JP3752171B2 - 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器 - Google Patents

半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ラマン増幅用励起光源に適した半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットをはじめとする様々なマルチメディアの普及に伴って、光通信に対する大容量化の要求が大きくなっている。従来、光通信では、光ファイバによる光の吸収が少ない波長である1310nmもしくは1550nmの帯域において、それぞれ単一の波長による伝送が一般的であった。この方式では、多くの情報を伝達するためには伝送経路に敷設する光ファイバの芯数を増やす必要があり、伝送容量の増加に伴ってコストが増加するという問題点があった。
【0003】
そこで、高密度波長分割多重(DWDM:Dense-Wavelength Division Multiplexing)通信方式が用いられるようになった。このDWDM通信方式は、主にエルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)を用い、この動作帯域である1550nm帯において、複数の波長を使用して伝送を行う方式である。このDWDM通信方式あるいはWDM通信方式では、1本の光ファイバを用いて複数の異なる波長の光信号を同時に伝送することから、新たな線路を敷設する必要がなく、ネットワークの伝送容量の飛躍的な増加をもたらすことを可能としている。
【0004】
このEDFAを用いた一般的なWDM通信方式では、利得平坦化の容易な1550nm帯から実用化され、最近では、利得係数が小さいために利用されていなかった1580nm帯にまで拡大している。しかしながら、EDFAで増幅可能な帯域に比して光ファイバの低損失帯域の方が広いことから、EDFAの帯域外で動作する光増幅器、すなわちラマン増幅器への関心が高まっている。
【0005】
ラマン増幅器は、エルビウムのような希土類イオンを媒体とした光増幅器においてはイオンのエネルギー準位によって利得波長帯が決まるのに対し、励起光の波長によって利得波長帯が決まるという特徴を持ち、励起光波長を選択することによって任意の波長帯を増幅することができる。
【0006】
ラマン増幅では、光ファイバに強い励起光を入射すると、誘導ラマン散乱によって、励起光波長から約100nm程度長波長側に利得が現れ、この励起された状態の光ファイバに、この利得を有する波長帯域の信号光を入射すると、この信号光が増幅されるというものである。したがって、ラマン増幅器を用いたWDM通信方式では、EDFAを用いた通信方式に比して、信号光のチャネル数をさらに増加させることができる。
【0007】
図26は、WDM通信システムに用いられる従来のラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図26において、ファブリペロー型の半導体発光素子180a〜180dとファイバグレーティング181a〜181dとがそれぞれ対となった半導体レーザモジュール182a〜182dは、励起光のもとになるレーザ光を偏波合成カプラ61a,61bに出力する。各半導体レーザモジュール182a,182bが出力するレーザ光の波長は同じであるが、偏波合成カプラ61aによって各レーザ光の偏波面を90°異ならせている。同様にして、各半導体レーザモジュール182c,182dが出力するレーザ光の波長は同じであるが、偏波合成カプラ61bによって各レーザ光の偏波面を90°異ならせている。偏波合成カプラ61a,61bは、それぞれ偏波合成したレーザ光をWDMカプラ62に出力する。なお、偏波合成カプラ61a,61bから出力されるレーザ光の波長は異なる。
【0008】
WDMカプラ62は、偏波合成カプラ61a,61bから出力されたレーザ光を合波し、WDMカプラ65を介し、励起光として増幅用ファイバ64に出力する。この励起光が入力された増幅用ファイバ64には、増幅対象の信号光が、信号光入力ファイバ69からアイソレータ63を介して入力され、励起光と合波してラマン増幅される。
【0009】
増幅用ファイバ64内においてラマン増幅された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ65およびアイソレータ66を介してモニタ光分配用カプラ67に入力される。モニタ光分配用カプラ67は、増幅信号光の一部を制御回路68に出力し、残りの増幅信号光を出力光として信号光出力ファイバ70に出力する。
【0010】
制御回路68は、入力された一部の増幅信号光をもとに各半導体発光素子180a〜180dの発光状態、たとえば光強度を制御し、ラマン増幅の利得帯域が平坦な特性となるようにフィードバック制御する。
【0011】
図27は、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジュールの概要構成を示す図である。図27において、この半導体レーザモジュール201は、半導体発光素子202と光ファイバ203とを有する。半導体発光素子202は、活性層221を有する。活性層221は、一端に光反射面222が設けられ、他端に光出射面223が設けられる。活性層221内で生じた光は、光反射面222で反射して、光出射面223から出力される。
【0012】
半導体発光素子202の光出射面223には、光ファイバ203が対向配置され、光出射面223と光結合される。光ファイバ203内のコア232には、光出射面223から所定位置にファイバグレーティング233が形成され、ファイバグレーティング233は、特定波長の光を選択的に反射する。すなわち、ファイバグレーティング233は、外部共振器として機能し、ファイバグレーティング233と光反射面222との間で共振器を形成し、ファイバグレーティング233によって選択された特定波長のレーザ光が増幅されて出力レーザ光241として出力される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した半導体レーザモジュール201(182a〜182d)は、ファイバグレーティング233と半導体発光素子202との間隔が長いため、ファイバグレーティング233と光反射面222との間の共振によって相対強度雑音(RIN:Relative Intensity Noise)が大きくなる。これは、RINスペクトルにおいて、半導体発光素子202の光反射面222とファイバグレーティング233との間の光の往復時間に対応した周波数毎にピーク値が発生するからである。ここで、ラマン増幅では、増幅の生じる過程が早く起こるため、励起光強度が揺らいでいると、ラマン利得も揺らぐことになり、このラマン利得の揺らぎがそのまま増幅された信号強度の揺らぎとして出力されてしまい、安定したラマン増幅を行わせることができないという問題点があった。
【0014】
また、上述した半導体レーザモジュール201は、ファイバグレーティング233を有した光ファイバ203と、半導体発光素子202とを光結合する必要があり、組立時の光軸合わせに時間と労力とがかかるとともに、共振器内における機械的な光結合であるために、レーザの発振特性が機械的振動などによって変化してしまうおそれがあり、安定した励起光を提供することができない場合が生じるという問題点があった。
【0015】
なお、ラマン増幅器としては、図26に示したラマン増幅器のように信号光に対して後方から励起する後方励起方式のほかに、信号光に対して前方から励起する前方励起方式および双方向から励起する双方向励起方式がある。現在、ラマン増幅器として多用されているのは、後方励起方式である。その理由は、弱い信号光が強い励起光とともに同方向に進行する前方励起方式では、励起光強度のゆらぎが信号光に移りやすく、また、4光波混合などの非線形効果が起こりやすく、さらに、励起光の偏光依存性が現れやすいという問題があるからである。したがって、前方励起方式にも適用できる安定した励起光源の出現が要望されている。すなわち、従来のファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジュールを用いると、適用できる励起方式が制限されるという問題点があった。
【0016】
また、ラマン増幅器におけるラマン増幅では、信号光の偏波方向と励起光の偏波方向とが一致することを条件としている。すなわち、ラマン増幅では、増幅利得の偏波依存性があり、信号光の偏波方向と励起光の偏波方向とのずれによる影響を小さくする必要がある。ここで、後方励起方式の場合、信号光は、伝搬中に偏波がランダムとなるため、問題は生じないが、前方励起方式の場合、偏波依存性が強く、励起光の直交偏波合成、デボラライズなどによって偏波依存性を小さくする必要がある。すなわち、偏光度(DOP:Degree Of Polarization)を小さくする必要がある。
【0017】
さらに、ラマン増幅は、得られる増幅率が比較的低いため、高出力のラマン増幅用励起光源の出現が望まれていた。
