JP3751611B2 - ジッタ測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジッタ測定装置において、その測定ポイントを簡単に且つ適正に設定するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
データ信号を伝送するシステムでは、データ信号の位相の揺らぎ(ジッタまたはワンダ)が大きいとデータを正しく伝達できなくなる。
【0003】
このため、データ伝送システムやそれを構成する機器について、予めジッタやワンダに対するシステムの耐力や伝達特性が、規格を満たしているか否か把握しておくことが必要となる。
【0004】
なお、一般的にデータ信号の位相変動の周波数が10Hz以上の成分をジッタと呼び、10Hz以下の成分をワンダと呼んでいる。
【0005】
例えば、SDH、SONET,OTN等のネットワークに接続される装置に関し、ITU−TやTelcordia等の国際規格で規定されている代表的な特性としてジッタ耐力特性およびジッタ伝達特性がある。
【0006】
ジッタ耐力特性は、測定対象の装置がどの程度のジッタに耐えられるかをその位相変動の周波数毎に表すものであり、図13に示すように測定によって得られた特性JTと規格特性Rとを対比することで、測定対象のジッタ耐力の良否を判定することができる。
【0007】
また、ジッタ伝達特性は、測定対象の装置が入力された信号のジッタをどの程度抑圧して出力するかをその位相変動の周波数毎に表すものであり、入力ジッタと出力ジッタの比を周波数毎に求めたものである。
【0008】
なお、一般的にジッタ伝達特性の入力ジッタ量は、ジッタ耐力の規格特性に沿った値を用いている。
【0009】
このようなジッタの耐力や伝達特性を測定するために、図14に示すジッタ測定装置10が用いられている。
【0010】
このジッタ測定装置10は、設定モードと測定モードの二つの動作モードを有しており、操作部11により設定モードが指定されたとき、測定対象1に対するジッタ周波数を測定ポイントとして設定するための測定ポイント設定部12と、測定モードが指定されたときに、予め測定ポイント設定部12によって設定されたジッタ周波数による耐力測定あるいは伝達特性の測定を測定対象1に対して行なう測定部16と、設定したジッタ周波数や測定結果等を表示するための表示器25とを有している。
【0011】
測定ポイント設定部12は、ジッタ耐力の規格特性R(ジッタ周波数対ジッタ量のデータ)が予め記憶されている規格特性メモリ13、測定ポイント入力手段14および測定ポイントメモリ15を有している。
【0012】
測定ポイント入力手段14は、操作部11によって設定モードが指定されたときに、規格特性メモリ13に記憶されている規格特性Rのデータを読込み、設定入力可能な測定ポイントの周波数範囲を表示器21に表示して、その範囲内の任意の周波数の入力を促し、操作部11の操作によって入力された周波数値を測定ポイントとして表示器21に表示するとともに、その測定ポイントの周波数を測定ポイントメモリ15に記憶する。
【0013】
一方、測定部16は、クロック発生器17、変調信号発生器18、位相変調器19、データ信号発生器20、誤り測定器21、クロック再生器22、位相比較器23および測定制御部24によって構成されている。
【0014】
クロック発生器17は、所定周波数の基準クロックCを生成して位相変調器19へ出力する。
【0015】
変調信号発生器18は、測定制御部24から指定された周波数fmと振幅Vmの変調信号Mを生成して位相変調器19に出力する。
【0016】
位相変調器19は、基準クロックCを変調信号Mによって位相変調し、その位相変調されたジッタクロックCjをデータ信号発生器20に出力する。
【0017】
データ信号発生器20は、ジッタクロックCjに同期したデータ信号Dを生成して測定対象1に入力する。
【0018】
測定対象1は、例えばデータ中継装置(あるいはデータ中継機能を有する装置)であり、入力されたデータ信号Dからクロック成分を抽出し、そのクロック成分によってデータ信号Dの2値判定を行い、その判定結果を出力データ信号D′として出力する。
【0019】
誤り測定器21は、測定対象1の出力データ信号D′の誤り率Eを測定し、その測定値Eを測定制御部24に出力する。
【0020】
