JP3028388B2 - 電子回路の周波数特性測定装置 - Google Patents

電子回路の周波数特性測定装置

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JP3028388B2
JP3028388B2 JP4272342A JP27234292A JP3028388B2 JP 3028388 B2 JP3028388 B2 JP 3028388B2 JP 4272342 A JP4272342 A JP 4272342A JP 27234292 A JP27234292 A JP 27234292A JP 3028388 B2 JP3028388 B2 JP 3028388B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測定周波数を可変し
て、被測定電子回路のレベル−周波数特性や位相−周波
数特性(以下、単に周波数特性と記す)等を測定する周
波数特性測定装置(以下、測定装置と記す)に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、バンドパスフィルタ(以下、B
PFと記す)の特性を測定する場合、図11に示す構成
の測定装置1が従来より用いられている。
【0003】即ち、測定装置1の測定部2は、シンセサ
イザ型の発振器3からBPF15へ測定信号を入力し、
BPF15の出力信号を検波回路4で検波し、その検波
出力をA/D変換器5によって、ディジタル信号に変換
出力する。
【0004】発振器3は、測定実行部6から設定される
周波数データFに一致する周波数Fで一定レベルの測定
信号を出力する。
【0005】測定実行部6は、発振器3に設定するため
の周波数データFを一時記憶するラッチ回路7と、ラッ
チ回路7の記憶値に所定の周波数ステップΔFを加算し
た値をラッチ回路7へ出力する加算器8と、所定周期の
クロック信号を計数するM進のアドレスカウンタ9と、
アドレスカウンタ9のキャリー出力でオンして、所定の
スタート周波数データFstをラッチ回路7へ初期設定す
るスイッチ10とを有している。
【0006】したがって、ラッチ回路7の記憶値は、ク
ロック信号が入力するごとに、初期値Fstから、Fst+
ΔF、Fst+2ΔF、…、Fst+(M−1)ΔFと順番
に更新されて、M個目のクロック信号が入力されると、
スイッチ10がオンして、初期状態に戻る。
【0007】このため、発振器3からの測定信号の周波
数は、図12のAに示すように、FstからΔFステップ
でFst+(M−1)ΔFまでステップ状に可変される。
【0008】この測定周波数の掃引中におけるA/D変
換5からの周波数毎の検波出力データD0 〜DM-1 (測
定値)は、M個のアドレスを有する測定値メモリ11に
アドレス順に記憶される。
【0009】測定値メモリ11に記憶された測定値D0
〜DM-1 は、表示装置12によってアドレス順に読出さ
れ、そのアドレス値を横軸、その測定値の大きさを縦軸
とする表示画面12a上にドット表示される。この表示
装置の解像度は有限であって、測定値メモリ31のアド
レス数Mは、一軸上に表示できるポイント数で規定され
ている。
【0010】次に、この測定装置1によってBPF15
の測定を行なう場合に説明する。
【0011】BPFの一般的な測定項目としては、3d
B帯域幅Fw、中心周波数Fc、帯域内リップルR、帯
域外減衰量P等があり、これらの一般的な測定項目に加
え、ユーザ側からの要求による特定周波数における減衰
量を測定する場合もある。
【0012】これらの測定項目のうち、Fw、Fc、R
のような通過帯域に関する測定を行なう場合には、測定
周波数を、BPF15の公称中心周波数Fc0 を中心に
した狭い測定領域(例えば公称帯域幅Fw0 の2倍程
度)を細かいステップで掃引する必要がある。
【0013】測定値メモリ11のアドレス数はMで固定
されているから、この場合、図12のBのようにスター
ト周波数FsをFc0 −Fw0 に設定し、周波数ステッ
プΔFを2・Fw0 /Mに設定して、クロック信号の入
力を開始すれば、測定信号の周波数は、Fc0 −Fw0
から2・Fw0 /MのステップでFc0 +Fw0 まで掃
引される。このため、表示装置12の表示画面12aに
は、図13に示すような通過帯域近傍の減衰特性が表示
される。
【0014】この特性から、BPF15の挿入損失aを
縦軸の0dBから特性のピークまでの間隔を読取ること