【0018】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、安定し、高利得を得ることができるラマン増幅器用光源に適した半導体レーザ装置および半導体レーザモジュールを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる半導体レーザ装置は、レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜と該レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形成された活性層の近傍に回折格子を設け、前記活性層が形成する共振器長と前記回折格子の波長選択特性とを含む発振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長スペクトルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレーザ光を出力することを特徴とする。
【0020】
この請求項1の発明によれば、レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜と該レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形成された活性層の近傍に回折格子を設け、前記活性層が形成する共振器長と前記回折格子の波長選択特性とを含む発振パラメータの組み合わせ設定によって、波長が安定化され、かつ発振波長スペクトルの半値幅内に2本以上、好ましくは3本以上、より好ましくは4本以上の発振縦モードを含むレーザ光を出力するようにしている。
【0021】
また、請求項2にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、発振波長が1200〜1550nmであることを特徴とする。
【0022】
この請求項2の発明によれば、発振波長を1200〜1550nmとし、光ファイバの伝送帯域に適した波長帯域の信号光のラマン増幅を行うようにしている。具体的に、発振波長が1200〜1550nmの場合、ラマン増幅の利得波長帯域は1300〜1650nmとなる。
【0023】
また、請求項3にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記発振波長スペクトルの半値幅は、3nm以下であることを特徴とする。
【0024】
この請求項3の発明によれば、前記発振波長スペクトルの半値幅を、3nm以下とし、波長合成する際の合波ロスを小さくするようにしている。
【0025】
また、請求項4にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記活性層が形成する共振器長は、800μm以上であることを特徴とする。
【0026】
この請求項4の発明によれば、前記活性層が形成する共振器長を、800μm以上とし、発振縦モードのモード間隔を短くすることによって、前記発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モード数を増大するようにしている。
【0027】
また、請求項5にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記活性層が形成する共振器長は、3200μm以下であることを特徴とする。
【0028】
この請求項5の発明によれば、前記活性層が形成する共振器長を、3200μm以下とし、発振縦モードのモード間隔を0.1nm以上とし、ラマン増幅時における誘導ブリルアン散乱の影響を低減するようにしている。
【0029】
また、請求項6にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記回折格子は、グレーティング周期に所定の周期揺らぎを持たせたことを特徴とする。
【0030】
この請求項6の発明によれば、前記回折格子のグレーティング周期に所定の周期揺らぎを持たせ、これによって発振波長スペクトルの半値幅を広げるようにしている。
【0031】
また、請求項7にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記回折格子は、前記グレーティング周期をランダムまたは所定周期で変化させたグレーティングであることを特徴とする。
【0032】
この請求項7の発明によれば、前記回折格子を、前記グレーティング周期をランダムまたは所定周期で変化させたグレーティングとし、これによって回折格子に周期揺らぎを発生させ、発振波長スペクトルの半値幅を広げるようにしている。
【0033】
また、請求項8にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記回折格子は、前記活性層に沿って、前記共振器長と同じ長さを有することを特徴とする。
【0034】
この請求項8の発明によれば、前記回折格子を、前記活性層に沿って、前記共振器長と同じ長さとし、当該半導体レーザ装置の製造を容易にしている。
【0035】
また、請求項9にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記回折格子は、前記活性層に沿った一部に設けられることを特徴とする。
【0036】
この請求項9の発明によれば、前記回折格子を、前記活性層に沿った一部に設けることによって、回折格子の長さを変化させ、これによって、発振波長スペクトルの半値幅を広げるようにしている。
【0037】
また、請求項10にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記回折格子は、レーザ光の前記第1反射膜近傍から前記第2反射膜側方向にあるいは前記第2反射膜近傍から前記第1反射膜側方向に、前記活性層に沿って一定長延びた部分回折格子であることを特徴とする。
【0038】
この請求項10の発明によれば、前記回折格子を、レーザ光の前記第1反射膜近傍から前記第2反射膜側方向にあるいは前記第2反射膜近傍から前記第1反射膜側方向に、前記活性層に沿って一定長延びた部分回折格子とし、部分回折格子の長さによる該部分回折格子の反射帯域の半値幅を変化させることによって発振波長スペクトルの半値幅を変化し、該半値幅内に含まれる発振縦モード数の複数化を行うとともに、このときの反射率の高低に対応して第1反射膜側あるいは第1反射膜側に部分回折格子を設けるようにしている。
【0039】
また、請求項11にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記発振パラメータは、前記回折格子の結合係数を含むことを特徴とする。
【0040】
この請求項11の発明によれば、前記発振パラメータに、前記回折格子の結合係数を含めるようにし、該回折格子の結合係数を変化させることによって、発振波長スペクトルの半値幅を変化させ、該半値幅内に含まれる発振縦モード数の複数化を行うようにしている。
【0041】
また、請求項12にかかる半導体レーザモジュールは、請求項1〜11に記載の半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバと、前記半導体レーザ装置と前記光ファイバと光結合を行う光結合レンズ系とを備えたことを特徴とする。
【0042】
この請求項12の発明によれば、ファイバグレーティングを用いない半導体レーザ装置を用いて該半導体レーザ装置の共振器が物理的に分離されていないため、光軸合わせなどを行う必要がなく、半導体レーザモジュールの組立が容易になるとともに、機械的振動などによってレーザの発振特性が変化しにくくなり、安定したレーザ光を信頼性高く、かつ安定して出力することができる。
【0043】
また、請求項13にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ装置の温度を制御する温度制御装置と、前記光結合レンズ系内に配置され、光ファイバ側からの反射戻り光の入射を抑制するアイソレータとをさらに備えたことを特徴とする。
【0044】
この請求項13の発明によれば、ファイバグレーティングを用いない半導体レーザ装置を用いているため、インライン式の偏波無依存型と異なり、小型の偏波無依存型アイソレータを使用することができ、挿入損失の小さい半導体レーザモジュールを実現することができる。
【0045】
また、請求項14にかかるラマン増幅器は、請求項1〜11に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項12または13に記載の半導体レーザモジュールを広帯域ラマン増幅用の励起光源として用いたことを特徴とする。
【0046】
この請求項14の発明によれば、請求項1〜11に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項12または13に記載の半導体レーザモジュールを広帯域ラマン増幅用の励起光源として用い、上述した各半導体レーザ装置あるいは各半導体レーザモジュールの作用効果を奏するようにしている。
【0047】
また、請求項15にかかるラマン増幅器は、請求項1〜11に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項12または13に記載の半導体レーザモジュールは、広帯域ラマン増幅用の励起光源であって、前方励起用光源あるいは双方向励起方式における前方励起用光源として用いられることを特徴とする。
