JP3756578B2 - 絞り羽根の作動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ,顕微鏡,測定器等の種々の光学製品に用いられる絞り羽根の作動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような絞り羽根の作動装置は、光路の開口面積を変えるようにするために光学機器に設けられるものであるが、その用途は様々であって、被写体光や光源光の強さに応じて変えるようにする場合もあるし、撮影距離に応じて変えるようにすることもある。また、その変え方も、段階的に変えるようにしたものもあれば、連続的に変えられるようにしたものもある。更に、変える手段としては、手動で行うようにしたものもあれば、電動で行うようにしたものもある。本発明における絞り羽根の作動装置は、光路の開口面積を段階的に変えるようにしたものであって、手動式にも適するが、特に電動式にして好適なものである。
【0003】
そこで、電動式にする場合には一番経済的とされている所謂アイリスモータを使用した従来例を、図14を用いて簡単に説明する。尚、この従来例はフィルムを露光するカメラに適用されているものとして説明する。基板1には露光用開口部1aが形成されている。基板1の背面において、絞り羽根2,3が基板1の軸1b,1cに枢着されている。絞り羽根2,3には当接部2a,3aが形成されており、基板1に設けられたストッパ1dに当接し得るようになっている。また、絞り羽根2,3には露光用開口部1aの開口面積を規制するために開口形成部2b,3bが形成されている。他方、基板1の表面側には、アイリスモータ4が二つのビス5,6によって取り付けられ、また、プリント配線板7が基板1のピン1eとビス8によって取り付けられている。
【0004】
アイリスモータ4の構成は周知であるが、回転子4aは二極の永久磁石製であって、回転軸の位置は、図面上、軸1bの位置と重なっている。固定子は、回転子4aを収容し軸受けしている中空体4b(実際には2部品で構成されている)と円筒状のヨーク4cで構成され、中空体4bには、その軸受け部を覆うようにしてコイル4dが巻かれている。また、回転子4aの周面に対向するようにして2本の磁性棒4e,4fが設けられており、回転子4aの磁極の境界が常にそれらの磁性棒4e,4fの間に位置するようになっている。そのため、この回転子4aは、コイル4dへの通電方向によって約35度の範囲で正逆転され、通電を断たれたときには、磁性棒4e,4fとの間の磁気作用によって停止位置に保持されるようになっている。
【0005】
図面が複雑になり見にくくなるため、便宜上、作動ピン4gを実線で示しているが、この作動ピン4gは実際には回転子4aと一体のピンであって、基板1とヨーク4cの間から、基板1に形成された図示していない長孔を貫通し、絞り羽根2,3の長孔2c,3cに嵌合している。従って、図の状態において、コイル4dに順方向へ通電すると、回転子4aが反時計方向へ回転して絞り羽根2,3を閉じてゆき、当接部2a,3aがストッパ1dに当接して停止したとき、開口形成部2b,3bによって小さな長孔状の開口が形成される。この状態は、コイル4dに対する通電を断っても維持されるので、省電力に役立つ。その後、開口を大きくしたい場合には、コイル4dに逆方向へ通電すると、回転子4aが時計方向へ回転して絞り羽根2,3を開いていく。そして、図示の状態で通電を断てば、その状態が維持される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにアイリスモータを用いた場合には、省電力の観点から極めて好適である。しかも、既製のステッピングモータに比べても明らかに廉価であるという利点を有している。しかしながら、この種のモータは汎用性に乏しく、他のモータのように超大量生産が行われないことから、これまで以上にコストダウンをすることが極めて難しい。そのため、尚一層のコストダウンの要請に応じることが不可能な状況にある。他方、モータ以外のアクチュエータとして電磁プランジャの存在が知られている。この電磁プランジャは構造が極めて簡単なことと超大量生産が行われることから、アイリスモータよりも確実に廉価に入手することが可能である。