JP2003347652A - 半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器 - Google Patents

半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器

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JP2003347652A
JP2003347652A JP2002287871A JP2002287871A JP2003347652A JP 2003347652 A JP2003347652 A JP 2003347652A JP 2002287871 A JP2002287871 A JP 2002287871A JP 2002287871 A JP2002287871 A JP 2002287871A JP 2003347652 A JP2003347652 A JP 2003347652A
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light
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oscillation
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Naoki Tsukiji
直樹 築地
Jiyunji Yoshida
順自 吉田
Toshio Kimura
俊雄 木村
Soko Kado
想子 門
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 RINや誘導ブリルアン散乱の発生を抑制
し、ラマン増幅器やEDFAの励起光源に適した半導体
レーザモジュールおよび光ファイバ増幅器を得ること。 【解決手段】 誘導ブリルアン散乱が発生する閾値以下
の複数の発振縦モードのレーザ光を出力する半導体レー
ザ装置51をモジュール化するとともに、第2レンズ5
4の焦点を矢印X,Y,Z方向に適宜ずらすことで、光
結合効率を意図的に低下させ、大きな駆動電流での動作
を確保しつつ、レーザ光強度を小さくする。これによ
り、RINの低下が実現され、結果的に、誘導ブリルア
ン散乱の発生も抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ラマン増幅やE
DFA等の光ファイバ増幅器の励起光源に適した半導体
レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネットをはじめとする様
々なマルチメディアの普及に伴って、光通信に対する大
容量化の要求が大きくなっている。従来、光通信では、
光ファイバによる光の吸収が少ない波長である1310
nmもしくは1550nmの帯域において、それぞれ単
一の波長による伝送が一般的であった。この方式では、
多くの情報を伝達するためには伝送経路に敷設する光フ
ァイバの芯数を増やす必要があり、伝送容量の増加に伴
ってコストが増加するという問題点があった。
【0003】そこで、高密度波長分割多重(DWDM:
Dense-Wavelength Division Multiplexing)通信方式が
用いられるようになった。このDWDM通信方式は、主
にエルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA:Erbium D
oped Fiber Amplifier)を用い、この動作帯域である1
550nm帯の励起光源(例えば、特許文献1参照。)
において、複数の波長を使用して伝送を行なう方式であ
る。このDWDM通信方式あるいはWDM通信方式で
は、1本の光ファイバを用いて複数の異なる波長の光信
号を同時に伝送することから、新たな線路を敷設する必
要がなく、ネットワークの伝送容量の飛躍的な増加をも
たらすことを可能としている。
【0004】また、海底に敷設された伝送用光ファイバ
の途中で信号光の増幅を行なう場合に、励起光源を陸上
に配置し、励起光源から励起光伝送用光ファイバによっ
て励起光を上記したエルビウム添加ファイバに入射させ
る、いわゆるリモートポンプ式のEDFAが提案されて
いる。リモートポンプ式のEDFAでは、励起光源を陸
上に配置することで、励起光源の保守・交換を容易に行
なうことができる。
【0005】このようなEDFAを用いた一般的なWD
M通信方式では、利得平坦化の容易な1550nm帯か
ら実用化され、最近では、利得係数が小さいために利用
されていなかった1580nm帯にまで拡大している。
しかしながら、EDFAで増幅可能な帯域に比して光フ
ァイバの低損失帯域の方が広いことから、EDFAの帯
域外で動作する光増幅器、すなわちラマン増幅器への関
心が高まっている。
【0006】ラマン増幅器は、エルビウムのような希土
類イオンを媒体とした光増幅器においてはイオンのエネ
ルギー準位によって利得波長帯が決まるのに対し、励起
光の波長によって利得波長帯が決まるという特徴を持
ち、励起光波長を選択することによって任意の波長帯を
増幅することができる。
【0007】ラマン増幅では、光ファイバに強い励起光
を入射すると、誘導ラマン散乱によって、励起光波長か
ら約100nm程度長波長側に利得が現われ、この励起
された状態の光ファイバに、この利得を有する波長帯域
の信号光を入射すると、その信号光が増幅されるという
ものである。従って、ラマン増幅器を用いたWDM通信
方式では、EDFAを用いた通信方式に比して、信号光
のチャネル数をさらに増加させることができる。
【0008】図42は、WDM通信システムに用いられ
る従来のラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
図42において、ファブリペロー型の半導体発光素子1
80a〜180dとファイバグレーティング181a〜
181dとがそれぞれ対となった半導体レーザモジュー
ル182a〜182dは、励起光のもとになるレーザ光
を偏波合成カプラ61a,61bに出力する。各半導体
レーザモジュール182a,182bが出力するレーザ
光の波長は同じであるが、偏波合成カプラ61aによっ
て各レーザ光の偏波面を90°異ならせている。同様に
して、各半導体レーザモジュール182c,182dが
出力するレーザ光の波長は同じであるが、偏波合成カプ
ラ61bによって各レーザ光の偏波面を90°異ならせ
ている。偏波合成カプラ61a,61bは、それぞれ偏
波合成したレーザ光をWDMカプラ62に出力する。な
お、偏波合成カプラ61a,61bから出力されるレー
ザ光の波長は異なる。
【0009】WDMカプラ62は、偏波合成カプラ61
a,61bから出力されたレーザ光を合波し、アイソレ
ータ60およびWDMカプラ65を介し、励起光として
増幅用ファイバ64に出力する。この励起光が入力され
た増幅用ファイバ64には、増幅対象の信号光が、信号
光入力ファイバ69からアイソレータ63を介して入力
され、励起光と合波してラマン増幅される。
【0010】増幅用ファイバ64内においてラマン増幅
された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ65およ
びアイソレータ66を介してモニタ光分配用カプラ67
に入力される。モニタ光分配用カプラ67は、増幅信号
光の一部を制御回路68に出力し、残りの増幅信号光を
出力光として信号光出力ファイバ70に出力する。
【0011】制御回路68は、入力された一部の増幅信
号光をもとに各半導体発光素子180a〜180dの発
光状態、例えば光強度を制御し、ラマン増幅の利得帯域
が平坦な特性となるようにフィードバック制御する。
【0012】図43は、ファイバグレーティングを用い
た半導体レーザモジュールの概要構成を示す図である。
図43において、この半導体レーザモジュール201
は、半導体発光素子202と光ファイバ203とを有す
る。半導体発光素子202は、活性層221を有する。
活性層221は、一端に光反射面222が設けられ、他
端に光出射面223が設けられる。活性層221内で生
じた光は、光反射面222で反射して、光出射面223
から出力される。
【0013】半導体発光素子202の光出射面223に
は、光ファイバ203が対向配置され、光出射面223
と光結合される。光ファイバ203内のコア232に
は、光出射面223から所定位置にファイバグレーティ
ング233が形成され、ファイバグレーティング233
は、特定波長の光を選択的に反射する。すなわち、ファ
イバグレーティング233は、外部共振器として機能
し、ファイバグレーティング233と光反射面222と
の間で共振器を形成し、ファイバグレーティング233
によって選択された特定波長のレーザ光が増幅されて出
力レーザ光241として出力される。
【0014】
【特許文献1】特開平5−145194号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た半導体レーザモジュール201(182a〜182
d)は、ファイバグレーティング233と半導体発光素
子202との間隔が長いため、ファイバグレーティング
233と光反射面222との間の共振によって相対強度
雑音(RIN:Relative Intensity Noise)が大きくな
る。これは、RINスペクトルにおいて、半導体発光素
子202の光反射面222とファイバグレーティング2
33との間の光の往復時間に対応した周波数毎にピーク
値が発生するからである。ここで、ラマン増幅では、増
幅の生じる過程が早く起こるため、励起光強度が揺らい
でいると、ラマン利得も揺らぐことになり、このラマン
利得の揺らぎがそのまま増幅された信号強度の揺らぎと
して出力されてしまい、安定したラマン増幅を行わせる
ことができないという問題点があった。
【0016】また、上述した半導体レーザモジュール2
01は、ファイバグレーティング233を有した光ファ
イバ203と、半導体発光素子202とを光結合する必
要があり、組立時の光軸合わせに時間と労力とがかかる
とともに、共振器内における機械的な光結合であるため
に、レーザの発振特性が機械的振動などによって変化し
てしまうおそれがあり、安定した励起光を提供すること
ができない場合が生じるという問題点があった。
【0017】ところで、ラマン増幅器としては、図42
に示したラマン増幅器のように信号光に対して後方から
励起する後方励起方式のほかに、信号光に対して前方か
ら励起する前方励起方式および双方向から励起する双方
向励起方式がある。現在、ラマン増幅器として多用され
ているのは、後方励起方式である。その理由は、弱い信
号光が強い励起光とともに同方向に進行する前方励起方
式では、励起光強度のゆらぎが信号光に移りやすく、ま
た、4光波混合などの非線形効果が起こりやすく、さら
に、励起光の偏光依存性が現われやすいという問題があ
るからである。よって、前方励起方式で用いられる励起
光源は、その励起光強度を大きくすることができず、後
方励起方式で用いられる励起光源の励起光強度と比較し
て小さな励起光強度で稼動させる必要があった。ところ
が、励起光強度を小さくするために、半導体発光素子2
02の駆動電流が小さくなりすぎると、RINの低周波
側に緩和振動の影響が現われ、RINを悪化させるとい
う問題がある。
【0018】従って、前方励起方式にも適用できる安定
した励起光源の出現が要望されている。実際には、従来
のファイバグレーティングを用いた半導体レーザモジュ
ールを用いると、適用できる励起方式が制限されてい
た。
【0019】また、ラマン増幅器におけるラマン増幅で
は、信号光の偏波方向と励起光の偏波方向とが一致する
ことを条件としている。すなわち、ラマン増幅では、増
幅利得の偏波依存性があり、信号光の偏波方向と励起光
の偏波方向とのずれによる影響を小さくする必要があ
る。ここで、後方励起方式の場合、信号光は、伝搬中に
偏波がランダムとなるため、問題は生じないが、前方励
起方式の場合、偏波依存性が強く、励起光の直交偏波合
成、デポラライズなどによって偏波依存性を小さくする
必要がある。すなわち、偏光度(DOP:Degree Of Po
larization)を小さくする必要がある。
【0020】さらに、ラマン増幅器等の光ファイバ増幅
器で利用する半導体レーザ装置の高出力化の要望にとも
なって、新たな問題が生じている。上記したように、励
起光源から出射された励起光は光ファイバに入射する
が、一定の閾値よりも高い強度を有する光が光ファイバ
に入射した場合、誘導ブリルアン散乱が発生する。誘導
ブリルアン散乱は、入射した光が音響波(フォノン)と
相互作用することによって散乱(反射)が生じる非線形
光学現象である。フォノンのエネルギー相当を失うこと
により、約11GHz低い周波数の光が入射光と逆方向
に反射される現象として観測される。
【0021】ラマン増幅を用いた光ファイバ増幅器で
は、上述のように励起光の誘導ブリルアン散乱が発生す
る際には、入射した励起光の一部は、後方に反射されて
しまい、ラマン利得生成に寄与しなくなる。また、この
散乱光が意図しない雑音を生成する可能性がある。この
励起光強度の低下は、励起光の伝送距離が短い場合はそ
れほど問題にならない。しかし、上述のリモートポンプ
を用いた光ファイバ増幅器においては、励起光源から増
幅用光ファイバに到達するまでに励起光の長距離伝送が
必要であるため、光強度の低下を無視することはできな
い。リモートポンプを用いた光ファイバ増幅器の場合、
通常の光ファイバ中における光損失よりも高い割合で励
起光の強度が低下することとなるため、上記したエルビ
