に、評価者/評価グループ名が追加されて付与される。
【0088】
例えば、第1番目の「特許1」について、データベース(DB)技術に携わるグループのメンバーは、評価体系「重要度」の評価値を“5”と評価し、暗号技術に携わるグループのメンバーは、同じ、第1番目の「特許1」についての評価体系「重要度」の評価値を“3”と評価している。これを評価体系「重要度」の評価値として、評価者/評価グループ名を追加して、2つの評価値を管理するようにしている。
【0089】
具体例で説明すると、第1番目の「特許1」について、データベース(DB)技術に携わるグループのメンバーは、評価体系「重要度」の評価値を“5”と評価し、評価体系「新規性」の評価値を“8”と評価し、評価体系「手段」の評価値を“2”と評価したということを意味しており、また、同じく第1番目の「特許1」については、暗号技術に携わるグループのメンバーも評価しており、この暗号技術に携わるグループのメンバーは、「特許1」については、評価体系「重要度」の評価値を“3”と評価し、評価体系「新規性」は評価しておらず、評価体系「手段」の評価値を“2”と評価したということを意味している。
【0090】
このように、図11に示す「検索結果とその評価」のデータとしては、データベース(DB)技術に携わるグループのメンバーによる評価と、暗号技術に携わるグループのメンバーによる評価とが、評価者/評価グループ名を追加して、併せて蓄積される。これらの「検索結果とその評価」データでは、現時点では、暗号技術のグループのメンバーによる「特許1」についての評価体系「新規性」の評価は現時点で行われていない。また、「特許3」について評価体系「重要度」に関する評価は、誰も行っていない。なお、特定の個人がどのグループに属するかの情報は、例えば、ネットワーク上の既存の利用者/グループ管理装置を利用して得る。
【0091】
具体例で説明すると、例えば次々に発行される特許文献について、定期的に、例えば1か月毎に、特定技術分野についてチェックするための検索式をたてようとしている利用者がいるとする。このような利用者は、技術情報の収集・管理の技術に携わる人であり、ここでの利用者が、例えば、検索式を「G06F17/30 AND 検索 AND 頻度」とたてると、検索式管理装置は、検索式の検索結果を求め、更に、その検索結果に対する既存の評価値を求め、この検索式に対する各評価者による評価結果をまとめて表示する。
【0092】
この評価結果の表示は、具体的には、例えば、図11に示すような「検索結果とその評価」が結果評価管理部14で管理されているので、この評価値を利用して検索式を評価する。また、この検索式を評価した評価結果の表示形式については、前述した評価結果を処理して表示形式のデータを生成する処理(ステップ26:図2)が、各々の評価値の度数分布を表示するように処理となっている。
【0093】
つまり、「検索式評価処理部15でグループ別・評価体系別の該評価(点)の分布を検索式の評価として、検索結果のうち既に評価がついていた検索結果の占める割合もグループ別に算出する」処理となっている場合は、グループ別・評価体系別の評価結果がまとめて表示され、この検索式の評価を利用者の端末の表示画面には、図12に示すように、その評価結果をテキスト形式のメッセージとして表示される。
【0094】
図12は、グループ別・評価体系別の検索式の評価結果の表示例の第1の例を説明する図である。第2の実施例においては、図12に示すように、利用者がたてた検索式121に対して、その評価結果122として、データベース技術グループによる評価と、暗号技術グループによる評価とがそれぞれに表示される。このため、検索式をたてた利用者の検索したい技術が、例えば、データベースの技術に近い技術で、暗号の技術には近くない技術ならば、データベース技術グループによる評価を注目すればよい。
【0095】
また、利用者は、先にたてた検索式に対する評価結果をみて、その結果をチェックし、熟慮の後、ここでの検索式を「G06F17/30 AND 検索 AND 頻度」から、例えば、「G06F17/30 AND (検索 OR 収集) AND (頻度 OR 履歴)」のように修正する。このように、検索式が修正された場合、検索式管理装置により、再び、修正された検索式を評価すると、今度は、図13に示すように、修正された検索式に対するその評価結果がテキスト形式のメッセージとして表示される。
【0096】
図13は、グループ別・評価体系別の検索式の評価結果の表示例の第2の例を説明する図である。図13に示すように、修正された検索式131に対する評価結果132を表示している表示例では、暗号技術グループによる評価によると、この検索式の画価は、前の結果と変わらないものの、データベース技術グループによる評価が、全般的に高くなっている。利用者は、このデータベース技術グループによる評価の「検索式の評価」の上昇および評価の高さから、この検索式により検索処理を行い、その検索結果から特許文献を定期的に取り寄せてチェックすることを決定できる。
【0097】
ところで、図11に示す「検索結果とその評価」では、結果評価管理部14において管理される「検索結果とその評価」の評価値が、技術グループにより評価されたグループ別の評価値である場合を説明したが、これは、各々の評価体系に応じて、それぞれの評価者の個人別の評価値として管理しておいてもよい。このような場合には、前述したグループ別の場合と同様に、評価記入インターフェイス部17の中の利用者認識部19により、評価値を付与する利用者(グループ内の評価者名)を認識した後、評価者の個人別に検索結果についての評価値を編集し、蓄積して管理する。
【0098】
結果評価管理部14において、評価値をグループおよび個人別に管理している場合、そのようなグループおよび個人別の評価値による検索結果の評価の表示例は、図14の表示例に示すようになる。
【0099】
