JP3754742B2 - 光起電力素子の作製装置 - Google Patents

光起電力素子の作製装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマCVD法による太陽電池等の光起電力素子を連続的に作製する光起電力素子の作製装置に係り、特にロールツーロール装置を用いた太陽電池等の光起電力素子を大量生産する光起電力素子の作製装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来において、例えば、a−Si膜等を用いた光起電力素子の作製には、一般的には、プラズマCVD法が広く用いられており、企業化されている。
しかしながら、光起電力素子を電力需要を賄うものとして確立させるためには、使用する光起電力素子が、光電変換効率が充分に高く、特性安定性に優れたものであり、且つ大量生産し得るものであることが基本的に要求される。
そのためには、a−Si膜等を用いた光起電力素子の作製においては、電気的、光学的、光導電的あるいは機械的特性及び繰り返し使用での疲労特性あるいは使用環境特性の向上を図るとともに、大面積化、膜厚及び膜質の均一化を図りながら、しかも高速成膜によって再現性のある量産化を図らねばならない。
その中で、これまでマイクロ波プラズマCVD法による堆積膜形成方法については多くの報告がなされている。
例えば、
文献1):”Chemical Vapor deposition of a−SiGe:H films utilizing a microwave−excited plasma”
T.Watanabe,M.Tanaka,K.Azuma,M.Nakatani,T.Sonobe,T.Simada,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.26,No.4,April,1987,pp.L288−L290と、
文献2):”Microwave−excited plasma CVD of a−Si:H films utilizing a hydrogen plasma stream or by direct excitation of silane”
T.Watanabe,M.Tanaka,K.Azuma,M.Nakatani,T.Sonobe,T.Simada,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.26,No.8,August,1987,pp.1215−1218等には、磁界中をサイクロトロン運動する電子にマイクロ波エネルギーを共鳴させて、高密度のプラズマを低圧力下で実現させるECR装置に関する報告がされている。
上記文献1)では、ECR装置を用いて、SiH4ガスおよび、GeH4ガスを分解し、a−SiGe膜の高速堆積を可能にしている。
上記文献2)では、ECR装置で、プラズマ分解されたH2ガス流の中に、SiH4ガスを導入することで高品質のa−Si膜の高速堆積の可能性を報告したものである。
また、文献3):特公昭59−56724号公報「マイクロ波プラズマによる薄膜形成方法」は、マイクロ波プラズマを生起するための円筒型の共振器を用い、内外二重管より導入されるガスを混合するとともに、前記プラズマ分解することで、基板上に堆積膜を形成させるもので、マイクロ波プラズマ生起手段の一形式を提示している。
【0003】
光起電力素子については、その重要な構成要素たる半導体層は、いわゆるpn接合、pin接合等の半導体接合がなされている。
a−Si等の薄膜半導体を用いる場合、ホスフィン(PH3)、ジボラン(B2H6)等のドーパントとなる元素を含む原料ガスを主原料ガスであるシラン等に混合してグロー放電分解することにより所望の導電型を有する半導体膜が得られ、所望の基板上にこれらの半導体膜を順次積層作製することによって容易に前述の半導体接合が達成できることが知られている。
そしてこのことから、a−Si系の光起電力素子を作製するについて、その各々の半導体層作製用の独立した成膜室を設け、該成膜室にて各々の半導体層の作製を行う方法が提案されている。
因に米国特許第4,400,409号明細書には、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方式を採用した連続プラズマCVD装置が開示されている。
この装置によれば、複数のグロー放電領域を設け、所望の幅の十分に長い可撓性の基板を、該基板が前記各グロー放電領域を順次貫通する経路に沿って配置し、前記各グロー放電領域において必要とされる導電型の半導体層を堆積しつつ、前記基板をその長手方向に連続的に搬送せしめることによって、半導体接合を有する素子を連続作製することができるとされている。
なお、該明細書においては、各半導体層作製時に用いるドーパントガスが他のグロー放電領域へ拡散、混入するのを防止するにはガスゲートが用いられている。具体的には、前記各グロー放電領域同志を、スリット状の分離通路によって相互に分離し、さらに該分離通路に例えばAr、H2等の掃気用ガスの流れを作製させる手段が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の真空装置は、量産装置としたとき複数の真空容器を連結し配置するため大型となり、特に、帯状部材の搬送方向に対し長大となる傾向があった。
このように従来のロール・ツー・ロール型のプラズマCVD法による光起電力素子の作製装置においては、帯状部材の搬送方向に対し長大になる傾向があり、さらに所望の特性の光起電力特性を得ようとした場合、帯状部材の温度を昇温させること、及び、不純物の除去のための真空容器のベーキングなどの温度の変化プロセスを実施していた。しかしながらこれによる熱膨張と冷却による収縮を繰り返す工程による熱履歴は真空容器に応力として作用し、ひずみをもたらし、特に、強度の弱い箇所にヒビを発生させ、リーク発生等の問題を引き起こす可能性をもっていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来のものにおける課題を解決すると共に、加熱された前記帯状部材の般送をさらに安定なものとし、特性の均一性に優れ、欠陥の少ない光起電力素子を大量生産することを可能とする光起電力素子の作製装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、光起電力素子の作製装置をつぎのように構成したものである。
【0007】
すなわち、本発明の光起電力素子の作製装置は、帯状部材を複数の連結してなる真空容器内を通過させ、プラズマCVD法により該帯状部材表面に複数の異なる薄膜を積層形成して光起電力素子を連続的に作製する光起電力素子の作製装置において、前記複数の真空容器とこの真空容器を支持する架台との間に、前記連結された真空容器の熱膨張の伸縮作用で該真空容器に発生する前記帯状部材の搬送方向への真空容器の移動を吸収する滑り機構を設けたことを特徴とする。
そして、本発明においては、前記滑り機構として、前記真空容器の脚部に取り付けられた反り状の部材で形成し、または、前記真空容器の脚部に取り付けられた球状の部材で形成し、あるいは、前記真空容器の脚部に取り付けられた車輪状の部材で形成することができる。
また、本発明においては、前記滑り機構は、滑り制限機構により前記帯状部材の搬送方向に対する直角方向の移動を制限するように構成してもよく、また、前記滑り機構と前記架台との接触箇所には、潤滑剤を設けるようにしてもよい。
