JP3754518B2 - 蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、火力発電プラントや原子力発電プラント等の蒸気タービンプラントにおける復水器、海水クーラその他の熱交換器の熱交換媒体として海水を使用する場合に、その熱交換器の内部あるいは配管等に付着する海洋生息物を死滅除去させる技術に係り、特に蒸気吹込みによる直接熱交換式の加温器を適用して前記熱交換器内に温水を循環させる蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
火力発電プラントや原子力発電プラント等の蒸気タービンプラントにおいては、ボイラや原子炉で発生した蒸気を蒸気タービンに流入させた後、復水器で凝縮させて復水としている。復水はポンプで昇圧し、再びボイラまたは原子炉に供給する。
【0003】
このような復水器で蒸気の凝縮作用を行わせる場合、大量の冷却媒体が必要であることから、従来では冷却媒体として海水を利用することが多い。海水は一般にポンプで吸い上げられ、導入配管を介して復水器に注入され、熱交換チューブを介して蒸気を冷却する過程を経て、排出管により海に戻される。
【0004】
ところで、海水中には貝類や藻等が生息しており、これらの海洋生息物が熱交換チューブや導入配管、排出配管等の管壁内面に付着する場合がある。付着した海洋生息物が成長すると、熱交換性能を低下させたり、管路の流動抵抗を増加させ、循環水ポンプの負荷を増大させてプラント効率の低下等の原因となる。
【0005】
このような蒸気タービンプラントの復水器や海水クーラ等の熱交換器、それらに付属する海水の導入,排出配管内に付着する海洋生息物を死滅させて除去する場合、従来では一般にプラント運転停止時に作業員またはロボットによる水の噴射等の機械的作業によって除去していた。
【0006】
ただし、このような機械的作業では多大な労力や設備が必要になるとともに、作業効率が低いことから、近年では他の方法が提案され、例えば導入,排水配管に塩素を注入することにより海洋生息物を除去する方法、または導入,排水配管の内壁に防汚塗料を塗布することにより海洋生息物を除去する方法、さらに導入,排水配管に淡水を注入することにより海洋生息物を除去する方法、さらにまた導入,排水配管に流入する海水を加温するか、または導入,排水配管に温水を注入することにより海洋生息物を除去する方法等が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した方法の中で、導入,排水配管に流入する海水を加温するか、または導入,排水配管に温水を注入することにより海洋生息物を除去する方法は、水温を40℃以上に保持することにより、バイオフィルム(スライム)、稚貝等の付着生物を死滅させる方法であり、実用に適すると考えられている。
【0008】
この方法を実施するための構成として従来、復水器等の熱交換器に海水を導入するための導入配管と熱交換後の海水を海側に排出する排出配管とを連通配管で接続するとともに、流路切換え用の弁を設けることにより、熱交換器、導入配管、排出配管および連通配管からなる閉ループ状の循環系統を形成し、連通配管に蒸気吹込みによる直接熱交換式の加温器を設けるとともに、この加温器に蒸気源から過熱蒸気を供給する蒸気供給配管を接続し、加温器で蒸気加温により生じる温水を熱交換器の非運転時に循環系統内で循環させることにより熱交換器内または配管内に付着している海洋生息物を除去する蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置が提案されている。
【0009】
しかしながら、このような従来の装置において、加温器用の蒸気源として蒸気タービンプラントの蒸気を使用するのが一般的であるが、その場合には蒸気の加熱度が大きく、加温器内部で蒸気系ウォータハンマが発生し、振動、騒音の発生が著しいという問題があった。
【0010】
また、海洋生息物を除去するためのプラントの部分運転は常時、行われるものではなく、蒸気タービンプラントの運転停止期間に行われ、導入,排水配管での海水の吸上げ、排出作用が停止した状態で行われる。この場合、加温器に蒸気を供給するための蒸気供給配管内にドレンが溜まり、それが蒸気系ウォータハンマを発生させ、蒸気タービンプラントの配管系及び機器の損傷を招くという問題もあった。