JPH0851228A - 光起電力素子の作製方法 - Google Patents

光起電力素子の作製方法

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JPH0851228A
JPH0851228A JP6185647A JP18564794A JPH0851228A JP H0851228 A JPH0851228 A JP H0851228A JP 6185647 A JP6185647 A JP 6185647A JP 18564794 A JP18564794 A JP 18564794A JP H0851228 A JPH0851228 A JP H0851228A
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microwave
gas
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film
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JP6185647A
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Akira Sakai
明 酒井
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Canon Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高価な付帯設備なしで、プラズマ生起から成
膜工程への円滑かつ安定な移行が可能である光起電力素
子の作製方法を提供する。また、プラズマ生起時に発生
しやすかった異常放電を防止し、成膜装置の実効稼働時
間を増大することで、低コストな光起電力素子の作製方
法を実現する。 【構成】 帯状部材が複数の成膜空間の中を連続的に通
過するとき、マイクロ波プラズマCVD法により該帯状
部材の表面上に複数の異なる薄膜を積層形成してなる光
起電力素子の作製方法において、前記成膜空間内に、予
めマイクロ波エネルギーの導入手段からマイクロ波エネ
ルギーを導入し、これに続いてRFエネルギーの導入手
段からRFエネルギーを導入することによって、マイク
ロ波プラズマを生起する。また、前記成膜空間の圧力
を、50mTorr以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光起電力素子の作製方
法に係る。より詳細には、マイクロ波プラズマを生起す
る場合に、マイクロ波エネルギーと、RFエネルギーと
を併用した光起電力素子の作製方法に関する。特に、ロ
ール・ツー・ロール法を用いた太陽電池等の光起電力素
子を大量生産する場合に好適に適用される。
【0002】
【従来の技術】従来、光起電力素子の作製方法として
は、次の技術が知られている。
【0003】例えば、a−Si膜等を用いた光起電力素
子の作製には、一般的には、プラズマCVD法が広く用
いられており、企業化されている。しかしながら、光起
電力素子を電力需要を賄うものとして確立させるために
は、使用する光起電力素子が、光電変換効率が充分に高
く、特性安定性に優れたものであり、かつ大量生産し得
るものであることが基本的に要求される。そのために
は、a−Si膜等を用いた光起電力素子の作製において
は、電気的、光学的、光導電的あるいは機械的特性及び
繰り返し使用での疲労特性あるいは使用環境特性の向上
を図るとともに、大面積化、膜厚及び膜質の均一化を図
りながら、しかも高速成膜によって再現性のある量産化
を図らねばならないため、これらのことが、今後改善す
べき問題点として指摘されている。
【0004】そのなかで、これまでマイクロ波プラズマ
CVD法による堆積膜形成方法については多くの報告が
なされている。
【0005】例えば、文献:“Chemical Vapor depos
ition of a-SiGe:H films utilizing a microwave-exei
ted plasma” T.Watanabe, M.Tanaka, K.Azuma, M.Naka
tani, T.Sonobe, T.Simada, Japanese Journal of Appl
ied Physics, Vol.26, No.4,April, 1987, pp.L288-L29
0と、文献:“Microwave-excited plasma CVD ofa-S
i:H films utilizing a hydrogen plasma stream or by
direct excitationof silane” T.Watanabe, M.Tanak
a, K.Azuma, M.Nakatani, T.Sonobe, T.Simada, Japane
se Journal of Applied Physics, Vol.26, No.8, Augus
t, 1987, pp.1215-1218は、磁界中をサイクロトロン運
動する電子にマイクロ波エネルギーを共鳴させて、高密
度のプラズマを低圧力下で実現させるECR装置に関す
る報告である。特に、文献では、ECR装置を用いて
SiH4ガス及びGeH4ガスを分解し、a−SiGe膜
の高速成膜の可能性を報告している。また、文献で
は、ECR装置で、プラズマ分解されたH2ガス流の中
に、SiH4ガスを導入することで高品質のa−Si膜
の高速堆積の可能性を報告したものである。
【0006】また、文献:特開昭59−56724号
公報は、マイクロ波プラズマを生起するための円筒型の
共振器を用い、内外二重管より導入されるガスを混合す
るとともに、前記プラズマを分解することで基板上に均
一な堆積膜を形成させるもので、マイクロ波プラズマ生
起手段の一方式を提示している。
【0007】さらに、文献:“Preparation of highl
y photosensitive hydrogenated amorphous Si-Ge allo
ys using a triode plasma reactor” A.Matsuda et.a
l., Applied Physics Letters, Vol.47 No.10,15 Novem
ber, 1985, pp.1061-1063では、従来の容量結合型RF
プラズマ装置においてアノードとカソードの間にメッシ
ュ状の第三の電極を設けることにより、イオン種の基板
への衝突を抑制したもので、SiH3ラジカル及びGe
3ラジカルの選択と、基板表面のHの被覆を実現させ
ることで高品質のa−SiGe:H膜の作製を可能にし
ている。しかしながら、マイクロ波を用いた高速堆積技
術に比較し、著しく堆積速度が低いなど、大面積、大量
生産に関する生産技術の要求に答えることが難しく、先
に述べたマイクロ波技術のさらなる発展が要望されつつ
ある。
【0008】このようなマイクロ波を用いたCVD技術
では、放電生起、即ちプラズマを発生させるためには、
プラズマ発生用の電磁エネルギーを高密度化させてやる
必要があった。
【0009】例えば、先に述べたECRCVD法では、
マイクロ波エネルギーを電子共鳴が発生するよう磁力線
を調製することで、プラズマを生起することができる。
しかしながら、ECRではこのような磁力を発生するた
めに大型のマグネットが必要となり、さらにこれを冷却
するための手段を必要とする等、設備上の大きな投資と
装置設計上の大きな制約となっていた。
【0010】また、ECRではない、マイクロ波CVD
装置では、プラズマ生起時に成膜空間内の圧力を上げる
こと、あるいはマイクロ波パワーを通常のマイクロ波C
VDによる成膜時よりも多大に導入することでプラズマ
を生起させていた。しかしながら、このような方法で
は、プラズマ生起時の条件と成膜時のプラズマ条件が大
きく異なるため、プラズマ生起時から成膜条件への移行
時間の短縮化が難しく、大量生産時のスループット向上
には対応しづらかった。また、プラズマ生起時の条件に
よっては、特に圧力上昇時には、異常放電等が突発的に
生じ、成膜空間を構成する部材にスパーク跡を残し、部
分的な破損を招く等の問題が生じやすかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、先に
述べた問題点を解決し、光起電力素子の大量生産と低コ
スト化を可能とすることである。即ち、大型マグネット
や大型マイクロ波電源等の設備を必要とせず、プラズマ
生起及び成膜条件の大幅な変更をしなくても、プラズマ
