JP3752933B2 - 電動工具用モータの回転子 - Google Patents
電動工具用モータの回転子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3752933B2 JP3752933B2 JP35123599A JP35123599A JP3752933B2 JP 3752933 B2 JP3752933 B2 JP 3752933B2 JP 35123599 A JP35123599 A JP 35123599A JP 35123599 A JP35123599 A JP 35123599A JP 3752933 B2 JP3752933 B2 JP 3752933B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rotor
- coil
- slot
- rotor core
- electric tool
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
- Dc Machiner (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電動工具用モータの回転子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動工具用モータの回転子1は、図2に示す如く、ラジアル方向外側に開き軸方向に沿って延びるスロットを少なくとも3つ以上有し、回転軸3に装着される回転子コア2、回転子コア2のスロットとほぼ同一形状のスロットを有し、回転子コア2の軸方向両端面に装着される絶縁材料からなるエンドプレート4、回転子コア2のスロット内に2スロット以上の間隔をもって軸方向に沿って巻回される回転子コイル、回転子コア2のスロット内の回転子コイルの外周に位置する如くスロット内に挿入される絶縁材の板状部材からなるウェッジ5、回転軸3に装着される冷却ファン10等により構成される。
【0003】
前記ウェッジ5は、回転子コイルが回転子1の回転により生じる遠心力によって飛散するのを防止するためのものであり、回転子コイルを各スロットに多層にわたり巻回することで回転子コア2の軸方向両側にコイルエンド部7a、7bが形成される。回転子1にはスロット内に巻回した回転子コイルを形成しているワイヤが回転によるずれを防止するため及び絶縁の強化のためにワニス処理を施している。各回転子コイルは総て整流子8に接続されており、モータの運転に際し整流子8より回転子コイルに電流が流れ、回転子コイルには抵抗損失による発熱が生じる。この回転子コイルの発熱を効率よく放出させるため、回転軸3上に冷却ファン10が装着されており、回転子1と同期して回転する。冷却ファン10により生じた気流は、図4に示す如く、ハウジング12に設けられた吸気口13と排気口14を介してモータに流れ、モータの発熱を外部に放出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
コイルエンド部7a、7bにおけるエンドプレート4の近辺の最大外径部A−Aを回転軸3に対し垂直に切断すると、図3に示す如く、回転子コイルの切断面は回転軸3に対して放射状に複数の凹凸部15a、15bを形成するようになる。凹凸部15a、15bは回転子コイルの巻回時に、先に巻回された回転子コイルに対し次のスロットに回転子コイルを巻回する時、先に巻回した回転子コイルを乗り越えて巻回するため、先に巻回した回転子コイルを乗り越える分回転子コイルが軸方向に長くなることにより形成される。この凹凸部15a、15bをなすコイルエンド部7a、7bの最大外径の範囲は、回転子コア2の外径の大きさにもよるが、例えば回転子コア2の外径が30〜35mmの場合ではエンドプレート4よりおよそ3mm〜5mmの軸方向長さを有する。凹凸部15a、15bは回転子コイルの放熱面になっており、回転子1が回転することにより、モータ運転時の回転子コイルの抵抗損失による発熱を放熱する重要な働きを持つ。
【0005】
一方図4に示す如く、冷却ファン10により生じた気流は同時に切削粉等の粉塵をも吸引するため、気流によってモータ内に運ばれた粉塵の一部は固定子11と回転子1の隙間に流れ込み、その際一部はコイルエンド部7a、7bに衝突する。コイルエンド部7a、7bにおける両側エンドプレート4近辺のコイルエンド部7a、7bの最大外径部では、凸部15aの周速が最も速いため粉塵の衝突エネルギーが大きく、ワニスを含浸させて固めた従来の電動工具用モータでは、長時間の運転により凸部15aの回転子コイルが摩耗し、ひいては断線に至るという問題が生じる。
【0006】
この問題に対し、図3に示すコイルエンド部7a、7bの最大外径部の断面A−Aの凹凸部15a、15bを有する範囲を含むコイルエンド部7a、7bに液状の熱硬化性樹脂を滴下し、乾燥炉にて樹脂を硬化させた保護膜を形成するものが提案されている。しかし、熱硬化性樹脂の滴下時、樹脂が凹部15bに流れ込んで凹部15bを覆い冷却表面積を減少させて回転子コイルの温度を上昇させてしまう。また、前記樹脂の粘性を高め、浸透性を低下させ流れにくくすることも考えられるが、粘性を高めると凸部15aのみに樹脂が付着して凸部15aの外周を覆ってしまい、凹部15bには熱伝導性の悪い空気の層が形成され更なるコイル温度の上昇につながる。
【0007】
更に、コイルエンド部7a、7b全面を覆うように前記ウェッジ5を回転子コア2の両端面から突出して延ばし、粉塵からコイルエンド部7a、7bを保護する機構が提案されている。しかし、この機構でもウェッジ5がコイルエンド部7a、7bの表面の大部分を覆ってしまうため、冷却ファン10による気流により冷却されるコイルエンド部7a、7bの表面の面積が少なくなり、ワニスのみの場合より放熱性が低下することは避けられず、冷却効果が悪くなる。このような冷却性能の低下によるコイル温度の上昇は、電動工具の耐久性能を低下させるばかりでなく、熱によるモータ損失の増加により電動工具のエネルギー効率が悪くなるという問題を生じる。
