JP4234353B2 - 半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器 - Google Patents

半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、誘導ブリルアン散乱(SBS:Stimulated Brillouin Scattering)の影響を抑制し、かつ相対強度雑音(RIN:Relative Intensity Noise)が低減されたレーザ光を出力することができる半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のインターネットの急速な普及や企業内のLAN間接続の急増等によって、データトラヒックの増加が問題となっており、通信パフォーマンスの低下を防止するためにも、高密度波長分割多重(DWDM:Dense-Wavelength Division Multiplexing)伝送システムがめざましい発展を遂げ普及している。
【0003】
DWDM伝送システムでは、複数の光信号をそれぞれ異なる波長に乗せることにより1本のファイバで従来の100倍にも及ぶ大容量伝送を実現している。特に既存のDWDM伝送システムは、エルビウム添加ファイバアンプ(以下、EDFA)を用いることで、広帯域・長距離伝送を可能としている。ここで、EDFAは、エルビウムという元素を添加した特殊な光ファイバに波長1480nm、あるいは波長980nmの励起レーザで通光した際に、伝送信号である波長1550nm帯の光が上記特殊ファイバの中で増幅されるという原理を応用した光ファイバ増幅装置である。
【0004】
一方で、EDFAは、光信号を励起する部分が集中している集中型光アンプであって、雑音の累積につながる伝送路光ファイバの損失や、信号の歪みや雑音の原因となる非線形性を受けるという制限があった。さらに、EDFAは、エルビウムのバンドギャップエネルギーによって定まる波長帯での光増幅を可能とするものであり、さらなる多重化を実現するための広帯域化が困難であった。
【0005】
そこで、EDFAに代わる光ファイバ増幅装置として、ラマン増幅器が注目されている。ラマン増幅器は、EDFAのようにエルビウム添加ファイバといった特殊なファイバを必要とせずに、通常の伝送路ファイバを利得媒体とする分布型光アンプであるため、従来のEDFAをベースとしたDWDM伝送システムに比べ広帯域で平坦な利得を有する伝送帯域を実現することができるという特徴を有している。
【0006】
図26は、DWDM伝送システムに用いられる従来のラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図26において、ファブリペロー型の半導体レーザ素子180a〜180dとファイバグレーティング181a〜181dとをそれぞれ対にして備えた半導体レーザモジュール182a〜182dは、励起光のもとになるレーザ光を偏波合成カプラ161a,161bに出力する。なお、各半導体レーザモジュール182a,182bが出力するレーザ光の波長は同じであるが、偏波合成カプラ161aによって各レーザ光の偏波面を90°異ならせている。同様にして、各半導体レーザモジュール182c,182dが出力するレーザ光の波長は同じであるが、偏波合成カプラ161bによって各レーザ光の偏波面を90°異ならせている。偏波合成カプラ161a,161bは、それぞれ偏波合成したレーザ光をWDMカプラ162に出力する。なお、偏波合成カプラ161a,161bから出力されるレーザ光の波長は異なる。
【0007】
WDMカプラ162は、偏波合成カプラ161a,161bから出力されたレーザ光を合波する。WDMカプラ162から出力されたレーザ光は、アイソレータ160およびWDMカプラ165を介し、励起光として増幅用ファイバ164に入射される。増幅用ファイバ164には、信号光入力ファイバ169からアイソレータ163を介して入力された増幅対象の信号光が通光されるが、その際に、上記した励起光と合波されてラマン増幅される。
【0008】
増幅用ファイバ164内においてラマン増幅された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ165およびアイソレータ166を介してモニタ光分配用カプラ167に入力される。モニタ光分配用カプラ167は、増幅信号光の一部を制御回路168に出力し、残りの増幅信号光を出力光として信号光出力ファイバ170に出力する。
【0009】
制御回路168は、入力された一部の増幅信号光をもとに各半導体レーザ素子180a〜180dの発光状態、たとえば光強度を制御し、ラマン増幅の利得帯域が平坦な特性となるようにフィードバック制御する。
【0010】
このようにラマン増幅においては、増幅信号光と励起光の偏波方向が一致している状態で信号光が増幅されるので、増幅信号光と励起光との偏光面のずれの影響を極力小さくする必要があり、このため、偏波合成カプラ161a,161bによる偏波合成によって励起光の偏波を解消(非偏光化:デポラライズ)して、偏光度(DOP:Degree Of Polarization)を低減させることがおこなわれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した半導体レーザモジュール182a〜182dにおいて、半導体レーザ素子180a〜180dから出射されたレーザ光は、ファイバグレーティング180a〜180dからの反射光が戻り光として半導体レーザ素子180a〜180dに入射され、相対強度雑音(RIN:Relative Intensity Noise)を増大させる要因となっている。
【0012】
特に、ラマン増幅では、増幅の生じる過程が早く起こるため、励起光強度が揺らいでいると、ラマン利得も揺らぐことになり、このラマン利得の揺らぎがそのまま増幅された信号強度の揺らぎとして出力されてしまい、安定したラマン増幅を行わせることができないという問題点があった。
【0013】
ところで、ラマン増幅器としては、図26に示したラマン増幅器のように信号光に対して後方から励起する後方励起方式のほかに、信号光に対して前方から励起する前方励起方式および双方向から励起する双方向励起方式がある。現在、ラマン増幅器として多用されているのは、後方励起方式である。その理由は、弱い信号光が強い励起光とともに同方向に進行する前方励起方式では、励起光強度のゆらぎが信号光に移りやすく、また、4光波混合などの非線形効果が起こりやすく、さらに、励起光の偏光依存性が現われやすいという問題があるからである。よって、前方励起方式で用いられる励起光源190(半導体レーザモジュール182a〜182d、偏波合成カプラ161a,161bおよびWDMカプラ162からなる構成)は、その励起光強度を大きくすることができず、後方励起方式で用いられる励起光源の励起光強度と比較して小さな励起光強度で稼動させる必要があった。ところが、励起光強度を小さくするために、半導体レーザ素子180a〜180dの駆動電流が小さくなりすぎると、RINの低周波側に緩和振動の影響が現われ、RINを増加させるという問題がある。したがって、前方励起方式にも適用できる安定した励起光源の出現が要望されている。
【0014】
一方、励起光源190を構成する半導体レーザモジュールの高出力化にともなって、新たな問題が生じている。励起光源190から出射された励起光は光ファイバ中を伝送増幅用光ファイバに入射するが、一定の閾値よりも高い強度を有する光が光ファイバに入射した場合、誘導ブリルアン散乱が発生する。誘導ブリルアン散乱は、入射した光が音響波(フォノン)と交互作用することによって散乱(反射)が生ずる非線形光学現象である。フォノンのエネルギー相当を失うことにより、約11GHz低い周波数の光が入射光と逆方向に反射される現象として観測される。
【0015】
ラマン増幅を用いた光ファイバ増幅を用いた光ファイバ増幅器では、上述のように励起光の誘導ブリルアン散乱が発生する際には、入射した励起光の一部は、後方に反射されてしまい、ラマン利得生成に寄与しなくなる。また、この散乱光が意図しない雑音を生成する可能性がある。この励起光強度の低下は、励起光の伝送距離が短い場合はそれほど問題とはならない。しかし、上述のリモートポンプを用いた光ファイバ増幅器においては、励起光源から増幅用光ファイバに到達するまでに励起光の長距離伝送が必要であるため、光強度の低下を無視することはできない。リモートポンプを用いた光ファイバ増幅器の場合、通常の光ファイバ中における光損失よりも高い割合で励起光の強度が低下することとなるため、増幅用光ファイバにおいて、増幅利得が低下するという問題が生じる。