生起を円滑に行うことが容易な光起電力素子の作製方法
及びその作製装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光起電力素子の
作製方法は、帯状部材が複数の成膜空間の中を連続的に
通過するとき、マイクロ波プラズマCVD法により該帯
状部材の表面上に複数の異なる薄膜を積層形成してなる
光起電力素子の作製方法において、前記成膜空間内に、
予めマイクロ波エネルギーの導入手段からマイクロ波エ
ネルギーを導入し、これに続いてRFエネルギーの導入
手段からRFエネルギーを導入することによって、マイ
クロ波プラズマを生起することを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明では、マイクロ波プラズマCVD法によ
り帯状部材の表面上に複数の異なる薄膜を積層形成する
場合、成膜空間内に、予めマイクロ波エネルギーの導入
手段からマイクロ波エネルギーを導入し、これに続いて
RFエネルギーの導入手段からRFエネルギーを導入す
ることによって、大きな付帯設備と高い設備費用を要す
るECRCVD法を用いなくても、プラズマを容易に生
起することが可能となった。特に、成膜空間内の圧力を
上げたり、あるいはマイクロ波パワーを通常のマイクロ
波CVDによる成膜時よりも多大に導入する必要がなく
なったため、成膜開始の初期段階から、安定した膜特性
および堆積速度の均一性が得られる。その結果、高品質
で優れた均一性を有し、欠陥の少ない光起電力素子を作
製する方法の提供が可能となる。
【0014】
【実施態様例】以下では、本発明の光起電力素子を作製
する装置について、図1〜図3に基づき説明する。図1
は、本発明の光起電力素子を連続的に作製する方法にお
いて、i型層作製用容器の模式的説明図である。図2
は、本発明の光起電力素子を連続的に作製する方法にお
いて、ガスゲート手段の圧力勾配を模式的に示した説明
図である。図3は、本発明の光起電力素子を連続的に作
製する製造装置の一例の模式的説明図である。
【0015】図1は、i型層作製用容器であり、概ね直
方体形状のi型半導体作製用の成膜容器101と帯状部
材1とで構成される、第1、第2、第3の成膜空間10
1a,101b,101cからなる。このi型層作製用
容器は、図3におけるi型層作製真空容器100の中に
配置してある。真空容器100及び、成膜容器101
は、それぞれ金属性であって電気的に接続されている。
【0016】堆積膜が形成される帯状部材1は、真空容
器100の図示左側、即ち搬入側の側壁に取付けられた
ガスゲート129(図3)を経て、この成膜容器101
内に導入され、第1、第2、第3の成膜空間101a,
101b,101cをそれぞれ貫通し、真空容器100
の図示右側、即ち搬出側の側壁に取り付けられたガスゲ
ート130(図3)を通って真空容器100の外部へ排
出されるようになっている。
【0017】成膜空間101a,101b,101cの
側壁には、第1、第2、第3のアプリケータ104a,
104b,104cが、帯状部材1の移動方向に沿って
並ぶように取り付けられている。各アプリケータ104
a,104b,104cは、マイクロ波エネルギーを成
膜空間に導入するためのものであり、マイクロ波電源
(図示せず)に一端が接続された導波管111,11
2,113(図3)の他端が、それぞれ接続されてい
る。また、アプリケータ104a,104b,104c
の成膜空間への取り付け部位は、それぞれマイクロ波を
通過する材料からなるマイクロ波透過性部材106a,
106b,106cとから成っている。
【0018】図1において、102a,102b,10
2cは、RFバイアス印加手段の金属性バイアス棒であ
り、マッチングボックス(図示せず)を介してRF電源
(図示せず)と接続されている。該バイアス棒と帯状部
材1との間隔、すなわち垂直距離dは成膜条件を最適化
するのに併せて適宜調整可能であり、図1においては、
その距離dを模式的に成膜空間105a,105b,1
05cにおいて変化させて描写してある。
【0019】また、成膜容器101の底面には、原料ガ
スを放出する第1、第2、第3のガス導入手段103
a,103b,103cがぞれぞれ取り付けられ(図
3)、原料ガスを放出するための多数のガス放出孔が帯
状部材1に向けられ配設されている。これらのガス放出
手段は、ガス供給設備(図示せず)に接続されている。
【0020】さらに、アプリケータの対向側、即ち図示
手前側の側壁には、排気パンチングボード120,12
1,122が取り付けられ、マイクロ波エネルギーを成
膜空間内に閉じこめるとともに排気管125,126
(図3)に接続された排気スロットバルブ127,12
8を介して真空ポンプ等の排気手段(図示せず)に接続
されている。
【0021】図3は、本発明の光起電力素子を連続的に
作製する製造装置であり、帯状部材1の送り出し及び巻
き取り用の真空容器301及び302、第1の導電型層
作製用の真空容器100n、i型層作製用の真空容器1
00、第2の導電型層作製用の真空容器100pをガス
ゲートを介して接続した装置から構成されている。
【0022】図3におけるn(p)型層作製真空容器1
00n(p)の中には、n(p)型層作製容器が設けて
ある。このn(p)型層作製容器は、概ね直方体形状の
n(p)型半導体作製用の成膜容器101n(p)と帯
状部材1とで構成される、成膜空間102n(p)から
なる。真空容器100n(p)及び成膜容器101n
(p)は、それぞれ金属性であって電気的に接続されて
いる。上記のn(p)型層作製真空容器100n(p)
は、先に説明したi型層作製用の真空容器100内の構
造に対し、アプリケータを一台としてある点が異なる。
【0023】303は帯状部材1の送り出し用ボビン、
304は帯状部材1の巻き取り用ボビンであり、図中の
矢印方向に帯状部材が搬送される。但し、この帯状部材
は逆転させて搬送することもできる。また、真空容器3
01,302の中には、帯状部材1の表面保護用に用い
られる合紙の巻き取り、及び送り込み手段を配設しても
良い。前記合紙の材質としては、耐熱性樹脂であるポリ
イミド系、テフロン系及びグラスウール等が好適に用い
られる。305,306は張力調整及び帯状部材の位置
出しを兼ねた搬送用ローラーである。314,315は
圧力計、127n,127,128,127p,30
7,308はコンダクタンス調整用のスロットルバル
ブ、125n,125,126,125p,310,3
11は排気管であり、それぞれ排気ポンプ(図示せず)
に接続されている。
【0024】129n,129,130,129pはガ
スゲートであり、131n,131,132,132p
はゲートガス導入管で、それぞれガス供給設備(図示せ
ず)に接続されている。
【0025】各成膜容器101n,101,101pの
中においては、帯状基体1を挟んで成膜空間と反対側の
空間に、多数の赤外線ランプヒーター124n,12
4,124pと、これら赤外線ランプヒーターからの放
射熱を効率よく帯状部材1に集中させるためのランプハ
ウス123n,123,123pがそれぞれ設けられて
いる。また、帯状部材1の温度を監視するための熱電対
134n,134,134pがそれぞれ帯状部材1に接
触するように接続されている。
【0026】以下では、本発明の実施態様例を説明す
る。
【0027】(帯状部材)帯状部材としては、半導体膜
製作時に必要とされる温度において変形、歪みが少な
く、所望の強度を有し、また、導電性を有するものであ
ることが好ましく、具体的にはステンレススチール、ア
ルミニウム及びその合金、鉄及びその合金、銅及びその
合金等の金属の薄板及びその複合体、及びそれらの表面
に異種材質の金属薄膜及び/またはSiO2,Si
34,Al23,AlN等の絶縁性薄膜をスパッタ法、
蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処理を行った
もの。また、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテ
レフタレート、エポキシ等の耐熱性樹脂製シート、また
はこれらとガラスファイバー、カーボンファイバー、ホ
ウ素ファイバー、金属繊維等との複合体の表面に金属単
体または合金、及び透明導電性酸化物(TCO)等を鍍
金、蒸着、スパッタ、塗布等の方法で導電性処理を行っ
たものが挙げられる。
【0028】また、前記帯状部材の厚さとしては、前記
搬送手段による搬送時に作製される湾曲形状が維持され
