JP3757482B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、更に詳しくは、半導体装置の製造ラインにおいて製造すべき半導体装置の数量を最適化し得る半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
月刊Semiconductor World 1995.1 第104〜107頁の「半導体生産ラインとその管理」、同第108〜113頁「多品種少量生産ラインにおけるCIM」に掲載されているように、半導体装置(以下、製品と呼ぶ場合もある)の製造ラインにおいては、CIM(Computer Integrated Manufacturing)の導入により、半導体装置の生産の効率化、多品種少量生産への対応、短納期化、低コスト化が進められつつある。特に、市場要求を背景とした多品種少量生産が要求される半導体装置の生産ラインにおいては、生産ラインへのウエハの投入計画が非常に重要であり、製品の納期や、予め決められた製品歩留まり及び製品収率に基づき、製造ラインへのウエハの最適投入枚数、及び製造ラインの製品毎の割り振りを決定しなければならない。製造ラインへのウエハの投入枚数が多過ぎると、製品が無駄になり、過剰在庫が生じ、あるいは又、他の品種の製品の生産数量や納期に影響が出てしまう。一方、製造ラインへのウエハの投入枚数が少な過ぎると、納期に影響が出てしまう。
【0003】
通常、半導体装置の製造においては、複数の半導体チップをウエハに製造する。そして、かかるウエハに対して、各半導体チップの良否をプローブカード等を用いて検査する。この検査(ペレットチェックとも呼ばれる)において得られた良品率を、本明細書では製品歩留まりと呼び、「Y」で表す。その後、ウエハを切断して得られた半導体チップの内、良品を組み立て、かかる組み立てられた半導体チップ(即ち、半導体装置)を検査する。この検査(ファイナルチェックとも呼ばれる)において得られた良品率を、本明細書では製品収率と呼び、「S」で表す。製品収率には、後述するスピード収率及び消費電力収率が含まれる。製品歩留まり及び製品収率を100%としたときの、1枚のウエハから作られる半導体装置の個数(理論収率である)をkとしたとき、実際に1枚のウエハから得られる半導体装置の個数Nは、k×Y0×ST0で表すことができる。ここで、Y0は予め設定された総合製品歩留まり、ST0は予め設定された総合製品収率である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
実際の製品歩留まり及び製品収率は、半導体装置の製造工程における各種の変動要因に依存して、大きく変動する。即ち、実際の製品歩留まりは、半導体装置の製造工程における、例えば、ダスト量、合わせずれ量、加工寸法の設計寸法との差、半導体装置の製造装置のトラブル等に大きく影響される。また、製品収率は、加工線幅や成膜された各種の膜の厚さに大きく影響される。それ故、予め決められた製品歩留まりや製品収率と実際の製品歩留まりや製品収率との間に差異が発生し、ウエハの最適投入枚数の決定の上で大きな障害となっている。
【0005】
ウエハ投入枚数を決める要素の1つである製品歩留まりを向上させるために、ダストの検出技術や評価技術が実用化されている。月刊Semiconductor World 1992.4 第116〜121頁の「ウェーハ表面パーティクル検出・評価技術」には、半導体装置の各製造工程で発生するダストをウエハ上でモニターすることを可能にする技術が掲載されている。このダストのモニター技術は、半導体装置の製品歩留まりを低下させている工程を特定し、この特定された工程に対してダスト対策を施すことにより製品歩留まりを改善する上で、非常に有効である。従来のダストの検出技術や評価技術の目的と効果を示すブロック図を図24に示す。しかしながら、これらの技術に基づき、予め決められた製品歩留まりと実際の製品歩留まりとを関連させて、半導体装置の製造ラインに投入すべきウエハの枚数を最適化するといった技術は知られていない。
【0006】
あるいは又、製品歩留まりを向上させるために、合わせずれ量及び/又は加工寸法の検出技術や評価技術が実用化されている。この合わせずれ量及び/又は加工寸法の検出は、製品歩留まりを低下させている工程の特定と、この特定された工程に対して、合わせずれ量及び/又は加工寸法の最適化対策を施すことにより製品歩留まりを改善する上で、非常に有効である。従来の合わせずれ量及び/又は加工寸法の検出技術や評価技術の目的と効果を示すブロック図を図25に示す。しかしながら、これらの技術に基づき、予め決められた製品歩留まりと実際の製品歩留まりとを関連させて、半導体装置の製造ラインに投入すべきウエハの枚数を最適化するといった技術は知られていない。
【0007】
半導体装置の加工線幅、特に半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート電極のゲート長、あるいは又、ゲート酸化膜の膜厚は、トランジスタ素子の動作速度を決定する上で非常に重要な要因である。それ故、半導体装置の設計の際、トランジスタ素子の動作速度といったトランジスタ能力と、ゲート長及び/又はゲート酸化膜の膜厚との関係は十分に吟味されている。従来の最適ゲート長及び/又は最適ゲート酸化膜の膜厚を決定する方法を示すブロック図を図26に示す。しかしながら、半導体装置の製造工程において、ゲート長及び/又はゲート酸化膜の膜厚のばらつきを抑えるには限界がある。そして、これらのばらつきに依存して、スピード収率や消費電力収率といった製品収率が半導体装置の製造ロットによって大きくばらつき、製品供給数量を不安定にする要因となっている。
【0008】
ここで、スピード収率SS及び消費電力収率SWとは、先に説明したように、ウエハを切断して得られた半導体チップの内、良品を組み立て、かかる組み立てられた半導体チップ(即ち、半導体装置)を検査して得られた良品率である。尚、スピード収率SSとは、動作速度に関する製品仕様(スペック)範囲内にある半導体装置の割合を示す値である。また、消費電力収率SWとは、消費電力に関する製品仕様(スペック)範囲内にある半導体装置の割合を示す値である。
【0009】
図2に示すように、トランジスタ素子のゲート電極のゲート長が短くなる程、スピード収率SSは向上するが、消費電力収率SWは低下する。消費電力は、半導体装置におけるトランジスタ素子のサブスレッショルド電流値と相関があるので、ゲート長と消費電力との間にも相関がある。一般に、スピード収率SSは、或る値(図2の(A)の値a参照)のゲート長以下では100%であり、かかる或る値aを超えるとスピード収率は低下する。一方、消費電力収率SWは、或る値(図2の(B)の値b参照)のゲート長以上においては100%であり、かかる或る値bを下回ると消費電力収率は低下する。一方、従って、通常、半導体装置の設計においては、ゲート長の値として「b」(例えば0.34μm)を用いる。
【0010】
一方、図7に示すように、トランジスタ素子のゲート酸化膜の膜厚が薄くなる程、スピード収率SS及び消費電力収率SWは向上する。従って、通常、半導体装置の設計においては、ゲート酸化膜の膜厚として、消費電力収率SWが100%となるゲート酸化膜の膜厚の内の最大値(例えば9nm)を用いる。
【0011】
従来、予め決められた製品歩留まり及び製品収率に対してある程度の余裕(マージン)を与え、半導体装置の製造ラインに多めのウエハを投入している。然るに、余裕を与えられた製品歩留まりや製品収率と実際の製品歩留まりや製品収率との間に差異が無い若しくは小さい場合、製品が無駄になり、あるいは又、製品在庫が多くなるといった問題や、製造ラインへの他の半導体装置の投入量が制限されるといった問題が生じる。一方、予め決められた製品歩留まりや製品収率に余裕(マージン)を与えない場合、半導体装置の最終チェック工程(ペレットチェックやファイナルチェック)において所望の製品数量が確保できなくなったとき、再度、かかる半導体装置を追加して製造しなければならず、製品の納期遅れが生じたり、他の製品の生産計画に乱れが生じるといった問題を引き起こす。
【0012】
従って、本発明の目的は、半導体装置の製造ラインにおいて製造すべき半導体装置の数量を最適化することができ、製品が無駄になったり、製品在庫が多くなるといった問題を回避でき、しかも、所望の製品数量を確保することを可能とし、製品の納期遅れを回避でき、他の製品の生産計画に乱れを生じさせることがなく、しかも、製造ラインへの他の半導体装置の投入を効果的に行うことを可能にする半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る半導体装置の製造方法は、
(イ)半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート電極形成工程において、ゲート長を測定し、
(ロ)予め求められたゲート長と製品収率の関係、及び測定されたゲート長に基づき、製品収率を予測し、
(ハ)予測された製品収率に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める、
各工程を含むことを特徴とする。
【0014】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る半導体装置の製造方法は、
(イ)半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート酸化膜形成工程において、ゲート酸化膜の膜厚を測定し、
(ロ)予め求められたゲート酸化膜の膜厚と製品収率の関係、及び測定されたゲート酸化膜の膜厚に基づき、製品収率を予測し、
(ハ)予測された製品収率に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める、
各工程を含むことを特徴とする。
【0015】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る半導体装置の製造方法は、
(イ)半導体装置の所定の製造工程においてウエハ上に付着したダスト量を測定し、
(ロ)予め求められたダスト量と製品歩留まりの関係、及び測定されたダスト量に基づき、製品歩留まりを予測し、
(ハ)予測された製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める、
各工程を含むことを特徴とする。