ウム添加ファイバにおいて、増幅利得が低下するという
問題が生じる。
【0022】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
RINの悪化と誘導ブリルアン散乱の発生とをともに抑
制するとともに、光ファイバ増幅器の励起光源として最
適な半導体レーザモジュールとそれを用いた光ファイバ
増幅器を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる半導体レーザモジュールは、レー
ザ光の出射端面に設けた第1反射膜と該レーザ光の反射
端面に設けた第2反射膜との間に形成された活性層の近
傍に回折格子を設け、前記活性層が形成する共振器長と
前記回折格子の波長選択特性とを含む発振パラメータの
組み合わせ設定によって発振波長スペクトルの半値幅内
に2本以上の発振縦モードを含むレーザ光を出力する半
導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置から出射され
たレーザ光を外部に導波する光ファイバと、前記半導体
レーザ装置と前記光ファイバとの光結合効率が最大とな
る位置からずれた状態で前記半導体レーザ装置と前記光
ファイバとの光結合を行なう光結合レンズ系と、を備え
たことを特徴とする。
【0024】この請求項1の発明によれば、デフォーカ
スによって、誘導ブリルアン散乱が発生する閾値等の所
定出力値以下の複数の発振縦モードを有するレーザ光
を、駆動電流の増加に対して小さな増加割合の強度で出
力することができる。
【0025】また、請求項2にかかる半導体レーザモジ
ュールは、レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜と該
レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形成さ
れた活性層の近傍に回折格子を設け、前記活性層が形成
する共振器長と前記回折格子の波長選択特性とを含む発
振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長スペク
トルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレーザ
光を出力する半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装
置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバ
と、前記半導体レーザ装置と前記光ファイバとの光結合
を行なう光結合レンズ系と、前記レーザ光を減衰させる
光減衰器と、を備えたことを特徴とする。
【0026】この請求項2の発明によれば、光減衰器に
よって、誘導ブリルアン散乱が発生する閾値等の所定出
力値以下の複数の発振縦モードを有するレーザ光を、駆
動電流の増加に対して小さな増加割合の強度で出力する
ことができる。
【0027】また、請求項3にかかる半導体レーザモジ
ュールは、レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜と該
レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形成さ
れた活性層の近傍に回折格子を設け、前記活性層が形成
する共振器長と前記回折格子の波長選択特性とを含む発
振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長スペク
トルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレーザ
光を出力する半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装
置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバ
と、前記レーザ光を低下させる光出力低下手段と、を備
え、前記半導体レーザ装置の駆動電流は、50mA以上
であることを特徴とする。
【0028】この請求項3の発明によれば、半導体レー
ザ装置の駆動電流を50mA以上とした状態で、低出力
パワーのレーザ光を得ることができる。
【0029】また、請求項4にかかる半導体レーザモジ
ュールは、レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜と該
レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形成さ
れた活性層の近傍に回折格子を設け、前記活性層が形成
する共振器長と前記回折格子の波長選択特性とを含む発
振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長スペク
トルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレーザ
光を出力する半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装
置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバ
と、前記レーザ光を低下させる光出力低下手段と、を備
え、前記半導体レーザ装置の駆動電流は、150mA以
上であることを特徴とする。
【0030】この請求項4の発明によれば、半導体レー
ザ装置の駆動電流を150mA以上とした状態で、低出
力パワーのレーザ光を得ることができる。
【0031】また、請求項5にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ装置
が、1200nm以上、1600nm以下の波長のレー
ザ光を出射することを特徴としている。
【0032】また、請求項6にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ装置
が、光出射方向の長さが800μm以上、3200μm
以下であることを特徴としている。
【0033】また、請求項7にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記回折格子の回折格
子長が300μm以下であることを特徴としている。
【0034】また、請求項8にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記回折格子の回折格
子長が、前記共振器長の(300/1300)倍の値以
下であることを特徴としている。
【0035】また、請求項9にかかる半導体レーザモジ
ュールは、上記の発明において、前記回折格子の結合係
数と回折格子長との乗算値が0.3以下であることを特
徴としている。
【0036】また、請求項10にかかる半導体レーザモ
ジュールは、上記の発明において、前記回折格子が、グ
レーティング周期に所定の周期揺らぎを持たせたことを
特徴としている。
【0037】また、請求項11にかかる半導体レーザモ
ジュールは、上記の発明において、前記回折格子が、前
記グレーティング周期をランダムあるいは所定周期で変
化させたことを特徴としている。
【0038】また、請求項12にかかる半導体レーザモ
ジュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ素
子の前記第1反射膜の反射率が1%以上であることを特
徴としている。
【0039】また、請求項13にかかる光ファイバ増幅
器は、請求項1〜12に記載の半導体レーザモジュール
を広帯域ラマン増幅用の前方励起用励起方式あるいは双
方向励起方式における前方励起用光源として用いられる
ことを特徴としている。
【0040】この請求項13の発明によれば、誘導ブリ
ルアン散乱が発生する閾値等の所定出力値以下の複数の
発振縦モードを有するレーザ光を、駆動電流の増加に対
して小さな増加割合の強度で出力する半導体レーザモジ
ュールを、広帯域ラマン増幅用の前方励起用光源として
用いるので、RINの低減とともに、励起光が伝送路中
の主信号に悪影響を及ぼすことが避けられる。
【0041】また、請求項14にかかる光ファイバ増幅
器は、広帯域ラマン増幅用の後方励起用光源の駆動電流
に対する出力効率よりも小さい出力効率を有する前方励
起用光源を用いることを特徴としている。
【0042】この請求項14の発明によれば、広帯域ラ
マン増幅用の後方励起用光源よりも小さな出力パワーの
励起光で前方励起を行なうことができる。
【0043】また、請求項15にかかる光ファイバ増幅
器は、請求項1〜12のいずれか一つに記載の半導体レ
ーザモジュールと、信号光を伝送する光ファイバと、前
記光ファイバと接続された増幅用光ファイバと、前記半
導体レーザモジュールから出射されたレーザ光を前記増
幅用光ファイバに入射させるためのカプラと、を備えた
ことを特徴とする。
【0044】この請求項15の発明によれば、誘導ブリ
ルアン散乱が発生する閾値等の所定出力値以下の複数の
発振縦モードを有するレーザ光を、駆動電流の増加に対
して小さな増加割合の強度で出力する半導体レーザモジ
ュールを、EDFAの励起光源として用いることができ
る。
【0045】また、請求項16にかかる光ファイバ増幅
器は、レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜と該レー
ザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形成された
活性層の近傍に回折格子を設け、前記活性層が形成する
共振器長と前記回折格子の波長選択特性とを含む発振パ
ラメータの組み合わせ設定によって発振波長スペクトル
の半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレーザ光を
出力する半導体レーザモジュールと、信号光を伝送する
信号光ファイバと、前記信号光を伝搬するとともに前記
信号光ファイバよりも小さい非線形効果を有する第1光
ファイバと、前記第1光ファイバに接続され、前記信号
光を伝搬するとともに前記信号光ファイバよりも大きい
非線形効果を有する第2光ファイバと、前記半導体レー
ザモジュールから出射されたレーザ光を前記第1光ファ
イバに入射させるためのカプラと、を備えたことを特徴
としている。
【0046】この請求項16の発明によれば、小さい非
線形効果を有する第1光ファイバは、誘導ブリルアン散
乱の発生閾値が比較的大きいため、励起光であるレーザ
光がこの第1光ファイバに入射することにより誘導ブリ
ルアン散乱の発生が抑制される。
【0047】また、請求項17にかかる光ファイバ増幅
器は、半導体レーザモジュールとして、請求項1〜12
のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュールを用い
ることを特徴としている。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかる半導体レーザモジュールおよびこれを用い
た光ファイバ増幅器の好適な実施の形態について説明す
る。
【0049】(実施の形態1)まず、この発明の実施の形
態1について説明するが、ここでは、実施の形態1の半
導体レーザモジュールに搭載される半導体レーザ装置に
ついて詳述する。図1は、この発明の実施の形態1であ
る半導体レーザモジュールに搭載される半導体レーザ装
置の概要構成を示す斜めからみた破断図である。また、
図2は、図1に示した半導体レーザ装置の長手方向の縦
断面図である。さらに、図3は、図2に示した半導体レ
ーザ装置のA−A線断面図である。図1〜図3におい
て、この半導体レーザ装置20は、n−InP基板1の
(100)面上に、順次、n−InPによるバッファ層
と下部クラッド層とを兼ねたn−InPバッファ層2、
GRIN−SCH−MQW(Graded Index-Separate Co
nfinement Heterostructure Multi Quantum Well:分布
屈折率分離閉込め多重量子井戸)活性層3、p−InP
スペーサ層4、およびp−InPクラッド層6、InG
aAsPコンタクト層7が積層された構造を有する。
【0050】p−InPスペーサ層4内には、膜厚20
nmを有したp−InGaAsPの回折格子13が、ピ
ッチ約220nmで周期的に形成され、中心波長1.4
8μmのレーザ光を選択するようにしている。
【0051】また、回折格子13は、回折格子の結合係
数κと回折格子長Lgとの乗算値を0.3以下とするこ
とによって、駆動電流−光出力特性の線形性を良好に
し、光出力の安定性を高めている。また、共振器長Lが
1300μmの場合、回折格子長Lgが約300μm以
下のときに複数の発振縦モード数で発振するので、回折
格子長Lgは300μm以下とすることが好ましい。と
ころで、共振器長Lの長短に比例して、発振縦モード間
隔も変化するため、回折格子長Lgは、共振器長Lに比
例した値となる。すなわち、(回折格子長Lg):(共
振器長L)=300:1300の関係を維持するため、
回折格子長Lgが300μm以下で複数の発振縦モード
が得られる関係は、Lg×(1300(μm)/L)≦
300(μm)として拡張することができる。すなわ
ち、回折格子長Lgは、共振器長Lとの比を保つように
設定され、共振器長Lの(300/1300)倍の値以
下としている。
【0052】この回折格子13を含むp−InPスペー
サ層4、GRIN−SCH−MQW活性層3、およびn
−InPバッファ層2の上部は、メサストライプ状に加
工され、メサストライプの両側は、電流ブロッキング層
として形成されたp−InPブロッキング層8とn−I