る強度を発揮する範囲内であれば、コスト、収納スペー
ス等を考慮して可能な限り薄い方が望ましい。具体的に
は、好ましくは0.01mm乃至5mm、より好ましく
は0.02mm乃至2mm、最適には0.05mm乃至
1mmであることが望ましいが、金属等の薄板を用いる
場合、厚さを比較的薄くしても所望の強度が得られやす
い。
【0029】前記帯状部材の幅については、特に制限さ
れることはなく、半導体膜作製手段、あるいはその容器
等のサイズによって決定される。
【0030】前記帯状部材の長さについては、特に制限
されることはなく、ロール状に巻き取られる程度の長さ
であっても良く、長尺のものを溶接等によって更に長尺
化したものであっても良い。
【0031】前記帯状部材が金属等の電気導電性である
場合には直接電流取り出し用の電極としても良いし、合
成樹脂の電気絶縁性である場合には半導体膜の作製され
る側の表面にAl,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,M
o,W,Fe,V,Cr,Cu,ステンレス,真ちゅ
う,ニクロム,SnO2,In23,ZnO,SnO2
In23(ITO)等のいわゆる金属単体または合金、
及び透明導電性酸化物(TCO)を鍍金、蒸着、スパッ
タ等の方法であらかじめ表面処理を行って電流取り出し
用の電極を作製しておくことが望ましい。
【0032】前記帯状部材が金属等の非透光性のもので
ある場合、長波長光の基板表面上での反射率を向上させ
るための反射性導電膜を該帯状部材上に作製することが
前述のように好ましい。該反射性導電膜の材質として好
適に用いられるものとしてAg,Al,Cr等が挙げら
れる。
【0033】また、基板材質と半導体膜との間での構成
元素の相互拡散を防止したり短絡防止用の緩衝層とする
等の目的で、金属層等を反射性導電膜として前記基板上
の半導体膜が作製される側に設けることが好ましい。該
緩衝層の材質として好適に用いられるものとして、Zn
Oが挙げられる。
【0034】また、前記帯状部材が比較的透明であっ
て、該帯状部材の側から光入射を行う層構成の太陽電池
とする場合には前記透明導電性酸化物や金属薄膜等の導
電性薄膜をあらかじめ堆積作製しておくことが望まし
い。
【0035】また、前記帯状部材の表面性としてはいわ
ゆる平滑面であっても、微小の凹凸面が有っても良い。
微小の凹凸面とする場合には球状、円錐状、角錐状等で
あて、かつその最大高さ(Rmax)は好ましくは50n
m〜500nmとすることにより、該表面での光反射が
乱反射となり、該表面での反射光の光路長の増大をもた
らす。
【0036】(複数の成膜空間)複数の成膜空間として
は、例えば前記帯状部材が最初に投入されて減圧処理が
行われる仕込室、搬送されてくる前記帯状部材を適当な
温度まで上昇させる加熱室、搬送されてくる前記帯状部
材の表面上に適当な薄膜を形成する成膜室、搬送されて
くる前記帯状部材を適当な温度まで下降させる冷却室、
成膜が完了した前記帯状部材を大気圧下にもどす取り出
し室があげられる。特に、成膜室を、連続して複数個設
けることにより、異なる材質の薄膜を複数層形成する場
合もある。この時、各成膜室の間に後述するガスゲート
室を設けて、隣合う成膜室の影響を防止する手段も用い
られる。また、前記帯状部材に成膜する場合は、部材の
搬送速度と膜厚の関係から、時間調整をするトランスフ
ァー室をさらに設けることもある。
【0037】(ガスゲート室)ガスゲート室とは、前記
帯状部材の送り出し及び巻き取り用真空容器と半導体膜
作製用真空容器とを分離独立させ、かつ、前記帯状部材
をそれらの中を貫通させて連続的に搬送する目的で設け
た真空容器である。
【0038】ガスゲート室の機能としては、前記各容器
間に生じる圧力差によって、相互に使用している半導体
膜作製用原料ガス等の雰囲気を拡散させない能力を有す
ることが必要である。従って、その基本概念は米国特許
第4,438,723号に開示されているガスゲート技
術を採用することができるが、更にその能力は改善され
る必要がある。具体的には、最大106倍程度の圧力差
に耐え得ることが必要であり、排気ポンプとしては排気
能力の大きい油拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ、メカニ
カルブースターポンプ等が好適に用いられる。
【0039】また、ガスゲート室の断面形状は、例えば
スリッド状またはこれに類似する形状であり、その全長
及び用いる排気ポンプの排気能力等と合わせて、一般の
コンダクタンス計算式を用いてそれらの寸法が計算、設
計される。
【0040】更に、分離能力を高めるためにゲートガス
を併用することが好ましく、例えば、Ar,He,N
e,Kr,Xe,Rn等の希ガスまたはH2等の半導体
膜作製用希釈ガスが挙げられる。ゲートガスの流量は、
ガスゲート全体のコンダクタンス及び用いる排気ポンプ
の能力等によって適宜決定されるが、例えば、ガスゲー
トのほぼ中央部に圧力の最大となるポイントを設けれ
ば、ゲートガスはガスゲート中央部から両サイドの真空
容器側へ流れ、両サイドの容器間での相互のガス拡散を
最小限に抑えることができる。実際には、質量分析計を
用いて拡散してくるガス量を測定したり、半導体膜の組
成分析を行うことによって最適条件を決定する。
【0041】(連続的に通過)連続的に通過とは、前記
帯状部材が、一定速度で、その面内にキズ、シワ、捩
れ、反りなどを生じることなく、前記複数の成膜空間を
搬送される状態を示しているが、特に、加熱に対して耐
久性があることが好ましい。
【0042】(マイクロ波プラズマCVD法)ある気体
(常温以下に沸点のある物質)を一あるいは数種類、容
器の中に入れて高温にすると、気体の種類によって反応
が生じ、蒸気圧の低い物質が生成する。これが気相成長
(Chemical Vaper Deposition, CVDと略記される)と
いわれる薄膜成長の過程であり、この成長方法を利用し
た成膜法が、CVD法である。さらに、CVD装置に放
電を行わせる装置(通常は、周波数13.56MHz)
を組み合わせた装置を用いて、上記の気体をプラズマ化
することにより、低温でも薄膜の形成を可能とした方法
が、プラズマCVD法である。
【0043】また、13.56MHzの高周波の代わり
に、さらに高い周波数の電磁波を用いれば、電極間距離
を小さくすることができ、成膜室をより小型化すること
が可能となる。例えば、周波数に2.45GHzを用い
て行うCVD法が、マイクロ波プラズマCVD法であ
る。この時、マイクロ波の進向性を揃えるため、後述す
るアプリケータ等を用いる場合がある。
【0044】さらに、マイクロ波プラズマCVD法の放
電空間に、適当な値の静磁場を印加することにより、電
磁場の中の電子を共鳴させることができる。この共鳴現
象は、電子サイクロトロン共鳴(Electron Cyclotron R
esonance,ECRと略す)といい、この条件下で作られ
たプラズマをCVD法に用いたものが、ECRプラズマ
CVD法である。ECRプラズマCVD法は、マイクロ
波プラズマCVD法に比べて、放電の閉じこめ、均一
性、安定性がさらに向上するという特徴を有している。
【0045】(マイクロ波エネルギーの導入手段)マイ
クロ波エネルギーの導入としては、例えば図4に示した
マイクロ波アプリケータが挙げられる。本発明において
はマイクロ波アプリケータ400は、帯状部材の移動す
る方向に垂直に配設されるが、さらに具体的に説明す
る。図4において401,402はマイクロ波透過性部
材であり、メタルシール412及び固定用リング406
を用いて、内筒404、外筒405に固定されており、
真空シールがされている。また、内筒404、外筒40
5との間には冷却媒体409が流れるようになっており
一方の端にはOリング410でシールされており、マイ
クロ波アプリケータ400全体を均一に冷却するように
なっている。冷却媒体409としては、水、フレオン、
オイル、冷却空気等が好ましく用いられる。マイクロ波
透過性部材401にはマイクロ波整合用円板403a,
403bが固定されている。外筒405には溝411の
加工されたチュークフランジ407が接続されている。
413,414は冷却空気の導入孔及び/または排出孔
であり、アプリケータ内部を冷却するために用いられ
る。
【0046】(RFエネルギーの導入手段)本発明にお
いてRF導入手段は、成膜空間内に配設されるが、材質
としては金属、Al,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,
