JP3754549B2 - 塩素含有廃棄物の脱塩素処理方法 - Google Patents

塩素含有廃棄物の脱塩素処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃プラスチック等の塩素含有廃棄物を脱塩素処理するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみや廃プラスチック等の廃棄物は、プラスチック類の如き高カロリー可燃物を含むものであるから、埋め立て処分や焼却処分される他、燃料化してエネルギ源として利用されている。
【0003】
しかし、かかる廃棄物には、塩化ビニルを代表とする塩素含有プラスチックが含まれており、塩素化合物が大量に含まれている。したがって、このような塩素含有廃棄物を固形燃料又は粉体燃料として燃焼させると、高濃度の塩化水素を含む燃焼ガス(排ガス)が発生することになる。この塩化水素を含む排ガスは、鉄に対して激しい腐食性を示し、ボイラ水管の腐食等により排ガスボイラ等での熱利用に制約を受けることになる。
【0004】
したがって、塩素含有廃棄物を燃料化するに当たっては、これに含まれる塩素成分を除去しておくこと、つまり廃棄物を脱塩素処理しておくことが好ましい。そこで、従来からも、塩素含有廃棄物を、これに含まれるプラスチックの熱特性を利用して脱塩素処理することが提案されている。例えば、特開平5−245463号公報に開示される如く、粉砕したプラスチック廃棄物を常温から330℃の範囲で且つ最高到達温度が290〜330℃となるように段階的に昇温熱分解して、ガス生成物と融解固体物とに分離し、発生した塩化水素を水に溶解させて、塩酸として回収する方法が公知である。また、社団法人プラスチック処理促進協会発行の「各種プラスチックの熱的諸性質及び燃焼・熱分解時の生成物について」(以下「文献」という)には、ポリ塩化ビニル中の塩化水素を効果的に除去するためには、廃プラスチックを300℃で30分、350℃で10分以上保持する必要があると教示されており、ポリ塩化ビニル等を含む塩素含有廃棄物をかかる条件で加熱することによって良好な脱塩素処理を行いうることが示唆されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した公報や文献に開示,示唆された脱塩素処理方法は、小型装置を使用する実験レベルでの廃棄物処理においてはともかく、大型装置である実機(反応機等)を使用した実際の廃棄物処理においては、加熱温度の制御が困難である等の理由から採用し難いものであり、廃棄物燃料を製造するような場合には実用できないものであった。
【0006】
すなわち、実用的な大型反応機を使用して大量の塩素含有廃棄物を加熱する場合、加熱温度を脱塩化水素反応が効果的に行なわれる温度範囲に設定して当該設定温度に厳格に管理したとしても、反応機内における廃棄物の加熱温度をムラなく当該設定温度に維持させておくことは実際上困難であり、部分的に当該設定温度から外れた低温部分又は高温部分が発生するため、熱分解による脱塩化水素反応が充分に行なわれないし、一旦放出された塩化水素が反応機内で留まって廃棄物中に取り込まれることもある。
【0007】
したがって、熱分解による脱塩化水素反応のみでは、その加熱条件を如何に設定したとしても、廃棄物の脱塩素処理を充分に行なうことができず、処理後の廃棄物にはある程度以上の塩素成分が残留することになり、燃料等として好適に使用できるものを得ることは困難である。すなわち、反応機から取り出される廃棄物は、塩素成分が或る程度除去されているものの、かなりの量の残留塩素成分が含まれており、これを燃料として燃焼させた場合には、塩化水素が発生することになる。しかも、上記した如く設定温度から逸脱した高温部分が生じることから、上記した文献に開示される如く350℃に加熱した場合、反応機内における廃棄物のプラスチック加熱温度が局部的に350℃を超えて発火点に達し、廃棄物(プラスチック)が発火する虞れがある。このような廃棄物の発火は、危険であることは勿論、当該廃棄物を燃料等として利用できなくなるといった問題を生じる。