さらに、本発明においては、前記複数の連結してなる真空容器において、搬送方向に連結し配列された中心に配置の真空容器を前記架台に固定するようにしてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、上記構成により、前記連結された真空容器の熱膨張の伸縮作用で該真空容器に発生する前記帯状部材の搬送方向の応力を緩和し、上記した本発明の目的を達成するものである。
すなわち、本発明は、光起電力素子作製装置が帯状部材搬送方向に長大となるため、特に、帯状部材搬送方向応力の発生量が大きくなることに着目し発明されたものである。
このことより、本発明の滑り機構は帯状部材搬送方向に特に大きな自由度を持たせることが好ましく、また、帯状部材の搬送方向と直角の方向に対しても該滑り機構なる機能を持たせても良い。
この場合複数の真空容器の配置を安定化させる意味においても、搬送直角方向に対して、滑り過ぎを適宜制限する機構を設けることが好ましい。
本発明において、滑り過ぎを制限する機構とは、帯状部材搬送方向に平行にガイドを設け前記真空容器の垂直方向移動時のずれを制限する壁となるものである。
本発明において、帯状部材搬送方向の滑り機構は、搬送方向に一列に配列された複数の真空容器の全てに設置しても良く、また、実質的に応力のかからない中心となる真空容器は前記架台と該真空容器を固定していても構わない。
本発明において、滑り機構は、真空容器と架台をボルト止め、溶接等の固定手段を持たず、点接触、線接触、面接触で真空容器と架台が接触し、さらに、この接触箇所に必要に応じて潤滑剤などを用い、真空容器の可動をさらに容易ならしめることが可能である。
また、本発明において、滑り機構は車輪状の回転運動を用いても前記真空容器の可動を容易ならしめることも可能である。
上述した本発明の光起電力素子を連続的に作製する装置を用いて、光起電力素子を作製することにより、前述の諸問題を解決するとともに連続移動する帯状部材の搬送をより安定化せしめることが可能となる。
さらに、この結果、高品質で優れた均一性を有する光起電力素子を作製することができる。
【0009】
以下に、本発明における光起電力素子の連続作製装置についての詳細を、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の光起電力素子を連続製造装置の典型的1例を示す模式的説明図である。
同図において、真空容器100の中に、概ね直方体形状のi型半導体作製用の成膜容器101と帯状部材104とで形成される第1、第2、第3の成膜空間を構成する。
真空容器100及び、成膜容器101は、それぞれ金属性であって電気的に接続されている。
堆積膜が形成される帯状部材104は真空容器100の図示左側即ち、搬入側の側壁に取り付けられたガスゲート129を経てこの成膜容器101内に導入され、成膜空間を貫通し、真空容器100の図示右側即ち、搬出側の側壁に取り付けられたガスゲート130を通って真空容器100の外部へ搬出されるようになっている。
成膜空間内には、図2に示すように第1、第2、第3のアプリケータ105、106、107が帯状部材104の搬送方向に沿って並ぶように取り付けられている。
各アプリケータ105、106、107はマイクロ波エネルギーを成膜空間に導入するためのものであり不図示のマイクロ波電源に一端が接続された導波管111、112、113の他端が、それぞれ接続されている。
また、アプリケータ105、106、107の成膜空間への取り付けは部位は、それぞれ、マイクロ波を透過する材料からなるマイクロ波透過性部材108、109、110とから成っている。
また、成膜容器101の底面には、原料ガスを放出する第1、第2、第3のガス導入手段117、118、119がそれぞれ取り付けられ、原料ガスを放出するための多数のガス放出孔が帯状部材104に向けられ配設されている。
これらのガス放出手段は、不図示のガス供給設備に接続されている。また、アプリケータの対抗側即ち図示手前側の側壁には、排気パンチングボード120、121、122が取り付けられマイクロ波エネルギーを成膜空間内に閉じこめるとともに排気管125、126(図1)に接続された排気スロットルバルブ127、128を介して真空ポンプなどの不図示の排気手段に接続されている。
また、図1の装置は、機能性堆積膜を連続的に形成する装置であり、帯状部材104の送り出し及び巻き取り用の真空容器301及び302、第1の導電型層作製用の真空容器100n、i型層作製用の真空容器100、第2の導電型層作製用の真空容器100pをガスゲートを介して接続した装置から構成されている。第1の導電型層作製用の真空容器100n及び、第2の導電型層作製用の真空容器100pは先に説明したi型層作製用の真空容器100内の構造に対しアプリケータを一台とし、真空容器100n、100pの中に、それぞれ概ね直方体形状の容器101n、101pと帯状部材104とで成膜空間102n、102pを形成する。
【0010】
図1の真空容器100n,100p及び、成膜容器101n、101pは、それぞれ金属性であって電気的に接続されている。
303は帯状部材104の送り出し用ボビン、304は帯状部材104の巻き取り用ボビンであり、図中矢印方向に帯状部材が搬送される。もちろんこれは逆転させて搬送することもできる。
また、真空容器303、304中には帯状部材104の表面保護用に用いられる合紙の巻き取り、及び送り込み手段を配設しても良い。前記合紙の材質としては、耐熱性樹脂であるポリイミド系、テフロン系及びグラスウール等が好適に用いられる。
305、306は張力調整及び帯状部材の位置出しを兼ねた搬送用ローラーである。314、315は圧力計。127n、127、128、128p、307、308はコンダクタンス調製用のスロットルバルブ、125n、125、126、125p、310、311は排気管でありそれぞれ一部分がフレキシブル構造となっており、それぞれ不図示の床に固定された排気ポンプに接続されている。129n、129、130、129pはガスゲートであり、131n、131、132、131pはゲートガス導入管で、それぞれ不図示のガス配管の一部分がフレキシブル構造となっており、さらに床に固定されたガス供給設備に接続されている。105n、105、106、107、105pはマイクロ波導入のためのアプリケータでそれらの先端部にはマイクロ波透過性部材108n、108、109、110、108pがそれぞれ取り付けられており、導波管111n,111,112,113.111pを通じて、不図示のマイクロ波電源に接続されている。
各成膜容器101n、101、101pの帯状部材104を挟んで成膜空間と反対側には、多数の赤外線ランプヒーター124n、124、124pと、これら赤外線ランプヒーターからの放射熱を効率よく帯状部材104に集中させるためのランプハウス123n、123、123pがそれぞれ設けられている。また、帯状部材104の温度を監視するための熱電対134n、134、134pがそれぞれ帯状部材104に接触するように接続されている。
【0011】
つぎに、本発明の滑り機構について説明する。
図5は真空容器301、302、100n、100pのそれぞれの底部四隅の脚部にそれぞれ固定された反り状の部材11であり、滑り機構を設けた本発明の模式図である。
同図において、反り状の部材は帯状部材104の搬送方向に垂直に先端部が反り返っていて熱伸縮を繰り返して真空容器が移動する際の架台10との摩擦を低減している。
一方、真空容器100は搬送方向に一列に並ぶ真空容器の中で、中心に配置されているため、架台10とは、固定されている。
これにより、光起電力素子作製装置は真空容器100を中心とし、真空容器301、302、100n、100pはそれぞれ反り状部材11と架台10の接触面を介して容易に移動することが可能である。