なお、このような表示例を得る場合は、評価者のグループ内の個人別の評価値に対応して、評価結果を処理して表示形式のデータを生成する処理(ステップ26:図2)は、「検索式評価処理部15でグループ別・(グループ内)個人別・評価体系別の該評価(点)の分布を検索式の評価として、検索結果のうち既に評価がついていた検索結果の占める割合もグループ別・(グループ内)個人別に算出する」処理のように変形されたものとなっている。
【0100】
図14は、グループ別・(グループ内)個人別・評価体系別の検索式の評価結果の表示例の例を説明する図である。図14に示すように、この場合の表示例では、グループ別・(グループ内)個人別の評価体系別の評価結果が、それぞれにまとめられて表示される。すなわち、利用者の端末の表示画面には、検索式の評価の評価結果が、テキスト形式のメッセージとして表示されるが、その場合に、グループ別の評価結果、グループ内の各個人別の評価結果が、それぞれの内訳として、それぞれに表示される。このような評価結果の表示により、利用者に対して、検索式が適切かどうかを判断するため、よりきめ細かな判断材料の提供が可能となる。なお、前述したように、ここでの特定の個人が属している各々のグループ(技術グループ)に関する情報は、ネットワーク上の既存の利用者/グループ管理装置(サーバ)を利用して得る。
【0101】
<実施例3>
ところで、本発明の検索式管理装置においては、検索式をたてて検索処理を行う利用者が、検索式評価処理部15の処理により、当該検索式に対する評価を行い、自己がたてた検索式の判断の材料に利用するが、その場合に、前述したように評価結果に応じて、利用者は評価結果を見て、当該検索式を修正する操作を行う。このような操作を経て、適当な評価値を得ている検索式を求めることができるようになる。
【0102】
その場合に、このような各々の評価体系での高い評価値を得ている検索式を、逆に利用者が求めるためには、高い評価の検索結果を得る検索式が、より高い評価の検索結果を得るための検索式に修正する際の参考になる。このため、本発明の検索式管理装置においては、検索式評価処理部15が、式結果管理部12の管理する情報を用いて、検索結果から検索式を獲得する機能を持つように構成される。このような構成の検索式管理装置を、第3の実施例として説明する。
【0103】
図15は、本発明の第3の実施例の検索式管理装置による評価結果の表示例を説明する図であり、図16は、本発明の第3の実施例の検索式管理装置による検索式評価処理の処理フローのフローチャートである。
【0104】
図15および図16を参照して、第3の実施例の検索式評価処理を説明する。検索式の評価を行う処理では、検索式評価処理部15が、評価対象の検索式に対して自動的にそれぞれの評価体系に基づいた評価値(点)をつける処理を行い、これに続いて、更に、評価が得られた検索結果に対応している検索式を獲得して表示する処理を行う。
【0105】
処理を開始すると、まず、ステップ161において、評価する検索式(評価対象の検索式)が、既に式結果管理部に管理されている検索式(検索式の組合せ)であるか否かをチェックする。式結果管理部で管理されている検索式であれば、既に、その検索式に対応する検索結果も存在するので、次のステップ162において、式結果管理部において検索式との組みで管理されている検索結果を再利用する。
【0106】
また、ステップ161の判定において、評価する検索式が、式結果管理部で管理されている検索式でなく、初出の検索式ならば、ステップ163に進み、この検索式による通常の検索処理を行って、その検索結果を得る。そして、次のステップ164において、得られた検索結果とその検索式を対応付けて、式結果管理部に蓄積し管理する。
【0107】
次に、ステップ165に進み、得られた全ての検索結果について、結果評価管理部に利用者から指定された評価体系Aの評価が管理されているか否かをチェックする。この判定の結果、全ての検索結果について、利用者から指定された評価体系Aの評価値が管理されていれば、次に、ステップ166に進み、検索式評価処理部15で当該検索結果に対する評価値(点)を検索式の評価として、その平均値を算出し、検索結果のうち既に評価がついていた検索結果の占める割合も算出し、その結果を表示する。なお、ステップ165の判定処理の結果、全ての検索結果についての評価値が管理されていなければ、この検索式に対する評価はできないので、そのまま処理を終了する。
【0108】
ステップ166において、評価結果の表示が終了すると、次に、ステップ167に進み、ここでの検索結果の全てについて、検索グループ別に式結果管理部の管理する検索結果と一致するか否かをチェックする。一致すれば、次のステップ168において、この検索結果に対応する検索式の全てを獲得して、表示して、処理を終了する。なお、ステップ166の判定処理の結果、検索グループ別に式結果管理部の管理する検索結果と一致する検索結果がなければ、該当する検索式はないので、そのまま処理を終了する。
【0109】
このような検索式評価処理の結果、図15に示すように、利用者がたてた検索式151に対する評価処理を行った評価結果152が得られて表示される(ステップ166)。例えば、図13により前述したように、ここでの評価対象となっている検索式として、「G06F17/30 AND (検索 OR 収集) AND (頻度 OR 履歴)」が入力された場合には、その評価結果152として、
「本検索式による検索結果のうち、データベース技術グループによる評価は50%について既に存在し、それらの分布は、
「重要度の値の分布『5:20%,7:20%,8:20%,9:40%』
新規性の値の分布『2:20%,8:40%,10:40%』
手段の値の分布 『2:60%,10:40%』
です」
との評価結果が得られて表示される。
【0110】
利用者は、このような検索式の評価内容では、データベース技術グループが、どのような検索式による検索結果において、この評価となる検索結果を得たのかはわからないので、ここでは、更に、その検索結果が得られた検索式が、表示されるように構成されている。つまり、システムの側で、この評価結果152の表示に続いて「評価の付いている検索結果を獲得した検索式を表示しますか?」のダイアログメッセージ153が表示されるので、利用者が、これに対して「YES」と対応すると、式結果管理部で管理されている当該検索結果の対応の検索式154が表示される。
