JP3756735B2 - 処理液の温度制御方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウエハやLCD用ガラス基板等の被処理体に処理液例えば薬液等を供給して洗浄等の処理をするのに適した、処理液の温度制御方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体デバイスの製造工程やLCD製造工程においては、半導体ウエハやLCD用ガラス等の被処理体(以下にウエハ等という)に付着した例えばレジストやドライ処理後の残渣(ポリマ等)、あるいは、その他のパーティクル、金属、有機物等を除去するために、処理液等を用いる液処理装置(方法)が広く採用されている。
【0003】
従来のこの種の液処理装置において、高価な薬液等の処理液を有効に利用するために、処理に供する新規処理液をリサイクル液として再利用する洗浄処理方法が知られている。
【0004】
このリサイクル液と新規処理液を用いる方法では、新規処理液を貯留するタンクと、リサイクル液を貯留するタンクの2種類を用意し、例えば処理初期時にはリサイクル液を処理部に供給してウエハ等を一次処理した後、新規処理液を二次処理に供することにより、処理液を有効に利用している。この処理液の一種として使用されるフッ化アンモニアは、所定温度(例えば25±1℃)で使用されている。
【0005】
ところで、この種の液処理装置においては、処理液の配管部におけるポンプ等の駆動装置や上記ウエハ等の搬送装置等と隣接する位置に処理液のタンクが配置される。したがって、駆動時の装置類の発熱によってタンク内の処理液の温度が所定温度以上に上昇するため、タンク内の処理液の温度を冷却する必要があった。
【0006】
従来、これらのリサイクル液と新規処理液の温度制御は、例えば約20℃の冷却水のみを用いて冷却することにより、薬液を所望する25℃の温度に調整するという方法を採用していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、冷却水のみで温度調整を行った場合、薬液が冷えすぎて所定温度(25±1℃)に収まるような高精度の温度制御をすることができない。ここで、温調水を25℃にするという方法も考えられるが、応答性が悪い。
【0008】
この発明は上記事情に鑑みなされたもので、ヒータ等の加熱手段を付加的に使用することで、温度低下のリカバリーを行い、応答性が速くかつ高精度の温度制御が行える、処理液の温度制御方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る処理液の温度制御方法は、処理液が貯留されたタンク内又はタンク外周に、処理液より低い温度に温調された冷冷却媒体を連続的に流して処理液を冷却する一方、処理液の温度が所定温度以下になったとき、タンク内又はタンク外周に設けた加熱手段を作動させて処理液の温度を上昇させ、処理液の温度が所定温度を越えたとき上記加熱手段を非作動とすることを特徴とする。
【0010】
この発明の温度制御方法によれば、冷却媒体として例えば水を連続的に流し続けるため処理液の冷却効果が高い。今、説明のために処理液に要望される所定温度を25℃とすると、処理液は低温の水(通常20℃程度)により冷却されて急速に温度が低下する。希望する所定温度の25℃以下になった場合には、加熱手段(例えばヒータ)が作動して処理液を加熱し昇温させる。このため処理液は急速に所定温度の25℃へと昇温する。そして、処理液の温度が所定温度の25℃を越えると加熱手段が非作動となって加熱が止み、再び冷却水による冷却作用が優勢となる。よって、冷却水のみによる場合に較べて応答性が速くかつ高精度の温度制御を行うことができる。
【0011】
請求項2記載の処理液の温度制御装置は、処理液が貯留されたタンク内又はタンク外周に、処理液より低い温度に温調された冷却媒体を連続的に流して処理液を冷却する冷却手段と、タンク内又はタンク外周に設けた加熱手段と、処理液の温度を検出する温度検出手段と、上記温度検出手段からの検出信号を受け、処理液の温度が所定温度以下になったとき、上記加熱手段を作動させ、処理液の温度が所定温度を越えたとき上記加熱手段を非作動とする温度制御部とを具備することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の処理液の温度制御装置は、処理液が貯留された内側タンクと外側タンクの二重槽構造のタンクと、上記内側タンクと外側タンクの間、又は外側タンクの外周に、上記処理液より低い温度に温調された冷却媒体を連続的に流して処理液を冷却する冷却手段と、上記内側タンクと外側タンクの間、又は外側タンクの外周に設けた加熱手段と、上記内側タンクと外側タンクに設けられ、上記内側タンク又は外側タンクの処理液の温度を検出する内側タンク用又は外側タンク用の温度検出手段と、上記温度検出手段からの検出信号を受け、処理液の温度が所定温度以下になったとき、上記加熱手段を作動させ、処理液の温度が所定温度を越えたとき上記加熱手段を非作動とする温度制御部と、上記内側タンク用の温度検出手段又は外側タンク用の温度検出手段からの上記温度制御部への検出信号の入力を選択的に切り換える入力切換スイッチと、を具備することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の処理液の温度制御装置は、被処理体が処理液によって処理される処理室と、上記処理液が貯留されたタンクと、上記タンクから上記処理室へ上記処理液を供給する処理液供給管路と、上記タンク内又はタンク外周に、処理液より低い温度に温調された冷却媒体を連続的に流して処理液を冷却する冷却手段と、上記タンク内又はタンク外周に設けた加熱手段と、上記処理液の温度を検出する温度検出手段と、上記温度検出手段からの検出信号を受け、処理液の温度が所定温度以下になったとき、上記加熱手段を作動させ、処理液の温度が所定温度を越えたとき上記加熱手段を非作動とする温度制御部と、を具備することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の処理液の温度制御装置は、被処理体が処理液によって処理される処理室と、上記処理液が貯留された内側タンクと外側タンクの二重槽構造のタンクと、上記タンクから上記処理室へ上記処理液を供給する処理液供給管路と、上記内側タンクと外側タンクの間、又は外側タンクの外周に、上記処理液より低い温度に温調された冷却媒体を連続的に流して処理液を冷却する冷却手段と、上記内側タンクと外側タンクの間、又は外側タンクの外周に設けた加熱手段と、上記内側タンクと外側タンクに設けられ、上記内側タンク又は外側タンクの処理液の温度を検出する内側タンク用又は外側タンク用の温度検出手段と、上記温度検出手段からの検出信号を受け、処理液の温度が所定温度以下になったとき、上記加熱手段を作動させ、処理液の温度が所定温度を越えたとき上記加熱手段を非作動とする温度制御部と、上記内側タンク用の温度検出手段又は外側タンク用の温度検出手段からの上記温度制御部への検出信号の入力を選択的に切り換える入力切換スイッチと、を具備することを特徴とする。
【0015】
この処理液の温度制御装置においても、上記と同じ理由により、応答性が速くかつ高精度の温度制御を行うことができる。
【0016】
ここで、冷却手段としては、例えばタンク内又は外周に配管される冷却水管やウォータージャケット等が用いられる。また、加熱手段としては、例えばヒータが用いられる。また、温度検出手段としては、例えば温度センサが用いられる。
【0017】
請求項2又は4記載の処理液の温度制御装置において、冷却手段及び加熱手段は種々の形態をとることができる。例えば、上記冷却手段が上記タンクの内部に設けられ、上記加熱手段がタンクの外周に設けられている形態とすることができる(請求項)。
【0018】
また、上記加熱手段がタンクの内部に設けられ、上記冷却手段がタンクの外周に設けられている形態とすることができる(請求項)。
【0019】
更にまた、上記冷却手段と上記加熱手段がタンクの外周に、タンクの軸線方向に2段に配設されている形態とすることができる(請求項)。加えて、上記タンク内の処理液の温度を検出する温度検出手段の検出信号を受けてタンク内の処理液の温度が所定温度以下であるか否かを判別する温度制御部と、上記加熱手段の温度検出手段の検出信号を受けて加熱手段の加熱温度が所定温度以下であるか否かを判別する温度制御部とを更に具備してなり、上記タンク内の処理液の温度及び上記加熱温度が所定温度未満のとき上記加熱手段を作動させ、上記タンク内の処理液の温度又は上記加熱温度が所定温度以上のとき上記加熱手段を非動作とすることも可能である(請求項9)
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。この実施形態では半導体ウエハの洗浄・乾燥処理装置に適用した場合について説明する。
【0021】
図2は、この発明に係る液処理装置を適用した洗浄・乾燥処理装置の一例を示す概略構成図、図3は、液処理装置における処理液の配管系統を示す概略配管図である。
【0022】
上記液処理装置20は、図2に示すように、被処理体であるウエハWを保持する回転可能な保持手段例えばロータ21と、このロータ21を水平軸を中心として回転駆動する駆動手段であるモータ22と、ロータ21にて保持されたウエハWを包囲する複数例えば2つの処理部{具体的には第1の処理室,第2の処理室}の内チャンバ23,外チャンバ24と、これら内チャンバ23又は外チャンバ24内に収容されたウエハWに対して処理液例えばレジスト剥離液,ポリマ除去液等の薬液の供給手段50、この薬液の溶剤例えばイソプロピルアルコール(IPA)の供給手段60、リンス液例えば純水等の供給手段(リンス液供給手段)70又は例えば窒素(N2)等の不活性ガスや清浄空気等の乾燥気体(乾燥流体)の供給手段80{図2では薬液供給手段50と乾燥流体供給手段80を示す。}と、内チャンバ23を構成する内筒体25と外チャンバ24を構成する外筒体26をそれぞれウエハWの包囲位置とウエハWの包囲位置から離れた待機位置に切り換え移動する移動手段例えば第1,第2のシリンダ27,28及びウエハWを図示しないウエハ搬送チャックから受け取ってロータ21に受け渡すと共に、ロータ21から受け取ってウエハ搬送チャックに受け渡す被処理体受渡手段例えばウエハ受渡ハンド29とで主要部が構成されている。
【0023】
上記のように構成される液処理装置20におけるモータ22、処理流体の各供給手段50,60,70,80{図2では薬液供給手段50と乾燥流体供給手段80を示す。}の供給部、ウエハ受渡ハンド29等は制御手段例えば中央演算処理装置30(以下にCPU30という)によって制御されている。
【0024】
また、上記ロータ21は、水平に配設されるモータ22の駆動軸22aに片持ち状に連結されて、ウエハWの処理面が鉛直になるように保持し、水平軸を中心として回転可能に形成されている。この場合、ロータ21は、モータ22の駆動軸22aにカップリング(図示せず)を介して連結される回転軸(図示せず)を有する第1の回転板21aと、この第1の回転板21aと対峙する第2の回転板21bと、第1及び第2の回転板21a,21b間に架設される複数例えば4本の固定保持棒31と、これら固定保持棒31に列設された保持溝(図示せず)によって保持されたウエハWの上部を押さえる図示しないロック手段及びロック解除手段によって押え位置と非押え位置とに切換移動する一対の押え棒32とで構成されている。この場合、モータ22は、予めCPU30に記憶されたプログラムに基づいて所定の高速回転と低速回転を選択的に繰り返し行い得るように制御されている。なお、モータ22は冷却手段37によって加熱が制御されるようになっている。この場合、冷却手段37は、冷却パイプ37aと、冷却水供給パイプ37bと、熱交換器37cとを具備してなる(図2参照)。
【0025】