で知ることができ、特性のピークから−3dB低下した
周波数F1 、F2 を読取ってその差を求めることで帯域
幅Fwを知ることができる。また、中心周波数FcはF
1 +Fw/2で求めることができる。また、帯域内リッ
プルRは、この通過帯域Fw内のピーク値とボトム値の
差を読取ることで知ることができる。
【0015】このようにBPF15の通過帯域近傍を細
かい周波数ステップで掃引したときには、各測定値を正
確に読取ることができるが、この特性からは、通過帯域
外の減衰量等を広い範囲にわたって知ることはできな
い。
【0016】そこで、このような通過帯域外の測定を行
なう場合には、図12のAに示したように公称中心周波
数Fc0 を中心にした広い範囲(例えば±Fc0 /2)
を広いステップで掃引する。
【0017】即ち、スタート周波数Fsを、Fc0 −F
0 /2に設定し、周波数ステップΔFをFc/Mに設
定して、クロック信号の入力を開始すれば、測定信号の
周波数は、Fc0 /2からFc0 /MのステップでFc
0 +Fc0 /2まで掃引される。このため、表示画面1
2aには、図14に示すような減衰特性が広い範囲にわ
たって表示される。
【0018】この特性から、通過帯域外の減衰量(最悪
値)P1 、P2 を、0dBと帯域外のピークとの間隔を
読取ることで知ることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような従来の測定装置では、前述のように通過帯域内に
関する測定を行なうときと、通過帯域外の測定を行なう
ときとで、測定周波数の掃引条件(スタート周波数と周
波数ステップ)を切換え、最低2回の掃引測定を行なわ
なければならず、しかも、その掃引による特性のいずれ
か1つしか画面上でみることができないため、特性の良
否の判定が極めて非能率的であるという問題があった。
【0020】また、測定周波数の掃引範囲と測定値メモ
リのアドレス数(表示装置の表示ポイント数)との関係
から周波数ステップが決定されるのでユーザ要求の所定
周波数の特性値を正確に求めるためには、この所定周波
数を掃引のスタート周波数とする掃引を別に行なわなけ
ればならなかった。また、1回の掃引ごとに測定値メモ
リの内容が書かえられてしまうため、前の掃引による特
性確認等を行なうことができないという不便さがあっ
た。
【0021】本発明は、これらの課題を解決した測定装
置を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の測定装置は、被測定電子回路からの信号を
受けて、周波数を掃引しながら測定し、測定周波数成分
の測定値を検出する測定部(21)と、前記測定部によ
って検出された測定値を記憶するための所定アドレス数
の測定値メモリ (31)と、前記測定部の測定周波数
をステップで掃引して測定させて、該測定周波数ごとの
前記測定値を前記測定値メモリの前記測定周波数に対応
するアドレスにそれぞれ記憶させる測定実行手段(4
5)と、前記測定値メモリのアドレス数にほぼ等しい表
示ポイント数を有し、前記測定値メモリに記憶された測
定値を読出して周波数軸上に表示する表示装置(48)
とを有する電子回路の周波数特性測定装置において、前
記被測定電子回路の特性に応じて複数の異なる測定周波
数領域を指定する測定領域指定手段(36)と、前記測
定領域指定手段によって指定された各測定周波数領域を
前記測定部が一掃引する間に順次連続的に測定するため
に、前記各測定周波数領域を、前記測定値メモリの全ア
ドレス数の範囲内に割当てるアドレス領域割当手段(4
0)と、前記アドレス領域割当手段によって割当てられ
た各アドレス領域のアドレス数とその測定周波数領域の
幅とに基づいて、1アドレス毎の前記測定周波数のステ
ップを前記指定された各測定周波数領域毎に算出する演
算手段(41、42)とを設け、前記測定実行手段は、
前記測定部の測定周波数を、前記測定領域指定手段で指
定された全ての測定周波数領域内を前記演算手段で算出
されたそれぞれのステップで掃引可変しながら、その測
定値を前記測定値メモリの各アドレス領域内に順番に記
憶させることを特徴としている。
【0023】
【作用】このように構成したため、本発明の測定装置で
は、指定された測定周波数領域に対して、測定値メモリ
のアドレス領域がそれぞれ割当てられ、各測定周波数領
域毎の周波数ステップが各アドレス領域のアドレス数と
測定領域の幅とによって算出され、算出された周波数ス