Mo,W,Fe,V,Cr,Cu,ステンレス、真ちゅ
う、ニクロム、あるいは半導体Si,Geの単一元素を
成分としていても、またこれらの合金であっても構わな
い。
【0047】成膜空間内における配置及びその形状につ
いては、成膜の他の条件、例えば原料ガス種、流量、圧
力、マイクロ波パワーによって最適な成膜条件の下で適
宜決定される。
【0048】(マイクロ波プラズマの生起)本発明にお
いて、マイクロ波プラズマの生起は以下の順に従って行
うことを特徴とする。
【0049】成膜空間の内圧は50mTorr以下及び
1mTorr以上の範囲であり、成膜空間に導入される
原料ガスは、成膜に必要な原料ガス種、ガス流量が適宜
選択される。また、ゲートに流すガスが成膜空間に混入
していても構わない。
【0050】マイクロ波プラズマを生起するに際し、ま
ず、マイクロ波エネルギーを成膜空間に導入する。該マ
イクロ波エネルギーは、成膜条件時のマイクロ波エネル
ギーと同じであっても、また若干高目に設定されていて
も構わない。但し、マイクロ波電源の容量を概みると、
好ましくは成膜条件時のマイクロ波エネルギーに対し上
限で+50%程度であり、また、さらに異常放電を誘起
しない点でより好ましくは+40%程度を上限とする。
【0051】この状態で、次にRFバイアス導入手段よ
りRFエネルギーを成膜空間に導入する。
【0052】本発明においてRFエネルギーの周波数
は、商用周波数として好適に13.56MHzが用いら
れる。適用範囲としては10kHzから100MHzの
範囲でマイクロ波プラズマを生起するのに有効である。
また、このときスパーク等の異常放電は一切観察されず
円滑なプラズマ生起が可能である。
【0053】このマイクロ波プラズマを生起できる原因
については、現在のところ正確には判明していないが、
本発明ではマイクロ波の周波数1GHzから100GH
z程度の範囲で、このRF周波数10kHzから100
MHzの範囲でマイクロ波プラズマが生起できることか
ら考えて、マイクロ波エネルギーとRFエネルギーの重
量作用により成膜空間に局所的な電子密度の向上を生み
出しプラズマを生起できるものを推論している。
【0054】マイクロ波プラズマが生起した後は、RF
エネルギーは供給を停止しても良く、また引き続き成膜
条件にRFバイアスが有効である場合は、このままRF
エネルギーを供給していても構わない。
【0055】本発明においてRFエネルギーは、マイク
ロ波プラズマを生起させるために少なくともマイクロ波
エネルギーの50%以上のエネルギーが必要であり、最
大でもマイクロ波エネルギーの150%のエネルギーを
供給すれば容易にマイクロ波プラズマを生起させること
が可能である。
【0056】本発明においてRFエネルギーを導入する
タイミングは、マイクロ波エネルギーを導入した直後に
導入してもよく、また、同時でも構わない。マイクロ波
エネルギーを導入した後プラズマが生起しないまま時間
を置くと、一般的には成膜空間の特定箇所が局部的に加
熱され、成膜装置の破損を招くので好ましくはない。
【0057】(光起電力素子)光起電力素子とは、例え
ば図5に示した層構成、すなわち帯状部材501(図
1、図3では帯状部材1に相当する)の表面上に、下部
電極502、第1の導電型層503、i型層504、第
2の導電型層505、上部電極506、集電電極507
という各層を順次積み上げた層構成からなる発電素子で
ある。
【0058】また、異なった波長を含む太陽光を有効に
利用するため、図6や図7に示した層構成の光起電力素
子も実用化されている。図6の場合には、バンドギャプ
及び/又は層厚の異なる2種類の半導体層をi型層に用
いた例であり、第1の導電型層503、i型層504、
第2の導電型層505からなる積層部分を2回繰り返し
た層構成(タンデム型とよぶ)が使われている。また、
図7の場合は、この繰り返しの回数が3回の場合(トリ
プル型とよぶ)である。さらに、この繰り返しの回数が
4回以上の場合も、図示はしないがすでに適宜採用され
ている。
【0059】以下では、上述した光起電力素子を構成す
る各層について説明する。
【0060】(帯状部材)本発明において用いられる帯
状部材501(図1、図3では帯状部材1に相当する)
は、フレキシブルである材質のものが好適に用いられ、
導電性のものであっても、また電気絶縁性のものであっ
てもよい。さらには、それらの透光性のものであって
も、また非透光性のものであってもよいが、帯状部材5
01の側より光入射が行われる場合には、もちろん透光
性であることが必要である。
【0061】具体的には、本発明において用いられる材
質がSUS430BAである帯状部材501を挙げるこ
とができ、該帯状部材501を用いることにより、作製
される光起電力素子の軽量化、強度向上、運搬スペース
の低減等を図ることができる。
【0062】(電極)本光起電力素子においては、当該
素子の構成形態により次のような電極が選択使用され
る。それらの電極としては、下部電極、上部電極(透明
電極)、集電電極を挙げることができる(ただし、ここ
でいう上部電極とは光の入射側に設けられたものを示
し、下部電極とは半導体層を挟んで上部電極に対向して
設けられたものを示すこととする)。これらの電極につ
いて以下に詳しく説明する。
【0063】(下部電極)本発明において用いられる下
部電極502は、上述した帯状部材501の材料が透光
性であるか否かによって、光起電力発生用の光を照射す
る面が異なるので(例えば、帯状部材501が金属等の
非透光性の材料である場合には、図5(A)で示したよ
うに透明電極506側から光起電力発生用の光を照射す
る)、その設置される場所が異なる。
【0064】具体的には、図5、図6及び図7のような
層構成の場合には、帯状部材501と第1の導電型層5
03との間に設けられる。しかし、帯状部材501が導
電性である場合には、該帯状部材が下部電極を兼ねるこ
とができる。ただし、帯状部材501が導電性であって
もシート抵抗値が高い場合には、電流取り出し用の低抵
抗の電極として、あるいは基板表面での反射率を高め入
射光の有効利用を図る目的で下部電極502を設置して
もよい。
【0065】電極材料としは、Ag,Au,Pt,N
i,Cr,Cu,Al,Ti,Zn,Mo,W等の金属
またはこれらの合金が挙げられ、これ等の金属の薄膜を
真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等で作製す
る。また、作製された金属薄膜は光起電力素子の出力に
対して抵抗成分とならないように配慮しなければなら
ず、シート抵抗値として好ましくは50Ω/□以下、よ
り好ましくは10Ω/□以下であることが望ましい。
【0066】下部電極502と第1の導電型層503と
の間に、図中には示されていないが、ZnO等の短絡防
止及び拡散防止のための緩衝層を設けても良い。該緩衝
層の効果としては下部電極502を構成する金属元素が
第1の導電型層503中へ拡散するのを防止するのみな
らず、若干の抵抗値をもたせることで半導体層を挟んで
設けられた下部電極502と透明電極506との間にピ
ンホール等の欠陥で発生するショートを防止すること、
及び薄膜による多重干渉を発生させ入射された光を光起
電力素子内に閉じ込めること等の効果を挙げることがで
きる。
【0067】(上部電極(透明電極))本発明において
用いられる透明電極506は、太陽や白色蛍光灯等から
の光を半導体層内に効率良く吸収させるために光の透過
率が85%以上であることが望ましく、さらに、電気的
には光起電力素子の出力に対して抵抗成分とならぬよう
にシート抵抗値は100Ω/□以下であることが望まし
い。このような特性を備えた材料として、SnO2,I
23,ZnO,CdO,Cd2SnO4,ITO(In
22+SnO2)等の金属酸化物や、Au,Al,Cu
等の金属を極めて薄く半透明状に成膜した金属薄膜等が
挙げられる。透明電極は、図9においては第2の導電型
層505層の上に積層されるため、互いの密着性の良い
ものを選ぶことが必要である。これらの作製方法として
は、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッタ
リング法、スプレー法等を用いることができ、所望に応
じて適宜選択される。
【0068】(集電電極)本発明において用いられる集
電電極507は、透明電極506の表面低坑値を低減さ
せる目的で透明電極506上に設けられる。電極材料と
してはAg,Cr,Ni,Al,Ag,Au,Ti,P