【0008】
本発明は、このような問題を生じることなく、塩化ビニル等を含む塩素含有廃棄物を効果的に脱塩素処理することができ、これに含まれている塩素成分を効率よく略完全に除去しておくことができる塩素含有廃棄物の脱塩素処理方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては、上記の目的を達成すべく、反応機を使用した脱塩素処理工程を脱塩化水素反応による一次脱塩素処理工程と反応剤を使用した二次脱塩素処理工程とに分けて行い、一次脱塩素処理工程において除去し得なかった残留塩素成分を二次脱塩素処理工程において略完全に除去するようにすることを提案する。
【0010】
而して、請求項1に記載する方法(以下「第1方法」という)では、内部領域を第1加熱領域と第2加熱領域とに区画すると共に塩素含有廃棄物を第1加熱領域から第2加熱領域へと移送させるように構成した反応機を使用して、一次脱塩素処理工程と二次脱塩素工程とを連続して行なうようにしている。
【0011】
すなわち、一次脱塩素処理工程では、反応機に投入された廃棄物が一次処理領域を通過する間において、当該廃棄物を所定の一次脱塩素処理温度に加熱することにより、当該廃棄物に含まれる塩素成分を熱分解による脱塩化水素反応により塩化水素として除去すると共に、発生した塩化水素を反応機外に排出させるようにする。一次脱塩素処理温度は、後述する点から、250〜300℃未満としておく。
【0012】
ところで、周知のように、ポリ塩化ビニル等のプラスチックを加熱することによる熱分解反応は、一般に、200〜350℃(以下「脱塩化水素反応条件」という)における脱塩化水素反応を主体とした一次分解と、約350℃以上で生じる炭素主鎖の分裂による低級炭化水素やその誘導体の生成を主体とした二次分解とに分類される。
【0013】
したがって、一次脱塩素処理工程における加熱温度つまり一次脱塩素処理温度を、上記した如く、脱塩化水素反応条件の下限値(200℃)及び上限値(350℃)に対してかなりの余裕(50℃)をもった範囲(250〜300℃)としておくことにより、仮に、反応機における廃棄物の温度分布にバラツキがあり、一次脱塩素処理温度を逸脱する低温部分又は高温部分が発生したとしても、低温部分での加熱温度が脱塩化水素反応条件を大きく下回ったり、高温部分での加熱温度が脱塩化水素反応条件を大きく上回ったりするようなことがなく、全体として廃棄物の脱塩化水素処理が良好に行なわれる。その結果、廃棄物に含まれる塩素成分を完全に除去し得ないまでも、その大部分(90%前後)を除去することができる。しかも、高温部分での加熱温度が脱塩化水素反応条件を大きく上回ったりするようなことがないことから、つまり廃棄物が350℃を大幅に超えて加熱されるようなことがないから、廃棄物が発火するような虞れもない。
【0014】
また、脱塩化水素反応で生じる塩化水素の純度は、周知のように、温度条件によって異なり、つまり温度依存性があり、250〜300℃の温度条件下では発生する塩化水素の純度は極めて高く、98%を超えることになる。したがって、一次脱塩素処理温度(250〜300℃)下では、極めて高純度の塩化水素が発生することになるから、これを塩酸として回収することにより、極めて高純度の塩酸を得ることができ、一次処理反応機で発生する塩化水素を有効に再利用することができる。
【0015】
なお、一次脱塩素処理工程における脱塩化水素反応を効率的に行なうためには、廃棄物の反応表面積が可及的に大きくなるように、廃棄物の形状を小さくしておくことが好ましい。したがって、ペレットのような小形状のもののみを含む廃棄物を脱塩素処理する場合には、これをそのまま一次処理反応機に投入することができる。しかし、都市ごみや産業廃棄物等から不燃物等を選別除去された塩素含有廃棄物には、一般に、ペレットのような小形状のものから器材のような大形状のものまで、種々の大きさのものが含まれていることから、通常は、廃棄物を、予め、約100mm以下となるような小形状のものに粉砕処理した上で、一次処理反応機に投入させるようにすることが好ましい。
