JP3754350B2 - 半導体基板の分析方法及び分析装置 - Google Patents

半導体基板の分析方法及び分析装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体基板の分析方法及び分析装置に関するもので、特に半導体基板周縁部における不純物の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板表面や半導体基板上の酸化膜中における、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、鉄(Fe)等の金属不純物の存在は、例えその量が微量であっても半導体素子の電気的特性に重大な影響を与える。従って、半導体素子の電気的特性を向上させるためには、金属不純物の含有量を極力抑える必要がある。そして、その為には半導体基板表面及び酸化膜中の不純物濃度といった清浄度を正確に把握し、金属不純物を制御あるいは除去する必要がある。
【0003】
近年の半導体デバイスの高集積化・微細化に伴い、半導体基板の清浄度には更に高いレベルが要求されている。すなわち、半導体基板表面及び酸化膜中だけでなく、半導体基板の周縁部についても高い清浄度が要求されるようになってきている。これは、半導体基板周縁部において混入した不純物、すなわち汚染が素子形成部に悪影響を与えるためである。
【0004】
従来の半導体基板における不純物の分析・測定方法としては、例えば特開平2-28533号公開公報や、特開2000-77492号公開公報に記載の技術が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平2-28533号公報記載の不純物測定方法であると、半導体基板の一方の表面しか測定されない。しかも、回収液滴の落下防止を目的として半導体基板をウェハ台に戴置するため、半導体基板の周縁部分は不純物測定の対象外となる。
【0006】
また、上記特開2000-77492号公報記載の不純物分析方法であると、半導体基板を固定保持回転装置により保持固定し、半導体基板周縁部を回収液に浸漬しつつ半導体基板を回転させることで、半導体基板周縁部の不純物を回収する。従って、固定保持回転装置が半導体基板の中心を正確に保持しなければ、ウェハが変芯して、半導体基板周縁部と溶解液との接触が不均一となる。そのため、高精度な中心出し機構を別途設けなければ、不純物の回収精度が悪化するという問題があった。また、このような機構を設けたとしても、半導体基板に反りがある場合には変芯が生じるため、不純物の回収が困難となる。更に、固定保持回転装置による半導体基板の保持及び回転の際に、新たな二次汚染が発生することで、半導体基板周縁部の不純物を高精度且つ高感度に分析することが困難であった。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、半導体基板周縁部における不純物を高精度に分析できる半導体基板の分析方法及び分析装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る半導体基板の分析方法は、中央部に突起を有する円形の保持手段に半導体基板を保持させる工程と、前記半導体基板周縁部の一部が前記保持手段の底面縁部に接し、且つ底面が前記突起上部に接しつつ、前記半導体基板が水平面に対して傾斜を有するように前記保持手段を保持すると共に、前記半導体基板周縁部と接する前記保持手段の底面縁部に溶解液を滴下する工程と、前記保持手段を底面に対する垂直方向を回転軸として回転させることにより、前記半導体基板を、周縁部の一部が該保持手段の底面縁部に接しつつ水平面に対する前記傾斜を維持した状態で回転させて、該半導体基板周縁部に含まれる不純物を前記溶解液に溶解させる工程と、前記溶解液を回収して該溶解液中に溶解した不純物を分析する工程とを具備することを特徴としている。
【0009】
更に、この発明に係る半導体基板の分析装置は、底面中央部に突起を有し、底面縁部と前記突起上面とで半導体基板を保持する円形の保持手段と、前記保持手段に保持された前記半導体基板が水平面に対して傾斜を有するように該保持手段を保持する傾斜角度調整手段とを具備し、前記保持手段の底面に対する垂直方向を回転軸として前記傾斜角度調整手段に保持された前記保持手段を回転させることにより、前記半導体基板周縁部の一部が前記保持手段の底面縁部に接しつつ、水平面に対する前記傾斜を維持した状態で前記半導体基板を回転させて、該半導体基板周縁部に含まれる不純物を溶解液中に溶解させ、半導体基板周縁部に含まれる不純物を回収することを特徴としている。