一方、処理部例えば内チャンバ23(第1の処理室)は、第1の固定壁34とこの第1の固定壁34と対峙する第2の固定壁38と、これら第1の固定壁34及び第2の固定壁38との間にそれぞれ第1及び第2のシール部材40a,40bを介して係合する内筒体25とで形成されている。すなわち、内筒体25は、移動手段である第1のシリンダ27の伸張動作によってロータ21とウエハWを包囲する位置まで移動されて、第1の固定壁34との間に第1のシール部材40aを介してシールされると共に、第2の固定壁38との間に第2のシール部材40bを介してシールされた状態で内チャンバ23(第1の処理室)を形成する。また、第1のシリンダ27の収縮動作によって固定筒体36の外周側位置(待機位置)に移動されるように構成されている。この場合、内筒体25の先端開口部は第1の固定壁34との間に第1のシール部材40aを介してシールされ、内筒体25の基端部は図示しない固定筒体の中間部に周設されたフランジ部(図示せず)に第1のシール部材40aを介してシールされて、内チャンバ23内に残存する薬液の雰囲気が外部に漏洩するのを防止している。
【0026】
また、外チャンバ24(第2の処理室)は、待機位置に移動された内筒体25との間に第2のシール部材40bを介在する第1の固定壁34と、第2の固定壁38と、第2の固定壁38と内筒体25との間にそれぞれ第3及び第4のシール部材40c,40dを介して係合する外筒体26とで形成されている。すなわち、外筒体26は、移動手段である第2のシリンダ28の伸張動作によってロータ21とウエハWを包囲する位置まで移動されて、第2の固定壁38との間に第3のシール部材40cを介してシールされると共に、外筒体26の基端部外方に位置する第4のシール部材40dを介してシールされた状態で、外チャンバ24(第2の処理室)を形成する。また、第2のシリンダ28の収縮動作によって固定筒体36の外周側位置(待機位置)に移動されるように構成されている。この場合固定壁38と外筒体26と内筒体25の基端部間には第4のシール部材40dが介在されてシールされている。したがって、内チャンバ23の内側雰囲気と、外チャンバ24の内側雰囲気とは、互いに気水密な状態に離隔されるので、両チャンバ23,24内の雰囲気が混じることなく、異なる処理流体が反応して生じるクロスコンタミネーションを防止することができる。
【0027】
上記のように構成される内筒体25と外筒体26は共に一端に向かって拡開するテーパ状に形成されている。このように内筒体25及び外筒体26を、一端に向かって拡開するテーパ状に形成することにより、処理時に内筒体25又は外筒体26内でロータ21が回転されたときに発生する気流が拡開側へ渦巻き状に流れ、内部の薬液等が拡開側へ排出し易くすることができる。また、内筒体25と外筒体26とを同一軸線上に重合する構造とすることにより、内筒体25と外筒体26及び内チャンバ23及び外チャンバ24の設置スペースを少なくすることができると共に、装置の小型化が図れる。
【0028】
一方、上記処理液供給手段のうち、薬液の供給手段50は、図3に示すように、処理部すなわち内筒体25内に取り付けられる薬液供給ノズル51と、薬液供給部52と、これら薬液供給ノズル51と薬液供給部52とを接続する薬液供給管路53を具備してなる。
【0029】
上記薬液供給部52は、図4に示すように、薬液供給源3(液供給源)と、この薬液供給源3から供給される新規の薬液を貯留すると共に、処理に供された薬液を貯留するタンク10とで主要部が構成されている。
【0030】
上記タンク10は、薬液開閉弁3aを介設する薬液管路3bを介して薬液供給源3に接続する新液を貯留する内側タンク1と、この内側タンク1を内方に収容する外側タンク2とからなる二重槽構造に構成されている。この場合、内側タンク1と外側タンク2の開口部には、Oリング1aを介してドーナツ状のキャップ1bが装着されている。なお、キャップ1bには後述する冷却水管101(図1参照)が貫通されるようになっている。また、内側タンク1は有底円筒状のステンレス製容器にて形成されている。また、外側タンク2は、大径の胴部2aと小径の開口部2bと開口部2b側に向かって漸次狭小テーパ状の肩部2cとを有する有底円筒状のステンレス製容器にて形成されている。
【0031】
ここで、肩部2cを開口部2b側に向かって漸次狭小テーパ状としたのは、外側タンク2内に貯留される薬液が開口部2bに充満される過程で肩部2cに空気が溜まるのを防止するためである。また、外側タンク2の外周面には、外側タンク2を囲繞するように加熱手段であるヒータ4が配設されている。
【0032】
この場合、内側タンク1の上端部には、この内側タンク1からオーバーフローする薬液を外側タンク2内に供給するオーバーフロー管路5が配設されている(図5参照)。したがって、薬液供給源3から内側タンク1内に供給される新規の薬液が内側タンク1内に充満された後、オーバーフロー管路5を介して外側タンク2内に供給される。また、図4及び図5に示すように、外側タンク2の開口部2bにおける内側タンク1との隙間Sが狭く形成されている。この隙間Sは外側タンク2内に貯留される薬液の液面が検出できる面積であれば可及的に狭い方がよい。その理由は、内側タンク1と外側タンク2の隙間Sが狭い程、外側タンク2内に貯留される薬液の液面の外気と接触する面積を少なくすることができるので、薬液の空気との接触による化学反応や劣化を抑制することができ、薬液の品質や性能の維持を図ることができるからである。
【0033】