しかし、一般に電磁プランジャは、通電を解くと、ばね力によって初期位置へ復帰してしまうものであるから、絞り羽根の作動装置に用いた場合には、非通電状態で、絞り羽根を複数の位置に停止させておくようにすることができない。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、構成の簡単な絞り羽根の作動装置であって、しかも駆動源として電磁プランジャを用いることも可能にした低コストの絞り羽根の作動装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明における絞り羽根の作動装置は、光路開口部を有する基板と、前記開口部に出入りし該開口部の開口面積を規制することのできる少なくとも1枚の絞り羽根と、底面に少なくとも四つの段部を有し且つ壁面に少なくとも二つの被抑止部を有した周回溝を形成していて前記基板に設けられたガイド部に対して直線的に作動可能に取り付けられており駆動源の駆動力によって行われる往動と該駆動力が解かれたときばねの付勢力によって行われる復動とにより前記絞り羽根を往復作動させる可動部材と、一端部が前記基板に対して回転可能に取り付けられ他端部が前記周回溝に摺接可能に嵌入されていて該他端部は前記可動部材の作動ごとに順に前記各段部と摺接していくように前記周回溝内を一方方向へ移動させられる揺動部材とを備え、前記可動部材の復動ごとに前記少なくとも二つの被抑止部が順に前記他端部に接触し前記ばねの付勢力によって前記絞り羽根の停止位置が維持され得るようにする。
【0009】
また、本発明における絞り羽根の作動装置は、好ましくは、前記可動部材を電磁駆動手段で往動させるようにする。
また、本発明における絞り羽根の作動装置は、好ましくは、前記可動部材と前記絞り羽根が一体に製作されているようにする。
また、本発明における絞り羽根の作動装置は、好ましくは、前記可動部材に前記絞り羽根の押さえ部を設けるようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を四つの実施例で説明する。図面は、第1実施例を図1乃至図4に示し、第2実施例を図5及び図6に示し、第3実施例を図7乃至図10に示し、第4実施例を図11乃至図13に示している。尚、第2実施例以下の実施例において、第1実施例で示した部品,部位と実質的に同じものには、第1実施例の場合と同じ符号を付けることとし、説明の重複を避けることにする。
【0011】
最初に、本発明の第1実施例を図1乃至図4を用いて説明する。図1は絞り羽根を開口部から退避させ光路開口を大口径状態にセットした場合の平面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。図3は本実施例に用いられる可動部材の要部を拡大して示した斜視図であり、図4は光路開口を絞り羽根によって小口径状態にセットした場合の平面図である。
【0012】
先ず、本実施例の構成を説明する。基板11には円形の開口部11aが形成されている。また、基板11には適宜な手段によって電磁プランジャ12が取り付けられている。この電磁プランジャ12は周知の構成をしており、ソレノイド12a内を直線的に往復作動する鉄芯12bの先端に鍔部12cが形成されている。そして、ソレノイド12aに通電した場合には、鉄芯12bが圧縮ばね12dを緊張させつつ左方へ作動し、通電が断たれた場合には、圧縮ばね12dによって右方へ復帰するようになっている。鉄芯12bの左右方向の作動は、図示していないストッパによって夫々規制されるようになっており、図1及び図4は右方向への作動規制状態を示している。
【0013】
基板11に設けられた二つの台部11b,11cの間には2本のガイド棒13,13が取り付けられており、そこに可動部材14が摺動可能に取り付けられ、台部11bとの間に引っ張りばね15が掛けられている。この可動部材14には、図3に示すような周回溝14aが形成されており、底面には四つの段部が形成されている。その底面は、A部からB部までは斜面となっていて徐々に浅くなり、夫々段部を境にしてC部、D部、E部と順に深くなっている。そして、E部からF部までは斜面となっていて徐々に浅くなり、段部を境にしてA部で再び深くなっている。尚、C部及びD部は、夫々D部及びE部に向けて浅くなるような斜面として形成されていても差し支えない。また、この周回溝14aの壁面には二つの被抑止部14a1 ,14a2 が設けられている。