【0008】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、回転子コイルの冷却性能を低下させることなく粉塵による回転子コイルの損傷を防止し、併せてモータの効率向上と耐久性の向上を図ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、 前記回転子コイルの回転子コアの両側に位置するコイルエンド部の最大外径部を覆う如く、前記ウェッジの両端を延ばすことにより達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下一実施形態を示す図1を参照して本発明を説明する。本発明回転子は以下に述べるウェッジ5以外は上記した回転子1とほぼ同じであり説明を省略する。
【0011】
ウェッジ5の両端はコイルエンド部7a、7bの最大外径部を覆う如く延長して延び、コイルエンド部7a、7bの形状に沿うことなくすなわち内側に湾曲することなく延びている。ウェッジ5の延び量すなわちエンドプレート4からの突出量は、例えば回転子コア2の外径が30〜35mmの回転子1の場合およそ3mm〜5mmで、コイルエンド部7a、7bの最大外径部すなわち凸部15a、凹部15bの外側に位置するように延びている。
【0012】
上記のように構成した結果、冷却ファン10の気流によりモータ内に運ばれる粉塵は、コイルエンド部7a、7bの最大外径部との衝突頻度が高くかつ衝突エネルギーが大きくなる凸部15aに衝突する恐れがあるが、凸部15aに衝突する前にウェッジ5の延長部に衝突することではじき飛ばされるので凸部15aを粉塵より保護することができる。またウェッジ5の延長部は内側に湾曲させていないので、コイルエンド部7a、7bに流れる冷却ファン10による気流により冷却される表面を覆い隠すこともなくなり、コイルエンド部7a、7bでの放熱性を妨げることはなく、モータの冷却性能を低下させることがない。凸部15a以外のコイルエンド部については、粉塵は気流の流れにより回転子1と固定子11の隙間に集中するため回転子コア2付近のコイルエンド以外では衝突する頻度が少ないことと回転子コイルの周速が小さく粉塵の衝突エネルギーが小さいので摩耗は少なく、断線に至ることはない。
【0013】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、モータ運転時の回転子コイルの発熱を放熱する働きを持つコイルエンド部での放熱性を低下させず、かつ粉塵による回転子コイルの断線を防止することができる。これにより、回転子の耐久性能が向上し電動工具の寿命が延びると共にモータの発熱損失が低減し、モータの効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明回転子の一実施形態を示す一部断面側面図。
【図2】従来の回転子の一例を示す一部断面側面図。
【図3】図2のA−A線断面図
【図4】モータ内の気流及び粉塵の流れを示す説明用側面図
【符号の説明】
1は回転子、2は回転子コア、3は回転軸、4はエンドプレート、5はウェッジ、7a、7bはコイルエンド部、8は整流子、9はベアリング、10は冷却ファン、11は固定子、12はハウジング、13は吸気口、14は排気口、15aは凸部、15bは凹部である。
Claims (2)
- 回転軸に装着され、ラジアル方向外側に開き軸方向に沿って延びたスロットを有する回転子コアと、回転子コアのスロット内に軸方向に沿って巻回される回転子コイルと、回転子コアのスロット内の回転子コイルの外周に位置する如くスロット内に挿入される絶縁材の板状部材からなるウェッジと、回転軸に装着される冷却ファンとを備えた電動工具用モータの回転子であって、
前記回転子コイルの回転子コアの両側に位置するコイルエンド部の全体を覆うことなくコイルエンド部の最大外径部を覆う如く、前記ウェッジの両端を延ばしたことを特徴とする電動工具用モータの回転子。 - 回転軸に装着され、ラジアル方向外側に開き軸方向に沿って延びたスロットを有する回転子コアと、回転子コアのスロット内に軸方向に沿って巻回される回転子コイルと、回転子コアのスロット内の回転子コイルの外周に位置する如くスロット内に挿入される絶縁材の板状部材からなるウェッジと、回転軸に装着される冷却ファンとを備えた電動工具用モータの回転子であって、
前記回転子コイルの回転子コアの少なくとも一側に位置するコイルエンド部の全体を覆うことなくコイルエンド部の最大外径部を覆う如く、前記ウェッジを延ばしたことを特徴とする電動工具用モータの回転子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35123599A JP3752933B2 (ja) | 1999-12-10 | 1999-12-10 | 電動工具用モータの回転子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35123599A JP3752933B2 (ja) | 1999-12-10 | 1999-12-10 | 電動工具用モータの回転子 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001178061A JP2001178061A (ja) | 2001-06-29 |
JP2001178061A5 JP2001178061A5 (ja) | 2004-09-09 |