【0048】
この請求項15の発明によれば、請求項1〜11に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項12または13に記載の半導体レーザモジュールを、広帯域ラマン増幅用の励起光源であって、前方励起用光源あるいは双方向励起方式における前方励起用光源として用い、上述した各半導体レーザ装置あるいは各半導体レーザモジュールの作用効果を奏するようにしている。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体レーザ装置および半導体レーザモジュールの好適な実施の形態について説明する。
【0050】
(実施の形態1)
まず、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1である半導体レーザ装置の概要構成を示す斜めからみた破断図である。また、図2は、図1に示した半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図である。さらに、図3は、図2に示した半導体レーザ装置のA−A線断面図である。図1〜図3において、この半導体レーザ装置20は、n−InP基板1の(100)面上に、順次、n−InPによるバッファ層と下部クラッド層とを兼ねたn−InPバッファ層2、GRIN−SCH−MQW(Graded Index-Separate Confinement Heterostructure Multi Quantum Well:分布屈折率分離閉込め多重量子井戸)活性層3、p−InPスペーサ層4、およびp−InPクラッド層6、InGaAsPコンタクト層7が積層された構造を有する。
【0051】
p−InPスペーサ層4内には、膜厚20nmを有したp−InGaAsPの回折格子13が、ピッチ約220nmで周期的に形成され、中心波長1.48μmのレーザ光を選択するようにしている。この回折格子13を含むp−InPスペーサ層4、GRIN−SCH−MQW活性層3、およびn−InPバッファ層2の上部は、メサストライプ状に加工され、メサストライプの両側は、電流ブロッキング層として形成されたp−InPブロッキング層8とn−InPブロッキング層9によって埋め込まれている。また、InGaAsPコンタクト層7の上面には、p側電極10が形成され、n−InP基板1の裏面には、n側電極11が形成される。
【0052】
半導体レーザ装置20の長手方向の一端面である光反射端面には、反射率80%以上の高光反射率をもつ反射膜14が形成され、他端面である光出射端面には、反射率が5%以下の低光反射率をもつ出射側反射膜15が形成される。反射膜14と出射側反射膜15とによって形成された光共振器のGRIN−SCH−MQW活性層3内に発生した光は、反射膜14によって反射し、出射側反射膜15を介し、レーザ光として出射される。
【0053】
この実施の形態1における半導体レーザ装置20は、発振波長λ0が、1200nm〜1550nmであり、共振器長Lを、800μm以上3200μm以下としている。ところで、一般に、半導体レーザ装置の共振器によって発生する縦モードのモード間隔Δλは、等価屈折率を「n」とすると、次式で表すことができる。すなわち、
Δλ=λ0 2/(2・n・L)
である。ここで、発振波長λ0を1480nmとし、等価屈折率を3.5とすると、共振器長Lが800μmのとき、縦モードのモード間隔Δλは、約0.39nmとなり、共振器長Lが3200μmのとき、縦モードのモード間隔Δλは、約0.1nmとなる。すなわち、共振器長Lを長くすればするほど、縦モードのモード間隔Δλは狭くなり、単一縦モードのレーザ光を発振するための選択条件が厳しくなる。
【0054】
一方、回折格子13は、そのブラッグ波長によって縦モードを選択する。この回折格子13による選択波長特性は、図4に示す発振波長スペクトル30として表される。
【0055】
図4に示すように、この実施の形態1では、回折格子13を有した半導体レーザ装置による発振波長スペクトル30の半値幅Δλhで示される波長選択特性内に、発振縦モードを複数存在させるようにしている。図4では、発振波長スペクトルの半値幅Δλh内に3つの発振縦モード31〜33を有している。
【0056】
複数の発振縦モードを有するレーザ光を用いると、単一縦モードのレーザ光を用いた場合に比して、各発振縦モードのレーザ出力のピーク値を抑えつつ、発振波長スペクトル全体で高いレーザ出力値を得ることができる。たとえば、この実施の形態1に示した半導体レーザ装置では、図5(b)に示すプロファイルを有し、低いピーク値で高レーザ出力を得ることができる。これに対し、図5(a)は、同じレーザ出力を得る場合の単一縦モード発振の半導体レーザ装置のプロファイルであり、高いピーク値を有している。
【0057】
ここで、半導体レーザ装置をラマン増幅器の励起用光源として用いる場合、ラマン利得を大きくするために励起光出力パワーを増大することが好ましいが、そのピーク値が高いと、誘導ブリルアン散乱が発生し、雑音が増加するという不具合が発生する。誘導ブリルアン散乱の発生は、誘導ブリルアン散乱が発生する閾値Pthを有し、同じレーザ出力パワーを得る場合、図5(b)に示すように、複数の発振縦モードを持たせ、そのピーク値を抑えることによって、誘導ブリルアン散乱の閾値Pth内で、高い励起光出力パワーを得ることができ、その結果、高いラマン利得を得ることが可能となる。
【0058】
また、発振縦モード31〜33の波長間隔(モード間隔)Δλは、0.1nm以上としている。これは、半導体レーザ装置20をラマン増幅器の励起用光源として用いる場合、モード間隔Δλが0.1nm以上であると、誘導ブリルアン散乱が抑えられる。この結果、上述したモード間隔Δλの式によって、上述した共振器長Lが3200μm以下であることが好ましいことになる。なお、誘導ブリルアン散乱のスペクトルは、約0.1nmであり、この誘導ブリルアン散乱のスペクトル内に複数の発振縦モードが存在すると、個々の発振縦モードが誘導ブリルアン散乱の閾値Pthを超えなくても、このスペクトル幅内に存在する複数の発振縦モードの強度の和で、誘導ブリルアン散乱の閾値Pthを超えてしまう場合がある。このため、0.1nmの範囲内には、他の発振縦モードが存在しないことが望ましい。
【0059】
このような観点から、発振波長スペクトル30の半値幅Δλh内に含まれる発振縦モードの本数は、複数であることが望ましい。ところで、ラマン増幅では、増幅利得に偏波依存性があるため、信号光の偏波方向と励起光の偏波方向とのずれによる影響を小さくする必要がある。このための方法として、励起光を無偏光化(デポラライズ)する方法があり、具体的には、2台の半導体レーザ装置20からの出力光を方法のほか、デポラライザとして所定長の偏波面保持ファイバを用いて、1台の半導体レーザ装置20から出射されたレーザ光を、この偏波面保持ファイバに伝搬させる方法がある。無偏光化の方法として、後者の方法を使用する場合には、発振縦モードの本数が増大するに従ってレーザ光のコヒーレンシーが低くなるので、無偏光化に必要な偏波面保持ファイバの長さを短くすることができる。特に、発振縦モードが4,5本となると、急激に、必要な偏波面保持ファイバの長さが短くなる。従って、ラマン増幅器に使用するために半導体レーザ装置20から出射されるレーザ光を無偏光化する場合に、2台の半導体レーザ装置の出射光を偏波合成して利用しなくても、1台の半導体レーザ装置20の出射レーザ光を無偏光化して利用することが容易となるので、ラマン増幅器に使用される部品数の削減、小型化を促進することができる。
【0060】
ここで、発振波長スペクトル幅が広すぎると、波長合成カプラによる合波ロスが大きくなるとともに、発振波長スペクトル幅内における発振縦モードの動きによって、雑音や利得変動を発生させることになる。このため、発振波長スペクトル30の半値幅Δλhは、3nm以下、好ましくは2nm以下とする必要がある。
【0061】
さらに、従来の半導体レーザ装置では、図15に示したように、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジュールとしていたため、ファイバグレーティング233と光反射面222との間の共振によって相対強度雑音(RIN)が大きくなり、安定したラマン増幅を行うことができないが、この実施の形態1に示した半導体レーザ装置20では、ファイバグレーティング233を用いず、出射側反射膜15から出射したレーザ光をそのまま、ラマン増幅器の励起用光源として用いているため、相対強度雑音が小さくなり、その結果、ラマン利得の揺らぎが小さくなり、安定したラマン増幅を行わせることができる。
【0062】
また、図27に示した半導体レーザモジュールでは、半導体発光素子202の光反射面222と光出射面223とが形成する共振器構造によって増幅された微弱なレーザ光が出力され、本来、光反射面222とファイバグレーティング233とによって選択されるレーザ光に影響を与え、注入電流−光出力特性上にキンクを生じさせ、光出力を不安定なものにするという不具合があったが、この実施の形態1の半導体レーザ装置20では、ファイバグレーティング233を用いていないため、安定した光出力を得ることができる。この結果、ラマン増幅器の励起用光源として用いる場合に、安定したラマン増幅を行わせることができる。
