JP4162905B2 - 光ファイバ増幅器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光伝送システムにおいて、高出力動作時においても誘導ブリルアン散乱の発生を抑制できる光ファイバ増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットの急速な普及や企業内LAN間接続の急増等によって、データトラヒックの増大が問題となっている。そこで、その問題を解決すべく、WDM(波長多重伝送)システムがめざましい発展を遂げ普及している。WDMシステムでは、複数の信号光をそれぞれ異なる波長に乗せることにより1本のファイバで従来の100倍にも及ぶ大容量伝送を実現している。特に、WDMシステムは、エルビウム添加ファイバアンプ(以下、EDFA)やラマン増幅器等の光ファイバ増幅器による光増幅が必須であり、この光増幅により広帯域・長距離伝送を可能としている。ここで、EDFAは、エルビウムという元素を添加した特殊な光ファイバ(以下、EDF)内に、波長1480nmあるいは波長980nmの励起光を出射する励起用レーザで通光した際に、伝送信号である波長1550nm帯の光が上記EDFの中で増幅されるという原理を応用した光ファイバ増幅器である。
【0003】
また、EDFAの形態として、海底に敷設された伝送用光ファイバの途中で信号光の増幅を行なう場合に、励起用レーザを陸上に配置し、その励起用レーザから出射された励起光を伝送用の光ファイバを介してEDFに入射させる、いわゆるリモートポンプ式が提案されている。リモートポンプ式のEDFAでは、励起用レーザを陸上に配置することで、励起用レーザの保守・交換を容易に行なうことができる。
【0004】
一方、ラマン増幅器は、EDFAのようにエルビウム添加ファイバといった特殊なファイバを必要とせずに、通常の伝送路ファイバを利得媒体とする分布型の光ファイバ増幅器であり、従来のEDFAをベースとしたWDM伝送システムに比べ広帯域で平坦な利得を有する伝送帯域を実現することができるという特徴を有している。なお、ラマン増幅器においては、その増幅利得がEDFAよりも小さいために、その励起用レーザにEDFA以上の高出力特性が要求されている。
【0005】
よって、WDMシステムの安定性向上や中継数の低減を実現するためには、励起用レーザに対し、安定した高い光出力能力が求められる。励起用レーザとしては、埋め込みヘテロ(BH)構造等の種々の構造の半導体レーザ装置が用いられており、現在、上記した理由から特に高出力半導体レーザ装置の開発が盛んに行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、励起用レーザを構成する半導体レーザ装置の高出力化にともなって、新たな問題が生じている。上記したように、励起用レーザから出射された励起光は光ファイバに入射するが、一定の閾値よりも高い強度を有する光がある程度長距離の光ファイバに入射した場合、誘導ブリルアン散乱(SBS)が発生する。誘導ブリルアン散乱は、入射した光が音響波(フォノン)と相互作用することによって散乱(反射)が生ずる非線形光学現象である。フォノンのエネルギー相当を吸収・放出することにより、約11GHz低い周波数の光が入射光と逆方向に反射される現象として観測される。
【0007】
ここで、光ファイバ増幅器、特にラマン増幅器において用いられる半導体レーザ装置は、各モード1本あたりのスペクトル線幅がSBSスペクトルのスペクトル線幅よりも広く、モード1本あたりの強度も上記した一定の閾値よりも小さいことが望ましい。
【0008】
光ファイバ増幅器において光誘導ブリルアン散乱が生じると、光ファイバに入射した励起光の一部は散乱光として後方に反射されるため、結果的に光ファイバに導波される励起光の強度は低下してしまう。これにより、ラマン増幅器において、所望の増幅利得が実現困難となる。また、誘導ブリルアン散乱により生じた後方散乱光が戻り光として半導体レーザ装置に入射されるため、励起光に意図しない雑音が生じる可能性がある。
【0009】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、本発明は、誘導ブリルアン散乱の発生を抑制することでより安定した高出力を実現する光ファイバ増幅器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる半導体レーザ装置は、活性層を具備し、所定の発振波長のレーザ光を出射する半導体レーザ装置において、前記活性層の近傍に配置され、前記活性層で生成されたフォトンの一部を吸収する吸収層を備え、前記レーザ光は、発振波長スペクトルが複数の縦モードからなるマルチモードスペクトルであることを特徴としている。
【0011】
また、本発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記吸収層は、前記発振波長のエネルギーよりも低いエネルギーギャップを有する材料で形成されたことを特徴としている。
【0012】
また、本発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記吸収層は、可飽和吸収特性を有することを特徴としている。
【0013】
また、本発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記吸収層は、前記発振波長のエネルギーに略等しいエネルギーギャップを有する材料で形成されたことを特徴としている。
【0014】
また、本発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、埋め込みヘテロ構造を有することを特徴としている。
【0015】
また、本発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、自己整合構造(SAS)を有することを特徴としている。
【0016】
また、本発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記吸収層は、電流ブロック層で実現されることを特徴としている。
【0017】
また、本発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記吸収層は、波長選択を行なうための回折格子としても機能することを特徴としている。
【0018】
また、本発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、ファブリ・ペロー構造であることを特徴としている。
【0019】
また、本発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記活性層の近傍に波長選択を行なうための回折格子を備えたことを特徴としている。
【0020】
また、本発明にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記吸収層は、GaxIn1-xAsyP1-y(0≦x≦1,0≦y<1)またはGaInAsで形成されたことを特徴としている。
【0021】
また、本発明にかかる半導体レーザモジュールは、本発明のいずれか一つの半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置の温度を制御する温調モジュールと、前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバと、前記半導体レーザ装置と前記光ファイバとを光結合する光結合レンズ系と、を備えたことを特徴としている。
