JP3753705B2 - フランス落とし - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はフランス落としに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば両開扉や、仕切扉などのようににおいて扉を所定の位置に固定しておく手段としてフランス落としが用いられている。
【0003】
このフランス落としは扉体における縦框の下部に埋め込まれるケースに、例えば丸棒、或いは角棒状の係止部材が昇降可能に配置された構成を有し、下降させた係止部材が床面の所定位置に設けられた係止凹部に嵌入させて扉体を所定位置に固定させるものである。
【0004】
ところが、前記従来のフランス落としにおいては、係止部材を容易に係止凹部に嵌入させる目的で、係止凹部が係止部材の外形よりも僅かに大きく形成されている。
【0005】
従って、係止凹部に係止部材を差込んだときに両者の間に隙間が生じ、扉が、がたつくという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来のフランス落としは、係止部材を床面に設けた係止凹部に嵌め込んだ際に、両者の間に隙間が形成されるために扉を確実に固定することができない、という点である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来のフランス落しが有する課題を解決するためになされたものであって、扉体における縦框の下部に埋め込まれるケースの内部に摺動部材が昇降可能に嵌装されるとともに、前記摺動部材の下端に棒状の係止部材が連結棒を介して軸心を中心として回転可能に垂設されるフランス落としにおいて、
前記ケースの側壁内面の上下2カ所に係止溝が設けられ、また前記摺動部材の側壁外面に前記上下2カ所の係止溝に係止する弾性係止片がそれぞれ設けられ、さらに前記係止部材の少なくとも先端部が断面において非円形に形成されているとともに周面に軸線方向へ延びる螺旋条が形成されており、且つ前記ケースに前記係止部材を上下に移動させたときに前記螺旋条に嵌合してこの係止部材を軸心を中心として回転させるためのガイドが設けられ、更に床面に、前記係止部材の前記先端部が嵌入される時には該先端部が嵌入可能な非円形の係止凹部が形成され、かつ該先端部が嵌入後前記係止部材の回転により回転して前記係止凹部の壁面に圧接すると同時に前記摺動部材の弾性係止片が前記ケースの下側の係止溝に係止して扉体のがたつきを解消するものとした。
【0008】
【作用】
係止部材を下降させると、周面に形成した軸線方向へ延びる螺旋条がケースに形成したガイドに沿って係止部材を軸心を中心として回転させる。
そして、前記係止部材の断面非円形に形成されている先端部が、床面に設けられた止座の係止凹部に回転しながら嵌入することにより、係止部材の先端部が係止凹部の壁面に圧接する。
このとき、摺動部材の側壁に設けられた弾性係止片がケースの側壁の内面に設けられた下側の係止溝に係止する。
【0009】
また係止部材を上昇させると、前記螺旋条が前記ガイドに沿って係止部材を軸心を中心として下降時と反対方向に回転させ、その回転力により係止凹部の壁面に圧接されている前記係止部材の先端部が、圧接を解かれて回転しながら上昇する。
そして、摺動部材の側壁に設けられた弾性係止片がケースの側壁の内面に設けられた上側の係止溝に係止する。
【0010】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】
図面は本発明の一実施例を示すものであり、フランス落とし1は、扉体2における縦框3の下部に埋め込まれるケース4と、このケース4の内部に昇降可能に配置された摺動部材5と、この摺動部材5の下端に連結棒6を介して垂設される棒状の係止部材7とから構成される。
【0012】
そして、ケース4は例えば硬質合成樹脂により裏面を開口した中空に形成され、上端ならびに中央部下方に止ねじ8の通孔を形成した筒体41ならびに42,42が一体に形成されており、これらの筒体41ならびに42,42によって囲まれる凹部43に所定の長さを有する摺動部材5が摺動可能に嵌装されている。
【0013】
殊に、摺動部材5の側壁51,51には、ケース4の側壁44、44の内面に上下2ケ所に亙って設けられた係止溝45、45に係止する弾性係止片52,52が設けられている。
【0014】
また、ケース4の前板46には前記摺動部材5の前面53に突設させた操作片54を所定の昇降距離に亙って露出させるための縦長の窓孔47が形成されている。
【0015】
更に、摺動部材5の下端に連結棒6を介して垂設される係止部材7は棒状で、先端部71が断面において非円形に形成されているとともに周面72に軸線方向へ延びる溝状の螺旋条73が先端から後端に亘って形成されている。
【0016】
更にまた、ケース4の底板48には前記係止部材7の挿通孔49が形成されており、この挿通孔49には係止部材7の周面72に形成されている螺旋条73に嵌合する突起状のガイド50が形成されている。
【0017】
従って、前記操作片54を引き上げあるいは押し下げると、係止部材7の周面72に形成されている螺旋条73がガイド50によって案内され、係止部材7が軸心を中心として回転しながら昇降する。
【0018】
一方、図面中、符号9は、床面10に配置されて前記係止部材7を係止するための止座であり、中央に係止凹部91が形成されている。
【0019】
この係止凹部91は、平面が、断面において非円形に形成されている前記係止部材7の先端部71が螺入したときに、先端部71の側面74が圧接する形状の壁面(または端面)92を有している。
【0020】