【0014】
また、可動部材14には、張出部14bが形成されており、その先端が電磁プランジャ12の鍔部12cに接触し得るようになっている。更に、この可動部材14には、基板11に向けてピン14cが設けられ、また、左右に伸びた押さえ部14dが形成されている。ロックピン16は、図2から分かるように両端を折り曲げられており、一方の端部16aを台部11bの孔に滑合させ、他方の端部16bを周回溝14aに挿入している。そして、このロックピン16は、台部11bに取り付けられた板ばね17によって押し付けられているので、端部16bは、周回溝14aの底面に接触した状態で平面方向のみならず垂直方向へも移動できるようになっている。
【0015】
絞り羽根18は、基板11の開口部11aよりも口径の小さな開口部18aを有しており、図2から分かるように基板11の軸11dに枢着されている。図1においては、この軸11dの位置は、ロックピン16の端部16bの位置と重なっており、紛らわしいので省略してある。また、絞り羽根18には長孔18bが形成されており、そこに上記したピン14cが嵌合している。そして、このピン14cの先端は、図2から分かるように、基板11に形成された円弧状の溝11e内を移動するようになっている。
【0016】
次に、このように構成された第1実施例の作動を説明する。図1は光路開口を大口径にセットした状態を示している。この状態においては、ソレノイド12aには通電されておらず、鉄芯12bは圧縮ばね12dによって右端位置を占めている。そのため、可動部材14は引っ張りばね15によって右方へ付勢されているが、ロックピン16の端部16bが周回溝14aの被抑止部14a1 (図3)と接触状態にあるため、右方への移動が阻止されている状態にある。また、絞り羽根18は軸11d(図2)において時計方向へ回転された状態にある。従って、この状態における光路開口は、基板11の開口部11aによって規制されている。
【0017】
このような大口径状態から小口径状態に変更する場合には、ソレノイド12aに通電し、鉄芯12bを圧縮ばね12dに抗して左方へ作動させる。それによって、鍔部12cが可動部材14の張出部14bを押すため、可動部材14も引っ張りばね15に抗して左方へ移動する。その結果、ロックピン16の端部16bは相対的に周回溝14a内を摺動することになり、図3においてA部からB部,C部と順に接触していくことになる。そのため、端部16bは、周回溝14aの壁面によって平面方向へ動かされ、また、底面と板ばね17との関係によって垂直方向へも動かされることになり、ロックピン16は三次元の揺動運動を行うことになる。そして、端部16bがC部に落ち込んだあと、端部16bに壁面が当接することによって、可動部材14の左方への移動が停止する。そのときの鍔部12cの位置が図1及び図4において二点鎖線で示されている。他方、このとき絞り羽根18の開口部18aは、その中心が開口部11aの中心位置をオーバーランした状態にある。
【0018】
その後、ソレノイド12aに対する通電を断つと、鉄芯12bは圧縮ばね12dによって右方へ作動し原位置へ復帰する。それに追従して、当初は可動部材14も右方へ移動する。しかし、このとき、ロックピン16の端部16bは、B部とC部との間の段部に案内されてD部へ落ち込み、被抑止部14a2 に接触することになる。そのため、可動部材14は、被抑止部14a2 が端部16bに当接した段階で右方への移動が阻止され停止する。その状態が図4に示されている。この状態においては、光路は、開口部11aよりも口径の小さい開口部18aによって規制されることになる。しかも、この状態は、電磁プランジャ12へ通電していないにもかかわらず保つことが可能になっている。
【0019】
この状態から再び大口径状態にセットしたい場合には、再度、ソレノイド12aに通電すればよい。それによって、鉄芯12bの作動の後半に鍔部12cが張出部14bを押し、可動部材14を左方へ移動させることになる。その結果、ロックピン16の端部16bはE部へ落ち込むことになり、その壁面が端部16bに当接することによって、可動部材14は停止する。その後、ソレノイド12aに対する通電を断つと、鉄芯12bは圧縮ばね12dによって右方へ作動し原位置へ復帰する。そのため、可動部材14も引っ張りばね15によって追従して右方へ移動し、絞り羽根18を時計方向へ回転させる。このとき、ロックピン16の端部16bは、F部からA部へ落ち込み、被抑止部14a1 に接触することになる。そのため、可動部材14は、被抑止部14a1 が端部16bに当接した段階で右方への移動が阻止され停止する。その状態が図1の状態である。このように、本実施例によれば、常に、電磁プランジャ12に対する無通電状態で、一旦セットした光路開口を維持させておくことができる。