【0022】
また、本発明にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ装置の光出力を測定する光検出器と、アイソレータと、をさらに備えたことを特徴としている。
【0023】
また、本発明にかかる光ファイバ増幅器は、本発明のいずれか一つの半導体レーザ装置若しくは本発明の半導体レーザモジュールを備えた励起光源と、信号光を伝送する光ファイバと、前記光ファイバと接続された増幅用光ファイバと、前記励起光源から出射される励起光を増幅用光ファイバに入射させるためのカプラと、を備えたことを特徴としている。
【0024】
また、本発明にかかる光ファイバ増幅器は、本発明のいずれか一つの半導体レーザ装置若しくは本発明の半導体レーザモジュールを備えた励起光源と、信号光を伝送する光ファイバと、前記励起光源から出射される励起光を前記光ファイバに入射させるためのカプラと、を備え、ラマン増幅により光増幅を行なうことを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明にかかる半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよび光ファイバ増幅器の好適な実施の形態について説明する。なお、図面の記載において同一または類似部分には同一あるいは類似な符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、層の厚みと幅との関係、各層の厚みの比率などは現実のものとは必ずしも一致せず、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる場合がある。
【0026】
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる半導体レーザ装置について説明する。実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、励起用レーザとして用いられる高出力の埋め込みヘテロ構造の半導体レーザ装置であって、活性層の近傍に、発振波長が示すエネルギー近傍のエネルギーギャップを有する吸収層を備えることにより、フォトンの寿命を短くし、モード一本あたりのスペクトル幅を広げたことを特徴としている。
【0027】
図1は、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図であり、図2は、図1のA−A線で切断される長手方向の断面図である。図1および図2に示す半導体レーザ装置は、いわゆる埋め込みヘテロ構造のファブリ・ペロー型レーザであり、n−InP基板1上に順次n−InPバッファ層2、GRIN−SCH−MQW(Graded Index-Separate Confinement Hetero structure Multi Quantum Well:分布屈折率分離閉じこめ多重量子井戸)活性層3、吸収層12が積層されている。
【0028】
n−InPバッファ層2の上部領域、GRIN−SCH−MQW活性層3は光出射方向に長手方向を有するメサストライプ状の構造となっており、この構造に隣接してp−InP電流ブロック層8、n−InP電流ブロック層9が順に積層されている。n−InP電流ブロック層9上にはp−InPクラッド層6、p−GaInAsPコンタクト層7が積層されている。また、p−GaInAsPコンタクト層7上にはp側電極10が形成され、n−InP基板1の裏面にはn側電極11が形成されている。さらに、図2で示すように、レーザ光出射端面に出射側反射膜15が形成され、その出射側反射膜15と対向する反射端面に反射側反射膜14が形成されている。
【0029】
以下に、上記した各層の機能について簡単に説明する。まず、n−InPバッファ層2は、バッファ層としての機能の他に、クラッド層としての機能を有する。具体的には、n−InPバッファ層2は、GRIN−SCH−MQW活性層3の実効屈折率よりも低い屈折率を有することでGRIN−SCH−MQW活性層3から発生する光を縦方向に閉じ込める機能を有する。
【0030】
p−InP電流ブロック層8およびn−InP電流ブロック層9は、注入された電流を内部で狭窄するとともに、高次の水平横モードを抑制した水平単一横モード動作を実現する機能を担う。本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置においては、p側電極10が陽極として機能するため、電圧が印加された際にはn−InP電流ブロック層9とp−InP電流ブロック層8との間には逆バイアスが印加される。そのため、n−InP電流ブロック層9からp−InP電流ブロック層8に向けて電流が流れることはなく、p側電極10から注入された電流は、狭窄されてGRIN−SCH−MQW活性層3に流入する。反射側反射膜14と出射側反射膜15は、共振器を形成するためのミラーであり、それらの光反射率は、共振器長に応じて最適化される。なお、ここでは、反射側反射膜14の反射率を95%とし、出射側反射膜15の反射率を1.5%とした。また、高出力化には、共振器長Lが800μm以上であることが望ましいが、ここではL=1500μmとした。
【0031】
ここまで説明した各層で形成される構造は、従来の埋め込みヘテロ構造と何ら変わらず、上述した材料や導電型以外にも、同構造を形成する既知の材料で置換することができる。本実施の形態1において特徴的なことは、このような従来の埋め込みヘテロ構造において、活性層(ここではGRIN−SCH−MQW活性層3)の上部に上記した吸収層12を設けたことである。以下に、この吸収層12の機能と効果について説明する。
【0032】
吸収層12は、GRIN−SCH−MQW活性層3の近傍に配置され、発振波長相当のエネルギー以下のバンドギャップエネルギーを有する材料で形成される。換言すれば、吸収層12は、GRIN−SCH−MQW活性層3で生成されたフォトン、特に誘導放出によって生成されたフォトンを吸収する機能を担い、GRIN−SCH−MQW活性層3で生成されたフォトンの一部分は、誘導放出に寄与する前または外部に放出される前にこの吸収層12に吸収される。吸収層12にフォトンが吸収されることによって吸収層12に電子−正孔対が生成されるが、キャリアの再結合により、再度フォトンとして放出される。結果的に、吸収層12は、本来ならば誘導放出に寄与するかレーザ光として出射されるはずのフォトンを一部自然放出光に変換する。自然放出光の増大は、出射光の各モードのスペクトル線幅を増大させる要因となるため、上記吸収層12は、吸収層12が存在しない従来構造において同量の電流が注入された場合と比較して、スペクトル線幅を広げるとともに、誘導ブリルアン散乱を小さくし、誘導ブリルアン散乱の発生閾値を増大させる。
【0033】
また、吸収層12によるフォトンの吸収は、フォトンの寿命を短くさせると表現することもできる。GRIN−SCH−MQW活性層3で生成されたフォトンは、共振器内を往復することで他のフォトンを次々に誘導放出させる。換言すれば、フォトンは、共振器内を往復している間は、高コヒーレンスのフォトンの生成に寄与し、線幅の狭いスペクトルをもたらす。よって、逆に、フォトンが誘導放出に寄与する回数、すなわち同一のフォトンの共振器内での寿命を小さくすることができれば、スペクトル線幅を広げることが可能になる。
【0034】
