JP3752045B2 - 真珠顔料塗被紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は真珠顔料塗被紙に関するものであり、さらに詳しくは、高白色でくすみがなく優れた真珠調光沢を有する真珠顔料塗被紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より高白色な真珠顔料塗被紙としては、次のような方法によって得られたものが知られている。
(1)天然白雲母を基質とする真珠顔料(以下、これを天然雲母真珠顔料と略称する)と接着剤を主成分とする塗被層中に蛍光増白剤を併用する方法。
(2)天然雲母真珠顔料と接着剤を主成分とする塗被層中に白色無機顔料(白色無機顔料としては硫酸バリウム、軽質炭酸カルシウム等)を併用する方法(実開昭63−11598号公報)。
(3)基材原紙の上に予め高白色な無機顔料塗被層を設け、その上に天然雲母真珠顔料と接着剤を主成分とする塗被層を設ける方法(特開昭60−162898号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの方法の内で、上記(1)の方法は、蛍光増白剤の耐候性が低いため、時間が経過すると白色度が著しく低下するという難点があり、また上記(2)の方法は、白色無機顔料の配合比率を上げるに従い白色度は向上するが真珠調光沢が低下するという問題点がある。さらに上記(3)の方法は、真珠顔料塗被層の透過光が少ない場合白色度の向上効果が得られ難い。
したがって、上記(1)(2)(3)いずれの場合も高白色で良好な真珠調光沢と耐候性を有する真珠顔料塗被紙を得ることは困難であった。
本発明の目的は、これら従来の方法では得られなかった、高白色で良好な真珠調光沢を有し、かつ耐候性の優れた真珠顔料塗被紙を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題につき鋭意検討の結果、フッ素金雲母を基質とする真珠顔料(以下、合成雲母真珠顔料と略称する)を塗被層中に配合することにより高白色で良好な真珠調光沢を有する塗被層が得られることに着目し、従来の真珠顔料塗被紙に比べ高白色でくすみがなく、真珠調光沢性と耐候性に優れた真珠顔料塗被紙が得られることが判明し、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は、白色度が80%以上である原紙上に、フッ素金雲母を基質とし金属酸化物の被覆率が10〜60%、粒度分布が5〜150μmである真珠顔料と接着剤を主成分とする塗被層を有する真珠顔料塗被紙であって、
前記真珠顔料と接着剤との配合比率が、真珠顔料(固形分):接着剤(固形分)=1:5〜1:2であって、塗被層の厚さが乾燥塗膜で5〜20μmであり、真珠顔料塗被面の白色度を71.2%以上としたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いる原紙は、木材パルプ繊維、およびそれとケナフ、バガス、リンター、麻等の非木材繊維;レーヨン、ポリエステル、ボリプロピレン等の化学繊維を一種以上用いて形成されるシートよりなるものであり、原紙の白色度を高めるために酸化チタン、炭酸カルシウム等の填料や蛍光増白剤を内添したものであってもよい。
【0007】
本発明において高白色な真珠顔料塗被紙を得るには、基材となる原紙の白色度が80%以上であることが必要である。ここで、白色度とはJIS P8123に規定される方法により測定した値である。本発明においては、原紙の白色度が80%未満では合成雲母真珠顔料と接着剤を主成分とする塗被層を設けても原紙の色が透過光により透けて見えるため高白色な真珠顔料塗被紙が得られ難い。
【0008】
本発明の真珠顔料塗被紙は、上記の原紙上に、真珠顔料と接着剤を主成分とする塗被層を有するものである。
塗被層における真珠顔料としては、フッ素金雲母を基質とし金属酸化物の被覆率が10〜60%、粒度分布が5〜150μmであることが必要である。