なお、内側タンク1及び外側タンク2の開口部には、パージガス供給管路6とガス抜き管路6Aが接続されており、両タンク1,2内に貯留される薬液が外気に晒されて雰囲気が変化するのを防止するために、図示しない不活性ガス例えばN2ガス等のパージガス供給源に接続するパージガス供給管路6からパージガス例えばN2ガスが供給されるようになっている。なお、外側タンク2の外方近接部にはそれぞれ静電容量型の上限センサ7a,秤量センサ7b,ヒータオフ下限センサ7c及び下限センサ7dが配設されており、これらセンサ7a〜7dは制御部30(CPU)に接続されている。この場合、センサ7a〜7dは必ずしも静電容量型である必要はなく、液面を検出できるものであればその他の形式のセンサであってもよい。これらセンサ7a〜7dのうち、上限センサ7aと下限センサ7dは、外側タンク2内に貯留される薬液の上限液面と下限液面を検出し、秤量センサ7bは、外側タンク2内に実際に貯留されている薬液の量を検出し、また、ヒータオフ下限センサ7cは、ヒータ4による加熱可能な薬液量を検出し得るようになっている。なお、内側タンク1の上端部には、薬液満杯センサ(図示せず)が配設されており、この薬液満杯センサによって内側タンク1内から外側タンク2内に流れる薬液の状態を監視することができるようになっている。すなわち、薬液満杯センサ7eと上記秤量センサ7bからの検出信号に基づいて制御部30(CPU)からの制御信号を薬液開閉弁3aに伝達することで、内側タンク1及び外側タンク2内の薬液の液量を管理することができる。
【0034】
また、内側タンク1内に貯留される薬液と、外側タンク2内に貯留される薬液は、外側タンク2の外方近接部に配設される1つのヒータ4によって加熱・保温されるようになっている。この場合、内側タンク1内の薬液の温度は、内側タンク薬液温度センサTa(温度検出手段)によって検出され、外側タンク2内の薬液の温度は、外側タンク薬液温度センサTb(温度検出手段)によって検出され、また、ヒータ4の温度は、コントロール温度センサTcと、オーパーヒート温度センサTdによって検出されるようになっている。これら温度センサTa〜Tdのうち、外側タンク薬液温度センサTb、コントロール温度センサTc、及びオーバーヒート温度センサTdの検出信号を温度制御部C1〜C3(温度制御手段)で制御して、内側タンク1及び外側タンク2内の薬液温度、ヒータ4の加熱温度を所定温度に設定できるようになっている(図6参照)。
【0035】
すなわち、図6に示すように、外側タンク薬液温度センサTbによって検出された検出信号を温度制御部C1に伝達して、この温度制御部C1で外側タンク2内の温度T1が例えば25℃以下であるか否かが判別されてその信号がAND回路部8を介してヒータ4と電源9とを接続するリード線11に介設されるソリッド・ステート・リレー12(SSR)に伝達される。
【0036】
一方、コントロール温度センサTcによって検出された検出信号を温度制御部C2に伝達して、この温度制御部C2でヒータ4の加熱温度T2が例えば25℃以下であるか否かが判別されてその信号がAND回路部8を介してSSR12に伝達されることで、外側タンク2内の温度T1<25℃、ヒータ4の加熱温度T2<25℃のとき、ヒータ4がON状態となり、また、外側タンク2内の温度T1≧25℃又はヒータ4の加熱温度T2≧25℃のとき、ヒータ4がOFF状態となるように制御されている。なお、オーバーヒート温度センサTdによって検出された検出信号は温度制御部C3に伝達されて、温度制御部C3によってヒータ温度T3が例えば25℃より高いか低いかが判別され、T3>25℃のとき、その信号がリード線11に介設されるマグネット・コンダクタ13に伝達されて、ヒータ4への通電が遮断されるようになっている。
【0037】
上記のようにして温度センサTb〜Tdで検出された検出信号を温度制御部C1〜C3で制御することにより、外側タンク2内の薬液の温度T1を所定温度、すなわち、24℃<T1<26℃すなわちT1=25±1℃に制御することで、内側タンク1内の薬液の温度T0を外側タンク2内の薬液の温度T1の熱容量によってT1とほぼ等しい温度に設定することができる。
【0038】
一方、上記した第1の温度制御系の他に、薬液の温度を25±1℃に維持する第2の温度制御系が設けられている。
【0039】
すなわち、図1及び図6の想像線に示すように、内側タンク1と外側タンク2の間には、冷却手段として冷却水管101が配管され、これを通る冷却媒体たる冷却水102(約20℃)により、タンク10内の薬液が冷却されるように構成されている。この冷却水管101には、タンク1,2内の処理液より温度の低い冷却水102(約20℃)が、常時、連続的に流されている。この場合、冷却水102はタンク1,2の上部側から下部側に向かって流れた後、タンク1,2の下部側から流出される。これにより、冷却水102は、まずタンク1,2の上部側の温度の高い領域を熱交換によって冷却し、順次タンク1,2の下部側の温度の低い領域を熱交換によって冷却する。したがって、冷却水102を有効に利用して薬液(処理液)を冷却することができる。また、外側タンク2の外周面には、既に述べたように外側タンク2を囲繞するように加熱手段であるヒータ4が配設されている。
【0040】
100は温度制御手段であり、薬液(処理液)の温度を検出する温度検出手段、すなわち内側タンク薬液温度センサTa又は外側タンク薬液温度センサTbからの検出信号を受け、内側タンク1又は外側タンク2の薬液の温度T1、T3が所定温度以下、ここでは25℃以下になったとき、ヒータ4(加熱手段)をONして薬液の温度を上昇させ、薬液の温度が所定温度を越えたときヒータ4をOFFとする。内側タンク1と外側タンク2の薬液温度のうち、いずれのタンクの温度制御を行うのかは、温度制御装置100の入力を切り換えるために設けた、アナログスイッチからなる入力切換スイッチ103の切換位置により決定される。すなわち、入力切換スイッチ103をa側にした場合は、内側タンク薬液温度センサTaが選択されて、内側タンク1の薬液の温度T3が25℃に維持されるように制御される。また、入力切換スイッチ103をb側にした場合は、外側タンク薬液温度センサTbが選択されて、外側タンク2の薬液の温度T1が25℃に維持されるように制御される。
【0041】
図6に、上記第2の温度制御系のより具体的な回路構成例を、上記第1の温度制御系と共に示す。スイッチ104をONすることにより、論理回路105において上記第1の温度制御系が禁止され、代わって上記第2の温度制御系が有効となる。
【0042】