【0016】
上記の目的を達成するための本発明の第4の態様に係る半導体装置の製造方法は、
(イ)半導体装置の所定の製造工程において発生した合わせずれ量を測定し、
(ロ)予め求められた合わせずれ量と製品歩留まりの関係、及び測定された合わせずれ量に基づき、製品歩留まりを予測し、
(ハ)予測された製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める、
各工程を含むことを特徴とする。
【0017】
上記の目的を達成するための本発明の第5の態様に係る半導体装置の製造方法は、
(イ)半導体装置の所定の製造工程において発生した加工寸法の設計寸法からの差を測定し、
(ロ)予め求められた加工寸法と設計寸法との差と製品歩留まりの関係、及び測定された差に基づき、製品歩留まりを予測し、
(ハ)予測された製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める、
各工程を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の第1乃至第5の態様に係る半導体装置の製造方法においては、前記工程(ハ)において求められた半導体装置の予測個数が製造すべき半導体装置の個数より少ない場合、少なくとも、製造すべき半導体装置の個数から半導体装置の予測個数を減じた個数の半導体装置を再び製造する形態を挙げることができる。あるいは又、前記工程(ハ)において求められた半導体装置の予測個数が製造すべき半導体装置の個数より多い場合、多くとも、半導体装置の予測個数から製造すべき半導体装置の個数を減じた個数の別種の半導体装置を製造する形態を挙げることができる。
【0019】
上記の目的を達成するための本発明の第6の態様に係る半導体装置の製造方法は、
(イ)半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート酸化膜形成工程においてゲート酸化膜の膜厚を測定し、及び/又は、ゲート電極形成工程においてゲート長を測定し、予め求められたゲート酸化膜の膜厚と製品収率の関係、及び/又は、予め求められたゲート長と製品収率の関係、並びに、測定されたゲート酸化膜の膜厚及び/又はゲート長に基づき、製品収率を予測し、
(ロ)半導体装置の所定の製造工程においてウエハ上に付着したダスト量を測定し、予め求められたダスト量と製品歩留まりの関係、及び測定されたダスト量に基づき、製品歩留まりを予測し、
(ハ)半導体装置の所定の製造工程において発生した合わせずれ量を測定し、予め求められた合わせずれ量と製品歩留まりの関係、及び測定された合わせずれ量に基づき、製品歩留まりを予測し、
(ニ)半導体装置の所定の製造工程において発生した加工寸法の設計寸法からの差を測定し、予め求められた加工寸法と設計寸法との差と製品歩留まりの関係、及び測定された差とに基づき、製品歩留まりを予測し、
(ホ)測定されたゲート酸化膜の膜厚及び/又はゲート長に基づき工程(イ)にて予測された製品収率、並びに、工程(ロ)、(ハ)及び(ニ)にて予測された製品歩留まりの内、少なくとも1つの製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める、
各工程を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の第6の態様に係る半導体装置の製造方法においては、前記工程(ホ)において求められた半導体装置の予測個数が製造すべき半導体装置の個数より少ない場合、少なくとも、製造すべき半導体装置の個数から半導体装置の予測個数を減じた個数の半導体装置を再び製造する形態を挙げることができる。あるいは又、前記工程(ホ)において求められた半導体装置の予測個数が製造すべき半導体装置の個数より多い場合、多くとも、半導体装置の予測個数から製造すべき半導体装置の個数を減じた個数の別種の半導体装置を製造する形態を挙げることができる。
【0021】
上記の目的を達成するための本発明の第7の態様に係る半導体装置の製造方法は、
(イ)半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート酸化膜形成工程において、ゲート酸化膜の膜厚を測定し、
(ロ)予め求められたゲート酸化膜の膜厚と製品収率の関係、及び測定されたゲート酸化膜の膜厚に基づき、製品収率を予測し、
(ハ)予測された製品収率が所定の値より低い場合、ゲート酸化膜を除去し、再び、ゲート酸化膜を形成する、
各工程を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明においては、ゲート長やゲート酸化膜の膜厚を測定し、製品収率を予測する。あるいは又、ダスト量、合わせずれ量や、加工寸法の設計寸法からの差を測定し、製品歩留まりを予測する。従って、半導体装置の最終チェック工程(ペレットチェックやファイナルチェック)以前の工程において、所望の製品数量が確保できるか否かを速やかに予測することが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、発明の実施の形態(以下、単に実施の形態と呼ぶ)に基づき本発明を説明する。尚、実施の形態1及び実施の形態2は、本発明の第1の態様に係る半導体装置の製造方法に関し、実施の形態3及び実施の形態4は、本発明の第2の態様あるいは第7の態様に係る半導体装置の製造方法に関し、実施の形態5及び実施の形態6は、本発明の第3の態様に係る半導体装置の製造方法に関し、実施の形態7及び実施の形態8は、本発明の第4の態様に係る半導体装置の製造方法に関し、実施の形態9及び実施の形態10は、本発明の第5の態様に係る半導体装置の製造方法に関する。更に、実施の形態11及び実施の形態12は、本発明の第6の態様に係る半導体装置の製造方法に関する。
【0024】
(実施の形態1)
実施の形態1は、本発明の第1の態様に係る半導体装置の製造方法に関する。即ち、実施の形態1においては、半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート電極形成工程において、ゲート長を測定し、予め求められたゲート長と製品収率の関係、及び測定されたゲート長に基づき、製品収率を予測する。そして、必要に応じて、予測された製品収率に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。実施の形態1における半導体装置の製造方法の流れを図1に示す。
【0025】
実施の形態1において、半導体装置の製造ラインに投入すべきウエハの枚数Wは、予め設定されたスピード収率SS0、及び、予め設定された消費電力収率SW0の積である設定総合製品収率ST0(=SS0×SW0)に基づき、決定される。即ち、製造すべき半導体装置の個数をNTとしたとき、投入すべきウエハの枚数Wは、以下の式(1)から求めることができる。尚、Y0は予め設定された総合製品歩留まりである。ここで、スピード収率SS0及び消費電力収率SW0の値は、今までの実績やシミュレーション・データを基に予め決定される。尚、ウエハの枚数の計算においては、割り算の結果を切り上げ、値を整数とする。以下においても同様である。
【0026】
【数1】
W=NT/(ST0×Y0×k) (1)
【0027】
ゲート長と製品収率の関係(図2の(A)及び(B)参照)を、今までの実績やシミュレーション・データを基に予め求めておく。尚、実施の形態1における製品収率は、スピード収率SS及び消費電力収率SWである。
【0028】
半導体装置の製造ラインに投入されたウエハにおいては、半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート電極形成工程にてゲート電極が形成される。即ち、ゲート電極は、ゲート酸化膜が形成されたウエハ(半導体基板)上に、例えば多結晶シリコン層をCVD法にて成膜し、更にその上にタングステンシリサイド層をスパッタ法にて成膜した後、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき形成される。
【0029】
通常、フォトリソグラフィ技術において用いられるフォトマスクに形成されたパターン寸法のばらつき、露光装置のディストーション、塗布されたレジスト材料の厚さのばらつき、露光・現像後のレジスト材料の寸法ばらつき、ドライエッチングにおけるばらつき等に起因して、ゲート長がばらつく。形成されたゲート電極のゲート長を、例えば走査型電子顕微鏡等の測長手段を用いて測定する。ゲート長の測定は、1枚のウエハにつき5点程度とすればよい。尚、ゲート長の測定は、トランジスタ素子の動作速度に最も影響を与えるゲート電極を対象とすることが好ましい。例えば、半導体装置がSRAM素子から成る場合、所謂バッファ回路のトランジスタ素子の電流駆動能力が高い程、トランジスタ素子の動作速度は速くなる。即ち、バッファ回路のトランジスタ素子のゲート長が短い程、トランジスタ素子の動作速度は早くなる。従って、このバッファ回路のトランジスタ素子のゲート長を測定することが好ましい。
【0030】
測定されたゲート長に基づき、製品収率を予測する。即ち、図2の(A)及び(B)に示したゲート長と製品収率の関係に基づき、測定されたゲート長の平均値から製品収率(スピード収率SS_E及び消費電力収率SW_E)を予測する。そして、これらの予測された製品収率(SS_E及びSW_E)に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数NEを、以下の式(2)から求める。
【0031】
【数2】
Figure 0003757482
【0032】
式(2)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しい場合には、次回の半導体装置の製造を計画通りとする。言い換えれば、予測された製品収率の値ST_E(=SS_E×SW_E)と、ST0の値が等しい場合には、次回の半導体装置の製造を計画通りとする。
【0033】