nPブロッキング層9によって埋め込まれている。ま
た、InGaAsPコンタクト層7の上面には、p側電
極10が形成され、n−InP基板1の裏面には、n側
電極11が形成される。
【0053】半導体レーザ装置20の長手方向の一端面
である光反射端面には、反射率80%以上の高光反射率
をもつ反射膜14が形成され、他端面である光出射端面
には、反射率が5%以下の低光反射率をもつ出射側反射
膜15が形成される。反射膜14と出射側反射膜15と
によって形成された光共振器のGRIN−SCH−MQ
W活性層3内に発生した光は、反射膜14によって反射
し、出射側反射膜15を介し、レーザ光として出射され
る。
【0054】この半導体レーザ装置20をラマン増幅器
の励起光源として用いる場合には、発振波長λ0を12
00nm〜1550nmとし、共振器長Lを、800μ
m以上3200μm以下とする。ところで、一般に、半
導体レーザ装置の共振器によって発生する縦モードのモ
ード間隔Δλは、等価屈折率を「n」とすると、次式で
表すことができる。すなわち、 Δλ=λ0 2/(2・n・L) である。ここで、発振波長λ0を1480nmとし、等
価屈折率を3.5とすると、共振器長Lが800μmの
とき、縦モードのモード間隔Δλは、約0.39nmと
なり、共振器長Lが3200μmのとき、縦モードのモ
ード間隔Δλは、約0.1nmとなる。すなわち、共振
器長Lを長くすればするほど、縦モードのモード間隔Δ
λは狭くなり、単一縦モードのレーザ光を発振するため
の選択条件が厳しくなる。
【0055】一方、回折格子13は、そのブラッグ波長
によって縦モードを選択する。この回折格子13による
選択波長特性は、図4に示す発振波長スペクトル30と
して表される。
【0056】図4に示すように、この実施の形態1で
は、回折格子13を有した半導体レーザ装置による発振
波長スペクトル30の半値幅Δλhで示される波長選択
特性内に、発振縦モードを複数存在させるようにしてい
る。図4では、発振波長スペクトルの半値幅Δλh内に
3つの発振縦モード31〜33を有している。
【0057】複数の発振縦モードを有するレーザ光を用
いると、単一縦モードのレーザ光を用いた場合に比し
て、各発振縦モードのレーザ出力のピーク値を抑えつ
つ、発振波長スペクトル全体で高いレーザ出力値を得る
ことができる。例えば、この実施の形態1に示した半導
体レーザ装置では、図5(b)に示すプロファイルを有
し、低いピーク値で高レーザ出力を得ることができる。
これに対し、図5(a)は、同じレーザ出力を得る場合
の単一縦モード発振の半導体レーザ装置のプロファイル
であり、高いピーク値を有している。
【0058】ここで、半導体レーザ装置をラマン増幅器
の励起用光源として用いる場合、ラマン利得を大きくす
るために励起光出力パワーを増大することが好ましい
が、そのピーク値が高いと、誘導ブリルアン散乱が発生
し、雑音が増加するという不具合が発生する。誘導ブリ
ルアン散乱の発生は、誘導ブリルアン散乱が発生する閾
値Pthを有し、同じレーザ出力パワーを得る場合、図
5(b)に示すように、複数の発振縦モードを持たせ、
そのピーク値を抑えることによって、誘導ブリルアン散
乱の閾値Pth内で、高い励起光出力パワーを得ること
ができ、その結果、高いラマン利得を得ることが可能と
なる。
【0059】また、発振縦モード31〜33の波長間隔
(モード間隔)Δλは、0.1nm以上としている。こ
れは、半導体レーザ装置20をラマン増幅器の励起用光
源として用いる場合、モード間隔Δλが0.1nm以上
であると、誘導ブリルアン散乱が抑えられる。この結
果、上述したモード間隔Δλの式によって、上述した共
振器長Lが3200μm以下であることが好ましいこと
になる。なお、誘導ブリルアン散乱のスペクトルは、約
0.1nmであり、この誘導ブリルアン散乱のスペクト
ル内に複数の発振縦モードが存在すると、個々の発振縦
モードが誘導ブリルアン散乱の閾値Pthを超えなくて
も、このスペクトル幅内に存在する複数の発振縦モード
の強度の和で、誘導ブリルアン散乱の閾値Pthを超え
てしまう場合がある。このため、0.1nmの範囲内に
は、他の発振縦モードが存在しないことが望ましい。
【0060】このような観点から、発振波長スペクトル
30の半値幅Δλh内に含まれる発振縦モードの本数
は、複数であることが望ましい。ところで、ラマン増幅
では、増幅利得に偏波依存性があるため、信号光の偏波
方向と励起光の偏波方向とのずれによる影響を小さくす
る必要がある。このための方法として、励起光を無偏光
化(デポラライズ)する方法があり、具体的には、2台
の半導体レーザ装置20からの出力光を偏波合成器によ
り偏波合成する方法のほか、デポラライザとして所定長
の偏波面保持ファイバを用いて、1台の半導体レーザ装
置20から出射されたレーザ光を、この偏波面保持ファ
イバに伝搬させる方法がある。無偏光化の方法として、
後者の方法を使用する場合には、発振縦モードの本数が
増大するに従ってレーザ光のコヒーレンシーが低くなる
ので、無偏光化に必要な偏波面保持ファイバの長さを短
くすることができる。特に、発振縦モードが4,5本と
なると、急激に、必要な偏波面保持ファイバの長さが短
くなる。従って、ラマン増幅器に使用するために半導体
レーザ装置20から出射されるレーザ光を無偏光化する
場合に、2台の半導体レーザ装置の出射光を偏波合成し
て利用しなくても、1台の半導体レーザ装置20の出射
レーザ光を無偏光化して利用することが容易となるの
で、ラマン増幅器に使用される部品数の削減、小型化を
促進することができる。
【0061】ここで、発振波長スペクトル幅が広すぎる
と、波長合成カプラによる合波ロスが大きくなるととも
に、発振波長スペクトル幅内における発振縦モードの動
きによって、雑音や利得変動を発生させることになる。
このため、発振波長スペクトル30の半値幅Δλhは、
3nm以下、好ましくは2nm以下とする必要がある。
【0062】さらに、従来の半導体レーザ装置では、図
43に示したように、ファイバグレーティングを用いた
半導体レーザモジュールとしていたため、ファイバグレ
ーティング233と光反射面222との間の共振によっ
て相対強度雑音(RIN)が大きくなり、安定したラマ
ン増幅を行なうことができないが、この実施の形態1に
示した半導体レーザ装置20では、ファイバグレーティ
ング233を用いず、出射側反射膜15から出射したレ
ーザ光をそのまま、ラマン増幅器の励起用光源として用
いているため、相対強度雑音が小さくなり、その結果、
ラマン利得の揺らぎが小さくなり、安定したラマン増幅
を行わせることができる。
【0063】また、図43に示した半導体レーザモジュ
ールでは、半導体発光素子202の光反射面222と光
出射面223とが形成する共振器構造によって増幅され
た微弱なレーザ光が出力され、本来、光反射面222と
ファイバグレーティング233とによって選択されるレ
ーザ光に影響を与え、注入電流−光出力特性上にキンク
を生じさせ、光出力を不安定なものにするという不具合
があったが、この実施の形態1の半導体レーザ装置20
では、ファイバグレーティング233を用いていないた
め、安定した光出力を得ることができる。この結果、ラ
マン増幅器の励起用光源として用いる場合に、安定した
ラマン増幅を行わせることができる。
【0064】さらに、図43に示した半導体レーザモジ
ュールでは、ファイバグレーティング233を有する光
ファイバ203と半導体発光素子202とを光結合させ
る必要があるため、半導体レーザ装置の組立時における
光軸合わせが必要となり、そのための時間と労力とがか
かるが、この実施の形態1の半導体レーザ装置では、共
振器ではなく、光出力のための光軸合わせであるため、
その組立が容易となる。また、図43に示した半導体レ
ーザモジュールでは、共振器内に機械的な結合を必要と
するため、振動などによってレーザの発振特性が変化す
る場合が発生するが、この実施の形態1の半導体レーザ
装置では、機械的な振動などによるレーザの発振特性の
変化がなく、安定した光出力を得ることができる。
【0065】また、ファイバグレーティングを用いた半
導体レーザモジュールのように、ファイバグレーティン
グをもつ光ファイバと半導体発光素子との光結合を共振
器内において行わないので、組立が容易となり、機械的
振動などによる不安定出力を回避することができる。
【0066】以下に、上述した半導体レーザ装置の他の
例を説明する。上述した半導体レーザ装置では、共振器
長Lを長くすることによって、発振波長スペクトル30
の半値幅Δλh内の縦モード数が複数となるようにして
いたが、他の例として、回折格子13のグレーティング
長LGあるいは結合係数を変化させることによって、発
振波長スペクトル30の半値幅Δλhを変化させ、これ
によって半値幅Δλh内の縦モード数が相対的に複数と
なるようにすることもできる。
【0067】図6は、この他の例である半導体レーザ装
置の概要構成を示す長手方向の縦断面図である。この半
導体レーザ装置は、図1〜図3に示した半導体レーザ装
置20の回折格子13に対応する回折格子43の構成
が、半導体レーザ装置20と異なるとともに、出射側反
射膜15の反射率が異なる。その他の構成は、半導体レ
ーザ装置20と同じであり、同一構成部分には、同一符
号を付している。
【0068】回折格子43は、反射率0.1〜2%の低
光反射率をもつ出射側反射膜15から反射率80%以上
の高光反射率をもつ反射膜14側に向けて所定長LG1
分、形成され、所定長LG1以外のp−InPスペーサ
層4には、回折格子43が形成されない。
【0069】また、図7は、上記した他の例の変形例と
なる半導体レーザ装置の概要構成を示す長手方向の縦断
面図である。この半導体レーザ装置は、図6に示した回
折格子43に代えて、反射膜14側に設けた回折格子4
4を有するとともに、反射膜14の反射率を低光反射率
としている。すなわち、回折格子44は、反射率0.1
〜2%の低光反射率をもつ反射膜14から反射率1〜5
%の低光反射率をもつ出射15側に向けて所定長LG2
分、形成され、所定長LG2以外のp−InPスペーサ
層4には、回折格子44が形成されない。
【0070】さらに、図8は、上記した他の例の別の変
形例となる半導体レーザ装置の概要構成を示す長手方向
の縦断面図である。この半導体レーザ装置は、図6に示
した回折格子43および図7に示した回折格子44の構
成を適用したものである。
【0071】すなわち、この半導体レーザ装置は、反射
率0.1〜2%の低光反射率をもつ出射側反射膜15か
ら反射率0.1〜2%の低光反射率をもつ反射膜14側
に向けて所定長LG3分、形成された回折格子45と、
この反射膜14から出射側反射膜15側に向けて所定長
LG4分、形成された回折格子46とを有する。
【0072】図6〜図8に示した回折格子43〜46の
所定長LG1〜LG4を変化させることによって、発振
縦モードのモード間隔Δλが固定的であっても、図4に
示した発振波長スペクトル30の半値幅Δλhを変化さ
せることができる。
【0073】すなわち、発振波長スペクトル30の半値
幅Δλhを広くするためには、回折格子の長さを短くす
ることも有効である。このため、実施の形態1に示した
ように、回折格子を共振器(GRIN−SCH−MQW
活性層3)の長さ全体に施すのではなく、この共振器の
一部に形成するようにする。
【0074】この場合、共振器に対する回折格子の位置
によっては、位相発振条件がずれ、これによってレーザ
発振特性が悪化するおそれがあるため、図6に示したよ
うに、回折格子43を、出射側反射膜15を起点として
反射膜14方向に、共振器の途中まで延ばして形成する
場合、出射側反射膜15として0.1〜2%の反射率を
もつ低光反射コートを施し、反射膜14として80%以
上の反射率をもつ高反射コートを施すようにする。ま
た、図7に示したように、回折格子44を、反射膜14
を起点として出射側反射膜15方向に、共振器の途中ま
で延ばして形成する場合、反射膜14として0.1〜2
%の反射率をもつ低光反射コートを施し、出射側反射膜
15として反射率1〜5%の反射率をもつ低反射コート
を施すようにする。さらに、図8に示したように、回折
格子45,46をそれぞれ出射側反射膜15側および反
射膜14側に形成する場合、出射側反射膜15および反
射膜14として、ともに反射率0.1〜2%の低光反射
コートを施す。
【0075】また、図6に示したように、回折格子を出
射側反射膜15側に形成する場合、回折格子43自体の
反射率を低めに設定し、図7に示したように、回折格子
を反射膜14側に形成する場合、回折格子44自体の反
射率を高めに設定することが好ましい。また、図8に示
したように、回折格子を出射側反射膜15側および反射
膜14側の双方に形成する場合、回折格子45自体の反
射率を低めに設定し、回折格子46自体の反射率を高め
に設定する。これによって、回折格子43〜46による
波長選択特性を満足させつつ、反射膜14および出射側
反射膜15によるファブリペロー型共振器の影響を小さ
くすることができる。
【0076】ここで、図9は、複数の発振縦モードが出
力されたスペクトル図であり、図9では、安定した3本
の発振縦モードをもつレーザ光を出力している。なお、
図9に示したスペクトルは、図6に示した半導体レーザ
装置の構成に対応し、グレーティング長LG1=100
μm、共振器長L=1300μm、回折格子の結合係数
κLGとグレーティング長LG1との積κLG・LG1=
0.11、出射側反射膜15の反射率が0.1%、反射
膜14の反射率が97%、駆動電流Iop=700mAの
ときに、1480nm近傍において3本の発振縦モード
出力で210mWの光出力を得、半値幅Δλhは、0.
