JP2001303823A - 回動部材の操作装置 - Google Patents

回動部材の操作装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】クローレバーなどの回動部材について、その操
作連動部の連結に連動シャフトやブッシュを使用しない
で回動部材と操作部材の連結ができ、かつ、組立て工数
や部品点数を削減する。 【解決手段】2つの固定部材(31,33)の間に軸支
された回動部材(34)を固定部材の一方の側から回動
自在に操作する操作部材(35)を備えた回動部材の操
作装置において、前記回動部材には前記操作部材側に突
出した突出部(34c)を一体的に形成し、前記操作部
材には前記突出部を突入させる筒部(35b)を前記回
動部材側に向けて形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回動部材を固定
部材に対して回動自在に操作する操作装置に関し、例え
ば、車輌のドアロック装置に備えられているクローレバ
ーなどの操作に有効な操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車輌のドアロック装置は、図7に示した
ようなフォーク11とクローレバー12を備えている。
フォーク11はフォークシャフト13によって回動自在
に軸支されているが、スプリング(図示せず)により右
旋勢力を受け、その一部が装置固定部材14に当接して
ストライカ17を受け入れ可能な状態に保持されてい
る。
【0003】クローレバー12はクローシャフト15に
よって回動自在に軸支されており、スプリング(図示せ
ず)により左旋勢力を受け、その一部がストッパー16
に当接して図示する位置に保持されている。
【0004】上記したドアロック装置は、ドアを閉める
ことにより、車体側に取り付けられたストライカ17が
フォーク11の係合凹所11aに突き当たり、このた
め、フォーク11がスプリングの右旋勢力に抗して左回
動し、図8に示したように、ストライカ17を係止す
る。
【0005】また、フォーク11が上記のように左回動
すると、このフォーク11の戻り回動がクローレバー1
2によって阻止され、この状態でドアの閉状態となる。
なお、ドアを開ける場合は、クローレバー12を右回動
させてフォーク11の回動阻止を解除させる。これによ
り、フォーク11がスプリングによる右旋勢力を受け、
図7に示す位置に復帰し、ストライカ17の係止を解放
し、ドアの開操作が可能になる。
【0006】上記したフォーク11とクローレバー12
はフェンスブロック内に設けられ、セフティプレート1
8とセットプレート19によって支持されたシャフトに
より軸支されている。
【0007】図9はクローレバー12の支軸部を示すド
アロック装置の部分断面図である。図示するように、ク
ローレバー12を回動自在に軸支するクローシャフト1
5がセフティプレート18とセットプレート19によっ
て支持されている。すなわち、クローシャフト15の一
端側にはフランジ15aが形成され、このフランジ15
aがセットプレート19の外面に圧接し、また、このク
ローシャフト15の他端部がセフティプレート18にカ
シメ固定されている。なお、このクローシャフト15は
フェンスブロック20の軸孔とクローブッシュ21によ
って形成したクローレバー12の軸孔を通っている。
【0008】また、クローシャフト15の一端部によっ
てオープンレバー22が回動自在に支軸されている。す
なわち、オープンレバー22の軸孔をクローシャフト1
5の一端部に嵌合させ、その上にワッシャ23を設け、
その外面でクローシャフト15の一端部がカシメ固定さ
れている。
【0009】一方、オープンレバー22は、連動シャフ
ト24を介してクローレバー12を連動駆動させる。こ
の連動シャフト24はクローレバー12にカシメ固定さ
れ、その先端部にブッシュ25が設けられており、この
ブッシュ25がオープンレバー22の一部に嵌合してい
る。
【0010】上記のオープンレバー22はドアのアウタ
ーハンドル或いはインナーハンドルの操作に連動されて
旋回し、クローレバー12を回動駆動するものである。
つまり、図8に示したドア閉時の状態にあるフォーク1
1の係止を解除させるようにクローレバー12を駆動す