【0016】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、RINが低減され、かつ誘導ブリルアン散乱の発生を抑制することができる高出力の半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、1以上の発振縦モードを有したレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子の外部に設けられ、前記半導体レーザ素子が発するレーザ光の発振波長帯を含む反射波長帯の光の一部を反射して該レーザ光を出射する反射器と、前記半導体レーザ素子と前記反射器との間に設けられ、前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を透過させるとともに、前記反射器の反射端からの反射戻り光の光量を所定値に設定制御する戻り光コントローラとを備えたことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、反射器が、半導体レーザ素子の外部に設けられ、前記半導体レーザ素子が発するレーザ光の発振波長帯を含む反射波長帯の光の一部を反射して該レーザ光を出射し、戻り光コントローラが、前記半導体レーザ素子と前記反射器との間に設けられ、前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を透過させるとともに、前記反射器の反射端からの反射戻り光の光量を所定値に設定制御し、反射戻り光によるコヒーレント破壊を生じさせて半導体レーザ素子が出射する各発振縦モードのスペクトル線幅を広げて誘導ブリルアン散乱の閾値を相対的に高めるとともに、反射戻り光が適切な光量であるため、RINが低減される。
【0019】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記戻り光コントローラは、前記半導体レーザ素子から入射された光量に対する前記反射戻り光の光量を−10〜−40dBに減衰させる設定制御を行うことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、前記戻り光コントローラが、前記半導体レーザ素子から入射された光量に対する前記反射戻り光の光量を−10〜−40dBに減衰させる設定制御を行うようにし、具体的に適切な反射戻り光に設定し、誘導ブリルアン散乱を抑制するとともに、RINを低減させる。
【0021】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記戻り光コントローラは、ファラデー回転子と、前記ファラデー回転子の前記半導体レーザ素子側に設けられた偏光板と、前記ファラデー回転子の周囲に設けられ、該ファラデー回転子に磁気力を加えて該ファラデー回転子の回転角を変化させる磁気印加手段と、前記磁気印加手段は、磁気力を変化させて前記ファラデー回転角を調整する調整手段とを備え、前記調整手段の調整によって前記反射戻り光の光量を調整することを特徴とする。
【0022】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記ファラデー回転子の温度を調整する温度調整手段をさらに備え、前記温度調整手段によるファラデー回転角を変化させることによって前記反射戻り光の光量を調整することを特徴とする。
【0023】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記戻り光コントローラは、光ファイバに対する応力付加によって光ファイバの部分的屈折率変化を生起させて入射する前記反射戻り光の偏波面を調整する偏波面コントローラであり、前記偏波面コントローラによる偏波面調整によって前記反射戻り光の光量を調整することを特徴とする。
【0024】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記戻り光コントローラは、光アイソレータであり、前記光アイソレータは、前記半導体レーザ素子の発振波長に対して当該光アイソレータの透過中心波長をシフトさせ、前記反射戻り光の光量を調整することを特徴とする。
【0025】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、1以上の発振縦モードを有したレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子の外部に設けられ、前記半導体レーザ素子が出射するレーザ光の発振波長帯を含む反射波長帯の光の一部を反射して該レーザ光を出射する反射器とを備え、前記反射器の反射率は、前記半導体レーザ素子から入射された光量に対する前記反射器からの反射戻り光の光量を−10〜−40dBに減衰させる範囲の反射率であることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、反射器が、半導体レーザ素子の外部に設けられ、前記半導体レーザ素子が出射するレーザ光の発振波長帯を含む反射波長帯の光の一部を反射して該レーザ光を出射し、前記反射器の反射率を、前記半導体レーザ素子から入射された光量に対する前記反射器からの反射戻り光の光量を−10〜−40dBに減衰させる範囲の反射率に設定し、簡易な構成で、誘導ブリルアン散乱を抑制し、かつRINを低減させるようにしている。
【0027】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、1以上の発振縦モードを有したレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子の外部に設けられ、前記半導体レーザ素子が出射するレーザ光の発振波長帯を含む反射波長帯の光の一部を反射して該レーザ光を出射する複数の反射器とを備え、各反射器の反射率は、前記半導体レーザ素子から出射された光量に対する各反射器からの反射戻り光の総光量が−10〜−40dBとなるように各反射器の反射率が設定されることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、複数の反射器が、半導体レーザ素子の外部に設けられ、前記半導体レーザ素子が出射するレーザ光の発振波長帯を含む反射波長帯の光の一部を反射して該レーザ光を出射し、各反射器の反射率が、前記半導体レーザ素子から出射された光量に対する各反射器からの反射戻り光の総光量が−10〜−40dBとなるように各反射器の反射率が設定され、誘導ブリルアン散乱を抑制し、特にRINを低減できるようにしている。
【0029】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、各反射器の反射率は、ほぼ同じであることを特徴とする。
【0030】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記反射器は、ファイバーブラックグレーティングであることを特徴とする。
【0031】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記反射器は、前記反射波長帯の光の一部を反射する反射膜を有し、双方向に光をコリメートする対向コリメータであることを特徴とする。
【0032】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ素子は、少なくとも当該半導体レーザ素子の内部の一部に発振波長を選択する回折格子を備えたことを特徴とする。
【0033】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、1以上の発振縦モードを有したレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子の外部に設けられ、前記半導体レーザ素子が発するレーザ光の発振波長帯を含む反射波長帯の戻り光の光量を−10〜−40dBに設定した反射膜を有し、前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を外部の光ファイバに導く入力端子とを備えたことを特徴とする。
