JP3753588B2 - 回動部材の操作装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回動部材を固定部材に対して回動自在に操作する操作装置に関し、例えば、車輌のドアロック装置に備えられているクローレバーなどの操作に有効な操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌のドアロック装置は、図7に示したようなフォーク11とクローレバー12を備えている。
フォーク11はフォークシャフト13によって回動自在に軸支されているが、スプリング(図示せず)により右旋勢力を受け、その一部が装置固定部材14に当接してストライカ17を受け入れ可能な状態に保持されている。
【0003】
クローレバー12はクローシャフト15によって回動自在に軸支されており、スプリング(図示せず)により左旋勢力を受け、その一部がストッパー16に当接して図示する位置に保持されている。
【0004】
上記したドアロック装置は、ドアを閉めることにより、車体側に取り付けられたストライカ17がフォーク11の係合凹所11aに突き当たり、このため、フォーク11がスプリングの右旋勢力に抗して左回動し、図8に示したように、ストライカ17を係止する。
【0005】
また、フォーク11が上記のように左回動すると、このフォーク11の戻り回動がクローレバー12によって阻止され、この状態でドアの閉状態となる。
なお、ドアを開ける場合は、クローレバー12を右回動させてフォーク11の回動阻止を解除させる。
これにより、フォーク11がスプリングによる右旋勢力を受け、図7に示す位置に復帰し、ストライカ17の係止を解放し、ドアの開操作が可能になる。
【0006】
上記したフォーク11とクローレバー12はフェンスブロック内に設けられ、セフティプレート18とセットプレート19によって支持されたシャフトにより軸支されている。
【0007】
図9はクローレバー12の支軸部を示すドアロック装置の部分断面図である。図示するように、クローレバー12を回動自在に軸支するクローシャフト15がセフティプレート18とセットプレート19によって支持されている。
すなわち、クローシャフト15の一端側にはフランジ15aが形成され、このフランジ15aがセットプレート19の外面に圧接し、また、このクローシャフト15の他端部がセフティプレート18にカシメ固定されている。
なお、このクローシャフト15はフェンスブロック20の軸孔とクローブッシュ21によって形成したクローレバー12の軸孔を通っている。
【0008】
また、クローシャフト15の一端部によってオープンレバー22が回動自在に支軸されている。
すなわち、オープンレバー22の軸孔をクローシャフト15の一端部に嵌合させ、その上にワッシャ23を設け、その外面でクローシャフト15の一端部がカシメ固定されている。
【0009】
一方、オープンレバー22は、連動シャフト24を介してクローレバー12を連動駆動させる。
この連動シャフト24はクローレバー12にカシメ固定され、その先端部にブッシュ25が設けられており、このブッシュ25がオープンレバー22の一部に嵌合している。
【0010】
上記のオープンレバー22はドアのアウターハンドル或いはインナーハンドルの操作に連動されて旋回し、クローレバー12を回動駆動するものである。
つまり、図8に示したドア閉時の状態にあるフォーク11の係止を解除させるようにクローレバー12を駆動する。
【0011】
その他、上記したセフティプレート18とセットプレート19は金属材で形成されているが、フェンスブロック20は合成樹脂材で凹面形成され、セフティプレート18にねじ止めされている。
【0012】
また、フェンスブロック20とセットプレート19との間に設けたばね26は機械的なガタを吸収させることと、ダンパー作用をさせるものである。
なお、図9ではクローレバー12の支軸部について示したが、フォーク11の支軸部についてもほぼ同様の支軸構成となっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、車輌のドアロック装置は、連動シャフト24がクローレバー12にカシメ固定され、その先端部にブッシュ25が設けられており、このブッシュ25がオープンレバー22の一部に嵌合しているため、連動シャフト24を介してオープンレバー22とクローレバー12は連動駆動する。
【0014】
この前記ブッシュ25は、機械的ガタを吸収する他に、オープンレバー22と連動シャフト24との摺動などによる金属音の発生と、これら金属材の錆の発生を防止するためのものである。
【0015】
しかしながら、上記のような連動シャフトをクローレバーにカシメ固定し、ブッシュを用いた構成は装置部品を多くするのみならず、装置の組立て工程と部品管理とを増加させるため、装置生産のローコスト化に適さないと言った問題がある。
【0016】