フツ素金雲母は、合成雲母真珠顔料の基質となるものであり、SiO2 、MgO、Al2 O3 、K2 CO3 、K2 SiF6 等の混合原料を溶融合成後、結晶化して得られる化学式、KMg3 (AlSi3 O10)F2 である層状結晶物である。それは天然雲母真珠顔料の基質である天然金雲母に比べ、Fe、Mn等の着色元素をほとんど含まないため無色透明な高純度結晶となる。
【0009】
本発明においては、このフツ素金雲母の微粉砕粒子に、付着反応により金属酸化物被覆を施すことによって得られる合成雲母真珠顔料を塗被層に用いる。それにより高白色でくすみがなく優れた真珠調光沢と耐候性を有する真珠顔料塗被紙が得られる。
【0010】
金属酸化物の被覆率とは、反応により付着した金属酸化物の真珠顔料中の重量%をいう。この被覆率が10%未満では、フッ素金雲母と金属酸化物層との境界で起こる入射光の規則的多重反射が少なく良好な真珠調光沢が得られ難く、また被覆率が60%を越えた場合は、光の干渉現象により虹彩発色を起こし、高白色な真珠調光沢が得られ難い。なお、金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄等が使用できる。
【0011】
また、真珠顔料の粒度分布は5〜150μmの範囲にあることが必要である。なお、上記の粒度分布はレーザー法にて測定した値である。平均粒度が5μm未満では、輝度が不十分で良好な真珠調光沢が得られ難く、一方、平均粒度が150μmを越える場合は、輝度が高過ぎるためメタリツク調光沢となってしまい優れた真珠調光沢を得られないので好ましくない。
【0012】
塗被層において、真珠顔料を原紙上に固定するために接着剤を用いることが必要である。接着剤としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、塩化ビニル系、合成ゴム等の合成樹脂やデンプン、カゼイン等の天然樹脂等よりなるものが挙げられ、そのうちアクリル系樹脂が透明性などの点で好ましく用いられる。
【0013】
真珠顔料と接着剤の配合比率は、真珠顔料(固形分):接着剤(固形分)=1:10〜1:1、好ましくは真珠顔料(固形分):接着剤(固形分)=1:5〜1:2である。本発明での塗被層においては、真珠顔料と接着剤の他、必要に応じて離型剤、被膜補強剤、耐水化剤等を少量添加してもよい。
【0014】
本発明の真珠顔料塗被紙は概略次のような方法により製造される。即ち、真珠顔料と接着剤を撹拌混合することによって得られる塗料を、原紙上に、一般の塗工装置と乾燥装置を用いて塗工、乾燥する。塗料には必要に応じて耐水化剤、被膜補強剤、消泡剤等の助剤や希釈剤を添加しても良い。また、塗工装置としてはグラビアコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター等が使われ、原紙上に乾燥塗膜で5〜20μmの厚さに塗工されることが好ましい。また乾燥装置としては、熱風乾燥機、赤外線乾燥機等が使用される。
【0015】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。例中の「部」、「%」は「重量部」、「重量%」を表す。
なお、塗工層厚みは塗工紙厚みと原紙厚みの差より求め、塗工紙厚みおよび原紙厚みはハイブリッチ(ハイブリッチ製作所製)にて0.1m2 当たり10箇所の厚みを測定し、その平均値を用いた。
また、白色度は上記のとおりであり、白色光沢度はJIS P8142に規定される方法により測定した値であり、耐候性はキセノンテスタ−XW600(株式会社島津製作所製)を用い、得られた真珠顔料塗被紙にキセノン光を80W/m2 で24時間照射した後の変色状態を目視にて評価した。
【0016】
実施例1
酸化チタンの被覆率が29%で、粒度分布が10〜60μmの範囲である合成雲母真珠顔料(日本光研工業株式会社製、商品名アルティミカSD−100)10部、アクリルエマルジヨン(日本アクリル株式会杜製、商品名プライマルAC−61)90部および水30部をラボミキサーにて撹拌、混合し固形分40%の塗料を調製した。