t,Cu,Mo,W等の金属またはこれらの合金の薄膜
が挙げられる。これらの薄膜は積層させて用いることが
できる。また、半導体層への光入射光量が十分に確保さ
れるよう、その形状及び面積が適宜設計される。
【0069】例えば、その形状は光起電力素子の受光面
に対して一様に広がり、かつその面積は受光面積に対し
て好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下で
あることが望ましい。
【0070】また、シート抵抗値としては、好ましくは
50Ω/□以下、より好ましくは10Ω/□以下である
ことが望ましい。
【0071】(第1及び第2の導電型層)本発明の光起
電力素子における第1及び第2の導電型層に用いられる
材料としては、例えば周期律表第IV族の原子を1種ま
たは複数種から成る、非単結晶半導体が適する。また更
に、光照射側の導電型層は、微結晶化した半導体が最適
である。該微結晶の粒径は、好ましくは3nm〜20n
mで有り、最適には3nm〜10nmである。
【0072】第1または第2の導電型層の導電型がn型
の場合、第1または第2の導電型層に含有される添加物
としては、周期律表第Vb族の原子が適している。その
中でも特にリン(P)、窒素(N)、ひ素(As)、ア
ンチモン(Sb)が最適である。
【0073】第1または第2の導電型層の導電型がp型
の場合、第1または第2の導電型層に含有される添加物
としては、周期律表第IIIb族元素が適している。そ
の中でも特にホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガ
リウム(Ga)が最適である。
【0074】第1及び第2の導電型の層厚は、好ましく
は1nm〜50nm、最適には3nm〜10nmであ
る。
【0075】更に、光照射側の導電型層での光吸収をよ
り少なくするためには、i型層を構成する半導体のバン
ドギャップよりも大きなバンドギャップを有する半導体
層を用いることが好ましい、例えば、i型層がアモルフ
ァスシリコンの場合に光照射側の導電型層に非単結晶炭
化シリコンを用いるのが最適である。
【0076】(i型層)本発明の光起電力素子における
i型層に用いられる半導体材料としては、例えば周期律
表第IV族の原子1種または複数種から成る、Si,G
e,C,SiC,GeC,SiSn,GeSn,SnC
等の半導体が挙げられる。III−V族化合物半導体と
して、GaAs,GaP,GaSb,InP,InAs
等が、II−VI族化合物半導体としては、ZnSe,
ZnS,ZnTe,CdS,CdSe,CdTe等が、
I−III−VI族化合物半導体としては、CuAlS
2,CuAlSe2,CuAlTe2,CuInS2,Cu
InSe2,CuInTe 2,CuGAs2,CuGaS
2,CuGaTe,AgInSe2,AgInTe 2
が、II−IV−V族化合物半導体としては、ZnSi
2,ZnGeAs2,CdSiAs2,CdSnP2
が、酸化物半導体としては、Cu2O,TiO2,In2
3,SnO2,ZnO,CdO,Bi23,CdSnO
4等がそれぞれ挙げられる。
【0077】また更に本発明において、i型層の層厚
は、本発明の光起電力素子の特性を左右する重要なパラ
メータである。i型層の好ましい層厚は100nm〜1
000nmであり、最適な層厚は200nm〜600n
mである。これらの層厚は、i型層及び界面層の吸光係
数や光源のスペクトルを考慮し上記範囲内で設計するこ
とが望ましいものである。
【0078】以下では、上述した光起電力素子を構成す
る各層を形成する材料、すなわち原料ガスとについて説
明する。本発明において、第1及び第2の導電型層、i
型層及び界面層を作製する、マイクロ波グロー放電分解
法に適した原料ガスとして次のものが挙げられる。
【0079】(Si供給用の原料ガス)本発明において
Si供給用の原料ガスとしては、例えばSiH4,Si2
6,Si38,Si410等のガス状態の、またはガス
化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるも
のとして挙げられる。殊に、層作成作業の扱い易さ、S
i供給効率の良さ等の点でSiH4、Si26が好まし
いものとして挙げられる。
【0080】(ハロゲン原子供給用の原料ガス)本発明
においてハロゲン原子供給用の原料ガスとしては、例え
ばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲン間化合物、ハ
ロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状態のまたは
ガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられる。
【0081】また、更には、シリコン原子とハロゲン原
子とを構成元素とするガス状態のまたはガス化し得る、
ハロゲン原子を含む珪素化合物も有効なものとして本発
明において挙げることができる。
【0082】本発明において好適に使用し得るハロゲン
化合物としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の
ハロゲンガス、BrF,ClF,ClF3,BrF5,B
rF 3,IF3,IF7,ICl,IBr等のハロゲン間
化合物を挙げることができる。
【0083】ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆる
ハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、例え
ばSiF4,Si26,SiCl4,SiBr4等のハロ
ゲン化珪素が好ましいものとして挙げることができる。
【0084】本発明においては、ハロゲン原子供給用の
原料ガスとして上記されたハロゲン化合物あるいはハロ
ゲン原子を含む弗素化合物が有効なものとして使用され
るものであるが、その他に、HF,HCl,HBr,H
l等のハロゲン化水素、SiH3F,SiH22,Si
HF3,SiH22,SiH2Cl2,SiHCl3,Si
2Br2,SiHBr3等のハロゲン置換水素化珪素、
これらのガス状態のあるいはガス化し得る、水素原子を
構成要素の1つとするハロゲン化物も有効な原料ガスと
して挙げることができる。
【0085】これらの水素原子を含むハロゲン化物は、
作製される層の中にハロゲン原子を供給すると同時に、
電気的あるいは光電的特性の制御に極めて有効な水素原
子も供給するので、本発明においては好適なハロゲン原
子供給用の原料ガスとして使用される。
【0086】(水素原子供給用の原料ガス)本発明にお
いて水素原子供給用の原料ガスとしては、上記のハロゲ
ン化水素やハロゲン置換水素化珪素などの他に、例えば
2、あるいはSiH4,Si26,Si38,Si4
10等の水素化珪素が挙げられる。
【0087】(ゲルマニウム原子供給用の原料ガス)本
発明においてゲルマニウム原子供給用の原料ガスとして
は、例えばGeH4,Ge26,Ge38,Ge410
Ge512,Ge614,Ge716,Ge818,Ge9
20等の水素化ゲルマニウムや、GeHF3,GeH2
2,GeH3F,GeHCl3,GeH2Cl2,GeH3
l,GeHBr3,GeH2Br2,GeH3Br,GeH
3,GeH22,GeH3I等の水素化ハロゲン化ゲル
マニウム等の水素原子を構成要素の1つとするハロゲン
化物、GeF4,GeCl4,GeBr4,GeI4,Ge
2,GeCl2,GeBr2,GeI2等のハロゲン化ゲ
ルマニウム等のゲルマニウム化合物が挙げられる。
【0088】(炭素原子供給用の原料ガス)本発明にお
いて炭素原子供給用の原料ガスとしては、炭素原子含有
化合物、例えば炭素数1〜4の飽和炭化水素、炭素数2
〜4のエチレン系炭化水素、炭素数2〜3のアセチレン
系炭化水素等が挙げられる。
【0089】飽和炭化水素としては、例えばメタン(C
4)、エタン(C26)、プロパン(C38)、n−
ブタン(n−C410)、ペンタン(C512)等が、エ
チレン系炭化水素としては、例えばエチレン(C
24)、プロピレン(C36)、ブテン−1(C
48)、ブテン−2(C48)、イソブチレン(C
48)、ペンテン(C510)等が、アセチレン系炭化
水素としては、例えばアセチレン(C2 2)、メチルア
セチレン(C34)、ブチン(C46)等が挙げられ
る。
【0090】また、SiとCとHとを構成原子とする原
料ガスとしては、例えばSi(CH 34、Si(C