【0016】
そして、このような一次脱塩素処理工程が終了すると、つまり廃棄物が第1加熱領域から第2加熱領域に至ると、引続き、二次脱塩素処理工程が開始される。
【0017】
すなわち、二次脱塩素処理工程においては、第1加熱領域から第2加熱領域に至った当該廃棄物を、これが第2加熱領域を通過する間において、反応剤としての水酸化ナトリウム若しくは炭酸ナトリウム又は両者の混合物を添加しつつ所定の二次脱塩素処理温度に加熱するものである。二次脱塩素処理温度は、後述する点から、300〜330℃としておく。
【0018】
第2加熱領域にもたらされた廃棄物は、一次脱塩素処理工程において含有塩素成分の大半を除去されたものである。したがって、この廃棄物に残留する塩素成分は、第2加熱領域を通過する間に一次脱塩素処理温度以上の高温(300〜330℃)に加熱されることから、反応剤との反応が効果的に行なわれて、塩化ナトリウムとして固定され、略完全に除去されるのである。反応剤として水酸化ナトリウムを使用した場合にはNaOH+HCl→NaCl+H2 Oの反応により、また炭酸ナトリウムを使用した場合にはNa2 CO3 +2HCl→2NaCl+CO2 +H2 Oの反応により、廃棄物の残留塩素成分は塩化ナトリウムとして、固定されることになる。第2加熱領域での加熱時間つまりこの領域での滞留時間は、通常、30分程度とすることが好ましい。反応剤としては、水酸化ナトリウム又は炭酸ナトリウムが使用され、必要に応じて、これらの混合物を使用することもできる。廃棄物に含まれる塩素成分が僅かである(一次脱塩素処理工程において除去されずに残留した分)ことから、当該反応に必要とされる反応剤の添加量は少量で足りる。つまり、少量の反応剤により効率よく脱塩素処理を行うことができるのである。
【0019】
廃棄物を第1加熱領域から第2加熱領域に亘って移送させる手段としては、一般に、スクリューが使用される。つまり、反応機としてはスクリュー型のものが使用される。したがって、かかるスクリュー型反応機を使用することによって、廃棄物を粉砕しつつ移送させることができ、反応表面積が増大すると共に廃棄物と反応剤とが充分に混合攪拌されることになり、反応剤との反応が促進されて、その反応効率が更に向上する。
【0020】
また、二次脱塩素処理温度は、一次脱塩素処理温度より高温であるが、前記脱塩化水素反応条件の下限値(200℃)及び上限値(350℃)に対してかなりの余裕をもった温度(300〜330℃)とされているから、二次処理反応機における廃棄物の温度分布にバラツキがあり、二次脱塩素処理温度を逸脱する低温部分又は高温部分が発生したとしても、そのことが反応剤との反応を妨げたりするような虞れはない。しかも、高温部分での加熱温度が350℃を大きく超えて、廃棄物が発火するような虞れもない。
【0021】
第2加熱領域を通過した廃棄物は反応機から排出されるが、この廃棄物は、上記した如く、含有塩素成分を略完全に除去されたものであるから、そのまま、或いは適当な処理(成形処理,粉砕処理等)を施すことによって、廃棄物燃料として好適に使用することができる。すなわち、高温燃焼させたときにも塩化水素が殆ど発生することがなく、その燃焼ガス(排ガス)を廃熱ボイラ等の熱源として有効に利用することができる。
【0022】
ところで、上記した如く脱塩素処理された廃棄物には、二次脱塩素処理工程において生成した塩化ナトリウムが含まれているが、当該廃棄物を高温燃焼させた場合、この塩化ナトリウムが一部熱分解して、塩化水素を発生することになる(2NaCl+H2 O→Na2 O+2HCl)。
【0023】
しかし、このような廃棄物に含まれる塩化ナトリウムの熱分解反応によって生成する塩化水素は極く僅かであり、ボイラ水管等を腐食させる等の問題は生じない。表1は、塩化ナトリウムの熱分解反応による塩化水素の生成量(ppm)を当該反応の平衡論的な計算により求めたものであるが、この表からも塩化ナトリウムの熱分解反応による塩化水素の生成量が極めて少ないことが理解されるであろう。