該反り状部材11および、架台10の材質は主として、Al、Ni、Ti、Mo、W、Fe、V、Cr、ステンレス等の機械的強度および加工容易性から適宜選択される。
また、該反り状部材および、該架台接触表面の表面性に関しては、バフ研磨仕上げによる鏡面が好ましい。
また、さらに、架台10との摩擦をより低減するために、潤滑剤を接触面に塗布することも可能である。
【0012】
図6は滑り機構の他の装置例を模式的に示すものである。
同図において、球状の滑り部材31は不図示の真空容器の脚部に取りつけられ、架台10に対し点接触となり真空容器の円滑な移動を可能ならしめている。
また、図7は本発明の他の装置例で、同図において、滑り機構は車輪41となっており、帯状部材の搬送方向に対し真空容器を円滑に移動させることが可能になっている。
【0013】
図8は本発明の滑り制限機構32を示す模式図である。
同図において、先に説明した球状の滑り機構31の滑り方向を制限するものである。該滑り制限機構32は帯状部材搬送方向に対し平行に配設され、不図示の真空容器が架台10より脱落しないように、且つ、帯状部材搬送方向に連結し配列された真空容器の垂直方向の動きに制限を与える構造になっている。
図9は、本発明の他の装置例を示す模式図である。
同図において、レール62は架台10に帯状部材搬送方向に平行に配置されている。
また、不図示の真空容器の脚部に取り付けられた車輪61はレール62の軌道上を円滑に移動することが可能となっている。
本発明において好適に用いられる帯状部材の材質としては、半導体膜作製時に必要とされる温度において変形、歪みが少なく、所望の強度を有し、また、導電性を有するものであることが好ましく、具体的にはステンレススチール、アルミニウム及びその合金、鉄及びその合金、銅及びその合金等の金属の薄板及びその複合体、及びそれらの表面に異種材質の金属薄膜及び/またはSiO2、Si3N4、Al2O3、AlN等の絶緑性薄膜をスパッタ法、蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処理を行ったもの。
又、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ等の耐熱性樹脂製シート又はこれらとガラスファイバー、カーボンファイバー、ホウ素ファイバー、金属繊維等との複合体の表面に金属単体または合金、及び透明導電性酸化物(TCO)等を鍍金、蒸着、スパッタ、塗布等の方法で導電性処理を行ったものが挙げられる。
【0014】
また、前記帯状部材の厚さとしては、前記搬送手段による搬送時に作製される湾曲形状が維持される強度を発揮する範囲内であれば、コスト、収納スペース等を考慮して可能な限り薄い方が望ましい。具体的には、好ましくは0.01mm乃至5mm、より好ましくは0.02mm乃至2mm、最適には0.05mm乃至1mmであることが望ましいが、金属等の薄板を用いる場合、厚さを比較的薄くしても所望の強度が得られやすい。
前記帯状部材の幅については、特に制限されることはなく、半導体膜作製手段、あるいはその容器等のサイズによって決定される。
前記帯状部材の長さについては、特に制限されることはなく、ロール状に巻き取られる程度の長さであっても良く、長尺のものを溶接等によって更に長尺化したものであっても良い。
前記帯状部材が金属等の電気導電性である場合には直接電流取り出し用の電極としても良いし、合成樹脂等の電気絶縁性である場合には半導体膜の作製される側の表面にAl、Ag、Pt、Au、Ni、Ti、Mo、W、Fe、V、Cr、Cu、ステンレス、真ちゅう、ニクロム、SnO2、In2O3、ZnO、SnO2−In2O3(ITO)等のいわゆる金属単体又は合金、及び透明導電性酸化物(TCO)を鍍金、蒸着、スパッタ等の方法であらかじめ表面処理を行って電流取り出し用の電極を作製しておくことが望ましい。
【0015】
前記帯状部材が金属等の非透光性のものである場合、長波長光の基板表面上での反射率を向上させるための反射性導電膜を該帯状部材上に作製することが前述のように好ましい。該反射性導電膜の材質として好適に用いられるものとしてAg、Al、Cr等が挙げられる。
また、基板材質と半導体膜との間での構成元素の相互拡散を防止したり短絡防止用の緩衝層とする等の目的で金属層等を反射性導電膜として、前記基板上の半導体膜が作製される側に設けることが好ましい。
該緩衝層の材質として好適に用いられるものとして、ZnOが挙げられる。
また、前記帯状部材が比較的透明であって、該帯状部材の側から光入射を行う層構成の太陽電池とする場合には前記透明導電性酸化物や金属薄膜等の導電性薄膜をあらかじめ堆積作製しておくことが望ましい。
また、前記帯状部材の表面性としてはいわゆる平滑面であっても、微小の凹凸面が有っても良い。微小の凹凸面とする場合には球状、円錐状、角錐状等であって、且つその最大高さ(Rmax)は好ましくは500A乃至5000Aとすることにより、該表面での光反射が乱反射となり、該表面での反射光の光路長の増大をもたらす。
【0016】
つぎに、本発明の光起電力素子の作製装置におけるガスゲートについて説明する。
本発明において、前記帯状部材の送り出し及び巻き取り用真空容器と半導体膜作製用真空容器を分離独立させ、且つ、前記帯状部材をそれらの中を貫通させて連続的に搬送するにはガスゲート手段が好適に用いられる。
該ガスゲート手段の能力としては前記各容器間に生じる圧力差によって、相互に使用している半導体膜作製用原料ガス等の雰囲気を拡散させない能力を有することが必要である。
従って、その基本概念は米国特許第4,438,723号明細書に開示されているガスゲート手段を採用することができるが、更にその能力は改善される必要がある。
具体的には、最大106倍程度の圧力差に耐え得ることが必要であり、排気ポンプとしては排気能力の大きい油拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、メカニカルブースターポンプ等が好適に用いられる。
また、ガスゲートの断面形状としてはスリット状又はこれに類似する形状であり、その全長及び用いる排気ポンプの排気能力等と合わせて、一般のコンダクタンス計算式を用いてそれらの寸法が計算、設計される。更に、分離能力を高めるためにゲートガスを併用することが好ましく、例えばAr、He、Ne、Kr、Xe、Rn等の希ガス又はH2等の半導体膜作製用希釈ガスが挙げられる。
ゲートガス流量としてはガスゲート全体のコンダクタンス及び用いる排気ポンプの能力等によって適宜決定されるが、例えば、ガスゲートのほぼ中央部に圧力の最大となるポイントを設ければ、ゲートガスはガスゲート中央部から両サイドの真空容器側へ流れ、両サイドの容器間での相互のガス拡散を最小限に抑えることができる。
実際には、質量分析計を用いて拡散してくるガス量を測定したり、半導体膜の組成分析を行うことによって最適条件を決定する。
【0017】
図10は、本発明で作製される光起電力素子の構成を示す模式図である。
図10(a)に示す例は、帯状部材501(104)、下部電極502、第1の導電型層503、i型層504、第2の導電型層505、上部電極506、集電電極507から構成されている。
図10(b)に示す例は、バンドギャップ及び/又は層厚の異なる2種の半導体層をi型層として用いた光起電力素子を2素子積層して構成された、いわゆるダブル型光起電力素子であり、帯状部材501(104)、下部電極502、第1の導電型層503、i型層504、第2の導電型層505、第1の導電型層503、i型層504、第2の導電型層505、上部電極506、集電電極507から構成されている。