5〜0.6nmとなっている。この場合におけるファー
フィールドパターン(FFP:Far Field Pattern)の
半値幅(FWHM:Full Width Half Maximum)は、水
平方向の半値幅が16〜18度であり、垂直方向の半値
幅が21〜24度となる。
【0077】さらに、図10は、図6に示した半導体レ
ーザ装置の構成に対応し、グレーティング長LG1=3
0μm、共振器長L=1300μm、回折格子の結合係
数κ LG=20cm-1、結合係数κLGとグレーティング長
LG1との積κLG・LG1=0.06のI−L(駆動電
流Iopに対する光出力Po)特性を示す図である。図1
1に示されたI−L特性は、十数mAから1500mA
程度まで、大きなキンクが発生しておらず、駆動電流I
opが1200mA近傍で約400mWの高出力かつ高効
率動作を安定して行なうことができることを示してい
る。
【0078】なお、図6〜図8では、回折格子43〜4
6を、出射側反射膜15側または反射膜14側、あるい
は出射側反射膜15側および反射膜14側に設けたが、
これに限らず、GRIN−SCH−MQW活性層3に沿
い、共振器長Lに対して部分的な長さをもつ回折格子を
形成するようにしてもよい。ただし、回折格子の反射率
を考慮することが好ましい。
【0079】よって、上述した他の例となる半導体レー
ザ装置では、共振器長Lに対する回折格子の長さを部分
的なものとし、この回折格子のグレーティング長LGお
よび結合係数κLGを適切に変化させることによって、所
望の発振波長スペクトル30の半値幅Δλhを得ること
ができ、この半値幅Δλh内に複数の発振縦モードをも
ったレーザ光を発振させることができる。
【0080】また、上述した半導体レーザ装置では、回
折格子13のグレーティング周期は一定であったが、回
折格子13のグレーティング周期を周期的に変化させた
チャープドグレーティングを用い、これによって、回折
格子の波長選択特性に揺らぎを発生させ、発振波長スペ
クトル30の半値幅Δλhを広げて、半値幅Δλh内の
発振縦モード数が相対的に複数となるようにすることも
できる。すなわち、図11に示すように、半値幅Δλh
を半値幅wcに広げて、半値幅wc内に含まれる発振縦
モードの本数を増大するようにしている。
【0081】図12は、この場合の半導体レーザ装置の
概要構成を示す長手方向の縦断面図である。この半導体
レーザ装置では、図1〜図3に示した半導体レーザ装置
20の回折格子13のグレーティング周期を周期的に変
化させたチャープドグレーティングである回折格子47
を有している。その他の構成は、半導体レーザ装置20
と同じであり、同一構成部分には、同一符号を付してい
る。
【0082】図13は、回折格子47のグレーティング
周期の周期的変化を示す図である。図13に示すよう
に、この回折格子47は、平均周期が220nmであ
り、±0.02nmの周期揺らぎ(偏差)を周期Cで繰
り返す構造を有している。この±0.02nmの周期揺
らぎによって回折格子47の反射帯域は、約2nmの半
値幅を有し、これによって、発振波長スペクトルの半値
幅Δλh内に3〜6本程度の発振縦モードを持たせるこ
とができる。
【0083】なお、ここでは、共振器長Lに等しいチャ
ープドグレーティングを形成するようにしていたが、こ
れに限らず、チャープドグレーティングの回折格子を、
共振器長Lに対して部分的に配置するようにしてもよ
い。
【0084】また、上述した説明では、一定の周期Cで
グレーティング周期を変化させるチャープドグレーティ
ングとしたが、これに限らず、グレーティング周期を、
周期Λ1(220nm+0.02nm)と周期Λ2(2
20nm−0.02nm)との間で、ランダムに変化さ
せるようにしてもよい。
【0085】さらに、図14(a)に示すように、周期
Λ1周期Λ2とを1回ずつ交互に繰り返す回折格子とし
て、周期揺らぎを持たせるようにしてもよい。また、図
14(b)に示すように、周期Λ3と周期Λ4とをそれ
ぞれ複数回、交互に繰り返す回折格子として、周期揺ら
ぎを持たせるようにしてもよい。さらに、図14(c)
に示すように、連続する複数回の周期Λ5と連続する複
数回の周期Λ6とをもつ回折格子として、周期揺らぎを
持たせるようにしてもよい。また、周期Λ1,Λ3,Λ
5と周期Λ2,Λ4,Λ6との間の離散的な異なる値を
もつ周期をそれぞれ補完して配置するようにしてもよ
い。
【0086】なお、上述した半導体レーザ装置20の説
明において、図8に示す形態の場合、出射側反射膜15
の反射率は2%以下の低光反射率としたが、この光反射
率の下限を1%以上とすることもできる。これにより、
半導体レーザ装置20の出射側に戻り光が到達した場
合、この高めの反射率によって戻り光が半導体レーザ装
置20内に入射されてしまうのを防ぐことができる。
【0087】本実施の形態1にかかる半導体レーザモジ
ュールは、以上に説明した各種の半導体レーザ装置を搭
載し、その半導体レーザ装置から出射されたレーザ光の
焦点と光ファイバの中心軸をずらすことで、光ファイバ
に伝播されるレーザ光の強度を低下させることを特徴と
している。
【0088】図15は、実施の形態1にかかる半導体レ
ーザモジュールの構成を示す縦断面図である。図15に
おいて、この半導体レーザモジュール50は、上述した
各種の半導体レーザ装置に対応する半導体レーザ装置5
1を有する。半導体レーザモジュール50の筐体とし
て、Cu−W合金などによって形成されたパッケージ5
9の内部底面上に、温度制御装置としてのペルチェモジ
ュール58が配置される。ペルチェモジュール58上に
はベース57が配置され、このベース57上にはヒート
シンク57aが配置される。
【0089】ペルチェモジュール58には、図示しない
電流が与えられ、その極性によって冷却および加熱を行
なうが、半導体レーザ装置51の温度上昇による発振波
長ずれを防止するため、主として冷却器として機能す
る。すなわち、ペルチェモジュール58は、レーザ光が
所望の波長に比して長い波長である場合には、冷却して
低い温度に制御し、レーザ光が所望の波長に比して短い
波長である場合には、加熱して高い温度に制御する。こ
の温度制御は、具体的に、ヒートシンク57a上であっ
て、半導体レーザ装置51の近傍に配置されたサーミス
タ58aの検出値をもとに制御され、図示しない制御装
置は、通常、ヒートシンク57aの温度が一定に保たれ
るようにペルチェモジュール58を制御する。
【0090】また、図示しない制御装置は、半導体レー
ザ装置51の駆動電流を上昇させるに従って、ヒートシ
ンク57aの温度が下がるようにペルチェモジュール5
8を制御する。このような温度制御を行なうことによっ
て、半導体レーザ装置51の波長安定性を向上させるこ
とができ、歩留まりの向上にも有効となる。なお、ヒー
トシンク57aは、例えばダイヤモンドなどの高熱伝導
率をもつ材質によって形成することが望ましい。これ
は、ヒートシンク57aがダイヤモンドで形成される
と、高電流注入時の発熱が抑制されるからである。この
場合、波長安定性がさらに向上し、しかも温度制御も容
易になる。
【0091】ベース57上には、半導体レーザ装置51
およびサーミスタ58aを配置したヒートシンク57
a、第1レンズ52、およびモニタフォトダイオード5
6が配置される。半導体レーザ装置51から出射された
レーザ光は、第1レンズ52、アイソレータ53、およ
び第2レンズ54を介し、光ファイバ55上に導波され
る。なお、モニタフォトダイオード56は、半導体レー
ザ装置51の反射膜側から漏れた光をモニタ検出する。
【0092】ここで特に、この実施の形態1にかかる半
導体レーザモジュールの特徴となる点は、第2レンズ5
4の光学中心が、第1レンズ52およびアイソレータ5
3を介して半導体レーザ装置51から出射されたレーザ
光の光軸に対して、図示する矢印X,Y,Zのいずれか
の方向にずれていることである。ここで、X方向は、半
導体レーザモジュール50の高さ方向(紙面上下方向)
を指し、Y方向は、半導体レーザモジュール50の幅方
向(紙面垂直方向)を指し、Z方向は、半導体レーザモ
ジュール50の長手方向(紙面左右方向)を指す。すな
わち、この半導体レーザモジュール50は、いわゆるデ
フォーカスを意図的に行なっている。換言すれば、第2
レンズ54と光ファイバ55との光結合効率を意図的に
小さくしている。なお、結合の信頼の観点から、結合ず
れに対するトレランスはZ方向の方が大きいため、その
方向にずらすのがより好ましい。
【0093】このデフォーカスによって、半導体レーザ
装置51に十分に大きな駆動電流が印加された状態であ
っても、第2レンズ54と光結合される光ファイバ55
には、半導体レーザ装置51が出射するレーザ光の強度
よりも小さな強度のレーザ光が伝播する。
【0094】よって、この半導体レーザモジュールは、
半導体レーザ装置51の駆動電流を大きくした状態で、
レーザ光としては強度の小さなものを出力することがで
きることになる。これは、上述したように、前方励起方
式の励起光源として用いられる最適な条件、すなわち、
駆動電流を大きくしてRINの悪化を防ぎつつ、小さな
強度の励起光が得られるという条件を満たす。
【0095】ここで、前方励起用光源と後方励起用光源
を併用した双方向励起ラマン増幅器について考える。図
16は、前方励起用光源と後方励起用光源の利用特性を
示す図である。図16(a)に示されるように、前方励
起用光源には、比較的小さい光出力(この例では22〜
36mW)が用いられる。このように前方励起で比較的
小さな光出力が用いられるのは、信号光がまだ高い光出
力にある状態で、高い増幅利得を入れると、非線形効果
が生じ、逆に伝送特性を悪化させることがあるからであ
る。なお、図16(b)は、図16(a)に示す条件に
おいて、後方励起と双方向励起がともに同じ総光出力で
あるらば、ラマン利得もほぼ同じになることを示すグラ
フである。
【0096】図17は、従来の回折格子内蔵型励起用半
導体レーザモジュールの特性例を示す図である。図17
に示すように、光出力パワーが22mWである場合の駆
動電流Iopは、ほぼ92mAであり、光出力パワーが3
6mWである場合の駆動電流Iopはほぼ135mAであ
る。すなわち、図16(a)に示した条件に従えば、従
来の回折格子内蔵型励起用半導体レーザモジュールを前
方励起用光源として使用する場合、駆動電流Iopを92
mA〜135mAにする。
【0097】この回折格子内蔵型励起用半導体レーザモ
ジュールは、ラマン増幅用光源としても使用されるが、
従来の技術の欄で説明したように、より高いラマン利得
を得ようとした場合、すなわちより高い光出力パワーを
得ようとした場合には誘導ブリルアン散乱の発生が問題
となる。この誘導ブリルアン散乱の発生を回避するに
は、単純に光出力パワーを低減すればよい。光出力パワ
ーを低減させる良く知られた方法は、半導体レーザモジ
ュールの駆動電流を小さくすることである。しかしなが
ら、本発明者等は、誘導ブリルアン散乱の発生を避ける
のに駆動電流を小さくすることは、従来の回折格子内蔵
型励起用半導体レーザモジュールのような単一モード発
振型の半導体レーザモジュールに対しては有効であるも
のの、マルチモード発振型の半導体レーザモジュールに
対しては必ずしも最善の策ではないことを見出した。
【0098】図18は、駆動電流と光出力パワーの関係
を誘導ブリルアン散乱の発生閾値とともに示したグラフ
である。特に、図18(a)は、単一モード発振型の半
導体レーザモジュールについての駆動電流−光出力パワ
ーグラフ(Pw)と誘導ブリルアン散乱の発生閾値グラ
フ(Pth)を示し、図18(b)は、図1〜図14に
示したマルチモード発振型の半導体レーザモジュールに
ついての駆動電流−光出力パワーグラフ(Pw)と誘導
ブリルアン散乱の発生閾値グラフ(Pth)を示す。
【0099】図18(a)では、駆動電流がC1未満で
ある場合に限り誘導ブリルアン散乱が発生しない。一
方、図18(b)では、駆動電流が増加するにつれて、
光出力パワーとともに、誘導ブリルアン散乱の発生閾値
も増加する。
【0100】図18(b)において、図18(a)と異
なり、矢印に示すように比較的小さな減衰量で光出力パ
ワーを減衰させた場合でも、広い駆動電流の範囲で、誘
導ブリルアン散乱の発生を避けることができる。このこ
とから、本発明者等は、図1〜図14に示したマルチモ
ード発振型の半導体レーザモジュールに対しては、出射
されたレーザ光を減衰させる手法が、誘導ブリルアン散
乱の発生を避けるのに最も有効であることを見出した。
本実施の形態において、その光減衰を実現するのが上記
したデフォーカスである。
【0101】さらに、このデフォーカスは、RINの増
加をも抑制することができる。図19は、実施の形態1
にかかる半導体レーザモジュールのRIN特性を示す図
である。図19において、G1,G2,G3は、順に、
半導体レーザモジュール内の上記半導体レーザ装置51
の駆動電流が50mA,100mA,300mA以上で
ある場合のRIN特性を示している。この図からわかる
ように、駆動電流が50mA,100mAである場合
は、レーザの緩和振動の影響によりRINが悪くなって
いる。結局、図19に示した結果からは、駆動電流を1
50mA以上とすることによって、RINにおけるレー
ザの緩和振動の影響をほぼ無視することができ、低雑音
のレーザ光を出射することができる。
【0102】また、図18において、G0は、FBG
(ファイバグレーティング)を備えた従来の半導体レー
ザモジュールのRIN特性を示しており、実施の形態1
にかかる半導体レーザモジュールは、少なくとも駆動電
流が50mAを超えていれば、従来のFBGを備えた従
来の半導体レーザモジュールよりも良好なRIN特性を
示すことがわかる。以上のことから、実施の形態1にか
かる半導体レーザモジュールは、駆動電流が50mAを
最低限超えていることが好ましく、より好ましくは10
0mA以上であり、さらにより好ましくは150mA以
上であると言える。
【0103】なお、この半導体レーザモジュール50で
は、他の光学部品などによる反射戻り光が共振器内に再
入力しないように、半導体レーザ装置51と光ファイバ
55との間にアイソレータ53を介在させている。この
アイソレータ53には、ファイバグレーティングを用い
た従来の半導体レーザモジュールと異なり、インライン
式の偏波無依存型でなく、小型の偏波依存型アイソレー
タを用いることができるため、さらに低い相対強度雑音
(RIN)を達成することができ、アイソレータによる
挿入損失を小さくすることができる。
【0104】以上に説明したとおり、実施の形態1にか
かる半導体レーザモジュールによれば、誘導ブリルアン
散乱が発生する閾値以下の複数の発振縦モードのレーザ
光を出力する半導体レーザ装置をモジュール化しつつ、
そのモジュール内の第2レンズ54を、光ファイバ55
との光結合効率が最大となる位置からずらした状態で固
定することによって、光結合効率を意図的に低下させて
いるので、駆動電流を大きくしてRINの悪化を防ぎつ
つ、小さな強度の励起光が得られ、前方励起方式の励起
光源として最適である。さらには、図1〜図14に示し
たマルチモード発振型の半導体レーザ装置を用いた半導
体レーザモジュールでは、光結合効率の低下によるわず
かな光減衰量によって、光出力パワーを誘導ブリルアン
散乱の発生閾値以下にすることができ、上記したRIN
の低減とともに誘導ブリルアン散乱の発生の回避をも実
現することができる。なお、光結合効率の意図的な低下
は、上記した第2レンズ54に限らず、モジュール内の
他の光学系レンズや光学部品の配置を調節することによ
っても可能である。
【0105】(実施の形態2)次に、この発明の実施の
形態2について説明する。上述した実施の形態1に説明
した半導体レーザモジュールでは、意図的にデフォーカ
スを行なうことで、レーザ光の強度を小さくするとした
が、デフォーカスを行なわずに、半導体レーザモジュー
ルの出力端部または光ファイバを介した半導体レーザモ
ジュールの出力端近傍に、光減衰器を設けることでも目
的を達成することができる。
【0106】図20は、実施の形態2にかかる半導体レ
ーザモジュールの概略構成を示すブロック図である。図
20において、デフォーカスを行なわない半導体レーザ
モジュール50aは、その出力端を光ファイバ55aの
一端に接続し、光ファイバ55aの他端は、光減衰器
(光アッテネータ)50bの入力端に接続され、光減衰
器50bの出力端は、光ファイバ55bの一端に接続さ
れる。
【0107】すなわち、半導体レーザモジュール50a
から出力されたレーザ光の出力パワーは、光減衰器50
bにおいて減衰され、減衰された結果がラマン増幅器の
励起光として寄与する。図21は、図20のノードN1
とノードN2における出力パワーと駆動電流の関係を示
す図である。図21に示すように、光減衰器50bを通
過した後のレーザ光は、通過する前と比べて十分に小さ
な値となっており、前方励起用の励起光として利用でき
る状態となる。すなわち、実施の形態1と同様に、駆動
電流を小さくすることなく低い光出力パワーを得ること
ができるので、RINの悪化を防止することができる。
【0108】次に、実施の形態2にかかる半導体レーザ
モジュールが、誘導ブリルアン散乱の発生を抑制させる
ことについても有効である点について説明する。ここで
は、まず、誘導ブリルアン散乱が生じる条件について説
明する。図22は、誘導ブリルアン散乱の発生の程度を
検出するための測定装置の構造を示す模式図である。こ
の測定装置では、カプラ21を介して一方に半導体レー
ザ装置50aおよび光減衰器50bからなる半導体レー
ザモジュールと反射光測定手段23が配置され、他方に
伝送用光ファイバ24と入力光測定手段25が配置され
ている。また、一方と他方はカプラ21を介して互いに
接続されており、伝送用光ファイバ24は、出力光測定
手段26に接続されている。なお、伝送用光ファイバ2
4には、DSF(Dispersion Shifted Fiber)を用いて
おり、伝送用光ファイバ24の長さは55km、コア径
は10μmである。
【0109】図22に示す測定装置において、入力光測
定手段25には光減衰器50bから出力されるレーザ光
の強度と一定の比率を有する光が入射し、反射光測定手
段23には伝送用光ファイバ24で散乱されて戻ってき
た光の強度と一定の比率を有する光が入射する。
【0110】ここで、誘導ブリルアン散乱が生じている
場合、反射光測定手段23に入射する光の強度が増大す
る。そのため、半導体レーザ装置50aから伝送用光フ
ァイバ24に入射される光と、伝送用光ファイバ24で
散乱されて戻ってきた光の強度との比(以下、「散乱強
度比」と称する。)をとることで誘導ブリルアン散乱が
生じているか否かの判断ができる。一般に、光通信にお
ける励起光源として半導体レーザ装置を使用する場合に
は、散乱強度比が−28dB程度の値に抑制できれば、
レイリー散乱によるバックグラウンドレベルと考えら
れ、誘導ブリルアン散乱が発生しておらず、励起光源と
しての使用に支障がないとされている。
【0111】なお、図22の測定装置による測定によっ
て散乱強度比が−28dB以上の値を有する場合であっ
ても励起光源としての使用が可能となる場合がある。図
23は、実施の形態2にかかる半導体レーザモジュール
の6つのサンプルについての減衰量と散乱強度比の関係
を示すグラフである。図23に示すように、各サンプル
は、モード本数が互いに異なっているものの、いずれも
光減衰器50bによる光減衰の量が増加するにつれて、
散乱強度比が低下していることがわかる。すなわち、図
23は、実施の形態1において図18(b)で説明した
光出力パワーと誘導ブリルアン散乱の発生閾値との関係
を裏付けるものである。特に、この結果から、実施の形
態2にかかる半導体レーザモジュールをモード本数の調
整等の詳細な設計によって作成することで、3dB程度
の光減衰量であっても、誘導ブリルアン散乱の発生を回
避することができるということがわかる。
【0112】図24は、図20に示した半導体レーザモ
ジュールについて、図22の測定装置を用いて伝送用光
ファイバ24に入射させる光強度を変化させた場合の散
乱強度比を測定したグラフである。具体的には、図22
に示した半導体レーザ装置50aを、図20に示した半
導体レーザモジュールに置き換え、半導体レーザ装置5
0aの注入電流を一定に維持して光減衰器50bによっ
て光強度を変化させ、各光強度における散乱強度比を測
定した結果である。
【0113】図24のグラフにおいて、散乱強度が約−
13dBの場合を基準とすると、光強度を80mWから
40mWに低下させること(3dB程度以下の低下に相
当する)によって散乱強度比が約−13dBから約−2
8dBにまで低下する。すなわち、図22の測定装置に
おいて散乱強度比が−13dB程度の半導体レーザ装置
は、光出力を3dB程度低下させることで、散乱強度比
が誘導ブリルアン散乱を生じることのない−28dB程
度にまで抑制されることがわかる。
【0114】半導体レーザ装置を、励起光源としてラマ
ン増幅器やEDFAのような光ファイバ増幅器に組み込
んだ場合には、励起光が増幅用光ファイバまたは信号用
光ファイバに到達するまでに光強度が数dB低下するこ
とが知られている。光ファイバ増幅器において、励起光
源と増幅用光ファイバ等との間に光を合波するためのカ
プラや、戻り光を遮断するためのアイソレータ等が配置
されるのが通常であり、これらの光学系部品によって励
起光の強度が低下するためである。そして、光ファイバ
増幅器の構造によっては、光強度が3dB以上低下する
ものも多く存在し、その場合には、散乱強度比が−13
dB程度の半導体レーザ装置であっても誘導ブリルアン
散乱を抑制することができる。
【0115】従って、誘導ブリルアン散乱を完全に抑制
する観点からは散乱強度比が−28dB以下となること
が望ましいが、3dB程度の光損失が生じる光ファイバ
増幅器においては、散乱強度比が−13dB程度であっ
ても、結果的に、誘導ブリルアン散乱の発生が抑制さ
れ、励起光源として十分に使用することが可能である。
【0116】なお、実施の形態1において示した図18
(b)を見てもわかるように、誘導ブリルアン散乱の発
生を回避するために必要な光減衰量は、半導体レーザモ
ジュールの駆動電流に応じて異なる。図25は、実施の
形態2にかかる半導体レーザモジュールにおいて、駆動
電流と光出力パワーとの関係と誘導ブリルアン散乱の発
生閾値とを示す図である。図25に示すように、例え
ば、本半導体レーザモジュールが電流I1で動作される
とき、誘導ブリルアン散乱の発生を避けるにはA1以上
の減衰量が必要であり、本半導体レーザモジュールが電
流I2で動作されるとき、誘導ブリルアン散乱の発生を
避けるにはA2以上の減衰量が必要である。
【0117】以上に説明したとおり、実施の形態2にか
かる半導体レーザモジュールによれば、レーザの結合状
態を従来と変えないままで、最終的な出力を光減衰器で
小さくするため、実施の形態1と同様な効果を享受する
ことができるとともに、半導体レーザを発振するモジュ
ール部分を共有化できる。
【0118】(実施の形態3)次に、この発明の実施の
形態3にかかる光ファイバ増幅器ついて説明する。この
実施の形態3では、上述した実施の形態1に示した半導
体レーザモジュールを光ファイバ増幅器の一種であるラ
マン増幅器に適用したものである。
【0119】図26は、前方励起方式を採用したラマン
増幅器の構成を示すブロック図である。なお、図26に
おいて、図42と共通する部分には同一の符号を付して
その説明を省略する。図26に示すラマン増幅器におい
て、アイソレータ63の近傍に設けられたWDMカプラ
65´には、実施の形態1に示した半導体レーザモジュ
ールに対応する半導体レーザモジュール60a´〜60
d´、偏波合成カプラ61a´,61b´およびWDM
カプラ62´を有した回路が接続され、WDMカプラ6
2´から出力される励起光は信号光と同じ方向に出力さ
れ、これにより前方励起が行なわれる。結局、半導体レ
ーザモジュール60a´〜60d´において、上述した
実施の形態1で説明した半導体レーザモジュールが用い
られていることから、RINが小さく、かつ誘導ブリル
アン散乱の発生が抑制された前方励起を効果的に行なう
ことができる。
【0120】図27は、前方励起方式を採用したラマン
増幅器の他の例の構成を示すブロック図である。なお、
図27において、図26と共通する部分には同一の符号
を付してその説明を省略する。図27に示すラマン増幅
器において、図26と異なるところは、同一の波長の光
を偏波多重して出力しない点である。すなわち、図27
において、実施の形態1にかかる半導体レーザモジュー
ル60a´および60c´は、互いに発振波長が異な
り、それぞれから出射されたレーザ光は、偏波面保持フ
ァイバ71´を介してそれぞれWDMカプラ62´に入
力され、合波される。
【0121】この場合、半導体レーザモジュール60a
´および60c´の偏波面は、偏波面保持ファイバ71
´に対して45度となるように入射する。ここで、実施
の形態1で説明したように、各半導体レーザモジュール
60a´および60c´は、複数の発振縦モードを有し
ているため、偏波面保持ファイバ長71´を短くするこ
とができる。これによって、偏波面保持ファイバ71´
から出力される光出力の偏波依存性をなくすことがで
き、一層、小型かつ部品点数の少ないラマン増幅器を実
現することができる。この形態においても、図26と同
様に、RINが小さく、かつ誘導ブリルアン散乱の発生
が抑制された前方励起を効果的に行なうことができる。