【0111】
つまり、高い評価の検索結果を得る検索式は、より高い評価の検索結果を得るための検索式となるように、検索式を修正する際に参考になるので、検索式評価処理部に、式結果管理部におけるデータを利用して検索結果から検索式を獲得できる機能(ステップ167,168)が備えられる。検索式の評価値を表示する際に、そのように検索結果が得られた検索式が併せて表示されると、有益な参考情報となる。この場合、検索結果を獲得した全ての検索式の集合を表示する。
【0112】
以上に説明したように、これらの実施例の検索式管理装置によれば、検索結果の評価が既にある場合に、その評価を有効に利用して、検索式が特定の評価体系に合致するものを検索する場合に、あるいは特定の技術分野の注目すべき文献の検索等のために適切かどうかを評価するための情報を提示することができるようになる。それゆえに、検索結果が本当に欲しい情報かのチェック作業や、検索式作成の試行錯誤の作業プロセスが効率化できる。更に、検索式を基にその検索結果の獲得および蓄積を自動的に行い、利用者が検索結果の評価を評価記入インターフェイス部を通して付加できるようになるので、次回以降の検索時に検索式の適切さについて、より信頼性を増した判断のための情報を利用者に提供できるようになる。
【0113】
また、このような実施例の検索式管理装置における評価体系の一つとして適合情報または不適合情報を利用すると、より簡単に検索式を得ることができて、データベースの検索を行うことができる。このような適合情報また不適合情報により得られる検索式を利用して検索を行う情報検索装置について、第4の実施例として、次に説明する。
【0114】
<実施例4>
図17は、本発明の第4の実施例にかかる情報検索装置の構成を示すブロック図である。図17において、41は情報検索装置、42は検索処理部、43は式結果管理部、44は結果適合管理部、45は検索式提示部、46は適合情報記入インターフェイス部である。
【0115】
情報検索装置41においては、適合情報または不適合情報から検索式を得て、検索処理が行われた検索結果に対して、適合情報または不適合情報を付加して検索式を管理し、検索式を提示するために必要とされるシステム要素として、検索処理部42、式結果管理部43、結果適合管理部44、検索式提示部45、適合情報記入インターフェイス部46が備えられる。
【0116】
式結果管理部43が、検索式と該検索式の検索結果の対応関係を、それぞれの識別子によって管理しており、また、新たに、検索式が実行され、その検索結果が得られれば、その検索式と検索結果の組を管理する。結果適合管理部44は、検索結果に付けられた識別子によって、検索結果と該検索結果に付された適合情報との対応関係を管理する。検索式提示部45が、式結果管理部43で管理する検索式を、またその検索式の一部を、その検索結果の適合情報に基づいて提示するので、利用者は、この検索式提示45により提示された検索式により、また、ここに提示された検索式の一部を修正した検索式により、検索処理部42を起動して、データベースの検索を行う。そして、検索された検索結果に対して付与する適合情報または不適合情報を適合情報インターフェイス部46を用いて入力し、結果適合管理部44において、その検索結果と該検索結果に付ける適合情報との対応関係を管理する。
【0117】
また、特に不適合情報を用いる場合には、結果適合管理部44では、検索結果と該検索結果に付与される不適合情報を、識別フラグ等により、または別のフィールドにより管理するようにして、適合情報とは明確に区別して、その対応関係を管理する。これにより、適合情報と同様に、不適合情報を利用できる。また、適合情報および不適合情報を併用してもよい。そして、この場合には、検索式提示部45が、式結果管理部43で管理する検索式を、またその検索式の一部をその検索結果の不適合情報に基づいて提示する。
【0118】
また、検索式提示部45は、更に、適合情報に加えて、利用者の指定した検索式中のキーワードや利用者情報や日時情報に基づいて、検索式(の一部)を提示するようにしてもよい。適合情報記入インターフェイス部46によって、結果適合管理部44で管理する検索結果の適合情報または不適合情報を編集するが、この適合情報記入インターフェイス部46では、そのユーザインターフェイスを介して、各種のテキストエディター、およびキーボード,ポインティングデバイスなどの入力デバイスを利用して、適合情報または不適合情報を書き込み、編集を行うようにしてもよい。
【0119】
図18は、検索式提示部45によって、検索結果に付与されている適合情報に基づいて検索式を提示する処理手順を示すフローチャートである。図18を参照して説明する。処理を開始すると、まず、ステップ181において、式結果管理部43で管理されている検索式の検索結果を求める。次に、ステップ182において、求めた検索結果から、結果適合管理部44で管理されているその適合情報を調べる。そして、次のステップ183において、各検索式毎に、適合情報が付された検索結果の全検索結果に占める割合を求め、これを検索式適合度として検索式と共に利用者に提示する。すなわち、ここで検索式適合度は、適合情報が付けられた検索結果数を全検索結果数により除算したものとして定義する。
【0120】
この場合、検索式および検索式適合度を利用者に提示する場合には、検索式適合度の高い検索式を高い順に例えば上位3個だけを、例えば、
「適合度が高い検索式に、次の3つがあります。参考にしてください。
検索式1:G06F17/30, 適合度:29%
検索式2:G06F17/40, 適合度:21%
検索式3:G06F19/00, 適合度:15% 」
のように、そのメッセージと共に適合度をも表示する。
【0121】