図10(c)に示す例は、バンドギャップ及び/又は層厚の異なる3種の半導体層をi型層として用いた光起電力素子を3素子積層して構成された、いわゆるトリプル型光起電力素子であり、帯状部材501(104)、下部電極502、第1の導電型層503、i型層504、第2の導電型層505、第1の導電型層503、i型層504、第2の導電型層505、第1の導電型層503、i型層504、第2の導電型層505、上部電極506、集電電極507から構成されている。
【0018】
以下、これらの光起電力素子の構成について説明する。
本発明において用いられる帯状部材501(104)は、フレキシブルである材質のものが好適に用いられ、導電性のものであっても、また電気絶縁性のものであってもよい。さらには、それらは透光性のものであっても、また非透光性のものであってもよいが、帯状部材501(104)の側より光入射が行われる場合には、もちろん透光性であることが必要である。
具体的には、本発明において用いられる前記帯状部材104を挙げることができ、該帯状部材104を用いることにより、作製される光起電力素子の軽量化、強度向上、運搬スペースの低減等が図れる。
【0019】
光起電力素子の電極としては、当該素子の構成形態により適宜の電極が選択使用される。
それらの電極としては、下部電極、上部電極(透明電極)、集電電極を挙げることができる。(ただし、ここでいう上部電極とは光の入射側に設けられたものを示し、下部電極とは半導体層を挟んで上部電極に対向して設けられたものを示すこととする。)
これらの電極について以下に詳しく説明する。
本発明において用いられる下部電極502としては、上述した帯状部材501の材料が透光性であるか否かによって、光起電力発生用の光を照射する面が異なる故(たとえば帯状部材501が金属等の非透光性の材料である場合には、図10(a)、(b)、(c)で示したごとく透明電極506側から光起電力発生用の光を照射する。)その設置される場所が異なる。
具体的には、図10(a)、(b)、(c)のような層構成の場合には帯状部材501と第1の導電型層503との間に設けられる。
しかし、帯状部材501が導電性である場合には、該帯状部材が下部電極を兼ねることができる。ただし、帯状部材501が導電性であってもシート抵抗値が高い場合には、電流取り出し用の低抵抗の電極として、あるいは基板表面での反射率を高め入射光の有効利用を図る目的で下部電極502を設置してもよい。
電極材料としては、Ag、Au、Pt、Ni、Cr、Cu、Al、Ti、Zn、Mo、W等の金属又はこれらの合金が挙げられ、これ等の金属の薄膜を真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等で作製する。
また、作製された金属薄膜は光起電力素子の出力に対して抵抗成分とならぬように配慮されねばならず、シート抵抗値として好ましくは50Ω以下、より好ましくは10Ω以下であることが望ましい。
下部電極502と第1の導電型層503との間に、図中には示されていないが、ZnO等の短絡防止及び拡散防止のための緩衝層を設けても良い。該緩衝層の効果としては下部電極502を構成する金属元素が第1の導電型層503中へ拡散するのを防止するのみならず、若干の抵抗値をもたせることで半導体層を挟んで設けられた下部電極502と透明電極506との間にピンホール等の欠陥で発生するショートを防止すること、及び薄膜による多重干渉を発生させ入射された光を光起電力素子内に閉じ込める等の効果を挙げることができる。
【0020】
本発明において用いられる上部電極を構成する透明電極506としては太陽や白色蛍光灯等からの光を半導体層内に効率良く吸収させるために光の透過率が85%以上であることが望ましく、さらに、電気的には光起電力素子の出力に対して抵抗成分とならぬようにシート抵抗値は100Ω以下であることが望ましい。このような特性を備えた材料としてSnO2、In2O3、ZnO、CdO、Cd2SnO4、ITO(In2O3+SnO2)などの金属酸化物や、Au、Al、Cu等の金属を極めて薄く半透明状に成膜した金属薄膜等が挙げられる。
透明電極は図10(a)、(b)、(c)においては第2の導電型層505層の上に積層されるため、互いの密着性の良いものを選ぶことが必要である。
これらの作製方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッタリング法、スプレー法等を用いることができ所望に応じて適宜選択される。
【0021】
本発明において用いられる集電電極507は、透明電極506の表面抵抗値を低減させる目的で透明電極506上に設けられる。
電極材料としてはAg、Cr、Ni、Al、Ag、Au、Ti、Pt、Cu、Mo、W等の金属またはこれらの合金の薄膜が挙げられる。
これらの薄膜は積層させて用いることができる。
また、半導体層への光入射光量が十分に確保されるよう、その形状及び面積が適宜設計される。
たとえば、その形状は光起電力素子の受光面に対して一様に広がり、且つ受光面積に対してその面積は好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下であることが望ましい。
また、シート抵抗値としては、好ましくは50Ω以下、より好ましくは10Ω以下であることが望ましい。
【0022】
本発明の光起電力素子における第1及び第2の導電型層に用いられる材料としては、周期律表第IV族の原子を1種または複数種から成る、非単結晶半導体が適す。
また更に、光照射側の導電型層は、微結晶化した半導体が最適である。該微結晶の粒径は、好ましくは3nm〜20nmで有り、最適には3nm〜10nmである。
第1又は第2の導電型層の導電型がn型の場合、第1又は第2の導電型層に含有される添加物としては、周期律表第III族の元素が適している。その中で特にリン(P)、窒素(N)、ひ素(As)、アンチモン(Sb)が最適である。
第1又は第2の導電型層の導電型がp型の場合、第1又は第2の導電型層に含有される添加物としては、周期律表第V族元素が適している。その中で特にホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)が最適である。
第1及び第2の導電型の層厚は、好ましくは1nm〜50nm、最適には3nm〜10nmである。
更に、光照射側の導電型層での光吸収をより少なくするためには、i型層を構成する半導体のバンドギャップより大きなバンドギャップを有する半導体層を用いることが好ましい。例えば、i型層がアモルファスシリコンの場合に光照射側の導電型層に非単結晶炭化シリコンを用いるのが最適である。
(i型層)
本発明の光起電力素子におけるi型層に用いられる半導体材料としては周期律表第IV族の原子を1種または、複数種から成る、Si、Ge、C、SiC、GeC、SiSn、GeSn、SnC等の半導体が挙げられる。III-V族化合物半導体として、GaAs、Gap、GaSb、InP、InAs、II-VI族化合物半導体としてZnSe、ZnS、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、I-III-VI族化合物半導体として、CuAlS2、CuAlSe2、CuAlTe2、CulnS2、CulnSe2、CulnTe2、CuGAs2、CuGaSe2、CuGaTe、AglnSe2、AglnTe2、II-IV-V族化合物半導体としては、ZnSiP2、ZnGeAs2、CdSiAs2、CdSnP2、酸化物半導体として、Cu2O、TiO2、In2O3、SnO2、ZnO、CdO、Bi2O3、CdSnO4がそれぞれ挙げられる。