このように、GRIN−SCH−MQW活性層3の近傍に吸収層12を設けることで、各モード1本あたりのスペクトル線幅を広げ、そのスペクトルピークを小さくすることが可能になる。吸収層12の存在よってスペクトルピークが小さくなることは、その吸収層12の設計によって、光強度を誘導ブリルアン散乱の発生閾値以下に制御できることを意味する。また、スペクトル線幅が広がることで、誘導ブリルアン散乱の発生閾値を大きくすることができる。
【0035】
図3は、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の効果を説明するための説明図である。吸収層12を備えていない従来のファブリ・ペロー型の半導体レーザ装置、または仮に吸収層12が備えられていても適切な設計がなされていないファブリ・ペロー型の半導体レーザ装置では、図3(a)に示すように、複数の縦モードのうち最もスペクトルピークの大きい主モードが、注入電流の増大によって、容易に誘導ブリルアン散乱の発生閾値Pthを超えてしまう。これにより、実効的に励起光強度が小さくなる。
【0036】
一般に、誘導ブリルアン散乱は、レーザ発振モードの光強度の大きさが所定値を超えたときに発生するが、その値は、各モードのスペクトル線幅、使用する光ファイバの特性および条件に依存する。スペクトル線幅が誘導ブリルアン散乱光のスペクトル線幅以下のときは、この線幅で決定される光出力を超えたときに誘導ブリルアン散乱が発生する。具体的には、波長帯域が1100〜1550nmでは、誘導ブリルアン散乱のスペクトル線幅は、数十MHz(例えば20MHz)であり、長さ55kmのDSF(Dispersion Shifted Fiber)を用いた場合には、各モードのスペクトル線幅が20MHz以下の時に各モードの光出力が約4mWを越えると、誘導ブリルアン散乱が発生する。また、各発振モードのスペクトル線幅が20MHzを超えたレーザでは、誘導ブリルアン散乱が生じる条件は、モード1本あたりの光出力は4mWよりも大きい値となる。
【0037】
ここで、単純に誘導ブリルアン散乱の発生を抑制するためには、全体の光強度を抑制すればよい。しかし、光ファイバ増幅器で用いられる半導体レーザ装置は、高い光出力が求められる。したがって、出射する光の強度を高めながらも誘導ブリルアン散乱を回避する必要がある。そこで、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置では、適切に設計された吸収層12を備えることにより、図3(a)の場合と同じ注入電流によって駆動した場合であっても、図3(b)に示すように、各モードのスペクトル線幅を広がることができ、主モードのスペクトルピークも誘導ブリルアン散乱の発生閾値Pthを超えない。換言すれば、各周波数における光強度を低減しながらも、広い周波数帯で光発振させることで、全体として光強度を高めている。すなわち、本実施の形態1にかかる半導体レーザ装置は、誘導ブリルアン散乱の発生を防止するとともに、高出力化を実現する。なお、高出力化のためには、吸収層の材料が発振波長近傍であることが望ましい。
【0038】
吸収層12は、上記したように、GRIN−SCH−MQW活性層3で発生したフォトンを吸収することが求められるが、その吸収の程度によって、吸収層、可飽和吸収層などの形態を取り得る。吸収層とは、発振波長が示すエネルギーよりも小さなバンドギャップエネルギーを有する材料で形成された層であり、GRIN−SCH−MQW活性層3で生成されたフォトンを高い割合で吸収する。
【0039】
可飽和吸収層とは、光強度の増加とともに、フォトンの吸収が小さくなる材料である。なお、ここでは、発振波長が示すエネルギーにほぼ等しいバンドギャップエネルギーを有する材料で形成した。すなわち、GRIN−SCH−MQW活性層3で生成されたフォトンを吸収する割合がフォトンの増大とともに減少する特性を示す。例えば、発振波長が1480nmである場合、1480nmに相当するエネルギーギャップを有する材料を用いることができる。
【0040】
なお、上記した吸収層、可飽和吸収層を形成する材料としては、上記した各範囲のエネルギーギャップを有するように適当に組成比制御された混晶半導体(GaInAsやGaInAsP等)を用いることができる。
【0041】
また、図1および図2では、吸収層12は、GRIN−SCH−MQW活性層3の上部に隣接した位置に配置されているが、GRIN−SCH−MQW活性層3の近傍であれば、p−InPクラッド層6中に配置したり、GRIN−SCH−MQW活性層3の下部のn−InPバッファ層2中に配置してもよい。さらに、図2では、吸収層12が、反射側反射膜14から出射側反射膜15に至るまでの共振器長に相当する範囲に亘って形成されているが、その範囲の一部分のみに形成されていてもよい。
【0042】
以上に説明したとおり、実施の形態1にかかる半導体レーザ装置によれば、埋め込みヘテロ構造のファブリ・ペロー型半導体レーザ装置において、GRIN−SCH−MQW活性層3の近傍に、GRIN−SCH−MQW活性層3で生成されたフォトンの短命化を実現する吸収層12を備えているので、従来の半導体レーザ装置と比較して、同じ光強度を得る場合にも、誘導ブリルアン散乱の発生閾値を超えないようにスペクトルピークを小さくすることができる。これにより、誘導ブリルアン散乱の発生が防止され、高出力化の実現と、スペクトル線幅が広がることで、誘導ブリルアン散乱の発生閾値を大きくすることができる。
【0043】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2にかかる半導体レーザ装置について説明する。実施の形態2にかかる半導体レーザ装置は、内部に回折格子を備えることで波長選択を可能にした埋め込みヘテロ構造において、実施の形態1で説明した種々の吸収層を備えたことを特徴としている。
【0044】
図4は、実施の形態2にかかる半導体レーザ装置について、その出射面に平行な断面図であり、図5は、図4のA−A線で切断される長手方向の断面図である。なお、図4および図5において、図1および図2と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図4および図5に示す半導体レーザ装置は、いわゆる埋め込みヘテロ構造の分布帰還型(DFB)レーザであり、図1および図2と異なるのは、吸収層12の上部に回折格子13を備える点である。
【0045】
実施の形態1では、ファブリ・ペロー型レーザであったため、その光出力は、図3に示したように複数の縦モードを有するが、実施の形態2にかかる半導体レーザ装置では、上記した回折格子13の存在によって、より狭線幅の単一モードのスペクトルが得られる。すなわち、実施の形態1で説明したように、吸収層12の存在によって、その単一モードのスペクトル線幅を広げることができるとともに誘導ブリルアン散乱の発生閾値を大きくすることができ、そのスペクトルピークを誘導ブリルアン散乱の発生閾値以下にすることができる。
【0046】
図6は、実施の形態2にかかる他の半導体レーザ装置について、その光出射方向の断面図である。なお、図6において、図5と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図6に示す半導体レーザ装置は、いわゆる埋め込みヘテロ構造の分布ブラッグ反射型(DBR)レーザであり、図5と異なるのは、GRIN−SCH−MQW活性層3の出射側に配置された光導波路16上に、上述した吸収層12が形成され、さらにその吸収層12の上に回折格子13を備える点である。
【0047】