【0010】
上記のような半導体基板の分析方法及び分析装置によれば、半導体基板を保持した保持手段を回転させることにより、半導体基板周縁部の不純物回収を行っている。そのため、半導体基板の回転機構を特に必要とせず、ユーザの手によって半導体基板を回転させることが出来る。従って、半導体基板の分析装置の構成が非常に簡略化出来る。また、不純物の回収は保持手段内に半導体基板と溶解液を保持した状態で行われる。そのため溶解液が分析装置外に出ていくことが防止でき、溶解液内に溶出した不純物の回収率を向上できる。その結果、半導体基板周縁部の不純物濃度を高精度且つ高感度に分析できる。
【0011】
また、半導体基板を保持する保持手段は突起を有している。そして、半導体基板は、保持手段底面縁部及び突起先端に接するようにして保持手段内に保持される。すなわち、半導体基板はその底面が保持手段から浮いた状態で保持される。従って、溶解液が半導体基板裏面に回り込むことを防止できる。同時に、不純物回収後の半導体基板の取り出しが容易となる。更に、この突起と傾斜角度調整手段によって、傾斜を有するようにして半導体基板を立てている。従って、極少量の溶解液により不純物の回収が可能である。また、溶解液の量及び半導体基板の傾斜角度によって、半導体基板の測定範囲を容易に制御できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
【0013】
この発明の第1の実施形態に係る半導体基板の分析方法及び分析装置について図1を用いて説明する。図1は、不純物溶解回収装置の断面図である。
【0014】
図示するように、不純物溶解回収装置10は、蓋付密閉容器20(保持手段)及び傾斜角度調整器具30(傾斜角度調整手段)を有している。
【0015】
蓋付密閉容器20の構造について、図2(a)、(b)に示す。図2(a)は蓋付密閉容器の平面図、図2(b)は(a)図におけるX1-X1’線方向に沿った断面図である。図示するように、蓋付密閉容器20は、半導体基板保持容器21及び蓋22を有している。半導体基板保持容器21は円形の形状を有しており、その中心部には突起23が設けられている。そして、蓋22によって密閉された半導体基板保持容器21内部に、半導体基板1が容器21角部及び突起23先端に接するようにして格納される。
【0016】
傾斜角度調整器具30は、水槽構造容器31及び側板32を有している。水槽構造容器31の底面には溝33が設けられており、側板32はこの溝33内に差し込まれている。そして、容器31の側面と側板32とにより、上記構成の蓋付密閉容器20を所定の角度にて保持する。
【0017】
次に上記構成の不純物溶解回収装置による不純物の回収方法について説明する。まず、半導体基板保持容器21内に半導体基板1を格納し、図1に示すように半導体基板保持容器21を傾斜角度調整器具30内に所定の角度を有して傾斜するように立てる。この際、半導体基板1と水槽構造容器31の底面との間の角度θが0°<θ<90°とする。但し、この角度θが大きいと半導体基板1が倒れやすくなり、小さいと多量の溶解液が必要となるため、望ましくは20°<θ<70°となるようにする。半導体基板保持容器21を傾斜させることにより、半導体基板保持容器21の底面角部と半導体基板1周縁部とが接する。
【0018】
次に、半導体基板保持容器21底部に溶解液40を滴下した後、蓋22によって半導体基板保持容器21内部を密閉する。そして、半導体基板保持容器21底面の中心において、該底面に対する垂直軸を回転軸として、蓋付密閉容器20を数rpmの回転速度で回転させる。すると、蓋付密閉容器20に追従して、半導体基板1もその周縁部が溶解液40に浸漬した状態で回転する。半導体基板1の周縁部に金属不純物が存在する場合には、溶解液40に浸漬した際、溶解液40内に溶出する。
【0019】
その後、蓋付密閉容器20の回転を停止し、蓋付密閉容器20内の溶解液40をマイクロピペット等により採取する。そして、採取した溶解液40を、例えば誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)やフレームレス原子吸光装置等との組み合わせにより分析し、溶解液40内に含まれる不純物濃度を測定する。