テップによる各測定領域の掃引が測定部で行われて、そ
の周波数毎の測定値が測定値メモリの各アドレス領域内
に順番に記憶される。
【0024】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。図1は、前記BPF15の各特性値を測定する
ための測定装置20の構成を示している。
【0025】図1において、被測定電子回路としてのB
PF15の入出力は、測定装置20の出力端子20aお
よび入力端子20bにそれぞれケーブルやプローブ等を
介して接続される。出力端子20aからは、測定部21
のシンセサイザ型の発振器22の出力が測定信号として
出力される。
【0026】発振器22は、後述する制御部30からの
周波数データFsに等しい周波数の所定レベルの測定信
号を出力端子20aおよび第1のミキサ23へ出力す
る。第1のミキサ23は、周波数Fsの信号と固定発振
器24からの周波数Fiの信号とを混合して、例えばそ
の差の周波数(Fs−Fi)の信号を局発信号として第
2のミキサ25へ出力する。
【0027】第2のミキサ25は、入力端子20b入力
される信号と局発信号を混合し、その混合成分を中間周
波フィルタ26へ出力する。中間周波フィルタ26の通
過中心周波数は、固定発振器24の周波数Fiと一致
し、しかもその帯域幅は狭いため、中間周波フィルタ2
6からは、第2のミキサ25への入力信号のうち、測定
信号周波数Fs成分のみが選択されて出力される。
【0028】中間周波フィルタ26からの信号は、対数
変換型の検波回路27で検波されて、A/D変換器28
によってディジタル変換され、その変換出力は、測定値
として制御部30の測定値メモリ31へ出力される。
【0029】マイクロコンピュータ構成の制御部30に
は、測定値メモリ31の他に測定周波数メモリ32が設
けられている。これら2つのメモリ31、32は、とも
に0からMまでのアドレス値を有し、これらのメモリに
対するアドレス指定はM−1進のアドレスカウンタ33
の出力値によってなされる。
【0030】測定周波数メモリ32の各アドレスには、
予め、周波数テーブル作成部35によって作成された周
波数データが記憶されている。
【0031】周波数テーブル作成部35は、測定周波数
の領域を指定する手段として、通過帯域内測定の有無や
通過帯域外測定の有無とその領域数、あるいは、ユーザ
要求等による規定周波数における測定の有無を予め設定
するための測定指定手段36と、BPF15の公称中心
周波数Fc0 、公称帯域幅Fw0 、通過帯域外の測定領
域のスタート周波数、エンド周波数、あるいはユーザ要
求の規定周波数F1 〜Fn等の規定値を予め設定するた
めの規定値設定手段37を有している。
【0032】アドレス領域割当手段40は、測定指定手
段36で指定された測定項目とその数に応じて、測定周
波数メモリ32の全アドレス範囲の中でアドレス領域の
割当てを行なう。このアドレス領域の割当ては、最大で
測定値メモリ31の全アドレスを1つの測定領域に割当
てることも可能である。
【0033】帯域内周波数データ演算手段41は、帯域
内測定に対して割当てられたアドレス領域に記憶するた
めの周波数データを各アドレス毎に演算して出力する。
帯域外周波数データ演算手段42は、帯域外測定に対し
て割当てられたアドレス領域に記憶するための周波数デ
ータを各アドレス毎に演算して出力する。周波数登録手
段43は、前記演算手段41、42で算出された周波数
データと、ユーザ要求による規定周波数データを、測定
周波数メモリ32の割当てのアドレスにそれぞれ書込
む。この周波数データ書込みは、測定周波数メモリ32
への書込み信号W1 の出力と、アドレスカウンタ33へ
の歩進制御によって行なわれる。したがって、測定周波
数メモリ32に記憶されている周波数の測定信号による
測定値は、その周波数データのアドレスと同一アドレス
の測定値メモリ31に記憶されることになり、測定周波
数メモリ32に対するアドレス領域の割当ては、測定値
メモリ31に対するアドレス領域の割当てと等価であ
る。
【0034】図2〜図5は、このアドレス領域の割当て
と周波数データの登録の手順の一例を示すフローチャー
トである。以下、これらのフローチャートに従って、M
が500の場合の周波数テーブルの作成処理を詳しく説
明する。
【0035】図2のフローチャートは、ユーザに対して
減衰量を保証する複数の規定周波数(例えばF1
2 、F3 )と、BPFの帯域内の周波数データの登録