また、図7は、実施の形態2にかかる他の半導体レーザ装置について、その光出射方向の断面図である。なお、図7において、図6と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図7に示す半導体レーザ装置もまた、いわゆる埋め込みヘテロ構造の分布ブラッグ反射型(DBR)レーザであり、図6と異なるのは、吸収層12がGRIN−SCH−MQW活性層3上に形成されている点である。なお、回折格子13は、従来のDBRレーザと同様に光導波路16上に形成される。
【0048】
なお、回折格子13の近傍に吸収層を付与したこの形態は、吸収性回折格子を有した従来の利得結合型DFBレーザや吸収機能を有する従来のDBRレーザと類似した構造となるが、本実施の形態2にかかる半導体レーザ装置は、その用途を高出力の励起用とすることに加え、上記した吸収層12が、誘導ブリルアン散乱の発生閾値以下のスペクトルを有するように設計される点で異なる。
【0049】
また、図4〜7では、吸収層12は、GRIN−SCH−MQW活性層3の上部に隣接した位置または光導波路16の上部に隣接した位置に配置されているが、GRIN−SCH−MQW活性層3の近傍であれば、GRIN−SCH−MQW活性層3からわずかに離間したp−InPクラッド層6中や回折格子13の上部に配置したり、GRIN−SCH−MQW活性層3の下部のn−InPバッファ層2中に配置してもよい。さらに、図5および図7では、吸収層12が、GRIN−SCH−MQW活性層3の両端面間に亘って形成されているが、その範囲の一部分のみに形成されていてもよい。同様に、図6では、吸収層12が、光導波路16の両端面間に亘って形成されているが、その範囲の一部分のみに形成されていてもよい。
【0050】
以上に説明したとおり、実施の形態2にかかる半導体レーザ装置によれば、回折格子13を備えた埋め込みヘテロ構造においても、GRIN−SCH−MQW活性層3の近傍に吸収層12を配置することで、実施の形態1と同様に、誘導ブリルアン散乱の発生が防止され、高出力の実現と、スペクトル線幅が広がることで、誘導ブリルアン散乱の発生閾値を大きくすることができる。
【0051】
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3にかかる半導体レーザ装置について説明する。実施の形態3にかかる半導体レーザ装置は、内部に回折格子を備えることで波長選択を可能にした埋め込みヘテロ構造において、その回折格子が実施の形態1で説明した種々の吸収層の機能を有することを特徴としている。
【0052】
図8は、実施の形態3にかかる半導体レーザ装置について、その出射面に平行な断面図であり、図9は、図8のA−A線で切断される長手方向の断面図である。なお、図8および図9において、図1および図2と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図8および図9に示す半導体レーザ装置は、いわゆる埋め込みヘテロ構造のDFBレーザであり、従来のDFBレーザと異なるのは、回折格子17が実施の形態1で説明した吸収層12と同様な材料で形成されている点である。
【0053】
なお、回折格子に吸収機能を付与したこの形態は、吸収性回折格子を有した利得結合型DFBレーザやDBRレーザと同様な構造となるが、本実施の形態3にかかる半導体レーザ装置は、その用途を高出力の励起用とすることに加え、上記した種々の吸収層が、誘導ブリルアン散乱の発生閾値以下のスペクトルを有する点で異なる。
【0054】
よって、図8および図9に示した実施の形態3にかかる半導体レーザ装置においても、実施の形態2で説明したように、吸収層12によって、その単一モードのスペクトル線幅を広げることができるとともに、そのスペクトルピークを誘導ブリルアン散乱の発生閾値以下にすることができる。
【0055】
図10は、実施の形態3にかかる他の半導体レーザ装置について、その光出射方向の断面図である。なお、図10において、図2と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図10に示す半導体レーザ装置は、いわゆる埋め込みヘテロ構造のDBRレーザであり、従来のDFBレーザと異なるのは、回折格子17が実施の形態1で説明した吸収層12と同様な材料で形成されている点である。
【0056】
以上に説明したとおり、実施の形態3にかかる半導体レーザ装置によれば、回折格子13を備えた埋め込みヘテロ構造においても、回折格子17に吸収機能を付与することにより、実施の形態1と同様に、誘導ブリルアン散乱の発生が防止され、高出力化と低雑音の光出射を実現することが可能になる。
【0057】
(実施の形態4)
つぎに、実施の形態4にかかる半導体レーザ装置について説明する。実施の形態4にかかる半導体レーザ装置は、埋め込みヘテロ構造において、電流ブロック層に吸収機能を付加したことを特徴としている。
【0058】
図11は、実施の形態4にかかる半導体レーザ装置について、出射面に平行な断面図である。なお、図11において、図1と共通する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図11に示す半導体レーザ装置は、従来の埋め込みヘテロ型レーザと同様の構造であり、従来と異なるのは、電流ブロック層として、実施の形態1で説明した種々の吸収層と同様な特性を有するp−GaInAsP電流ブロック層18とn−GaInAsP電流ブロック層19を採用している点である。すなわち、GRIN−SCH−MQW活性層3の両脇に吸収層が配置されている。
【0059】
GRIN−SCH−MQW活性層3で生成されたフォトンは、p−GaInAsP電流ブロック層18とn−GaInAsP電流ブロック層19とが配置されている位置の一部にも分布しているため、その位置に吸収機能を付与すれば、実施の形態1で説明したようなフォトンの短命化を実現することができる。
【0060】
特にこの吸収機能は、電流狭窄を実現するp−GaInAsP電流ブロック層18とn−GaInAsP電流ブロック層19の付加機能として実現されるため、実施の形態1に説明したような種々の吸収層を新たに設ける必要がない。また、p−GaInAsP電流ブロック層18とn−GaInAsP電流ブロック層19の領域では比較的フォトンの密度の低いことから、吸収による誘導放出光の減少も最小限に抑えられ、結果的に高い光出力が維持される。
【0061】
図12は、実施の形態4にかかる他の半導体レーザ装置について、出射面に平行な断面図である。なお、図12において、図1と共通する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図12に示す半導体レーザ装置は、吸収機能を有しない従来の構成のp−InP電流ブロック層8とn−InP電流ブロック層9に加え、第3層目として、p−InP電流ブロック層8の下に、実施の形態1で説明した種々の吸収層と同様な特性を有するp−GaInAsP電流ブロック層18を配置したことを特徴としている。この場合も、図11の説明で述べた同様の効果を享受することができる。
【0062】
図13は、実施の形態4にかかる他の半導体レーザ装置について、その出射面に平行な断面図である。なお、図13において、図1と共通する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図13に示す半導体レーザ装置は、吸収機能を有しない従来の構成のp−InP電流ブロック層8とn−InP電流ブロック層9に加え、第3層目として、p−InP電流ブロック層8とn−InP電流ブロック層9の間に、実施の形態1で説明した種々の吸収層と同様な特性を有するn−GaInAsP電流ブロック層19を配置したことを特徴としている。この場合も、図11の説明で述べた同様の効果を享受することができる。
【0063】