【0034】
この発明によれば、入力端子の入力端面に反射膜を形成するのみという簡易な構成で、誘導ブリルアン散乱を抑制でき、かつRINが低減されたレーザ光を出力することができる。
【0035】
また、この発明にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ素子は、レンズドファイバで結合されたことを特徴とする。
【0036】
また、この発明にかかる光ファイバ増幅器は、上記の発明のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュールと、増幅用光ファイバと、前記半導体レーザモジュールから出力された励起光と前記増幅用光ファイバ内を伝搬する信号光とを合波するためのカプラとを備えたことを特徴とする。
【0037】
この発明によれば、上記の発明のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュールを光ファイバ増幅器用の励起光源として用いているので、誘導ブリルアン散乱を抑制し、かつRINが低減されているので、高い増幅利得を得ることができる。
【0038】
また、この発明にかかる光ファイバ増幅器は、上記の発明において、前記増幅用光ファイバは、ラマン増幅によって信号光を増幅することを特徴とする。
【0039】
また、この発明にかかる光ファイバ増幅器は、上記の発明において、前記増幅用光ファイバは、エルビウム添加ファイバであり、前記半導体レーザモジュールと前記増幅用光ファイバとは遠隔に配置されることを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明にかかる半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器の好適な実施の形態について説明する。
【0041】
(実施の形態1)
まず、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1にかかる半導体レーザモジュールの構成を示す図である。図1において、この半導体レーザモジュールは、活性層11に沿った一部領域に設けられた回折格子13を有する半導体レーザ素子1(特願2000−323118参照)を有し、半導体レーザ素子1から出力されたレーザ光は、反射量調整器2を介して光ファイバ3に接続される。半導体レーザ素子1は、回折格子13によって選択された複数の発振縦モードのレーザ光を出力する。
【0042】
光ファイバ3は、半導体レーザ素子1側に設けられた入力端子12から入射された光の一部を反射戻り光として半導体レーザ素子1側に反射するとともに、残りの光を、出力端子14を介して出力する反射器4を有する。この光ファイバ3は、偏波面保持ファイバである。この反射器4は、ファイバブラッググレーティング(FBG:Fiber Bragg Grating)によって実現される。FBGは、光ファイバのコア部分の屈折率を進行方向に沿って周期的に変化させることによって、特定の波長の光だけを反射させるフィルタである。ただし、図2に示すように、このFBGの波長選択性L4は、回折格子13が選択する波長帯域を含み、波長選択性L4に比して広い帯域の波長選択性L13を有する。なお、入力端子12は、レンズドファイバによって光結合され、光結合部が球状である先球光ファイバに限らず、光結合部がくさび型であるくさび型光ファイバを用いてもよいし、入射面が斜めに研磨された光ファイバを用いてもよい。また、ファイバブラッググレーティングである反射器4の反射率は、1%程度である。
【0043】
反射量調整器2は、半導体レーザ素子1から出射された光を透過させて光ファイバ3側に出力し、光ファイバ3から反射された反射戻り光の光量が、半導体レーザ素子1からの入射光の光量に対して−10dB〜―40dBの反射量となる所定値に減衰させる調整を行う。換言すれば、光アイソレータにおける反射を積極的に利用して調整しようとするものである。なお、反射量(dB)は、
反射量(dB)=10log10(反射戻り光の光強度(mW)
/入射光の光強度(mW))
で定義される。
【0044】
図3は、図1に示した反射量調整器2の詳細構成を示す図である。図3において、この反射量調整器2は、ファラデー回転子を用いた反射量調整器である。通常の光アイソレータでは、ファラデー回転子24の両端に偏光板が設けられ、入射光を45°回転し、反射光をさらに45°回転し、結果的に反射光を90°回転し、反射光の偏波面を入射光の偏波面に直交するようにし、反射光が入射側に戻らないようにしている。これに対し、図3に示した反射量調整器2では、反射光が入射される側の偏光板が除かれる。
【0045】
反射量調整器2は、ファラデー回転子24の入射側に偏光板23を設け、入射光L11に一致した偏波面をもつレーザ光がファラデー回転子24に入射される。ファラデー回転子24は、その周囲に巻かれたコイル25によって磁界が加えられ、ファラデー回転角が45°でなく、任意の角度θに設定される。偏波面が角度θに回転された出射光L12は、反射器4からの反射戻り光を反射光L13としてファラデー回転子24に入力され、さらに角度θ回転される。この結果、図4に示すように、ファラデー回転子24から出射された反射光L13は、反射光13aとして角度2θ分偏波面が回転されて偏光板23に入射される。偏光板23は、入射光L11と同じ偏波面成分を透過させ、反射光L13を所定値に減衰させることができる。すなわち、ファラデー回転子24に加えられる磁界を調整してファラデー回転角を設定することによって反射量を−10〜−40dBの所定値に減衰させることができる。
【0046】
ここで、半導体レーザ素子1から出力された複数の発振縦モードを有するレーザ光は、反射量調整器2を透過し、光ファイバ3内に入射する。光ファイバ3内に入射したレーザ光は、反射器4によって約1%のレーザ光が反射され、残りのレーザ光は出力端子14を介して出射される。反射したレーザ光は、反射量調整器2に入力されて反射量が−10〜−40dBの範囲内の所定値に減衰され、半導体レーザ素子1内に入射する。
【0047】
この場合、半導体レーザ素子1では、外部すなわち反射量調整器2側からの反射戻り光があると、半導体レーザ素子1内部で発生した各発振縦モードの位相と反射戻り光の位相との位相アライメントが不安定になり、各発振縦モードの線幅が広がるコヒーレンス破壊という現象が生じる(文献「Regimes of Feedback Effect in 1.5-μm Distributed feedback Lasers」著R.W.TKACH,A.R.CHRAPPLYVY (JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY,VOL.LT-4 No.11 NOVEMBER 1986 pp1655-1661)参照)。
【0048】
一方、図1に示した半導体レーザ素子1は、複数の発振縦モードを形成するため、単一縦モードのレーザ光を用いた場合に比して、レーザ出力のピーク値を抑えて、高いレーザ出力値を得ることができる。たとえば、図1に示した半導体レーザ素子1は、図5(b)に示すプロファイルを有し、低いピーク値で高レーザ出力を得ることができる。これに対し、図5(a)は、同じレーザ出力を得る場合の単一縦モード発振の半導体レーザ装置のプロファイルであり、高いピーク値を有している。
【0049】
ここで、半導体レーザ素子1をラマン増幅器の励起用光源として用いる場合、ラマン利得を大きくするために励起光出力パワーを増大することが好ましいが、そのピーク値が高いと、誘導ブリルアン散乱が発生し、雑音が増加するという不具合が発生する。誘導ブリルアン散乱の発生は、誘導ブリルアン散乱が発生する閾値Pthを有し、同じレーザ出力パワーを得る場合、図4(b)に示すように、複数の発振縦モードを持たせ、そのピーク値を抑えることによって、誘導ブリルアン散乱の閾値Pth内で、高い励起光出力パワーを得ることができ、その結果、高いラマン利得を得ることが可能となる。
【0050】