上述した本発明の作製装置を用いて、光起電力素子を作製することにより、前述の諸問題を解決するとともに前述の諸要求を満たし、連続して移動する帯状部材上に、高品質で優れた均一性を有し、欠陥の少ない光起電力素子を作製することができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の光起電力素子を連続的に製造する装置の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図1、図2に示した装置の中で、真空容器301、100n、100p、302の底部の四隅に図5に示す滑り部材を取り付け、架台10の上を容易に移動出来る状態で光起電力素子を作製した。
まず、基板送り出し機構を有する真空容器301に、十分に脱脂、洗浄を行い、下部電極として、スパッタリング法により、銀薄膜を100nm、ZnO薄膜を1μm蒸着してあるSUS430BA製帯状部材104(幅120mm×長さ200m×厚さ0.13mm)の巻きつけられたボビン303をセットし、該帯状部材104をガスゲート、第1の導電型層作製用の真空容器100n、i型層作製用の真空容器100、第2の導電型層作製用の真空容器100pを介して、帯状部材巻き取り機構を有する真空容器302まで通し、たるみのない程度に張力調整を行った。
【0024】
そこで、各真空容器301、100n、100、100p、302を不図示の真空ポンプで1×10-6Torr以下まで真空引きした。
次に、ガスゲート129n、129、130、129pにゲートガス導入管131n、131、132、131pよりゲートガスとしてH2を各々700sccm流し、加熱用赤外線ランプ124n、124、124pにより、帯状部材104を、各々350℃に加熱する。
そして、ガス導入手段114nより、SiH4ガスを20sccm、PH3/H2(1%)ガスを200sccm、H2ガスを200sccm、ガス導入手段114、115、116より、それぞれSiH4ガスを200sccm、H2ガスを200sccm、ガス導入手段114pより、SiH4ガスを30sccm、BF3/H2(1%)ガスを50sccm、H2ガスを250sccm導入した。真空容器100n内の圧力は、30mTorrとなるように圧力計(不図示)を見ながらスロットルバルブ127nの開口を調整した。
真空容器100内の圧力は、6mTorrとなるように圧力計(不図示)を見ながらスロットルバルブ127の開口を調整した。真空容器100p内の圧力は、30mTorrとなるように圧力計(不図示)を見ながらスロットルバルブ127pの開口を調整した。
【0025】
その後、マイクロ波電力をアプリケータ105n、105、106、107、105pに電力を導入し、それぞれマイクロ波透過性部材108n、108、109、110、108pを通じて、マイクロ波電力を1000W、300W、300W、300W、1000W導入し、次に、帯状部材104を図中の矢印の方向に搬送させ、帯状部材上に第1の導電型層、i型層、第2の導電型層を作製した。
帯状部材104を所定の時間搬送させた後、搬送を停止するとともに、各真空容器100n、100、100pのマイクロ波電力をゼロとし、プラズマ放電を停止した。
各ランプヒーターの通電停止とともに、各ガスの導入を停止し、十分冷却するのを待って、全チャンバーを乾燥窒素を封入し大気圧に戻した。
次に真空容器302から、巻き上がっている帯状部材104を取り出し、所定のサイズに切り抜いた後、第2の導電型層上に、透明電極として、ITO(In2O3+SnO2)を真空蒸着にて70nm蒸着し、さらに集電電極として、Alを真空蒸着にて2μm蒸着し、光起電力素子を作成した。(素子実1)
以上の、光起電力素子の作成条件を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0003754742
このようにして各真空容器のプラズマ放電および、ランプヒーター加熱による熱的膨張の影響による各真空容器の移動量を測定した。
この際、加熱時の真空容器の移動量は室温時の各真空容器の位置を原点とした。また、プラズマ放電停止直前が各真空容器とも温度が最高点に達するとともに、この時の各真空容器の移動量が最大になることから、各真空容器の最大移動量はこの時の移動量と定義した。この測定の結果は真空容器100n、100pが5mm、真空容器301、302が10mmそれぞれ真空容器100を中心とし、遠ざかる方向に移動していた。
さらに室温にまで十分冷却を行なった時、それらの移動量はゼロとなり各真空容器はもとの位置に戻っていることが分かった。
【0027】
(比較例1)
図5に示すような真空容器301、100n、100p、302の底部の四隅に設置された滑り部材を全て取りはずし、架台10にそれぞれ固定して[実施例1]と全く同様の条件で光起電力素子を作製した。(素子比1)
各真空容器のプラズマ及び、ランプヒーター加熱による熱的膨張の影響による各真空容器の移動量を[実施例1]と同様にして測定した。
プラズマ停止直前が各真空容器とも温度が最高点に達する点は[実施例1]と全く同様であった。
しかしながら、[実施例1]では、この時の各真空容器の移動量が最大になったのに対し、今回の(比較例1)での各真空容器の移動量測定の結果は真空容器100n、100pが0.5mm、真空容器301、302が1mmそれぞれ真空容器100を中心とし、遠ざかる方向に移動していた。
さらに室温にまで十分冷却を行なった時、それらの移動量はゼロとなり各真空容器はもとの位置に戻っていることが分かった。
【0028】
<実施例と比較例1の評価>
[実施例1](素子実1)及び(比較例1)(素子比1)で作成した光起電力素子の特性均一性及び欠陥密度の評価を行なった。
特性均一性は、[実施例1](素子実1)及び(比較例1)(素子比1)で作成した帯状部材上の光起電力素子を、10mおきに5cm角の面積で切出し、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下に設置し、光電変換効率を測定して、その光電変換効率のバラツキを評価した。
比較例1(素子比1)の光起電力素子を基準にして、バラツキの大きさの逆数を求めた特性評価の結果を表2に示す。
欠陥密度は、[実施例1]及び(比較例1)(素子比1)で作成した帯状部材上の光起電力素子の中央部5mの範囲を、5cm角の面積100個切出し、逆方向電流を測定することにより、各光起電力素子の欠陥の有無を検出して、欠陥密度を評価した。比較例1(素子比1)の光起電力素子を基準にして、欠陥の数の逆数を求めた特性評価の結果を表2に示す。即ち、これらの数値は高い方が、欠陥密度、特性バラツキともに、おおむね、良好な太陽電池であると言える。
【0029】
【表2】
Figure 0003754742
表2に示すように、比較例1(素子比1)の光起電力素子に対して、実施例1(素子実1)の光起電力素子は、特性均一性及び欠陥密度のいずれにおいても優れており、本発明の作製装置により作製した光起電力素子が、優れた特性を有することが判明し、本発明の効果が実証された。
【0030】
[実施例2]
図10(b)に示す、下部電極上に、第1の導電型層、i型層、第2の導電型層、第1の導電型層、i型層、及び第2の導電型層の2組のpin接合を積層したタンデム型の太陽電池を作製した。
2組のpin接合を積層するために図1、図2に示した光起電力素子作製装置の第2の導電型層作製用真空容器100pと真空容器302の間に、第1の導電型層作製用真空容器100n’、i型層作製用真空容器100’、第2の導電型層作製用真空容器100p’を各ガスゲートを介して接続した装置から構成されている。