以上に説明したとおり、実施の形態4にかかる半導体レーザ装置によれば、埋め込みヘテロ構造を形成する電流ブロック層として、吸収機能を有する材料を採用したので、実施の形態1と同様に、誘導ブリルアン散乱の発生が防止され、高出力の実現と、スペクトル線幅が広がることで、誘導ブリルアン散乱の発生閾値を大きくすることができる。
【0064】
なお、回折格子が付加されることでDFBレーザやDBRレーザを構成する埋め込みヘテロ構造の半導体レーザ装置に対しても、図11〜13に示したように、電流ブロック層に吸収機能を付加することで、上記した効果を享受することができるのは明らかである。
【0065】
(実施の形態5)
つぎに、実施の形態5にかかる半導体レーザ装置について説明する。実施の形態5にかかる半導体レーザ装置は、励起用レーザとして用いられる高出力のいわゆるSAS(Self Aligned Structure:自己整合構造)型レーザであって、活性層の近傍に、発振波長が示すエネルギー近傍のエネルギーギャップを有する吸収層を備えることにより、フォトンの寿命を短くし、モード一本あたりのスペクトル幅を広げたことを特徴としている。
【0066】
図14は、実施の形態5にかかる半導体レーザ装置について、出射面に平行な断面図であり、図15は、図14のA−A線で切断される長手方向の断面図である。図14に示す半導体レーザ装置は、基板21上に順次下部クラッド層22、GRIN−SCH−MQW層24、第1上部クラッド層26を積層した構造を有する。第1上部クラッド層26上の一部領域上には、レーザ光出射方向に長手方向を有するストライプ形状の第2上部クラッド層28が積層され、第1上部クラッド層26上であって、第2上部クラッド層28が積層されていない領域には、電流ブロック層29が積層されている。第2上部クラッド層28および電流ブロック層29の上には順次第3上部クラッド層30、コンタクト層31が積層され、コンタクト層31上にはp側電極32が配置されている。また、基板21裏面にはn側電極33が配置されている。さらに、図15で示すように、光出射側端面上には出射側反射膜35が形成され、その出射側反射膜35と対向した反射側端面上には反射側反射膜36が形成されている。
【0067】
以下に、上記した各層の機能について簡単に説明する。まず、基板21および下部クラッド層22は、n型の不純物がドープされたInPからなり、下部クラッド層22は、クラッド層としての機能の他に、バッファ層としての機能も有する。具体的には、n−InPバッファ層22は、GRIN−SCH−MQW活性層24の実効屈折率よりも低い屈折率を有することでGRIN−SCH−MQW活性層24から発生する光を縦方向に閉じ込める機能を有する。GRIN−SCH−MQW活性層24は、その名の示す通り、MQW構造によって効果的なキャリア閉じ込めを実現し、GRIN−SCH構造によって効果的なフォトン閉じ込めを実現する。
【0068】
第1上部クラッド層26、第2上部クラッド層28、第3上部クラッド層30はそれぞれ上部クラッド層として機能する。また、本実施の形態5にかかる半導体レーザ装置において、第1上部クラッド層26、第2上部クラッド層28、第3上部クラッド層30はいずれもp型の導電型を有するInPからなる。コンタクト層31は、高い不純物濃度を有し、第3上部クラッド層30とp側電極32との間をオーミック接合させる機能を担う。反射側反射膜36と出射側反射膜35は、共振器を形成するためのミラーであり、それらの光反射率は、共振器長に応じて最適化される。なお、ここでは、反射側反射膜14の反射率を95%とし、出射側反射膜15の反射率を1.5%とした。また、高出力化には、共振器長Lが800μm以上であることが望ましいが、ここではL=1300μmとした。
【0069】
電流ブロック層29は、p側電極32から注入された電流を狭窄し、横方向に関してGRIN−SCH−MQW活性層24におけるキャリア密度を向上させる機能を担う。なお、p側電極32から注入された電流が内部を通過するのを防止するため、電流ブロック層29の導電型はn型である。よって、第1上部クラッド層26、電流ブロック層29、第3上部クラッド層30による積層構造はpnp接合となり、電流ブロック層29への電流の流入が防止される。また、電流ブロック層29は、発振波長に対して完全に透明となる組成で形成されたGaInAsPを材料とする。
【0070】
ここまで説明した各層で形成される構造は、従来の自己整合構造と何ら変わらず、上述した材料や導電型以外にも、同構造を形成する既知の材料で置換することができる。本実施の形態5において特徴的なことは、このような従来の自己整合構造において、活性層(ここではGRIN−SCH−MQW活性層24)の上部に、実施の形態1において説明した同様の特性を有する吸収層12を設けたことである。
【0071】
すなわち、自己整合構造を有する半導体レーザ装置においても、活性層の近傍に上記した吸収層12を設けることで、実施の形態1と同様に、誘導ブリルアン散乱の発生が防止され、高出力の実現と、スペクトル線幅が広がることで、誘導ブリルアン散乱の発生閾値を大きくすることができる。
【0072】
図16〜19は、実施の形態5にかかる他の半導体レーザ装置について、出射面に平行な断面図である。図14および図15に示す半導体レーザ装置では、吸収層12が、GRIN−SCH−MQW活性層24の上部全体の隣接した位置に配置されているが、GRIN−SCH−MQW活性層24の上部の一部のみに配置されてもよいし、GRIN−SCH−MQW活性層24の近傍であれば、図16に示すように、第1上部クラッド層26中に配置されてもよい。また、吸収層12は、GRIN−SCH−MQW活性層24の近傍であれば、図17や図18に示すように、第2上部クラッド層28を挟んだ両脇の電流ブロック層29の下部や電流ブロック層29中にそれぞれ分離して配置されていてもよい。さらに、図19に示すように、電流狭窄領域を挟んだGRIN−SCH−MQW活性層24中にそれぞれ分離して配置されていてもよい。
【0073】
以上に説明したとおり、実施の形態5にかかる半導体レーザ装置によれば、自己整合構造のファブリ・ペロー型半導体レーザ装置において、GRIN−SCH−MQW活性層24の近傍に、GRIN−SCH−MQW活性層24で生成されたフォトンの短命化を実現する吸収層12を備えているので、従来の半導体レーザ装置と比較して、同じ光強度を得る場合にも、誘導ブリルアン散乱の発生閾値を超えないようにスペクトルピークを小さくすることができる。これにより、誘導ブリルアン散乱の発生が防止され、高出力の実現と、スペクトル線幅が広がることで、誘導ブリルアン散乱の発生閾値を大きくすることができる。
【0074】
なお、回折格子が付加されることでDFBレーザやDBRレーザを構成する自己整合構造の半導体レーザ装置に対しても、図14〜19に示したような位置に吸収層12を備えることで、上記した効果を享受することができるのは明らかである。また、DFBレーザやDBRレーザ自己整合構造のDFBレーザやDBRレーザにおいて、回折格子を図14〜19で示された吸収層12の位置に配置し、その回折格子に実施の形態3で説明したような吸収機能を付与することによっても上記した効果を享受することができる。
【0075】
(実施の形態6)
つぎに、実施の形態6にかかる半導体レーザ装置について説明する。実施の形態6にかかる半導体レーザ装置は、自己整合構造において、電流ブロック層に吸収機能を付加したことを特徴としている。図20は、実施の形態6にかかる半導体レーザ装置について、出射面に平行な断面図であり、図21は、図20のB−B線で切断される長手方向の断面図である。なお、図20および図21において、図14および図15と共通する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0076】