したがって、複数の発振縦モードを有する場合、上述したコヒーレント破壊によって、図5(c)に示すように、各発振縦モードのスペクトル線幅が広がり、さらにピーク値が抑えられ、誘導ブリルアン散乱の閾値Pthをさらに相対的に高め、誘導ブリルアン散乱の発生を確実に抑えることができる。
【0051】
ここで、反射量調整器2が入射光に対して反射光の反射量を−10〜−40dBに設定するのは、この範囲でコヒーレント破壊が生じるとともに、この範囲内で、反射量の値を大きくすると、各発振モードのスペクトル線幅は広がり、ピーク値は低くなり、誘導ブリルアン散乱の発生の抑圧を確実に行うことができるようになるが、反射量の値を大きくすると、逆にRINが悪くなるからである。
【0052】
したがって、反射量調整器2による反射量を−10〜−40dBに設定することによって、誘導ブリルアン散乱の発生の抑制とRINの低減とをともに達成することができる。
【0053】
ここで、図1に示した半導体レーザ素子1の具体的な構成について説明する。図6は、図1に示した半導体レーザ素子1の長手方向の縦断面図である。また、図7は、図6に示した半導体レーザ素子1のA−A線断面図である。図6および図7において、この半導体レーザ素子1は、n−InP基板41の(100)面上に、順次、n−InPによるバッファ層と下部クラッド層とを兼ねたn−InPクラッド層32、圧縮歪みをもつGRIN−SCH−MQW(Graded Index-Separate Confinement Heterostructure Multi Quantum Well)構造の活性層11、p−InPスペーサ層34、p−InPクラッド層36、およびInGaAsPコンタクト層37が積層された構造を有する。
【0054】
p−InPスペーサ層34内には、膜厚20nmを有し、出射側の低反射膜45から反射側の高反射膜44側に向けて長さLg=50μm、結合係数κ=25cm-1(κL=0.125)の回折格子13が設けられ、この回折格子13は、ピッチ約220nmで周期的に形成され、中心波長1.48μmのレーザ光を波長選択する。この回折格子13を含むp−InPスペーサ層34、圧縮歪みをもつGRIN−SCH−MQW構造の活性層11、およびn−InPバッファ層32の上部は、メサストライプ状に加工され、メサストライプの長手方向の両側には、電流ブロッキング層として形成されたp−InPブロッキング層39bとn−InPブロッキング層39aとによって埋め込まれている。この電流ブロッキング層は、GRIN−SCH−MQW構造の活性層11への効率的な電流注入を実現するだけでなく、安定した水平単一横モードを実現するのに有効な構造である。
【0055】
InGaAsPコンタクト層37の上面であって、低反射膜45から高反射膜44に向けて60μmまでには、絶縁膜38が形成される。なお、この絶縁膜38は、SiNによって形成される。絶縁膜38は、良熱伝導性であることが好ましく、その他、AlN、Al23、MgO、TiO2などによって構成してもよい。また、絶縁膜38は、絶縁膜38の下方のメサストライプ構造に電流が注入されないようにすれば良いため、メサストライプ構造の幅を越える幅をもつストライプ形状としてもよい。
【0056】
絶縁膜38の上面、および絶縁膜38によって覆われる以外領域のp−InGaAsPコンタクト層37の上面には、p側電極40が形成される。なお、p側電極40には、図示しないボンディングパッドが形成されることが望ましい。このボンディングパッドの厚さは、5μm程度の厚さとすることが望ましく、たとえば半導体レーザ装置をジャンクションダウン方式で組み立てる場合、このボンディングパッドは、この厚さによって組立時の衝撃を和らげる緩衝材として機能し、さらにこの厚さによってヒートシンクとの接合時における半田の回り込みが防止され、この半田の回り込みによる短絡を防止することができる。一方、n−InP基板31の裏面には、n側電極41が形成される。これらp側電極40およびn側電極41が半導体ウェハ上に形成された各半導体レーザ素子は、劈開によって分離される。
【0057】
その後、半導体レーザ素子1の長手方向の一端面である光反射端面には、反射率80%以上、好ましくは98%以上の高光反射率をもつ高反射膜44が形成され、他端面である光出射端面には、反射率が2%以下、好ましくは0.1%以下の低光反射率をもつ低反射膜45が形成される。高反射膜44と低反射膜45とによって形成された光共振器のGRIN−SCH−MQW構造の活性層11内に発生した光は、高反射膜44によって反射し、低反射膜45を介し、レーザ光として出射されるが、この際、回折格子13によって波長選択されて出射される。
【0058】
この半導体レーザ素子1は、ラマン増幅器の励起用光源として用いられることを前提とし、その発振波長λ0は、1100nm〜1550nmであり、共振器長Lは、800μm以上3200μm以下としている。ところで、一般に、半導体レーザ素子の共振器によって発生する縦モードのモード間隔Δλは、実効屈折率を「n」とすると、次式で表すことができる。すなわち、
Δλ=λ02/(2・n・L)
である。ここで、発振波長λ0を1480μmとし、実効屈折率を3.5とすると、共振器長Lが800μmのとき、縦モードのモード間隔Δλは、約0.39nmとなり、共振器長が3200μmのとき、縦モードのモード間隔Δλは、約0.1nmとなる。すなわち、共振器長Lを長くすればするほど、縦モードのモード間隔Δλは狭くなり、単一縦モードのレーザ光を発振するための選択条件が厳しくなる。
【0059】
一方、回折格子13は、そのブラッグ波長によって縦モードを選択する。この回折格子13による選択波長特性は、図8に示す発振波長スペクトル50として表される。
【0060】
この半導体レーザ素子1は、回折格子13を内蔵し、発振波長スペクトル50の半値幅Δλhで示される波長選択特性内に、発振縦モードを複数存在させるようにしている。従来のDBR(Distributed Bragg Reflector)半導体レーザ素子あるいはDFB(Distributed Feedback)半導体レーザ素子では、共振器長Lを800μm以上とすると、単一縦モード発振が困難であったため、かかる共振器長Lを有した半導体レーザ素子は用いられなかった。しかしながら、この半導体レーザ素子1では、共振器長Lを積極的に800μm以上とすることによって、発振波長スペクトルの半値幅Δλh内に複数の発振縦モードを含ませてレーザ出力するようにしている。図8では、発振波長スペクトルの半値幅Δλh内に3つの発振縦モード51〜53を有している。これによって、上述したように、高出力であって誘導ブリルアン散乱を抑制できる半導体レーザ素子1を実現している。
【0061】
また、発振縦モード51〜53の波長間隔(モード間隔)Δλは、0.1nm以上としている。これは、半導体レーザ素子1をラマン増幅器の励起用光源として用いる場合、モード間隔Δλが0.1nm以下であると、誘導ブリルアン散乱が発生する可能性が高くなるからである。この結果、上述したモード間隔Δλの式によって、上述した共振器長Lが3200μm以下であることが好ましいことになる。
【0062】
なお、発振波長スペクトル幅が広すぎると、波長合成カプラによる合波ロスが大きくなるとともに、発振波長スペクトル幅内における波長の動きによって、雑音や利得変動を発生させることになる。このため、発振波長スペクトル50の半値幅Δλhは、3nm以下、好ましくは2nm以下とする必要がある。
【0063】
ところで、回折格子13の上部であって、InGaAsPコンタクト層37とp側電極40との間に、低反射膜45から高反射膜44に向けて長さLi=60μmの絶縁膜38が形成されている。このため、p側電極40からn側電極41に向けて加えられる注入電流は、絶縁膜38によって覆われない領域の下方である電流注入領域E2を流れ、絶縁膜38によって覆われた下方である非電流注入領域E1への流入が抑制される。
【0064】
電流注入領域E2の活性層11は、注入電流によって発光する一方、非電流注入領域E1のG活性層11は、電流注入領域E2の活性層11からの光によって、フォトンリサイクルを行うため、注入電流がなくても、レーザ光を低反射膜45側に透過出力するバッファアンプとして機能し、レーザ光を減衰させることはない。
【0065】