【0063】
さらに、図27に示した半導体レーザモジュールでは、ファイバグレーティング233を有する光ファイバ203と半導体発光素子202とを光結合させる必要があるため、半導体レーザ装置の組立時における光軸合わせが必要となり、そのための時間と労力とがかかるが、この実施の形態1の半導体レーザ装置では、共振器ではなく、光出力のための光軸合わせであるため、その組立が容易となる。また、図27に示した半導体レーザモジュールでは、共振器内に機械的な結合を必要とするため、振動などによってレーザの発振特性が変化する場合が発生するが、この実施の形態1の半導体レーザ装置では、機械的な振動などによるレーザの発振特性の変化がなく、安定した光出力を得ることができる。
【0064】
この実施の形態1によれば、半導体レーザ装置20が回折格子13によって波長選択を行い、発振波長を1200〜1550μm帯とし、共振器長Lを800〜3200μm帯とすることによって、発振波長スペクトル30の半値幅Δλh内に複数の発振縦モード、好ましくは4本以上の発振縦モードをもつレーザ光を出力するようにしているので、ラマン増幅器の励起用光源として用いた場合に、誘導ブリルアン散乱を発生せずに、安定し、かつ高いラマン利得を得ることができる。
【0065】
また、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジュールのように、ファイバグレーティングをもつ光ファイバと半導体発光素子との光結合を共振器内において行わないので、組立が容易となり、機械的振動などによる不安定出力を回避することができる。
【0066】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、共振器長Lを長くすることによって、発振波長スペクトル30の半値幅Δλh内の縦モード数が複数となるようにしていたが、この実施の形態2では、回折格子13のグレーティング長LGあるいは結合係数を変化させることによって、発振波長スペクトル30の半値幅Δλhを変化させ、これによって半値幅Δλh内の縦モード数が相対的に複数となるようにしている。
【0067】
図6は、この発明の実施の形態2である半導体レーザ装置の概要構成を示す長手方向の縦断面図である。この半導体レーザ装置は、図1〜図3に示した半導体レーザ装置20の回折格子13に対応する回折格子43の構成が、半導体レーザ装置20と異なるとともに、出射側反射膜15の反射率が異なる。その他の構成は、半導体レーザ装置20と同じであり、同一構成部分には、同一符号を付している。
【0068】
回折格子43は、反射率0.1〜2%の低光反射率をもつ出射側反射膜15から反射率80%以上の高光反射率をもつ反射膜14側に向けて所定長LG1分、形成され、所定長LG1以外のp−InPスペーサ層4には、回折格子43が形成されない。
【0069】
また、図7は、この発明の実施の形態2の変形例である半導体レーザ装置の概要構成を示す長手方向の縦断面図である。この半導体レーザ装置は、図6に示した回折格子43に代えて、反射膜14側に設けた回折格子44を有するとともに、反射膜14の反射率を低光反射率としている。すなわち、回折格子44は、反射率0.1〜2%の低光反射率をもつ反射膜14から反射率1〜5%の低光反射率をもつ出射15側に向けて所定長LG2分、形成され、所定長LG2以外のp−InPスペーサ層4には、回折格子44が形成されない。
【0070】
さらに、図8は、この発明の実施の形態2の変形例である半導体レーザ装置の概要構成を示す長手方向の縦断面図である。この半導体レーザ装置は、図6に示した回折格子43および図7に示した回折格子44の構成を適用したものである。
【0071】
すなわち、この半導体レーザ装置は、反射率0.1〜2%の低光反射率をもつ出射側反射膜15から反射率0.1〜2%の低光反射率をもつ反射膜14側に向けて所定長LG3分、形成された回折格子45と、この反射膜14から出射側反射膜15側に向けて所定長LG4分、形成された回折格子46とを有する。
【0072】
図6〜図8に示した回折格子43〜46の所定長LG1〜LG4を変化させることによって、発振縦モードのモード間隔Δλが固定的であっても、図4に示した発振波長スペクトル30の半値幅Δλhを変化させることができる。
【0073】
すなわち、発振波長スペクトル30の半値幅Δλhを広くするためには、回折格子の長さを短くすることも有効である。このため、実施の形態1に示したように、回折格子を共振器(GRIN−SCH−MQW活性層3)の長さ全体に施すのではなく、この共振器の一部に形成するようにする。
【0074】
この場合、共振器に対する回折格子の位置によっては、位相発振条件がずれ、これによってレーザ発振特性が悪化するおそれがあるため、図6に示したように、回折格子43を、出射側反射膜15を起点として反射膜14方向に、共振器の途中まで延ばして形成する場合、出射側反射膜15として0.1〜2%の反射率をもつ低光反射コートを施し、反射膜14として80%以上の反射率をもつ高反射コートを施すようにする。また、図7に示したように、回折格子44を、反射膜14を起点として出射側反射膜15方向に、共振器の途中まで延ばして形成する場合、反射膜14として0.1〜2%の反射率をもつ低光反射コートを施し、出射側反射膜15として反射率1〜5%の反射率をもと低反射コートを施すようにする。さらに、図8に示したように、回折格子45,46をそれぞれ出射側反射膜15側および反射膜14側に形成する場合、出射側反射膜15および反射膜14として、ともに反射率0.1〜2%の低光反射コートを施す。
【0075】
また、図6に示したように、回折格子を出射側反射膜15側に形成する場合、回折格子43自体の反射率を低めに設定し、図7に示したように、回折格子を反射膜14側に形成する場合、回折格子44自体の反射率を高めに設定することが好ましい。また、図8に示したように、回折格子を出射側反射膜15側および反射膜14側の双方に形成する場合、回折格子45自体の反射率を低めに設定し、回折格子46自体の反射率を高めに設定する。これによって、回折格子43〜46による波長選択特性を満足させつつ、反射膜14および出射側反射膜15によるファブリペロー型共振器の影響を小さくすることができる。
【0076】
具体的に、図6に示した半導体レーザ装置では、発振波長λ0が1480nmであり、共振器長Lが1300μmであり、回折格子43のグレーティング長LG1が220μm、結合係数κLG(cm-1)とグレーティング長LG1との積κLG・LG1が0.093である。また、図7に示した半導体レーザ装置では、共振器長Lが1300μmであり、回折格子44のグレーティング長LG2が400μm、結合係数κLGとグレーティング長LG2との積κLG・LG2が2.97である。このような回折格子43,44を適用した場合、発振波長スペクトル30の半値幅Δλhは、1〜2nmとなり、半値幅Δλh内に3〜5本程度の発振縦モードを含ませることができる。
【0077】
ここで、図9は、複数の発振縦モードが出力されたスペクトル図であり、図9では、安定した3本の発振縦モードをもつレーザ光を出力している。なお、図9に示したスペクトルは、図6に示した半導体レーザ装置の構成に対応し、グレーティング長LG1=100μm、共振器長L=1300μm、回折格子の結合係数κLGとグレーティング長LG1との積κLG・LG1=0.11、出射側反射膜15の反射率が0.1%、反射膜14の反射率が97%、駆動電流Iop=700mAのときに、1480nm近傍において3本の発振縦モード出力で210mWの光出力を得、半値幅Δλhは、0.5〜0.6nmとなっている。この場合におけるファーフィールドパターン(FFP:Far Field Pattern)の半値幅(FWHM:Full Width Half Maximum)は、水平方向の半値幅が16〜18度であり、垂直方向の半値幅が21〜24度となる。
【0078】
さらに、図10は、図6に示した半導体レーザ装置の構成に対応し、グレーティング長LG1=30μm、共振器長L=1300μm、回折格子の結合係数κLG=20cm-1、結合係数κLGとグレーティング長LG1との積κLG・LG1=0.06のI−L(駆動電流Iopに対する光出力Po)特性を示す図である。図11に示されたI−L特性は、十数mAから1500mA程度まで、大きなキンクが発生しておらず、駆動電流Iopが1200mA近傍で約400mWの高出力かつ高効率動作を安定して行うことができることを示している。
【0079】
なお、図6〜図8では、回折格子43〜46を、出射側反射膜15側または反射膜14側、あるいは出射側反射膜15側および反射膜14側に設けたが、これに限らず、GRIN−SCH−MQW活性層3に沿い、共振器長Lに対して部分的な長さをもつ回折格子を形成するようにしてもよい。ただし、回折格子の反射率を考慮することが好ましい。
【0080】
この実施の形態2では、共振器長Lに対する回折格子の長さを部分的なものとし、この回折格子のグレーティング長LGおよび結合係数κLGを適切に変化させることによって、所望の発振波長スペクトル30の半値幅Δλhを得ることができ、この半値幅Δλh内に複数の発振縦モードをもったレーザ光を発振させることができ、実施の形態1と同様な作用効果をもった半導体レーザ装置を実現することができる。