244等のケイ化アルキルを挙げることができる。
【0091】第III族原子または第V族原子の含有さ
れる層を作製するのにグロー放電を用いる場合、該層作
製用の原料ガスとなる出発物質は、前記したシリコン原
子用の出発物質の中から適宜選択したものに、第III
族原子または第V族原子供給用の出発物質が加えられた
ものである。そのような第III族原子または第V族原
子供給用の出発物質としては、第III族原子または第
V族原子を構成原子とするガス状態の物質またはガス化
し得る物質をガス化したものであれば、いずれのもので
あってもよい。
【0092】(第III族原子供給用の出発物質)本発
明において第III族原子供給用の出発物質としては、
例えばホウ素原子供給用の場合、B26,B410,B5
9,B511,B610,B612,B61 4等の水素化
ホウ素、BF3,BCl3,BBr3等のハロゲン化ホウ
素等を挙げることができるが、この他AlCl3,Ga
Cl3,InCl3,TlCl3等も挙げることができ
る。
【0093】(第V族原子供給用の出発物質)本発明に
おいて第V族原子供給用の出発物質としては、例えば燐
原子供給用の場合、PH3,P24等の水素化燐、PH4
I,PF3,PF5,PCl3,PCl5,PBr3,PB
5,PI3等のハロゲン化燐等を挙げることができる
が、この他AsH3,AsF3,AsCl3,AsBr3
AsF5,SbH3,SbF3,SbF5,SbCl3,S
bCl5,BiH3,BiCl3,BiBr3,N2,N
3,H2NNH2,HN3,NH43,F3N,F42
も挙げることができる。
【0094】(酸素原子供給用ガス)本発明において酸
素原子供給用ガスとしては、例えば酸素(O2)、オゾ
ン(O3)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(N
2)、一二酸化窒素(N2O)、三二酸化窒素(N
23)、四二酸化窒素(N24)、五二酸化窒素(N2
5)、三酸化窒素(NO3)等、また、シリコン原子
(Si)と酸素原子(O)と水素原子(H)とを構成原
子とする例えば、ジシロキサン(H3SiOSiH3)、
トリシロキサン(H3SiOSiH2OSiH3)等の低
級シロキサン等も挙げることができる。
【0095】(窒素原子供給ガス)本発明において窒素
原子供給ガスとしては、例えば窒素(N2)、アンモニ
ア(NH3)、ヒドラジン(H2NNH2)、アジ化水素
(HN3)、アンモニウム(NH43)等のガス状のま
たはガス化し得る窒素、窒化物及びアジ化物等の窒素化
合物を挙げることができる。この他に、窒素原子の供給
に加えて、ハロゲン原子の供給も行えるという点から、
三弗化窒素(F3N)、四弗化窒素(F42)等のハロ
ゲン化窒素化合物を挙げることができる。
【0096】(II−VI族化物半導体を形成するため
に用いられる、周期律表第II族原子を含む化合物)本
発明においてII−VI族化物半導体を形成するために
用いられる、周期律表第II族原子を含む化合物として
は、例えばZn(CH32,Zn(C25 2,Zn
(OCH32,Zn(OC252,Cd(CH32
Cd(C252,Cd(C372,Cd(C
492,Hg(CH32,Hg(C252,Hg(C
652,Hg〔(C=(C65)〕2等が挙げられる。
また周期律表第VI族原子を含む化合物としては、例え
ばNO,N2O,CO2,CO,H2S,SCl2,S2
2,SOCl2,SeH2,SeCl2,Se2Br2,S
e(CH32,Se(C252,TeH,Te(C
32,Te(C252等が挙げられる。もちろん、
これらの原料物質は1種のみならず2種以上混合して使
用することもできる。
【0097】本発明において形成されるII−VI族化
合物半導体を価電子制御するために用いられる価電子制
御剤としては、周期律表I,III,IV,V族の原子
を含む化合物等を有効なものとして挙げることができ
る。具体的にはI族原子を含むものとしては、LiC3
7,Li(sec−C49),Li2S,Li3N等を
好適なものとして挙げることができる。
【0098】(III族原子を含む化合物およびV族原
子を含む化合物)本発明においてIII族原子を含む化
合物としては、例えばBX3,B25,B410,B
59,B511,B610,B(CH33,B(C25
3,B612,AlX3,Al(CH32Cl,Al(C
33,Al(OCH33,Al(CH3)Cl2,Al
(C253,Al(OC253,Al(CH33Cl
3,Al(i−C493,Al(i−C373,Al
(C373,Al(OC4 93,GaX3,Ga(O
CH33,Ga(OC253,Ga(OC37),G
a(OC493,Ga(CH33,Ga26,GaH
(C252,Ga(OC 25),Ga(C252,I
n(CH33,In(C473,In(C49 3
が、V族原子を含む化合物としては、例えばNH3,H
3,N253,N24,NH43,PX3,P(OC
3),P(OC253,P(C373,P(OC4
93,P(CH33,P(C253,P(C493
P(OCH3 3,P(OC253,P(OC253
P(OC373,P(OC493,P(SCN)3
24,PH3,AsH,AsH3,As(OCH33
As(OC253,As(OC373,As(OC4
93,As(CH33,As(C653,SbX3
Sb(OCH33,Sb(OC253,Sb(OC3
73,Sb(OC493,Sb(CH33,Sb(C3
73,Sb(C49 3等が挙げられる(但し、上記
におけるXはハロゲン原子、具体的には、F,Cl,B
r,Iから選ばれる少なくとも一つを表す)。もちろ
ん、これらの原料物質は1種のみならず2種以上混合し
て使用することもできる。
【0099】(III−V族化合物半導体を価電子制御
するために用いられる価電子制御剤)本発明において形
成されるIII−V族化合物半導体を価電子制御するた
めに用いられる価電子制御剤としては、周期律表II,
IV,VI族の原子を含む化合物等を有効なものとして
挙げることができる。II族原子を含む化合物として
は、例えばZn(CH32,Zn(C252,Zn
(OCH32,Zn(OC252,Cd(CH32
Cd(C252,Cd(C372,Cd(C
49 2,Hg(CH32,Hg(C252,Hg(C
652,Hg〔(C=(C6 5)〕2等を有効なものと
して挙げることができる。また、VI族原子を含む化合
物としては、例えばNO,N2O,CO2,CO,H
2S,SCl2,S2Cl2,SOCl2,SeH2,SeC
2,Se2Br2,Se(CH32,Se(C252
TeH,Te(CH32,Te(C252等が挙げら
れる。もちろん、これらの原料物質は1種のみならず2
種以上混合して使用することもできる。更にIV族原子
を含む化合物としては前述した化合物を挙げることがで
きる。
【0100】本発明において前述した原料化合物は、H
e,Ne,Ar,Kr,Xe,Rn等の希ガス、及びH
2,HF,HCl等の希釈ガスと混合して導入されても
良い。
【0101】(ガス導入手段を構成する材質)本発明に
おいて配設されるガス導入手段を構成する材質として
は、マイクロ波プラズマ中で損傷を受けることがないも
のが好適に用いられる。具体的には、ステンレススチー
ル、ニッケル、チタン、ニオブ、タンタル、タングステ
ン、バナジウム、モリブテン等の耐熱性金属、及びこれ
らをアルミナ、窒化ケイ素、石英等のセラミックス上に
溶射処理等したもの、そしてアルミナ、窒化ケイ素、石
英等のセラミックス単体、及び複合体で構成されるもの
等を挙げることができる。
【0102】
【実施例】以下、本発明の光起電力素子を連続的に製造
する方法の具体的実施例を示すが、本発明はこれらの実
施例によって何ら限定されるものではない。
【0103】(実施例1)図3に示した装置を用いて、
本発明の光起電力素子を連続的に作製する方法につい
て、手順に従って以下説明する。
【0104】(1)基板送り出し機構を有する真空容器
301に、十分に脱脂、洗浄を行い、下部電極として、
スパッタリング法により、銀薄膜を100nm、ZnO
薄膜を1μm蒸着してあるSUS430BA製帯状部材
1(幅120mm×長さ200m×厚さ0.13mm)
の巻きつけられたボビン303をセットし、該帯状部材
1をガスゲート、第1の導電型層作製用の真空容器10
0n、i型層作製用の真空容器100、第2の導電型層
作製用の真空容器100pを介して、帯状部材巻き取り
機構を有する真空容器302まで通し、たるみのない程
度に張力調整を行った。