手順を示しており、始めに、規定周波数における保証減
衰量の測定の有無が判定され、測定有りと判定された場
合には、測定周波数メモリ32の0番地から5ポイント
ずつ連続したアドレスに規定周波数が登録される(S
1、S2)。例えば、3つの規定周波数F1 、F2 、F
3 が予め設定されているものとすると、F1 は0番地か
ら4番地まで、F2 は5番地から9番地まで、F3 は1
0番地から14番地までに直接登録される。この保証減
衰量測定のための規定周波数の割当て領域は、図6に示
すように、0番地から49番地までであって、最大で1
0個までの規定周波数の登録が可能となっている。
【0036】次に、0番地から49番地までの空領域に
公称中心周波数Fc0 がダミーデータとして登録され、
帯域内の測定の有無が判定される(S3、S4)。
【0037】帯域内の測定が有りと判定されたときに
は、公称中心周波数Fc0 と測定帯域幅Fw′とに基づ
いて、帯域内測定の掃引開始周波数Fst1 が次式 Fst1 =Fc0 −Fw′/2 によって算出される(S5)。なお、測定帯域幅Fw′
は、実際のBPFの帯域幅と中心周波数のバラツキを考
慮した値で、例えば公称帯域幅Fw0 の1.2倍程度の
値である。この帯域内の掃引開始周波数Fst1 は、50
番地から59番地まで登録される(S6)。
【0038】次に帯域内の周波数ステップΔF1 が次式 ΔF1 =Fw′/200によって算出され、60番地か
ら259番地までの各アドレスAに、次式 Fst1 +ΔF(A−59) で決まる周波数データがそれぞれ登録される(S8〜S
11)。
【0039】以上の処理によって、測定周波数メモリ3
2の50〜259番地の間には、通過帯域近傍を測定領
域とする掃引測定に必要な一連の周波数データが図6に
示すように登録されることになる。
【0040】次に、通過帯域外測定用の周波数データ作
成処理が図3〜図5のフローチャートに従って行なわれ
る。
【0041】図3のフローチャートは、通過帯域外の測
定領域の指定が無い場合と、1つ有る場合の処理を示し
ており、通過帯域外測定が無い場合には、アドレス26
0番地から最終のアドレス500番地に公称中心周波数
Fc0 がダミー登録される(S12、S13)。
【0042】周波数がFst2 からFen2 の通過帯域外の
測定領域が1つ指定されている場合には、その指定領域
のスタート周波数Fst2 が260番地から269番地に
登録され、掃引のステップ周波数ΔF2 が次式 ΔF2 =(Fen2 −Fst2 )/200 によって算出される(S14〜S16)。
【0043】そして、270番地から469番地までの
各アドレスに、次式 Fst2 +ΔF2 (A−269) で決まる周波数データがそれぞれ登録され、470番地
から500番地には、Fc0 がダミー登録される(S1
7〜S21)。
【0044】このように通過帯域外の測定領域が1つ指
定された場合には、周波数メモリ32の260番地から
470番地までの範囲にその周波数データが登録され
る。
【0045】通過帯域外の測定が2領域指定された場合
には、各領域ごとに、図4に示すように前記S15〜S
20までの処理と同等の処理がなされ、第1の帯域外領
域のスタート周波数Fst2 が260〜269番地に登録
され、これに続く周波数データが、270〜369番地
までにΔF2 のステップでFen2 まで100個登録され
る(S22〜S28)。
【0046】また、第2の帯域外領域のスタート周波数
Fst3 が370〜379番地に登録され、これに続く周
波数データが380〜479番地までにΔF3 のステッ
プでFen3 まで100個登録され、残りの480〜50
0番地までにFc0 が登録される(S29〜S35)。
【0047】通過帯域外の測定領域が3つあるいは4つ
ある場合には、図5に示すように、第1の帯域外領域の
スタート周波数Fst2 が260〜269番地に登録さ
れ、これに続く周波数データが270〜319番地まで
ΔF2 のステップでFen2 まで50個登録され、第2の
帯域外領域のスタート周波数Fst3 が320〜329番
地に登録され、これに続く周波数データが330〜37
9番までΔF3 のステップでFen3 まで50個登録され
る(S36〜S48)。
【0048】次に第3の帯域外領域のスタート周波数F
st4 が380〜389番地に登録され、これに続く周波
数データが390〜439番地にΔF4 のステップで5