第1のpin接合は、アモルファスシリコンゲルマニウムで、また第2のpin接合はアモルファスシリコンでそれぞれi層を構成してる。
この作製条件は表3にまとめてしるす。
【0031】
【表3】
Figure 0003754742
本実施例では、真空容器の全数は8台の偶数である。
本実施例の場合、中心となる真空容器の架台10との固定は、真空容器100p底部の四隅の内真空容器100n’側の2箇所とし、他の端の2箇所および、その他の真空容器の底部の四隅には図6で示した滑り部材を設置した。
このような装置を用いて、[実施例1]と同様の光起電力素子作製プロセスに従ってタンデム型の太陽電池を作製した。この際、[実施例1]と同様にして各真空容器のプラズマおよび、ランプヒーター加熱による熱的膨張の影響による各真空容器の移動量を測定した。
この際、加熱時の真空容器の移動量は室温時の各真空容器の位置を原点とした。また、プラズマ停止直前が各真空容器とも温度が最高点に達するとともに、この時の各真空容器の移動量が最大になることから、各真空容器の最大移動量はこの時の移動量と定義した。
この測定の結果は真空容器301、100n、100、100p、がそれぞれ20mm、15mm、10mm、5mmで、真空容器302、100p’、100’、100n’はそれぞれ20mm、15mm、10mm、5mmで本実施例の固定位置から遠ざかる方向にそれぞれ移動していることが分かった。
一連の作製工程が終了した後さらに室温にまで十分冷却を行なった時、それらの移動量はゼロとなり各真空容器はもとの位置に戻っていることが分かった。(素子実2)
(比較例2)
[実施例2]で用いた図6に示すような真空容器底部の四隅に設置された滑り部材を全て取りはずし、架台10にそれぞれ全ての真空容器を固定して[実施例2]と全く同様の条件で光起電力素子を作製した。(素子比2)
各真空容器のプラズマおよび、ランプヒーター加熱による熱的膨張の影響による各真空容器の移動量を[実施例2]と同様にして測定した。プラズマ停止直前が各真空容器とも温度が最高点に達する点は[実施例2]と全く同様であった。
しかしながら、[実施例2]では、この時の各真空容器の移動量が最大になったのに対し、今回の(比較例2)での各真空容器の移動量測定の結果は全ての真空容器で約0.5mm程度に納まっていた。
さらに室温にまで十分冷却を行った時、それらの移動量はゼロとなり各真空容器はもとの位置に戻っていることが分かった。
【0032】
<実施例2と比較例2の評価>
[実施例2](素子実2)及び(比較例2)(素子比2)で作成した光起電力素子の特性均一性及び欠陥密度の評価を行なった。
特性均一性は、[実施例2](素子実2)及び(比較例2)(素子比2)で作成した帯状部材上の光起電力素子を、10mおきに5cm角の面積で切出し、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下に設置し、光電変換効率を測定して、その光電変換効率のバラツキを評価した。
比較例2(素子比2)の光起電力素子を基準にして、バラツキの大きさの逆数を求めた特性評価の結果を表2に示す。
欠陥密度は、[実施例2]及び(比較例2)(素子比2)で作成した帯状部材上の光起電力素子の中央部5mの範囲を、5cm角の面積100個切出し、逆方向電流を測定することにより、各光起電力素子の欠陥の有無を検出して、欠陥密度を評価した。
比較例2(素子比2)の光起電力素子を基準にして、欠陥の数の逆数を求めた特性評価の結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
Figure 0003754742
表4に示すように、比較例2(素子比2)の光起電力素子に対して、実施例2(素子実2)の光起電力素子は、特性均一性及び欠陥密度のいずれにおいても優れており、本発明の作製装置により作製した光起電力素子が、優れた特性を有することが判明し、本発明の効果が実証された。
【0034】
[実施例3]
図10(c)に示す、下部電極上に、第1の導電型層、i型層、第2の導電型層の3組のpin接合を積層したトリプル型の光起電力素子を作製した。
3組のpin接合を積層するために実施例2に示した堆積膜形成装置の第2の導電型層作製用の真空容器100p’と真空容器302の間に、第1の導電型層作製用の真空容器100n”、i型層作製用の真空容器100”、第2の導電型層作製用の真空容器100p”を各ガスゲートを介して接続した装置から構成されている。
第1のpin接合は、アモルファスシリコンゲルマニュウムで、また第2のpin接合はアモルファスシリコンゲルマニュウムで、第3のpin接合は、アモルファスシリコンでそれぞれi層を構成している。作製条件は表5にまとめてしるす。
【0035】
【表5】
Figure 0003754742
本実施例では、真空容器の全数は11台の奇数である。
本実施例の場合、中心となる真空容器はi型層作製用の真空容器100’である。該真空容器100’と架台10との固定は、真空容器100’底部の四隅の脚部に図7で示した滑り部材を設置した。
このような装置を用いて、[実施例2]と同様の光起電力素子作製プロセスに従ってトリプル型の太陽電池を作製した。
この際、[実施例2]と同様にして各真空容器のプラズマおよび、ランプヒーター加熱による熱的膨張の影響による各真空容器の移動量を測定した。この際、加熱時の真空容器の移動量は室温時の各真空容器の位置を原点とした。また、プラズマ停止直前が各真空容器とも温度が最高点に達するとともに、この時の各真空容器の移動量が最大になることから、各真空容器の最大移動量はこの時の移動量と定義した。
この測定の結果は真空容器301、100n、100、100p、100n’がそれぞれ25mm、20mm、15mm、10mm、5mmで、真空容器302、100p”、100”、100n”、100p’はそれぞれ25mm、20mm、15mm、10mm、5mmで本実施例の固定位置から遠ざかる方向にそれぞれ移動していることが分かった。
一連の光起電力素子作製工程が終了した後さらに室温にまで十分冷却を行った時、そられの移動量はゼロとなり各真空容器はもとの位置に戻っていることが分かった。(素子実3)
(比較例3)
[実施例3]で用いた図7に示すような真空容器底部の四隅に設置された滑り部材を全て取りはずし、架台10にそれぞれ全ての真空容器を固定して[実施例3]と全く同様の条件で光起電力素子を作製した。(素子比3)
各真空容器のプラズマおよび、ランプヒーター加熱による熱的膨張の影響による各真空容器の移動量を[実施例3]と同様にして測定した。
プラズマ停止直前が各真空容器とも温度が最高点に達する点は他の実施例と全く同様であった。
しかしながら、[実施例3]では、この時の各真空容器の移動量が最大になったのに対し、今回の(比較例3)での各真空容器の移動量測定の結果は全ての真空容器で約0.5mm程度、最大でも0.6mm程度に納まっていた。さらに室温にまで十分冷却を行なった時、それらの移動量はゼロとなり各真空容器はもとの位置に戻っていることが分かった。
【0036】
<実施例3と比較例3の評価>
[実施例3](素子実3)及び(比較例3)(素子比3)で作成した光起電力素子の特性均一性及び欠陥密度の評価を行った。