クロック再生器22は、測定対象1の出力データ信号D′からクロック成分を再生し、その再生クロックC′を位相比較器23に出力する。
【0021】
位相比較器23は、再生クロックC′と基準クロックCとの位相を比較し、その位相差情報Δφを測定制御部24に出力する。
【0022】
測定制御部24は、測定ポイント設定部12の測定ポイントメモリ15に記憶されている測定ポイントに基づいて変調信号発生器18を制御し、誤り測定器21および位相比較器23の出力に基づいて、ジッタ耐力特性またはジッタ伝達特性を求める。
【0023】
例えば、ジッタ耐力特性の測定が指定された場合、変調信号発生器18から出力される変調信号Mの周波数を、測定ポイントメモリ15に記憶されているジッタ周波数に設定し、誤り率Eを監視しながら変調信号Mの振幅(ジッタ量に相当)を可変し、誤り測定器21によって測定される誤り率Eが増大変化する直前の振幅をジッタ耐力値として求める、という処理を測定ポイントメモリ15に記憶されているジッタ周波数毎に行なって、測定対象1のジッタ耐力特性JTを求め、図13に示したように、規格特性Rと対比可能な状態で表示器25に表示する。
【0024】
この表示画面上で、測定対象1のジッタ耐力特性JTが規格特性Rより低い箇所があれば、測定対象1は規格を満足していないと判定することができ、測定対象1のジッタ耐力特性JTが規格特性Rより低い箇所が無ければ、測定対象1は規格を満足していると判定することができる。
【0025】
また、ジッタ伝達特性の測定が指定された場合、変調信号発生器18から出力される変調信号Mの周波数を、測定ポイントメモリ15に記憶されているジッタ周波数に設定し、変調信号Mの振幅を規格特性Rにおけるジッタ周波数のジッタ量に対応した値に設定し、位相比較器23によって検出された位相差情報に対応したジッタ量と、変調信号Mの振幅値に対応したジッタ量との比を求める、という処理を測定ポイントメモリ15に記憶されているジッタ周波数毎に行なって、測定対象1のジッタ伝達特性を求め、表示器25に表示する。
【0026】
なお、ワンダに対する耐力を測定する場合、低い周波数帯域(10Hz以下)で定義されている規格特性を用い、それに合わせて変調信号Mの周波数の設定範囲を低い周波数帯域内で設定する点だけが異なり、他の処理は同等である。
【0027】
上記したジッタ測定装置のうち、ジッタ耐力の測定を行なうための基本構成は、次の特許文献1に開示されている。
【0028】
【特許文献1】
特開平8−50156号公報
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のジッタ測定装置では、以下の解決すべき課題があった。
【0030】
(1)測定ポイントの周波数を操作部11の操作によって入力する作業が煩雑である。
【0031】
(2)測定ポイントの周波数を任意に設定できる自由度があるが、その自由度のために規格特性に対して必ずしも適切なポイントで測定が行なわれない場合があり、測定の再現性、信頼性に欠ける。
【0032】
(3)測定ポイントを変更した後に、再び元の測定ポイントに戻すような場合に、前の測定ポイントの周波数を覚えていなければならないという不便さがある。
【0033】
本発明は、これらの問題を解決し、簡単な入力作業で、規格特性に対して適切な測定ポイントを設定でき、測定ポイントの変更、戻しが簡単に行なえるジッタ測定装置を提供することを目的としている。
【0034】
なお、本発明のジッタ測定装置は、上記したジッタ耐力測定やジッタ伝達特性を測定する場合だけでなく、ワンダの耐力を測定する装置も含むものとする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1のジッタ測定装置は、
予め設定された周波数の変調信号によって位相変調した信号を生成して測定対象に入力し、該測定対象から出力される信号に基づいて測定対象のジッタに関わる特性値を、前記変調信号の周波数毎に測定する測定部(16)と、
所定の規定特性に対して、前記測定部が位相変調に用いる変調信号の周波数を測定ポイントとして設定するための測定ポイント設定部(31)とを有するジッタ測定装置において、
前記測定ポイント設定部は、
測定ポイント数を任意に指定するためのポイント数指定手段(33)と、
前記ポイント数指定手段によって指定された数の測定ポイントを前記規定特性の端点を含む変曲点に優先的に割り当てる測定ポイント割当手段(34)とを備えている。