る。
【0011】その他、上記したセフティプレート18と
セットプレート19は金属材で形成されているが、フェ
ンスブロック20は合成樹脂材で凹面形成され、セフテ
ィプレート18にねじ止めされている。
【0012】また、フェンスブロック20とセットプレ
ート19との間に設けたばね26は機械的なガタを吸収
させることと、ダンパー作用をさせるものである。な
お、図9ではクローレバー12の支軸部について示した
が、フォーク11の支軸部についてもほぼ同様の支軸構
成となっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、車輌
のドアロック装置は、連動シャフト24がクローレバー
12にカシメ固定され、その先端部にブッシュ25が設
けられており、このブッシュ25がオープンレバー22
の一部に嵌合しているため、連動シャフト24を介して
オープンレバー22とクローレバー12は連動駆動す
る。
【0014】この前記ブッシュ25は、機械的ガタを吸
収する他に、オープンレバー22と連動シャフト24と
の摺動などによる金属音の発生と、これら金属材の錆の
発生を防止するためのものである。
【0015】しかしながら、上記のような連動シャフト
をクローレバーにカシメ固定し、ブッシュを用いた構成
は装置部品を多くするのみならず、装置の組立て工程と
部品管理とを増加させるため、装置生産のローコスト化
に適さないと言った問題がある。
【0016】そこで、本発明では上記した実情にかんが
み、クローレバーなどの回動部材について、その操作連
動部の連結に連動シャフトやブッシュを使用しないで回
動部材と操作部材の連結ができ、かつ、組立て工数や部
品点数を削減することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として、請求項1の発明は、2つの固定部材の間
に軸支された回動部材を固定部材の一方の側から回動自
在に操作する操作部材を備えた回動部材の操作装置にお
いて、前記回動部材には前記操作部材側に突出した突出
部を一体的に形成し、前記操作部材には前記突出部を突
入させる筒部を前記回動部材側に向けて形成したことを
特徴としている。
【0018】請求項2の発明は、前記回動部材の突出部
を半抜き加工にて形成し、前記操作部材には、前記回動
部材の突出部に対応した位置にバーリング加工にて回動
部材方向に筒部を形成したものである。
【0019】請求項3の発明は、前記回動部材におい
て、回動部材の突出部の周壁に合成樹脂の膜を設けたも
のである。
【0020】
【作用】前記請求項1の発明では、回動部材に一体的に
形成された突出部を操作部材の筒部に突入させるだけで
回動部材と操作部材の組付けが完了し、また前記突出部
の周壁と前記筒部の内周壁とを係合させ操作部とするこ
とにより、操作部の組付け誤差を吸収でき、操作部の回
動動作に連動して回動部材を回動自在に操作することが
でき、連動シャフトやブッシュなどの連結部品を必要と
しない操作装置とすることができる。
【0021】前記請求項2の発明では、回動部材の突出
部を半抜き加工により一体形成し、また、操作部材の筒
部をバーリング加工により形成するという、簡単な加工
方法で製作を可能としている。
【0022】前記請求項3の発明では、回動部材の突出
部の周壁に合成樹脂の膜を設けることにより、回動部材
の回動による金属音や錆の発生を防止することができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】クローレバーなどの回動部材につ
いて、その操作連動部の連結に連動シャフトやブッシュ
を使用しないで回動部材と操作部材の連結ができ、か
つ、組立て工数や部品点数を削減するという目的を実現
した。
【0024】
【実施例】図1は第1実施形態を示し、ドアロック装置
のクローレバー支軸部及び、操作部を示す部分断面図で
ある。
【0025】このドアロック装置は、セフティプレート
(固定部材)31とセットプレート32と、合成樹脂材
で凹面形成してセフティプレート31にねじ止めしてあ
るフェンスブロック(固定部材)33とを備え、セフテ
ィプレート31とフェンスブロック33との間にクロー
レバー(回動部材)34を設け、また、セットプレート