【0024】
【表1】
Figure 0003754549
【0025】
また、請求項2に記載する方法(以下「第2方法」という)では、基本的に、第1方法と同様の一次脱塩素処理工程及び二次脱塩素工程を行うものであるが、両工程を第1方法のように連続的ではなくバッチ式に行うようにしている。
【0026】
すなわち、反応機を使用して、一次脱塩素処理工程を行う。この一次脱塩素処理工程では、反応機に供給された塩素含有廃棄物を所定の一次脱塩素処理温度(第1発明におけると同様に、250〜300℃未満としておく。)に加熱することにより、当該廃棄物に含まれる塩素成分を熱分解による脱塩化水素反応により塩化水素として除去すると共に、発生した塩化水素を反応機外に排気させるようにする。この一次脱塩素処理工程は、第1方法における一次脱塩素処理工程と同一であり、廃棄物に含まれる塩素成分の大半が脱塩化水素反応によって除去される。このとき発生する塩化水素は、第1方法におけると同様に高純度のものであり、利用価値の高い高純度塩酸として回収することができる。
【0027】
そして、一次脱塩素処理工程の終了後、二次脱塩素処理工程を開始し、残留塩素成分を除去する。すなわち、当該反応機内の廃棄物を、水酸化ナトリウム若しくは炭酸ナトリウム又は両者の混合物を反応剤として添加しつつ所定の二次脱塩素処理温度(第1発明におけると同様に、300〜330℃としておく。)に加熱して、当該廃棄物に残留する塩素成分を反応剤との反応により塩化ナトリウムとして除去するようにする。この二次脱塩素処理工程も、第1方法におけると同様であり、残留塩素成分を略完全に除去することができる。第2方法では、一般に、バッチ式の攪拌翼型反応機を使用して、反応剤との混合攪拌を促進させるようにする。なお、一次脱塩素処理工程においては、特に、廃棄物が反応機に投入された初期の段階においては、攪拌操作を行わず、専ら加熱操作のみを行うようにすることが好ましい。
【0028】
また、第2方法にあっては、二次脱塩素処理工程において、廃棄物の粉体化処理を並行して行なうようにすることにより、反応機から排出された廃棄物をそのまま粉体燃料として使用することが可能となる。例えば、攪拌翼型反応機を使用して、廃棄物を充分に時間をかけて混練させつつ粉体化するのである。通常、二次脱塩素処理工程に要する時間は、第1方法におけると同様に、30分程度でよいが、粉体化処理を並行して行なう場合には、約2倍の60分程度としておくことが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1又は図2に基づいて具体的に説明する。
【0030】
図1は第1方法に使用する反応機の一例を示したもので、この反応機1は、外部加熱式のスクリュー型のものであり、反応容器2とスクリュー3と第1及び第2加熱機構4,5とからなる。なお、以下においては、便宜上、前後とは図1における左右を意味するものとする。
【0031】
反応容器2の内部領域は、第1加熱機構4により加熱される前半の第1加熱領域Aと第2加熱機構5により加熱される後半の第2加熱領域Bとに区画されている。反応容器2の天井壁における前半部分つまり第1加熱領域Aに対応する天井壁部分には、その前端部に配して被処理物投入口6が設けられていると共に略中央部に配して第1排気口7aが設けられている。また、反応容器2の天井壁における後半部分つまり第2加熱領域Bに対応する天井壁部分には、その前端部に配して反応剤投入口8が設けられていると共に略中央部に配して第2排気口7bが設けられている。両排気口7a,7bは、塩酸回収塔等からなる排ガス処理装置を設けた排気路7に接続されている。また、反応容器2の底壁における後端部には、廃棄物10cを第2加熱領域Bから排出する処理物排出口9が設けられている。
【0032】