【0081】
(実施の形態3)
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1では、回折格子13のグレーティング周期は一定であったが、この実施の形態3では、回折格子13のグレーティング周期を周期的に変化させたチャープドグレーティングを用い、これによって、回折格子の波長選択特性に揺らぎを発生させ、発振波長スペクトル30の半値幅Δλhを広げて、半値幅Δλh内の発振縦モード数が相対的に複数となるようにしている。すなわち、図11に示すように、半値幅Δλhを半値幅wcに広げて、半値幅wc内に含まれる発振縦モードの本数を増大するようにしている。
【0082】
図12は、この発明の実施の形態3である半導体レーザ装置の概要構成を示す長手方向の縦断面図である。この半導体レーザ装置では、図1〜図3に示した半導体レーザ装置20の回折格子13のグレーティング周期を周期的に変化させたチャープドグレーティングである回折格子47を有している。その他の構成は、半導体レーザ装置20と同じであり、同一構成部分には、同一符号を付している。
【0083】
図13は、回折格子47のグレーティング周期の周期的変化を示す図である。図13に示すように、この回折格子47は、平均周期が220nmであり、±0.02nmの周期揺らぎ(偏差)を周期Cで繰り返す構造を有している。この±0.02nmの周期揺らぎによって回折格子47の反射帯域は、約2nmの半値幅を有し、これによって、発振波長スペクトルの半値幅Δλh内に3〜6本程度の発振縦モードを持たせることができる。
【0084】
上述した実施の形態3では、共振器長Lに等しいチャープドグレーティングを形成するようにしていたが、これに限らず、実施の形態2に示したようにチャープドグレーティングの回折格子を、共振器長Lに対して部分的に配置するようにしてもよい。すなわち、上述した実施の形態3に示したチャープドグレーティングを実施の形態2に適用するようにしてもよい。
【0085】
また、上述した実施の形態3では、一定の周期Cでグレーティング周期を変化させるチャープドグレーティングとしたが、これに限らず、グレーティング周期を、周期Λ1(220nm+0.02nm)と周期Λ2(220nm−0.02nm)との間で、ランダムに変化させるようにしてもよい。
【0086】
さらに、図14(a)に示すように、周期Λ1周期Λ2とを1回ずつ交互に繰り返す回折格子として、周期揺らぎを持たせるようにしてもよい。また、図14(b)に示すように、周期Λ3と周期Λ4とをそれぞれ複数回、交互に繰り返す回折格子として、周期揺らぎを持たせるようにしてもよい。さらに、図14(c)に示すように、連続する複数回の周期Λ5と連続する複数回の周期Λ6とをもつ回折格子として、周期揺らぎを持たせるようにしてもよい。また、周期Λ1,Λ3,Λ5と周期Λ2,Λ4,Λ6との間の離散的な異なる値をもつ周期をそれぞれ補完して配置するようにしていもよい。
【0087】
この実施の形態3では、半導体レーザ装置に設けられる回折格子をチャープドグレーティングなどによって、平均周期に対して±0.01〜0.2nm程度の周期揺らぎをもたせ、これによって、反射帯域の半値幅を所望の値に設定し、最終的に発振波長スペクトルの半値幅Δλhを決定し、半値幅Δλh内に複数の発振縦モードが含まれるレーザ光を出力するようにし、実施の形態1あるいは実施の形態2と同様な作用効果をもった半導体レーザ装置を実現することができる。
【0088】
(実施の形態4)
つぎに、この発明の実施の形態4について説明する。この実施の形態4では、上述した実施の形態1〜3で示した半導体レーザ装置をモジュール化したものである。
【0089】
図15は、この発明の実施の形態4である半導体レーザモジュールの構成を示す縦断面図である。図15において、この半導体レーザモジュール50は、上述した実施の形態1〜3で示した半導体レーザ装置に対応する半導体レーザ装置51を有する。半導体レーザモジュール50の筐体として、Cu−W合金などによって形成されたパッケージ59の内部底面上に、温度制御装置としてのペルチェモジュール58が配置される。ペルチェモジュール58上にはベース57が配置され、このベース57上にはヒートシンク57aが配置される。ペルチェモジュール58には、図示しない電流が与えられ、その極性によって冷却および加熱を行うが、半導体レーザ装置51の温度上昇による発振波長ずれを防止するため、主として冷却器として機能する。すなわち、ペルチェモジュール58は、レーザ光が所望の波長に比して長い波長である場合には、冷却して低い温度に制御し、レーザ光が所望の波長に比して短い波長である場合には、加熱して高い温度に制御する。この温度制御は、具体的に、ヒートシンク57a上であって、半導体レーザ装置51の近傍に配置されたサーミスタ58aの検出値をもとに制御され、図示しない制御装置は、通常、ヒートシンク57aの温度が一定に保たれるようにペルチェモジュール58を制御する。また、図示しない制御装置は、半導体レーザ装置51の駆動電流を上昇させるに従って、ヒートシンク57aの温度が下がるようにペルチェモジュール58を制御する。このような温度制御を行うことによって、半導体レーザ装置51の波長安定性を向上させることができ、歩留まりの向上にも有効となる。なお、ヒートシンク57aは、たとえばダイヤモンドなどの高熱伝導率をもつ材質によって形成することが望ましい。これは、ヒートシンク57aがダイヤモンドで形成されると、高電流注入時の発熱が抑制されるからである。この場合、波長安定性がさらに向上し、しかも温度制御も容易になる。
【0090】
ベース57上には、半導体レーザ装置51およびサーミスタ58aを配置したヒートシンク57a、第1レンズ52、およびモニタフォトダイオード56が配置される。半導体レーザ装置51から出射されたレーザ光は、第1レンズ52、アイソレータ53、および第2レンズ54を介し、光ファイバ55上に導波される。第2レンズ54は、レーザ光の光軸上であって、パッケージ59上に設けられ、外部接続される光ファイバ55に光結合される。なお、モニタフォトダイオード56は、半導体レーザ装置51の反射膜側から漏れた光をモニタ検出する。
【0091】
ここで、この半導体レーザモジュール50では、他の光学部品などによる反射戻り光が共振器内に再入力しないように、半導体レーザ装置51と光ファイバ55との間にアイソレータ53を介在させている。このアイソレータ53には、ファイバグレーティングを用いた従来の半導体レーザモジュールと異なり、インライン式の偏波無依存型でなく、小型の偏波依存型アイソレータを用いることができるため、さらに低い相対強度雑音(RIN)を達成することができ、アイソレータによる挿入損失を小さくすることができる。
【0092】
さらに、この実施の形態4の半導体レーザモジュールによる温度制御の具体例について説明する。図16は、駆動電流Iopとサーミスタ58aの温度Tsとの関係を示す図である。図16において、直線L1は、駆動電流Iopの増減にかかわらず、サーミスタ58aが検出する温度Tsを一定の温度、たとえば25℃に制御する場合を示している。これに対し、この実施の形態では、GRIN−SCH−MQW活性層3の温度Tjが、常に一定となる(直線L2参照)サーミスタ58aの温度Tsの関係である制御関数FS1〜FS3、たとえば制御関数FS2を求め、駆動電流Iopの値を制御関数FS2に入力した場合の温度が、サーミスタ58aの温度Tsとなるように、ペルチェモジュール58を制御するようにしている。たとえば、制御関数FS2による温度制御を行うことによって、発振波長は波長λ2に一定となることから、発振波長のシフトに伴う発振波長のジャンプがなくなり、I−L特性上のキンクが減少し、発振波長の動的安定性が得られることになる。また、制御関数FS1,FS3に基づいた温度制御を行うことによって、それぞれ一定の発振波長λ1,λ3に波長制御することができる。
【0093】
図17は、制御関数FS1〜FS3に基づいた波長制御結果を示す図である。図17において、特性L3は、直線L1に基づいて温度制御を行った場合における発振波長λの変化を示しており、駆動電流Iopが100mA〜1200mAに増大するに従って発振波長λが長波長側にシフトし、約2nmシフトしている。これに対して、制御関数FS1〜FS3に基づいて温度制御を行った場合には、駆動電流Iopが100mA〜1200mAに増大しても、それぞれ一定の発振波長λ1〜λ3を維持している。たとえば、制御関数FS2に基づいた温度制御を行った場合における波長は、駆動電流Iopの増減にかかわらず、λ2±0.5nmの精度を維持し、ラマン増幅用光源として好適な安定した波長のレーザ光を出力することができる。なお、図16および図17に示した黒い四角印および黒い菱形印は、それぞれ実測値である。
【0094】
この実施の形態4では、実施の形態1〜3で示した半導体レーザ装置をモジュール化しているため、大型のアイソレータを用いることができ、挿入損失を小さくすることができ、低雑音化および部品点数の減少を促進することができる。
【0095】
(実施の形態5)