そこで、本発明では上記した実情にかんがみ、クローレバーなどの回動部材について、その操作連動部の連結に連動シャフトやブッシュを使用しないで回動部材と操作部材の連結ができ、かつ、組立て工数や部品点数を削減することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、請求項1の発明は、第1、第2の固定部材の間にシャフトによって軸支された回動部材と、前記回動部材とは一方側の前記固定部材を挟んで同軸上に回動自在に軸支されて前記回動部材を第2の固定部材の側から回動自在に操作する操作部材を備えた回動部材の操作装置において、前記回動部材には前記操作部材側に突出した突出部を半抜き加工にて一体的に形成し、前記操作部材には前記突出部を突入させる筒部を前記回動部材側に向けてバーリング加工にて形成し、前記固定部材に形成した窓孔を通して前記回動部材の突出部を前記操作部材の筒部に突入させて前記回動部材と前記操作部材とを連結し、且つ、第3の固定部材を設け、前記第2の固定部材と前記第3の固定部材との間に前記操作部材を設け、フランジを設けた前記シャフトによって前記3つの固定部材を一体的にカシメ固定したことを特徴としている。
【0019】
請求項の発明は、前記回動部材において、回動部材の突出部の周壁に合成樹脂の膜を設けたものである。
【0020】
【作用】
前記請求項1の発明では、回動部材に一体的に形成された突出部を操作部材の筒部に突入させるだけで回動部材と操作部材の組付けが完了し、また前記突出部の周壁と前記筒部の内周壁とを係合させ操作部とすることにより、操作部の組付け誤差を吸収でき、操作部の回動動作に連動して回動部材を回動自在に操作することができ、連動シャフトやブッシュなどの連結部品を必要としない操作装置とすることができる。
【0021】
さらに、回動部材の突出部を半抜き加工により一体形成し、また、操作部材の筒部をバーリング加工により形成するという、簡単な加工方法で製作を可能としている。
【0022】
前記請求項の発明では、回動部材の突出部の周壁に合成樹脂の膜を設けることにより、回動部材の回動による金属音や錆の発生を防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
クローレバーなどの回動部材について、その操作連動部の連結に連動シャフトやブッシュを使用しないで回動部材と操作部材の連結ができ、かつ、組立て工数や部品点数を削減するという目的を実現した。
【0024】
【実施例】
図1は第1実施形態を示し、ドアロック装置のクローレバー支軸部及び、操作部を示す部分断面図である。
【0025】
このドアロック装置は、セフティプレート(第1の固定部材)31とセットプレート(第3の固定部材)32と、合成樹脂材で凹面形成してセフティプレート31にねじ止めしてあるフェンスブロック(第2の固定部材)33とを備え、セフティプレート31とフェンスブロック33との間にクローレバー(回動部材)34を設け、また、セットプレートプレート32とフェンスブロック33との間にオープンレバー35(操作部材)を設けた構成となっている。
【0026】
前記クローレバー34は図1に示すように、セフティプレート31とフェンスブロック33との間にクローシャフト(シャフト)36を支軸として回動可能に配設されるもので、クローシャフト36を挿通させる軸孔34bが設けられている。また、オープンレバー35の連動筒部35bに対応した位置に半抜き加工により一体形成され、オープンレバー35側に突出した突出駆動部34cが設けられている。この突出駆動部34cは図4に示すように、円柱状の形状となっており、その径は前記連動筒部35bに突入可能な径となっている。このクローレバー34は、合成樹脂材によってアウトサート成形し、その表面全体を樹脂膜34aにより被膜してある。したがって、前記軸孔34bおよび前記突出駆動部34cは樹脂膜34aによって覆われている。
【0027】
また、フェンスブロック33にはクローレバー34の軸孔34bに連通する筒孔の円筒状部33aが一体形成してあり、オープンレバー35の軸孔部35aがこの円筒状部33aに回動自在に嵌合している。
【0028】
上記した円筒状部33aは図5及び図6(B)に示すように、その先端側の周囲に複数の舌片部33bが形成してある。
【0029】
一方、クローレバー34を回動自在に軸支するクローシャフト36は図6(A)に示すように、円柱状部36aの一端部に拡径部36bとフランジ36cとが一体形成してあり、さらに、円柱状部36aと拡径部36bの間が上り勾配の曲面テーパー36dとなっており、また、上記円柱状部36aの他端部がカシメ固定部36eとなっている。
なお、上記の曲面テーパー36dは上り勾配とした直線テーパーとすることができる。
【0030】
上記したオープンレバー35は、ドアのアウターハンドルまたはインナハンドルの操作に連動し円筒状部33aを支軸として旋回動するレバーで、このオープンレバー35には図1、図2および図3に示すように、前記円筒状部33aと嵌合する軸孔部35aが設けられている。また、クローレバー34の突出駆動部34cに対応した位置に連動筒部35bがバーリング加工によりクローレバー34側に形成されており、連動筒部35bに突出駆動部34cを突入させ、前記突出駆動部34cの周壁と前記連動筒部35bの内周壁とを係合させることにより、オープンレバー35の旋回動が連動筒部35bと突出駆動部34cを介してクローレバー34に伝達され、このクローレバー34がフォークの回動阻止を解除するように動作する。
【0031】
上記のように構成したクローレバー34の支軸部および操作部は、図1および図6に示すように、オープンレバー35をクローシャフト36を組付ける前に予めその軸孔部35aをフェンスブロック33の円筒状部33aに嵌合させると同時に、フェンスブロック33の窓孔33cに前記オープンレバー35の連動筒部35bを突入させ、その連動筒部35bに前記クローレバー34の突出駆動部34cを突入させておく。そして、フェンスブロック33の円筒状部33aからクローシャフト36を軸挿し、さらにクローレバー34の軸孔34bを通し、そのカシメ固定部36eをセフティプレート31にカシメ固定する。