すなわち、スイッチ104をONすることで、温度制御部C4が有効となる。内側タンク薬液温度センサTaと外側タンク薬液温度センサTbの検出信号は、アナログスイッチからなる入力切換スイッチ103を介して、いずれか一方が温度制御部C4に入力される。温度制御部C4は、内側タンク薬液温度センサTa又は外側タンク薬液温度センサTbからの検出信号を受けて、所定の設定温度25℃と比較し、25℃以下の場合は出力を生じて論理回路105を通してソリッド・ステート・リレー12を作動させ、ヒータ4をONする。これにより薬液の温度が25℃へと上昇する。
【0043】
薬液の温度が上昇し所定温度(25℃)を越えたとき、制御部C4の出力が消失し、ヒータ4がOFFとなって加熱が止み、再び冷却水102による冷却作用が優勢となる。よって、冷却水のみによる場合に較べて応答性が速くかつ高精度の温度制御を行うことができる。
【0044】
なお、上記実施形態では、内側タンク1内に内側タンク薬液温度センサTaを設け、外側タンク2内に外側タンク薬液温度センサTbを設ける場合について説明したが、必ずしもこの形態である必要はなく、少なくとも内側タンク1内又は外側タンク2内の一方に、内側タンク薬液温度センサTa又は外側タンク薬液温度センサTbを設けるようにして、タンク10内の薬液の温度を制御することも可能である。
【0045】
一方、処理部すなわち内筒体25内に取り付けられる薬液供給ノズル51と、薬液供給部52とを接続する薬液供給管路53は、図2及び図4に示すように、内側タンク1内の薬液を処理部側に供給する第1の供給管路14aと、外側タンク2内の薬液を処理部側に供給する第2の供給管路14bと、これら第1及び第2の供給管路14a,14bを連結して共通化する主供給管路14cとで主に構成されている。この場合、第1の供給管路14aには第1の切換開閉弁15aが介設され、第2の供給管路14bには第2の切換開閉弁15bが介設されている。また、主供給管路14cには例えばダイアフラム式の供給ポンプ16が介設されると共に、この供給ポンプ16の吐出側に順次、第3の切換開閉弁15c、フィルタ17、第4の切換開閉弁15dが介設されている。
【0046】
また、主供給管路14cにおける供給ポンプ16の吐出側と外側タンク2とは第5の切換開閉弁15eを介設した循環管路18が接続されており、外側タンク2内から供給される薬液を循環し得るように構成されている。
【0047】
また、主供給管路14cにおける供給ポンプ16の吐出側{具体的には供給ポンプ16と第3の切換開閉弁15cとの間}と、第3の第3の切換開閉弁15cの吐出側と循環管路18の接続部との間には、主供給管路14cから分岐され再び主供給管路14cに連結するバイパス管路19が接続されている。このバイパス管路19には、第6の切換開閉弁15f、フィルタ19a及び第7の切換開閉弁15gが順次介設されている。また、外側タンク2の閉口部2bと処理部には、薬液の戻り管路56が接続されており、処理部で処理に供された薬液が外側タンク2内に貯留されて、リサイクルに供されるようになっている。
【0048】
上記のようにして薬液供給管路53を形成することにより、外側タンク2内に貯留された薬液を第2の供給管路14b、主供給管路14c、バイパス管路19及び主供給管路14cを介して処理部側に供給することができる。また、内側タンク1内に貯留された薬液(新液)を第1の供給管路14aと主供給管路14cを介して処理部側に供給することができる。また、ウエハWの処理の待機時には、外側タンク2内に貯留された薬液を循環管路18を介して循環することができる。
【0049】
なお、外側タンク2の底部には排液開閉弁57を介設した排液管路58が接続されている(図4及び図5参照)。
【0050】
一方、薬液の溶剤例えばIPAの供給手段60は、図3に示すように、内筒体25内に取り付けられる上記薬液供給ノズルを兼用する供給ノズル51(以下に薬液供給ノズル51で代表する)と、溶剤供給部61と、この供給ノズル51と薬液供給部52とを接続するIPA供給管路62に介設されるポンプ54、フィルタ55、IPA供給弁63を具備してなる。この場合、溶剤供給部61は、溶剤例えばIPAの供給源64と、このIPA供給源64から供給される新規のIPAを貯留するIPA供給タンク61aと、処理に供されたIPAを貯留する循環供給タンク61bとで構成されており、両IPA供給タンク61a,61bには、上記内チャンバ23の拡開側部位の下部に設けられた第1の排液ポート41に接続する第1の排液管42に図示しない切換弁(切換手段)を介して循環管路90が接続されている。図面では、IPA供給タンク61a,61bを別個に配置する場合について説明したが、上記内側タンク1と外側タンク2と同様に、IPA供給タンク61a,61bを二重槽構造とする方が望ましい。
【0051】
一方、リンス液例えば純水の供給手段70は、図3に示すように、第2の固定壁38に取り付けられる純水供給ノズル71と、純水供給源72と、純水供給ノズル71と純水供給源72とを接続する純水供給管路73に介設される供給ポンプ74、純水供給弁75とを具備してなる。この場合、純水供給ノズル71は、内チャンバ23の外側に位置すると共に、外チャンバ24の内側に位置し得るように配設されており、内筒体25が待機位置に後退し、外筒体26がロータ21とウエハWを包囲する位置に移動して外チャンバ24を形成した際に、外チャンバ24内に位置して、ウエハWに対して純水を供給し得るように構成されている。なお、純水供給ノズル71は、外チャンバ24に取り付けられるものであってもよい。
【0052】
また、外チャンバ24の拡開側部位の下部には、第2の排液ポート45が設けられており、この第2の排液ポート45には、図示しない開閉弁を介設した第2の排液管46が接続されている。なお、第2の排液管46には、純水の比抵抗値を検出する比抵抗計47が介設されており、この比抵抗計47によってリンス処理に供された純水の比抵抗値を検出し、その信号を上記CPU30に伝達するように構成されている。したがって、この比抵抗計47でリンス処理の状況を監視し、適正なリンス処理が行われた後、リンス処理を終了することができる。