【0036】
また、本発明の請求項2のジッタ測定装置は、請求項1のジッタ測定装置において、
前記測定ポイント割当手段は、
指定された測定ポイント数と前記変曲点の数とを比較し、前記測定ポイント数が前記変曲点の数と等しいときには、前記変曲点の全ての周波数を測定ポイントとして割当て、前記測定ポイント数が前記変曲点の数より少ない場合には、前記変曲点のうち、低域側端点、高域側端点、低域側変曲点の優先順位で測定ポイントを割当て、前記測定ポイント数が前記変曲点の数より多い場合には、前記変曲点の全ての周波数を測定ポイントとして割当てるとともに、残りの測定ポイントを、隣合う変曲点間の距離が長い区間に優先的に割当てるように構成されていることを特徴としている。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した実施形態のジッタ測定装置30の構成を示している。
【0038】
図1において、操作部11、測定ポイント設定部31の規格特性メモリ13、測定ポイントメモリ15、測定部16、表示器25は前記したジッタ測定装置10のものと同等であるので、同一符号を付している。
【0039】
このジッタ測定装置30の測定部16は、前記同様に、クロック発生器17、変調信号発生器18、位相変調器19、データ信号発生器20、誤り測定器21、クロック再生器22、位相比較器23および測定制御部24によって構成され、クロック発生器17から出力される基準クロックCを変調信号発生器18から周波数fm、振幅Vmで出力される変調信号Mによって位相変調してジッタクロックCjを生成し、これをデータ信号発生器20に与えて、ジッタクロックCjに同期したデータ信号Dを生成して測定対象1に入力する。
【0040】
また、測定対象1から出力されるデータ信号D′の誤り率Eを誤り測定器21によって測定してその測定値Eを測定制御部24に出力し、データ信号D′から再生された再生クロックC′と基準クロックCとの位相比較処理を位相比較器23で行い、その位相差情報Δφを測定制御部24に出力する。
【0041】
測定制御部24は、操作部11の操作等によってジッタ耐力測定が指定された場合、変調信号発生器18から出力される変調信号Mの周波数を、測定ポイント設定部31の測定ポイントメモリ15に記憶されているジッタ周波数に設定し、誤り率Eを監視しながら変調信号Mの振幅(ジッタ量に相当)を可変し、誤り率Eが増大変化する直前の振幅をジッタ耐力値として求める、という処理を測定ポイントメモリ15に記憶されているジッタ周波数毎に行なって、測定対象1のジッタ耐力特性JTを求め、規格特性Rと対比可能な状態で表示器25に表示する。
【0042】
また、ジッタ伝達特性の測定が指定された場合、変調信号発生器18から出力される変調信号Mの周波数を、測定ポイントメモリ15に記憶されているジッタ周波数に設定し、変調信号Mの振幅を規格特性Rにおけるジッタ周波数のジッタ量に対応した値に設定し、位相比較器23によって検出された位相差情報に対応したジッタ量と、変調信号Mの振幅値に対応したジッタ量との比を求める、という処理を測定ポイントメモリ15に記憶されているジッタ周波数毎に行なって、測定対象1のジッタ伝達特性を求め、表示器25に表示する。
【0043】
このジッタ測定装置30の測定ポイント設定部31は、前記した規格特性メモリ13、測定ポイントメモリ15の他に、規格特性指定手段32、ポイント数指定手段33および測定ポイント割当手段34を備えている。
【0044】
規格特性指定手段32は、設定モードにおいて規格特性メモリ13に記憶されている複数の規格特性のうちの任意の一つを操作部11の操作により指定させるためのものである。
【0045】
ポイント数指定手段33は、設定モードにおいて任意の測定ポイント数Pを操作部11の操作により指定させるためのものである。
【0046】
測定ポイント割当手段34は、規格特性指定手段32によって指定された規格特性とポイント数指定手段33によって指定された測定ポイント数Pとに基づき、測定ポイントを規格特性Rの端点を含む変曲点に優先的に割り当てる。
【0047】
図2〜図4は、測定ポイント割当手段34を含めた測定ポイント設定部31の処理手順を示すフローチャートである。
【0048】
以下、このフローチャートに基づいて、測定ポイントの割当処理の動作を説明する。