【0105】(2)各真空容器301、100n、10
0、100p、302を、真空ポンプ(図示せず)で1
×10-6Torr以下まで真空引した。
【0106】(3)成膜時の加熱処理:ガスゲート12
9n、129、130、129pにゲートガス導入管1
31n、131、132、132pよりゲートガスとし
てH 2を各々700sccm流し、加熱用赤外線ランプ
124n、124、124pにより帯状部材1を各々3
50℃に加熱する。
【0107】(4)ガス導入手段103nより、SiH
4ガスを20sccm、PH3/H2(1%)ガスを20
0sccm、H2ガスを300sccm、ガス導入手段
103a、103b、103cより、それぞれSiH4
ガスを200sccm、H2ガスを300sccm、ガ
ス導入手段103pより、SiH4ガスを30scc
m、BF3/H2(1%)ガスを50sccm、H2ガス
を350sccm導入した。真空容器100n内の圧力
は、30mTorrとなるように圧力計(図示せず)を
見ながらスロットルバルブ127nの開口を調整した。
真空容器100内の圧力は、6mTorrとなるように
圧力計(図示せず)を見ながらスロットルバルブ127
の開口を調整した。真空容器100p内の圧力は、30
mTorrとなるように圧力計(図示せず)を見ながら
スロットルバルブ127pの開口を調整した。
【0108】(5)マイクロ波電力をアプリケータ10
5n、105a、105b、105c、105pに電力
を導入し、それぞれマイクロ波透過性歩材108n、1
08a、108b、108c、108pを通じて、マイ
クロ波電力を1000W、300W、300W、300
W、1000W導入する。これに続いてRF導入手段で
あるRFバイアス棒102n、102a、102b、1
02c、102pにFR電力を各々500W、200
W、200W、200W、500W導入し、直ちに各成
膜空間101n、102a、101b、101c、10
1pにマイクロ波プラズマを生起させる。プラズマが生
起されたら各RF電力を総て0Wにし、成膜状態に移行
する。次に、帯状部材1を図中の矢印の方向に1m/m
inの速度で搬送させ、帯状部材上に第1の導電型層、
i型層、第2の導電型層を作製した。
【0109】(6)前記帯状部材の1ロール分を搬送さ
せた後、総てのプラズマ、総てのガスの供給、総てのラ
ンプヒーターの通電、搬送を停止した。次に、チャンバ
ーリーク用のN2ガスをチャンバーに導入し(導入用部
材は図示せず)大気圧に戻し、巻き取り用ボビン304
に巻き取られた前記帯状部材を取り出した。
【0110】(7)第2の導電型層上に、透明電極とし
て、ITO(In23+SnO2)を真空蒸着にて70
nm蒸着し、さらに集電電極として、Alを真空蒸着に
て2μm蒸着し、光起電力素子を作製した。
【0111】以上の光起電力素子の作製条件を表1に示
す。ここで、第1の導電型層はn型層、第2の導電型層
はp型層である。
【0112】
【表1】 本例では、プラズマを生起するために、マイクロ波電力
に加えてRF電力を印加したことにより、成膜条件と同
じ条件下でプラズマの生起が可能となった。その結果、
成膜初期の異常放電の発生などがなくなったため、成膜
初期から安定したプロセスにて光起電力素子の作製が可
能となった。
【0113】(比較例1)本例では、実施例1がマイク
ロ波電力とRF電力の両方を用いてプラズマを生起する
のに代えて、マイクロ波電力のみを用いた。すなわち、
マイクロ波透過性部材108n,108a,108b,
108c,108pに、マイクロ波電力を各々1000
W,300W,300W,300W,1000W導入し
た。
【0114】他の点は、実施例1と同様とした。
【0115】本例では、マイクロ波電力をはじめ、その
他の作製条件は表1に示すように設定したが、マイクロ
波プラズマは生起できなかった。
【0116】(比較例2)本例では、比較例1に対し
て、マイクロ波電力を各成膜空間において5割上昇させ
た。すなわち、マイクロ波透過性部材108n,108
a,108b,108c,108pに、マイクロ波電力
を各々1500W,450W,450W,450W,1
500W程度導入した。
【0117】他の点は、比較例1と同様とした。
【0118】本例では、各成膜空間においてマイクロ波
プラズマが生起した。この直後に、各マイクロ波電力
を、表1に示す作製時の電力に設定変更した。この作製
プロセスにて得られた光起電力素子を観察したところ、
大マイクロ波電力の印加により、帯状部材の端部が波状
に変形しているのが分かった。また、この変形部分が、
帯状部材搬送時に各成膜空間の構成部材と干渉・衝突し
た結果、帯状部材の端部変形が発生したことが分かっ
た。
【0119】従って、実施例1の作製方法によれば、帯
状部材の変形が防止できるため、帯状部材が搬送中に成
膜装置内で引っかかるなどして搬送停止の状況に陥るよ
うなトラブルを回避することが可能となった。その結
果、光起電力素子の生産プロセスが安定し、光起電力素
子の低コスト化を図ることができた。
【0120】(実施例2)本例では、i型層作製用容器
が配置された真空容器100の圧力を、10mTorr
〜100mTorrの範囲で可変とした。この圧力変更
は、真空容器100に接続されたスロットルバルブ12
7の開度を調整することで行った。
【0121】他の点は、実施例1と同様とした。
【0122】表2は、各圧力で作製された光起電力素子
の曲線因子である。実施例1で作製された光起電力素子
(真空容器100の圧力=6mTorr)の曲線因子で
規格化して表記した。
【0123】但し、曲線因子とは、次式で表記されるも
のである。
【0124】
【0125】
【表2】 表2から、真空容器100の圧力を50mTorr以下
とした場合、作製される光起電力素子の曲線因子が急激
に良くなることが判明した。
【0126】上記の圧力依存性が生じた理由として、発
明者は以下のとおり推定した。 (1)活性種の気相中での反応性は、マイクロ波プラズ
マ法の方が、RF法などに比べて高い。 (2)圧力が高い場合、活性種がクラスター状態にな
り、それが基板に高速で付着した。 (3)このような状態では、構造緩和のための充分な表
面反応時間が得られないため、膜質が低下した。 (4)このような膜質の低下が、光起電力素子の特性の
中で、特に正孔の走行特性に影響を与え、曲線因子の低
下をもたらした。
【0127】(実施例3)本例では、実施例1が1組の
pin接合を有するのに代えて、下部電極上に2組のp
in接合を配置した。
【0128】他の点は、実施例1と同様とした。
【0129】本例で用いた成膜装置は、図3に示した装
置の第2の導電型層作製用真空容器100pと真空容器
302の間に、第2のpin接合作製用として、第1の
導電型層作製用真空容器100n’、i型層作製用真空
容器100’、第2の導電型層作製用真空容器100
p’が各ガスゲートを介して接続された構成を有する。
【0130】図6は、2組のpin接合を積層したタン
デム型の光起電力素子の模式的断面図である。第1のp
in接合は、アモルファスシリコンゲルマニウムで、ま
た第2のpin接合はアモルファスシリコンで、各i層
を構成している。作製条件は表3に纏めて示す。ここ
で、第1の導電型層はn型層、第2の導電型層はp型層
である。また、積層順は表の上欄より下欄の順である。
【0131】
【表3】 上述した装置を用いて、本発明の光起電力素子を連続的
に作製する方法について、以下に説明する。但し、実施
例1と異なる手順、すなわち手順(5)に対応する手順
(5)’のみ以下に説明する。
【0132】(5)’表3に示した各原料ガスに対し
て、マイクロ波電力をアプリケータ105n,105
a,105b,105c,105p,及び105n’,
105a’,105b’,105c’,105p’に電
力を導入する。各マイクロ波電力は、表3に示した数値
に設定した。これに続いて各成膜空間のRF導入手段で
あるRFバイアス棒、102n,102a,102b,
102c,102p,及び102n’,102a’,1
02b’,102c’,102p’に電力をそれぞれ5
00W,200W,200W,200W,500W,及
び500W,200W,200W,200W,500W
導入し、直ちに各成膜空間にマイクロ波プラズマを生起
させる。プラズマが生起されたら各RF電力を総て0W
にし、成膜状態に移行する。次に、帯状部材1を図中の
矢印の方向に1m/minの速度で搬送させ、帯状部材
上に、2組のpin接合を作製した。
【0133】本例の場合も、実施例1と同様の結果、す