【0122】また、図28は、双方向励起方式を採用し
たラマン増幅器の構成を示すブロック図である。なお、
図28において、図26と共通する部分には同一の符号
を付してその説明を省略する。図28に示したラマン増
幅器は、図26に示したラマン増幅器の構成に、WDM
カプラ62、半導体レーザモジュール60a〜60dお
よび偏波合成カプラ61a,61bをさらに設け、後方
励起と前方励起とを行なう。但し、後方励起を行なうた
めの半導体レーザモジュール60a〜60dについて
は、実施の形態1で説明したようなデフォーカスは行な
っておらず、第2レンズは、光結合効率が最高となる位
置に固定される。すなわち、これら半導体レーザモジュ
ール60a〜60dは、駆動電流に対して十分に大きな
強度のレーザ光を出力する。
【0123】各半導体レーザモジュール60a,60b
は、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モ
ードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61aに出力
し、各半導体レーザモジュール60c,60dは、偏波
面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有
するレーザ光を偏波合成カプラ61bに出力する。ここ
で、半導体レーザモジュール60a,60bが発振する
レーザ光は、同一波長である。また、半導体レーザモジ
ュール60c,60dが発振するレーザ光は、同一波長
であるが半導体レーザモジュール60a,60bが発振
するレーザ光の波長とは異なる。これは、ラマン増幅が
偏波依存性を有するためであり、偏波合成カプラ61
a,61bによって偏波依存性が解消されたレーザ光と
して出力するようにしている。
【0124】各偏波合成カプラ61a,61bから出力
された異なる波長をもったレーザ光は、WDMカプラ6
2によって合成され、合成されたレーザ光は、WDMカ
プラ65を介してラマン増幅用の励起光として増幅用フ
ァイバ64に出力される。この励起光が入力された増幅
用ファイバ64には、増幅対象の信号光が入力され、ラ
マン増幅される。
【0125】この双方向励起方式の場合にも、半導体レ
ーザモジュール60a´〜60d´において上述した実
施の形態1で説明した半導体レーザ装置が用いられてい
るため、RINが小さく、かつ誘導ブリルアン散乱の発
生が抑制された前方励起を効果的に行なうことができ
る。
【0126】図29は、双方向励起方式を採用したラマ
ン増幅器の他の例の構成を示すブロック図である。な
お、図29において、図28と共通する部分には同一の
符号を付してその説明を省略する。図29に示すラマン
増幅器において、図28と異なるところは、同一の波長
の光を偏波多重して出力しない点である。すなわち、図
29において、実施の形態1にかかる半導体レーザモジ
ュール60a´および60c´は、互いに発振波長が異
なり、それぞれから出射されたレーザ光は、偏波面保持
ファイバ71´を介してそれぞれWDMカプラ62´に
入力され、合波される。同様に、実施の形態1で説明し
た形態とは異なる半導体レーザモジュール60aおよび
60cは、互いに発振波長が異なり、それぞれから出射
されたレーザ光は、偏波面保持ファイバ71を介してそ
れぞれWDMカプラ62に入力され、合波される。
【0127】この場合、半導体レーザモジュール60a
´および60c´の偏波面は、偏波面保持ファイバ71
´に対して45度となるように入射し、半導体レーザモ
ジュール60aおよび60cの偏波面は、偏波面保持フ
ァイバ71に対して45度となるように入射する。よっ
て、図27の説明で述べたように、図29に示す形態に
おいても、一層、小型かつ部品点数の少ないラマン増幅
器を実現することができ、さらには、図28と同様に、
RINが小さく、かつ誘導ブリルアン散乱の発生が抑制
された前方励起を効果的に行なうことができる。
【0128】このように実施の形態1にかかる半導体レ
ーザモジュールは、前方励起用光源として用いたときに
顕著な効果を示すが、後方励起用光源としての使用を妨
げるわけではない。図30は、後方励起方式を採用した
ラマン増幅器の構成を示すブロック図である。なお、図
30において、図42と共通する部分には同一の符号を
付してその説明を省略する。図30に示すラマン増幅器
は、図42に示す半導体レーザモジュール182a〜1
82dに換えて、実施の形態1にかかる半導体レーザモ
ジュール80a〜80dを用いた点である。
【0129】この後方励起方式の場合にも、半導体レー
ザモジュール80a〜80dにおいて上述した実施の形
態1で説明した半導体レーザ装置が用いられているた
め、RINが小さく、かつ誘導ブリルアン散乱の発生が
抑制された励起を行なうことができる。
【0130】図31は、後方励起方式を採用したラマン
増幅器の他の例の構成を示すブロック図である。なお、
図31において、図30と共通する部分には同一の符号
を付してその説明を省略する。図31に示すラマン増幅
器において、図30と異なるところは、同一の波長の光
を偏波多重して出力しない点である。すなわち、図31
において、実施の形態1にかかる半導体レーザモジュー
ル80aおよび80cは、互いに発振波長が異なり、そ
れぞれから出射されたレーザ光は、偏波面保持ファイバ
71を介してそれぞれWDMカプラ62に入力され、合
波される。
【0131】この場合、半導体レーザモジュール80a
および80cの偏波面は、偏波面保持ファイバ71に対
して45度となるように入射する。よって、図27の説
明で述べたように、図31に示す形態においても、一
層、小型かつ部品点数の少ないラマン増幅器を実現する
ことができ、さらには、図30と同様に、RINが小さ
く、かつ誘導ブリルアン散乱の発生が抑制された後方励
起を行なうことができる。
【0132】図32は、実施の形態1にかかる半導体レ
ーザモジュールと従来の半導体レーザモジュールについ
て、駆動電流とレーザ光強度の関係を示す図である。図
32において、G11は、実施の形態1にかかる半導体
レーザモジュールの特性を示し、G12は、従来の半導
体レーザモジュールの特性を示す。図31に示すよう
に、同じ駆動電流に対し、実施の形態1にかかる半導体
レーザモジュールの強度の方が常に小さいため、この半
導体レーザモジュールを前方励起用光源として用いるこ
とが特に有効であることがわかる。
【0133】なお、上述した前方励起方式あるいは双方
向励起方式における前方励起に用いられるラマン増幅用
光源は、共振器長Lが800μm未満であってもよい。
共振器長Lを800μm未満とすると、上述したように
発振縦モードのモード間隔Δλが狭くなり、ラマン増幅
用光源として用いる場合に発振縦モードの本数が少なく
なり、大きな光出力を得ることができなくなるが、前方
励起は後方励起に比較して低出力で済むため、必ずしも
共振器長Lが800μm以上である必要はない。
【0134】また、上述した図26〜図31に示したラ
マン増幅器は、上述したようにWDM通信システムに適
用することができる。図33は、図26〜図31に示し
たラマン増幅器を適用したWDM通信システムの概要構
成を示すブロック図である。
【0135】図33において、複数の送信機Tx1〜T
xnから送出された波長λ1〜λnの光信号は、光合波器
100によって合波され、1つの光ファイバ105に集
約される。この光ファイバ105の伝送路上には、図2
6〜図31に示したラマン増幅器に対応した複数のラマ
ン増幅器101、103が距離に応じて配置され、減衰
した光信号を増幅する。この光ファイバ105上を伝送
した信号は、光分波器104によって、複数の波長λ1
〜λnの光信号に分波され、複数の受信機Rx1〜Rx
nに受信される。なお、光ファイバ105上には、任意
の波長の光信号の付加、取り出しをおこなうADM(Ad
d/Drop Multiplexer)が挿入される場合もある。
【0136】以上に説明したとおり、実施の形態3にか
かる光ファイバ増幅器によれば、デフォーカスや光減衰
器との接続によって光減衰機能を有した実施の形態1ま
たは2にかかる半導体レーザモジュールを、前方励起光
源または後方励起光源として使用するので、実施の形態
1または2にかかる半導体レーザモジュールによる効
果、すなわちRINの低減と誘導ブリルアン散乱の抑制
とを実現することができる。
【0137】なお、上述した実施の形態3では、実施の
形態1に示した半導体レーザモジュールを、ラマン増幅
用の励起光源に用いた場合の光ファイバ増幅器を示した
が、これに限らず、実施の形態2に示した半導体レーザ
モジュール(この場合、半導体レーザモジュールの出力
端に光減衰器が接続された状態を改めて半導体レーザモ
ジュールと称する。)をラマン増幅用の励起光源に用い
てもよい。また、それら半導体レーザモジュールを、
0.98μmなどのEDFA励起用光源等、種々の光フ
ァイバ増幅器の励起光源として用いることができるのは
明らかである。
【0138】(実施の形態4)次に、この発明の実施の
形態4について説明する。実施の形態3が実施の形態1
または2にかかる半導体レーザモジュールを利用するこ
とによって励起光の減衰を実現したのに対し、この実施
の形態4では、ラマン増幅器を構成する増幅用ファイバ
を、SLA(Super Large Area)ファイバと呼ばれる、
少なくとも信号伝送用ファイバよりも非線形効果の小さ
いファイバとIDF(Inverse Dispersion Fiber)と呼
ばれる、少なくとも信号伝送用ファイバよりも非線形効
果の大きなファイバで構成し、前者のSLAファイバに
よって誘導ブリルアン散乱を低減させることを特徴とし
ている。
【0139】図34は、実施の形態4にかかる前方励起
方式のラマン増幅器の構成を示すブロック図である。特
に、図34は、図26に示した前方励起方式のラマン増
幅器において、実施の形態1または2で示したような光
減衰機能を有した半導体レーザモジュール60a´〜6
0d´に換えて、そのような機能を有せずに単に図1〜
図14に示したマルチモード発振型の半導体レーザ装置
を搭載した半導体レーザモジュール(以下、単に、マル
チモード半導体レーザモジュールと称する。)90a´
〜90d´を備えている。さらに、図34に示すラマン
増幅器では、図26に示した増幅用ファイバ64に換え
て、上記SLAファイバ64aと上記IDF64bとか
ら構成されるファイバを用いている。なお、SLAファ
イバ64aは、励起光源側、すなわちWDMカプラ65
´に直結される形で配置され、IDF64bは、そのS
LAファイバ64aに融着接続されて信号光の伝搬方向
に向けて配置される。
【0140】よって、この構成によれば、励起光は、信
号光とともにまずSLAファイバ64aに入射する。こ
こで、SLAファイバ64aは、上述したように非線形
効果が小さいため、誘導ブリルアン散乱の発生閾値は大
きい。換言すれば、SLAファイバ64aに対してはラ
マン増幅効果は小さい。ところが、励起光および信号光
は、SLAファイバ64aを伝搬後、非線形効果の大き
なIDF64bに入射するため、そのIDF64bにお
いて十分な利得でラマン増幅される。結局、この構成に
よって、誘導ブリルアン散乱の発生が抑制されるととも
に、信号光の増幅という目的も果たされる。
【0141】図35は、実施の形態4にかかる前方励起
方式のラマン増幅器の他の例の構成を示すブロック図で
ある。特に、図35は、図27に示した前方励起方式の
ラマン増幅器において、実施の形態1または2で示した
ような光減衰機能を有した半導体レーザモジュール60
a´および60c´に換えて、上記したマルチモード半
導体レーザモジュール90a´および90c´を備えて
いる。さらに、図35に示すラマン増幅器では、図34
と同様に、増幅用ファイバ64に換えて、上記SLAフ
ァイバ64aと上記IDF64bとから構成されるファ
イバを用いている。よって、この構成においても、図3
4の説明で述べたとおりの効果が得られる。
【0142】図36は、実施の形態4にかかる双方向励
起方式のラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
特に、図36は、図28に示した双方向励起方式のラマ
ン増幅器において、実施の形態1または2で示したよう
な光減衰機能を有するとともに前方励起光源を構成する
半導体レーザモジュール60a´〜60d´に換えて、
上記したマルチモード半導体レーザモジュール90a´
〜90d´を備えている。さらに、図36に示すラマン
増幅器では、図34と同様に、増幅用ファイバ64に換
えて、上記SLAファイバ64aと上記IDF64bと
から構成されるファイバを用いている。
【0143】また、図36に示すラマン増幅器におい
て、後方励起用の光源を構成する半導体レーザモジュー
ル60a〜60dは、ファブリペロー型レーザ、DFB
レーザ、FBGを備えた半導体レーザモジュールなどの
上記したマルチモード半導体レーザモジュールとは異な
る構造の半導体モジュールである。図36に示す構成で
は、この後方励起用の光源から出射された励起光は、W
DMカプラ65を介して、IDF64bに入射し、その
IDF64bにおいて大きな利得でラマン増幅される。
すなわち、この構成においては、前方励起の部分に関し
て、図34の説明で述べたとおりの効果が得られる。
【0144】図37は、実施の形態4にかかる双方向励
起方式のラマン増幅器の他の例の構成を示すブロック図
である。特に、図37は、図29に示した双方向励起方
式のラマン増幅器において、実施の形態1または2で示
したような光減衰機能を有するとともに前方励起光源を
構成する半導体レーザモジュール60a´および60c
´に換えて、上記したマルチモード半導体レーザモジュ
ール90a´および90c´を備えている。さらに、図
37に示すラマン増幅器では、図36と同様に、増幅用
ファイバ64に換えて、上記SLAファイバ64aと上
記IDF64bとから構成されるファイバを用いてい
る。よって、この構成においても、図36の説明で述べ
たとおりの効果が得られる。
【0145】図38は、実施の形態4にかかる双方向励
起方式のラマン増幅器の他の例の構成を示すブロック図
である。特に、図38は、図28に示した双方向励起方
式のラマン増幅器において、実施の形態1または2で示
したような光減衰機能を有するとともに前方励起光源を
構成する半導体レーザモジュール60a´〜60d´に
換えて、上記したマルチモード半導体レーザモジュール
90a´〜90d´を備え、さらに、後方励起光源を構
成する半導体レーザモジュール60a〜60dに換え
て、上記したマルチモード半導体レーザモジュール90
a〜90dを備えている。また、図38に示すラマン増
幅器では、増幅用ファイバ64に換えて、上記SLAフ
ァイバ64aと上記IDF64bとSLAファイバ64
cとから構成されるファイバを用いている。なお、SL
Aファイバ64aは、前方励起光源側、すなわちWDM
カプラ65´に直結される形で配置され、SLAファイ
バ64cは、後方励起光源側、すなわちWDMカプラ6
5に直結される形で配置される。そして、IDF64b
は、両端をそれらSLAファイバ64aおよびSLAフ
ァイバ64cに融着接続され形で配置される。
【0146】図38に示す構成では、前方励起に使用す
る励起光と後方励起に使用する励起光がともに、図1〜
図14で説明したようなマルチモード発振型の半導体レ
ーザ装置から得られるので、前方と後方の双方向におい
て誘導ブリルアン散乱の発生の問題が生じる。ところ
が、これら励起光はともに、非線形効果の小さいSLA
ファイバに入射された後に非線形効果の大きいIDFへ
と伝搬されるので、図34の説明で述べたとおりの効果
を享受することができる。
【0147】図39は、実施の形態4にかかる双方向励
起方式のラマン増幅器の他の例の構成を示すブロック図
である。特に、図39は、図29に示した双方向励起方
式のラマン増幅器において、実施の形態1または2で示
したような光減衰機能を有するとともに前方励起光源を
構成する半導体レーザモジュール60a´および60c
´に換えて、上記したマルチモード半導体レーザモジュ
ール90a´および90c´を備え、さらに、後方励起
光源を構成する半導体レーザモジュール60a,60c
に換えて、上記したマルチモード半導体レーザモジュー
ル90a,90cを備えている。また、図39に示すラ
マン増幅器では、図38と同様に、増幅用ファイバ64
に換えて、上記SLAファイバ64aと上記IDF64
bと上記IDF64cとから構成されるファイバを用い
ている。よって、この構成においても、図36の説明で
述べたとおりの効果が得られる。
【0148】図40は、実施の形態4にかかる後方励起
方式のラマン増幅器の構成を示すブロック図である。特
に、図40は、図30に示した後方励起方式のラマン増
幅器において、実施の形態1または2で示したような光
減衰機能を有した半導体レーザモジュール80a〜80
dに換えて、上記したマルチモード半導体レーザモジュ
ール90a〜90dを備えている。さらに、図40に示
すラマン増幅器では、図30に示した増幅用ファイバ6
4に換えて、IDF64bとSLAファイバ64cとか
ら構成されるファイバを用いている。なお、SLAファ
イバ64cは、励起光源側、すなわちWDMカプラ65
に直結される形で配置され、IDF64bは、そのSL
Aファイバ64cに融着接続されて信号光の伝搬方向と
は逆の方向に向けて配置される。よって、図40に示す
構成では、後方励起用の光源から出射された励起光は、
非線形効果の小さいSLAファイバ64cに入射された
後に非線形効果の大きいIDF64bへと伝搬される。
結局、この構成においても、図34の説明で述べたとお
りの効果を享受することができる。
【0149】図41は、実施の形態4にかかる後方励起
方式のラマン増幅器の他の例の構成を示すブロック図で
ある。特に、図41は、図31に示した後方励起方式の
ラマン増幅器において、実施の形態1または2で示した
ような光減衰機能を有した半導体レーザモジュール80
aおよび80cに換えて、上記したマルチモード半導体
レーザモジュール90aおよび90cを備えている。さ
らに、図35に示すラマン増幅器では、図40と同様
に、増幅用ファイバ64に換えて、上記IDF64bと
上記SLAファイバ64cとから構成されるファイバを
用いている。よって、この構成においても、図40の説
明で述べたとおりの効果が得られる。
【0150】以上に説明したとおり、実施の形態4にか
かる光ファイバ増幅器によれば、増幅用ファイバを、非
線形効果の小さいSLAファイバと非線形効果の大きな
IDFとで構成し、励起光をSLAファイバからIDF
に向けて伝搬させるので、SLAファイバの通光時にお
いて誘導ブリルアン散乱の発生を抑制することができ
る。
【0151】なお、以上に説明した実施の形態4におい
て、励起光源を構成する半導体レーザモジュールを、実
施の形態1または2に説明したような光減衰機能を有す
る半導体レーザモジュールに置換することもできる。こ
の場合、誘導ブリルアン散乱の発生を抑制することがで
きるとともに、RINの低減も実現することができる。
【0152】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる半
導体レーザモジュールによれば、誘導ブリルアン散乱が
発生する閾値以下の複数の発振縦モードのレーザ光を出
力する半導体レーザ装置をモジュール化するとともに、
光結合効率を意図的に低下させているので、大きな駆動
電流での動作を確保しつつ、レーザ光強度を小さくする
ことができ、結果的に、RINの悪化と誘導ブリルアン
散乱の発生とをともに抑制することが可能になり、前方
励起方式の励起光源として有用であるという効果を奏す
る。
【0153】また、本発明にかかる半導体レーザモジュ
ールによれば、誘導ブリルアン散乱が発生する閾値以下
の複数の発振縦モードのレーザ光を出力する半導体レー
ザ装置をモジュール化するとともに、光減衰器によって
レーザ光出力を小さくしているので、大きな駆動電流で
の動作を確保しつつ、レーザ光強度を小さくすることが
でき、結果的に、RINの悪化と誘導ブリルアン散乱の
発生とをともに抑制することが可能になり、前方励起方
式の励起光源として有用であるという効果を奏する。
【0154】また、本発明にかかる光ファイバ増幅器に
よれば、上述した半導体レーザモジュールの作用効果を
奏するようにし、安定かつ信頼性の高いラマン増幅を行
なうことができるという効果を奏する。
【0155】また、本発明にかかる光ファイバ増幅器に
よれば、増幅用ファイバを、非線形効果の小さいSLA
ファイバと非線形効果の大きなIDFとで構成し、励起
光をSLAファイバからIDFに向けて伝搬させるの
で、SLAファイバの通光時において誘導ブリルアン散
乱の発生を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1である半導体レーザ装
置を斜めからみた破断図である。
【図2】図1に示した半導体レーザ装置の概要構成を示
す長手方向の縦断面図である。
【図3】図1に示した半導体レーザ装置のA−A線断面
図である。
【図4】図1に示した半導体レーザ装置の発振波長スペ
クトルと発振縦モードとの関係を示す図である。
【図5】単一発振縦モードと複数発振縦モードとのレー
ザ光出力パワーの関係および誘導ブリルアン散乱の閾値
を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1である半導体レーザモ
ジュール内の半導体レーザ装置の概要構成を示す長手方
向の縦断面図である。
【図7】この発明の実施の形態1である半導体レーザモ
ジュール内の第1変形例である半導体レーザ装置の概要
構成を示す長手方向の縦断面図である。
【図8】この発明の実施の形態1である半導体レーザモ
ジュール内の第2変形例である半導体レーザ装置の概要
構成を示す長手方向の縦断面図である。
【図9】図6に示した半導体レーザ装置に対応する半導
体レーザ装置の発振波長スペクトルの計測結果を示す図
である。
【図10】図6に示した半導体レーザ装置に対応する半
導体レーザ装置のI−L特性を示す図である。
【図11】回折格子にチャープドグレーティングを適用
した場合における発振波長スペクトルを示す図である。
【図12】この発明の実施の形態1である半導体レーザ
モジュール内の他の例である半導体レーザ装置の概要構
成を示す長手方向の縦断面図である。
【図13】図12に示した回折格子の周期揺らぎを示す
図である。
【図14】図12に示した回折格子の周期揺らぎを実現
する変形例を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態1である半導体レーザ
モジュールの構成を示す縦断面図である。
【図16】前方励起用光源と後方励起用光源の利用特性
を示す図である。
【図17】従来の回折格子内蔵型励起用半導体レーザモ
ジュールの特性例を示す図である。
【図18】駆動電流と光出力パワーの関係を誘導ブリル
アン散乱の発生閾値とともに示したグラフである。
【図19】実施の形態1にかかる半導体レーザモジュー
ルのRIN特性を示す図である。
【図20】実施の形態2にかかる半導体レーザモジュー
ルの概略構成を示すブロック図である。
【図21】図20のノードN1とノードN2における出
力パワーと駆動電流の関係を示す図である。
【図22】誘導ブリルアン散乱の発生の程度を検出する
ための測定装置の構造を示す模式図である。
【図23】実施の形態2にかかる半導体レーザモジュー
ルの6つのサンプルについての減衰量と散乱強度比の関
係を示すグラフである。
【図24】図20に示した半導体レーザモジュールにつ
いて、図22の測定装置を用いて伝送用光ファイバ24
に入射させる光強度を変化させた場合の散乱強度比を測
定したグラフである。
【図25】図25は、実施の形態2にかかる半導体レー
ザモジュールにおいて、駆動電流と光出力パワーとの関
係と誘導ブリルアン散乱の発生閾値とを示す図である。
【図26】実施の形態3にかかる光ファイバ増幅器にお
いて、前方励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示
すブロック図である。
【図27】実施の形態3にかかる光ファイバ増幅器にお
いて、前方励起方式を採用したラマン増幅器の他の例の
構成を示すブロック図である。
【図28】実施の形態3にかかる光ファイバ増幅器にお
いて、双方向励起方式を採用したラマン増幅器の構成を
示すブロック図である。
【図29】実施の形態3にかかる光ファイバ増幅器にお
いて、双方向励起方式を採用したラマン増幅器の他の例
の構成を示すブロック図である。
【図30】実施の形態3にかかる光ファイバ増幅器にお
いて、後方励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示
すブロック図である。
【図31】実施の形態3にかかる光ファイバ増幅器にお
いて、後方励起方式を採用したラマン増幅器の他の例の
構成を示すブロック図である。
【図32】前方励起に用いる半導体レーザモジュールと
後方励起に用いる半導体レーザモジュールについて、駆
動電流とレーザ光強度の関係を示す図である。
【図33】実施の形態3にかかる光ファイバ増幅器を適
用したWDM通信システムの概要構成を示すブロック図
である。
【図34】実施の形態4にかかる前方励起方式のラマン
増幅器の構成を示すブロック図である。
【図35】実施の形態4にかかる前方励起方式のラマン
増幅器の他の例の構成を示すブロック図である。
【図36】実施の形態4にかかる双方向励起方式のラマ
ン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図37】実施の形態4にかかる双方向励起方式のラマ
ン増幅器の他の例の構成を示すブロック図である。
【図38】実施の形態4にかかる双方向励起方式のラマ
ン増幅器の他の例の構成を示すブロック図である。
【図39】実施の形態4にかかる双方向励起方式のラマ
ン増幅器の他の例の構成を示すブロック図である。
【図40】実施の形態4にかかる後方励起方式のラマン
増幅器の構成を示すブロック図である。
【図41】実施の形態4にかかる後方励起方式のラマン
増幅器の他の例の構成を示すブロック図である。
【図42】従来のラマン増幅器の概要構成を示すブロッ
ク図である。
【図43】従来のラマン増幅器に用いられる半導体レー
ザモジュールの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 n−InP基板 2 n−InPバッファ層 3 GRIN−SCH−MQW活性層 4 p−InPスペーサ層 6 p−InPクラッド層 7 InGaAsPコンタクト層 8 p−InPブロッキング層 9 n−InPブロッキング層 10 p側電極 11 n側電極 13,43〜47 回折格子 14 反射膜 15 出射側反射膜 20,22,51 半導体レーザ装置 21 カプラ 23 反射光測定手段 24 伝送用光ファイバ 25 入力光測定手段 26 出力光測定手段 30 発振波長スペクトル 31〜33 発振縦モード 50,60a〜60d,60a´〜60d´,80a〜
80d,90a〜9 0d,90a´〜90d´ 半導体レーザモジュール5
2 第1レンズ 53,63,66 アイソレータ 54 第2レンズ 55 光ファイバ 56 モニタフォトダイオード 57 ベース 57a ヒートシンク 58 ペルチェモジュール 58a サーミスタ 59 パッケージ 61a,61b,61a´,61b´ 偏波合成カプラ 62,65,62´,65´ WDMカプラ 64 増幅用ファイバ 64a,64c SLAファイバ 64b IDF 67 モニタ光分配用カプラ 68 制御回路 69 信号光入力ファイバ 70 信号光出力ファイバ 71 偏波面保持ファイバ 81,83 ラマン増幅器
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 5/042 H01S 5/042 5/125 5/125 (72)発明者 木村 俊雄 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 門 想子 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 2H037 AA01 BA03 CA00 DA36 DA38 5F072 AB07 AK06 HH02 JJ05 JJ20 MM01 MM20 PP07 RR01 YY17 5F073 AA22 AA46 AA65 AA74 AA83 AA89 AB25 AB27 AB28 AB30 BA03 CA02 CB10 CB11 EA01 EA03 EA15 EA26 EA27 EA29 FA02 FA15 FA25 FA30 HA05 HA10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜
    と該レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形
    成された活性層の近傍に回折格子を設け、前記活性層が
    形成する共振器長と前記回折格子の波長選択特性とを含
    む発振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長ス
    ペクトルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレ
    ーザ光を出力する半導体レーザ装置と、 前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に
    導波する光ファイバと、 前記半導体レーザ装置と前記光ファイバとの光結合効率
    が最大となる位置からずれた状態で前記半導体レーザ装
    置と前記光ファイバとの光結合を行なう光結合レンズ系
    と、 を備えたことを特徴とする半導体レーザモジュール。
  2. 【請求項2】 レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜
    と該レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形
    成された活性層の近傍に回折格子を設け、前記活性層が
    形成する共振器長と前記回折格子の波長選択特性とを含
    む発振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長ス
    ペクトルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレ
    ーザ光を出力する半導体レーザ装置と、 前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に
    導波する光ファイバと、 前記半導体レーザ装置と前記光ファイバとの光結合を行
    なう光結合レンズ系と、 前記レーザ光を減衰させる光減衰器と、 を備えたことを特徴とする半導体レーザモジュール。
  3. 【請求項3】 レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜
    と該レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形
    成された活性層の近傍に回折格子を設け、前記活性層が
    形成する共振器長と前記回折格子の波長選択特性とを含
    む発振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長ス
    ペクトルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレ
    ーザ光を出力する半導体レーザ装置と、 前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に
    導波する光ファイバと、 前記レーザ光を低下させる光出力低下手段と、を備え、 前記半導体レーザ装置の駆動電流は、50mA以上であ
    ることを特徴とする半導体レーザモジュール。
  4. 【請求項4】 レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜
    と該レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形
    成された活性層の近傍に回折格子を設け、前記活性層が
    形成する共振器長と前記回折格子の波長選択特性とを含
    む発振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長ス
    ペクトルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含むレ
    ーザ光を出力する半導体レーザ装置と、 前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に
    導波する光ファイバと、 前記レーザ光を低下させる光出力低下手段と、を備え、 前記半導体レーザ装置の駆動電流は、150mA以上で
    あることを特徴とする半導体レーザモジュール。
  5. 【請求項5】 前記半導体レーザ装置は、レーザ発振時
    における出射レーザ光が1200nm以上、1600n
    m以下の波長を有することを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
  6. 【請求項6】 前記半導体レーザ装置は、光出射方向の
    長さが800μm以上、3200μm以下であることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体
    レーザモジュール。
  7. 【請求項7】 前記回折格子は、回折格子長が300μ
    m以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    一つに記載の半導体レーザモジュール。
  8. 【請求項8】 前記回折格子の回折格子長は、前記共振
    器長の(300/1300)倍の値以下であることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の半導体レ
    ーザモジュール。
  9. 【請求項9】 前記回折格子の結合係数と回折格子長と
    の乗算値が0.3以下であることを特徴とする請求項1
    〜8のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
  10. 【請求項10】 前記回折格子は、グレーティング周期
    に所定の周期揺らぎを持たせたことを特徴とする請求項
    1〜9のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュー
    ル。
  11. 【請求項11】 前記回折格子は、前記グレーティング
    周期をランダムあるいは所定周期で変化させたことを特
    徴とする請求項10に記載の半導体レーザモジュール。
  12. 【請求項12】 前記半導体レーザ素子の前記第1反射
    膜の反射率は1%以上であることを特徴とする請求項1
    〜11のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュー
    ル。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか一つに記載
    の半導体レーザモジュールを広帯域ラマン増幅用の励起
    用光源として用いることを特徴とする光ファイバ増幅
    器。
  14. 【請求項14】 広帯域ラマン増幅用の後方励起用光源
    の駆動電流に対する出力効率よりも小さい出力効率を有
    する前方励起用光源を用いることを特徴とする光ファイ
    バ増幅器。
  15. 【請求項15】 請求項1〜12のいずれか一つに記載
    の半導体レーザモジュールと、 信号光を伝送する光ファイバと、 前記光ファイバと接続された増幅用光ファイバと、 前記半導体レーザモジュールから出射されたレーザ光を
    前記増幅用光ファイバに入射させるためのカプラと、 を備えたことを特徴とする光ファイバ増幅器。
  16. 【請求項16】 レーザ光の出射端面に設けた第1反射
    膜と該レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に
    形成された活性層の近傍に回折格子を設け、前記活性層
    が形成する共振器長と前記回折格子の波長選択特性とを
    含む発振パラメータの組み合わせ設定によって発振波長
    スペクトルの半値幅内に2本以上の発振縦モードを含む
    レーザ光を出力する半導体レーザモジュールと、 信号光を伝送する信号光ファイバと、 前記信号光を伝搬するとともに前記信号光ファイバより
    も小さい非線形効果を有する第1光ファイバと、 前記第1光ファイバに接続され、前記信号光を伝搬する
    とともに前記信号光ファイバよりも大きい非線形効果を
    有する第2光ファイバと、 前記半導体レーザモジュールから出射されたレーザ光を
    前記第1光ファイバに入射させるためのカプラと、 を備えたことを特徴とする光ファイバ増幅器。
  17. 【請求項17】 前記半導体レーザモジュールは、請求
    項1〜12のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュ
    ールであることを特徴とする請求項16に記載の光ファ
    イバ増幅器。
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JP2007286085A (ja) * 2006-04-12 2007-11-01 Alps Electric Co Ltd 光送受信モジュール

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