一方、求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTよりも少ない場合には、言い換えれば、予測された製品収率ST_Eの値がST0の値よりも小さい場合には、少なくとも、製造すべき半導体装置の個数NTから半導体装置の予測個数を減じた個数NEの半導体装置を再び製造する。具体的には、以下の式(3)に基づき、半導体装置の製造ラインに投入すべき不足分のウエハの枚数W’を求め、かかる枚数のウエハを緊急投入し、あるいは又、次回の半導体装置の製造ロットにおいて投入すべきウエハの枚数に追加する。尚、NEの値が所定の値以下である場合には、言い換えれば、予測された製品収率の値ST_Eが所定の値以下の場合には、これ以上半導体装置を製造しても多数の不良品しか得られないと判断できるので、半導体装置の製造を中止し、新たにウエハを再投入するといった態様をとることもできる。
【0034】
【数3】
W’=(NT−NE)/(ST0×Y0×k) (3)
【0035】
他方、求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTより多い場合には、言い換えれば、予測された製品収率の値ST_EがST0を超える場合には、過剰に半導体装置が製造されることが予想される。この予想される過剰分の半導体装置の個数をウエハの枚数ΔWに換算すると、以下の式(4)のとおりとなる。
【0036】
【数4】
ΔW=(NE−NT)/(ST_E×k) (4)
【0037】
それ故、次回の半導体装置の製造ロットにおいてΔW枚だけ減じた枚数のウエハを投入する。これによって、最大(即ち、多くとも)、半導体装置の予測個数NEから製造すべき半導体装置の個数NTを減じた個数の別種の半導体装置を製造することが可能となる。具体的には、以下の式(5)に基づき予測された個数NT’の別種の半導体装置を製造することが可能となる。
【0038】
【数5】
T’=ST0’×Y0’×k’×ΔW (5)
【0039】
ここで、ST0’は別種の半導体装置における設定総合製品収率であり、別種の半導体装置における予め設定されたスピード収率SS0’、及び、予め設定された消費電力収率SW0’の積である。また、Y0’及びk’は、別種の半導体装置における設定総合製品歩留まり及び理論収率である。
【0040】
尚、式(2)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しいか否かの評価(言い換えれば、予測された製品収率の値ST_EとST0の値が等しいか否かの評価)は、数学的に厳密に行う必要はなく、実際の半導体装置の製造プロセス、納期、製品在庫数量等を考慮して決定すればよい。求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTよりも少ないか否かの評価(言い換えれば、予測された製品収率ST_Eの値がST0の値よりも小さいか否かの評価)、求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTよりも多いか否かの評価(言い換えれば、予測された製品収率ST_Eの値がST0の値よりも大きいか否かの評価)も同様である。以下の実施の形態の説明においても同様である。
【0041】
(実施の形態2)
実施の形態2は実施の形態1の変形である。即ち、実施の形態2においては、半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート電極形成工程において、ゲート長を測定し、予め求められたゲート長と製品仕様を満足する確率の関係、及び測定されたゲート長に基づき、製品仕様を満足する確率を求め、かかる製品仕様を満足する確率から製品収率を予測する。そして、必要に応じて、この予測された製品収率に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。実施の形態2における半導体装置の製造方法の流れを図3に示す。尚、以下においては、ペレットチェックを受け得る状態の半導体チップとして未だ完成しておらず、工程途中にある状態のものを、便宜上、チップと呼ぶ。より具体的には、各チップ毎にゲート長を測定し、それぞれのチップが動作速度に関する製品仕様(スペック)を満たす確率、及び消費電力に関する製品仕様(スペック)を満たす確率を求め、これらの確率から製品収率を予測する。そして、必要に応じて、予測された製品収率に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。
【0042】
ゲート長は、通常、ウエハ面内でチップ毎にその分布の中心値及び分散σ2が異なる。一般に、ウエハの中心部に位置するチップにおけるゲート長の分散σ2は、ウエハの周辺部に位置するチップにおけるゲート長の分散σ2よりも小さい。また、レジスト材料の塗布厚は、通常、ウエハの中心部よりもウエハの周辺部の方が厚くなるため、ウエハの中心部に位置するチップにおけるゲート長の方が、ウエハの周辺部に位置するチップにおけるゲート長よりも短くなる傾向にある。ウエハの中心部及び周辺部に位置するチップにおけるゲート長とトランジスタ素子の個数の関係を、それぞれ、図4の(A)及び(B)に例示する。これらのゲート長の分布及び分散σ2の大きさに基づき、ゲート長と製品仕様を満足する確率の関係(図5の(A)及び(B)参照)を、今までの実績やシミュレーション・データを基に予め求めておく。尚、実施の形態2においても、半導体装置の製造ラインに投入すべきウエハの数量Wを、式(1)から求めることができる。
【0043】
半導体装置の製造ラインに投入されたウエハにおいては、半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート電極形成工程にてゲート電極が形成される。形成されたゲート電極のゲート長を、例えば走査型電子顕微鏡等の測長手段を用いて測定する。ゲート長の測定は、チップ1つにつき少なくとも1点すればよい。尚、ゲート長の測定は、トランジスタ素子の動作速度に最も影響を与えるゲート電極を対象とすることが好ましい。
【0044】
測定されたゲート長に基づき、製品仕様を満足する確率を求める。即ち、図5の(A)及び(B)に示したゲート長と製品仕様を満足する確率の関係に基づき、i番目のチップ(但し、i=1,2,・・・kであり、kは理論収率である)にて測定されたゲート長から動作速度に関する製品仕様(スペック)を満たす確率PS_i、及び消費電力に関する製品仕様(スペック)を満たす確率PW_iを求める。
【0045】
そして、これらの求められた製品仕様を満足する確率(PS_i及びPW_i)から製品収率ST_Eを、下記の式(6)に基づき予測する。そして、式(6)から得られた製品収率ST_Eに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数NEを、以下の式(7)から求める。
【0046】
【数6】
Figure 0003757482
【0047】
【数7】
E=ST_E×Y0×W×k (7)
【0048】
式(7)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しい場合には、次回の半導体装置の製造を計画通りとする。言い換えれば、予測された製品収率ST_Eの値と、ST0の値が等しい場合には、次回の半導体装置の製造を計画通りとする。
【0049】
一方、求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTよりも少ない場合には、言い換えれば、予測された製品収率ST_Eの値がST0の値より小さい場合には、少なくとも、製造すべき半導体装置の個数NTから半導体装置の予測個数を減じた個数NEの半導体装置を再び製造する。具体的には、式(3)に基づき、半導体装置の製造ラインに投入すべき不足分のウエハの枚数W’を求め、かかる枚数のウエハを緊急投入し、あるいは又、次回の半導体装置の製造ロットにおいて投入すべきウエハの枚数に追加する。尚、NEの値が所定の値以下である場合には、言い換えれば、予測された製品収率ST_Eの値が所定の値以下の場合には、これ以上半導体装置を製造しても多数の不良品しか得られないと判断できるので、半導体装置の製造を中止し、新たにウエハを再投入するといった態様をとることもできる。
【0050】
他方、求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTより多い場合には、言い換えれば、予測された製品収率の値ST_EがST0を超える場合には、過剰に半導体装置が製造されることが予想される。この予想される過剰分の半導体装置の個数をウエハの枚数ΔWに換算すると、以下の式(8)のとおりとなる。
【0051】
【数8】
ΔW=(NE−NT)/(ST_E×Y0×k) (8)
【0052】
それ故、次回の半導体装置の製造ロットにおいてΔW枚だけ減じた枚数のウエハを投入する。これによって、最大(即ち、多くとも)、半導体装置の予測個数NEから製造すべき半導体装置の個数NTを減じた個数の別種の半導体装置を製造することが可能となる。具体的には、式(5)に基づき予測された個数NT’の別種の半導体装置を製造することが可能となる。
【0053】
尚、ゲート長と製品仕様を満足する確率の関係は、図5の(A)及び(B)に示した例に限定されない。例えば、製品仕様を満足する確率を「0」及び「1」とすることもできる。即ち、或るチップにおけるゲート長が、例えば、動作速度に関する製品仕様(スペック)範囲内に入っていれば、動作速度に関する製品仕様(スペック)を満たす確率PS_iを「1」とし、入っていなければ、確率PS_iを「0」としてもよい。消費電力に関する製品仕様(スペック)を満たす確率PW_iについても同様とすることができる。
【0054】
実施の形態2においては、各チップ毎にゲート長を測定し、製品仕様を満足する確率を求めるので、得られる半導体装置の予測個数NEの精度を、実施の形態1より高めることができる。
【0055】
(実施の形態3)
実施の形態3は、本発明の第2の態様あるいは第7の態様に係る半導体装置の製造方法に関する。即ち、実施の形態3においては、半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート酸化膜形成工程において、ゲート酸化膜の膜厚を測定し、予め求められたゲート酸化膜の膜厚と製品収率の関係、及び測定されたゲート酸化膜の膜厚に基づき、製品収率を予測する。そして、必要に応じて、予測された製品収率に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。あるいは又、予測された製品収率が所定の値より低い場合、ゲート酸化膜を除去し、再び、ゲート酸化膜を形成する。実施の形態3における半導体装置の製造方法の流れを図6に示す。実施の形態3においても、半導体装置の製造ラインに投入すべきウエハの枚数Wは、式(1)から求めることができる。
【0056】
ゲート酸化膜の膜厚と製品収率の関係(図7の(A)及び(B)参照)を、今までの実績やシミュレーション・データを基に予め求めておく。尚、実施の形態3における製品収率も、スピード収率SS及び消費電力収率SWである。
【0057】
半導体装置の製造ラインに投入されたウエハにおいては、半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート酸化膜形成工程において、ウエハ(半導体基板)の表面を酸化することによってゲート酸化膜が形成される。形成されたゲート酸化膜の膜厚は、例えばゲート酸化膜を照射したレーザ光の反射光をモニターする膜厚測定手段を用いて測定することができる。ゲート酸化膜の膜厚測定は、1枚のウエハにつき5点程度とすればよい。
【0058】
測定されたゲート酸化膜の膜厚に基づき、製品収率を予測する。即ち、図7の(A)及び(B)に示したゲート酸化膜の膜厚と製品収率の関係に基づき、測定されたゲート酸化膜の膜厚の平均値から製品収率(スピード収率SS_E及び消費電力収率SW_E)を予測する。そして、これらの予測された製品収率(SS_E及びSW_E)に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数NEを、式(2)から求める。
【0059】
式(2)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しい場合、少ない場合、超える場合のそれぞれの処理は、言い換えれば、ST_E=ST0、ST_E<ST0、ST_E>ST0の場合のそれぞれの処理は、実施の形態1にて説明したと同様とすればよい。尚、NEの値が所定の値以下である場合には、言い換えれば、予測された製品収率の値ST_Eが所定の値以下の場合には、これ以上半導体装置を製造しても多数の不良品しか得られないと判断できるので、形成されたゲート酸化膜を除去し、再びゲート酸化膜形成工程においてゲート酸化膜を形成し直すといった態様をとることもできる。
【0060】
(実施の形態4)
実施の形態4は実施の形態3の変形である。即ち、実施の形態4においては、半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート酸化膜形成工程においてゲート酸化膜の膜厚を測定し、予め求められたゲート酸化膜の膜厚と製品仕様を満足する確率の関係、及び測定されたゲート酸化膜の膜厚に基づき、製品仕様を満足する確率を求め、かかる製品仕様を満足する確率から製品収率を予測する。そして、必要に応じて、予測された製品収率に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。実施の形態4における半導体装置の製造方法の流れを図8に示す。より具体的には、各チップ毎にゲート酸化膜の膜厚を測定し、それぞれのチップが動作速度に関する製品仕様(スペック)を満たす確率、及び消費電力に関する製品仕様(スペック)を満たす確率を求め、これらの確率から製品収率を予測する。そして、必要に応じて、予測された製品収率に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。
【0061】
ゲート酸化膜の膜厚は、通常、ウエハ面内でチップ毎にその分布の中心値及び分散σ2が異なる。一般に、ウエハの中心部に位置するチップにおけるゲート酸化膜の膜厚の分散σ2は、ウエハの周辺部に位置するチップにおけるゲート酸化膜の膜厚の分散σ2よりも小さい。また、ウエハの中心部に位置するチップにおけるゲート酸化膜の膜厚の方が、ウエハの周辺部に位置するチップにおけるゲート酸化膜の膜厚よりも厚くなる傾向にある。ウエハの中心部及び周辺部に位置するチップにおけるゲート酸化膜の膜厚とトランジスタ素子の個数の関係を、それぞれ、図9の(A)及び(B)に例示する。これらのゲート酸化膜の膜厚の分布及び分散σ2の大きさに基づき、ゲート酸化膜の膜厚と製品仕様を満足する確率の関係(図10の(A)及び(B)参照)を、今までの実績やシミュレーション・データを基に予め求めておく。尚、実施の形態4においても、半導体装置の製造ラインに投入すべきウエハの数量Wは、式(1)から求めることができる。
【0062】
半導体装置の製造ラインに投入されたウエハにおいては、半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート酸化膜形成工程にてゲート酸化膜が形成される。形成されたゲート酸化膜の膜厚は、例えばゲート酸化膜を照射したレーザ光の反射光をモニターする膜厚測定手段を用いて測定することができる。ゲート酸化膜の膜厚測定は、チップ1つにつき少なくとも1点とすればよい。尚、ゲート酸化膜の膜厚は半導体装置を作製する実際のウエハにおいて測定してもよいし、モニター用ウエハ(パターンが形成されていないウエハ)にて測定してもよい。
【0063】
測定されたゲート酸化膜の膜厚に基づき、製品仕様を満足する確率を求める。即ち、図10の(A)及び(B)に示したゲート酸化膜の膜厚と製品仕様を満足する確率の関係に基づき、i番目のチップ(但し、i=1,2,・・・kであり、kは理論収率である)にて測定されたゲート酸化膜の膜厚から動作速度に関する製品仕様(スペック)を満たす確率PS_i、及び消費電力に関する製品仕様(スペック)を満たす確率PW_iを求める。
【0064】
そして、これらの求められた製品仕様を満足する確率(PS_i及びPW_i)から製品収率ST_Eを式(6)に基づき予測する。そして、式(6)から得られた製品収率ST_Eに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数NEを式(7)から求めることができる。
【0065】
式(7)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しい場合、少ない場合、超える場合のそれぞれの処理は、言い換えれば、ST_E=ST0、ST_E<ST0、ST_E>ST0の場合のそれぞれの処理は、実施の形態3にて説明したと同様とすればよい。
【0066】
尚、ゲート酸化膜の膜厚と製品仕様を満足する確率の関係は、図10の(A)及び(B)に示した例に限定されない。例えば、製品仕様を満足する確率を「0」及び「1」とすることもできる。即ち、或るチップにおけるゲート酸化膜の膜厚が、例えば、動作速度に関する製品仕様(スペック)範囲内に入っていれば、動作速度に関する製品仕様(スペック)を満たす確率PS_iを「1」とし、入っていなければ、確率PS_iを「0」としてもよい。消費電力に関する製品仕様(スペック)を満たす確率PW_iについても同様とすることができる。
【0067】
実施の形態4においては、各チップ毎にゲート酸化膜の膜厚を測定し、製品仕様を満足する確率を求めるので、得られる半導体装置の予測個数NEの精度を、実施の形態3より高めることができる。
【0068】
(実施の形態5)
実施の形態5は、本発明の第3の態様に係る半導体装置の製造方法に関する。即ち、実施の形態5においては、半導体装置の所定の製造工程においてウエハ上に付着したダスト量を測定し、予め求められたダスト量と製品歩留まりの関係、及び測定されたダスト量に基づき、製品歩留まりを予測する。そして、必要に応じて、予測された製品歩歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。実施の形態5における半導体装置の製造方法の流れを図11に示す。
【0069】
実施の形態5において、半導体装置の製造ラインに投入すべきウエハの枚数Wは、今までの製品歩留まり実績や他の半導体装置の製品歩留まり実績Y0
(予め設定された総合製品歩留まり)に基づき、以下の式(9)から決定される。尚、設定総合製品歩留まりY0は、各工程における製品歩留まり実績Yj(但し、jは製品歩留まりに影響する工程の総数)の積(即ち、Y0=Y1×Y2×・・・×Yj)であり、製品歩留まり実績Yjのそれぞれは、今までの製品歩留まり実績や他の半導体装置の製品歩留まり実績から求める。
【0070】
【数9】
W=NT/(ST00×k) (9)
【0071】
ダスト量と製品歩留まりの関係(図12参照)を、今までの実績を基に予め求めておく。
【0072】
半導体装置の製造ラインに投入されたウエハにおいては、例えば、トランジスタ素子が形成されたウエハ(半導体基板)の全面に絶縁層を形成し、次いで、配線層を形成するために絶縁層の上にアルミニウム系合金層をスパッタ法にて成膜する。次いで、かかるアルミニウム系合金層をドライエッチングすることで配線層が形成される。このドライエッチング工程における製品歩留まり実績をYmとする。このドライエッチング時に発生したダストが、ウエハ(半導体基板)上に(より具体的には絶縁層上に)付着する。このウエハ上に付着したダスト量を、例えば、月刊Semiconductor World 1992.4 第116〜121頁の「ウェーハ表面パーティクル検出・評価技術」に掲載された偏光変化検出法やチップ間差分検出法等の周知の方法にて測定する。ダスト量は、例えば、1枚のウエハ当たりのダスト個数とすることができる。ダスト量測定結果を図13に例示する。尚、実施の形態5においては、ドライエッチング工程後のダスト量からドライエッチング工程前のダスト量を減じた値をダスト量とした。即ち、ダスト量の測定を或る工程への投入前後で行い、測定結果の差分を測定されたダスト量とすることが好ましい。
【0073】
測定されたダスト量に基づき、製品歩留まりを予測する。即ち、図12に示したダスト量と製品歩留まりの関係に基づき、測定されたダスト量の平均値から製品歩留まりYm'を予測する。そして、この予測された製品歩留まりYm'に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数NEを、以下の式(10)から求める。尚、式(10)においては、設定総合製品歩留まりY0におけるYmの項をYm'で置き換えている。
【0074】
【数10】
E=ST0×Y1×Y2×・・・×Ym'×・・・Yj×W×k (10)
【0075】
式(10)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しい場合には、次回の半導体装置の製造を計画通りとする。言い換えれば、予測された製品歩留まりYm'の値が製品歩留まり実績Ymと等しい場合には、次回の半導体装置の製造を計画通りとする。
【0076】
一方、求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTよりも少ない場合には、言い換えれば、予測された製品歩留まりYm'の値が製品歩留まり実績Ymを下回る場合には、少なくとも、製造すべき半導体装置の個数NTから半導体装置の予測個数を減じた個数NEの半導体装置を再び製造する。具体的には、以下の式(11)に基づき、半導体装置の製造ラインに投入すべき不足分のウエハの枚数W’を求め、かかる枚数のウエハを緊急投入し、あるいは又、次回の半導体装置の製造ロットにおいて投入すべきウエハの枚数に追加する。尚、NEの値が所定の値以下である場合には、言い換えれば、予測された製品歩留まりYm'の値が所定の値以下の場合には、これ以上半導体装置を製造しても多数の不良品しか得られないと判断できるので、半導体装置の製造を中止し、新たにウエハを再投入するといった態様をとることもできる。
【0077】
【数11】
W’=(NT−NE)/(ST0×Y0×k) (11)
【0078】
他方、求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTより多い場合、言い換えれば、予測された製品歩留まりYm'の値が製品歩留まり実績Ymを上回る場合には、過剰に半導体装置が製造されることが予想される。この予想される過剰分の半導体装置の個数をウエハの枚数ΔWに換算すると、以下の式(12)のとおりとなる。
【0079】
【数12】
ΔW=(NE−NT)/(ST0×Y1×Y2×・・・×Ym'×・・・Yj×k)(12)
【0080】
それ故、次回の半導体装置の製造ロットにおいてΔW枚だけ減じた枚数のウエハを投入する。これによって、最大(即ち、多くとも)、半導体装置の予測個数NEから製造すべき半導体装置の個数NTを減じた個数の別種の半導体装置を製造することが可能となる。具体的には、以下の式(13)に基づき予測された個数NT’の別種の半導体装置を製造することが可能となる。
【0081】
【数13】
T’=ST0’×Y0’×k’×ΔW (13)
【0082】
ここで、ST0’及びY0’は、別種の半導体装置における設定総合製品収率及び設定総合製品歩留まりであり、k’は、別種の半導体装置における理論収率である。
【0083】
尚、式(10)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しいか否かの評価(言い換えれば、予測された製品歩留まりYm'の値が製品歩留まり実績Ymの値が等しいか否かの評価)は、数学的に厳密に行う必要はなく、実際の半導体装置の製造プロセス、納期、製品在庫数量等を考慮して決定すればよい。求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTよりも少ないか否かの評価(言い換えれば、予測された製品歩留まりYm'の値が製品歩留まり実績Ymの値よりも小さいか否かの評価)、求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTよりも多いか否かの評価(言い換えれば、予測された製品歩留まりYm'の値が製品歩留まり実績Ymの値よりも大きいか否かの評価)も同様である。以下の実施の形態の説明においても同様である。
【0084】
半導体装置の製造においては、複数の工程においてダストが発生する場合が多い。このような場合には、それぞれの工程において、実施の形態5を実行し、予測された製品歩留まりYm'の値と製品歩留まり実績Ymの値との比較を行い、あるいは又、式(10)に基づきNEを求めればよい。
【0085】
例えば、或る半導体装置の生産において、ウエハの製造ラインへの投入開始からペレットチェック完了までに52日が必要とされ、35日目にアルミニウム系合金層のドライエッチング工程が完了したとする。従来の半導体装置の製造方法においては、52日後でなければ、最終的に製造されたチップの良品個数が判明しない。従って、もしも最終的に製造されたチップの良品個数が所望の個数より不足していた場合、53日目から不足分の製造を開始しなければならない。一方、本発明の半導体装置の製造方法によれば、35日目には、求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTよりも少ないか否かが判明するので、36日目から不足分の製造を開始することができる。従って、17日の短縮化を図ることが可能となる。
【0086】
尚、実施の形態5においては、チップ上のダスト量と製品歩留まりの関係を、今までの実績を基に予め求めておき、ダスト量を各チップ毎に測定し、各チップ毎の製品歩留まりを求め、これらの平均値に基づき製品歩留まりを予測することもできる。
【0087】
(実施の形態6)
実施の形態6は実施の形態5の変形である。即ち、実施の形態6においては、半導体装置の所定の製造工程においてウエハ上に付着したダスト量を測定し、予め求められたダスト量と製造基準を満足する確率の関係、及び測定されたダスト量に基づき、製造基準を満足する確率を求め、かかる製造基準を満足する確率から製品歩留まりを予測する。そして、必要に応じて、かかる予測された製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。より具体的には、各チップ毎にダスト量を測定し、それぞれのチップがダスト量に関する製造基準(1個のチップ当たり、許容し得るダスト個数)を満たす確率を求め、これらの確率から製品歩留まりを予測する。そして、必要に応じて、予測された製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。実施の形態6における半導体装置の製造方法の流れを図14に示す。
【0088】
具体的には、各チップにおいて測定されたダスト量に基づき、製造基準を満足する確率(0から1の間の値)を求める。即ち、実績から求められたダスト量と製造基準を満足する確率の関係に基づき、i番目のチップ(但し、i=1,2,・・・kであり、kは理論収率である)にて測定されたダスト量(x)から製造基準を満たす確率Pi(x)を求める。
【0089】
そして、これらの求められた製造基準を満足する確率Pi(x)から製品歩留まりYm'を、下記の式(14)に基づき予測する。そして、式(14)から得られた製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数NEを、式(10)から求めることができる。
【0090】
【数14】
Figure 0003757482
【0091】
式(10)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しい場合、少ない場合、超える場合のそれぞれの処理は、言い換えれば、Ym'=Ym、Ym'<Ym、Ym'>Ymの場合のそれぞれの処理は、実施の形態5にて説明したと同様とすればよい。
【0092】
尚、製造基準を満足する確率Pi(x)は、0から1の間の値に限定されない。例えば、製造基準を満足する確率を「0」及び「1」とすることもできる。即ち、或るチップにおけるダスト量(x)が、例えば、チップにおける製造基準範囲内に入っていれば、製造基準を満足する確率Pi(x)を「1」とし、入っていなければ、確率Pi(x)を「0」としてもよい。
【0093】
実施の形態6においては、各チップ毎にダスト量を測定し、製造基準を満足する確率を求めるので、得られる半導体装置の予測個数NEの精度を、実施の形態5より高めることができる。
【0094】
(実施の形態7)
実施の形態7は、本発明の第4の態様に係る半導体装置の製造方法に関する。即ち、実施の形態7においては、半導体装置の所定の製造工程において発生した合わせずれ量を測定し、予め求められた合わせずれ量と製品歩留まりの関係、及び測定された合わせずれ量に基づき、製品歩留まりを予測する。そして、必要に応じて、予測された製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。実施の形態7における半導体装置の製造方法の流れを図15に示す。
【0095】
実施の形態7においても、半導体装置の製造ラインに投入すべきウエハの枚数Wは、今までの製品歩留まり実績や他の半導体装置の設定総合製品歩留まりY0に基づき、式(9)から決定される。合わせずれ量と製品歩留まりの関係(図16の(A)及び(B)参照)を、今までの実績を基に予め求めておく。図16に示すように、A工程とB工程では、合わせずれ量の製品歩留まりに対する影響が大きく相違する。B工程においては、合わせずれ量が或る値を超えると製品歩留まりは急激に低下する。
【0096】
図17の(A)及び(B)に、代表的なTFT負荷型SRAM素子のシェアード・コンタクトにおける合わせずれ量が製品歩留まりに与える影響を示す。また、TFT負荷型SRAM素子の回路図を図18に示す。尚、図17の(A)及び(B)は、TFT負荷型SRAM素子の製造途中の模式的な一部断面図である。図17の(B)におけるシェアード・コンタクトは、図18における記号「X」及び「Y」で示した部分に相当する。また、図17の(A)及び(B)は、図18におけるTr2の部分に関連した図である。以下、図17の(A)及び(B)に示したTFT負荷型SRAM素子を作製する工程の概要を説明する。
【0097】
先ず、シリコン半導体基板10に、例えばLOCOS構造を有する素子分離領域11を選択的に形成した後、素子分離領域11に囲まれた素子活性領域の半導体基板表面にゲート酸化膜12を形成する。その後、MOS型トランジスタのゲート電極13Aをポリサイド層13から形成し、次いで、ゲート電極13Aの両側の素子活性領域にLDD構造を形成するための低濃度不純物を含有する拡散層14を形成する。そして、SiO2から成るゲートサイドウオール15を形成する。その後、素子活性領域への不純物のイオン注入及び活性化処理を行い、高濃度拡散領域(ソース・ドレイン領域)16A,16Bを形成する。
【0098】