【0049】
図2のフローチャートにおいて、始めに図5に示すように、規格指定欄21a、ポイント数指定欄21b、特性欄21c、測定ポイント欄21dからなる設定画面を表示器21に表示し、操作部11の操作によって規格指定欄21aに規格特性Rが入力指定されると、その指定された規格特性Rのデータを規格特性メモリ13から読み出し、その規格特性を特性欄21cに表示するとともに、指定された規格特性の端点を含む変曲点A1〜Aqについて、図6のように、隣合う変曲点間の距離L1〜L(q−1)とその総和L0を求める(S1〜S4)。
【0050】
なお、この距離は、各変曲点をジッタ周波数とジッタ量とのXY座標の座標点とし、その座標点間の距離である。また、このXY座標のジッタ周波数(X軸)とジッタ量(Y軸)は、ともにlogスケールで表されており、前記した距離もこのlogスケールの座標上での距離となる。
【0051】
そして、操作部11の操作によってポイント数指定欄21bに任意の測定ポイント数Pが入力指定されると、その測定ポイント数Pと、規格特性Rの変曲点A1〜Aqの数Qとを比較する(S5、S6)。
【0052】
ここで、指定された測定ポイント数Pが変曲点数Qと等しいときには、図5に示しているように、全ての変曲点A1〜Aqの周波数f(A1)〜f(Aq)を測定ポイントとし、これを測定ポイント欄21dに周波数順に表示する(S7)。ただし、図5はP=Q=4の例である。また、特性欄21cの規格特性上に確定した測定ポイントの位置を識別表示(図5では丸印)する(以下同様)。
【0053】
また、測定ポイント数Pが変曲点数Qより少ない場合には、変曲点A1〜Aqのうち、低域側端点、高域側端点、低域側変曲点の優先順位で測定ポイントを割当てる。
【0054】
即ち、指定された測定ポイント数Pが1のときには、低域側端点A1の周波数f(A1)を唯一の測定ポイントとし、これを図7のように測定ポイント欄21dに表示する(S8、S9)。
【0055】
また、指定された測定ポイント数Pが2のときには、低域側端点A1の周波数f(A1)と高域側端点Aqの周波数f(Aq)を測定ポイントとし、これを図8(Q=4の例)のように測定ポイント欄21dに表示する(S10、S11)。
【0056】
また、指定された測定ポイント数Pが変曲点数Qより小さく2より大きいときには、図3のフローチャートに示しているように、先ず低域側端点A1の周波数f(A1)を測定ポイントとする(S12)。
【0057】
そして、残りの測定ポイント数Uを求め、予め求めていた総和L0をP−1で除算して、図9に示すように、仮りの測定ポイント間の平均距離Laを求める(S13、S14)。
【0058】
次に、規格特性R上でその前に候補値と決定した変曲点(この場合低域側端点A1)から高域側に距離Laだけ移動した仮の測定ポイントの座標Zを求め、残りの変曲点のうち、この座標点Zに最も近い変曲点(図9の例ではA2)の周波数を測定ポイントの一つとする(S15、S16)。
【0059】
なお、座標点Zが2つの変曲点の中間に位置する場合には、低域側の変曲点を優先する。
【0060】
上記処理S15、S16を測定ポイントの残り数Uが1になるまで繰り返し、残り数Uが1になったときに、最後の測定ポイントを高域側端点Aqの周波数とし、確定した全ての測定ポイントを、図10に示すように測定ポイント欄21dに表示する(S17〜S20)。
【0061】
また、指定された測定ポイント数Pが変曲点数Qより多い場合には、図4のフローチャートに移行して、全ての変曲点A1〜Aqの周波数f(A1)、f(Aq)を測定ポイントに割り当てるとともに、残りの測定ポイントを、隣合う変曲点間の距離が長い区間に優先的に割当てる。
【0062】
即ち、図11に示しているように、予め求めた総和L0を(P−1)で除算して平均距離Laを求め、各変曲点間の距離L1〜L(q−1)をそれぞれ平均距離Laで除算し、その除算結果を整数化して、変曲点間毎の仮の分割数K1〜K(q−1)を求める(S21、S22)。なお、図11は、P=12の例である。
【0063】
ここで、各変曲点間の距離Ll〜L(q−1)を長い順に表したものをY1〜Y(q−1)とし、それに対応する分割数をN1〜N(q−1)とする(S23)。
【0064】
そして、最も長い区間について得られた仮の分割数N1を1だけ増加更新し、分割数N1〜N(q−1)の総和N0と(P−1)との差xを求め、その差xが0であれば、その段階で各分割数N1〜N(q−1)が確定したものとする(S24〜S26)。