スクリュー3は、反応容器2の底壁上に配置されて前後方向に延びる二軸スクリュー3aとこれを回転駆動する駆動モータ3bとからなり、被処理物投入口6から反応容器2内に投入された廃棄物10aを処理物排出口9に向けて攪拌しつつ移送させるものである。すなわち、廃棄物10aが、被処理物投入口6から第1加熱領域Aの前端部に投入された後、二軸スクリュー3aにより、第1加熱領域Aを通過して第2加熱領域Bへと移送され、更に第2加熱領域Bを通過して、その後端部から処理物排出口9へと排出されるようになっている。
【0033】
第1加熱機構4は、反応容器2における第1加熱領域Aに対応する底壁部分に埋設されたヒーター4a…により、第1加熱領域Aを通過する廃棄物10aを外部から間接加熱するものであり、ヒータ4a…による廃棄物10aの加熱温度を、温度制御器4bにより250〜300℃の範囲内で一定に制御,維持するように構成されている。また、第2加熱機構5は、第1加熱機構4と同様構成をなすものであって、反応容器2における第2加熱領域Bに対応する底壁部分に埋設されたヒーター5a…により、第2加熱領域Bを通過する廃棄物10bを外部から間接加熱するものであり、ヒータ5a…による廃棄物10bの加熱温度を、温度制御器5bにより300〜330℃に制御,維持するように構成されている。
【0034】
而して、第1方法は、上記したスクリュー型反応機1を使用して、次のように実施される。
【0035】
まず、塩素含有廃棄物10aを、被処理物投入口6から反応容器2に投入して、第1加熱領域Aにおいて一次脱塩素処理を行なう。なお、廃棄物10aは、予め、金属類等を選別除去した上、100mm程度以下の大きさに粉砕されている。勿論、廃棄物10aがペレットのような小形状物のみである場合には、このような事前の粉砕処理は必要とされないが、極めて稀なケースであろう。
【0036】
すなわち、廃棄物10aは、被処理物投入口6から第1加熱領域Aの前端部に投入され、スクリュー3により第1加熱領域Aを攪拌されつつ後方へと移送されていく。この間において、廃棄物10aは第1加熱機構4より250〜300℃に加熱され、熱分解により塩化水素(塩化水素ガス)を放出する。この加熱時間つまり廃棄物10aの第1加熱領域Aにおける滞留時間は、一般に、30分程度に設定しておくことが好ましい。
【0037】
かかる一次脱塩素処理(脱塩化水素処理)によって、廃棄物10aに含まれる塩素成分の大半は塩化水素として除去されるが、前述した如く、その一部は熱分解されずに廃棄物10a内に残留する。また、このとき発生する塩化水素は第1排気口7aから排出され、第2排気口7bから排出される排ガス(塩化水素は殆ど含まない)と共に、排気路7を通過して塩酸回収塔において塩酸として回収される。
【0038】
そして、第1加熱領域Aにおいて一次脱塩素処理された廃棄物10bは、スクリュー3により第2加熱領域Bへと移送されて、第2加熱領域Bを通過する間に二次脱塩素処理される。
【0039】
すなわち、第2加熱領域Bへと移送された廃棄物10bは、300〜330℃に加熱されると共に反応剤投入口8から第2加熱領域Bの前端部へと投入された反応剤11と混合攪拌されつつ、第2加熱領域Bを通過する。反応剤11としては、水酸化ナトリウム若しくは炭酸ナトリウム又はこれらの混合物が使用される。
【0040】
そして、廃棄物10bが第2加熱領域Bと通過する間において、これに残留する塩素成分が加熱による脱塩化水素反応及び塩化水素と反応剤11との反応により、略完全に除去される。すなわち、残留塩素成分が塩化水素として放出され、この塩化水素が反応剤11である水酸化ナトリウム(NaOH)又は炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )と反応して(NaOH+HCl→NaCl+H2 O,Na2 CO3 +2HCl→2NaCl+CO2 +H2 O)、塩化ナトリウム(NaCl)を生成するのであり、残留塩素成分は塩化ナトリウムとして固定されるのである。