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、加温用の蒸気供給系統の蒸気源から加温器に至る蒸気供給配管内で蒸気系ウォータハンマの発生防止を有効的に図れる蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、復水器その他の熱交換器における熱交換媒体として海水を使用する蒸気タービン発電プラントであって、前記熱交換器に海水を導入するための導入配管と熱交換後の海水を海側に排出する排出配管とを連通配管で接続するとともに、流路切換え用の弁を設けることにより、前記熱交換器、導入配管、排出配管および連通配管からなる閉ループ状の循環系統を形成し、前記連通配管に蒸気吹込みによる直接熱交換式の加温器を設けるとともに、この加温器に蒸気源から過熱蒸気を供給する蒸気供給配管を接続し、前記加温器で蒸気加温により生じる温水を前記熱交換器の非運転時に前記循環系統内で循環させることにより前記熱交換器内または配管内に付着している海洋生息物を除去する蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、前記蒸気供給配管に過熱蒸気の過熱度を低下させる減温器を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1記載の蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、蒸気供給配管に前記連通配管側からの逆流を阻止する逆止弁を設け、この逆止弁の配置を加温器の蒸気入口に近接する位置または直接接触する位置に設定したことを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1または2記載の蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、蒸気供給配管に蒸気止め弁を設けるとともに、この蒸気止め弁の下流側位置に、管内に残留するドレンを管外に排出するドレン排出手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、請求項3記載の蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、ドレン排出手段はドレン弁またはドレントラップであることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1から4までのいずれかに記載の蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、蒸気供給配管に蒸気流量を調節する蒸気調節弁を設け、この蒸気調節弁は加温器への蒸気供給初期に開度を緩やかに大きくする徐開機能を有することを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明は、請求項5記載の蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、蒸気調節弁は、その出口側に位置して蒸気供給配管に設けた温度検出器の検出信号に基づいて開操作されるものであることを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明は、請求項5または6記載の蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、蒸気供給配管の蒸気調節弁下流側に蒸気止め弁を設け、この蒸気止め弁は加温器への蒸気供給初期に開度を緩やかに大きくする徐開機能を有することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態の蒸気タービンプラントは、火力発電プラントまたは原子力発電プラントのいずれについても適用することができるものである。
【0020】
第1実施形態(図1)
図1は本実施形態による蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置の構成を示す系統図であり、復水器系統に適用した場合を示している。なお、蒸気発生部、蒸気タービン部等は省略してある。
【0021】
この図1に示すように、本実施形態では基本的に、復水器1の冷却媒体として海水を導入するための導入配管2と、熱交換後の海水を海側に排出する排出配管3とを備えている。導入配管2は海側と復水器1の一方の水室1aとを接続しており、この導入配管2には海側から順に海水吸上げポンプ4、ポンプ吐出弁5、復水器入口弁6が設けられている。また、排出配管3は復水器1の他方の水室1bと海側とを接続しており、この排出配管3には復水器出口弁7が設けられている。
【0022】
このものにおいて、導入配管2のポンプ吐出弁5下流側と、排出配管3の復水器出口弁7上流側とが連通配管8で接続されており、この連通配管8の両接続端部には流路切換え用の開閉弁9,10が設けられている。復水器1の通常運転時には、これらの開閉弁9,10が閉じる一方、ポンプ吐出弁5、復水器入口弁6および復水器出口弁7が開となり、海水が導入配管2を開して復水器1の一方の水室1aに導入され、復水器本体部1cを流通する間に熱交換に供され、その後他方の水室1bから排出管3を経て海側に排出される。