つぎに、この発明の実施の形態5について説明する。この実施の形態5では、上述した実施の形態4に示した半導体レーザモジュールをラマン増幅器に適用したものである。
【0096】
図18は、この発明の実施の形態5であるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。このラマン増幅器は、WDM通信システムに用いられる。図18において、このラマン増幅器は、上述した実施の形態4に示した半導体レーザモジュールと同一構成の半導体レーザモジュール60a〜60dを用い、図26に示した半導体レーザモジュール182a〜182dを、上述した半導体レーザモジュール60a〜60dに置き換えた構成となっている。
【0097】
各半導体レーザモジュール60a,60bは、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61aに出力し、各半導体レーザモジュール60c,60dは、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61bに出力する。ここで、半導体レーザモジュール60a,60bが発振するレーザ光は、同一波長である、また、半導体レーザモジュール60c,60dが発振するレーザ光は、同一波長であるが半導体レーザモジュール60a,60bが発振するレーザ光の波長とは異なる。これは、ラマン増幅が偏波依存性を有するためであり、偏波合成カプラ61a,61bによって偏波依存性が解消されたレーザ光として出力するようにしている。
【0098】
各偏波合成カプラ61a,61bから出力された異なる波長をもったレーザ光は、WDMカプラ62によって合成され、合成されたレーザ光は、WDMカプラ65を介してラマン増幅用の励起光として増幅用ファイバ64に出力される。この励起光が入力された増幅用ファイバ64には、増幅対象の信号光が入力され、ラマン増幅される。
【0099】
増幅用ファイバ64内においてラマン増幅された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ65およびアイソレータ66を介してモニタ光分配用カプラ67に入力される。モニタ光分配用カプラ67は、増幅信号光の一部を制御回路68に出力し、残りの増幅信号光を出力光として信号光出力ファイバ70に出力する。
【0100】
制御回路68は、入力された一部の増幅信号光をもとに各半導体レーザモジュール60a〜60dのレーザ出力状態、たとえば光強度を制御し、ラマン増幅の利得帯域が平坦な特性となるようにフィードバック制御する。
【0101】
この実施の形態5に示したラマン増幅器では、たとえば図26に示した半導体発光素子180aとファイバグレーティング181aとが偏波面保持ファイバ71aで結合された半導体レーザモジュール182aを用いず、実施の形態1〜3で示した半導体レーザ装置が内蔵された半導体レーザモジュール60aを用いるようにしているので、偏波面保持ファイバ71aの使用を削減することができる。なお、上述したように、各半導体レーザモジュール60a〜60dは、複数の発振縦モードを有しているため、偏波面保持ファイバ長を短くすることができる。この結果、ラマン増幅器の小型軽量化とコスト削減を実現することができる。
【0102】
なお、図18に示したラマン増幅器では、偏波合成カプラ61a,61bを用いているが、図19に示すように半導体レーザモジュール60a,60cから、それぞれ偏波面保持ファイバ71を介して直接WDMカプラ62に光出力するようにしてもよい。この場合、半導体レーザモジュール60a,60cの偏波面は、偏波面保持ファイバ71に対して45度となるように入射する。ここで、上述したように、各半導体レーザモジュール60a,60cは、複数の発振縦モードを有しているため、偏波面保持ファイバ長71を短くすることができる。これによって、偏波面保持ファイバ71から出力される光出力の偏波依存性をなくすことができ、一層、小型かつ部品点数の少ないラマン増幅器を実現することができる。
【0103】
また、半導体レーザモジュール60a〜60d内に内蔵される半導体レーザ装置として発振縦モード数が多い半導体レーザ装置を用いると、必要な偏波面保持ファイバ71の長さを短くすることができる。特に、発振縦モードが4,5本になると、急激に、必要な偏波面保持ファイバ71の長さが短くなるため、ラマン増幅器の簡素化と小型化を促進することができる。さらに、発振縦モードの本数が増大すると、コヒーレント長が短くなり、デポラライズによって偏光度(DOP:Degree Of Polarization)が小さくなり、偏波依存性をなくすことが可能となり、これによっても、ラマン増幅器の簡素化と小型化とを一層促進することができる。
【0104】
また、上述した実施の形態1〜3が有する作用効果をラマン増幅器に与えることができる。たとえば、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジュールに比して相対強度雑音(RIN)を低減することができるので、ラマン増幅の揺らぎを抑えることができ、安定したラマン増幅を行うことができる。たとえば、図20は、図6に示した半導体レーザ装置に対する駆動電流Iopが300mA以上のときに、周波数0.1〜15GHzの信号光を増幅した場合の相対強度雑音を示す雑音スペクトル図である。図20に示すように、相対強度雑音(RIN)は、−150dB/Hz以下であり、低雑音化が促進されたラマン増幅器を実現している。
【0105】
さらに、このラマン増幅器では、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジュールに比して光軸合わせが容易であり、共振器内に機械的な光結合がないため、この点からも、ラマン増幅の安定性、信頼性を高めることができる。
【0106】
さらに、上述した実施の形態1〜3の半導体レーザ装置では、複数の発振モードを有しているため、誘導ブリルアン散乱を発生させずに、高出力の励起光を発生することができるので、安定し、かつ高いラマン利得を得ることができる。
【0107】
また、図18および図19に示したラマン増幅器は、後方励起方式であるが、上述したように、半導体レーザモジュール60a〜60dが安定した励起光を出力するため、前方励起方式であっても、双方向励起方式であっても、安定したラマン増幅を行うことができる。
【0108】
たとえば、図21は、前方励起方式を採用したらラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図21に示したラマン増幅器は、図18に示したラマン増幅器にWDMカプラ65´をアイソレータ63の近傍に設けている。このWDMカプラ65´には、半導体レーザモジュール60a〜60d、偏波合成カプラ61a,61bおよびWDMカプラ62にそれぞれ対応した半導体レーザモジュール60a´〜60d´、偏波合成カプラ61a´,61b´およびWDMカプラ62´を有した回路が接続され、WDMカプラ62´から出力される励起光を信号光と同じ方向に出力する前方励起を行う。この場合、半導体レーザモジュール60a´〜60d´は、上述した実施の形態1〜4で用いられる半導体レーザ装置を用いているため、RINが小さく、前方励起を効果的に行うことができる。
【0109】
同様に、図22は、前方励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図22に示したラマン増幅器は、図19に示したラマン増幅器にWDMカプラ65´をアイソレータ63の近傍に設けている。このWDMカプラ65´には、半導体レーザモジュール60a,60cおよびWDMカプラ62にそれぞれ対応した半導体レーザモジュール60a´,60c´およびWDMカプラ62´を有した回路が接続され、WDMカプラ62´から出力される励起光を信号光と同じ方向に出力する前方励起を行う。この場合、半導体レーザモジュール60a´,60c´は、上述した実施の形態1〜4で用いられる半導体レーザ装置を用いているため、RINが小さく、前方励起を効果的に行うことができる。
【0110】
また、図23は、双方向励起方式を採用したらラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図23に示したラマン増幅器は、図18に示したラマン増幅器の構成に、図21に示したWDMカプラ65´、半導体レーザモジュール60a´〜60d´、偏波合成カプラ61a´,61b´およびWDMカプラ62´をさらに設け、後方励起と前方励起とを行う。この場合、半導体レーザモジュール60a´〜60d´は、上述した実施の形態1〜4で用いられる半導体レーザ装置を用いているため、RINが小さく、前方励起を効果的に行うことができる。
【0111】
同様に、図24は、双方向励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図24に示したラマン増幅器は、図19に示したラマン増幅器の構成に、図22に示したWDMカプラ65´、半導体レーザモジュール60a´,60c´およびWDMカプラ62´をさらに設け、後方励起と前方励起とを行う。この場合、半導体レーザモジュール60a´,60c´は、上述した実施の形態1〜4で用いられる半導体レーザ装置を用いているため、RINが小さく、前方励起を効果的に行うことができる。