【0020】
上記のような装置及び方法であると、密閉容器である蓋付密閉容器20内に半導体基板1を格納した状態で、半導体基板周縁部の不純物回収を行っている。そのため、不純物回収時に半導体基板1が外部から汚染されることを防止できる。また、不純物の回収は、蓋付密閉容器20内に半導体基板1と溶解液40を保持した状態で行われる。そのため、溶解液40が回転する半導体基板1に引きずられて移動したとしても、溶解液40は不純物溶解回収装置10外部に出ていくことがない。すなわち、溶解液40内に溶出した不純物をほぼ100%回収できる。その結果、半導体基板周縁部の不純物濃度を高精度且つ高感度に分析できる。
【0021】
また本実施形態に係る不純物の回収方法では、半導体基板1を保持する半導体基板保持容器21は、突起23を有している。そして、半導体基板1は、容器21角部及び突起23先端に接するようにして半導体基板保持容器21内に保持される。この状態を図3に示す。図3は図1における領域AA1の拡大図である。図示するように、半導体基板1は、その底面が半導体基板保持容器21から浮いた状態で保持される。従って、溶解液40が半導体基板1裏面に回り込むことを防止できる。同時に、不純物回収後の半導体基板1の取り出しが容易である。更に、この突起23と傾斜角度調整器具30によって、傾斜を有するようにして半導体基板1を立てている。そして、半導体基板1周縁部と半導体基板保持容器21底面角部とが接触する領域に溶解液40を滴下し、不純物の回収を行っている。従って、極少量の溶解液40により不純物の回収が可能である。また、半導体基板が溶解液40内に浸される領域によって不純物の回収領域が決定される。そして、この領域は突起23の高さと蓋付密閉容器20の傾斜角度とによって制御できる。すなわち、半導体基板の傾斜角度調整器具30底面に対する角度θを大きくすることで、半導体基板が溶解液40に浸される領域すなわち不純物の回収領域は小さくなり、角度θを小さくすれば、不純物の回収領域は大きくなる。勿論、溶解液40の量を増減することによっても同様である。このように、溶解液40の量及び半導体基板1の傾斜角度によって、半導体基板の測定範囲を容易に制御できる。
【0022】
また、上記装置及び方法は、非常に簡単に且つ安価に実施が可能である。なぜなら、装置自体は密閉容器と、密閉容器を傾斜保持する器具が在れば十分だからである。そして、半導体基板を保持した密閉容器の回転は、ユーザによる手回しで十分可能である。すなわち、密閉容器の回転機構等を他に用意する必要が無い。従って、それらによる汚染の恐れも無く、高精度且つ高感度の不純物測定が簡単且つ安価に実施出来る。
【0023】
次に、本実施形態に係る方法による不純物の分析結果について、図4(a)、(b)を用いて、従来方法と比較しつつ説明する。図4(a)は本実施形態に係る方法、図4(b)は、特開2000-77492号公開公報記載の方法による分析結果を示す表である。試料として、直径200インチ(8インチ)の砒素ドープシリコンウェハ(比抵抗:6.9Ω・cm、厚さ:750μm)を5枚用いた。
【0024】
まず本実施形態に係る方法について説明する。不純物溶解回収装置10の蓋付密閉容器20は、内径230mm、高さ40mmの円形の形状を有しており、中心部に高さ19mmの突起物を有している。容器の厚さは3mmであり、材料は全て、ポリテトラフロロエチレン樹脂(PTFE)である。傾斜角度調整器具30は、縦400mm、横400mm、高さ250mm、厚さ4mmの透明ポリ塩化ビニル製の水槽構造を有している。更に、水槽構造容器31底面には、交換可能な側板(縦393mm、高さ60mm、厚さ4mm)が任意に差し込める溝33を複数有している。
【0025】
そして、シリコンウェハを入れた上記蓋付密閉容器20を傾斜角度調整器具30内にθ=45°の角度で立てかけた。次に容器20底部とシリコンウェハ周縁部とを接触させ、容器20底部に希釈HF溶液とH2O2溶液とを混合して生成した1mlの溶解液40を滴下した。更に、蓋付密閉容器20の蓋22を閉じて、容器20を1rpmの速度で回転させた。このようにしてシリコンウェハ周縁部の不純物を溶解液40で溶解回収した後、溶解液40をマイクロピペットで採取し、ICP-MSやフレームレス原子吸光装置等との組み合わせにより溶解液40中の不純物濃度を測定した。なお、シリコンウェハの測定領域は、ウェハ外周部から6mmの領域である。