次に、具体的に、検索式と検索結果との対応関係、検索結果につけられた適合情報または不適合情報との対応関係を管理する場合のデータ構造について説明すると、式結果管理部43には、図19に示すようなデータ構造により、検索式と検索結果が管理されている。データ構造は、検索式、検索日時、および、検索結果集合の3種類のデータのリストである。そして、空白、コロン、カンマは区切り記号とする。また、同様なデータ構造によって、ここでの適合情報および不適合情報についても管理される。
【0122】
すなわち、図19は、式結果管理部43における検索式と検索結果のデータ形式を説明する図であり、図20は、検索結果とその適合情報および不適合情報のデータ形式を説明する図である。図19に示す第1番目の「検索式と検索結果」のデータは、検索式を「G06F17/40 AND G06F17/21」として、検索日時「1996年8月13日12時16分」に検索処理を行ったときに得られた検索結果は「特許2」であったことを意味している。第2番目のデータは、検索式を「G06F17/21」として、検索日時「1994年5月9日11時7分」に検索処理を行ったときに得られた検索結果は「特許1,特許2,特許3,特許4」であったことを意味している。第3番目のデータは、検索式を「G06F17/30」として、検索日時「1995年3月7日12時8分」に検索処理を行ったときに得られた検索結果は「特許3,特許4,特許5」であったことを意味している。また、同様に、第4番目のデータは、検索式を「G06F19/00」として、検索日時「1996年5月8日8時26分」に検索処理を行ったときに得られた検索結果は「特許2,特許5」であったことを意味している。
【0123】
結果適合管理部44には、検索結果に対して付与された適合情報および不適合情報のデータが管理される。この適合情報および不適合情報のデータ構造は、図20に示すように、検索結果と適合情報(または不適合情報)の組である。前のデータ構造と同様に、空白、コロン、読点は、区切り記号である。適合情報および不適合情報は、本来的には、その適切さまたは不適さに応じて、その程度を表す多くの値をとるものとするが、ここでは説明が煩雑となるのを避けて、理解を容易なものとするため、適合情報は、単純に検索結果に対して、適合、不適合、不明の3値を取るものとする。すなわち、適合の場合は適合情報が「適合2」と表され、不適合の場合は適合情報が「適合1」と表される。また、適合情報でも不適合情報でもない状態(不定情報)が「適合0」と表される。
【0124】
具体例で説明すると、図20に示す第1番目の適合情報は、検索結果の「特許1」に付けられているものであり、その情報は「検索結果が適切であること」を意味する「適合2」である。第2番目の適合情報は、検索結果の「特許2」に付けられているものであり、その情報は「検索結果が不適切であること」を意味する「適合1」である。同様に、第3番目の適合情報は、検索結果の「特許3」に付けられているものであり、その情報は「検索結果が適切であること」を意味する「適合2」である。第4番目の適合情報は、検索結果の「特許4」に付けられているものであり、その情報は「検索結果が適切でもなく不適切でもない不明の状態を意味する「適合0」である。第5番目の適合情報は検索結果の「特許5」に付けられているものであり、その情報は「検索結果が適切であることを意味する「適合2」である。
【0125】
具体例で説明すると、検索式提示部45が、検索式適合度の高い検索式を高い順に上位3個だけ提示する処理を行うので、例えば、式結果管理部43が既に管理している検索式「G06F15/40 AND G06F17/21」は、式結果管理部43によると、検索結果は「特許2」である(ステップ181)。結果適合管理部44によると、「特許2」は適合情報が「適合1」である。すなわち、不適合情報である(ステップ182)。そして、この場合にも、検索式検索式「G06F15/40 AND G06F17/21」の検索式適合度を計算することになるが、この場合は、適合情報が不適合であり、適合情報がないので「検索式適合度:0%」となる(ステップ183)。
【0126】
同様にして、検索式「G06F17/21」の検索式適合度は、4個の検索結果のうち、2個が適合情報であるので「検索式適合度:50%」となる。また、検索式「G06F17/30」の検索式適合度は、3個の検索結果のうち、2個が適合情報であるので「検索式適合度:67%」となる。また、検索式「G06F19/00」の検索式適合度は、2個の検索結果のうち、1個が適合情報であるので「検索式適合度:50%」となる。
【0127】
したがって、以上の4つの検索式を、その検索式適合度の高い順に上位3個だけを提示すると、「
検索式「G06F17/30」:適合度:67%
検索式「G06F17/21」:適合度:50%
検索式「G06F19/00」:適合度:50% 」
となる。
【0128】
ところで、上記の説明では、検索式適合度を適合情報により求めることとしているが、検索式の不適合情報を中心に考えるようにしてもよい。つまり、この場合には、検索式適合度を求め、それの高い検索式を高い順に上位3個だけを提示するようにしたが、これに変えて、ステップ183の処理を、図21に示すように、「各検索式ごとに、不適合情報が付けられた検索結果の全検索結果に占める割合を求め、これを検索式不適合度として、検索式不適合度の低い検索式を低い順に利用者に提示する」とするように変形する。これにより、検索式の不適合情報を利用して検索式を提示するよう変形できる。
【0129】
図21は、検索式提示部45によって、検索結果に付与されている不適合情報に基づいて検索式を提示する処理手順を示すフローチャートである。図21を参照して説明する。処理を開始すると、まず、ステップ211において、式結果管理部43で管理されている検索式の検索結果を求める。次に、ステップ212において、求めた検索結果から、結果適合管理部44で管理されているその不適合情報を調べる。そして、次のステップ213において、各検索式毎に、不適合情報が付された検索結果の全検索結果に占める割合を求め、これを検索式不適合度として検索式と共に利用者に提示する。すなわち、ここで検索式不適合度は、不適合情報が付けられた検索結果数を全検索結果数により除算したものととして定義する。
【0130】