【0112】
なお、上述した前方励起方式あるいは双方向励起方式における前方励起に用いられるラマン増幅用光源は、共振器長Lが800μm未満であってもよい。共振器長Lを800μm未満とすると、上述したように発振縦モードのモード間隔Δλが狭くなり、ラマン増幅用光源として用いる場合に発振縦モードの本数が少なくなり、大きな光出力を得ることができなくなるが、前方励起は後方励起に比較して低出力で済むため、必ずしも共振器長Lが800μm以上である必要はない。
【0113】
上述した図18,図19,図21〜図24に示したラマン増幅器は、上述したようにWDM通信システムに適用することができる。図25は、図18,図19,図21〜図24に示したラマン増幅器を適用したWDM通信システムの概要構成を示すブロック図である。
【0114】
図25において、複数の送信機Tx1〜Txnから送出された波長λ1〜λnの光信号は、光合波器80によって合波され、1つの光ファイバ85に集約される。この光ファイバ85の伝送路上には、図18,図19,図21〜図24に示したラマン増幅器に対応した複数のラマン増幅器81,83が距離に応じて配置され、減衰した光信号を増幅する。この光ファイバ85上を伝送した信号は、光分波器84によって、複数の波長λ1〜λnの光信号に分波され、複数の受信機Rx1〜Rxnに受信される。なお、光ファイバ85上には、任意の波長の光信号を付加し、取り出したりするADM(Add/Drop Multiplexer)が挿入される場合もある。
【0115】
なお、上述した実施の形態5では、実施の形態1〜3に示した半導体レーザ装置あるいは実施の形態4に示した半導体レーザモジュールを、ラマン増幅用の励起光源に用いる場合を示したが、これに限らず、たとえば、0.98μmなどのEDFA励起用光源として用いることができるのは明らかである。
【0116】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜と該レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形成された活性層の近傍に回折格子を設け、前記活性層が形成する共振器長と前記回折格子の波長選択特性とを含む発振パラメータの組み合わせ設定によって波長が安定化され、かつ発振波長スペクトルの半値幅内に2本以上、好ましくは3本以上の発振縦モードを含むレーザ光を出力するようにしているので、複数の発振縦モードの存在によって光出力ピーク値を抑えて、光出力パワーを増大させることができ、ラマン増幅器に用いた場合に、誘導ブリルアン散乱を抑えつつ、高いラマン増幅を行うことができるという効果を奏する。また、ファイバグレーティングを用いず、第1反射膜からの出射光をそのままラマン増幅器用の励起用光源として用いているため、従来のファイバグレーティングを用いた半導体レーザ装置に比して、相対強度雑音が低減され、ラマン増幅器に用いた場合に安定したラマン増幅を行うことができるという効果を奏する。
【0117】
また、共振器が物理的に分離されていないため、光軸合わせなどを行う必要がなく、組立が容易になるとともに、機械的振動などによってレーザの発振特性が変化しにくくなり、安定したレーザ光を信頼性高く出力することができ、ラマン増幅器に用いた場合に安定かつ信頼性の高いラマン増幅を行うことができるという効果を奏する。
【0118】
また、複数の発振縦モードの存在によって、デポラライズのために使用する偏波面保持ファイバ長を短くすることができるという効果を奏する。
【0119】
さらに、当該半導体レーザ装置内の回折格子によって波長ロックを行うようにしているので、出力されたレーザ光を導く光ファイバからの反射戻り光の入射を防ぐためのアイソレータの組み込みが容易になるという効果を奏する。
【0120】
また、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザ装置に生じる注入電流−光出力特性上のキンクの発生を抑えることができ、安定したレーザ光を出力することができるという効果を奏する。
【0121】
また、請求項2の発明によれば、発振波長を1200〜1550nmとしているので、光ファイバの伝送帯域に適した波長帯域の信号光のラマン増幅を行うことができるという効果を奏する。
【0122】
また、請求項3の発明によれば、前記発振波長スペクトルの半値幅を、3nm以下、好ましくは2nm以下としているので、ラマン増幅時の波長合成を効率的に行うことができるという効果を奏する。
【0123】
また、請求項4の発明によれば、前記活性層が形成する共振器長を、800μm以上とし、発振縦モードのモード間隔を短くすることによって、前記発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モード数を増大するようにしているので、発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モードの複数化を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0124】
また、請求項5の発明によれば、前記活性層が形成する共振器長を、3200μm以下とし、発振縦モードのモード間隔を0.1nm以上とし、ラマン増幅時における誘導ブリルアン散乱の影響を低減するようにしているので、安定したラマン利得を得ることができるという効果を奏する。
【0125】
また、請求項6の発明によれば、前記回折格子のグレーティング周期に所定の周期揺らぎを持たせ、これによって発振波長スペクトルの半値幅を広げるようにしているので、発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モード数の複数化を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0126】
また、請求項7の発明によれば、前記回折格子を、前記グレーティング周期をランダムまたは所定周期で変化させたグレーティングとし、これによって回折格子に周期揺らぎを発生させ、発振波長スペクトルの半値幅を広げるようにしているので、発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モード数の複数化を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0127】
また、請求項8の発明によれば、前記回折格子を、前記活性層に沿って、前記共振器長と同じ長さとしているので、当該半導体レーザ装置の製造を容易にすることができるという効果を奏する。
【0128】
また、請求項9の発明によれば、前記回折格子を、前記活性層に沿った一部に設けることによって、回折格子の長さを変化させ、これによって、発振波長スペクトルの半値幅を広げるようにしているので、発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モード数の複数化を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0129】
また、請求項10の発明によれば、前記回折格子を、レーザ光の前記第1反射膜近傍から前記第2反射膜側方向にあるいは前記第2反射膜近傍から前記第1反射膜側方向に、前記活性層に沿って一定長延びた部分回折格子とし、部分回折格子の長さによる該部分回折格子の反射帯域の半値幅を変化させることによって発振波長スペクトルの半値幅を変化し、該半値幅内に含まれる発振縦モード数の複数化を行うとともに、このときの反射率の高低に対応して第1反射膜側あるいは第1反射膜側に部分回折格子を設けるようにしているので、発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モードの複数化を適切に行うことができるという効果を奏する。
【0130】
また、請求項11の発明によれば、前記発振パラメータに、前記回折格子の結合係数を含めるようにし、該回折格子の結合係数を変化させることによって、発振波長スペクトルの半値幅を変化させ、該半値幅内に含まれる発振縦モード数の複数化を行うようにしているので、発振波長スペクトルの半値幅内に含まれる発振縦モード数の複数化を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0131】
また、請求項12の発明によれば、ファイバグレーティングを用いない半導体レーザ装置を用いて該半導体レーザ装置の共振器が物理的に分離されていないため、光軸合わせなどを行う必要がなく、半導体レーザモジュールの組立が容易になるとともに、機械的振動などによってレーザの発振特性が変化しにくくなり、安定したレーザ光を信頼性高く、かつ安定して出力することができる半導体レーザモジュールを実現することができるという効果を奏する。
【0132】
また、請求項13の発明によれば、ファイバグレーティングを用いない半導体レーザ装置を用いているため、インライン式のファイバ型と異なり、大型のアイソレータを使用することができ、挿入損失の小さい半導体レーザモジュールを実現することができるという効果を奏する。
【0133】