特に、非電流注入領域E1の活性層11では、電流注入領域E2の活性層11からの光のエネルギーが活性層11のバンドギャップエネルギーにほぼ等しいため、電流が注入されなくても、入力された光のエネルギーを吸収し、誘導放出と自然放出とを繰り返す過飽和吸収領域として機能し、フォトンライフタイムが低減される。その結果、各発振縦モードのスペクトル線幅が広がり、一層、各発振縦モードのピーク値が低減され、誘導ブリルアン散乱の発生を抑制することができる。
【0066】
なお、半導体レーザ素子1は、回折格子13が中心波長に対して揺らぎを持つ波長選択性によって、複数本の発振縦モードを出力するが、回折格子13に対して積極的に揺らぎをもたせ、発振縦モードの数を増やすこともできる。
【0067】
図9は、回折格子13のグレーティング周期の周期的変化を示す図である。この回折格子13は、グレーティング周期を周期的に変化させたチャープドグレーティングとしている。図9では、この回折格子13の波長選択性に揺らぎを発生させ、発振波長スペクトルの半値幅Δλhを広げ、半値幅Δλh内の発振縦モードの本数を増大するようにしている。
【0068】
図9に示すように、回折格子13は、平均周期が220nmであり、±0.02nmの周期揺らぎ(偏差)を周期Cで繰り返す構造を有している。この±0.02nmの周期揺らぎによって、発振波長スペクトルの半値幅Δλh内に3〜6本程度の発振縦モードをもたせることができる。
【0069】
たとえば、図10は、異なる周期Λ1,Λ2の回折格子を有する半導体レーザ素子の発振波長スペクトルを示す図である。図10において、周期Λ1の回折格子は、波長λ1の発振波長スペクトルを形成し、この発振波長スペクトル内に3本の発振縦モードを選択する。一方、周期Λ2の回折格子は、波長λ2の発振波長スペクトルを形成し、この発振波長スペクトル内に3本の発振縦モードを選択する。したがって、周期Λ1,Λ2の回折格子による複合発振波長スペクトル55は、この複合発振波長スペクトル55内に4〜5本の発振縦モードが含まれることになる。この結果、単一の発振波長スペクトルを形成するときに比べ、一層多くの発振縦モードを容易に選択出力することができ、光出力の増大をもたらすことができる。
【0070】
なお、回折格子13の構成としては、一定の周期Cでグレーティング周期を変化させるチャープドグレーティングに限らず、グレーティング周期を、周期Λ1(220nm+0.02nm)と周期Λ2(220nm−0.02nm)との間でランダムに変化させるようにしてもよい。
【0071】
さらに、図11(a)に示すように、周期Λ1と周期Λ2とを一回ずつ交互に繰り返す回折格子として、周期揺らぎを持たせるようにしてもよい。また、図11(b)に示すように、周期Λ1と周期Λ2とをそれぞれ複数回、交互に繰り返す回折格子として、周期揺らぎを持たせるようにしてもよい。さらに、図11(c)に示すように、連続する複数回の周期Λ1と連続する複数回の周期Λ2とをもつ回折格子として、周期揺らぎを持たせるようにしてもよい。また、周期Λ1と周期Λ2との間の離散的な異なる値をもつ周期を補完して配置するようにしてもよい。
【0072】
ところで、上述した半導体レーザモジュールに用いられた半導体レーザ素子1は、内部に回折格子13を有し、この回折格子13の波長選択性によって所望の複数の発振縦モードを形成し、反射器4のファイバブラッググレーティングは、半導体レーザ素子1の発振波長を決定するものではなく、単に入力されたレーザ光の約1%を反射する機能を有するに過ぎなかったが、このファイバブラッググレーティングに発振縦モードの波長選択性を持たせるようにしてもよい。
【0073】
図12は、この発明の実施の形態1である半導体レーザモジュールの変形例の構成を示す図である。図12において、図1に示した半導体レーザ素子1に代えて回折格子13を内蔵しないファブリペロー型の半導体レーザ素子61を設けるとともに、図1に示した反射器4に代えて反射器64を設けている。その他の構成は図1に示した構成と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0074】
反射器64は、ファイバブラッググレーティングであるが、この選択波長は、図2に示した波長選択性L13と同じ特性を有し、回折格子13と同じ波長選択を行う。さらに、この反射器64は、反射器4と同様に、約1%程度の反射率を有している。すなわち、反射器64は、反射器4と回折格子13との機能を併せ持つことになる。このような構成によっても、反射量調整器2は、半導体レーザ素子61への反射量を−10〜−40dBの反射量に調整し、誘導ブリルアン散乱の抑制とRINの低減とをともに満足させるようにしている。
【0075】
なお、上述した実施の形態1に示した反射量調整器2は、コイル25が印加する磁気を変化させることによって反射量を調整していたが、ファラデー回転角は、温度依存性を有するため、さらにファラデー回転子24の温度を変化させ、反射量を調整するようにしてもよい。
【0076】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、ファイバブラッググレーティングを用いて半導体レーザ素子1から出射されたレーザ光の一部を半導体レーザ素子1側に反射していたが、この実施の形態2では、対向コリメータを用いて半導体レーザ素子1から出射されたレーザ光の一部を半導体レーザ素子1側に反射するようにしている。
【0077】
図13は、この発明の実施の形態2である半導体レーザモジュールの構成を示す図である。図13において、この半導体レーザモジュールでは、反射器4に代えて対向コリメータ70を設け、反射量調整器2から入力される半導体レーザ素子1からのレーザ光の一部を半導体レーザ素子1側に反射するようにしている。この反射率は、反射器4と同じであり、約1%程度である。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0078】
対向コリメータ70は、入力端子12から入力された光を、光ファイバ73aを介して導波し、フェルール71aを介してコリメータレンズ74aによってコリメートする。コリメートされた光は、コリメートレンズ74bによってフェルール74bの一端に集光され、光ファイバ73bを介して出力端子14に導波される。ここで、フェルール71aの一端には反射膜72が設けられ、この反射膜72がフェルール71aに到達した光の一部を半導体レーザ素子1側に、反射戻り光として反射する。したがって、反射器72の反射率は約1%程度である。なお、この反射率は、少なくとも回折格子13の波長選択する帯域を含むのは反射器4と同じである。
【0079】
なお、図13に示した構成では、フェルール71aの一端に反射膜72を設けて約1%程度の反射光を得ているが、図14に示すように反射膜72を設けず、フェルール71aの一端を平坦な端面とし、光ファイバから空気中に出射する際に生じる4%程度のフレネル反射光を用いるようにしてもよい。この場合、反射量調整器2がフレネル反射光の光量を調整して半導体レーザ素子1に戻すことになる。
【0080】
この実施の形態2では、対向コリメータ70を用いて半導体レーザ素子1から出射されたレーザ光の一部を反射し、この反射されたレーザ光を反射量調整器2によって反射量を−10〜−40dBに設定しているので、実施の形態1と同様に、誘導ブリルアン散乱を抑制できるとともにRINを低減することができる。
【0081】
(実施の形態3)
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1,2では、いずれも図3に示したファイラデー回転子24を用いた反射量調整器2を用いていたが、この実施の形態3では、インライン式の反射量調整器である偏波面コントローラを用いている。
【0082】
図15は、この発明の実施の形態3である半導体レーザモジュールの構成を示す図である。図15において、この半導体レーザモジュールは、図1に示した反射量調整器2として偏波面コントローラ82を用いている。また、偏波面コントローラが調整する光ファイバ3は、シングルモードファイバである。また、偏波面コントローラ82の半導体レーザ素子1側であって、半導体レーザ素子1との間には偏光板81が設けられる。この偏光板81は、半導体レーザ素子1から出射されるレーザ光が100%透過するように偏向方向が設定されている。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0083】