【0032】
クローシャフト36を組付けると、円筒状部33aの舌片部33bがその曲面テーパー36dによって押し広げられ、この舌片部33bが図1に示すように、セットプレート32とオープンレバー35の間に張出する。
【0033】
この操作部構成は、クローレバー34に一体形成された突出駆動部34cをオープンレバー35の連動筒部35bに突入させるだけでクローレバー34とオープンレバー35の連結が完了し、オープンレバー35の回動動作に連動してクローレバー34を回動自在に操作することができる。
【0034】
また、クローレバー34の突出駆動部34cと軸孔34bが樹脂膜34aによって覆われているため、クローレバー34の回動による金属音が発生しない。
この結果、従来例として示したような連動シャフトやブッシュなどの連結部品を備える必要がなく、部品点数と組付け作業の工数が削減される。
【0035】
なお、バーリング加工により形成されたオープンレバー35の連結筒部35bと半抜き加工により形成されたクローレバー34の突出駆動部34cは容易に且つ安価に加工することができるものであるが、その突出量を大きく取れないものでもある。しかしながら、連結筒部35bをクローレバー34側に突出させ、突出駆動部34cをオープンレバー側に突出させ、その突出部同士を連結させているため、フェンスブロック33が間に介在して、オープンレバー35とクローレバー34が離間した位置にあっても連結が可能になっている。
【0036】
以上、車輌のドアロック装置に備えるクローレバー34の操作装置について説明したが、本発明は車輌のドアロック装置にかぎらず、回動体や旋回部材などを有する各種の機械器具の操作装置として同様に実施することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、回動部材と操作部材との組付け工程において、連動シャフト等の部材が不要なためカシメなどの作業を必要とせず、回動部材に一体形成された突出部を操作部材の筒部に突入させるだけで回動部材と操作部材の連結が完了する。
【0038】
また回動部材に操作部材側に突出した突出部を形成し、操作部材には前記突出部を突入させる筒部を前記回動部材側に向けて形成しているので、間に固定部材が介在していても充分な係り代を設けることができる。
【0039】
特に、簡単な加工にするため、回動部材の突出部を半抜き加工により一体形成し、操作部材の筒部をバーリング加工により形成する場合には、いずれもその突出量に制限が生じるため、回動部材に形成した突出部を操作部材側に突出させ、操作部材の筒部を回動部材側に向けて形成することの効果がより大きいものとなる。
【0040】
また、回動部材の突出部の周壁に合成樹脂の膜を設けることにより、回動部材の回動による金属音や錆の発生を防止する他、回動部材の動作フィーリングを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車輌のドアロック装置に実施した本発明の実施形態を示し、クローレバーの支軸部及び、操作部を示した部分断面図である。
【図2】クローレバーとオープンレバーの組付け状態を示す図である。
【図3】オープンレバーの側面図である。
【図4】クローレバーの斜視図である。
【図5】クローレバーの支持部に設けた円筒状部を示す斜視図である。
【図6】図6(A)は上記支軸部のクローシャフトを示し、図6(B)は上記円筒状部の断面を示す図である。
【図7】車輌のドアロック装置に備えられたフォークとクローレバーを示す図である。
【図8】ドア閉時の動作状態を示す図7同様のフォークとクローレバーを示す図である。
【図9】従来例として示した車輌のドアロック装置の部分断面図である。
【符号の説明】
31 セフティプレート
32 セットプレート
33 フェンスブロック
33c 窓孔
34 クローレバー
34a 樹脂膜
34b 軸孔
34c 突出駆動部
35 オープンレバー
35a 軸孔部
35b 連動筒部
36 クローシャフト

Claims (2)

  1. 第1、第2の固定部材の間にシャフトによって軸支された回動部材と、前記回動部材とは前記第2の固定部材を挟んで同軸上に回動自在に軸支されて前記回動部材を前記第2の固定部材の側から回動自在に操作する操作部材を備えた回動部材の操作装置において、前記回動部材には前記操作部材側に突出した突出部を半抜き加工にて一体的に形成し、前記操作部材には前記突出部を突入させる筒部を前記回動部材側に向けてバーリング加工にて形成し、前記第2の固定部材に形成した窓孔を通して前記回動部材の突出部を前記操作部材の筒部に突入させて前記回動部材と前記操作部材とを連結し、且つ、第3の固定部材を設け、前記第2の固定部材と前記第3の固定部材との間に前記操作部材を設け、フランジを設けた前記シャフトによって前記3つの固定部材を一体的にカシメ固定したことを特徴とする回動部材の操作装置。
  2. 前記回動部材の突出部の周壁に合成樹脂膜を形成したことを特徴とする請求項1に記載の回動部材の操作装置。
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