この塗料を坪量127.9g/m2、白色度84.6%の原紙(東京製紙株式会社製、商品名ピュアケント)にウェット塗工量24g/m2となるようにバーコー夕一にて塗工後、105゜Cで1分間熱風循環式乾燥機にて乾燥して、塗工層厚みが7μmである真珠顔料塗被紙を得た。この真珠顔料塗被紙の評価結果は表1に示す。
【0017】
実施例2
実施例1との同様の合成雲母真珠顔料(日本光研工業株式会社製、商品名アルティミカSD−100)20部、塩化ビニル系接着剤(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名UVプライマー)80部、混合有機溶剤(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名ダイレジユーサ−V20)50部をラボミキサーにて撹拌、混合し固形分33%の塗料を調製した。
この塗料を坪量310g/m2、白色度81.0%の原紙(東京製紙株式会社製、商品名スノーエース)に実施例1と同様の方法で塗工、乾燥して真珠顔料塗被紙(塗工層厚み6μm)を得た。この真珠顔料塗被紙の評価結果は表1に示す。
【0018】
実施例3
酸化チタンの被覆率が38%で、粒度分布が5〜30μmの範囲である合成雲母真珠顔料(日本光研工業株式会杜製、商品名アルティミカSB−100)15部、ウレタンディスパージヨン(ゼネカ株式会社製、商品名ネオレッツR−972)85部および水30部をラボミキサーにて撹拌、混合し固形分34%の塗料を調製した。
この塗料を実施例1と同様の原紙に同様の方法で塗工、乾燥して真珠顔料塗被紙(塗工層厚み7μm)を得た。この真珠顔料塗被紙の評画結果は表1に示す。
【0019】
実施例4
酸化チタンの被覆率が16%で、粒度分布が15〜100μmの範囲である合成雲母真珠顔料(日本光研工業株式会社製、商品名アルティミカSE−100)10部、アクリルエマルジヨン(日本アクリル株式会社製、商品名プライマルAC−61)90部および水30部をラボミキサーにて撹拌、混合し固形分40%の塗料を調製した。
この塗料を実施例1と同様の原紙に同様の方法で塗工、乾燥して真珠顔料塗被紙(塗工層厚み8μm)を得た。この真珠顔料塗被紙の評価結果は表1に示す。
【0020】
比較例1
合成雲母真珠顔料の代りに酸化チタンの皮覆率が29%で、粒度分布が10〜60μmの範囲である天然雲母真珠顔料(メルクジャパン株式会社製、商品名イリオジン100)を用いる以外は実施例1と同様の方法で真珠顔料塗被紙(塗工層厚み7μm)を得た。この真珠顔料塗被紙の評価結果は表1に示す。
【0021】
比較例2
原紙として坪量310g/m2、白色度77.8%の原紙(大興製紙株式会社、商品名タイコート)を用いる以外は、実施例1と同様の方法で真珠顔料塗被紙(塗工層厚み7μm)を得た。この真珠顔料塗被紙の評価結果は表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】
本発明により、高白色で良好な真珠調光沢を有し、かつ耐候性の優れた真珠顔料塗被紙が得られる。
Claims (1)
- 白色度が80%以上である原紙上に、フッ素金雲母を基質とし金属酸化物の被覆率が10〜60%、粒度分布が5〜150μmである真珠顔料と接着剤を主成分とする塗被層を有する真珠顔料塗被紙であって、
前記真珠顔料と接着剤との配合比率が、真珠顔料(固形分):接着剤(固形分)=1:5〜1:2であって、塗被層の厚さが乾燥塗膜で5〜20μmであり、真珠顔料塗被面の白色度を71.2%以上としたことを特徴とする真珠顔料塗被紙。
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JP03693597A JP3752045B2 (ja) | 1997-02-06 | 1997-02-06 | 真珠顔料塗被紙 |
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1997
- 1997-02-06 JP JP03693597A patent/JP3752045B2/ja not_active Expired - Fee Related
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