【0053】
なお、上記外チャンバ24の拡開側部位の上部には、第2の排気ポート48が設けられており、この第2の排気ポート48には、図示しない開閉弁を介設した第2の排気管49が接続されている。
【0054】
また、乾燥流体供給手段80は、図2及び図3に示すように、第2の固定壁38に取り付けられる乾燥流体供給ノズル81と、乾燥流体例えば窒素(N2)供給源82と、乾燥流体供給ノズル81とN2供給源82とを接続する乾燥流体供給管路83に介設される開閉弁84、フィルタ85、N2温度調整器86とを具備してなり、かつ乾燥流体供給管路83におけるN2温度調整器86の二次側に切換弁87を介して上記IPA供給管路62から分岐される分岐管路88を接続してなる。この場合、乾燥流体供給ノズル81は、上記純水供給ノズル71と同様に内チャンバ23の外側に位置すると共に、外チャンバ24の内側に位置し得るように配設されており、内筒体25が待機位置に後退し、外筒体26がロータ21とウエハWを包囲する位置に移動して外チャンバ24を形成した際に、外チャンバ24内に位置して、ウエハWに対してN2ガスとIPAの混合流体を霧状に供給し得るように構成されている。この場合、N2ガスとIPAの混合流体で乾燥した後に、更にN2ガスのみで乾燥する。なお、ここでは、乾燥流体がN2ガスとIPAの混合流体である場合について説明したが、この混合流体に代えてN2ガスのみを供給するようにしてもよい。
【0055】
なお、上記薬液供給手段50、IPA供給手段60、純水供給手段70及び乾燥流体供給手段80における供給ポンプ16,54、薬液供給部52の第1〜第7の切換開閉弁15a〜15g、温度調整器56,N2温度調整器86、IPA供給弁63及び切換弁87は、CPU30によって制御されている(図2参照)。
【0056】
次に、この発明に係る洗浄・乾燥処理装置の動作態様について説明する。まず、搬入・搬出部(図示せず)側からウエハ搬送チャックによって搬送されるウエハWを処理装置20の上方、すなわち、内筒体25及び外筒体26が待機位置に後退した状態のロータ21の上方位置まで搬送する。すると、ウエハ受渡ハンド後退した状態のロータ21の上方位置まで搬送する。すると、ウエハ受渡ハンド29が上昇して、ウエハ搬送チャック10にて搬送されたウエハWを受け取り、その後、下降してウエハWをロータ21の固定保持棒31上に受け渡した後、ウエハ受渡ハンド29は元の位置に移動する。ロータ21の固定保持棒31上にウエハWを受け渡した後、図示しないロック手段が作動してウエハ押え棒32がウエハWの上側縁部まで移動してウエハWの上部を保持する。
【0057】
上記のようにしてロータ21にウエハWがセットされると、内筒体25及び外筒体26がロータ21及びウエハWを包囲する位置まで移動して、内チャンバ23内にウエハWを収容する。この状態において、まず、ウエハWに薬液を供給して薬液処理を行う。この薬液処理は、ロータ21及びウエハWを低速回転例えば1〜500rpmで回転させた状態で所定時間例えば数十秒間薬液を供給した後薬液の供給を停止し、その後、ロータ21及びウエハWを数秒間高速回転例えば100〜3000rpmで回転させてウエハW表面に付着する薬液を振り切って除去する。この薬液供給工程と薬液振り切り工程を数回から数千回繰り返して薬液処理を完了する。
【0058】
上記薬液処理工程において、内側タンク1及び外側タンク2内に薬液が貯留された状態の通常の処理では、最初に供給される薬液は、外側タンク2内に貯留された薬液が使用される。すなわち、第2,第6,第7及び第4の切換開閉弁15b,15f,15g,15dが開いた状態で供給ポンプ16が作動することにより、外側タンク2内の薬液は、第2の供給管路14b、主供給管路14c、バイパス管路19及び主供給管路14cを流れて処理部側に供給される。この際、供給ポンプ16を通過した薬液はフィルタ19aによって濾過され、中に混入する不純物や爽雑物等が除去される。ある一定時間内最初に使用された薬液は第1の排液管42から廃棄される。それ以外の排液は一定時間処理に供された後、外側タンク2内に戻されて、以後循環供給される。
【0059】
所定時間薬液を循環供給して処理を行った後、内側タンク1内の新規薬液が処理部側に供給されて薬液処理が終了する。内側タンク1内の新規薬液を処理部側へ供給する場合には、上記第2,第6及び第7の切換開閉弁15b,15f,15gが閉じ、第1,第3及び第4の切換開閉弁15a,15c,15dが開く。この状態で供給ポンプ16が作動することにより、内側タンク1内の新規薬液は、第1の供給管14a及び主供給管14cを流れて処理部側に供給される。この際、供給ポンプ16を通過した新規薬液はフィルタ17によって濾過され、薬液中に混入する不純物や爽雑物等が除去される。また、前回の処理時に供給され、主供給管路14cに残留した新規薬液は、次回の新規薬液と共にフィルタ17によって濾過される。なお、処理に供された新規薬液は戻り管路56を介して外側タンク2内に貯留される。
【0060】
なお、薬液処理工程の際には、薬液処理に供された薬液は第1の排液ポート41に排出され、切換弁(図示せず)の動作によって戻り管路56を介して薬液供給部52に循環又は第1の排液管42に排出される一方、薬液から発生するガスは第1の排気ポート43を介して第1の排気管44から排気される。
【0061】
薬液処理を行った後、内チャンバ23内にウエハWを収容したままの状態で、IPA供給手段60のIPAの供給ノズルを兼用する薬液供給ノズル51から低速回転例えば1〜500rpmで回転させた状態で所定時間例えば数十秒間IPAを供給した後、IPAの供給を停止し、その後、ロータ21及びウエハWを数秒間高速回転例えば100〜3000rpmで回転させてウエハW表面に付着するIPAを振り切って除去する。このIPA供給工程とIPA振り切り工程を数回から数千回繰り返して薬液除去処理を完了する。この薬液除去処理においても、上記薬液処理工程と同様に、最初に供給されるIPAは、循環供給タンク61b内に貯留されたIPAが使用され、この最初に使用されたIPAは第1の排液管42から廃棄され、以後の処理に供されるIPAは供給タンク61b内に貯留されたIPAを循環供給する。そして、薬液除去処理の最後に、IPA供給源64から供給タンク61a内に供給された新規のIPAが使用されて、薬液除去処理が終了する。