【0020】
次に、本発明の第2実施例を、図5及び図6を用いて説明する。図5は光路開口を絞り羽根によって小口径状態にセットした場合の平面図であり、図6は絞り羽根を開口部から退避させ光路開口を大口径状態にセットした場合の平面図である。本実施例と第1実施例との主な相違点は、可動部材14と絞り羽根28が一体化されている点である。この場合、両者を別部品として製作して一体化するようにしても構わないが、合成樹脂で一体成形するようにしても構わない。また、このような構成にしたことによって、可動部材14と鉄芯12bの作動量を大きくしなければならず、図面上、関係する各部品,部位の寸法が、第1実施例の場合より左右方向に大きくなっている。しかしながら、周回溝14aの形状を始めとしてそれらの実質的な形状は同じである。
【0021】
このように構成された第2実施例の作動は、第1実施例の場合と殆ど同じである。従って、周回溝14aとロックピン16との詳細な関係についての説明は省略し、簡単に説明する。図1は光路開口を小口径にセットした状態を示している。この状態においては、ソレノイド12aには通電されておらず、鉄芯12bは圧縮ばね12dによって右端位置を占め、可動部材14は引っ張りばね15によって右方へ付勢されているが、ロックピン16の端部16bが周回溝14aの被抑止部14a1 (図3)と接触し、停止した状態にある。このとき、絞り羽根28の開口部28aは基板11の開口部11aと重なっており、光路開口は、開口部28aによって規制されている。
【0022】
このような小口径状態から大口径状態に変更する場合には、ソレノイド12aに通電し、鉄芯12bを左方へ作動させる。それによって、鍔部12cが張出部14bを押し、可動部材14を左方へ移動させる。そして、鍔部12cが二点鎖線で示した位置に達したとき、上記したように、ロックピン16の端部16bに周回溝14aの壁面が当接して一旦停止する。続いて、ソレノイド12aに対する通電を断つと、鉄芯12bは圧縮ばね12dによって右方へ作動し原位置へ復帰するが、可動部材14は僅かに追従するだけであり、被抑止部14a2 (図3)が端部16bに当接した段階で停止する。その状態が図6に示されている。この状態においては、光路は、開口部28aよりも口径の大きい開口部11aによって規制されることになる。
【0023】
この状態から再び小口径状態にセットする場合には、再度、ソレノイド12aに通電すればよい。それによって、鉄芯12bの作動の後半に鍔部12cが張出部14bを押し、可動部材14を左方へ移動させるが、その移動は、周回溝14aの壁面が端部16bに当接することによって停止する。その後、ソレノイド12aに対する通電を断つと、鉄芯12bは圧縮ばね12dによって右方へ作動し原位置へ復帰し、可動部材14も引っ張りばね15によって追従して図1の状態に復帰する。このように、本実施例の場合においても、電磁プランジャ12に通電するのは光路開口を変えるときだけであり、一旦セットした光路開口は、無通電状態にしてもその状態を維持されている。また、本実施例のような構成にした場合には第1実施例の場合より部品点数が削減できるという利点がある。
【0024】
次に、本発明の第3実施例を、図7乃至図10を用いて説明する。図7は光路開口を絞り羽根によって小口径状態にセットした場合の平面図であり、図8は本実施例に用いられる可動部材の要部を拡大して示した斜視図である。図9は絞り羽根を開口部から退避させ光路開口を大口径状態にセットした場合の平面図であり、図10は光路開口を絞り羽根によって中口径状態にセットした場合の平面図である。本実施例が第1実施例と相違している主な点は、可動部材24と絞り羽根38の形状,機能にある。従って、構成については、これらの部材についてだけ説明することにする。
【0025】