0個登録され、第4の帯域外領域の指定の有無が判定さ
れる(S49〜S55)。
【0049】第4の領域が指定されている場合には、そ
のスタート周波数Fst5 が440〜449番地に登録さ
れ、これに続く周波数データが450〜499番地まで
にΔF5 のステップで50個登録され、残りアドレスに
Fc0 がダミー登録される(S56〜S62)。
【0050】以上の処理によって、測定周波数メモリ3
2には、図6にその一例を示すように、測定周波数領域
毎の周波数データが各アドレス領域毎に登録されること
になる(図6は通過帯域外の測定領域が2つ指定された
場合の周波数データを示している)。
【0051】測定実行手段45(図1参照)は、外部あ
るいは図示しない測定スイッチの操作による測定開始信
号を受けると、測定周波数メモリ32に対する読出し信
号R1 と、測定値メモリ31に対する書込み信号W2
を出力するとともに、アドレスカウンタ33の出力を一
定周期で0番地から500番地まで歩進させて、測定部
21による測定を実行させる。
【0052】表示装置48は、測定実行手段45によっ
て測定が行なわれた後、測定値メモリ31に対して、読
出し信号R2 を出力し、アドレスカウンタ33を一定周
期で0番地から500番地まで歩進させて測定値をアド
レス順に読出し、アドレス値を横軸、測定値の大きさを
縦軸とする表示画面48a上にドット表示させる。な
お、表示装置48は、表示画面48a上で周波数の読取
りが行なえるように、前記周波数登録手段43等からの
周波数データを受けて、測定周波数領域のスタート周波
数やエンド周波数に対応する横軸の位置にこれらの周波
数を表示するように構成されている。
【0053】次に、通過帯域をはさむ2つの帯域外測定
領域が図6に示したように登録されている場合の測定動
作について説明する。
【0054】測定開始信号が測定実行手段45に入力さ
れると、測定周波数メモリ32と測定値メモリ31のア
ドレスがt0 時に0番地に指定され、発振器22への周
波数データとして規定周波数F1 がセットされる。この
ため、図7に示すようにBPF15へ規定周波数F1
測定信号が出力され、BPF15の出力信号のうちF1
成分のみが検波されて、その検波データが最初の測定値
として測定値メモリ31の0番地へ記憶される。規定周
波数F1 による測定が5回連続して行なわれて、t1
にアドレスが5番地になると、規定周波数F2 による測
定が5回連続してなされ、t2 時にアドレスが10番地
になると、規定周波数F3 による測定が5回連続してな
される。
【0055】アドレスがt3 時に15番地になってから
49番地まで歩進する間の測定周波数は、公称中心周波
数Fc0 に固定され、Fc0 による測定がなされる。ア
ドレスがt4 時に50番地になってから59番地まで歩
進する間の測定周波数は、通過帯域内測定のための掃引
開始周波数Fst1 に固定され、t5 時にアドレスが60
番地になってから259番まで歩進する間の測定周波数
は、ΔF1 のステップで掃引され、Fc0 −Fw′/2
からFc0 +Fw′/2までの測定帯域の測定がなされ
る。
【0056】アドレスがt6 時に260番地になってか
ら269番地までの歩進する間の測定周波数は、第1の
帯域外測定領域のスタート周波数Fst2 に固定され、ア
ドレスがt7 時に270番地になってから369番地ま
で歩進する間の測定周波数は、ΔF2 のステップで掃引
される。
【0057】アドレスがt8 時に370番地になってか
ら379番地まで歩進する間の測定周波数は、第2の帯
域外領域のスタート周波数Fst3 に固定され、アドレス
がt9 時に380番地になってから479番地まで歩進
する間の測定周波数は、ΔF3 のステップで掃引され、
2つの帯域外測定が終了し、アドレスがt10時に480
番地になってから500番地まで歩進する間の測定周波
数は、公称中心周波数Fc0 に固定された測定が行なわ
れる。
【0058】このように一つの連続した測定が終了する
と、表示装置48は、測定値メモリ31に記憶された測
定値を測定順に0番地から読出して、図8に示すように
表示画面48a上に一連の波形として表示する。
【0059】この波形のA部分は、規定周波数F1 、F
2 、F3 の減衰量を示しているため、A部分の大きさが
保証値(例えば−70dB)を越えていればこのBPF
15を不良品と判定することができる。
【0060】また、波形のB部分は、通過帯域内特性を