偏波面コントローラ82としては、たとえばGeneral Photonics社の「Pola RITE」(R)を用いることができる。この偏波面コントローラ82は、光ファイバ3を挟み、その中央部において、回転可能押圧体83が上部体83aと下部体83bとによって挟み込み、上部体83a側に設けられた押圧ノブ84を該押圧ノブ84の軸周りに回転することによって矢印1Aに押圧され、光ファイバ3に応力が加わる。この応力分布によって偏波分離度が設定され、図16に示す角度εが決定される。また、押圧ノブ84を光軸周り、すなわち矢印84方向に回転することよって、図16に示した偏波面角度θが設定される。このような角度εと偏波面角度θとの組み合わせ設定によって、偏光板81の透過偏波面に対する偏波面への反射戻り光強度が決定される。すなわち、光ファイバ3への押圧と回転とによって反射戻り光の反射量を可変することができ、反射量を−10〜−40dB内の所定値に設定することができる。この結果、実施の形態1,2と同様に誘導ブリルアン散乱を抑制でき、かつRINを低減することができる。
【0084】
なお、上述した実施の形態3では、偏光板81を設けるようにしているが、偏光板81を設けない構成としてもよい。半導体レーザ素子1は、半導体レーザ素子1から出射されたレーザ光の偏波面と異なる偏波面をもつレーザ光が反射光として入射しても発振に影響がないからである。もちろん、偏光板81を設けることによって出射したレーザ光と同一の偏波面をもつ反射光を調整できるので好ましい。
【0085】
(実施の形態4)
つぎに、この発明の実施の形態4について説明する。上述した実施の形態1〜3では、いずれも反射量調整器2を用いて最終的な減衰量に調整していたが、この実施の形態4では、反射器4自体が、−10〜−40dBの反射量をもつようにしている。
【0086】
図17は、この発明の実施の形態4である半導体レーザモジュールの構成を示す図である。図17において、この半導体レーザモジュールでは、図1に示した反射器4に代えて反射器4aを設け、反射量調整器2を削除した構成にしている。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0087】
反射器4aは、半導体レーザ素子1から入力されたレーザ光の一部を反射し、残りのレーザ光を出力端子14に出力するが、入力されたレーザ光の光強度に対する反射戻り光の光強度が−10〜−40dBの範囲内の所望の値に設定されている。この実施の形態4では、反射量調整器2が不要となり、簡易な構成によって、誘導ブリルアン散乱を抑制できるとともに、RINを低減することができる。
【0088】
(実施の形態5)
つぎに、この発明の実施の形態5について説明する。上述した実施の形態1〜4では、半導体レーザ素子1から出射された光を1つの反射点たとえば反射器4の位置によって反射するようにしていたが、この実施の形態5では、複数の反射点を設けてRINを周波数的に分散するようにしている。
【0089】
図18は、この発明の実施の形態5である半導体レーザモジュールの構成を示す図である。図18において、この半導体レーザモジュールは、光ファイバ3に対応する光ファイバ93に、反射器4にそれぞれ対応する複数の反射器94−1〜94−nを分散配置している。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。ただし、同じ反射量を半導体レーザ素子1に戻す場合、各反射器94−1〜94−nの反射量は反射器4の反射量に比して小さく設定され、各反射器94−1〜94−nの全減衰量が反射量に相当することになる。
【0090】
たとえば、反射量を−40dBに設定したい場合、同じ反射率を有する10個のファイバブラッググレーティングである反射器94−1〜94−10を光ファイバ93上に分散配置する。この場合各反射器94−1〜94−10は、反射率0.01%に設定すればよい。反射率0.01%は反射量が−50dBであり、10個の反射器94−1〜94−10の反射量を加算すると全反射量は−40dBとなる。また、ここで、同じ0.01%の反射率を有する100個の反射器94−1〜94−100を光ファイバ93上に分散配置すると、全反射量はあ−30dBに設定される。さらに、反射率が0.1%である10個の反射器94−1〜94−10を光ファイバ93上に分散配置すると、全反射量は−30dBに設定される。
【0091】
この場合、すべて同じ反射率であったとしても、次段の反射器は反射された光を除いた光が入射されるため、各反射器の反射戻り光は異なることになるが、反射率が小さいため、透過する光はほぼ同じであるとして設定できる。しかも、すべて同じ反射率を有する反射器を製造することは、異なる反射器を製造することに比較して容易である。もちろん、厳密に反射率を設定することが好ましいが、この場合、半導体レーザ素子1から遠ざかるに従って順次反射率を大きくし、各反射器の反射量が同じになるように設定する。
【0092】
ここで、各反射器94−1〜94−nと半導体レーザ素子1との間では、それぞれRINの共振周波数が異なり、全体的なRINが周波数的に分散されることになる。図19は、RINの周波数分散を模式的に示した図である。図19に示すように、一つの反射器を設けた場合のRINのスペクトルS1は、複数の反射器を設けた場合のRINのスペクトルS2に分散され、各スペクトルS2の強度は分散されて小さくなる。この場合、反射器94−1〜94−nの数、すなわち分割数が多い方が、RINのピーク値は低減する。これによって、RINを一層低減することができる。このことは、反射戻り光の光量を大きくすることができ、コヒーレンス破壊の程度をさらに大きくすることができ、一層誘導ブリルアン散乱の閾値を相対的に高める結果にもなる。
【0093】
(実施の形態6)
つぎに、この発明の実施の形態6について説明する。この実施の形態6では、既存の光アイソレータを反射調整器として積極的に用いるものである。
【0094】
図20は、この発明の実施の形態6である半導体レーザモジュールの構成を示す図である。図20において、この半導体レーザモジュールは、図1に示した反射量調整器2として光アイソレータ102を用いている。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0095】
光アイソレータ102が理想的な光アイソレータの場合、反射量はゼロとなるが、半導体レーザ素子1の発振波長と、光アイソレータ102が有する透過率の中心波長とをずらすことによって、理想的なアイソレータの特性が劣化し、反射が発生する。光アイソレータ102はこの波長ずれによる劣化特性を積極的に利用し、反射量を−10〜−40dBの範囲内の所定値に設定しようとするものである。これによっても、誘導ブリルアン散乱を抑制できるとともに、RINを低減することができる。
【0096】
なお、上述した実施の形態1〜6では、半導体レーザ素子1が複数の発振縦モードを有する、いわゆるマルチモード発振するものであったが、これに限らず、シングルモード発振する半導体レーザ素子を有した半導体レーザモジュールにも適用することができる。この場合においても、誘導ブリルアン散乱を抑制でき、かつRINを低減させることができる。
【0097】
(実施の形態7)
つぎに、この発明の実施の形態7について説明する。上述した実施の形態1〜6では、反射器4,4a,94−1〜94−n,64を用いて半導体レーザ素子1から出射されたレーザ光の一部を反射させるようにしていたが、この実施の形態7では、出射されたレーザ光を光ファイバに入射させるフェルールの入射端面を用いて反射させるようにしている。
【0098】
図21は、この発明の実施の形態7である半導体レーザモジュールの構成を示す図である。図21において、この半導体レーザモジュールでは、図1に示すような反射器4を設けず、半導体レーザ素子1から出射されたレーザ光を光ファイバ13に導くフェルール112の端面に低反射膜112aを設け、この低反射膜112aによって約1%程度の反射光が戻るように設定している。反射量調整器2は、上述した実施の形態1〜6と同様に半導体レーザ素子1とフェルール112との間に設けられ、半導体レーザ素子1への戻り光が−10〜−40dBとなるように調整する。
【0099】