【0065】
また、差xが正であれば、最も短い区間の仮の分割数N(q−1)から分割数N(q−x)までの値をそれぞれ1ずつ減少更新して、総和N0をP−1と等しくし、その段階で各分割数N1〜N(q−1)が確定したものとする(S27)。
【0066】
また、差xが負であれば、2番目に長い区間の仮の分割数N2から分割数N(2+x−1)までの値をそれぞれ1ずつ増加更新して、総和N0をP−1と等しくし、その段階で各分割数N1〜N(q−1)が確定したものとする(S28)。
【0067】
このようにして、隣合う変曲点間の全ての区間についての分割数が確定した後、全ての変曲点A1〜Aqの周波数f(A1)〜f(Aq)を測定ポイントとし、続いて、1〜q−1までの変数iに対して、長さYiの区間をNi個に等分割する(Ni−1)個の座標点の周波数f(i,1)〜f(i,Ni−1)を測定ポイントとして求め、これらの処理で得られた全ての測定ポイントを、例えば図12に示すように、表示器21の測定ポイント欄21dに周波数順に表示する(S29〜S34)。なお、図12はP=12の例である。
【0068】
以上のように、指定された測定ポイント数Pに対して自動的に求められ、表示器21の画面上に表示された測定ポイントを測定者が確認して、確定操作、例えば操作部の特定キーに対する操作や測定モードを指定する操作を行なうと、この表示されている測定ポイントの周波数情報が測定ポイントメモリ15に記憶され、その測定ポイントのジッタ周波数における測定対象1の耐力測定あるいは伝達特性の測定が可能となる(図2のS35、S36)。
【0069】
このように実施形態のジッタ測定装置30は、測定ポイント数Pを指定するだけで、そのポイント数の周波数を自動設定でき、測定ポイント設定作業が極めて簡単に行なえる。
【0070】
また、測定ポイントの変更は測定ポイント数の変更のみで行なえ、指定した測定ポイント数が同じであれば、同一の測定ポイントとなるので、周波数自体を覚えていなくても、再現性の高い測定が可能となる。
【0071】
また、測定ポイントを自動設定する際に、規格特性の端点を含む変曲点に優先的に割り当てるので、測定ポイント数が少ない場合でも測定対象のジッタ特性と規格特性との対比が容易となり、その評価を正確に行なうことができる。
【0072】
また、指定された測定ポイント数Pと変曲点数Qとを比較し、測定ポイント数Pが変曲点数Qと等しいときには、全ての変曲点の周波数を測定ポイントとして割当て、測定ポイント数Pが変曲点数Qより少ない場合には、変曲点のうち、低域側端点、高域側端点、低域側変曲点の優先順位で測定ポイントを割当て、測定ポイント数Pが変曲点数Qより多い場合には、変曲点の全ての周波数を測定ポイントとして割当てるとともに、残りの測定ポイントを、隣合う変曲点間の距離が長い区間に優先的に割当てるようにしている。
【0073】
このため、規格特性との対比が容易で、特性変化を見過ごさない適切な測定ポイントを設定することができ、測定の信頼性が高い。
【0074】
なお、上記した測定ポイントの具体的な割当方法は一例であり、上記優先度にしたがっていれば割当方法は任意である。
【0075】
また、上記説明では、測定ポイント割当手段34によって得られた測定ポイントの周波数をそのまま測定ポイントメモリ15に記憶していたが、測定ポイント割当手段34によって得られた測定ポイントに対する追加や削除等の編集処理を表示画面上で行なえるようにしてもよい。
【0076】
また、上記説明では、ジッタ耐力と伝達特性の両方を測定できる装置について説明したが、その一方だけを測定する装置やワンダの耐力測定を行なう装置についても本発明を同様に適用できる。なお、ワンダの耐力測定を行なう場合には、低い周波数帯域で定義されている規格特性を用い、それに合わせて変調信号Mの周波数の設定範囲を低い周波数帯域内で設定する点だけが異なり、他の処理は同等である。
【0077】
また、ジッタ伝達特性のみを測定するジッタ測定装置の場合で、測定対象1がクロック信号の入力端子と出力端子を有している場合には、データ信号発生器20、クロック再生器21を省略して、ジッタクロックCjを測定対象1に入力し、測定対象1から出力されるクロックを位相比較器23に直接入力する構成でよい。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のジッタ測定装置は、測定ポイント数を指定するだけで、そのポイント数の周波数を自動設定でき、周波数設定操作が極めて簡単に行なえる。