また、請求項14の発明によれば、請求項1〜11に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項12または13に記載の半導体レーザモジュールを広帯域ラマン増幅用の励起光源として用い、上述した各半導体レーザ装置あるいは各半導体レーザモジュールの作用効果を奏するようにし、安定かつ信頼性の高いラマン増幅を行うことができるという効果を奏する。
【0134】
また、請求項15の発明によれば、請求項1〜11に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項12または13に記載の半導体レーザモジュールを、広帯域ラマン増幅用の励起光源であって、前方励起用光源あるいは双方向励起方式における前方励起用光源として用い、上述した各半導体レーザ装置あるいは各半導体レーザモジュールの作用効果、特にRINが低いという作用効果を有効利用し、安定かつ信頼性の高いラマン増幅を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1である半導体レーザ装置を斜めからみた破断図である。
【図2】図1に示した半導体レーザ装置の概要構成を示す長手方向の縦断面図である。
【図3】図1に示した半導体レーザ装置のA−A線断面図である。
【図4】図1に示した半導体レーザ装置の発振波長スペクトルと発振縦モードとの関係を示す図である。
【図5】単一発振縦モードと複数発振縦モードとのレーザ光出力パワーの関係および誘導ブリルアン散乱の閾値を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2である半導体レーザ装置の概要構成を示す長手方向の縦断面図である。
【図7】この発明の実施の形態2の第1変形例である半導体レーザ装置の概要構成を示す長手方向の縦断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2の第2変形例である半導体レーザ装置の概要構成を示す長手方向の縦断面図である。
【図9】図6に示した半導体レーザ装置に対応する半導体レーザ装置の発振波長スペクトルの計測結果を示す図である。
【図10】図6に示した半導体レーザ装置に対応する半導体レーザ装置のI−L特性を示す図である。
【図11】回折格子にチャープドグレーティングを適用した場合における発振波長スペクトルを示す図である。
【図12】この発明の実施の形態3である半導体レーザ装置の概要構成を示す長手方向の縦断面図である。
【図13】図12に示した回折格子の周期揺らぎを示す図である。
【図14】この発明の実施の形態3における回折格子の周期揺らぎを実現する変形例を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態4である半導体レーザモジュールの構成を示す縦断面図である。
【図16】温度制御に用いられる制御関数の一例を示す図である。
【図17】図16に示した制御関数を用いた場合における発振波長の駆動電流依存性を示す図である。
【図18】この発明の実施の形態5であるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図19】図18に示したラマン増幅器の応用例を示すブロック図である。
【図20】駆動電流300mAを加えた場合における周波数0.1〜15GHzの相対強度雑音の雑音スペクトルを示す図である。
【図21】図18に示したラマン増幅器の変形例であって、前方励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図22】図21に示したラマン増幅器の応用例を示すブロック図である。
【図23】図18に示したラマン増幅器の変形例であって、双方向励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図24】図23に示したラマン増幅器の応用例を示すブロック図である。
【図25】図18,図19,図21〜図24に示したラマン増幅器を用いたWDM通信システムの概要構成を示すブロック図である。
【図26】従来のラマン増幅器の概要構成を示すブロック図である。
【図27】図26に示したラマン増幅器に用いた半導体レーザモジュールの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 n−InP基板
2 n−InPバッファ層
3 GRIN−SCH−MQW活性層
4 p−InPスペーサ層
6 p−InPクラッド層
7 InGaAsPコンタクト層
8 p−InPブロッキング層
9 n−InPブロッキング層
10 p側電極
11 n側電極
13,43〜47 回折格子
14 反射膜
15 出射側反射膜
20,51 半導体レーザ装置
30 発振波長スペクトル
31〜33 発振縦モード
50,60a〜60d,60a´〜60d´ 半導体レーザモジュール
52 第1レンズ
53,63,66 アイソレータ
54 第2レンズ
55 光ファイバ
56 モニタフォトダイオード
57 ベース
57a ヒートシンク
58 ペルチェモジュール
58a サーミスタ
59 パッケージ
61a,61b,61a´,61b´ 偏波合成カプラ
62,65,62´,65´ WDMカプラ
64 増幅用ファイバ
67 モニタ光分配用カプラ
68 制御回路
69 信号光入力ファイバ
70 信号光出力ファイバ
71 偏波面保持ファイバ
81,83 ラマン増幅器
LG グレーティング長
κLG 結合係数
Pth 閾値

Claims (12)

  1. レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜と該レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形成された活性層に沿った一部に回折格子を設け、
    前記活性層が形成する共振器長は800μm以上であり、該共振器長と前記回折格子の波長選択特性とを含む発振パラメータの組み合わせ設定によって発振縦モードのピークの包絡線として定義される発振波長スペクトルの半値幅内に前記共振器の発振縦モード間隔だけ離れて隣接する2本以上の発振縦モードを含むことにより、誘導ブリルアン散乱を低減できるレーザ光を出力することを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 発振波長が1200〜1550nmであることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記発振波長スペクトルの半値幅は、3nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記活性層が形成する共振器長は、3200μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記回折格子は、グレーティング周期に所定の周期揺らぎを持たせたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記回折格子は、前記グレーティング周期をランダムまたは所定周期で変化させたグレーティングであることを特徴とする請求項5に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記回折格子は、レーザ光の前記第1反射膜近傍から前記第2反射膜側方向にあるいは前記第2反射膜近傍から前記第1反射膜側方向に、前記活性層に沿って一定長延びた部分回折格子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記発振パラメータは、前記回折格子の結合係数を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
  9. 請求項1〜8に記載の半導体レーザ装置と、
    前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバと、
    前記半導体レーザ装置と前記光ファイバと光結合を行う光結合レンズ系と、
    を備えたことを特徴とする半導体レーザモジュール。
  10. 前記半導体レーザ装置の温度を制御する温度制御装置と、
    前記光結合レンズ系内に配置され、光ファイバ側からの反射戻り光の入射を抑制するアイソレータと、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の半導体レーザモジュール。
  11. 請求項1〜8に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項9または10に記載の半導体レーザモジュールを広帯域ラマン増幅用の励起光源として用いたことを特徴とするラマン増幅器。
  12. 請求項1〜8に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項9または10に記載の半導体レーザモジュールは、広帯域ラマン増幅用の励起光源であって、前方励起用光源あるいは双方向励起方式における前方励起用光源として用いられることを特徴とするラマン増幅器。
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