先ず、本実施例の可動部材24には、図8に示すような周回溝24aが形成されていて、その底面には六つの段部が形成されている。そして、底面は、A部からB部までは斜面となっていて徐々に浅くなり、夫々段部を境にしてC部、D部、E部と順に深くなっている。ここまでは、A,B間が長いだけであって、実質的に第1実施例の場合と同じに考えてよい。そして、E部からF部までは斜面となっていて徐々に浅くなり、段部を境にしてG部、H部とまた順に深くなっている。更に、H部からは再び浅くなって行き、I部ではA部よりも浅くなっている。この結果、本実施例においては、三つの被抑止部24a1,24a2,24a3を設けたことになる。尚、六つの段部間の底面を、斜面に形成するか平面に形成するかは自由であり、少なくとも一箇所だけは斜面に形成する必要があるだけである。要は、端部16bが周回溝24aの中を一方方向にだけ相対的に移動するようにすればよい。他方、基板11の軸11dに枢着した絞り羽根38は、大きさの異なる二つの開口部38a,38bを形成しており、また、長孔38cを、可動部材24のピン24cに嵌合させている。
【0026】
次に、この第3実施例の作動を説明する。図7は光路開口を小口径にセットした状態を示している。この状態においては、ソレノイド12aには通電されていない。可動部材24は引っ張りばね15によって右方へ付勢されていて、周回溝24aの被抑止部24a1がロックピン16の端部16bに接触し、この状態が保たれている。このとき、絞り羽根38の開口部38aが基板11の開口部11aに重なっているので、光路開口は開口部38aによって規制されている。このような小口径状態から大口径状態に変更する場合には、ソレノイド12aに通電し、鉄芯12bを左方へ作動させる。それによって、鍔部12cが可動部材24の張出部24bを押し、可動部材24も左方へ移動する。その結果、ロックピン16の端部16bは相対的に周回溝24a内を摺動し、図8においてA部からB部,C部と順に接触していく。そして、端部16bがC部に落ち込んだあと、端部16bに壁面が当接し、可動部材24の左方への移動が停止する。
【0027】
その後、ソレノイド12aに対する通電を断つと、鉄芯12bは圧縮ばね12dによって右方へ作動し原位置へ復帰する。可動部材24も、それに追従して、右方へ移動するが、このとき、ロックピン16の端部16bは、B部とC部との間の段部に案内されてD部へ落ち込み、被抑止部24a2 に接触することになる。そのため、可動部材14は、被抑止部24a2 が端部16bに当接した段階で右方への移動を停止する。その状態が図9に示されている。この状態においては、光路は、開口部11aによって規制されるので大口径状態ということになる。そして、電磁プランジャ12が無通電状態であっても、この状態は確実に保たれる。
【0028】
この状態から、再度、ソレノイド12aに通電すると、鉄芯12bの左方への作動の後半に、鍔部12cが張出部24bを押し、可動部材24を左方へ移動させる。そのため、ロックピン16の端部16bはE部へ落ち込み、その後、周回溝24aの壁面が端部16bに当接することによって、可動部材24は停止する。そして、ソレノイド12aに対する通電を断つと、鉄芯12bは右方へ作動し原位置へ復帰する。可動部材24も、それに追従して、右方へ移動するが、このとき、ロックピン16の端部16bは、F部からG部へ落ち込み、被抑止部24a3 に接触することになる。そのため、可動部材24は、被抑止部24a3 が端部16bに当接した段階で右方への移動を停止する。その状態が図10に示されている。このとき、絞り羽根38の開口部38bが開口部11aと重なっているので、光路開口は開口部38bによって規制されることになる。この状態が、中口径のセット状態である。この状態は、電磁プランジャ12が無通電状態であっても確実に保たれる。
【0029】