【0026】
次に、特開2000-77492号公開公報記載の方法について説明する。公報に記載されているような、長手方向に湾曲した船底状の溝と、この溝の最深部に凹部を形成した容器を用いた。そして、この容器の溝に、同じく希釈HF溶液とH2O2溶液とを混合して生成した溶解液1mlを滴下した。次に、シリコンウェハの片面の中心部を固定保持回転装置により吸着して保持固定し、シリコンウェハを溶解液に浸漬させながら、固定保持回転装置により回転させて、シリコンウェハ周縁部の不純物を回収した。その後、ICP-MSやフレームレス原子吸光装置等との組み合わせにより溶解液40中の不純物濃度を測定した。なお、シリコンウェハの測定領域は、同じくウェハ外周部から6mmの領域である。
【0027】
図4(a)に示すように、本実施形態に係る方法による不純物の分析結果では、各試料毎の不純物のバラツキが少ない。すなわち、5枚の試料に含まれる不純物の含有濃度は、鉄(Fe)については0.9〜1.5×1010atoms/cm2、銅(Cu)については0.3〜0.5×1010atoms/cm2、クロム(Cr)については0.3〜0.4×1010atoms/cm2、アルミニウム(Al)については1.8〜2.2×1010atoms/cm2、ナトリウム(Na)については0.7〜0.9×1010atoms/cm2、カリウム(K)については0.4〜0.5×1010atoms/cm2であり、試料間の差が非常に小さい。
【0028】
これに対して図4(b)に示す従来の方法による不純物の分析結果では、各試料毎のバラツキが大きい。すなわち、5枚の試料に含まれる不純物の含有濃度は、鉄(Fe)については1.5〜7.2×1010atoms/cm2、銅(Cu)については0.5〜0.9×1010atoms/cm2、クロム(Cr)については0.3〜0.5×1010atoms/cm2、アルミニウム(Al)については2.0〜10×1010atoms/cm2、ナトリウム(Na)については0.9〜3.8×1010atoms/cm2、カリウム(K)については0.9〜2.2×1010atoms/cm2であり、試料間の差が非常に大きく、分析結果の信頼性が悪い。
【0029】
上記2つの分析結果から、従来の方法ではシリコンウェハ周縁部における不純物回収時にシリコンウェハが汚染されるために分析値が収束せず、分析精度が悪化していることが分かる。しかし本実施形態に係る方法では、不純物回収時のシリコンウェハは蓋付密閉容器により外部からの汚染が抑制されているため、試料間のバラツキが小さく、高精度の分析結果が得られている。
【0030】
また、図5(a)、(b)も図4(a)、(b)と同様に分析結果を示しており、(a)図は本実施形態に係る方法、(b)図は、特開2000-77492号公開公報記載の方法による分析結果を示す表である。試料として、直径200インチ(8インチ)の燐ドープシリコンウェハ(比抵抗:4.9Ω・cm、厚さ:750μm)を5枚用いた。測定条件は図4(a)、(b)の分析結果を得た場合と同様である。
【0031】
図示するように、本実施形態に係る方法によれば、燐ドープのシリコンウェハの場合でも、高精度の分析結果が得られていることが分かる。
【0032】
次にこの発明の第2の実施形態に係る半導体基板の分析方法及び分析装置について図6(a)、(b)を用いて説明する。図6(a)、(b)は、蓋付密閉容器の構造について示しており、(a)図は蓋付密閉容器の平面図、(b)図は(a)図におけるX2-X2’線方向に沿った断面図である。
【0033】
図示するように、本実施形態に係る不純物溶解回収装置の蓋付密閉容器20は、上記第1の実施形態で説明した図2(a)、(b)の構造において、半導体基板保持容器21の側壁と底面との角部に溝24を有している。図7は、不純物回収時の蓋付密閉容器20の一部断面図である。図示するように、溝24内に半導体基板1の周縁部が収まることで、半導体基板1周縁部が半導体基板21底面から浮き上がらないようにすることが出来る。
【0034】
次にこの発明の第3の実施形態に係る半導体基板の分析方法及び分析装置について図8を用いて説明する。図8は蓋付密閉容器の断面図である。
【0035】