プレート32とフェンスブロック33との間にオープン
レバー35(操作部材)を設けた構成となっている。
【0026】前記クローレバー34は図1に示すよう
に、セフティプレート31とフェンスブロック33との
間にクローシャフト36を支軸として回動可能に配設さ
れるもので、クローシャフト36を挿通させる軸孔34
bが設けられている。また、オープンレバー35の連動
筒部35bに対応した位置に半抜き加工により一体形成
され、オープンレバー35側に突出した突出駆動部34
cが設けられている。この突出駆動部34cは図4に示
すように、円柱状の形状となっており、その径は前記連
動筒部35bに突入可能な径となっている。このクロー
レバー34は、合成樹脂材によってアウトサート成形
し、その表面全体を樹脂膜34aにより被膜してある。
したがって、前記軸孔34bおよび前記突出駆動部34
cは樹脂膜34aによって覆われている。
【0027】また、フェンスブロック33にはクローレ
バー34の軸孔34bに連通する筒孔の円筒状部33a
が一体形成してあり、オープンレバー35の軸孔部35
aがこの円筒状部33aに回動自在に嵌合している。
【0028】上記した円筒状部33aは図5及び図6
(B)に示すように、その先端側の周囲に複数の舌片部
33bが形成してある。
【0029】一方、クローレバー34を回動自在に軸支
するクローシャフト36は図6(A)に示すように、円
柱状部36aの一端部に拡径部36bとフランジ36c
とが一体形成してあり、さらに、円柱状部36aと拡径
部36bの間が上り勾配の曲面テーパー36dとなって
おり、また、上記円柱状部36aの他端部がカシメ固定
部36eとなっている。なお、上記の曲面テーパー36
dは上り勾配とした直線テーパーとすることができる。
【0030】上記したオープンレバー35は、ドアのア
ウターハンドルまたはインナハンドルの操作に連動し円
筒状部33aを支軸として旋回動するレバーで、このオ
ープンレバー35には図1、図2および図3に示すよう
に、前記円筒状部33aと嵌合する軸孔部35aが設け
られている。また、クローレバー34の突出駆動部34
cに対応した位置に連動筒部35bがバーリング加工に
よりクローレバー34側に形成されており、連動筒部3
5bに突出駆動部34cを突入させ、前記突出駆動部3
4cの周壁と前記連動筒部35bの内周壁とを係合させ
ることにより、オープンレバー35の旋回動が連動筒部
35bと突出駆動部34cを介してクローレバー34に
伝達され、このクローレバー34がフォークの回動阻止
を解除するように動作する。
【0031】上記のように構成したクローレバー34の
支軸部および操作部は、図1および図6に示すように、
オープンレバー35をクローシャフト36を組付ける前
に予めその軸孔部35aをフェンスブロック33の円筒
状部33aに嵌合させると同時に、フェンスブロック3
3の窓孔33cに前記オープンレバー35の連動筒部3
5bを突入させ、その連動筒部35bに前記クローレバ
ー34の突出駆動部34cを突入させておく。そして、
フェンスブロック33の円筒状部33aからクローシャ
フト36を軸挿し、さらにクローレバー34の軸孔34
bを通し、そのカシメ固定部36eをセフティプレート
31にカシメ固定する。
【0032】クローシャフト36を組付けると、円筒状
部33aの舌片部33bがその曲面テーパー36dによ
って押し広げられ、この舌片部33bが図1に示すよう
に、セットプレート32とオープンレバー35の間に張
出する。
【0033】この操作部構成は、クローレバー34に一
体形成された突出駆動部34cをオープンレバー35の
連動筒部35bに突入させるだけでクローレバー34と
オープンレバー35の連結が完了し、オープンレバー3
5の回動動作に連動してクローレバー34を回動自在に
操作することができる。
【0034】また、クローレバー34の突出駆動部34
cと軸孔34bが樹脂膜34aによって覆われているた
め、クローレバー34の回動による金属音が発生しな
い。この結果、従来例として示したような連動シャフト
やブッシュなどの連結部品を備える必要がなく、部品点
数と組付け作業の工数が削減される。
【0035】なお、バーリング加工により形成されたオ
ープンレバー35の連結筒部35bと半抜き加工により
形成されたクローレバー34の突出駆動部34cは容易
に且つ安価に加工することができるものであるが、その
突出量を大きく取れないものでもある。しかしながら、
連結筒部35bをクローレバー34側に突出させ、突出
駆動部34cをオープンレバー側に突出させ、その突出
部同士を連結させているため、フェンスブロック33が
間に介在して、オープンレバー35とクローレバー34
が離間した位置にあっても連結が可能になっている。
【0036】以上、車輌のドアロック装置に備えるクロ
ーレバー34の操作装置について説明したが、本発明は
車輌のドアロック装置にかぎらず、回動体や旋回部材な
どを有する各種の機械器具の操作装置として同様に実施
することができる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、回動部
材と操作部材との組付け工程において、連動シャフト等
の部材が不要なためカシメなどの作業を必要とせず、回
動部材に一体形成された突出部を操作部材の筒部に突入
させるだけで回動部材と操作部材の連結が完了する。
【0038】また回動部材に操作部材側に突出した突出
部を形成し、操作部材には前記突出部を突入させる筒部
を前記回動部材側に向けて形成しているので、間に固定
部材が介在していても充分な係り代を設けることができ
る。
【0039】特に、簡単な加工にするため、回動部材の
突出部を半抜き加工により一体形成し、操作部材の筒部
をバーリング加工により形成する場合には、いずれもそ
の突出量に制限が生じるため、回動部材に形成した突出
部を操作部材側に突出させ、操作部材の筒部を回動部材
側に向けて形成することの効果がより大きいものとな
る。
【0040】また、回動部材の突出部の周壁に合成樹脂
の膜を設けることにより、回動部材の回動による金属音
や錆の発生を防止する他、回動部材の動作フィーリング
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車輌のドアロック装置に実施した本発明の実施
形態を示し、クローレバーの支軸部及び、操作部を示し
た部分断面図である。
【図2】クローレバーとオープンレバーの組付け状態を
示す図である。
【図3】オープンレバーの側面図である。
【図4】クローレバーの斜視図である。
【図5】クローレバーの支持部に設けた円筒状部を示す
斜視図である。
【図6】図6(A)は上記支軸部のクローシャフトを示
し、図6(B)は上記円筒状部の断面を示す図である。
【図7】車輌のドアロック装置に備えられたフォークと
クローレバーを示す図である。
【図8】ドア閉時の動作状態を示す図7同様のフォーク
とクローレバーを示す図である。
【図9】従来例として示した車輌のドアロック装置の部
分断面図である。
【符号の説明】
31 セフティプレート 32 セットプレート 33 フェンスブロック 33c 窓孔 34 クローレバー 34a 樹脂膜 34b 軸孔 34c 突出駆動部 35 オープンレバー 35a 軸孔部 35b 連動筒部 36 クローシャフト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの固定部材の間に軸支された回動部
    材を固定部材の一方の側から回動自在に操作する操作部
    材を備えた回動部材の操作装置において、前記回動部材
    には前記操作部材側に突出した突出部を一体的に形成
    し、前記操作部材には前記突出部を突入させる筒部を前
    記回動部材側に向けて形成したことを特徴とする回動部
    材の操作装置。
  2. 【請求項2】 前記回動部材の突出部を半抜き加工にて
    形成し、前記操作部材には、前記回動部材の突出部に対
    応した位置にバーリング加工にて前記回動部材方向に筒
    部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の回動部
    材の操作装置。
  3. 【請求項3】 前記回動部材の突出部の周壁に合成樹脂
    膜を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の回動部材の操作装置
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