【0023】
また、海洋生息物除去運転の際には、ポンプ吐出弁5および復水器出口弁7が閉じる一方、復水器入口弁6および開閉弁9,10が開となって、熱交換器1、導入配管2、排出配管3および連通配管8からなる閉ループ状の循環系統Aが形成される。
【0024】
この連通配管8には、蒸気吹込みによる直接熱交換式の加温器11および温水循環ポンプ12が設けてあり、加温器11には、本実施形態の蒸気タービンプラントの補助蒸気系統を蒸気源として過熱蒸気を供給する蒸気供給配管13が接続されている。そして、復水器1の非運転時に、連通配管8内の残留水を加温器11で蒸気加温して温水とし、この温水を温水循環ポンプ12で循環系統A内で循環させることにより、熱交換器1内または配管2,3内に付着している海洋生息物を除去するものである。
【0025】
本実施形態では、このような構成を基本として、蒸気供給配管13に過熱蒸気の過熱度を低下させる減温器14が設けられている。この減温器14は、蒸気源から供給される蒸気を冷却水配管15から供給される冷却水により冷却して、蒸気の温度を低下させ、過熱蒸気を飽和蒸気にすることができるものである。
【0026】
また、蒸気供給配管13には、減温器14の下流側部位から加温器11に向かって順に、蒸気止め弁16、蒸気流量調節用の蒸気調節弁17、および加温器11からの逆流を阻止するための逆止弁18が設けられている。
【0027】
逆止弁18の配置は、加温器11の蒸気入口に近接する位置、または直接接触する位置に設定されており、これにより逆止弁18と加温器11との間には距離が殆どなく、加温器11側からのドレンが蒸気供給配管13側に流入する空間が皆無、またはそれに近い状態となっている。
【0028】
また、蒸気調節弁17は、連通配管8の加温器11下流側に設けた温度検出器19からの検出信号によって制御されるようになっている。即ち、連通配管8内の温水温度が低い場合には開度が大きくなって加温器11への蒸気流量を増大させ、また連通配管8内の温水の温度が一定以上になると次第に開度が小さくなって加温器11への蒸気流量を減少するものである。
【0029】
さらに、蒸気供給配管13における蒸気止め弁16の下流側および上流側には、それぞれ蒸気供給配管13内に滞留するドレンを排出するためのドレン排出装置20、21が設けられている。
【0030】
一方のドレン排出装置20は、逆止弁18から蒸気供給配管13側に海水が漏洩し、蒸気調節弁17の下流側に滞留するのを防止するためのものである。このため、蒸気供給配管13における逆止弁18と蒸気調節弁17との間に配設されている。
【0031】
また、他方のドレン排出装置21は、海洋生息物除去運転が例えば週に1回程度行われるものであるため、その運転時に使用された蒸気が通常運転時に冷却して、蒸気供給配管13内に蒸気凝縮ドレンとなって滞留し、海洋生息物除去運転時に、その滞留ドレンに起因して発生する蒸気系ウォータハンマの発生を防止するためのものである。このため、蒸気止め弁16の上流側で常時、ドレンの排出を行い、また暖気するように蒸気止め弁16の上流側に設けられている。なお、各ドレン排出手段20,21としては、例えばドレン弁またはドレントラップ等が適用できる。
【0032】
しかして、海洋生息物を除去しようとする場合には、上述したように蒸気タービンプラントの運転を停止する。これにより、導入配管2のポンプ4の運転が停止する。この状態で、ポンプ吐出弁6および復水器出口弁7を閉じると同時に、開閉弁9,10を開とし、温水循環ポンプ12を起動させる。
【0033】
一方、図示しない蒸気源から蒸気供給管13に加熱蒸気を供給すると、その過熱蒸気は減温器14で冷却されて飽和蒸気となり、蒸気止め弁16を介して蒸気調節弁17に送られる。蒸気調節弁17では、加温器11への流入蒸気量が温度検出器19の検出出力に基づいて調節され、逆止弁18を介して蒸気が加温器11に供給される。加温器11では、連通配管8内を循環する海水に直接蒸気が注入されて加温が行われ、海水が温水となる。この結果、復水器1内の熱交換器用配管、導入配管2、排出配管3および連通配管8によって形成される温水循環系統Aに温水が循環し、これらの配管の内壁、配管に付属する機器等に付着している海洋生息物が除去される。
【0034】
以上の第1実施形態に係る海洋生息物除去装置によれば、加温器11に蒸気を供給するための蒸気供給配管13に、蒸気温度を低下させて過熱蒸気を飽和蒸気にすることができる減温器14を設けたので、蒸気源から蒸気供給配管13を介して加温器11に供給される過熱蒸気が飽和蒸気になり、加温器11内で蒸気が凝縮するときの衝撃が少なく、蒸気系ウォータハンマによる振動及び騒音の発生が低減できる。
【0035】