JP3752933B2 true JP3752933B2 (ja) | 2006-03-08 |
Family
ID=18415975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35123599A Expired - Fee Related JP3752933B2 (ja) | 1999-12-10 | 1999-12-10 | 電動工具用モータの回転子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3752933B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11770048B2 (en) | 2013-10-18 | 2023-09-26 | Black & Decker, Inc. | Handheld power tool with a brushless electric motor |
-
1999
- 1999-12-10 JP JP35123599A patent/JP3752933B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11770048B2 (en) | 2013-10-18 | 2023-09-26 | Black & Decker, Inc. | Handheld power tool with a brushless electric motor |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001178061A (ja) | 2001-06-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4682893B2 (ja) | 回転電機の回転子 | |
US4492885A (en) | Alternating current generator for a car | |
US7845917B2 (en) | Electric blower | |
JP4369192B2 (ja) | エレベータ用巻上機 | |
US20020180287A1 (en) | Universal electric motor for hand-held tool devices | |
EP3043450B1 (en) | Motor with heat dissipation structure capable of restraining temperature therein | |
JP5993216B2 (ja) | 回転電機 | |
JP2008043149A (ja) | 電動機の冷却構造 | |
JPH02219447A (ja) | スタータの電機子 | |
JP3752933B2 (ja) | 電動工具用モータの回転子 | |
CN107836072B (zh) | 具有增大负压的涡轮的旋转电机 | |
KR102413954B1 (ko) | 슬립 링, 모터 및 이를 구비하는 차량 | |
JP2019503644A (ja) | 冷却フィンを有する回転電気機械 | |
JP2005117865A (ja) | 集電装置の冷却装置 | |
JPH1189201A (ja) | 電動工具用回転子のコイル損傷防止機構 | |
JPH089594A (ja) | 全閉外扇形回転電機 | |
KR100621722B1 (ko) | 전동공구 | |
JP2007028743A (ja) | 整流子モータ用回転子及びこれを備えた電動工具 | |
KR100319140B1 (ko) | 냉각수단을 갖는 전동기 | |
JPH11150899A (ja) | 突極形回転子 | |
JP3467968B2 (ja) | 回転電機の電機子 | |
CN219918530U (zh) | 电机 | |
CN210744868U (zh) | 驱动电机和具有其的车辆 | |
JP2001339912A (ja) | 電動送風機 | |
CN113364213B (zh) | 具有改进的冷却的旋转电机 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050817 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050830 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051122 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051205 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081222 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101222 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111222 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111222 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121222 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131222 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131222 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |