JP2008043149A - 電動機の冷却構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機の寸法を大きくすることなく大きな冷却風量を得ることで冷却能力が向上し、小型化を可能にする電動機の冷却構造を提供する。
【解決手段】電動機(100)のフレーム(4)内に設けられるステータ(3)と、ステータの内周側に回転軸(7)に固設され挿入されるロータ(2)と、ステータの内周面に回転軸の向きと平行に並べて配設されるとともに、コイルエンドの少なくとも一方(104)をロータ端面に近接するように曲げて形成する固定子巻線(10)と、回転自在に回転軸に固設且つにコイルエンドの外周側を通るにフィン(101)を備えたファンと、を備えた電動機である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動機運転時の温度上昇の低減を図る冷却構造の技術に関するものである。
従来、電動機運転時に固定子コイルおよび回転子導体を流れる電流による銅損と、回転磁界により固定子鉄心及び回転子鉄心に発生する鉄損とにより、各部の温度が上昇する。このため、回転軸に固着されたファンによって外部から冷却用空気を強制的に取り入れて、電動機フレーム内を冷却する構造が一般的となっている。
図6は、従来の誘導電動機の構造を示した図である。本例で適用する電動機は、例えばフォークリフトの電動機1である。同図は電動機1の断面構成を示している。
電動機1はロータ2(回転子)とステータ3(固定子)で構成され、ステータ3の外周は円筒形状のフレーム4で覆われ、フレーム4の両端部にそれぞれエンドブラケット5および6が固定されている。また、多数のリング状部材の積層体からなるステータ3がフレーム4内に収容され、ステータ3の内周側に回転軸7に固設された円柱形状のロータ2が挿入されている。
ステータ3は、例えばケイ素鋼板で構成されるステータプレートを多数枚積層し、ステータ3には誘導磁界を形成するために固定子巻線10が巻装されている。ステータ3の内壁は、回転軸7の長手方向に沿って複数のスロットが埋設されて形成され、このスロット内に固定子巻線10が収納されている。そして、その固定子巻線10の一部がコイルエンド20および21としてステータ3の両端面を越えて突出している。また、ステータ3の外周は上記フレーム4に圧入され、ステータ3が圧入されたフレーム4は長軸ボルト11によってエンドブラケット5および6間に介装されている。上記固定子巻線10に電流を流して誘導磁界を形成すると、この誘導磁界により、例えばカゴ型巻線(アルミ)を積層鉄心コアに取り付けて構成されるロータ2が回転軸7の回転方向に回転力を得て、その回転力が回転軸7を介して出力される。このとき、電流を流した固定子巻線10に発熱が生じるため、電動機内部の空気中に晒されているコイルエンド20および21の付近が高温になり易くなる。また、ロータ2の表面では、極性の変化により損失が生じ、これまた高温になる。
エンドブラケット5には、冷却空気用の通気口17が形成されている。また、フレーム4の上部には、放熱用の通気口18が形成されている。更に、ロータ2の上端部に複数のフィン22が回転軸7の長手方向に突出して一体に設けられている。この構造により、電動機1の上部では、ロータ2と共に回転するフィン22によって通気口17および18を介して電動機1内部の上側の通風を行い、コイルエンド20を冷却している。
また、電動機1の下部のコイルエンドの冷却も上部と同じ要領で行う。念のため説明すると、エンドブラケット6には、冷却空気用の通気口24が形成されている。また、フレーム4の下部には、放熱用の通気口19が形成されている。更に、ロータ2の下端部に複数のフィン23が回転軸7の長手方向に突出して一体に設けられている。この構造により、電動機1の下部では、ロータ2と共に回転するフィン23によって通気口24および19を介して電動機1内部の下側の通風を行い、コイルエンド21を冷却している。
また更に、エンドブラケット5および6の内側にはそれぞれ環状にエアガイド15および16が設けられている。これらのエアガイド15および16は、それぞれに対応する側のコイルエンド20および21に冷却空気をあてるためのガイドとして利用されている。例えば、電動機1の上部のエアガイド15の場合は、フィン22が回転することにより外部の冷却空気を通気口17からコイルエンド20へ導き、そしてこのコイルエンド20で暖められた空気を通気口18から外へ排出するという一方向の空気の流れを作る。これらのエアガイド15および16を備え付けることにより、コイルエンド20および21で暖められた空気を効率よく外部に排出するようにして、冷却空気をコイルエンド20および21にあてるようにしている。
なお、上記回転軸7は軸受けを介して、上述のエンドブラケット5および6に取り付けられている。同図の構成では、一端において回転軸7は軸受け8を介してエンドブラケット5に取り付けられ、他方において回転軸7は軸受け9を介してエンドブラケット6に取り付けられている。
また、回転軸7の一端には回転検出機構12が、例えば平ワッシャ13を介装したナット14によって取り付けられており、電動機1の回転速度や回転方向を検出する。
このように、図6に示す自冷式の電動機1では、ロータ2にあるフィン22がロータ2とともに回転することで、フレーム4の外部から通気口17を通じて吸気を行い、エアガイド15により内部に冷却空気を導く。そして、コイルエンド20を冷却してから通気口18を通じて外部へ排気する。また、ロータ2にあるフィン23が回転することで、フレーム4の外部から通気口24を通じて吸気を行い、エアガイド16により内部に冷却空気を導く。そして、コイルエンド21を冷却してから通気口19を通じて外部へ排気する。
特許文献1の電動機には、内部に回転軸、回転子コア、固定子コアが設けられている電動機を覆う電動機フレームと、電動機フレームの一端に設けられ電動機内部に冷却風を取り込むための吸気口と、この冷却風を電動機内部に通風し、電動機フレームの他端で支承されたブラケットと、このブラケットに設けられ、吸気口から取り込まれた冷却風を排風として排出するための1次排風口がブラケットの外側に設けられている。
また、1次排風口から排出される排風を分流させ、分流した排風を再び合流するように導く排風ガイドと、この排風ガイドの外側に設けられ、排風ガイドの排風を電動機外部へ排出するための2次排風口を設けた可動ガイドが設けられている。このような構造により、一定速度で車両が運転される場合、回転周波数に依存したある特定の周波数の騒音が継続的に発生を防止することができる自己風冷式誘導電動機が提案されている。
特開2004−350350号公報
一般的に電動機のロータに形成されているフィンの外径寸法はそのロータ自身の外径寸法より大きくできない。フィンの外径寸法をロータの外径寸法より大きくしようとすると、例えば成型時に型抜きできないなどの不都合が生じるためである。このため、従来構成では得られる風量がさほど大きくならず、冷却力が弱いという問題がある。
一方、特許文献1のようにファンをロータの外径寸法より大きくとり、冷却風の風量を確保した場合は、電動機の寸法が大きくなってしまうという問題点がある。
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、電動機の寸法を大きくすることなく大きな冷却風量を得ることが可能な電動機の冷却構造を提供することを目的とする。
本発明の態様のひとつである電動機のフレーム内に設けられるステータと、前記ステータの内周側に回転軸に固設され挿入されるロータと、前記ステータの内周面に回転軸の向きと平行に並べて配設され且つコイルエンドの少なくとも一方が前記ロータの端面に近接するように曲げて形成される固定子巻線と、前記回転軸に固設され且つ前記コイルエンドの外周側にフィンを備えたファンと、を具備する構成である。
好ましくは、前記ファンに通風用の開口部を設けてもよい。また、前記ロータのコアに、前記ロータの長手方向に貫通する通風用の開口部を設けてもよい。好ましくは、前記ステータ外周近傍に、前記ステータの長手方向に貫通する通風用の開口部を設けてもよい。上記ステータ外周近傍の位置としては、該ステータの外周でも良いし、又は該ステータの多少内周方向に位置していても良い。
上記構成では、少なくとも一方のコイルエンドを前記ロータの端面に近接するように曲げるようにして形成している。そして、コイルエンドの外周側に生じたスペースにフィンを配置している。この構成により、上記回転軸を回転させると、上記フィンはその回転軸を中心に上記コイルエンドの外周側を通る円軌道上を回転するようになる。このため、回転半径の大きいフィンにより大きな風量を発生できる。そして、その大きな風量によりコイルエンドを冷却できるとともに電動機内部の雰囲気も冷却することができる。特にファンに通風用の開口部を設けた場合は、コイルエンドまたはその近傍へ向けた空気の流れが形成されるため、コイルエンドを積極的に冷却できるようになる。また、ロータのコア又はステータ外周近傍に通風用の開口部を設けた場合は、それらの開口部内に冷却空気が導かれるため、コイルエンドだけでなくロータ又はステータを積極的に冷却できるようになる。
このように、本発明では電動機の寸法を大きくすることなく、より大きな冷却風量を得ることができる。また、上記ファンを用いることでエアガイドを外すことが可能となり、さらなる小型化も可能となる。
本発明によれば、コイルエンドの少なくとも一方をロータの端面に近接するように曲げるようにして形成することにより、コイルエンドの外周側にスペースを作り、このスペースにフィンを配置するようにしている。このため、電動機の寸法を大きくすることなく、大きな冷却風量を得ることができる。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細を説明する。
(実施例1)
実施例1及び後述の実施例では、本発明の実施に最適な誘導電動機を例に挙げて説明する。ただし、以下に説明する構成は誘導電動機に限らず、他の形態の電動機への適用も可能である。また、以下で参照する各図において、図6と同一箇所には同じ符号を付与するものとする。
図1は、実施例1における本発明の誘導電動機の断面構成を示した図である。
実施例1の電動機は、例えばフォークリフトの走行用電動機として使用されるものである。
図1の電動機100は、ロータ(回転子)50とステータ(固定子)3で構成され、ステータ3の外周はフレーム4で覆われ、そのフレーム4の両端部にエンドブラケット5および6が固定されている。
実施例1においては、上記ロータ50として、一端のみに(同図の例では下部に)複数のフィン23を備えるように成形されたロータが使用されている。同図ではそのロータ50が回転軸7に固設されている。
ステータ3は、例えばケイ素鋼板で構成されるステータプレートを多数枚積層し、ステータ3には誘導磁界を形成するために固定子巻線10が巻装されている。ステータ3は中空円筒形状をしており、その内周側に上述のロータ50が回転自在に回転軸に固設され挿入されている。ステータ3の内周面は、回転軸7の長手方向に沿って複数のスロットが埋設されて形成され、このスロット内に固定子巻線10が収納されている。そして、その固定子巻線10の一部がコイルエンド104および105としてステータ3の両端面を越えて突出している。また、ステータ3の外周は上記フレーム4に圧入され、ステータ3が圧入されたフレーム4は長軸ボルト11によってエンドブラケット5、6間に介装されている。そして上記エンドブラケット5および6は上記長軸ボルト11の両端部を介してフレーム4の両端部に固定されている。
回転軸7は軸受けを介して、エンドブラケット5、6に取り付けられる。同図の構成では、一端において回転軸7は軸受け8を介してエンドブラケット5に取り付けられ、他方において回転軸7は軸受け9を介してエンドブラケット6に取り付けられている。回転軸7の一端には回転検出機構12が、例えば平ワッシャ13を介装したナット14によって取り付けられ、電動機100の回転速度や回転方向を検出する。
実施例1では、上述した固定子巻線10の一方のコイルエンド、つまり上側のコイルエンド104を、ロータ50の端面(同図のロータ50上側のフィンが構成されていない端面)に近接するように曲げるようにして形成している。そして、その空いた領域にロータ50とは別体のファン101を設けている。
このようにコイルエンド104をロータ50の端面に近接するように曲げることにより、コイルエンド104の曲げる前の領域、つまり曲げた後のコイルエンド104の外周側に大きな空き領域が生じるようになる。実施例1に示す構成では、そのコイルエンド104の外周側の空き領域は、回転軸7からの半径方向の距離が等距離となる円軌道上に同様に存在している。
このため、その円軌道上の空き領域を通るように、フィンを設けることが可能となる。
上記ファン101には、その回転時に上記空き領域を通過するようにフィン102が配置されている。また、ファン101は、その中心を回転軸7に固設してロータ50上部側に挿入されている。このような構成下において、ファン101は回転軸7の軸回転と共に回転し、この回転時にフィン102が上記空き領域を通過する。
図2は図1に装着されたファン101の上面とファン101をA'−A線からみた図である。
このファン101は円盤形状の本体と、複数のフィン102を備えた構造をとっている。
実施例1において、これらの複数のフィン102は、コイルエンド104の外周側を通るようにファン101の本体外周近傍に配置されている。そして更に、ファン101の中央部に通風用の開口部としての孔103を形成している。
なお、同図に示されるフィン102の配置は等間隔に配置してもよいし、等間隔でなくてもよい。また、フィン102はフィン23と同数設けてもよいし、例えば一つだけ設けるなどとするように、異なってもよい。さらに、フィン102とフィン23は同じ位置に対応するように設けてもよいし、互いにずらして配置しても良い。
なお、フィン102を設ける位置は、コイルエンド104の外周側を通るようにファン101の本体に設けられていれば良い。しかし、電動機100の小型化を図るために、フィン102はできる限りコイルエンド104に接近する位置に配設されることが望ましい。
さて、電動機100の運用時、上記固定子巻線10に電流を流して誘導磁界を形成すると、この誘導磁界により、例えばカゴ型巻線(アルミ)を積層鉄心コアに取り付けて構成されるロータ50が回転軸7の回転方向に回転力を得て、その回転力が回転軸7を介して出力される。この回転軸7の回転により、ファン101の本体が回転し、これと一体にフィン102がコイルエンド104とステータ3とに接触しないようにその空いたスペースを円軌道を描いて通過する。
ステータ3内に位置する固定子巻線10からの発熱はステータ3を介してフレーム4に伝導され、さらにフレーム4から電動機外部の大気中へ放出される。一方、ステータ3の端部から突出しているコイルエンド104および105で発生した熱は、コイルエンド間の不図示の相間用絶縁紙に伝導したり、コイルエンド104および105の端部から空気中へ放出されるなどする。
このとき、電動機100の上部では、ファン101の回転によりフィン102の内周側の圧力が下がることにより、外部の冷却用空気が通気口17(吸気口)から取り込まれ、実施例1の構成においてはその冷却用空気がファン101の孔103を通り電動機100内部(特にコイルエンド104の近傍)に導かれる。そして、回転軸7の回転時に複数のフィン102により発生する風力で通気口(排気口)18から電動機100内部の暖められた空気が通気口18に追いやられて排出される。ファン101に取り付けられているフィン102はロータ50の外径よりも外側を回転移動するため、このファン101の回転により大きな風力が得られ、ファン101の上部と下部の圧力差が増大する。このため、外気を引き込む力が非常に高く、冷却力が非常に強い。
なお、電動機100の下部の冷却は、エアガイド16とロータ50のフィン23を利用した従来方式で行われる。特に詳しく説明しないが、通気口24(吸気口)から冷却用空気が取り込まれて電動機100内部に導かれ、フィン23が回転時に発生する風力で通気口19(排気口)から暖められた空気を追いやり排出する。
実施例1の電動機100には、特に、フレーム4とエンドブラケット5および6に、それぞれ、通気口18および19(排気口)や、通気口17および24(吸気口)が形成されているため、電動機100の内部の上部および下部がそれぞれに通風され、コイルエンド104、105の放熱が促進される。
以上にように、コイルエンドをロータの端面に近接するように曲げるようにして形成することによりそのコイルエンドの外周側にスペースが生じるため、このスペースをフィンが通るようにファンを配置できる。このため、電動機の回転軸を回転させると、フィンはその回転軸を中心に上記コイルエンドの外周側を通る円軌道上を回転するようになり、このフィンにより大きな風量を得る事ができ、コイルエンドを冷却できるとともに電動機内部の雰囲気も冷却することができる。
また、ファン101がエアガイドも兼ねているため、ファン101を配置した側のエアガイドを廃止できる。このため、軸方向の電動機の外形を短くすることができ、小型化できる。
以上より、上記ファンを用いることで、従来と同じ大きさまたはそれよりも小さい寸法の電動機であっても、従来よりも大きな冷却風量を得ることができ、冷却力が向上する。
(実施例2)
実施例2は、実施例1の電動機100の一部の構造を異ならせた電動機の構造例である。以下では、実施例1の電動機100と異なる点について説明する。
図3は、実施例2における本発明の誘導電動機の断面構成を示した図である。
同図に示す電動機300の構造は、実施例1の電動機100に示した構造と異なり、通気口17および24を設けていない。更にエアガイド16並びにフィン23を設けていない。
一方、実施例1において排気口であった通気口19を吸気口として使用している。
また、実施例2における電動機300のロータ60のコアには通風用の開口部としての貫通孔301(この貫通孔301は、ロータの上部と下部との間をコア内部を通じて冷却空気を連絡させるための貫通孔である)を設けている。
本構成の電動機300では、ロータ60の上部と下部との間を連絡する貫通孔301が構成されているため、電動機300の上部に構成されているファン101の回転によりフィン102の内周側の内圧が下がる。このため、外部の冷却空気は、電動機300の下部に構成されている通気口19を通じて電動機300の内部に取り込まれる。その冷却空気は、回転により電動機運用時に発熱して暖められたコイルエンド105を冷却すると共に、貫通孔301を通ってコイルエンド104側に導かれる。貫通孔301の通過時は、その空気は極性の変化により損失が生じて高温化したロータ60を冷却する。そして、コイルエンド104側に導かれた空気は、更にその発熱したコイルエンド104を冷却して、その温まった空気が通気口18(排気口)から排気される。
このように、本構成では、貫通孔301を通して電動機内部に空気を循環し、通気口18(排気口)から暖められた空気を排気する。
ここで、実施例2ではファン101に孔103を設けた構成を示したが、この孔103を設けなくてもよい。
上記構成によりコイルエンド104および105だけでなく、ロータ60を積極的に冷却することができる。
(実施例3)
実施例3は、実施例2の電動機300の一部の構造を異ならせた電動機の構造例である。以下では、実施例2の電動機300と異なる点について説明する。
図4は、実施例3における本発明の誘導電動機の断面構成を示した図である。
同図に示す電動機400の構造は、実施例2の電動機300に示した構造と異なり、電動機300の通気口18を設けていない。
一方、電動機下部に新たにエアガイド(図4の406)が設けられている。
実施例3の電動機400の上記エアガイド406は、通気口24(吸気口)からの空気を貫通孔301に導き、暖められた空気が通気口24に戻らないように構成したものである。
また更に、ステータ70の外周面に通風用の通気溝401が新たに形成されている。この通気溝401は、ステータ70の外周上以外の、例えばステータ70の多少内周方向に形成しても良い。
本構成の電動機400では、ファン101の回転によりフィン102の内周側の内圧が下がる。このため、外部の冷却空気は、電動機400の下部に構成されている通気口24を通じて電動機400の内部に取り込まれる。その冷却空気は、エアガイド406を通じてロータ60内部側の貫通孔301に導かれる。このとき、回転により電動機運用時に発熱して暖められたコイルエンド105を冷却すると共に、その貫通孔301を通ってコイルエンド104側に導かれる。そして、本構成ではステータ70の外周面に通気溝401を備えているため、コイルエンド104を冷却した空気が、その通気溝401を通ってコイルエンド105側へ再び戻され、そのコイルエンド105を冷却して通気口19から外部に排気される。
なお、貫通孔301の通過時は、その空気は極性の変化により損失が生じて高温化したロータ60を冷却する。また、通気溝401の通過時は、ステータ70を冷却する。
ここで、実施例2ではファン101の中央部に孔103があり吸気を行っているが、実施例3では図3に示す孔103を設けていない。これは、孔103から空気が抜けてコイルエンド104に当たる風量が減少することを抑止するため(つまり、コイルエンドを積極的に冷却するため)である。なお、その孔103は設けても、所定の冷却効果は得られる。
(実施例4)
実施例4は、実施例1の電動機100の一部の構造を異ならせた電動機の構造例である。以下では、実施例1の電動機100と異なる点について説明する。
図5は、実施例4における本発明の誘導電動機の断面構成を示した図である。
同図に示す電動機500では、実施例1の電動機100のロータ50の下部のコイルエンド105の構造を上部のコイルエンド104と同様の構造にしている。
つまりコイルエンド105をロータの端面(この場合、同図のロータの下側の端面)に近接するように曲げるようにして形成している(図5の501)。
また、電動機100のロータ50の下部のフィン23を廃止する(図5の80)と共に、電動機100の上部に構成されているファン101(第1ファン)と同様な構造のファン502(第2ファン)が、回転軸7にファン101と向い合うように取り付けられている。このファン502はコイルエンド501の外周側をフィン503が通るように構成されたものである。そして通風用の開口部としての孔504を有している。なお、この第2ファン502の構造、フィン503の取り付け位置、及びコイルエンド501との位置関係は、上部に取り付けられている第1ファン101のそれらに準ずるので、ここでの詳しい説明は省略する。
実施例4の電動機500において、その上部では、通気口17(吸気口)から取り入れた冷却用の空気は孔103を通り電動機500内部(ファン101の下側)に導かれ、回転軸7に固設されたファン101のフィン102が回転時に発生する風力で通気口18から電動機500内部の暖められた空気を排出する。また、電動機500の下部では、通機口24(吸気口)から取り入れた冷却用の空気は孔504を通り電動機500内部(ファン502の上側)に導かれ、回転軸7に固設されたファン502のフィン503が回転時に発生する風力で通気口19から電動機500内部の暖められた空気を排出する。このように空気が通り抜けることによりコイルエンド104と501は冷却される。
また、ファン101とファン502はフィンの形状や配置を必ずしも同じにする必要はない。
また、実施例2のようにロータ80のコアに貫通孔を設け、電動機内部に冷却空気を循環させても良い。
またさらに、実施例3のようにステータ3の外周面に通気溝401を設け、電動機内部に冷却空気を循環させても良い。
以上、実施例1から実施例4で説明したように、コイルエンドをロータの端面に近接させてそのコイルエンドの外周側にスペースを設けた。そして、このスペースをフィンが通るようにファンを配置させた。
このため、電動機の回転軸を回転させると、フィンはその回転軸を中心に上記コイルエンドの外周側を通る円軌道上を回転するようになり、このフィンにより大きな風量を得る事ができ、コイルエンドを冷却できるとともに電動機内部の雰囲気も冷却することができるようになる。この場合、従来と同じ回転軸の回転数でも大幅に風量を増やすことができるようになる。
また、ファンがエアガイドも兼ねているため、ファンを配置した側のエアガイドを廃止できるようにもなる。このため、軸方向の電動機の外形を短くすることができ、小型化できるようになる。
以上より、上記ファンを用いることで、従来と同じ大きさまたはそれよりも小さい寸法の電動機であっても、従来よりも大きな冷却風量を得ることができ、冷却力が向上する。
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
実施例1に示す電動機の断面を示す図である。 ファンの上面と断面を示す図である。 実施例2に示す電動機の断面を示す図である。 実施例3に示す電動機の断面を示す図である。 実施例4に示す電動機の断面を示す図である。 従来の電動機の断面を示す図である。
符号の説明
1 電動機
2、50、60、80 ロータ(回転子)
3、70 ステータ(固定子)
4 フレーム
5、6 エンドブラケット
7 回転軸
8、9 軸受け、
10 固定子巻線(一次巻線)
11 長軸ボルト
12 回転検出機構、
13 平ワッシャ
14 ナット
15、16 エアガイド、
17、18、19 通気口
20、21、104、105、501 コイルエンド
22、23、102、503 フィン、
101、502 ファン
103、504 孔
301 貫通孔
401 通気溝

Claims (4)

  1. 電動機のフレーム内に設けられるステータと、
    前記ステータの内周側に回転軸に固設され挿入されるロータと、
    前記ステータの内周面に前記回転軸の向きと平行に並べて配設され且つコイルエンドの少なくとも一方が前記ロータの端面に近接するように曲げて形成される固定子巻線と、
    前記回転軸に固設され且つ前記コイルエンドの外周側にフィンを備えたファンと、
    を備えたことを特徴とする電動機。
  2. 前記ファンに通風用の開口部を設けることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
  3. 前記ロータのコアに、前記ロータの長手方向に貫通する通風用の開口部を設けることを特徴とする請求項1または2に記載の電動機。
  4. 前記ステータ外周近傍に、前記ステータの長手方向に貫通する通風用の開口部を設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動機。
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