次いで、第1の層間絶縁膜17をCVD法にて全面に形成した後、Tr2のソース・ドレイン領域16Aに達する第1の開口部18を第1の層間絶縁膜17に設ける。次に、かかる第1の開口部18を介してソース・ドレイン領域16Aに接続された第1の配線層19をポリサイド層から形成し、更に、第2の層間絶縁膜20を全面に形成し、第2の層間絶縁膜20の平坦化処理を行う。そして、SRAM素子のフリップフロップ回路を構成するTFT(薄膜トランジスタ)と記憶ノード16B(図18におけるN2参照)とを接続するための第2の開口部21を、第2の層間絶縁膜20及び第1の層間絶縁膜17に形成する。この状態を図17の(A)に示す。その後、第2の開口部21内を含む第2の層間絶縁膜20上に多結晶シリコン膜を成膜し、次いで、かかる多結晶シリコン膜をパターニングして、第2の配線層22を形成する。この第2の配線層22は、第2の開口部21を設けることによって、記憶ノード16B及びポリサイド層13に接続されており、所謂シェアード・コンタクト23を構成する(図17の(B)参照)。
【0099】
第2の開口部21の径(B)が一定であるとする。また、シェアード・コンタクト23におけるポリサイド層13との接続部の長さをD、記憶ノード16Bとの接続部の長さをEとすると、B=D+Eが成立する。第2の開口部21に合わせずれが発生し、Dの値が大きくなると、Eの値は小さくなる。D(若しくはE)の値が大き過ぎても小さ過ぎても、シェアード・コンタクト23がポリサイド層13及び記憶ノード16Bの両方に確実には接続されなくなる。また、第2の開口部21の側壁から第1の配線層19の端部までの距離Aの値が小さくなると、耐圧が劣化する。更には、第2の開口部21の側壁からゲート電極13Aの端部までの距離Cの値が小さくなると、耐圧が劣化する。但し、合わせずれに関する、シェアード・コンタクト23のポリサイド層13及び記憶ノード16Bへの接続性と耐圧との関係を見ると、耐圧よりも接続性のマージンの方が少なく、接続性を重視する必要があるといえる。言い換えれば、第2の開口部21を形成する際の、記憶ノード16Bに対する第2の開口部21の合わせずれ量(ΔE若しくはΔD)の方が、第1の配線層19及びゲート電極13Aに対する第2の開口部21の合わせずれ量(ΔA,ΔC)よりも、製品歩留まりに与える影響が大きい。
【0100】
合わせずれ量は、開口部や各層の縁部の位置を光学的に観測し、これらの縁部のずれ量を求めることによって測定することができる。合わせずれ量は1枚のウエハ当たり5点程度測定すればよい。測定された合わせずれ量に基づき、製品歩留まりを予測する。即ち、図16に示した合わせずれ量と製品歩留まりの関係に基づき、測定された合わせずれ量の平均値から製品歩留まりYm'を予測する。そして、この予測された製品歩留まりYm'に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数NEを、式(10)から求める。
【0101】
式(10)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しい場合、少ない場合、超える場合のそれぞれの処理は、言い換えれば、Ym'=Ym、Ym'<Ym、Ym'>Ymの場合のそれぞれの処理は、実施の形態5にて説明したと同様とすればよい。
【0102】
半導体装置の製造においては、複数の工程において合わせずれが発生する場合が多い。このような場合には、それぞれの工程において、実施の形態7を実行し、予測された製品歩留まりYm'の値と製品歩留まり実績Ymの値との比較を行い、あるいは又、式(10)に基づきNEを求めればよい。また、実施の形態7においては、チップにおける合わせずれ量と製品歩留まりの関係を、今までの実績を基に予め求めておき、合わせずれ量を各チップ毎に測定し、各チップ毎の製品歩留まりを求め、これらの平均値に基づき製品歩留まりを予測することもできる。
【0103】
(実施の形態8)
実施の形態8は実施の形態7の変形である。即ち、実施の形態8においては、半導体装置の所定の製造工程において発生した合わせずれ量を測定し、予め求められた合わせずれ量と製造基準を満足する確率の関係、及び測定された合わせずれ量に基づき、製造基準を満足する確率を求め、かかる製造基準を満足する確率から製品歩留まりを予測する。そして、必要に応じて、この予測された製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。より具体的には、各チップ毎に合わせずれ量を測定し、それぞれのチップが合わせずれ量に関する製造基準(許容し得る合わせずれ量)を満たす確率を求め、これらの確率から製品歩留まりを予測する。そして、必要に応じて、この予測された製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。実施の形態8における半導体装置の製造方法の流れを図19に示す。
【0104】
実施の形態8においても、半導体装置の製造ラインに投入すべきウエハの枚数Wは、今までの製品歩留まり実績や他の半導体装置の設定総合製品歩留まりY0に基づき、式(9)から決定される。合わせずれ量と製造基準を満足する確率の関係(図20の(A)及び(B)参照)を、今までの実績を基に予め求めておく。
【0105】
図17の(A)に示したシェアード・コンタクト23において、第2の開口部21の径(B)は一定であるとする。また、第2の開口部21以外には合わせずれは生じていないとする。Dの値が大きくなると(Eの値が小さくなると)、シェアード・コンタクト23がポリサイド層13及び記憶ノード16Bの両方に確実に接続されるようになる。しかしながら、Dの値が大きくなり過ぎると(Eの値が小さくなり過ぎると)、シェアード・コンタクト23がポリサイド層13及び記憶ノード16Bの両方に確実には接続されなくなる。一方、Aの値が大きくなると(Cの値が小さくなると)、シェアード・コンタクト23と第1の配線層19との間の耐圧は向上するが、シェアード・コンタクト23とゲート電極13Aとの間の耐圧が低下する。
【0106】
各チップ毎に所定の位置における合わせずれ量(x)を測定し、測定された合わせずれ量(x)に基づき、それぞれのチップが合わせずれ量に関する製造基準を満たす確率Pi(x)(図20の(A)及び(B)参照)を求め、これらの確率Pi(x)から式(14)に基づき製品歩留まりYm'を予測する。そして、この予測された製品歩留まりYm'に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数NEを、式(10)から求める。尚、合わせずれ量は、各チップ毎、少なくとも1点測定すればよい。
【0107】
式(10)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しい場合、少ない場合、超える場合のそれぞれの処理は、言い換えれば、Ym'=Ym、Ym'<Ym、Ym'>Ymの場合のそれぞれの処理は、実施の形態5にて説明したと同様とすればよい。
【0108】
尚、製造基準を満足する確率Pi(x)は、0から1の間の値に限定されない。例えば、製造基準を満足する確率を「0」及び「1」とすることもできる。即ち、或るチップにおける合わせずれ量(x)が、例えば、チップにおける製造基準範囲内に入っていれば、製造基準を満足する確率Pi(x)を「1」とし、入っていなければ、確率Pi(x)を「0」としてもよい。
【0109】
(実施の形態9)
実施の形態9は、本発明の第5の態様に係る半導体装置の製造方法に関する。即ち、実施の形態9においては、半導体装置の所定の製造工程において発生した加工寸法の設計寸法からの差を測定し、予め求められた加工寸法と設計寸法との差と製品歩留まりの関係、及び測定された差に基づき、製品歩留まりを予測する。そして、必要に応じて、予測された製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。実施の形態9における半導体装置の製造方法の流れを図21に示す。
【0110】
実施の形態9においても、半導体装置の製造ラインに投入すべきウエハの枚数Wは、今までの製品歩留まり実績や他の半導体装置の設定総合製品歩留まりY0に基づき、式(9)から決定される。加工寸法の設計寸法からの差と製品歩留まりの関係を、今までの実績を基に予め求めておく。図17の(A)及び(B)に図示したTFT負荷型SRAM素子のシェアード・コンタクトに基づき、加工寸法と設計寸法との差を説明する。尚、加工寸法の設計寸法からの差は、1枚のウエハ当たり5点程度測定すればよく、例えば走査型電子顕微鏡等の測定手段を用いて測定することができる。
【0111】
図22に示すように、第2の開口部21の径Bが設計寸法よりも大きくなり過ぎると、シェアード・コンタクト23と第1の配線層19との間の耐圧及びゲート電極13Aとの間の耐圧が低下するので、予測される製品歩留まりは低下する。一方、第2の開口部21の径Bが設計寸法よりも小さくなり過ぎると、シェアード・コンタクト23がポリサイド層13及び記憶ノード16Bの両方に確実には接続されなくなるので、同様に予測される製品歩留まりは低下する。
【0112】
測定された加工寸法の設計寸法からの差に基づき、製品歩留まりを予測する。即ち、図22に示した加工寸法の設計寸法からの差と製品歩留まりの関係とに基づき、測定された加工寸法の設計寸法からの差の平均値から製品歩留まりYm'を予測する。そして、この予測された製品歩留まりYm'に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数NEを、式(10)から求める。
【0113】
式(10)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しい場合、少ない場合、超える場合のそれぞれの処理は、言い換えれば、Ym'=Ym、Ym'<Ym、Ym'>Ymの場合のそれぞれの処理は、実施の形態5にて説明したと同様とすればよい。
【0114】
半導体装置の製造においては、複数の工程において加工寸法の設計寸法からの差が発生する場合が多い。このような場合には、それぞれの工程において、実施の形態9を実行し、予測された製品歩留まりYm'の値と製品歩留まり実績Ymの値との比較を行い、あるいは又、式(10)に基づきNEを求めればよい。また、実施の形態9においては、チップにおける加工寸法の設計寸法からの差と製品歩留まりの関係を、今までの実績を基に予め求めておき、加工寸法の設計寸法からの差を各チップ毎に測定し、各チップ毎の製品歩留まりを求め、これらの平均値に基づき製品歩留まりを予測することもできる。
【0115】
(実施の形態10)