この場合、検索式および検索式不適合度を利用者に提示する場合には、検索式不適合度の低い検索式を低い順に、例えば、
「不適合度が低い検索式を順に表示します。参考にしてください。
のように、そのメッセージと共に検索式不適合度をも表示する。
【0131】
なお、ここで表示される検索式および検索式不適合度については、検索式不適合度の割合の数値だけでなく、利用者により直感的に理解できるような図表を中心とした提示形態でもよい。これについて、一例を例示して説明する。
【0132】
図22は、グラフや図表を多用した検索式と検索式適合度および検索式不適合度の別の表示例を説明する図である。適合情報または不適合情報から得られる検索式に対して、その表示形態は、例えば、図22に示すように、グラフや図表を多用して、その検索式と、その検索式適合度および検索式不適合度を表示する方が、利用者は直感的に見やすくなる。これにより、検索式の適切な評価が適当に行える。図22の表示例においては、表示画面の上部側にメッセージを表示し、左側には検索式を示し、それに対応して、その右側には、検索式適合度および検索式不適合度を横方向の棒グラフとして表示している。
【0133】
次に、検索処理部42を起動して、検索処理を行い、検索結果を得た場合、その検索結果に対して、適合情報または不適合情報を付けるが、この操作について説明する。この操作は、前述したように、適合情報記入インターフェイス部46を起動することにより,そのユーザインターフェイスを介して行う。図23は、適合情報記入インターフェイス部による適合情報/不適合情報の付与の処理を説明するフローチャートであり、図24は、適合情報記入インターフェイス部のユーザインターフェイスの一例を説明する表示画面である。この図24に示す表示画面を用いて、利用者は適合情報記入の操作を行う。
【0134】
図23を参照して、適合情報記入インターフェイス部46における操作を説明すると、処理を開始すると、まず、ステップ231において、新たに検索された検索結果をも含め、式結果管理部43に蓄積されて管理されている検索結果の中で、結果適合管理部44に登録されていない検索結果について、結果適合管理部44に登録する処理を行う。次に、ステップ232において、検索結果の概要や全文を読んだりした利用者により、適合情報記入インターフェイス部46のユーザインターフェイスを介して書き込まれる検索結果に付与する適合情報または不適合情報を受け付けて、その適合情報または不適合情報を結果適合管理部44で管理できるように登録して、処理を終了する。この適合情報記入インターフェイス部46のユーザインターフェイスによる操作は、検索結果に対して新しく適合情報または不適合情報を付与するだけでなく、既に検索結果に付与されている既存の適合情報または不適合情報を修正する場合にも、適合情報記入インターフェイス部46が起動されて、その修正処理が行われる。
【0135】
利用者は、図24に示されるように、適合情報記入インターフェイス部のユーザインターフェイスの表示画面により、検索結果が表示されている位置に対応する適合情報または不適合情報の欄(白丸の欄)に、マウス操作により、そのポインタカーソルを位置決めし、マウスの左ボタンでクリック操作を行うことによってチェック印を入れる。これにより、適合情報または不適合情報を付与することができる。また、既に付与されている適合情報または不適合情報の修正操作については、結果適合管理部44で管理されている検索結果と適合情報または不適合情報の対応関係の一覧を表示し、適合情報または不適合情報の欄のデータを修正する。
【0136】
具体的に説明すると、図24に示す例では、第1番目の検索結果の「特開平1−779** 文書検索装置」と、第4番目の検索結果の「特開平4−121** 検索システム」には適合情報の欄にチェック印が付与され、また、第2番目の検索結果の「特開平2−801** 検索装置」には、不適合情報の欄にチェック印が付与されており、それぞれの検索結果に付けられている適合情報または不適合情報を表している。
【0137】
このように、本実施例の情報検索装置においては、検索処理部42で獲得した検索結果を式結果管理部43に蓄積し管理させること、および、図23に示すような処理によって、検索結果に対して適合情報または不適合情報を付与することによって、次回以降の検索式を提示する際の検索式適合度(検索式不適合度)の計算が、多くの適合情報および不適合情報から計算され、利用者にとっての判断のための情報の信頼性が増すことになる。
【0138】
<実施例5>
次に、本発明による情報検索装置の別の構成について、第5の実施例として説明する。上述したように、ここでの情報検索装置においては、検索結果に対して適合情報または不適合情報を付与して、検索式適合度を求め、これにより、適切な検索式を提示するために利用するが、この場合に、検索結果として得られた文献に対して適合情報または不適合情報を付与する場合に、その適合情報または不適合情報の付与のされた方は、利用者の個人差によるところが大きい。これに対しては、適合情報または不適合情報を付与する場合に、その適合情報または不適合情報を付与した利用者のデータを付加できるような構成としておけば、データの信頼性が高くなる。このような構成とした本発明による情報検索装置を第5の実施例として説明する。なお、次の第5の実施例の説明において、第4の実施例で説明した情報検索装置の同じものは、同じ参照番号を付けて説明する。
【0139】
図25は、第5の実施例として説明する情報検索装置の構成を示すブロック図である。図25において、42は検索処理部、43は式結果管理部、44は結果適合管理部、45は検索式提示部、46は適合情報記入インターフェイス部、50は情報検索装置、51は検索式認識部、52は利用者認識部である。
【0140】