図20に示す半導体レーザ装置は、従来の自己整合構造レーザと同様の構造であり、従来と異なるのは、電流ブロック層として、実施の形態1で説明した種々の吸収層と同様な特性を有する電流ブロック層37を採用している点である。すなわち、第2上部クラッド層28の両脇に吸収層が配置されている。
【0077】
GRIN−SCH−MQW活性層24で生成されたフォトンは、電流ブロック層37が配置されている位置の一部にも分布しているため、その位置に吸収機能を付与すれば、実施の形態1で説明したようなフォトンの短命化を実現することができる。なお、電流ブロック層37は、n−GaInAsP等の混晶半導体を組成制御することで、実施の形態1で説明した吸収層、可飽和吸収層等の形態で実現することができる。
【0078】
特にこの吸収機能は、電流狭窄を実現する電流ブロック層37の付加機能として実現されるため、実施の形態5に説明したような吸収層を新たに設ける必要がない。また、電流ブロック層37の領域では比較的フォトンの密度の低いことから、吸収による誘導放出光の減少も最小限に抑えられ、結果的に高い光出力が維持される。
【0079】
図22は、実施の形態6にかかる他の半導体レーザ装置について、出射面に平行な断面図である。なお、図22において、図20と共通する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図22に示す半導体レーザ装置は、吸収機能を有しない従来の構成の電流ブロック層29に加え、第2層目として、電流ブロック層29の下に、実施の形態1で説明した種々の吸収層と同様な特性を有するp型またはn型の電流ブロック層37を配置したことを特徴としている。この場合も、図20の説明で述べた同様の効果を享受することができる。
【0080】
以上に説明したとおり、実施の形態6にかかる半導体レーザ装置によれば、自己整合構造を形成する電流ブロック層として、吸収機能を有する材料を採用したので、実施の形態5と同様に、誘導ブリルアン散乱の発生が防止され、高出力化と低雑音の光出射を実現することが可能になる。
【0081】
なお、回折格子が付加されることでDFBレーザやDBRレーザを構成する自己整合構造の半導体レーザ装置に対しても、図20〜22に示したように、電流ブロック層に吸収機能を付加することで、上記した効果を享受することができるのは明らかである。
【0082】
(実施の形態7)
つぎに、実施の形態7にかかる半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態7では、実施の形態1〜6にかかる半導体レーザ装置を用いて半導体レーザモジュールを構成したことを特徴としている。
【0083】
図23は、実施の形態7にかかる半導体レーザモジュールの構成を示す側面断面図である。本実施の形態7にかかる半導体レーザモジュールは、上述した実施の形態1〜6で示した半導体レーザ装置に対応する半導体レーザ装置52を有する。なお、この半導体レーザ装置52は、p側電極がレーザマウント48に接合されるジャンクションダウン構成としている。半導体レーザモジュールの筐体として、セラミックなどによって形成されたパッケージ51の内部底面上に、温度制御装置としての温調モジュール50が配置される。
【0084】
温調モジュール50上にはベース47が配置され、このベース47上にはレーザマウント48が配置される。温調モジュール50には、図示しない電流が与えられ、その極性によって冷却および加熱を行なうが、半導体レーザ装置52の温度上昇による発振波長ずれを防止するため、主として冷却器として機能する。すなわち、温調モジュール50は、レーザ光が所望の波長に比して長い波長である場合には、冷却して低い温度に制御し、レーザ光が所望の波長に比して短い波長である場合には、加熱して高い温度に制御する。
【0085】
この温度制御は、具体的に、レーザマウント48上であって、半導体レーザ装置52の近傍に配置されたサーミスタ49の検出値をもとに制御され、図示しない制御装置は、通常、レーザマウント48の温度が一定に保たれるように温調モジュール50を制御する。また、図示しない制御装置は、半導体レーザ装置52の駆動電流を上昇させるに従って、レーザマウント48の温度が下がるように温調モジュール50を制御する。このような温度制御を行なうことによって、半導体レーザ装置52の出力安定性を向上させることができ、歩留まりの向上にも有効となる。なお、レーザマウント48は、たとえばダイヤモンドなどの高熱伝導率をもつ材質によって形成することが望ましい。これは、レーザマウント48がダイヤモンドで形成されると、高電流印加時の発熱が抑制されるからである。
【0086】
ベース47上には、半導体レーザ装置52およびサーミスタ49を配置したレーザマウント48、第1レンズ53、および光モニタ用受光素子46が配置される。半導体レーザ装置52から出射されたレーザ光は、第1レンズ53、アイソレータ54、および第2レンズ44を介し、光ファイバ45上に導波される。第2レンズ44は、レーザ光の光軸上であって、パッケージ51上に設けられ、外部接続される光ファイバ45に光結合される。なお、光モニタ用受光素子46は、半導体レーザ装置52の高反射膜側から漏れた光をモニタ検出する。
【0087】
ここで、この半導体レーザモジュールでは、他の光学部品などによる反射戻り光が共振器内に戻らないように、半導体レーザ装置52と光ファイバ45との間にアイソレータ54を介在させている。なお、ここでは消光比−20dBのアイソレータを用いたが、モジュールまたは、システムを構成する部品からの反射を抑制するには、−20dB以下のアイソレータを用いることが好ましい。
【0088】
また、半導体レーザ装置52を図1および図2に示す構造からなるとした場合、光ファイバ45内部にはファイバグレーティングを配置し、半導体レーザ装置52の反射側端面と共振器を形成する構造とする。この場合、アイソレータ54は半導体レーザモジュール内に配置するのではなく、ファイバグレーティングの後段に配置するインライン式にする必要がある。
【0089】
以上に説明したとおり、実施の形態7にかかる半導体レーザモジュールによれば、半導体レーザ装置52に実施の形態1〜6のいずれかに記載された半導体レーザ装置を用いている。したがって、本実施の形態5にかかる半導体レーザ装置は、高電流注入時であっても誘導ブリルアン散乱が発生することを抑制することが可能となる。
【0090】
(実施の形態8)
つぎに、実施の形態8にかかる光ファイバ増幅器について説明する。本実施の形態8は、上述した実施の形態7に示した半導体レーザモジュールをラマン増幅器に適用したことを特徴としている。
【0091】
図24は、実施の形態8にかかるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。このラマン増幅器は、WDM通信システムに用いられる。図24において、実施の形態8によるラマン増幅器は、上述した実施の形態7に示した半導体レーザモジュールと同一構成の半導体レーザモジュール60a〜60dを用いた構成となっている。
【0092】