このとき、廃棄物10bが一次脱塩素処理より高温(300〜330℃)で加熱されること及び一次脱塩素処理により含有塩素成分の大半を除去されたものあることから、スクリュー3により攪拌,粉砕されることも相まって、かかる反応が促進されて、残留塩素成分が略完全に除去されるのである。ところで、反応剤11の使用量は、一次脱塩素処理において除去されずに残留した僅かな塩素成分を処理するに必要且つ充分な量であればよく、極めて少量で足りる。つまり、少量の反応剤11で二次脱塩素処理を効率良く行うことができる。なお、廃棄物10bの加熱時間つまり第2加熱領域Bでの滞留時間は、二軸スクリュー22aの回転速度を制御することによって、処理条件に応じて適宜に設定することができるが、一般には、30分程度としておくことが好ましい。
【0041】
このようにして残留塩素成分を除去された廃棄物10cは、スクリュー3により、第2加熱領域Bの後端部から処理物排出口9へと排出される。処理物排出口9から排出された廃棄物10cは、そのまま燃料として使用することもできるが、通常、更に適当な処理(成形処理,粉砕処理等)を施した上で使用に供せられる。
【0042】
また、図2は第2方法に使用する反応機の一例を示したもので、この反応機21はバッチ式の攪拌翼型のものであり、公知のものであるから、その詳細は省略するが、適宜の加熱手段(図示せず)により加熱温度を任意に制御することができ、攪拌翼22により被処理物を攪拌,粉砕できるように構成されている。
【0043】
而して、第2方法は、かかる攪拌翼型反応機21を使用して、次のように実施される。
【0044】
すなわち、上記した第1方法におけると同様に、予め、金属類等を選別除去した上、100mm程度以下の大きさに粉砕された廃棄物10aを、図2(A)に示す如く、反応機21に投入して250〜300℃に加熱し、脱塩化反応による一次脱塩素処理を行う。廃棄物10aの投入直後の初期段階においては、攪拌翼22は操作せず、加熱操作のみを行う。
【0045】
かかる一次脱塩素処理(脱塩化水素処理)によって、廃棄物10aに含まれる塩素成分の大半は塩化水素として除去される。また、発生する塩化水素を含む排ガス10dは反応機21から排気され、第1方法におけると同様に、塩酸回収塔において高純度の塩酸として回収され、再利用される。
【0046】
そして、一次脱塩素処理が終了し、発生した塩化水素が反応機21から排出された後において、図2(B)に示す如く、加熱温度を300〜330℃に変更,維持すると共に反応剤(水酸化ナトリウム若しくは炭酸ナトリウム又はこれらの混合物)11を投入して、二次脱塩素処理を開始する。
【0047】
すなわち、一次脱塩素処理された廃棄物10bを、300〜330℃に加熱しつつ、攪拌翼22により反応剤11と混合攪拌させて、一次脱塩素処理により除去されなかった残留塩素成分を、第1方法における二次脱塩素処理と同様に、塩化ナトリウムに吸収固定して、略完全に除去するのである。二次脱塩素処理における廃棄物10bの加熱時間は、処理条件に応じて適宜に設定されるが、一般には、30分程度としておくことが好ましい。
【0048】
二次脱塩素処理により残留塩素成分を略完全に除去された廃棄物10cは、反応機21から排出される。排出された廃棄物10cは、そのまま燃料として使用することもできるが、通常、更に適当な処理(成形処理,粉砕処理等)を施した上で固形燃料又は粉体燃料として使用に供せられる。
【0049】
ところで、二次脱塩素処理と並行して廃棄物10bの粉体化処理を行なうことにより、反応機21から排出された廃棄物10cを、そのまま粉体燃料として供することができる。すなわち、二次脱塩素処理時間を上記した場合より長くし(通常、60分程度とする)、廃棄物10bを攪拌翼22により充分に時間をかけて混練させつつ粉体化するのである。
【0050】