第5の実施例の情報検索装置50においても、既存の適合情報または不適合情報から検索式を得て提示し、それにしたがって検索処理を行い、また、一部の修正を行った検索式から検索処理を行い、その結果として得られた検索結果に対して、適合情報または不適合情報を付加して検索式を管理する。このような検索式を提示するために必要とされるシステム要素として、第4の実施例と同様に、検索処理部42、式結果管理部43、結果適合管理部44、検索式提示部45、適合情報記入インターフェイス部46が備えられている。この第5の実施例においては、検索式認識部51と利用者認識部52が、更に設けられている。
【0141】
すなわち、第5の実施例の検索式管理装置50においては、検索処理部42から検索式を取り出して認識する検索式認識部51と、現在操作を行っている利用者を認識する利用者認識部52が、更に設けられている点が、第4の実施例とは異なる。ここでは、適合情報記入インターフェイス部46を通して結果適合管理部44に、検索結果の適合情報または不適合情報を書き込む前に、利用者認識部52により利用者(利用者名/グループ名)を認識し、その認識結果に応じて、結果適合管理部44には、検索結果の適合情報または不適合情報と共に、当該適合情報または不適合情報を付けた利用者のデータを書き込むようにしている。
【0142】
つまり、第5の実施例の情報検索装置においては、結果適合管理部44で管理する検索結果に対して付与する適合情報または不適合情報のデータには、利用者のデータ(利用者名/グループ名)が加えられ、図26に示すように、検索結果と各々の利用者別の適合情報または不適合情報となる。検索結果に対する適合情報または不適合情報のデータ構造は、検索結果(の識別子)と「利用者名/グループ名、適合情報または不適合情報」の集合のリストである。また、ここでは、空白,コロン,カンマ,読点が、区切り記号である。
【0143】
図26は、第5の実施例の検索結果とそれに付与した適合情報または不適合情報のデータ構造を説明する図である。具体的に説明すると、図26に示す「検索結果とそれに付与した適合情報または不適合情報」のデータは、前述の場合と同様に、検索結果として得られた「特許1〜特許5」について、それに付与した適合情報または不適合情報が、データベース(DB)技術に携わるグループの利用者と、暗号技術に携わるグループの利用者により付与された一例を示している。ここでは、それぞれのグループの利用者が、検索結果に対して適合情報または不適合情報を付与するが、その場合に、利用者が属しているグループ名が追加されて付与される。
【0144】
例えば、検索結果の第1番目の「特許1」について、データベース(DB)技術に携わるグループの利用者は適合情報(適合2)を付け、暗号技術に携わるグループの利用者は、同じ第1番目の「特許1」については不適合情報(適合1)を付けている。第2番目の「特許2」について、DB技術に携わるグループの利用者は不適合情報(適合1)を付け、暗号技術に携わるグループの利用者は、第2番目の「特許2」については適合情報(適合2)を付けている。また、検索結果の第3番目の「特許3」については、DB技術に携わるグループの利用者は適合情報(適合2)を付け、暗号技術に携わるグループの利用者は、この第3番目については適合情報付けを誰も行っていない。このため、適合情報または不適合情報のいずれでもない状態の不定情報(適合0)となっている。第4番目の検索結果「特許4」および第5番目の検索結果についても同様である。なお、ここでの利用者の特定の個人がどの技術グループに属しているかの情報は、例えば、ネットワーク上の既存の利用者/グループ管理装置を利用して得ることになる。
【0145】
ところで、図26に示されるように、結果適合管理部44において管理される検索結果に付与する適合情報または不適合情報が、利用者のグループ名別である場合を説明したが、利用者認識部52により利用者の個人名を認識した後、更には個人別に、検索結果に付与した適合情報または不適合情報を編集し、蓄積されるようにして、検索結果を管理するようにしてもよい。
【0146】
図27は、検索式提示部45によって、検索結果に付与されている利用者のグループ別の適合情報に基づいて検索式を提示する処理手順を示すフローチャートである。基本的な処理フローは、前述した図18に示す処理とフローと同様である。図27を参照して説明する。処理を開始すると、まず、ステップ271において、式結果管理部43で管理されている検索式のうち、検索式認識部で認識した検索語を含む検索式に関して、その検索結果を求める。次に、ステップ272において、求めた検索結果から、検索結果に付けられている適合情報を結果適合管理部44を通して調べる。そして、次のステップ273において、各検索式毎に、適合情報が付された検索結果の全検索結果に占める割合(検索式適合度)を求め、その高い検索式を高い順に1個だけ利用者に提示する。この場合の検索式の提示において、それぞれの利用者のグループ別の適合情報に基づいて、適切な検索式の提示が行われる。
【0147】
具体例で説明すると、次々に発行される特許文献について、定期的に、例えば1か月毎に、特定技術分野についてチェックするための検索式をたてようとしている利用者(暗号技術のグループのメンバー)がいるとする。このような利用者が、例えば、検索式を「G06F17/21 AND 検索 AND 頻度」とたてると、検索式認識部51は、この検索式の中の3つの検索語(「G06F17/21」と「検索」と「頻度」)を認識する。
【0148】
そして、式結果管理部43で管理されている検索式のうち、検索式認識部21で認識した検索語を含む検索式に関して、その検索結果が求められる。この場合には、検索語「検索」と「頻度」に対応する検索式はないので、検索語「G06F17/21」を含む検索式のみが求められて、図19に示されるように、式結果管理部で管理されている検索式と検索結果のうち、第1番目の「検索式:G06F15/40 AND G06F17/21」の検索結果と、第2番目の「検索式:G06F17/21」の検索結果の2つだけが、処理対象となる(ステップ271)。
【0149】
つまり、検索式「G06F15/40 AND G06F17/21」の検索結果である「特許2」と、検索式「G06F17/21」の検索結果である「特許1」と「特許2」と「特許3」と「特許4」について、次に、結果適合管理部44を通して、その適合情報または不適合情報を調べる(ステップ272)。