この状態から再び小口径状態にセットしたい場合には、再度、ソレノイド12aに通電する。それによって、鉄芯12bの作動の中程で鍔部12cが張出部24bを押し、可動部材24を左方へ移動させる。そのため、ロックピン16の端部16bはH部へ落ち込み、その後、周回溝24aの壁面が端部16bに当接することによって、可動部材24は停止する。そして、ソレノイド12aに対する通電を断つと、鉄芯12bは原位置へ復帰するため、可動部材24も追従して右方へ移動し、絞り羽根38を更に時計方向へ回転させる。このとき、ロックピン16の端部16bは、I部からA部へ落ち込み、被抑止部24a1 に接触することになる。そのため、可動部材24は、被抑止部24a1 が端部16bに当接した段階で右方への移動が阻止され停止する。その状態が図7の状態である。このように、本実施例は、第1実施例及び第2実施例の場合よりも光路開口の設定数が多いという利点がある。尚、周回溝24aの被抑止部と、絞り羽根38の開口部の数を増やすことによって光路開口の設定数を四つ以上にすることも可能であることはいうまでもない。
【0030】
最後に、図11乃至図13を用いて本発明の第4実施例を説明する。図11は光路開口が絞り羽根によって小さくなるようにセットした場合の平面図であり、図12は図11の底面図である。また、図13は絞り羽根を開口部から退避させ光路開口が大きくなるようにセットした場合の平面図である。本実施例と第1実施例との主な相違点は、絞り羽根が2枚(22,23)で構成され、それらの羽根押さえ部材19が可動部材14から独立して設けられている点である。
【0031】
本実施例の絞り羽根の構成は、図14に示した従来の絞り羽根の構成と全く同じである。即ち、絞り羽根22,23は、基板11の軸11f,11gに枢着されている。この絞り羽根22,23には、ストッパ11hに当接する当接部22a,23aと、開口形成部22b,23bが形成されており、夫々の長孔22c,23cを可動部材14のピン14cに嵌合させている。また、羽根押さえ部材19は、開口部19aを有しており、ビス20,21によって基板11に取り付けられている。
【0032】
次に、本実施例の作動を説明するが、周回溝14aとロックピン16との関係については第1実施例の場合と同じであるから、その点についての詳しい説明は省略して説明する。図11は光路開口が小さくなるようにセットした状態を示している。この状態においては、ソレノイド12aには通電されておらず、鉄芯12bは圧縮ばね12dによって上端位置を占め、可動部材14は引っ張りばね15によって上方へ付勢されているが、ロックピン16の端部16bが周回溝14aの被抑止部14a1 (図3)と接触し、停止した状態にある。このとき、絞り羽根22,23は、それらの開口形成部22b,23bによって長孔状の小さい光路開口を形成している。
【0033】
このような状態から大きい開口状態に変更する場合には、ソレノイド12aに通電し、鉄芯12bを下方へ作動させる。それによって、鍔部12cが張出部14bを押し、可動部材14を下方へ移動させる。そして、鍔部12cが二点鎖線で示した位置に達したとき、既に述べたようにして、ロックピン16の端部16bに周回溝14aの壁面が当接し、停止する。続いて、ソレノイド12aに対する通電を断つと、鉄芯12bは圧縮ばね12dによって上方位置へ復帰するが、可動部材14は僅かに追従するだけであり、被抑止部14a2 (図3)が端部16bに当接した段階で停止する。その状態が図13に示されており、光路は開口部11aによって規制されることになる。この状態においては、光路は口径の大きな開口部11aによって規制されることになる。
【0034】
この状態から再びソレノイド12aに通電すると、鉄芯12bの作動の後半に鍔部12cが張出部14bを押し、可動部材14を下方へ移動させるが、その移動は、周回溝14aの壁面が端部16bに当接することによって停止する。その後、ソレノイド12aに対する通電を断つと、鉄芯12bは上方の原位置へ復帰し、可動部材14も引っ張りばね15によって追従して図11の状態に復帰する。このように、本実施例によれば絞り羽根を2枚で構成でき、更に公知のような絞りリングを採用すれば、3枚以上の羽根で構成することも可能である。
【0035】
尚、上記の各実施例においては、電磁プランジャの鉄芯と可動部材とは連結されておらず、鉄芯は、常に同じストロークの作動を行うようになっているが、本発明は、例えば鉄芯の鍔部を可動部材の張出部に連結させ、鉄芯が常に原位置へ復帰するとは限らないようにしても差し支えない。また、上記の各実施例においては、駆動源として電磁プランジャの場合で説明したが、特にそれに限定されることはなく、例えば形状記憶合金のようなものを採用してもよいし、場合によっては可動部材を手動で操作するようにしても構わない。
【0036】