なお、図22に示すように、反射量調整器2を設けず、フェルール122の入射端面に設けられた低反射膜122aの反射量が−10〜−40dBとなるように設定してもよい。これによって、固定的ではあるが一層、簡易な構成とすることができる。特に、半導体レーザ素子1が設置される筐体内に配置することが可能となる。
【0100】
この実施の形態7では、フェルールの入射端面に低反射膜112a,122aを設けて反射量を設定しているので、実施の形態1と同様に、誘導ブリルアン散乱を抑制できるとともにRINを低減することができる。
【0101】
(実施の形態8)
つぎに、この発明の実施の形態8について説明する。この実施の形態8は、上述した実施の形態1〜7に示した半導体レーザモジュールをラマン増幅器の励起光源として用いている。
【0102】
図23は、前方励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図5において、このラマン増幅器は、アイソレータ163の近傍に設けられたWDMカプラ165’には、実施の形態1〜6に示した半導体レーザモジュールに対応した半導体レーザモジュール100a’〜100d’、偏波合成カプラ161a’,161b’およびWDMカプラ162’が順次接続され、WDMカプラ162’から出力される励起光を、信号光と同じ方向に出力する前方励起を行う。この場合、半導体レーザモジュール100a’〜100d’は、上述した実施の形態1〜6に示した半導体レーザモジュールを用いているため、誘導ブリルアン散乱の発生を抑制しない光出力であって、RINが小さいため、前方励起を効果的に行うことができる。
【0103】
また、図24は、双方向励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。なお、図23に示した構成と同じ構成部分には同一符号を付している。図24において、このラマン増幅器は、図23に示したラマン増幅器の構成に、WDMカプラ162、実施の形態1〜6に示した半導体レーザモジュールまたは従来の半導体レーザモジュールに対応する半導体レーザモジュール100a〜100dおよび偏波合成カプラ161a,161bをさらに設け、後方励起と前方励起とを行う。
【0104】
各半導体レーザモジュール100a,100bは、レーザ光を偏波合成カプラ161aに出力し、各半導体レーザモジュール100c,100dは、レーザ光を偏波合成カプラ161bに出力する。ここで、半導体レーザモジュール100a,100bが発振するレーザ光は、同一波長である、また、半導体レーザモジュール100c,100dが発振するレーザ光は、同一波長であるが半導体レーザモジュール100a,100bが発振するレーザ光の波長とは異なる。これは、ラマン増幅が偏波依存性を有するためであり、偏波合成カプラ161a,161bによって偏波依存性が解消されたレーザ光として出力するようにしている。
【0105】
各偏波合成カプラ161a,161bから出力された異なる波長をもったレーザ光は、WDMカプラ162によって合成され、合成されたレーザ光は、WDMカプラ165を介してラマン増幅用の励起光として増幅用ファイバ164に出力される。この励起光が入力された増幅用ファイバ164には、増幅対象の信号光が入力され、ラマン増幅される。
【0106】
この双方向励起方式の場合にも、前方励起用の半導体レーザモジュール100a’〜100d’として、上述した実施の形態1〜6に示した半導体レーザモジュールを用いていることから、誘導ブリルアン散乱を抑制でき、RINが小さいため、前方励起を効果的に行うことができる。
【0107】
この実施の形態8では、実施の形態1〜7に示した半導体レーザモジュールを用いて励起光源を構成することで、誘導ブリルアン散乱を抑制でき、かつRINの小さい前方励起を含んだラマン増幅を効果的に実現することができる。
【0108】
この図23あるいは図24に示したラマン増幅器は、上述したようにWDM通信システムに適用することができる。図25は、図23あるいは図24に示したラマン増幅器を適用したWDM通信システムの概要構成を示すブロック図である。
【0109】
図25において、複数の送信機Tx1〜Txnから送出された波長λ1〜λnの光信号は、光合波器280によって合波され、1つの光ファイバ285に集約される。この光ファイバ285の伝送路上には、図23あるいは図24に示したラマン増幅器に対応した複数のラマン増幅器281,283が距離に応じて配置され、減衰した光信号を増幅する。この光ファイバ285上を伝送した信号は、光分波器284によって、複数の波長λ1〜λnの光信号に分波され、複数の受信機Rx1〜Rxnに受信される。なお、光ファイバ285上には、任意の波長の光信号を付加し、取り出したりするADM(Add/Drop Multiplexer)が挿入される場合もある。
【0110】
なお、上述した実施の形態8では、実施の形態1〜7に示した半導体レーザモジュールを、ラマン増幅用の励起光源に用いる場合を示したが、これに限らず、たとえば、0.98μmなどのEDFA励起用光源として用いることができる。特に、励起光のEDFまでの伝送距離が数kmから数十kmとなるようなリモートポンプEDFAにおいては、実施の形態1〜6に示した半導体レーザモジュールを用いることによって、伝送中の誘導ブリルアン散乱やRINに起因した増幅利得の低下を効果的に抑制することができる。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ファイバブラッググレーティングや対向コリメータなどを用いて実現される反射器が、半導体レーザ素子の外部に設けられ、前記半導体レーザ素子が発するレーザ光の発振波長帯を含む反射波長帯の光の一部を反射して該レーザ光を出射し、ファラデー回転子や対向コリメータあるいは光アイソレータなどによって実現される戻り光コントローラが、前記半導体レーザ素子と前記反射器との間に設けられ、前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を透過させるとともに、前記反射器の反射端からの反射戻り光の光量を所定値に設定制御し、反射戻り光によるコヒーレント破壊を生じさせて半導体レーザ素子が出射する各発振縦モードのスペクトル線幅を広げて誘導ブリルアン散乱の閾値を相対的に高めるとともに、反射戻り光が適切な光量であるため、RINが低減され、光ファイバ増幅器の増幅効率を高めることができるという効果を奏する。
【0112】
また、この発明によれば、反射器が、半導体レーザ素子の外部に設けられ、前記半導体レーザ素子が出射するレーザ光の発振波長帯を含む反射波長帯の光の一部を反射して該レーザ光を出射し、前記反射器の反射率を、前記半導体レーザ素子から入射された光量に対する前記反射器からの反射戻り光の光量を−10〜−40dBに減衰させる範囲の反射率に設定し、簡易な構成で、誘導ブリルアン散乱を抑制し、かつRINを低減させ、増幅効率の高い光ファイバ増幅器を実現することができるという効果を奏する。
【0113】
また、この発明によれば、複数の反射器が、半導体レーザ素子の外部に設けられ、前記半導体レーザ素子が出射するレーザ光の発振波長帯を含む反射波長帯の光の一部を反射して該レーザ光を出射し、各反射器の反射率が、前記半導体レーザ素子から出射された光量に対する各反射器からの反射戻り光の総光量が−10〜−40dBとなるように各反射器の反射率が設定され、誘導ブリルアン散乱を抑制し、特にRINを一層低減できるという効果を奏する。
【0114】
また、この発明によれば、戻り光コントローラを設けずとも、入力端子の反射膜によって−10〜−40dBの戻り光を得るようにしているので、簡易な構成で、誘導ブリルアン散乱を抑制し、RINを低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる半導体レーザモジュールの構成を示す図である。
【図2】図1に示した回折格子と反射器の波長選択特性を示す図である。
【図3】図1に示した反射量調整器の詳細構成を示す図である。
【図4】偏光板に入射する入射光と反射戻り光との偏波面を説明する図である。
【図5】発振縦モードの本数の増大とコヒーレント崩壊とによって誘導ブリルアン散乱の閾値が相対的に高まることを説明する図である。
【図6】図1に示した半導体レーザ素子の詳細構成を示す縦断面図である。
【図7】図6に示した半導体レーザ装置のA−A線断面図である。