また、加温器11の蒸気供給口に直接接続上程で逆止弁18を配設したので、加温器11と逆止弁18との間に滞留するドレン量を最小限に減少させることができ、これによっても蒸気系ウォータハンマの発生を低減することができる。
【0036】
さらに、蒸気供給配管13における蒸気源から加温器11への間にドレンを排出するドレン排出手段20,21を設けたので、蒸気供給配管13内のドレンが予め排出でき、これによっても蒸気系ウォータハンマの発生を有効に防止することができる。
【0037】
第2実施形態(図2〜図4)
図2は、本発明の第2実施形態による海洋生息物除去装置の構成を示している。この第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、蒸気調節弁17の出口近傍の配管に別の温度検出器22を設け、蒸気調節弁17の開動初期に、この温度検出器22の検出出力に基づいて加温器11への流入蒸気量を制御するようにしたことである。その他の構成については、前記の第1実施形態と略同様であるので、同一要素に同一符号を付して重複説明を省略する。
【0038】
第1実施形態に係る海洋生息物除去装置では、蒸気調節弁17が、加温器11に流入する蒸気量を、加温器11の下流側に配設された温度計の検出出力に基づいて制御するようにしていた。この場合、加温器11に蒸気が流入する初期では温度検出器19が配設されている位置における海水の温度は設定値に達していないため、蒸気調節弁17が全開状態になり、蒸気の急激な凝縮による振動、騒音が発生する可能性がある。
【0039】
そこで、この第2実施形態では蒸気供給配管13の蒸気調節弁17出口近傍位置に別の温度検出器22を設け、蒸気調節弁17の開弁動作初期において、この温度検出器22の検出出力に基づいて蒸気調節弁17を徐々に開弁するように制御し、加温器11に急激に高温蒸気が大量に流入することを防止するものである。
【0040】
図3および図4は、以上の第2実施形態における蒸気調整弁22の制御特性を示している。図3は蒸気調節弁17の弁開度特性を従来例と比較して示し、図4は温度検出器22により検出される蒸気調節弁17の出口近傍の温度上昇特性を従来例と比較して示している。
【0041】
蒸気調節弁17の開動作初期に、温度検出器22の検出出力に基づいて、その蒸気調節弁17を徐開することにより、図3に曲線aで示すように、蒸気調節弁17の開度が徐々に大きくなるので、これに伴って蒸気調節弁17の出口近傍の温度は図4に曲線dで示すように緩慢に増加することとなり、加温器11に急激に高温蒸気が流入されるのを抑制することができる。なお、図3に曲線cで示すように、蒸気調節弁17の開度を段階滴に徐々に大きく設定してもよい。
【0042】
これに対し、図3の曲線bは、従来の海洋生息物除去装置における蒸気調節弁17の弁開度特性であり、図4の曲線eは図3の曲線bに対応する蒸気調節弁17下流側における温度上昇特性である。これらの曲線b,eに示すように、従来では、加温器11に急激に高温蒸気が流入される可能性があったものである。
【0043】
したがって、本実施形態によれば、蒸気供給配管13に設けた温度検出器22の検出信号に基づいて蒸気調節弁17の開度を設定し、これにより徐開機能を付与したことにより、海洋生息物除去運転の起動時における蒸気の急激な凝縮に起因する振動、騒音の発生を防止することができる。
【0044】
他の実施形態
なお、以上の第1、第2実施形態における蒸気調節弁17の機能に加え、または代えて、蒸気供給配管13の上流側に配設される蒸気止め弁16に対し、加温器11への蒸気供給初期に開度を緩やかに大きくする徐開機能を付与してもよい。この機能は、海洋生息物除去運転の起動時に、蒸気止め弁16の出口近傍に配設した温度検出器22の検出出力をモニタしながら、徐々に開弁指令を出力する図示しない制御装置によって行うことができる。
【0045】
このような構成によっても、前記各実施形態の場合と同様の効果が得られるものである。
【0046】
【発明の効果】
以上で詳述したように、本発明によれば、蒸気源から蒸気供給配管を介して加温器に供給される過熱蒸気を減温器によって飽和蒸気とすることができるので、加温器内で蒸気が腹水するときの衝撃が少なく、蒸気系ウォータハンマによる振動及び騒音の発生が低減される。
【0047】
また、加温器と逆止弁との間に滞留するドレン量を最小限に減少させることができるので、蒸気系ウォータハンマの発生を低減することができる。また、蒸気供給系統の配管内のドレンが排出することによっても、蒸気系ウォータハンマの発生を防止することができる。
【0048】
さらに、加温器に徐々に蒸気を流入させ、導入,排水配管内の海水温度が急激に上昇するのを防止することにより、海洋生息物除去運転の起動時における蒸気衝突による衝撃を減少させ、振動及び騒音の発生を低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置の構成を示す系統図。