かかる構成を有する本実施例は、図示するように従来のフランス落としと同様に、扉2における縦框3の下部に形成された堀込溝31にケース4の前面41を縦框3の表面と面一に埋め込み、止ねじ8により固定するとともに、床面10の一つまたは複数の所定位置に止座9を埋め込み固定する。
【0021】
そして、扉2を開閉操作する場合には操作片54を上昇させて係止部材7をケース4内に没入させた状態とする。
【0022】
また、扉2を所定の開閉位置で固定させたい場合には、操作片54を押し下げて係止部材7をケース4から突出させて床面10の所定位置に配置されている止座9の係止凹部91に螺入、係止させればよい。
【0023】
このとき、係止部材7は、その周面72に形成されている螺旋条73がケース4に配置されているガイド50によって案内され、係止部材7が軸心を中心として回転しながら下降する。
【0024】
従って、係止部材7の断面が非円形に形成されている先端部71が、止座9の係止凹部91に回転しながら嵌入することになり、係止部材7は先端部71が係止凹部91の壁面92に圧接することになり、係止部材7が止座9に確実に係止し、扉体2が、がたつくことなく所定の開閉位置に固定される。
【0025】
このとき、摺動部材5の側壁51に設けられた弾性係止片52がケース4の側壁44、44の内面に設けられた下側の係止溝45に係止する。
【0026】
そのため、係止部材7が所定位置まで降下して止座9に確実に係止していることを触覚ならびに係止音により確認することが可能であるとともに、係止部材7の上下の動きが規制されて扉2が確実に固定される。
【0027】
また、扉2を再び開閉させたい場合には、操作片54を引き上げて係止部材7を止座9から抜脱させてケース4内に没入させればよい。
【0028】
このとき、係止部材7は、その周面72に形成されている螺旋条73がケース4に配置されているガイド50によって案内され、係止部材7が軸心を中心として回転しながら上昇するので係止部材7と止座9との係止状態が簡単に解除され、係止部材7は元のケース4内に没入した状態にきわめて簡単に復帰する。
【0029】
この場合に、摺動部材5の側壁51に設けられた弾性係止片52がケース4の側壁44、44の内面に設けられた上側の係止溝45に係止する。
【0030】
そのため、ケース4内に没入した係止部材7が扉体2の底面21から突出して扉体2の開閉を妨げる心配がない。
【0031】
尚、本実施例では、係止部材7に溝状の螺旋条73を形成し、ケース4の底板48に突起状のガイド50を形成した構成としたが、螺旋条73を突条とし、ガイド50を溝状に形成してもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上の構成を有する本発明によると、係止部材を昇降させたとき、その係止部材が軸心を中心として回転しながら昇降するので、下降時には係止部材の断面非円形に形成されている先端部が、床面に設けられた止座の係止凹部に回転しながら嵌入することにより、係止凹部の壁面に圧接され、確実に係止されることとなり、扉体が、がたつくことなく所定の開閉位置に固定される。
またこのとき、摺動部材の側壁に設けられた弾性係止片がケースの側壁の内面に設けられた下側の係止溝に係止するため、係止部材が所定位置まで降下して係止凹部に確実に係止していることを触覚ならびに係止音により確認することが可能であるとともに、係止部材の上下の動きが規制されて扉が確実に固定される。そして係止部材の先端部の係止凹部への係止を解除して扉を開閉させたい場合には、係止部材を上昇させれば容易に解除される。
またこの時、前記弾性係止片がケースの側壁の内面に設けられた上側の係止溝に係止するため、ケース内に没入した係止部材が扉体の底面から不用意に突出して扉体の開閉を妨げる心配がない。この際にも係止部材が所定位置まで上昇してケース内に没入していることを、前記弾性係止片の係止溝への係止を触覚ならびに係止音を認識することにより確認することが可能である。
しかもこれらの係止及び解除の作業は、係止部材を押し下げ、あるいは引き上げるという操作のみで行なわれ、簡単であるとともに力を加え易く、極めて作業効率の良いフランス落としとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の使用状態を示す斜視図である。
【図2】図1のY−Y線に沿う一部を拡大して示した断面図である。
【図3】図1の異なる状態におけるY−Y線に沿う断面図である。
【図4】図2のX−X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 フランス落とし
2 扉体
3 縦框
4 ケース
7 係止部材
71 先端部
72 周面
73 螺旋条
50 ガイド

Claims (1)

  1. 扉体における縦框の下部に埋め込まれるケースの内部に摺動部材が昇降可能に嵌装されるとともに、前記摺動部材の下端に棒状の係止部材が連結棒を介して軸心を中心として回転可能に垂設されるフランス落としにおいて、
    前記ケースの側壁内面の上下2カ所に係止溝が設けられ、また前記摺動部材の側壁外面に前記上下2カ所の係止溝にそれぞれ係止する弾性係止片が設けられ、さらに前記係止部材の少なくとも先端部が断面において非円形に形成されているとともに周面に軸線方向へ延びる螺旋条が形成されており、且つ前記ケースに前記係止部材を上下に移動させたときに前記螺旋条に嵌合してこの係止部材を軸心を中心して回転させるためのガイドが設けられ、更に床面に、前記係止部材の前記先端部が嵌入される時には該先端部が入可能な非円形の係止凹部が形成され、かつ該先端部が入後前記係止部材の回転により回転して前記係止凹部の壁面に圧接すると同時に前記摺動部材の弾性係止片が前記ケースの下側の係止溝に係止して扉体のがたつきを解消することを特徴とするフランス落とし。
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