【発明の効果】
上記のように、本発明においては、一回の往復作動で往動と復動の作動量が異なるように構成された可動部材を設けることにより、光路開口の大きさを変えることができるようにしたので、極めて低コストな絞り羽根の作動装置が得られる。また、駆動源に電磁プランジャを用いた場合には、従来のアイリスモータよりも低コストで製作でき、しかも無通電状態で、設定された開口状態を機械的に保持するので、アイリスモータのように磁気的に保持するものに比較して確実性が大きいという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の平面図であって、光路開口を大口径状態にセットした場合を示している。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】第1実施例の可動部材の要部を拡大して示した斜視図である。
【図4】第1実施例の平面図であって、光路開口を小口径状態にセットした場合を示している。
【図5】第2実施例の平面図であって、光路開口を小口径状態にセットした場合を示している。
【図6】第2実施例の平面図であって、光路開口を大口径状態にセットした場合を示している。
【図7】第3実施例の平面図であって、光路開口を小口径状態にセットした場合を示している。
【図8】第3実施例の可動部材の要部を拡大して示した斜視図である。
【図9】第3実施例の平面図であって、光路開口を大口径状態にセットした場合を示している。
【図10】第3実施例の平面図であって、光路開口を中口径状態にセットした場合を示している。
【図11】第4実施例の平面図であって、光路開口が小さくなるようにセットした場合を示している。
【図12】図11の底面図である。
【図13】第4実施例の平面図であって、光路開口が大きくなるようにセットした場合を示している。
【図14】従来例の平面図である。
【符号の説明】
11 基板
11a,18a,19a,28a,38a,38b 開口部
11b,11c 台部
11d,11f,11g 軸
11e 溝
11h ストッパ
12 電磁プランジャ
12a ソレノイド
12b 鉄芯
12c 鍔部
12d 圧縮ばね
13 ガイド棒
14,24 可動部材
14a,24a 周回溝
14a1 ,14a2 ,24a1 ,24a2 ,24a3 被抑止部
14b,24b 張出部
14c,24c ピン
14d 押さえ部
15 引っ張りばね
16 ロックピン
16a,16b 端部
17 板ばね
18,22,23,28,38 絞り羽根
18b,22c,23c,38c 長孔
19 羽根押さえ部材
20,21 ビス
22a,23a 当接部
22b,23b 開口形成部

Claims (4)

  1. 光路開口部を有する基板と、前記開口部に出入りし該開口部の開口面積を規制することのできる少なくとも1枚の絞り羽根と、底面に少なくとも四つの段部を有し且つ壁面に少なくとも二つの被抑止部を有した周回溝を形成していて前記基板に設けられたガイド部に対して直線的に作動可能に取り付けられており駆動源の駆動力によって行われる往動と該駆動力が解かれたときばねの付勢力によって行われる復動とにより前記絞り羽根を往復作動させる可動部材と、一端部が前記基板に対して回転可能に取り付けられ他端部が前記周回溝に摺接可能に嵌入されていて該他端部は前記可動部材の作動ごとに順に前記各段部と摺接していくように前記周回溝内を一方方向へ移動させられる揺動部材とを備え、前記可動部材の復動ごとに前記少なくとも二つの被抑止部が順に前記他端部に接触し前記ばねの付勢力によって前記絞り羽根の停止位置が維持され得るようにしたことを特徴とする絞り羽根の作動装置。
  2. 前記可動部材を電磁駆動手段で往動させるようにしたことを特徴とする請求項に記載の絞り羽根の作動装置。
  3. 前記可動部材と前記絞り羽根が一体に製作されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の絞り羽根の作動装置。
  4. 前記可動部材に前記絞り羽根の押さえ部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の絞り羽根の作動装置。
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