【0062】
なお、薬液除去処理において、薬液除去処理に供されたIPAは第1の排液ポート41に排出され、切換弁(図示せず)の動作によって溶剤供給部61の循環管路90又は第1の排液管42に排出される一方、IPAガスは第1の排気ポート43を介して第1の排気管44から排気される。
【0063】
薬液処理及びリンス処理が終了した後、内筒体25が待機位置に後退して、ロータ21及びウエハWが外筒体26によって包囲、すなわち外チャンバ24内にウエハWが収容される。したがって、内チャンバ23内で処理されたウエハWから液がしたたり落ちても外チャンバ24で受け止めることができる。この状態において、まず、リンス液供給手段の純水供給ノズル71から回転するウエハWに対してリンス液例えば純水が供給されてリンス処理される。このリンス処理に供された純水と除去されたIPAは第2の排液ポート45を介して第2の排液管46から排出される。また、外チャンバ24内に発生するガスは第2の排気ポート48を介して第2の排気管49から外部に排出される。
【0064】
このようにしてリンス処理を所定時間行った後、外チャンバ24内にウエハWを収容したままの状態で、乾燥流体供給手段80のN2ガス供給源82及びIPA供給源64からN2ガスとIPAの混合流体を回転するウエハWに供給して、ウエハ表面に付着する純水を除去することで、ウエハWと外チャンバ24内の乾燥を行うことができる。また、N2ガスとIPAの混合流体によって乾燥処理した後、N2ガスのみをウエハWに供給することで、ウエハWの乾燥と外チャンバ24内の乾燥をより一層効率よく行うことができる。
【0065】
上記のようにして、ウエハWの薬液処理、薬液除去処理、リンス処理及び乾燥処理が終了した後、外筒体26が内筒体25の外周側の待機位置に後退する一方、図示しないロック解除手段が動作してウエハ押え棒32をウエハWの押え位置から後退する。すると、ウエハ受渡ハンド29が上昇してロータ21の固定保持棒31にて保持されたウエハWを受け取って処理装置20の上方へ移動する。処理装置の上方へ移動されたウエハWはウエハ搬送チャックに受け取られて搬入・搬出部に搬送された後、装置外部に搬送される。
【0066】
なお、上記実施形態では、この発明に係る液処理装置及び液処理方法を半導体ウエハの洗浄・乾燥処理装置に適用した場合について説明したが、半導体ウエハ以外のLCD用ガラス基板等にも適用できることは勿論であり、また、洗浄・乾燥処理装置以外の薬液等の処理液を用いた液処理装置にも適用できることは勿輪である。
【0067】
また、上記実施形態では、タンクを内側タンク1と外側タンク2の二重槽構造(二重タンク)とし、その内側タンク1と外側タンク2の間に冷却手段として冷却水管101を設け、また外側タンクの外周に加熱手段としてヒータ4を設けた構成としたが、この発明は、この形態に限定されるものではない。
【0068】
例えば、タンクが単槽構造(一重タンク)からなる形態にも適用することができる。そして、図7に示すように、冷却手段たるウォータージャケット106と加熱手段たるヒータ4がタンク10の外周に、タンクの軸線方向に2段に配設されている形態とすることができる。
【0069】
なお、図7に示す実施形態において、タンク10内の薬液(処理液)の温度は温度検出手段すなわち温度センサT0によって検出され、その検出信号が温度制御手段100に伝達され、そして、温度制御手段100からの制御信号によってヒータ4(加熱手段)がON,OFF制御されるように構成されている。
【0070】
このようにタンク10の外周下部にヒータ4を配設し、このヒータ4の上方にウォータージャケット106(冷却手段)を配設することにより、タンク10内の薬液(処理液)の温度の高い領域がウォータージャケット106内を流れる冷却水102によって冷却され、温度の低い領域がヒータ4によって温められる。したがって、薬液(処理液)はタンク10内を対流することとなり、温度が均一になる。
【0071】
更にまた、図8に示すように、加熱手段たるヒータ4が、タンク10の内部に設けられ、冷却手段たる冷却水管101Aがタンク10の外周に設けられている形態とすることもできる。これら図7及び図8の形態は、タンクが内側タンクと外側タンクの二重槽構造(二重タンク)から成る構成の下でも、採用することができる。
【0072】
なお、図8に示す実施形態において、その他の部分は、上記図7に示す実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して、説明は省略する。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明(請求項1〜9)の処理液の温度制御方法及び装置によれば、冷却媒体として例えば水を連続的に流し続けるため、急速に処理液の温度が低下する一方、希望する所定温度の例えば25℃以下になった場合には、加熱手段(例えばヒータ)が作動して処理液を加熱し昇温させるため、処理液は急速に所定温度の25℃へと戻る。よって、冷却水のみによる場合に較べて応答性が速くかつ高精度の温度制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の処理液の温度制御装置の一形態の構成を示す概略図である。
【図2】この発明に係る処理装置を適用した洗浄・乾燥処理装置の概略構成図である。
【図3】この発明に係る処理装置における処理液の配管系統を示す概略配管図である。
【図4】この発明に係る液処理装置の要部を示す概略構成図である。
【図5】この発明におけるタンクを示す断面図である。
【図6】この発明の処理液の温度制御装置の別の形態の構成を示す概略図である。