各半導体レーザモジュール60a,60bは、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61aに出力し、各半導体レーザモジュール60c,60dは、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61bに出力する。ここで、半導体レーザモジュール60a,60bが発振するレーザ光は、同一波長である。また、半導体レーザモジュール60c,60dが発振するレーザ光は、同一波長であるが半導体レーザモジュール60a,60bが発振するレーザ光の波長とは異なる。これは、ラマン増幅が偏波依存性を有するためであり、偏波合成カプラ61a,61bによって偏波依存性が解消されたレーザ光として出力するようにしている。
【0093】
各偏波合成カプラ61a,61bから出力された、異なる波長をもったレーザ光は、WDMカプラ62によって合成され、合成されたレーザ光は、WDMカプラ65を介してラマン増幅用の励起光として増幅用ファイバ64に出力される。この励起光が入力された増幅用ファイバ64には、増幅対象の信号光が入力され、ラマン増幅される。
【0094】
増幅用ファイバ64内においてラマン増幅された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ65およびアイソレータ66を介してモニタ光分配用カプラ67に入力される。モニタ光分配用カプラ67は、増幅信号光の一部を制御回路68に出力し、残りの増幅信号光を出力レーザ光として信号光出力ファイバ70に出力する。
【0095】
制御回路68は、入力された一部の増幅信号光をもとに各半導体レーザモジュール60a〜60dのレーザ出力状態、たとえば光強度を制御し、ラマン増幅の利得帯域が平坦な特性となるようにフィードバック制御する。
【0096】
以上に説明したとおり、実施の形態8にかかる光ファイバ増幅器によれば、実施の形態1〜6で示した半導体レーザ装置が内蔵された半導体レーザモジュール60aを用いてラマン増幅器を構成しているので、半導体レーザモジュールから出射されるレーザ光の強度を高めることができる。
【0097】
なお、図24に示したラマン増幅器では、偏波合成カプラ61a,61bを用いているが、図25に示すように半導体レーザモジュール60a,60cから、それぞれ偏波面保持ファイバ71を介して直接WDMカプラ62に光出力するようにしてもよい。この場合、半導体レーザモジュール60a,60cの偏波面は、偏波面保持ファイバ71に対して45度となるように入射する。
【0098】
また、図24および図25に示したラマン増幅器は、後方励起方式であるが、前方励起方式であっても、双方向励起方式であっても、安定したラマン増幅を行なうことができる。
【0099】
たとえば、図26は、前方励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図26に示したラマン増幅器は、図24に示したラマン増幅器にWDMカプラ65’をアイソレータ63の近傍に設けている。このWDMカプラ65’には、半導体レーザモジュール60a〜60d、偏波合成カプラ61a,61bおよびWDMカプラ62にそれぞれ対応した半導体レーザモジュール60a’〜60d’、偏波合成カプラ61a’,61b’およびWDMカプラ62’を有した回路が接続され、WDMカプラ62’から出力される励起光を信号光と同じ方向に出力する前方励起を行なう。
【0100】
同様に、図27は、前方励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図27に示したラマン増幅器は、図25に示したラマン増幅器にWDMカプラ65’をアイソレータ63の近傍に設けている。このWDMカプラ65’には、半導体レーザモジュール60a、60cおよびWDMカプラ62にそれぞれ対応した半導体レーザモジュール60a’、60c’およびWDMカプラ62’を有した回路が接続され、WDMカプラ62’から出力される励起光を信号光と同じ方向に出力する前方励起を行なう。
【0101】
また、図28は、双方向励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図28に示したラマン増幅器は、図24に示したラマン増幅器の構成に、図26に示したWDMカプラ65’、半導体レーザモジュール60a’〜60d’、偏波合成カプラ61a’、61b’およびWDMカプラ62’をさらに設け、後方励起と前方励起とを行なう。
【0102】
同様に、図29は、双方向励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図29に示したラマン増幅器は、図25に示したラマン増幅器の構成に、図27に示したWDMカプラ65’、半導体レーザモジュール60a’,60c’およびWDMカプラ62’をさらに設け、後方励起と前方励起とを行なう。
【0103】
上述した図24〜図29に示したラマン増幅器は、上述したようにWDM通信システムに適用することができる。図30は、図24〜図29に示したラマン増幅器を適用したWDM通信システムの概要構成を示すブロック図である。
【0104】
図30において、複数の送信機Tx1〜Txnから送出された波長λ1〜λnの光信号は、光合波器80によって合波され、1つの光ファイバ85に集約される。この光ファイバ85の伝送路上には、図26〜図29に示したラマン増幅器に対応した複数のラマン増幅器81、83が距離に応じて配置され、減衰した光信号を増幅する。この光ファイバ85上を伝送した信号は、光分波器84によって、複数の波長λ1〜λnの光信号に分波され、複数の受信機Rx1〜Rxnに受信される。なお、光ファイバ85上には、任意の波長の光信号を付加し、取り出したりするADM(Add/Drop Multiplexer)が挿入される場合もある。
【0105】
なお、上述した実施の形態8では、実施の形態1〜6に示した半導体レーザ装置あるいは実施の形態7に示した半導体レーザモジュールを、ラマン増幅用の励起光源に用いる場合を示したが、これに限らず、たとえば、980nm、1480nmなどのEDFA励起用光源として用いることができるのは明らかである。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる半導体レーザ装置によれば、活性層の近傍に、活性層で生成されたフォトンを吸収することでフォトンの短命化を実現する吸収層を備えているので、従来の半導体レーザ装置と比較して、同じ光強度を得る場合にも、誘導ブリルアン散乱の発生閾値を超えないようにスペクトルピーク強度を小さくするとともに、モード1本あたりのスペクトル幅を大きくすることができ、これにより、誘導ブリルアン散乱の発生が防止されて高出力化を実現することが可能になり、さらには、雑音特性に関しても、吸収層を用いないレーザとほぼ同等のものが実現できるという効果を奏する。
【0107】
また、本発明にかかる半導体レーザモジュールによれば、上記した半導体レーザ装置を用いているため、同様の理由により誘導ブリルアン散乱の発生を抑制した半導体レーザモジュールを提供できるという効果を奏する。
【0108】
また、本発明にかかる光ファイバ増幅器によれば、上記した半導体レーザ装置または半導体レーザモジュールを使用することで増幅利得が安定し、かつ高利得の光ファイバ増幅器を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図2】実施の形態1にかかる半導体レーザ装置についての長手方向の断面図である。
【図3】実施の形態1にかかる半導体レーザ装置の効果を説明するための説明図である。
【図4】実施の形態2にかかる半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図5】実施の形態2にかかる半導体レーザ装置についての長手方向の断面図である。