【図8】図1に示した半導体レーザ素子が出力する複数の発振縦モードを示すスペクトル図である。
【図9】回折格子の周期的変化を示す図である。
【図10】複合発振波長スペクトルを示す図である。
【図11】複数の発振縦モードを選択するための回折格子の変形例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態1である半導体レーザモジュールの変形例を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態2である半導体レーザモジュールの構成を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態2である半導体レーザモジュールの変形例の構成を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態3である半導体レーザモジュールの構成を示す図である。
【図16】図15に示した偏波面コントローラの調整による偏向と偏波面との関係を示す図である。
【図17】この発明の実施の形態4である半導体レーザモジュールの構成を示す図である。
【図18】この発明の実施の形態5である半導体レーザモジュールの構成を示す図である。
【図19】図18に示した半導体レーザモジュールの構成によるRINの周波数依存性を示す図である。
【図20】この発明の実施の形態6である半導体レーザモジュールの構成を示す図である。
【図21】この発明の実施の形態7である半導体レーザモジュールの構成を示す図である。
【図22】この発明の実施の形態7である半導体レーザモジュールの変形例の構成を示す図である。
【図23】この発明の実施の形態8であるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図24】この発明の実施の形態8であるラマン増幅器の変形例の構成を示すブロック図である。
【図25】この発明の実施の形態8であるラマン増幅器を用いた通信システムの構成を示すブロック図である。
【図26】従来のラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,61 半導体レーザ素子
2 反射量調整器
3,93 光ファイバ
4,4a,94−1〜94−n,64 反射器
11 活性層
12 入力端子
13 回折格子
14 出力端子
23 偏向板
24 ファラデー回転子
25 コイル
31 n−InP基板
32 n−InPバッファ層
33 GRIN−SCH−MQW活性層
34 p−InPスペーサ層
36 p−InPクラッド層
37 InGaAsPコンタクト層
38 絶縁膜
39a n−InPブロッキング層
39b p−InPブロッキング層
40 p側電極
41 n側電極
43 回折格子
44 高反射膜
45 低反射膜
50 発振波長スペクトル
51〜53 発振縦モード
55 複合発振波長スペクトル
70 対向コリメータ
71a,71b フェルール
72 反射膜
73a,73b 光ファイバ
74a,74b コリメータレンズ
82 偏波面コントローラ
83 回転可能押圧体
102 光アイソレータ
112a,122a 低反射膜
161a,161b 偏波合成カプラ
162,165 WDMカプラ
163 アイソレータ
164 増幅用ファイバ
167 モニタ光分配用カプラ
168 制御回路
169,170 信号光出力ファイバ
100,100a,100b,100c,100d,100a’,100b’,100c’,100d’,182,182a,182b,182c,182d
半導体レーザモジュール
181a,181b,181c,181d ファイバグレーティング
E1 非電流注入領域
E2 電流注入領域

Claims (13)

  1. 1以上の発振縦モードを有したレーザ光を出射する半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子の外部に設けられ、前記半導体レーザ素子が発するレーザ光の発振波長帯を含む反射波長帯の光の一部を反射して該レーザ光を出射する反射器と、
    前記半導体レーザ素子と前記反射器との間に設けられ、前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を透過させるとともに、前記反射器の反射端からの反射戻り光の光量を所定値に設定制御する戻り光コントローラと、
    を備えたことを特徴とする半導体レーザモジュール。
  2. 前記戻り光コントローラは、
    前記半導体レーザ素子から入射された光量に対する前記反射戻り光の光量を−10〜−40dBに減衰させる設定制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュール。
  3. 前記戻り光コントローラは、
    ファラデー回転子と、
    前記ファラデー回転子の前記半導体レーザ素子側に設けられた偏光板と、
    前記ファイラデー回転子の周囲に設けられ、該ファラデー回転子に磁気力を加えて該ファラデー回転子の回転角を変化させる磁気印加手段と、
    前記磁気印加手段は、磁気力を変化させて前記ファラデー回転角を調整する調整手段と、
    を備え、前記調整手段の調整によって前記反射戻り光の光量を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザモジュール。
  4. 前記ファラデー回転子の温度を調整する温度調整手段をさらに備え、
    前記温度調整手段によるファラデー回転角を変化させることによって前記反射戻り光の光量を調整することを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザモジュール。
  5. 前記戻り光コントローラは、
    光ファイバに対する応力付加によって光ファイバの部分的屈折率変化を生起させて入射する前記反射戻り光の偏波面を調整する偏波面コントローラであり、
    前記偏波面コントローラによる偏波面調整によって前記反射戻り光の光量を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザモジュール。
  6. 前記戻り光コントローラは、
    光アイソレータであり、
    前記光アイソレータは、前記半導体レーザ素子の発振波長に対して当該光アイソレータの透過中心波長をシフトさせ、前記反射戻り光の光量を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザモジュール。
  7. 前記半導体レーザ素子は、活性層に沿った一部領域に回折格子を有し、前記1以上の発振縦モードの発振波長を選択することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
  8. 前記反射器は、ファイバーブラックグレーティングであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
  9. 前記反射器は、前記反射波長帯の光の一部を反射する反射膜を有し、双方向に光をコリメートする対向コリメータであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
  10. 前記半導体レーザ素子は、レンズドファイバで結合されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
  11. 請求項1〜10のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュールと、
    増幅用光ファイバと、
    前記半導体レーザモジュールから出力された励起光と前記増幅用光ファイバ内を伝搬する信号光とを合波するためのカプラと、
    を備えたことを特徴とする光ファイバ増幅器。
  12. 前記増幅用光ファイバは、ラマン増幅によって信号光を増幅することを特徴とする請求項11に記載の光ファイバ増幅器。
  13. 前記増幅用光ファイバは、エルビウム添加ファイバであり、
    前記半導体レーザモジュールと前記増幅用光ファイバとは遠隔に配置されることを特徴とする請求項11に記載の光ファイバ増幅器。
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