【図7】この発明の温度制御装置の変形例を示す概略図である。
【図8】この発明の温度制御装置の別の変形例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 内側タンク
2 外側タンク
4 ヒータ(加熱手段)
10 タンク
23 内チャンバ(処理室)
53 薬液供給管路(処理液供給管路)
100 温度制御手段
101,101A 冷却水管
102 冷却水
106 ウォータージャケット
Ta 内側タンク薬液温度センサ(温度検出手段)
Tb 外側タンク薬液温度センサ(温度検出手段)
Te 温度センサ(温度検出手段)
C1〜C3 温度制御部(温度制御手段)

Claims (9)

  1. 処理液が貯留されたタンク内又はタンク外周に、処理液より低い温度に温調された冷却媒体を連続的に流して処理液を冷却する一方、
    処理液の温度が所定温度以下になったとき、タンク内又はタンク外周に設けた加熱手段を作動させて処理液の温度を上昇させ、処理液の温度が所定温度を越えたとき上記加熱手段を非作動とする、
    ことを特徴とする処理液の温度制御方法。
  2. 処理液が貯留されたタンク内又はタンク外周に、処理液より低い温度に温調された冷却媒体を連続的に流して処理液を冷却する冷却手段と、
    タンク内又はタンク外周に設けた加熱手段と、
    処理液の温度を検出する温度検出手段と、
    上記温度検出手段からの検出信号を受け、処理液の温度が所定温度以下になったとき、上記加熱手段を作動させ、処理液の温度が所定温度を越えたとき上記加熱手段を非作動とする温度制御部と、
    を具備することを特徴とする処理液の温度制御装置。
  3. 処理液が貯留された内側タンクと外側タンクの二重槽構造のタンクと、
    上記内側タンクと外側タンクの間、又は外側タンクの外周に、上記処理液より低い温度に温調された冷却媒体を連続的に流して処理液を冷却する冷却手段と、
    上記内側タンクと外側タンクの間、又は外側タンクの外周に設けた加熱手段と、
    上記内側タンクと外側タンクに設けられ、上記内側タンク又は外側タンクの処理液の温度を検出する内側タンク用又は外側タンク用の温度検出手段と、
    上記温度検出手段からの検出信号を受け、処理液の温度が所定温度以下になったとき、上記加熱手段を作動させ、処理液の温度が所定温度を越えたとき上記加熱手段を非作動とする温度制御部と、
    上記内側タンク用の温度検出手段又は外側タンク用の温度検出手段からの上記温度制御部への検出信号の入力を選択的に切り換える入力切換スイッチと、
    を具備することを特徴とする処理液の温度制御装置。
  4. 被処理体が処理液によって処理される処理室と、
    上記処理液が貯留されたタンクと、
    上記タンクから上記処理室へ上記処理液を供給する処理液供給管路と、
    上記タンク内又はタンク外周に、処理液より低い温度に温調された冷却媒体を連続的に流して処理液を冷却する冷却手段と、
    上記タンク内又はタンク外周に設けた加熱手段と、
    上記処理液の温度を検出する温度検出手段と、
    上記温度検出手段からの検出信号を受け、処理液の温度が所定温度以下になったとき、上記加熱手段を作動させ、処理液の温度が所定温度を越えたとき上記加熱手段を非作動とする温度制御部と、
    を具備することを特徴とする処理液の温度制御装置。
  5. 被処理体が処理液によって処理される処理室と、
    上記処理液が貯留された内側タンクと外側タンクの二重槽構造のタンクと、
    上記タンクから上記処理室へ上記処理液を供給する処理液供給管路と、
    上記内側タンクと外側タンクの間、又は外側タンクの外周に、上記処理液より低い温度に温調された冷却媒体を連続的に流して処理液を冷却する冷却手段と、
    上記内側タンクと外側タンクの間、又は外側タンクの外周に設けた加熱手段と、
    上記内側タンクと外側タンクに設けられ、上記内側タンク又は外側タンクの処理液の温度を検出する内側タンク用又は外側タンク用の温度検出手段と、
    上記温度検出手段からの検出信号を受け、処理液の温度が所定温度以下になったとき、上記加熱手段を作動させ、処理液の温度が所定温度を越えたとき上記加熱手段を非作動とする温度制御部と、
    上記内側タンク用の温度検出手段又は外側タンク用の温度検出手段からの上記温度制御部への検出信号の入力を選択的に切り換える入力切換スイッチと、
    を具備することを特徴とする処理液の温度制御装置。
  6. 上記冷却手段が、上記冷却媒体を上記タンクの内部における上部側から下部側に向かって流した後、タンクの下部側から流出するように設けられ、上記加熱手段がタンクの外周に設けられていることを特徴とする請求項2又は4記載の処理液の温度制御装置。
  7. 上記加熱手段がタンクの内部に設けられ、上記冷却手段がタンクの外周に設けられていることを特徴とする請求項2又は4記載の処理液の温度制御装置。
  8. 上記冷却手段と上記加熱手段がタンクの外周に、タンクの軸線方向に2段に配設されていることを特徴とする請求項2又は4記載の処理液の温度制御装置。
  9. 上記タンク内の処理液の温度を検出する温度検出手段の検出信号を受けてタンク内の処理液の温度が所定温度以下であるか否かを判別する温度制御部と、上記加熱手段の温度検出手段の検出信号を受けて加熱手段の加熱温度が所定温度以下であるか否かを判別する温度制御部とを更に具備してなり、上記タンク内の処理液の温度及び上記加熱温度が所定温度未満のとき上記加熱手段を作動させ、上記タンク内の処理液の温度又は上記加熱温度が所定温度以上のとき上記加熱手段を非動作とするように形成してなる、ことを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の処理液の温度制御装置。
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