実施の形態10は実施の形態9の変形である。即ち、実施の形態10においては、半導体装置の所定の製造工程において発生した加工寸法の設計寸法からの差を測定し、予め求められた加工寸法と設計寸法との差と製造基準を満足する確率の関係、及び測定された差に基づき、製造基準を満足する確率を求め、求められた製造基準を満足する確率から製品歩留まりを予測する。そして、必要に応じて、この予測された製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。より具体的には、各チップ毎に加工寸法の設計寸法からの差を測定し、それぞれのチップが加工寸法の設計寸法からの差に関する製造基準(許容し得る加工寸法の設計寸法からの差)を満たす確率を求め、これらの確率から製品歩留まりを予測する。そして、必要に応じて、この予測された製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める。実施の形態10における半導体装置の製造方法の流れを図23に示す。
【0116】
実施の形態10においても、半導体装置の製造ラインに投入すべきウエハの枚数Wは、今までの製品歩留まり実績や他の半導体装置の設定総合製品歩留まりY0に基づき、式(9)から決定される。加工寸法の設計寸法からの差と製造基準を満足する確率の関係(図22参照)を、今までの実績を基に予め求めておく。
【0117】
図17の(A)に示したシェアード・コンタクト23において、図22に示すように、第2の開口部21の径Bが設計寸法よりも大きくなり過ぎると、シェアード・コンタクト23と第1の配線層19との間の耐圧及びゲート電極13Aとの間の耐圧が低下するので、製造基準を満足する確率は低下する。一方、第2の開口部21の径Bが設計寸法よりも小さくなり過ぎると、シェアード・コンタクト23がポリサイド層13及び記憶ノード16Bの両方に確実には接続されなくなるので、同様に製造基準を満足する確率は低下する。
【0118】
各チップ毎に所定の位置における加工寸法と設計寸法との差(x)を測定し、測定された加工寸法と設計寸法との差(x)に基づき、それぞれのチップが加工寸法と設計寸法との差に関する製造基準を満たす確率Pi(x)(図22参照)を求め、これらの確率Pi(x)から式(14)に基づき製品歩留まりYm'を予測する。そして、この予測された製品歩留まりYm'に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数NEを、式(10)から求める。尚、加工寸法と設計寸法との差の測定は、各チップ当たり少なくとも1個所とすればよい。
【0119】
式(10)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しい場合、少ない場合、超える場合のそれぞれの処理は、言い換えれば、Ym'=Ym、Ym'<Ym、Ym'>Ymの場合のそれぞれの処理は、実施の形態5にて説明したと同様とすればよい。
【0120】
尚、製造基準を満足する確率Pi(x)は、0から1の間の値に限定されない。例えば、製造基準を満足する確率を「0」及び「1」とすることもできる。即ち、或るチップにおける加工寸法と設計寸法との差(x)が、例えば、チップにおける製造基準範囲内に入っていれば、製造基準を満足する確率Pi(x)を「1」とし、入っていなければ、確率Pi(x)を「0」としてもよい。
【0121】
(実施の形態11)
実施の形態11は、本発明の第6の態様に係る半導体装置の製造方法に関し、より具体的には、本発明の第1〜第5の態様を組み合わせた半導体装置の製造方法に関する。即ち、実施の形態11においては、実施の形態3と同様に、半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート酸化膜形成工程においてゲート酸化膜の膜厚を測定し、予め求められたゲート酸化膜の膜厚と製品収率の関係、及び測定されたゲート酸化膜の膜厚に基づき、製品収率ST_E1を予測する。あるいは又、実施の形態1と同様に、半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート電極形成工程においてゲート長を測定し、予め求められたゲート長と製品収率の関係、及び測定されたゲート長に基づき、製品収率ST_E2を予測する。
【0122】
また、実施の形態5と同様に、半導体装置の所定の製造工程においてウエハ上に付着したダスト量を測定し、予め求められたダスト量と製品歩留まりの関係、及び測定されたダスト量に基づき、製品歩留まりYm1'を予測する。あるいは又、実施の形態7と同様に、半導体装置の所定の製造工程において発生した合わせずれ量を測定し、予め求められた合わせずれ量と製品歩留まりの関係、及び測定された合わせずれ量に基づき、製品歩留まりYm2'を予測する。あるいは又、実施の形態9と同様に、半導体装置の所定の製造工程において発生した加工寸法の設計寸法からの差を測定し、予め求められた加工寸法と設計寸法との差と製品歩留まりの関係、及び測定された差とに基づき、製品歩留まりYm3'を予測する。
【0123】
そして、予測された製品収率ST_E1,ST_E2の内の少なくとも1つの製品収率(実施の形態11においては2つの全て)、並びに、予測された製品歩留まりYm1',Ym2',Ym3'の内、少なくとも1つの製品歩留まり(実施の形態11においては3つの全て)に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数NEを、以下の式(15)に基づき求める。
【0124】
【数15】
Figure 0003757482
【0125】
式(15)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しい場合、少ない場合、超える場合のそれぞれの処理は、実施の形態1や実施の形態5にて説明したと同様とすればよい。
【0126】
(実施の形態12)
実施の形態12は実施の形態11の変形であり、より具体的には、実施の形態2,4,6,8,10を組み合わせた半導体装置の製造方法に関する。即ち、実施の形態12においては、実施の形態4と同様に、半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート酸化膜形成工程においてゲート酸化膜の膜厚を測定し、予め求められたゲート酸化膜の膜厚と製品仕様を満足する確率の関係、及び測定されたゲート酸化膜の膜厚に基づき、製品仕様を満足する確率PS_i,PW_iを求め、これらの確率から製品収率ST_E1を予測する。あるいは又、実施の形態2と同様に、半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート電極形成工程においてゲート長を測定し、予め求められたゲート長と製品仕様を満足する確率の関係、及び測定されたゲート長に基づき、製品仕様を満足する確率PS_i,PW_iを求め、これらの確率から製品収率ST_E2を予測する。
【0127】
更に、実施の形態6と同様に、半導体装置の所定の製造工程においてウエハ上に付着したダスト量(x)を各チップ毎に測定し、予め求められたダスト量と製造基準を満足する確率の関係、及び測定されたダスト量に基づき、製造基準を満足する確率Pi(x)を求め、この確率Pi(x)から製品歩留まりYm1'を予測する。また、実施の形態8と同様に、半導体装置の所定の製造工程において発生した合わせずれ量(x)を各チップ毎に測定し、予め求められた合わせずれ量と製造基準を満足する確率の関係、及び測定された合わせずれ量(x)に基づき、製造基準を満足する確率Pi(x)を求め、この確率Pi(x)から製品歩留まりYm2'を予測する。更には、半導体装置の所定の製造工程において発生した加工寸法の設計寸法からの差(x)を各チップ毎に測定し、予め求められた加工寸法と設計寸法との差と製造基準を満足する確率の関係、及び測定された差とに基づき、製造基準を満足する確率確率Pi(x)を求め、この確率Pi(x)から製品歩留まりYm3'を予測する。
【0128】
そして、予測された製品収率ST_E1及び/又はST_E2(実施の形態11においては両方)、並びに、予測された製品歩留まりYm1',Ym2',Ym3'の内、少なくとも1つの製品歩留まり(実施の形態11においては3つの全て)に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数NEを式(15)に基づき求める。尚、式(15)の代わりに、以下の式(16)に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数NEを求めてもよい。尚、式(16)において、ST_1iは、i番目のチップにおいて測定されたゲート酸化膜の膜厚に基づき求められた製品仕様を満足する確率PS_i及びPW_iの積であり、ST_1iは、i番目のチップにおいて測定されたゲート長に基づき求められた製品仕様を満足する確率PS_i及びPW_iの積である。一方、Pi_1(x)は、i番目のチップにおいて測定されたダスト量に基づき求められた製造基準を満足する確率であり、Pi_2(x)は、i番目のチップにおいて測定された合わせずれ量に基づき求められた製造基準を満足する確率であり、Pi_3(x)は、i番目のチップにおいて測定された加工寸法の設計寸法からの差に基づき求められた製造基準を満足する確率である。
【0129】
【数16】
Figure 0003757482
【0130】
式(15)あるいは式(16)から求められた半導体装置の予測個数NEが製造すべき半導体装置の個数NTと等しい場合、少ない場合、超える場合のそれぞれの処理は、実施の形態1や実施の形態5にて説明したと同様とすればよい。
【0131】
尚、実施の形態12においては、測定されたゲート酸化膜の膜厚及びゲート長に基づき予測された製品収率、並びに、3つの製品歩留まりに基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求めたが、製品収率及び製品歩留まりに最も影響のある工程における製品収率及び製品歩留まりを取り上げ、実施の形態12を実行してもよい。この場合、以下の表1に示す各種の組み合わせを例示することができる。尚、表1において、丸(○)印を付けた実施の形態は、選択された実施の形態を表す。
【0132】
【表1】
Figure 0003757482
【0133】