示しているため、0dBラインとピーク値との差および
ピーク値とボトム値の差から、挿入損失aおよびリップ
ルRを知ることができる。また、ピーク値から3dB低
下した周波数Fa、Fbを読取れば、その通過帯域幅F
w(=Fb−Fa)を知ることができ、Fa+Fw/2
の演算から中心周波数Fcを知ることができる。これら
通過帯域内の特性は、小さな周波数ステップ即ち、高い
分解度で示されているので、各特性値(a、R、Fwお
よびFc)を正確に読みとることができる。
【0061】さらに、通過帯域外の特性を示すC、Dの
部分から帯域外減衰量P1 、P2 も同一画面上で知るこ
とができる。
【0062】なお、この実施例では、予め、測定周波数
メモリに登録した周波数データを、測定実行時に順番に
読出して測定部21へ設定していたが、測定周波数メモ
リ32を介さずに前記図2〜図5の処理を測定部21の
発振器21に対して直接行なって、一連の測定を実行さ
せてもよい。
【0063】また、前記実施例では、測定値メモリ31
に記憶された測定値を直接表示するようにしていたが、
同一の測定を複数(K)回行ない、測定値の平均化処理
を各アドレス毎に行なった結果を表示するようにしても
よい。この場合には、測定値をアドレス単位で測定回数
分積算する手段と、その積算値を測定回数で除算する手
段を設け、その除算結果を表示すればよい。
【0064】また、前記実施例では、測定値メモリ31
から測定値を読出して画面表示する表示装置48を用い
ていたが、X−Yプロッタのような機械式の表示器を用
いてもよい。
【0065】また、前記実施例では、規定周波数による
測定に続いて通過帯域内の掃引測定を行ない、さらに続
いて帯域外の測定を行なっていたが、この順序は任意で
あって、例えば図9に示すように、規定周波数の測定S
の次に低域側の帯域外測定Tを行ない、その次に通過帯
域内測定Uを行ない、さらに続いて高域側の帯域外測定
Vを行なうように測定周波数を掃引してもよい。
【0066】また、測定値メモリ31に対する測定値の
読出し順序を前記実施例のように測定順に行なう必要は
なく、例えば、図9に示した順に測定を行なった場合で
あっても、S部分の規定周波数による測定値を読出した
後に、U部分の通過帯域内の測定値を読出し、さらにT
部分とV部分の帯域外測定値を読出すようにすれば、そ
の特性を図8に示すように表示することができる。
【0067】また、前記実施例の測定部は、BPF15
の出力信号のうち、測定周波数成分の信号を狭帯域に検
波し、その検波出力を測定値としていたが、外乱信号や
発振器22のスプリアス成分が少ない場合には、前述の
従来装置のように広帯域な検波回路を用いてもよい。
【0068】前記実施例は、BPFの周波数に対する減
衰量の変化を測定する測定装置について説明したが、被
測定電子回路はBPFに限らず低域フィルタ、高域通過
フィルタ、増幅器、減衰器の周波数特性あるいはミキサ
のアイソレーション測定等についても同様に行うことが
できる。また、被測定電子回路の入出力位相差の周波数
に対する変化を測定値として検出する場合には、図10
に示す測定部21′のように、発振器22の出力と被測
定電子回路15′の出力との位相差を検出する位相検波
器50と、その検波出力を低域通過フィルタ51によっ
て直流電圧に変換し、この直流電圧をA/D変換して測
定値を検出すればよい。
【0069】また、発振器のように自ら信号を出力する
電子回路を測定する場合には、測定部21の発振器22
から被測定電子回路への測定信号の出力は不要で、被測
定電子回路から出力される信号を入力端子20bに入力
し、指定帯域毎のスペクトラム分析を行なえばよい。
【0070】また、前記実施例では、測定結果を表示装
置の画面上に表示して、その特性値を読み取るようにし
ていたが、測定領域毎に測定値のピーク値やボトム値を
検出して各特性値を求める手段と、その特性値を基準値
と比較して、特性の良否の判定を行う手段とを設けて、
電子回路の自動選別を行うようにしてもよい。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子回路
の周波数特性測定装置は、指定された各測定周波数領域
に対して、測定値メモリのアドレス領域を割当て、アド
レス領域の各アドレス数と各測定領域の幅とから測定領
域毎の周波数ステップを算出し、各測定領域内をそれぞ
れの周波数ステップで掃引可変するとともに、各周波数
毎の測定値を測定値メモリの割当てアドレス領域に記憶