特性均一性は、[実施例3](素子実3)及び(比較例3)(素子比3)で作成した帯状部材上の光起電力素子を、10mおきに5cm角の面積で切出し、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下に設置し、光電変換効率を測定して、その光電変換効率のバラツキを評価した。比較例3(素子比3)の光起電力素子を基準にして、バラツキの大きさの逆数を求めた特性評価の結果を表6に示す。欠陥密度は、[実施例3]及び(比較例3)(素子比3)で作成した帯状部材上の光起電力素子の中央部5mの範囲を、5cm角の面積100個切出し、逆方向電流を測定することにより、各光起電力素子の欠陥の有無を検出して、欠陥密度を評価した。比較例3(素子比3)の光起電力素子を基準にして、欠陥の数の逆数を求めた特性評価の結果を表6に示す。
【0037】
【表6】
Figure 0003754742
表6に示すように、比較例3(素子比3)の光起電力素子に対して、実施例3(素子実3)の光起電力素子は、特性均一性及び欠陥密度のいずれにおいても優れており、本発明の作製装置により作製した光起電力素子が、優れた特性を有することが判明し、本発明の効果が実証された。
【0038】
[実施例4]
次に、帯状部材を搬送方向に湾曲させることで成膜空間を形成する光起電力素子の作製について説明する。
図4において201(104)は帯状部材であり、支持・搬送用ローラー202、203及び、支持、搬送用リング204、205によって円柱状に湾曲した形状を保ちながら、図中矢印(→)方向に搬送され、成膜空間216を連続的に形成する。
206a及至206eは帯状部材201(104)を加熱または、冷却するための温度制御機構であり、それぞれ独立に温度制御がなされる。本装置でアプリケータ207、208は一対対抗して設けられており、その先端部分にはマイクロ波透過性部材209、210がそれぞれ設けられていて、また、方形導波管211、212がそれぞれ支持・搬送用ローラーの中心軸を含む面に対しその長辺を含む面が垂直とならないよう、且つ、お互いに長辺を含む面が平行とならないように配設されている。
なお、図3において、説明のためにアプリケータ207は支持・搬送用リング204から切り離した状態を示してあるが、堆積膜形成時には、図中矢印の方向に配設される。
213a、213b、213cはガス導入手段であり、それぞれ不図示のガス供給設備により原料ガスが成膜空間に導入される。支持・搬送用ローラー202、203には、般送速度検出機構、張力検出調整機構(不図示)が内蔵され、帯状部材201(104)の搬送速度を一定に保つとともに、その湾曲形状が一定に保たれる。
図3は図4で説明した成膜空間を第1の導電型層作製用の真空容器200n、i型層作製用の真空容器200、第2の導電型層作製用の真空容器200pに適用して、光起電力素子を連続的に形成する装置である。
帯状部材201(104)の送り出し及び巻き取り用の真空容器301及び、302には、303の帯状部材104の送り出し用ボビン、304の帯状部材104の巻き取り用ボビンが配設されている。
そして、図中矢印方向に帯状部材が搬送される。もちろんこれは逆転させて搬送することもできる。また、真空容器303、304中には帯状部材201(104)の表面保護用に用いられる合紙の巻き取り、及び送り込み手段を配設しても良い。前記合紙の材質としては、耐熱性樹脂であるポリイミド系、テフロン系及びグラスウール等が好適に用いられる。
305、306は張力調整及び帯状部材の位置出しを兼ねた搬送用ローラーである。314、315は圧力計。
309n、309、309p、307、308はコンダクタンス調製用のスロットルバルブ、320n、320、320b、310、311は排気管であり、それぞれ不図示の排気ポンプに接続されている。
【0039】
図3で説明した装置を用いて、本実施例の光起電力素子を連続的に作製した。この実施例の装置では、真空容器301、200n、200p、302の底部の四隅に図8に示す滑り部材31および、滑り制限部材32を取り付け、架台10の上を容易に移動出来る状態で光起電力素子を作製した。
まず、基板送り出し機構を有する真空容器301に、十分に脱脂、洗浄を行い、下部電極として、スパッタリング法により、銀薄膜を100nm、ZnO薄膜を1μm蒸着してあるSUS430BA製帯状部材104(幅120mm×長さ200m×厚さ0.13mm)の巻きつけられたボビン303をセットし、該帯状部材201、ガスゲート、各層作製用真空容器200n、200、200pを介して、帯状部材巻き取り機構を有する真空容器302まで通し、たるみのない程度に張力調整を行った。
そこで、各真空容器301、302、200n、200、200pを不図示の真空ポンプでl×10-6Torr以下まで真空引きした。
次に、ガスゲートにゲートガス導入管131n、131、132、131pよりゲートガスとしてH2を各々700sccm流し、温度調整機構206a〜206eにより、帯状部材104を、各々350℃、350℃、300℃、に加熱、そして、ガス導入手段213nよりSiH4ガスを40sccm、PH3/H2(1%)ガスを200sccm、H2ガスを400sccm、ガス導入手段管213a、213b、213cより、トータルでSiH4ガスを400sccm、H2ガスを200sccm、ガス導入手段213pより、SiH4ガスを20sccm、BF3(1%)ガスを100sccm、H2ガスを500sccm導入した。真空容器200n内の圧力は、40mTorrとなるように圧力計(不図示)を見ながらコンダクタンス調整用のスロットルバルブ309nの開口を調整した。真空容器200内の圧力は、5mTorrとなるように圧力計(不図示)を見ながらコンダクタンスバルブ305の開口を調整した。真空容器200p内の圧力は、40mTorrとなるように圧力計(不図示)を見ながらスロットルバルブ309pの開口を調整した。そして、マイクロ波電力を各真空容器に接続されたアプリケータ207n、208n、207、208、207p、208pに、マイクロ波透過性部材を通して、それぞれマイクロ波電力を800W、800W、500W、500W、800W、800W導入した。
次に、帯状部材104を図中の矢印の方向に搬送させ、帯状部材上に第1の導電型層、i型層、第2の導電型層を作製した。
次に、第2の導電型層上に、透明電極として、ITO(In2O3+SnO2)を真空蒸着にて70nm蒸着し、さらに集電電極として、Alを真空蒸着にて2μm蒸着し、光起電力素子を作成した。(素子実4)
以上の、光起電力素子の作成条件を表7に示す。
【0040】
【表7】
Figure 0003754742
このようにして各真空容器のプラズマおよび、ランプヒーター加熱による熱的膨張の影響による各真空容器の移動量を測定した。
この際、加熱時の真空容器の移動量は室温時の各真空容器の位置を原点とした。また、プラズマ停止直前が各真空容器とも温度が最高点に達するとともに、この時の各真空容器の移動量が最大になることから、各真空容器の最大移動量はこの時の移動量と定義した。この測定の結果は真空容器200n、200pが5mm、真空容器301、302が10mmそれぞれ真空容器200を中心とし、遠ざかる方向に移動していた。
さらに室温にまで十分冷却を行なった時、それらの移動量はゼロとなり各真空容器はもとの位置に戻っていることが分かった。
【0041】
(比較例4)
図6に示すような真空容器301、100n、100p、302の底部の四隅に設置された滑り部材31および、滑り制限部材32を全て取りはずし、架台10にそれぞれ固定して[実施例4]と全く同様の条件で光起電力素子を作製した。(素子比4)
各真空容器のプラズマおよび、ランプヒーター加熱による熱的膨張の影響による各真空容器の移動量を[実施例4]と同様にして測定した。
プラズマ停止直前が各真空容器とも温度が最高点に達する点は[実施例4]と全く同様であった。