【図6】実施の形態2にかかる他の半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図7】実施の形態2にかかる他の半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図8】実施の形態3にかかる半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図9】実施の形態3にかかる半導体レーザ装置についての長手方向の断面図である。
【図10】実施の形態3にかかる他の半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図11】実施の形態4にかかる半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図12】実施の形態4にかかる他の半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図13】実施の形態4にかかる他の半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図14】実施の形態5にかかる他の半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図15】実施の形態5にかかる半導体レーザ装置についての長手方向の断面図である。
【図16】実施の形態5にかかる他の半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図17】実施の形態5にかかる他の半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図18】実施の形態5にかかる他の半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図19】実施の形態5にかかる他の半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図20】実施の形態6にかかる半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図21】実施の形態6にかかる半導体レーザ装置についての長手方向の断面図である。
【図22】実施の形態6にかかる他の半導体レーザ装置についての出射面に平行な断面図である。
【図23】実施の形態7にかかる半導体レーザモジュールの構造を示す側面断面図である。
【図24】実施の形態8にかかる光ファイバ増幅器の構成を示すブロック図である。
【図25】実施の形態8にかかる光ファイバ増幅器の応用例を示すブロック図である。
【図26】実施の形態8にかかる光ファイバ増幅器の変形例であって、前方励起方式を採用した光ファイバ増幅器の構成を示すブロック図である。
【図27】実施の形態8にかかる光ファイバ増幅器の応用例を示すブロック図である。
【図28】実施の形態8にかかる光ファイバ増幅器の変形例であって、双方向励起方式を採用した光ファイバ増幅器の構成を示すブロック図である。
【図29】実施の形態8にかかる光ファイバ増幅器の変形例の応用例を示すブロック図である。
【図30】実施の形態8にかかる光ファイバ増幅器を用いたWDM通信システムの概要構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 n−InP基板
2 n−InPバッファ層
3,24 GRIN−SCH−MQW活性層
6 p−InPクラッド層
7 p−GaInAsPコンタクト層
8 p−InP電流ブロック層
9 n−InP電流ブロック層
10,32 p側電極
11,33 n側電極
12 吸収層
13,17 回折格子
14 反射側反射膜
15 出射側反射膜
16 光導波路
18 p−GaInAsP電流ブロック層
19 n−GaInAsP電流ブロック層
21 基板
22 下部クラッド層
26 第1上部クラッド層
28 第2上部クラッド層
29 電流ブロック層
30 第3上部クラッド層
31 コンタクト層
44 第2レンズ
45 光ファイバ
46 光モニタ用受光素子
47 ベース
48 レーザマウント
49 サーミスタ
50 温調モジュール
51 パッケージ
52 半導体レーザ装置
53 第1レンズ
54,63,66 アイソレータ
60a、60b、60c、60d 半導体レーザモジュール
61a、61b 偏波合成カプラ
62,65 カプラ
64 増幅用ファイバ
67 モニタ光分配用カプラ
68 制御回路
70 信号光出力ファイバ
71,71a 偏波面保持ファイバ
80 光合波器
81,83 ラマン増幅器
84 光分波器
85 光ファイバ
Claims (9)
- 活性層を具備し、所定の発振波長のレーザ光を出射する半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置の温度を制御する温調モジュールと、前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバと、前記半導体レーザ装置と前記光ファイバとを光結合する光結合レンズ系と、を有する半導体レーザモジュールを備えた励起光源と、
前記光ファイバと接続された増幅用光ファイバと、
前記励起光源から出射される励起光を前記増幅用光ファイバに入射させるためのカプラと、を備え、ラマン増幅により光増幅を行なう光ファイバ増幅器において、
前記半導体レーザ装置は、前記出射するレーザ光の発振波長スペクトルが複数の縦モードからなるマルチモードスペクトルであるとともに、前記活性層の近傍に配置され、前記活性層で生成されたフォトンの一部を吸収することによって、前記レーザ光の発振波長スペクトルの線幅を広げて、該スペクトルのピークが前記増幅用光ファイバで発生する誘導ブリルアン散乱の発生閾値Pthを超えないように設計された吸収層を有することを特徴とする光ファイバ増幅器。 - 前記吸収層は、前記発振波長のエネルギーよりも低いエネルギーギャップを有する材料で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ増幅器。
- 前記吸収層は、可飽和吸収特性を有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ増幅器。
- 前記吸収層は、前記発振波長のエネルギーに略等しいエネルギーギャップを有する材料で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ増幅器。
- 前記半導体レーザ装置は、埋め込みヘテロ構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光ファイバ増幅器。
- 前記半導体レーザ装置は、自己整合構造(SAS)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光ファイバ増幅器。
- 前記吸収層は、電流ブロック層で実現されることを特徴とする請求項5または6に記載の光ファイバ増幅器。
- 前記半導体レーザ装置は、ファブリ・ペロー構造であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の光ファイバ増幅器。
- 前記吸収層は、GaxIn1-xAsyP1-y(0≦x≦1,0≦y<1)またはGaInAsで形成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の光ファイバ増幅器。
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