以上、本発明を、発明の実施の形態に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。発明の実施の形態にて説明した製品収率や製品歩留まりは例示であり、製造ラインや製造すべき半導体装置、過去の実績等に応じて適宜決定すればよい。発明の実施の形態においては、ダスト量、合わせずれ量、加工寸法の設計寸法からの差と製品歩留まりとの関係を説明したが、本発明の半導体装置の製造方法は、その他の製品歩留まりに影響を与えるプロセスにおける製品歩留まりの予測に対して適用することができる。製品収率の内容、発明の実施の形態にて説明した工程や測定点数も例示であり、適宜変更することができる。
【0134】
【発明の効果】
本発明の半導体装置の製造方法においては、製品の納期遅れが生じたり、他の製品の生産計画に乱れが生じるといった問題の発生を最小限にすることができる。しかも、半導体装置の予測個数が製造すべき半導体装置の個数より少ない場合、不足分の半導体装置の追加製造を速やかに決定することができるので、納期と製品数量に関するリスクを低減することができる。一方、半導体装置の予測個数が製造すべき半導体装置の個数より多い場合、過剰分だけ次回の半導体装置の製造予定個数から減ずればよく、過剰在庫の発生を抑制することができるだけでなく、過剰分を、別種の半導体装置の製造に割り振ることができ、半導体装置の製造ラインの稼働の最適化、最大効率化を図ることができ、特に、多品種少量生産ラインに非常に好適な半導体装置の製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の流れを説明するための図である。
【図2】発明の実施の形態1におけるゲート長と製品収率の関係を示す模式的なグラフである。
【図3】発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法の流れを説明するための図である。
【図4】ウエハの中心部及び周辺部に位置するチップにおけるゲート長の分布を示すグラフである。
【図5】発明の実施の形態2におけるゲート長と製品仕様を満足する確率の関係を示す模式的なグラフである。
【図6】発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法の流れを説明するための図である。
【図7】発明の実施の形態3におけるゲート酸化膜の膜厚と製品収率の関係を示す模式的なグラフである。
【図8】発明の実施の形態4における半導体装置の製造方法の流れを説明するための図である。
【図9】ウエハの中心部及び周辺部に位置するチップにおけるゲート酸化膜の膜厚の分布を示すグラフである。
【図10】発明の実施の形態4におけるゲート酸化膜の膜厚と製品仕様を満足する確率の関係を示す模式的なグラフである。
【図11】発明の実施の形態5における半導体装置の製造方法の流れを説明するための図である。
【図12】発明の実施の形態5におけるダスト量と製品歩留まりの関係を示すグラフである。
【図13】発明の実施の形態5におけるダスト量測定結果を示す図である。
【図14】発明の実施の形態6における半導体装置の製造方法の流れを説明するための図である。
【図15】発明の実施の形態7における半導体装置の製造方法の流れを説明するための図である。
【図16】発明の実施の形態7における合わせずれ量と製品歩留まりの関係を示すグラフである。
【図17】TFT負荷型SRAM素子のシェアード・コンタクトにおける合わせずれが製品歩留まりに与える影響を示すための半導体基板等の模式的な一部断面図である。
【図18】TFT負荷型SRAM素子の回路図である。
【図19】発明の実施の形態8における合わせずれ量と製造基準を満足する確率の関係を示すグラフである。
【図20】発明の実施の形態8における合わせずれ量と製造基準を満足する確率の関係を示すグラフである。
【図21】発明の実施の形態9における半導体装置の製造方法の流れを説明するための図である。
【図22】発明の実施の形態9における加工寸法の設計寸法からの差と製品歩留まりの関係を示すグラフ、あるいは、加工寸法の設計寸法からの差と製造基準を満足する確率の関係を示すグラフである。
【図23】発明の実施の形態10における半導体装置の製造方法の流れを説明するための図である。
【図24】従来のダストの検出技術や評価技術の目的と効果を示すブロック図である。
【図25】従来の合わせずれ量及び/又は加工寸法の検出技術や評価技術の目的と効果を示すブロック図である。
【図26】従来の最適ゲート長及び/又は最適ゲート酸化膜の膜厚を決定する方法を示すブロック図である。
【符号の説明】
10・・・シリコン半導体基板、11・・・素子分離領域、12・・・ゲート酸化膜、13・・・ポリサイド層、13A・・・ゲート電極、14・・・拡散層、15・・・ゲートサイドウオール、16A,16B・・・高濃度拡散領域(ソース・ドレイン領域)、17・・・第1の層間絶縁膜、18・・・第1の開口部、19・・・第1の配線層、20・・・第2の層間絶縁膜、21・・・第2の開口部、22・・・第2の配線層、23・・・シェアード・コンタクト

Claims (6)

  1. 半導体装置の製造において、複数の半導体チップをウエハに製造し、次いで、ウエハを切断して得られた半導体チップの内、良品を組み立て、係る組み立てられた半導体チップを検査して得られた良品率を製品収率としたとき、
    (イ)半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート電極形成工程において、ゲート長を測定し、
    (ロ)ゲート長と製品収率との予め求められた関係、及び、測定されたゲート長に基づき、製品収率を予測し、
    (ハ)予測された製品収率に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める、
    各工程を含み、
    ゲート長と製品収率との予め求められた関係は、ゲート長とスピード収率に関する製品収率との予め求められた関係、及び、ゲート長と消費電力収率に関する製品収率との予め求められた関係であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 半導体装置の製造において、複数の半導体チップをウエハに製造し、次いで、ウエハを切断して得られた半導体チップの内、良品を組み立て、係る組み立てられた半導体チップを検査して得られた良品率を製品収率としたとき、
    (イ)半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート電極形成工程において、ゲート長を測定し、
    (ロ)ゲート長と動作速度に関する製品仕様を満足する確率との予め求められた関係、ゲート長と消費電力に関する製品仕様を満足する確率との予め求められた関係、並びに、測定されたゲート長に基づき、製品収率を予測し、
    (ハ)予測された製品収率に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める、
    各工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 半導体装置の製造において、複数の半導体チップをウエハに製造し、次いで、ウエハを切断して得られた半導体チップの内、良品を組み立て、係る組み立てられた半導体チップを検査して得られた良品率を製品収率としたとき、
    (イ)半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート酸化膜形成工程において、ゲート酸化膜の膜厚を測定し、
    (ロ)ゲート酸化膜の膜厚と製品収率との予め求められた関係、及び、測定されたゲート酸化膜の膜厚に基づき、製品収率を予測し、
    (ハ)予測された製品収率に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める、
    各工程を含み、
    前記工程(ハ)に引き続き、予測された製品収率が所定の値より低い場合、ゲート酸化膜を除去し、再び、ゲート酸化膜を形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 半導体装置の製造において、複数の半導体チップをウエハに製造し、次いで、ウエハを切断して得られた半導体チップの内、良品を組み立て、係る組み立てられた半導体チップを検査して得られた良品率を製品収率としたとき、
    (イ)半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート酸化膜形成工程において、ゲート酸化膜の膜厚を測定し、
    (ロ)ゲート酸化膜の膜厚と製品収率との予め求められた関係、及び、測定されたゲート酸化膜の膜厚に基づき、製品収率を予測し、
    (ハ)予測された製品収率に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める、
    各工程を含み、
    ゲート酸化膜の膜厚と製品収率との予め求められた関係は、ゲート酸化膜の膜厚とスピード収率に関する製品収率との予め求められた関係、及び、ゲート酸化膜の膜厚と消費電 力収率に関する製品収率との予め求められた関係であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 半導体装置の製造において、複数の半導体チップをウエハに製造し、次いで、ウエハを切断して得られた半導体チップの内、良品を組み立て、係る組み立てられた半導体チップを検査して得られた良品率を製品収率としたとき、
    (イ)半導体装置におけるトランジスタ素子のゲート酸化膜形成工程において、ゲート酸化膜の膜厚を測定し、
    (ロ)ゲート酸化膜の膜厚と動作速度に関する製品仕様を満足する確率との予め求められた関係、ゲート酸化膜の膜厚と消費電力に関する製品仕様を満足する確率との予め求められた関係、並びに、測定されたゲート酸化膜の膜厚に基づき、製品収率を予測し、
    (ハ)予測された製品収率に基づき、最終的に製造されるであろう半導体装置の予測個数を求める、
    各工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 前記工程(ハ)に引き続き、予測された製品収率が所定の値より低い場合、ゲート酸化膜を除去し、再び、ゲート酸化膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
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