【0150】
そして、検索結果に対応する各々の検索式毎に、適合情報が付けられた検索結果の全検索結果に占める割合(検索式適合度)が求められ、現在の利用者と同じグループによって付けられた適合情報のみを処理対象とし、検索式適合度の高い検索式が、高い順に1個だけ利用者に提示される(ステップ273)。
【0151】
すなわち、この場合、利用者が暗号技術グループのメンバーなので、図26に示したようなグループ名別の適合情報または不適合情報においては、暗号技術グループのメンバーにより付けられた適合情報または不適合情報のみを参照する。その結果、「検索式:G06F15/40 AND G06F17/21」の検索式適合度が100%であり、「検索式:G06F17/21」の検索式適合度が50%なので、検索式の提示としては、検索式「G06F15/40 ANDG06F17/21」だけを提示し、その提示の際のメッセージとして『貴方の技術分野を考慮すると、適合度が非常に高い検索式は「G06F15/40 AND G06F17/21」です。』のように表示する。
【0152】
ところで、検索式提示部45が、利用者の指定した検索式の中の少なくともキーワード,利用情報,日時情報のいずれかに基づいて、前記式結果管理部で管理する検索式を提示するようにも変形できる。次に、この場合の検索式提示部45の処理フローについて説明する。
【0153】
図28は、検索式提示部が、利用者の指定した検索式の中の日時情報に基づいて得た検索結果の検索式から適合度順に検索式を提示する処理手順を示すフローチャートである。基本的な処理フローは、前述した図18に示す処理フローと同様であり、この場合においても、適合情報による検索式適合度に従って、その高い順に検索式を提示する。
【0154】
図28を参照して説明する。処理を開始すると、まず、ステップ281において、式結果管理部43で管理されている検索式のうち、指定した日時以降に検索した検索式に関して、その検索結果を求める。次に、ステップ282において、求めた検索結果から、検索結果に付けられている適合情報を結果適合管理部44を通して調べる。そして、次のステップ283において、各検索式毎に、適合情報が付された検索結果の全検索結果に占める割合(検索式適合度)を求め、その高い検索式を高い順にグループ別に利用者に提示する。この場合の検索式の提示においても、それぞれの利用者のグループ別の適合情報に基づいて、適切な検索式の提示が行われる。
【0155】
前述の場合と同様に、具体例で説明すると、この場合には、利用者が、予め日時情報(例えば、95年)を指定し、その指定した日時情報に基づいて検索式を提示する要求を行う。このため、式結果管理部43で管理されている検索式のうち、指定された日時の95年以降に検索した検索式に関して、その検索結果が求められる。したがって、図19に示されるように、式結果管理部で管理されている検索式と検索結果のうち、この場合には、第1番目の「検索式:G06F15/40 AND G06F17/21」の検索結果と、第3番目の「検索式:G06F17/30」の検索結果と、第4番目の「検索式:G06F19/00」の検索結果の3つが処理対象に該当する(ステップ281)。
【0156】
これにより、検索式「G06F15/40 AND G06F17/21」の検索結果である「特許2」と、検索式「G06F17/30」の検索結果である「特許3」,「特許4」および「特許5」と、検索式「G06F19/00」の検索結果である「特許2」および「特許5」とについて、次に、結果適合管理部44を通して、その適合情報または不適合情報を調べる(ステップ282)。
【0157】
そして、検索結果に対応する各検索式毎に、適合情報が付けられた検索結果の全検索結果に占める割合(検索式適合度)が求められ、検索式適合度の高い検索式を高い順にグループ別に利用者に提示される(ステップ283)。
【0158】
図29は、グループ別に検索結果に付けられた適合情報および不適合情報による検索式の表示例の例を説明する図である。上述のように、この場合には、検索式がグループ別にその検索式適合度の高い順に提示されるので、図29に示すように提示される。すなわち、
『DB技術グループによる適合情報または不適合情報は、
▲1▼「検索式:G06F17/21」については75%が付けられており、その適合度は50%です。
▲2▼「検索式:G06F15/40 AND G06F17/21」については100%が付けられており、その適合度は0%です。
暗号技術グループによる適合情報または不適合情報は、
▲1▼「検索式:G06F15/40 AND G06F17/21」については100%が付けられており、その適合度は、100%です。
▲2▼「検索式:G06F17/21」については75%が付けられており、その適合度は、50%です。』のように提示される。
【0159】
利用者は、図29に示されるような検索式が提示された表示画面を見て、もしも、自分自身の検索したい技術が、データベース(DB)技術に近い技術であり、暗号技術には近くない技術であれば、DB技術グループによる適合度により提示される検索式を注目すればよい。
【0160】
この場合の表示例では、グループ別に付けられた適合情報により、それぞれに提示する検索式がまとめられて表示される。すなわち、利用者の端末の表示画面には、検索式適合度に従って、検索式が、検索式適合度の高い順にテキスト形式のメッセージとして提示されるが、その場合に、グループ別の検索式適合度が、それぞれの内訳としてそれぞれに表示される。
【0161】
以上に説明したように、これらの実施例の情報検索装置によれば、検索結果の適合情報または不適合情報が既にある場合に、その適合情報または不適合情報を有効に利用して、特定の技術分野の注目すべき文献の検索等のために、適切な検索式の作成のための情報を提示することが可能となる。それゆえに、検索結果が本当に欲しい情報かのチェック作業や、検索式作成の試行錯誤の作業プロセスが著しく効率化される。更に、検索式を基にその検索結果の獲得および蓄積を自動的に行い、利用者が検索結果の適合情報または不適合情報を適合情報記入インターフェイス部を通して付加できるようになるので、次回以降の検索時に検索式の適切さについて、より信頼性を増した判断のための情報を利用者に提供できるようになる。