【0079】
また、測定ポイントの変更は測定ポイント数の変更のみで行なえ、指定した測定ポイント数が同じであれば、同一の測定ポイントとなるので、周波数自体を覚えていなくても、再現性の高い測定が可能となる。
【0080】
また、測定ポイントを自動設定する際に、規格特性の端点を含む変曲点に優先的に割り当てるので、測定ポイント数が少ない場合でも測定対象のジッタ特性と規格特性との対比が容易となり、その評価を正確に行なうことができる。
【0081】
また、指定された測定ポイント数と変曲点数とを比較し、測定ポイント数が変曲点数と等しいときには、全ての変曲点の周波数を測定ポイントとして割当て、測定ポイント数が変曲点数より少ない場合には、変曲点のうち、低域側端点、高域側端点、低域側変曲点の優先順位で測定ポイントを割当て、測定ポイント数が変曲点数より多い場合には、変曲点の全ての周波数を測定ポイントとして割当てるとともに、残りの測定ポイントを、隣合う変曲点間の距離が長い区間に優先的に割当てるようにしている。
【0082】
このため、規格特性との対比が容易で、特性変化を見過ごさない適切な測定ポイントを設定することができ、測定の信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す図
【図2】実施形態の要部の処理手順を示すフローチャート
【図3】実施形態の要部の処理手順を示すフローチャート
【図4】実施形態の要部の処理手順を示すフローチャート
【図5】実施形態の動作中の表示画面の一例を示す図
【図6】実施形態の動作を説明するための図
【図7】実施形態の動作中の表示画面の一例を示す図
【図8】実施形態の動作中の表示画面の一例を示す図
【図9】実施形態の動作を説明するための図
【図10】実施形態の動作中の表示画面の一例を示す図
【図11】実施形態の動作を説明するための図
【図12】実施形態の動作中の表示画面の一例を示す図
【図13】測定されたジッタ耐力特性と規格特性の一例を示す図
【図14】従来装置の構成を示す図
【符号の説明】
1……測定対象、11……操作部、13……規格特性メモリ、15……測定ポイントメモリ、16……測定部、17……クロック発生器、18……変調信号発生器、19……位相変調器、20……データ信号発生器、21……誤り測定器、22……クロック再生器、23……位相比較器、24……測定制御部、25……表示器、30……ジッタ測定装置、31……測定ポイント設定部、32……規格特性指定手段、33……ポイント数指定手段、34……測定ポイント割当手段
Claims (2)
- 予め設定された周波数の変調信号によって位相変調した信号を生成して測定対象に入力し、該測定対象から出力される信号に基づいて測定対象のジッタに関わる特性値を、前記変調信号の周波数毎に測定する測定部(16)と、
所定の規定特性に対して、前記測定部が位相変調に用いる変調信号の周波数を測定ポイントとして設定するための測定ポイント設定部(31)とを有するジッタ測定装置において、
前記測定ポイント設定部は、
測定ポイント数を任意に指定するためのポイント数指定手段(33)と、
前記ポイント数指定手段によって指定された数の測定ポイントを前記規定特性の端点を含む変曲点に優先的に割り当てる測定ポイント割当手段(34)とを備えていることを特徴とするジッタ測定装置。 - 前記測定ポイント割当手段は、
指定された測定ポイント数と前記変曲点の数とを比較し、前記測定ポイント数が前記変曲点の数と等しいときには、前記変曲点の全ての周波数を測定ポイントとして割当て、前記測定ポイント数が前記変曲点の数より少ない場合には、前記変曲点のうち、低域側端点、高域側端点、低域側変曲点の優先順位で測定ポイントを割当て、前記測定ポイント数が前記変曲点の数より多い場合には、前記変曲点の全ての周波数を測定ポイントとして割当てるとともに、残りの測定ポイントを、隣合う変曲点間の距離が長い区間に優先的に割当てるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のジッタ測定装置。
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