なわち帯状部材の変形が防止できるため、帯状部材が搬
送中に成膜装置内で引っかかるなどして搬送停止の状況
に陥るようなトラブルを回避可能という結果が得られ
た。その結果、光起電力素子の生産プロセスが安定し、
光起電力素子の低コスト化を図ることができた。
【0134】(実施例4)本例では、実施例1が1組の
pin接合を有するのに代えて、下部電極上に3組のp
in接合を配置した。
【0135】他の点は、実施例1と同様とした。
【0136】本例で用いた成膜装置は、図3に示した装
置の第2の導電型層作製用真空容器100pと真空容器
302の間に、第2のpin接合作製用として、第1の
導電型層作製用真空容器100n’、i型層作製用真空
容器100’、第2の導電型層作製用真空容器100
p’が、さらに第3のpin接合作製用として、第1の
導電型層作製用真空容器100n”、i型層作製用真空
容器100”、第2の導電型層作製用真空容器100
p”が、各ガスゲートを介して接続された構成を有す
る。
【0137】図7は、3組のpin接合を積層したトリ
プル型の光起電力素子の模式的断面図である。第1のp
in接合は、アモルファスシリコンゲルマニウムで、第
2のpin接合はアモルファスシリコンで、さらに第3
のpin接合はアモルファスシリコンで、各i層を構成
している。作製条件は表4に纏めて示す。ここで、第1
の導電型層はn型層、第2の導電型層はp型層である。
また、積層順は表の上欄より下欄の順である。
【0138】
【表4】 上述した装置を用いて、本発明の光起電力素子を連続的
に作製する方法について、以下に説明する。但し、実施
例1と異なる手順、すなわち手順(5)に対応する手順
(5)”のみ以下に説明する。
【0139】(5)”表4に示した各原料ガスに対し
て、マイクロ波電力をアプリケータ105n,105
a,105b,105c,105p,105n’,10
5a’,105b’,105c’,105p’,及び1
05n”,105a”,105b”,105c”,10
5p”に電力を導入する。各マイクロ波電力は、表4に
示した数値に設定した。これに続いて各成膜空間のRF
導入手段であるRFバイアス棒、102n,102a,
102b,102c,102p,102n’,102
a’,102b’,102c’,102p’,及び10
2n”,102a”,102b”,102c”,102
p”にRF電力をn層及びp層成膜空間には各々500
W、第1、第2及び第3のi層作製用成膜空間には各々
200Wずつを導入し、直ちに各成膜空間にマイクロ波
プラズマを生起させる。プラズマが生起されたら各RF
電力を総て0Wにし、成膜状態に移行する。次に、帯状
部材1を図中の矢印の方向に1m/minの速度で搬送
させ、帯状部材上に、3組のpin接合を作製した。
【0140】本例の場合も、実施例1と同様の結果、す
なわち帯状部材の変形が防止できるため、帯状部材が搬
送中に成膜装置内で引っかかるなどして搬送停止の状況
に陥るようなトラブルを回避可能という結果が得られ
た。その結果、光起電力素子の生産プロセスが安定し、
光起電力素子の低コスト化を図ることができた。
【0141】
【発明の効果】
(請求項1)以上説明したように、請求項1に係る発明
によれば、ECR装置のような高価な付帯設備なしで、
プラズマ生起から成膜工程への円滑かつ安定な移行が可
能である光起電力素子の作製方法がえられる。その結
果、プラズマ生起時に発生しやすかったスパーク等の異
常放電が防止できるため、成膜装置の実効稼働時間を増
大することが可能となり、低コストな光起電力素子の作
製方法がえられる。
【0142】(請求項2)請求項2に係る発明によれ
ば、曲線因子の優れた光起電力素子の作製方法がえられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る光起電力素子製造装置におい
て、i型層作製用容器の一実施例の模式図である。
【図2】実施例1に係る光起電力素子製造装置におい
て、好適に用いられるガスゲート手段の圧力勾配を模式
的に示した説明図である。
【図3】実施例1に係る光起電力素子製造装置の一実施
例の模式図である。
【図4】本発明のマイクロ波アプリケータの概念的模式
図である。
【図5】本発明の光起電力素子の構成を示す模式的断面
図である。
【図6】本発明の光起電力素子の構成を示す模式的断面
図である。
【図7】本発明の光起電力素子の構成を示す模式的断面
図である。
【符号の説明】
1,501 帯状部材、 100,100n,100p,301,302 真空容
器、 101a,101b,101c,101 i型層作製用
成膜空間、 101n 第1の導電型層作製用の成膜容器、 101p 第2の導電型層作製用の成膜容器、 102a,102d,102b,102c,102n,
102p FRバイアス棒、 103a,103b,103 ガス導入手段、 104a,104b,104c,104n,104p
アプリケータ、 106a,106b,106c,106n,106p
マイクロ波透過性部材、 111,111n,111p,112,113 導波
管、 103a,103b,103c ガス供給管、 105a,105b,105c 排気パンチングボー
ト、 123,123n,123p ランプハウス、 124,124n,124p 赤外線ランプヒーター、 125,125n,125p,126 排気管、 127,127n,127p,128 排気スロットバ
ルブ、 129,129n,129p,130,311,312
ガスゲート、 131,131n,131p,132n,132p,1
32 ゲートガス供給管、 133,133n,133p 排気管、 134,134n,134p 排気管、 303 送り出し用ボビン、 304 巻き取り用ボビン、 305,306 搬送用ローラー、 307,308,309,309a,309b スロッ
トルバルブ、 310,311 排気管、 312,313 温度調整機構、 314,315 圧力計、 400 マイクロ波アプリケータ、 401,402 マイクロ波透過性部材、 403a,403b マイクロ波整合用円板、 404 内筒、 405 外筒、 406 固定用リング、 407 チョークフランジ、 408 方形導波管、 409 冷却媒体、 410 Oリング、 411 溝、 412 メタルシール、 413,414 冷却空気導入・排気孔、 501 帯状部材、 502 下部電極、 503 第1の導電型層(n型半導体層)、 504 i型半導体層、 504b バッファ層、 505 第2の導電型層(p型半導体層)、 506 上部電極、 507 集電電極、 508 第1のpin接合光起電力素子、 509 第2のpin接合光起電力素子、 510 第3のpin接合光起電力素子、 511 タンデム型光起電力素子、 512 トリプル型光起電力素子。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状部材が複数の成膜空間の中を連続的
    に通過するとき、マイクロ波プラズマCVD法により該
    帯状部材の表面上に複数の異なる薄膜を積層形成してな
    る光起電力素子の作製方法において、前記成膜空間内
    に、予めマイクロ波エネルギーの導入手段からマイクロ
    波エネルギーを導入し、これに続いてRFエネルギーの
    導入手段からRFエネルギーを導入することによって、
    マイクロ波プラズマを生起することを特徴とする光起電
    力素子の作製方法。
  2. 【請求項2】 前記成膜空間の圧力が、50mTorr
    以下であることを特徴とする請求項1に記載の光起電力
    素子の作製方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0880163A2 (en) * 1997-05-22 1998-11-25 Canon Kabushiki Kaisha Plasma processing method and apparatus
JP2007525593A (ja) * 2003-06-27 2007-09-06 ゼネラル・モーターズ・コーポレーション 光電気化学装置及び電極
JP2011148659A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Hitachi Zosen Corp カーボンナノチューブ形成用cvd装置

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