しかしながら、[実施例4]では、この時の各真空容器の移動量が最大になったのに対し、今回の[比較例4]での各真空容器の移動量測定の結果は真空容器200n、200pが0.5mm、真空容器301、302が1mmそれぞれ真空容器200を中心とし、遠ざかる方向に移動していた。さらに室温にまで十分冷却を行なった時、それらの移動量はゼロとなり各真空容器はもとの位置に戻っていることが分かった。
【0042】
<実施例4と比較例4の評価>
[実施例4](素子実4)及び(比較例4)(素子比4)で作成した光起電力素子の特性均一性及び欠陥密度の評価を行なった。
特性均一性は、[実施例4](素子実4)及び(比較例4)(素子比4)で作成した帯状部材上の光起電力素子を、10mおきに5cm角の面積で切出し、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下に設置し、光電変換効率を測定して、その光電変換効率のバラツキを評価した。比較例4(素子比4)の光起電力素子を基準にして、バラツキの大きさの逆数を求めた特性評価の結果を表8に示す。欠陥密度は、[実施例4]及び(比較例4)(素子比4)で作成した帯状部材上の光起電力素子の中央部5mの範囲を、5cm角の面積100個切出し、逆方向電流を測定することにより、各光起電力素子の欠陥の有無を検出して、欠陥密度を評価した。
比較例4(素子比4)の光起電力素子を基準にして、欠陥の数の逆数を求めた特性評価の結果を表8に示す。
【0043】
【表8】
Figure 0003754742
表8に示すように、比較例4(素子比4)の光起電力素子に対して、実施例4(素子実4)の光起電力素子は、特性均一性及び欠陥密度のいずれにおいても優れており、本発明の作製装置により作製した光起電力素子が、優れた特性を有することが判明し、本発明の効果が実証された。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以上の構成によって、真空容器の熱膨張の伸縮作用で該真空容器に発生する帯状部材の搬送方向の応力を緩和することができ、大面積にわたって、高品質で優れた均一性を有し、欠陥の少ない光起電力素子を大量に再現良く生産することが可能となり、さらに、量産装置の長期安定性が確保され、メンテナンス維持管理費用の低減化が図れ、低コストの光起電力素子を量産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図l】本発明の光起電力素子製造装置の概念的模式図である。
【図2】本発明の光起電力素子製造装置の概念的模式図である。
【図3】本発明の光起電力素子製造装置の概念的模式図である。
【図4】本発明の光起電力素子製造装置の概念的模式図である。
【図5】本発明の滑り機構として、反り状の部材を真空容器の底部脚部に設けた構成を示す模式図である。
【図6】本発明の滑り機構として、球状の部材を真空容器の底部脚部に設けた構成を示す模式図である。
【図7】本発明の滑り機構として、車輪を真空容器の底部脚部に設けた構成を示す模式図である。
【図8】本発明の滑り制限機構を示す模式図である。
【図9】本発明の他の滑り制限機構を示す模式図である。
【図10】本発明の一実施例の光起電力素子の構成を示す概念的模式図である。
【符号の説明】
100、100n、100p、301、302:真空容器
101:i型層作製用容器
101n:第1の導電型層作製用の成膜容器
101p:第2の導電型層作製用の成膜容器
102、102n、102p、103、104:成膜空間
105、105n、105p、106、107:アプリケータ
108、108n、108p、
109、110:マイクロ波透過性部材
111、111n、111p、112、113:導波管
114、114n、114p、115、116:ガス導入手段
117、117n、117p、118、119:ガス供給管
120、120n、120p、
121、122:排気パンチングボード
123、123n、123p:ランプハウス
124、124n、124p:赤外線ランプヒーター
125、125n、125p、126:排気管
127、127n、127p、128:排気スロットルバルブ
129、129n、129p、130、
311、312:ガスゲート
131、131n、131p、132n、
132p、132:ゲートガス供給管
134、134n、134p:熱電対
200:i型層作製用真空容器
200n:第1の導電型層作製用真空容器
200p:第2の導電型層作製用真空容器
201:帯状部材
202n、202p、202、203、
202p、203p:搬送用ローラー
204n、205n、204、205、
204p、205p:搬送用リング
206na、206nb、206a〜e、
206pa、206pb:温度調整機構
207n、208n、207、208、
207p、208p:アプリケータ
209n、210n、209、210、
209p、210p:マイクロ波透過性部材
211n、212n、211、212、
211p、212p:方形導波管
213a、b、c、213n、213p:ガス導入手段
214:排気管
215a、b:隔離通路
216:成膜空間
301、302:真空容器
303:送り出し用ボビン
304:巻き取り用ボビン
305、306:搬送用ローラー
307、308、309、309a、309b:スロットルバルブ
310、311:排気管
312、313:温度調整機構
314、315:圧力計
501:帯状部材
502:下部電極
503:第1の導電型層(n型半導体層)
504:i型半導体層
505:第2の導電型層(p型半導体層)
506:上部電極
507:集電電極
508:第1のpin接合光起電力素子
509:第2のpin接合光起電力素子
510:第3のpin接合光起電力素子
511:タンデム型光起電力素子
512:トリプル型光起電力素子

Claims (7)

  1. 帯状部材を複数の連結してなる真空容器内を通過させ、プラズマCVD法により該帯状部材表面に複数の異なる薄膜を積層形成して光起電力素子を連続的に作製する光起電力素子の作製装置において、
    前記複数の真空容器とこの真空容器を支持する架台との間に、前記連結された真空容器の熱膨張の伸縮作用で該真空容器に発生する前記帯状部材の搬送方向への真空容器の移動を吸収する滑り機構を設けたことを特徴とする光起電力素子の作製装置。
  2. 前記滑り機構が、前記真空容器の脚部に取り付けられた反り状の部材で形成されていることを特徴とする請求項に記載の光起電力素子の作製装置。
  3. 前記滑り機構が、前記真空容器の脚部に取り付けられた球状の部材で形成されていることを特徴とする請求項に記載の光起電力素子の作製装置。
  4. 前記滑り機構が、前記真空容器の脚部に取り付けられた車輪状の部材で形成されていることを特徴とする請求項に記載の光起電力素子の作製装置。
  5. 前記滑り機構は、滑り制限機構により前記帯状部材の搬送方向に対する直角方向の移動を制限するように構成されていることを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載の光起電力素子の作製装置。
  6. 前記滑り機構と前記架台との接触箇所には、潤滑剤が設けられていることを特徴とする請求項〜請求項5のいずれか1項に記載の光起電力素子の作製装置。
  7. 前記複数の連結してなる真空容器において、搬送方向に連結し配列された中心に配置の真空容器を前記架台に固定したことを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載の光起電力素子の作製装置。
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