図示するように、本実施形態に係る不純物溶解回収装置の蓋付密閉容器20は、上記第1、第2の実施形態で説明した構造において、突起23の先端部を丸めたものである。突起23の先端部を丸めることで、半導体基板1が突起23と接することでキズが付くことを防止できる。更に、半導体基板1と突起23との間が滑りやすくなるため、蓋付密閉容器20を回転させた際に半導体基板1がスムーズに回転し易くなる。その結果、半導体基板周縁部が半導体基板保持容器21底部から浮くことを防止できる。
【0036】
上記のように、この発明の第1乃至第3の実施形態に係る半導体基板の分析装置及び分析方法によれば、半導体基板周縁部における不純物濃度の分析を高精度に行うことが出来る。
【0037】
なお、上記蓋付密閉容器20や傾斜角度調整器具30は、目的とする不純物の分析を直接的にも間接的にも妨害しなければ、その材質は限定されるものではない。特に耐薬品性の強いフッ素系樹脂が好適であり、例えばポリテトラフロロエチレン樹脂(PTFE)、透明なパーフロロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)、またはポリプロピレン樹脂(PP)等が望ましい。また、半導体基板保持容器21の突起23の高さは2mm以上、更には5〜20mm以上であることが望ましい。
【0038】
また、傾斜角度調整器具30は、蓋付密閉容器20を任意の傾斜角度で保持し、且つ回転させることが可能であれば、その構造は限定されるものではない。上記実施形態では側板を用いたが、例えば水槽構造容器31の底面または側面に溝を設け、この溝に蓋付密閉容器20を噛み合わせることで、蓋付密閉容器20を保持しても良い。また、蓋付密閉容器20のサイズは、半導体基板1を格納できるサイズであれば限定されるものではないが、半導体基板1よりも大きいことが望ましい。例えば8インチ(200mm)ウェハの場合には、蓋付密閉容器20は220mm程度の径を有することが望ましい。これは、半導体基板の中心と蓋付密閉容器20の中心とが異なっている方が、半導体基板1の保持バランスが良く、半導体基板周縁部が半導体基板保持容器21底部から浮き上がり難いからである。
【0039】
更に溶解液40は、目的とする不純物の溶解を、直接的にも間接的にも妨害しなければ如何なるものでも良い。例えば希HF溶液、希HF+H2O2、或いはHNO3溶液などの無機薬品だけでなく、アセトン、メタノール、イソプロピルアルコール、及びエタノール等の有機薬品であってもよい。溶解液量は、半導体基板周縁部の測定範囲にもよるが、0.05〜5ml程度で十分である。
【0040】
更に、不純物回収時の蓋付密閉容器20の回転速度は、上記実施形態で説明した数rpmの場合に限られるものではない。この回転速度は、不純物の回収量に関わってくるため、回転速度が遅いほど回収量が増加し、より精度の高い分析が可能となる。これは、本実施形態に係る方法では、半導体基板が蓋付密閉容器20内に保持されているため、不純物の回収を長時間行っても外部からの汚染が無いからである。勿論回転速度は所望の分析精度によって決まるが、均一の速度で回転させることが望ましい。また、蓋付密閉容器20の回転はユーザの手によって回すのみならず、回転機構を別に設け、この回転機構によって蓋付密閉容器20を自動で回転させても良い。
【0041】
更に、図9の不純物溶解回収装置の断面図に示すように、傾斜角度調整器具30は複数の蓋付密閉容器20を保持し、一度に複数の半導体基板の不純物回収を行っても良い。また、図10の不純物溶解回収装置の断面図に示すように、傾斜角度調整器具30に、蓋付密閉容器20の底面に接する滑り台34を設けても良い。このような滑り台34を設けることにより、蓋付密閉容器20をスムーズに回転させることが可能となる。
【0042】
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、半導体基板周縁部における不純物を高精度に分析できる半導体基板の分析方法及び分析装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る不純物溶解回収装置の断面図。
【図2】この発明の第1の実施形態に係る不純物溶解回収装置の蓋付密閉容器について示しており、(a)図は平面図、(b)図は(a)図におけるX1-X1’線に沿った断面図。
【図3】図1における領域AA1の拡大図。