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において、適宜に改良,変更することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から容易に理解されるように、本発明によれば、廃棄物に含まれる塩素成分の大半を脱塩化水素反応による一次脱塩素処理により除去し、一次脱塩素処理された廃棄物に引き続き二次脱塩素処理を施して、一次脱塩素処理によって除去されずに残留する塩素成分を、反応剤との反応により塩化ナトリウムに固定させて除去するようにしたから、廃棄物の脱塩素処理を効率よく良好に行なうことができ、塩素成分を殆ど含まない廃棄物を容易に得ることができる。したがって、本発明によって処理された廃棄物は、二次脱塩素処理において生成し廃棄物に含まれる塩化ナトリウムが熱分解によって塩化水素を殆ど発生しないものであることとも相俟って、高温燃焼によっても強腐食性の塩化水素を殆ど発生しない燃料等として種々の用途に好適に使用することができ、その実用的価値極めて大なるものである。また、二次脱塩素処理においては、一次脱塩素処理により含有塩素成分の大半を除去された廃棄物を脱塩素処理するにすぎないから、その処理を行なうに必要とされる反応剤の使用量が少量で足り、少量の反応剤により脱塩素処理を効率良く且つ経済的に行なうことができる。さらに、一次脱塩素処理時に発生する塩化水素は、極めて高純度の塩酸として回収され、好適に再利用される。特に、一次脱塩素処理と二次脱塩素処理とをバッチ式に行う場合にあっては、二次脱塩素処理と並行して粉体化処理を行うことにより、二次脱塩素処理された廃棄物を粉体燃料としてそのまま使用に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1方法を実施するための反応機の一例を示す概略断面図である。
【図2】第2方法を実施するための反応機の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1,21…反応機、3…スクリュー、4,5…加熱機構、10a…一次脱塩素処理されるべき廃棄物、10b…一次脱塩素処理された廃棄物、10c…二次脱塩素処理された廃棄物、11…反応剤,22…攪拌翼,A…第1加熱領域、B…第2加熱領域。

Claims (2)

  1. 内部領域を第1加熱領域と第2加熱領域とに区画すると共に、スクリューにより塩素含有廃棄物を第1加熱領域から第2加熱領域へと移送させるように構成したスクリュー型反応機を使用して、
    当該廃棄物が第1加熱領域を通過する間において、当該廃棄物を250℃〜300℃未満の一次脱塩素処理温度に加熱することにより、当該廃棄物に含まれる塩素成分を熱分解による脱塩化水素反応により塩化水素として除去すると共に、発生した塩化水素を反応機外に排気させるようにし、
    更に、第1加熱領域から第2加熱領域に至った当該廃棄物を、これが第2加熱領域を通過する間において、水酸化ナトリウム若しくは炭酸ナトリウム又は両者の混合物を反応剤として添加し、前記スクリューにより廃棄物を粉砕及び混合攪拌しつつ移送させると共に、300〜330℃の二次脱塩素処理温度に加熱して、当該廃棄物に残留する塩素成分を反応剤との反応により塩化ナトリウムとして除去するようにしたことを特徴とする塩素含有廃棄物の脱塩素処理方法。
  2. 攪拌型反応機において、塩素含有廃棄物を250〜300℃未満の一次脱塩素処理温度に加熱することにより、当該廃棄物に含まれる塩素成分を熱分解による脱塩化水素反応により塩化水素として除去すると共に、発生した塩化水素を反応機外に排気させるようにし、
    更に上記した塩化水素処理が終了し且つ発生した塩化水素が反応機内から完全に排除された後において、当該反応機内の廃棄物水酸化ナトリウム若しくは炭酸ナトリウム又は両者の混合物を反応剤とし添加し、前記攪拌型反応機により廃棄物を粉砕及び混合攪拌しつつ300〜330℃の二次脱塩素処理温度に加熱して、当該廃棄物に残留する塩素成分を反応剤との反応により塩化ナトリウムとして除去するようにしたことを特徴とする塩素含有廃棄物の脱塩素処理方法。
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