【図2】本発明の第2実施形態に係る蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置の構成を示す系統図。
【図3】図2に示した海洋生息物除去装置の蒸気調節弁の弁開度特性を従来例と比較して示す特性図。
【図4】図3に示した蒸気調節弁の弁開度特性に対応する蒸気調節弁の出口近傍の温度上昇特性を従来例と比較して示す特性図。
【符号の説明】
1 復水器
1a 水室
1b 水室
1c 復水器本体部
2 導入配管
3 排出配管
4 海水吸上げポンプ
5 ポンプ吐出弁
6 復水器入口弁
7 復水器出口弁
8 連通配管
9,10 開閉弁
11 加温器
12 温水循環ポンプ
13 蒸気供給配管
14 減温器
15 冷却水配管
16 蒸気止め弁
17 蒸気調節弁
18 逆止弁
19 温度検出器
20,21 ドレン排出装置
22 温度検出器
Claims (7)
- 復水器その他の熱交換器における熱交換媒体として海水を使用する蒸気タービン発電プラントであって、前記熱交換器に海水を導入するための導入配管と熱交換後の海水を海側に排出する排出配管とを連通配管で接続するとともに、流路切換え用の弁を設けることにより、前記熱交換器、導入配管、排出配管および連通配管からなる閉ループ状の循環系統を形成し、前記連通配管に蒸気吹込みによる直接熱交換式の加温器を設けるとともに、この加温器に蒸気源から過熱蒸気を供給する蒸気供給配管を接続し、前記加温器で蒸気加温により生じる温水を前記熱交換器の非運転時に前記循環系統内で循環させることにより前記熱交換器内または配管内に付着している海洋生息物を除去する蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、前記蒸気供給配管に過熱蒸気の過熱度を低下させる減温器を設けたことを特徴とする蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置。
- 請求項1記載の蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、蒸気供給配管に前記連通配管側からの逆流を阻止する逆止弁を設け、この逆止弁の配置を加温器の蒸気入口に近接する位置または直接接触する位置に設定したことを特徴とする蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置。
- 請求項1または2記載の蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、蒸気供給配管に蒸気止め弁を設けるとともに、この蒸気止め弁の下流側位置に、管内に残留するドレンを管外に排出するドレン排出手段を設けたことを特徴とする蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置。
- 請求項3記載の蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、ドレン排出手段はドレン弁またはドレントラップであることを特徴とする蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置。
- 請求項1から4までのいずれかに記載の蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、蒸気供給配管に蒸気流量を調節する蒸気調節弁を設け、この蒸気調節弁は加温器への蒸気供給初期に開度を緩やかに大きくする徐開機能を有することを特徴とする蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置。
- 請求項5記載の蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、蒸気調節弁は、その出口側に位置して蒸気供給配管に設けた温度検出器の検出信号に基づいて開操作されるものであることを特徴とする蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置。
- 請求項5または6記載の蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置において、蒸気供給配管の蒸気調節弁下流側に蒸気止め弁を設け、この蒸気止め弁は加温器への蒸気供給初期に開度を緩やかに大きくする徐開機能を有することを特徴とする蒸気タービンプラントの海洋生息物除去装置。
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