【図4】半導体基板周縁部における不純物濃度の分析結果について示しており、(a)図は本実施形態に係る方法、(b)図は従来の方法による分析結果を示す図。
【図5】半導体基板周縁部における不純物濃度の分析結果について示しており、(a)図は本実施形態に係る方法、(b)図は従来の方法による分析結果を示す図。
【図6】この発明の第2の実施形態に係る不純物溶解回収装置の蓋付密閉容器について示しており、(a)図は平面図、(b)図は(a)図におけるX2-X2’線に沿った断面図。
【図7】この発明の第2の実施形態に係る不純物溶解回収装置の蓋付密閉容器の一部拡大図。
【図8】この発明の第3の実施形態に係る不純物溶解回収装置の蓋付密閉容器の断面図。
【図9】この発明の第1乃至第3の実施形態の変形例に係る不純物溶解回収装置の断面図。
【図10】この発明の第1乃至第3の実施形態の変形例に係る不純物溶解回収装置の断面図。
【符号の説明】
1…半導体基板
10…不純物溶解回収装置
20…蓋付密閉容器
21…半導体基板保持容器
22…蓋
23…突起
24、33…溝
30…傾斜角度調整器具
31…水槽構造容器
32…側板
34…滑り台
40…溶解液

Claims (8)

  1. 中央部に突起を有する円形の保持手段に半導体基板を保持させる工程と、
    前記半導体基板周縁部の一部が前記保持手段の底面縁部に接し、且つ底面が前記突起上部に接しつつ、前記半導体基板が水平面に対して傾斜を有するように前記保持手段を保持すると共に、前記半導体基板周縁部と接する前記保持手段の底面縁部に溶解液を滴下する工程と、
    前記保持手段を底面に対する垂直方向を回転軸として回転させることにより、前記半導体基板を、周縁部の一部が該保持手段の底面縁部に接しつつ水平面に対する前記傾斜を維持した状態で回転させて、該半導体基板周縁部に含まれる不純物を前記溶解液に溶解させる工程と、
    前記溶解液を回収して該溶解液中に溶解した不純物を分析する工程と
    を具備することを特徴とする半導体基板の分析方法。
  2. 前記半導体基板を保持する前記保持手段内部は密閉されている
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体基板の分析方法。
  3. 前記半導体基板の水平面に対する傾斜角度θは、0°<θ<90°である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の半導体基板の分析方法。
  4. 前記突起の高さと、前記溶解液量と、前記保持手段を固定する工程における該保持手段底面の水平面に対する傾斜角度とによって、前記半導体基板周縁部の測定範囲を制御する
    ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の半導体基板の分析方法。
  5. 底面中央部に突起を有し、底面縁部と前記突起上面とで半導体基板を保持する円形の保持手段と、
    前記保持手段に保持された前記半導体基板が水平面に対して傾斜を有するように該保持手段を保持する傾斜角度調整手段と
    を具備し、前記保持手段の底面に対する垂直方向を回転軸として前記傾斜角度調整手段に保持された前記保持手段を回転させることにより、前記半導体基板周縁部の一部が前記保持手段の底面縁部に接しつつ、水平面に対する前記傾斜を維持した状態で前記半導体基板を回転させて、該半導体基板周縁部に含まれる不純物を溶解液中に溶解させ、半導体基板周縁部に含まれる不純物を回収する
    ことを特徴とする半導体基板の分析装置。
  6. 前記保持手段は、円形の底面の中央部に前記突起が設けられ、前記半導体基板を収納する半導体基板保持容器と、
    前記半導体基板保持容器を密閉する蓋と
    を備える蓋付密閉容器である
    ことを特徴とする請求項5記載の半導体基板の分析装置。
  7. 前記突起の角部は、先端部が丸められた湾曲形状を有する
    ことを特徴とする請求項5または6記載の半導体基板の分析装置。
  8. 前記傾斜角度調整手段は、前記半導体基板の水平面に対する傾斜角度θが、0°<θ<90°であるように、前記保持手段を保持する
    ことを特徴とする請求項5乃至7いずれか1項記載の半導体基板の分析装置。
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