【0162】
なお、以上に説明した本発明の本実施例の説明においては、PATOLIS(JAPIOの特許検索システム)の検索式の記法で検索式を記述して説明したが、本発明は、このような実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第1の実施例にかかる検索式管理装置の構成を示すブロック図、
【図2】 図2は検索式に評価を付ける評価処理の処理フローを示すフローチャート、
【図3】 図3は検索式と検索結果のデータ形式を説明する図、
【図4】 図4は評価体系のデータ形式を説明する図、
【図5】 図5は検索結果と評価結果のデータ形式を説明する図、
【図6】 図6は検索結果に対して評価を付ける評価付与処理の手順を示す処理のフローチャート、
【図7】 図7は検索式に検索日時に関する暗黙の条件がある場合の変更部分の処理手順を示すフローチャート、
【図8】 図8は本発明の検索式管理装置が適用されるネットワーク検索システムの要部のシステム構成を示すブロック図、
【図9】 図9はグラフや図表を多用した評価結果の別の表示例を説明する図、
【図10】 図10は第2の実施例の検索式管理装置の構成を示すブロック図、
【図11】 図11は第2の実施例の検索結果と評価結果のデータ形式を説明する図、
【図12】 図12はグループ別・評価体系別の検索式の評価結果の表示例の第1の例を説明する図、
【図13】 図13はグループ別・評価体系別の検索式の評価結果の表示例の第2の例を説明する図、
【図14】 図14はグループ別・(グループ内)個人別・評価体系別の検索式の評価結果の表示例の例を説明する図、
【図15】 図15は本発明の第3の実施例の検索式管理装置による評価結果の表示例を説明する図、
【図16】 図16は本発明の第3の実施例の検索式管理装置による検索式評価処理の処理フローのフローチャート、
【図17】 図17は本発明の第4の実施例にかかる情報検索装置の構成を示すブロック図、
【図18】 図18は検索式提示部45によって、検索結果に付与されている適合情報に基づいて検索式を提示する処理手順を示すフローチャート、
【図19】 図19は式結果管理部43における検索式と検索結果のデータ形式を説明する図、
【図20】 図20は検索結果とその適合情報および不適合情報のデータ形式を説明する図、
【図21】 図21は検索式提示部45によって、検索結果に付与されている不適合情報に基づいて検索式を提示する処理手順を示すフローチャート、
【図22】 図22はグラフや図表を多用した検索式と検索式適合度および検索式不適合度の別の表示例を説明する図、
【図23】 図23は適合情報記入インターフェイス部による適合情報/不適合情報の付与の処理を説明するフローチャート、
【図24】 図24は適合情報記入インターフェイス部のユーザインターフェイスの一例を説明する表示画面、
【図25】 図25は第5の実施例として説明する情報検索装置の構成を示すブロック図、
【図26】 図26は第5の実施例の検索結果とそれに付与した適合情報または不適合情報のデータ構造を説明する図、
【図27】 図27は検索式提示部によって検索結果に付与されている利用者のグループ別の適合情報に基づいて検索式を提示する処理手順を示すフローチャート、
【図28】 図28は検索式提示部が利用者の指定した検索式の中の日時情報に基づいて得た検索結果の検索式から適合度順に検索式を提示する処理手順を示すフローチャート、
【図29】 図29はグループ別に検索結果に付けられた適合情報および不適合情報による検索式の表示例の例を説明する図である。
【符号の説明】
12…式結果管理部、13…評価体系管理部、14…結果評価管理部、15…検索式評価処理部、16…検索式評価表示部、17…評価記入インターフェイス部、18…検索処理部、19…利用者認識部、31…ネットワーク、32検索結果評価データベース、33…検索式データベース、34…評価体系データベース、35…文献(特許明細書)データベース、36…検索式管理装置、37…検索式履歴データベース、41…情報検索装置、42…検索処理部、43…式結果管理部、44…結果適合管理部、45…検索式提示部、46…適合情報記入インターフェイス部、50…情報検索装置、51…検索式認識部、52…利用者認識部。
Claims (5)
- 検索式と該検索式の検索結果との対応関係を管理する式結果管理部と、
評価体系を管理する評価体系管理部と、
前記評価体系管理部における特定の評価体系に基づいて検査結果に予め利用者により付された評価と該検索結果との対応関係を管理する結果評価管理部と、
検索式の検索結果に付された評価に基づいて該検索式を評価する検索式評価処理部と
を備える検索式管理装置において、
前記検索式評価処理部は、前記式結果管理部の情報を用いて検索結果から検索式を獲得する機能を持つ
ことを特徴とする検索式管理装置。 - 請求項1に記載の検索式管理装置において、更に、
検索式評価処理部により付けられた評価に基づいた検索式評価の表示を行う検索式評価表示部
を備えることを特徴とする検索式管理装置。 - 請求項1に記載の検索式管理装置において、更に、
利用者が検索結果に対して評価体系による評価値を付与するための評価記入インターフェイス部を具備することを特徴とする検索式管理装置。 - 請求項1に記載の検索式管理装置において、
前記検索式評価処理部は、検索式の検索結果を獲得する際に当該検索式の検索日時に応じた獲得機能を持つ
ことを特徴とする検索式管理装置。 - 請求項1に記載の検索式管理装置において、
前記検索式評価処理部が、検索式の検索結果を獲得する際に当該検索式を構成している要素の予約語を分解して獲得する機能を持つ
ことを特徴とする検索式管理装置。
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