するように構成されている。
【0072】このため、BPFの通過帯域内のように、
狭い周波数範囲を小さな周波数ステップで観測する必要
のある測定領域に対しては、広いアドレス領域を割当
て、広い周波数範囲を粗い周波数ステップで観測する必
要のある測定領域に対しては、狭いアドレス領域を割当
てることができ、測定に必要な所望の周波数領域だけ集
合して1回の掃引で測定し、記憶するようにしているの
で、各領域間の周波数スケール換算も必要なく、正確に
一連に記憶することができる。また、これら全ての測定
領域の測定値を、表示画面の切換えを行なわずに、一画
面上に一連に表示でき、測定を格段に高速化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック図である。
【図2】規定周波数と通過帯域内の周波数データの登録
手順を示すフローチャートである。
【図3】通過帯域外の測定領域の指定数が0または1の
場合の登録手順を示すフローチャートである。
【図4】通過帯域外の測定領域の指定数が2の場合の登
録手順を示すフローチャートである。
【図5】通過帯域外の測定領域の指定数が4以下の場合
の登録手順を示すフローチャートである。
【図6】測定周波数メモリ内への周波数データの登録例
を示すメモリ図である。
【図7】図6の周波数データの読出しによる測定周波数
の変化を示す図である。
【図8】図7に示した測定周波数の変化によって測定さ
れた測定値の表示例を示す図である。
【図9】測定周波数の他の変化例を示す図である。
【図10】測定部の他の構成例を示すブロック図であ
る。
【図11】従来装置の構成を示すブロック図である。
【図12】従来装置の測定周波数の変化を示す図であ
る。
【図13】従来装置の測定値の表示例を示す図である。
【図14】従来装置の測定値の他の表示例を示す図であ
る。
【符号の説明】
15 BPF 20 測定装置 21 測定部 22 発振器 23、25 ミキサ 24 固定発振器 26 中間周波フィルタ 27 検波器 28 A/D変換器 30 制御部 31 測定値メモリ 32 測定周波数メモリ 33 アドレスカウンタ 35 周波数テーブル作成部 36 測定指定手段 37 規定値設定手段 40 アドレス領域割当手段 41 帯域内周波数データ演算手段 42 帯域外周波数データ演算手段 43 周波数データ登録手段 45 測定実行手段 48 表示装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定電子回路からの信号を受けて、周波
    数を掃引しながら測定し、測定周波数成分の測定値を検
    出する測定部(21)と、 前記測定部によって検出された測定値を記憶するための
    所定アドレス数の測定値メモリ (31)と、 前記測定部の測定周波数をステップで掃引して測定させ
    、該測定周波数ごとの前記測定値を前記測定値メモリ
    の前記測定周波数に対応するアドレスにそれぞれ記憶さ
    せる測定実行手段(45)と、 前記測定値メモリのアドレス数にほぼ等しい表示ポイン
    ト数を有し、前記測定値メモリに記憶された測定値を読
    出して周波数軸上に表示する表示装置(48)とを有す
    る電子回路の周波数特性測定装置において、 前記被測定電子回路の特性に応じて複数の異なる測定周
    波数領域を指定する測定領域指定手段(36)と、 前記測定領域指定手段によって指定された各測定周波数
    領域を前記測定部が一掃引する間に順次連続的に測定す
    るために、前記各測定周波数領域を、前記測定値メモリ
    の全アドレス数の範囲内に割当てるアドレス領域割当手
    段(40)と、 前記アドレス領域割当手段によって割当てられた各アド
    レス領域のアドレス数とその測定周波数領域の幅とに基
    づいて、1アドレス前記測定周波数ステップを
    記指定された各測定周波数領域毎に算出する演算手段
    (41、42)とを設け、 前記測定実行手段は、前記測定部の測定周波数を、前記
    測定領域指定手段で指定された全ての測定周波数領域内
    を前記演算手段で算出されたそれぞれのステップで掃引
    可変しながら、その測定値を前記測定値メモリの各アド
    レス領域内に順番に記憶させることを特徴とする電子回
    路の周波数特性測定装置。
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